JPH1050291A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池

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JPH1050291A
JPH1050291A JP8205652A JP20565296A JPH1050291A JP H1050291 A JPH1050291 A JP H1050291A JP 8205652 A JP8205652 A JP 8205652A JP 20565296 A JP20565296 A JP 20565296A JP H1050291 A JPH1050291 A JP H1050291A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己放電が少なく、保存特性に優れた高容量
のアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 正、負の極板間に、多孔性のポリオレフ
ィンフィルム製で、イオン交換能をもち、そのイオン交
換能がカリウムのイオン交換量にして単位重量当たり
0.02〜3ミリ当量/gであるセパレ−タを用いたア
ルカリ蓄電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ蓄電池の改
良、特にそのセパレ−タの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の軽薄短小化に伴い、そ
の電源として小型高容量電池の要望が高まってきてい
る。高信頼性電池であるアルカリ蓄電池においてもこの
流れに沿って、ニカド電池の高容量化や、負極にエネル
ギー密度の高い水素吸蔵合金を用いた金属酸化物−水素
蓄電池の開発、改良が進められている。この種のアルカ
リ蓄電池は、一般に負極と正極との間にセパレータを介
在させ、電解液としてアルカリ水溶液を所定量注入して
構成されている。ここでのセパレータとしては、ポリア
ミドまたはポリオレフィン繊維製の不織布が通常用いら
れている。そして電池のさらなる高容量化を目指して、
電池反応には本来関与しないセパレータの薄型化や改良
が検討されている。しかしながら、セパレ−タの厚みを
単純に薄型化するとセパレ−タのもつ空間体積が減少
し、これにつれて電解液の保持性能が低下してしまう。
その結果、電解液の減少につれて電池の内部抵抗が上昇
し、放電性能が低下する。
【0003】この電池の内部抵抗の上昇等を解決するた
めには、セパレータの単位面積当たりの繊維量(目付重
量)を減少させて、電解液を保持する空間体積を確保す
る必要がある。しかし、不織布の場合には、繊維量を減
らすとセパレータの表面積が減少し、厚みや目付重量の
バラツキが大きくなるため、空間体積は確保できるもの
の逆に隔壁性が低下して電池構成時に正、負極が接触し
て内部短絡が発生しやすくなる。従ってこのような不織
布に代わり、厚み的に均一で薄型化が可能な多孔性のフ
ィルム状の多孔膜からなるセパレータの開発、改良も検
討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの多孔性フィル
ムとしては、ポリエチレン製のものや、ポリオレフィン
を二軸延伸処理したものが提案されている。しかし、こ
れらの多孔性フィルムの細孔(微孔)はいずれもアルカ
リ電解液の濡れ性に乏しく、そのままではアルカリ蓄電
池のセパレ−タとしては適さない。そこで特開平8−2
0663号公報では、非イオン界面活性剤でフィルムに
親水化処理を施してアルカリ電解液との濡れ性を向上さ
せた多孔性セパレ−タが開示されている。しかしなが
ら、上記のフィルムをセパレ−タに用いたアルカリ蓄電
池では、自己放電による性能低下が十分には解消されな
い。
【0005】アルカリ蓄電池の自己放電による性能低下
の要因としては、ポリアミド製セパレ−タの分解等によ
り生じる硝酸根イオンのシャトル機構などが知られてい
る。ニッケル・水素蓄電池では硝酸根イオンに加え、負
極および正極から溶出した遷移金属イオンが電池の自己
放電に悪影響を及ぼすと考えられている。これはニッケ
ル・水素蓄電池の場合、負極合金中の遷移金属は、アル
カリ電解液中におけるその可逆電位が水素の可逆電位よ
りも卑であるため、電解液中にイオンとして溶出する。
この溶出した遷移金属イオンは電池保存中に負極側から
セパレ−タ中を移動して正極に到達し、オキシ水酸化ニ
ッケルを還元して、自己放電による性能低下を加速させ
る。このためにニッケル・水素蓄電池の自己放電は著し
いものとなる。
【0006】本発明はこのような課題を解決するもの
で、イオン交換能を有した多孔性フィルムをセパレ−タ
として用いることにより自己放電が少なく、保存特性に
優れた高容量なアルカリ蓄電池を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、金属酸化物からなる正極と遷移金属を主構
成材料とする負極とを多孔性でイオン交換能をもったポ
リオレフィンフィルムからなるセパレ−タにより隔離し
たアルカリ蓄電池であり、このセパレ−タのイオン交換
能は、カリウムのイオン交換量にしてセパレ−タの単位
重量当たり0.02〜3ミリ当量/gとしたものであ
る。また、セパレ−タはその厚み方向のイオン交換基量
において、一方の面が他方の面よりも多く、例えば1.
1倍以上で配置された構造を有し、このイオン交換基量
の多い面を負極側に配置して電極群を構成し、これを電
池ケ−スに収納したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、セパレ
−タである多孔性のポリオレフィン系樹脂フィルムを親
水化処理したものである。フィルム材質のポリオレフィ
ンとしては、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン
(PP)、これらの混合物、あるいはそれらの複合多孔
膜のいずれかで構成されていればよい。またフィルムと
しての厚みは10μm〜120μm、その多孔度は20
〜90%が好ましく、セパレ−タとしてのイオン交換能
は、カリウムのイオン交換量で単位重量当たり0.02
〜3ミリ当量/gであれば十分な親水性を保ち、電池と
しての自己放電にも優れている。このため所定量のイオ
ン交換量を有するものであればよく、イオン交換基はス
ルホン基、カルボキシル基、水酸基、およびこれらの基
の混合など、その種類は問わない。
【0009】イオン交換量とは、イオン交換基がイオン
と塩を作る能力を表す指標であり、本発明のイオン交換
基はアニオン型であるため、この能力が大きければ大き
いほど陽イオンと塩を作り易く、遷移金属イオンのトラ
ップ能力が高くなる。また本発明では、カリウムイオン
によるイオン交換量を求めたが、この指標はその他の陽
イオンであっても何ら問題はない。
【0010】請求項2に記載の発明は、イオン交換基の
数が同じ場合は、スルホン基が他のイオン交換基よりも
イオン交換能力が大きいために、イオン交換基の数が少
なくできるため有効的である。
【0011】請求項3に記載の発明は、負極から溶出し
た遷移金属イオンがセパレ−タ中を移動して正極へ到達
するのを防ぐために、セパレ−タの厚み方向において、
一方の面は他方の面よりもイオン交換量が多く、例えば
1.1倍以上で配置された構造をしているセパレ−タ
を、そのイオン交換基量の多い面を負極側に向けて配置
して電池ケ−スに収納したもので、イオン交換基量の多
い面を負極と対向させることにより、負極から溶出した
遷移金属イオンをセパレ−タ中で効率よくトラップで
き、溶出遷移金属イオンの正極への移動を防止させるこ
とができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2の発明
と同様にスルホン基が他のイオン交換基よりもイオン交
換能が大きいため、イオン交換基の数が少なくても自己
放電の抑制を図ることができることを意図したものであ
る。
【0013】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の詳細を、スルホン基を有する
PE多孔膜をセパレ−タとして用いたニッケル・水素蓄
電池を例にとり説明する。尚、本実験で用いた多孔膜の
物性についての試験方法は以下の通りである。
【0014】カリウムのイオン交換量については以下の
ように測定した。PE多孔膜を1規定(N)のHCl水
溶液に一定時間浸漬し、水洗後、0.1規定のKOH水
溶液を10ml加え、100mlに希釈した後、残存の
−OH基をO.1規定のHCl水溶液(力価a)で指示
薬にフェノ−ルフタレインを用いて滴定した。その滴定
量(X)をSO3H状態での乾燥重量Wで割り、カリウ
ムイオンのイオン交換量を(数1)により求めた。
【0015】
【数1】
【0016】イオン交換能を有する多孔膜の素材には、
厚み35μm,目付重量10g/m 2,多孔度75%の
PEフィルムを用いた。まずこのPE多孔膜に濡れ性を
付与するために非イオン界面活性剤として花王(株)製
のKAOエマルゲン709を用いて界面活性剤処理を施
した。次に、このPE多孔膜表面へのスルホン基の導入
を行い、スルホン化PE多孔膜aを作成した。スルホン
化処理は、多孔膜を60℃にて25%濃度の発煙硫酸中
に10分間浸漬した後発煙硫酸を除去し、KOHでアル
カリ洗浄し、過剰なアルカリを水洗して除去した。ま
た、比較のためにスルホン化処理を施さないbと、イオ
ン交換能を有していない上記の非イオン界面活性剤処理
のみのPEフィルム製多孔膜cを用意した。(表1)に
このa,b,c3種の多孔膜の諸元を示した。
【0017】
【表1】
【0018】このセパレ−タと組合せる正極には発泡状
ニッケル基板に水酸化ニッケルを主成分とした活物質を
充填したものを用いた。また負極には組成MmNi3.55
Co 0.75Mn0.4Al0.3(Mmは希土類元素の混合物を
表す)の水素吸蔵合金を、湿式ボ−ルミルにて粉砕し
て、平均粒径が約30μmのものを用いた。この合金粉
末を、80℃のKOH水溶液中で撹拌処理した後、水素
吸蔵合金粉末100重量部に対してカルボキシメチルセ
ルロ−スを0.15重量部、カーボンブラックを0.3
重量部、スチレン−ブタジエン共重合体を0.8重量部
加え、分散剤として水を添加してペーストを作成した。
このペーストをパンチングメタルに塗布して、乾燥した
後、所定の厚みにプレスした。これらの極板を所定の寸
法に切断し、渦巻状に巻いて極板群を構成し、これを電
池ケ−スに挿入した後、7.2mol/lのKOH水溶
液を注入し封口して容量2200mAhの4/5Aサイ
ズの図1に示す密閉型アルカリ蓄電池を製作した。
【0019】図1において、水酸化ニッケルを活物質と
する正極1と上記のセパレ−タ2と水素吸蔵合金からな
る負極3は全体が渦巻状に巻回され、負極端子を兼ねた
電池ケ−ス4内に挿入される。このような方法により、
上記a,b,cの各多孔膜をそれぞれセパレ−タとして
用いたA、B、C3種類の電池を作製した。
【0020】上記A,B,Cの電池を用いて自己放電の
特性試験を行った。自己放電の特性試験は、充電を20
℃で電流値を0.1CmAとして電池容量の150%ま
で行った後、放電を20℃で電流値を0.2CmAとし
て電池電圧が1Vに至るまで行い、初期の電池容量を調
べた。次に充電を20℃で電流値が0.1CmAで電池
容量の150%まで行った後、45℃の恒温槽で14日
間放置した。その後に放電を20℃で電流値が0.2C
mAで電池電圧が1Vに至るまで行い、放置後の残存容
量を調べた。これらの結果から(数2)で示す容量維持
率を算出し評価を行った。その結果を(表2)に示す。
【0021】
【数2】
【0022】
【表2】
【0023】(表2)の結果から明らかなように、スル
ホン化処理を行ったPE多孔膜をセパレ−タとして用い
た電池Aは、非イオン型界面活性剤で処理したのみのP
E多孔膜をセパレータとして用いた電池Cと比較し、容
量維持率が大幅に向上した。これは(表1)に示すよう
にスルホン化処理によりイオン交換能を多孔膜に付与し
たために負極から溶出した遷移金属イオンの負極から正
極への移動を防止できたことによる。
【0024】この原因は、以下のようなメカニズムで起
こると推測した。一般に遷移金属を構成成分とする水素
吸蔵合金等の負極は、アルカリ電解液中における可逆電
位が水素の可逆電位よりも卑であるため、遷移金属がア
ルカリ電解液中にイオンとして溶出してしまう。溶出し
た遷移金属イオンは電池保存中に負極側からセパレ−タ
中を移動して正極に到達し、正極のオキシ水酸化ニッケ
ルを還元して容量を低下させる。その結果ニッケル・水
素蓄電池としては自己放電が進み、電池容量が低下した
と思われる。
【0025】このためイオン交換基をもたない(イオン
交換能のない)セパレ−タは、遷移金属イオンの移動の
障壁能力が小さく、容易に正極まで移動してしまうた
め、溶出した金属イオンの影響が非常に大きくなる。こ
れに対し、イオン交換能を有しているセパレ−タはセパ
レ−タ中を移動する金属イオンをイオン交換基がトラッ
プするためセパレ−タ中の移動が抑制され、遷移金属イ
オンの正極への到達量が減って、溶出金属イオンによる
影響が小さい。従って保存後の電池容量維持率がイオン
交換能を持たないセパレ−タのそれに比べ大幅に改善し
たと推測している。また親水化処理を施していないセパ
レ−タを用いた電池Bは、電解液の濡れ性が小さいた
め、電池としての放電ができなかった。これは電池内で
放電反応が起きるに足るだけセパレ−タが濡れていなか
ったためと推定される。
【0026】(実施例2)スルホン化処理したPE多孔
膜を実施例1と同様な手法で、このPE多孔膜(厚み4
0μm)の目付重量及びスルホン化処理時の温度および
発煙硫酸中への浸漬時間を変更することにより、カリウ
ムイオンでのイオン交換量を0.01〜3ミリ当量/g
まで変化させたセパレータを作製し、これらのセパレー
タを用いて実施例1と同様のニッケル・水素蓄電池を作
製した。
【0027】これらの電池を実施例1と同様に自己放電
特性評価を行った。その結果を図2に示す。
【0028】図2から明らかなように、カリウムイオン
のイオン交換量の増加に伴い、自己放電特性は向上し
た。これは前述したように、カリウムイオンのイオン交
換量の増加に伴ってセパレ−タの遷移金属イオンをトラ
ップする能力が向上したためであると推測される。電池
はその保存後の容量維持率が初期容量の60%程度であ
れば実用上問題とならないため、カリウムイオンのイオ
ン交換量としては0.02ミリ当量/g以上であること
が望ましい。
【0029】しかし、一般にセパレ−タのイオン交換基
量が増加するとイオン交換能も増加することが知られて
おり、これに伴い保液性も向上する。従って、カリウム
イオンのイオン交換量が大きくなりすぎると、セパレ−
タの保液性が高くなりすぎ、電池内での電解液分布のバ
ランスが崩れ、正極中での充放電反応に必要な電解液量
が確保できなくなり放電特性が低下することが懸念され
る。種々検討の結果、実用上の放電特性を確保するに
は、カリウムイオンのイオン交換量が3ミリ当量/g以
下であることが望ましかった。
【0030】以上の結果より、実用的な多孔膜のカリウ
ムイオンのイオン交換量は0.02〜3ミリ当量/gで
あることが望ましい。
【0031】(実施例3)実施例1と同じ素材を用い、
親水化処理を変更することによりイオン交換基を変え、
膜厚、多孔度、カリウムのイオン交換基の数を同一にし
て実施例1と同様で、イオン交換基をカルボキシル基
(−COOH基)、水酸基(−OH基)に変えた多孔膜
を(表3)のように作成した。そしてこのd、e、fの
多孔膜をセパレ−タに用いて(表4)に示すD〜Fの3
種類のニッケル・水素蓄電池を作成した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】ここでのイオン交換基の導入の方法として
は、スルホン基は前記と同様な処理で、カルボキシル基
についてはアクリル酸をグラフトモノマ−とする紫外線
照射によるグラフト重合処理で、水酸基については紫外
線を用いた放電加工処理により行った。
【0035】これらのイオン交換基数の定量法として
は、親水化処理前後の重量変化により算出した。これは
多孔膜1m2当たりの処理前後の重量変化量から親水基
量を算出し、これを基布中のC24に対する各親水基の
分子比として算出した値であり、スルホン基については
−SO3H/C24,カルボキシル基については−CO
OH/C24,水酸基については−OH/C24で示し
た。
【0036】上記D〜Fの電池を用い、自己放電試験を
行った。その結果も(表4)に示す。(表4)から明ら
かなように、イオン交換基にスルホン基を用いた電池D
は、他のイオン交換基を用いた電池E、Fと比較して、
保存後の容量維持率が向上していた。この原因は以下の
ように推測した。通常遷移金属イオンは電気的に陽性な
イオンである。電気的に陽性なイオンをトラップするた
めには、電気的に陰性なイオン種を用いる必要がある。
この種の陰イオンを用いると電気的力(ク−ロン力)に
より、陽イオンは電気的に陰性なイオンにより塩を作り
トラップされる。また、このイオンをトラップする能力
の差はイオン交換基の電気的な陰性度によると思われ
る。従って上記のイオン交換基では、スルホン基>カル
ボキシル基>水酸基の順で電気的陰性度が大きくなるた
め、最も電気陰性度が大きいスルホン基が同一イオン交
換基量であれば、陽イオンのトラップ能力が最も高いた
めに保存特性が向上したと推測している。
【0037】(実施例4)厚み方向においてイオン交換
基量が異なる多孔膜の素材には、厚み50μm,目付重
量25g/m2,多孔度50%のPEフィルムを用い
た。この素材はフィルム作成の際のキャスト時の冷却速
度を表側と裏側で変えることにより、厚み方向で細孔径
および多孔度が変わるフィルムを作成した。
【0038】次に、このフィルムに実施例1と同様に濡
れ性を付与するために非イオン界面活性剤として花王
(株)製のKAOエマルゲン709により界面活性剤処
理を施した。ついでこのPE多孔膜表面へのスルホン基
の導入を行い、スルホン化PE多孔膜gを作成した。こ
れは、多孔膜を60℃にて25%発煙硫酸中に10分間
浸漬した後、発煙硫酸を除去し、KOHでアルカリ洗浄
して、過剰なアルカリを水洗除去した。
【0039】実施例1と同じ極板と厚み方向においてイ
オン交換基量が異なるセパレ−タを用いて図3、図4に
示すように電極1、3とセパレ−タ5とを積層した後、
図1と同様に渦巻状に巻回して電池G、Hを作成した。
電池Gでは、図3に示すようにイオン交換基量が多いセ
パレ−タ面5a(5bの1.2倍)が負極3側に向いて
おり、電池Hでは図4に示すようにイオン交換基量が多
いセパレ−タ面5aが正極1側に向いて配置するように
して電池を作成した。
【0040】上記の2種類の電池G、Hを用いて自己放
電試験を行った。その結果を(表5)に示す。
【0041】
【表5】
【0042】(表5)から明らかなように、イオン交換
基量の多い面5aが負極側に向いてスルホン基を導入し
たセパレ−タをもつ電池Gは、保存後の容量維持率が電
池Hに比べ向上した。この原因は以下のように推測し
た。自己放電に影響を及ぼす遷移金属イオンは主に負極
から溶出する。従って負極側にイオン交換基量が多いセ
パレ−タを用いれば、電解液に溶出して正極に移動しよ
うとする遷移金属イオン速やかに効果的にトラップでき
るため、正極への移動を十分に防止できたためと推定し
ている。
【0043】上記の電池Gのような構造をした電池で、
イオン交換量とイオン種を種々検討した結果、イオン交
換基量としては、0.02〜3ミリ当量/gであること
が望ましく、またイオン交換基としてはスルホン基が望
ましかった。
【0044】上記の実施例では、ニッケル・水素蓄電池
を例にとり説明を行ったが、アルカリ電解液を用いる他
のアルカリ蓄電池でも本発明の特徴とする多孔膜をセパ
レータとして用いることにより同様の効果を得ることが
できる。
【0045】また本発明の電池に用いた正極および負極
の形態は、発泡メタル式、シンタ−式および塗着式等の
いずれであってもよく、ほぼ同様の効果を得ることがで
きる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セパレ
−タに多孔性のポリオレフィンフィルムからなり、イオ
ン交換能がカリウムのイオン交換量にして0.02〜3
ミリ当量/gを有するものを用いることにより自己放電
が少なく、保存特性に優れたアルカリ蓄電池を提供でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による電池の破断図
【図2】同実施例におけるイオン交換量と保存時の容量
維持率との関係を示す図
【図3】別な実施例による電池Gの電極とセパレ−タの
積層略図
【図4】別な実施例による電池Hの電極とセパレ−タの
積層略図
【符号の説明】
1 ニッケル正極 2 セパレ−タ 3 水素吸蔵合金負極 4 電池ケ−ス 5 厚み方向でイオン交換基量が異なるセパレ−タ 5a イオン交換基量が多い面 5b イオン交換基量が少ない面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物からなる正極と遷移金属を主構
    成材料とする負極板とを多孔性のポリオレフィンフィル
    ムからなるセパレ−タにより隔離したアルカリ蓄電池に
    おいて、前記セパレ−タはイオン交換能を有しており、
    そのイオン交換能はカリウムのイオン交換量にしてセパ
    −タの単位重量当たり0.02〜3ミリ当量/gである
    ことを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】前記セパレータにイオン交換能を与えるイ
    オン交換基がスルホン基であることを特徴とする請求項
    1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】金属酸化物からなる正極と遷移金属を主構
    成材料とする負極とを、多孔性でイオン交換能を有した
    厚さ10〜120μmのポリオレフィンフィルムからな
    るセパレ−タにより隔離したアルカリ蓄電池であって、
    セパレ−タはその厚み方向のイオン交換基量において一
    方の面が他方の面よりも多く配置された構造を有し、そ
    のイオン交換基量の多い面を負極側に向けて配置したこ
    とを特徴とするアルカリ蓄電池。
  4. 【請求項4】セパレータのイオン交換基がスルホン基で
    あることを特徴とする請求項3記載のアルカリ蓄電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003051302A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Nitto Denko Corp アルカリ二次電池用セパレータ
JP2008059818A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池
KR20210104047A (ko) 2018-12-20 2021-08-24 소니 세미컨덕터 솔루션즈 가부시키가이샤 반도체 장치 및 그 제조 방법, 및 전자 기기

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