JP2003051302A - アルカリ二次電池用セパレータ - Google Patents
アルカリ二次電池用セパレータInfo
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Abstract
に優れ、薄膜化が可能なアルカリ二次電池用セパレータ
を提供する。 【解決手段】 超高分子量ポリエチレン多孔性シートを
用いたアルカリ二次電池用セパレータにおいて、前記超
高分子量ポリエチレン多孔性シートに対し、エチレンモ
ノマー単位数20〜1100個当たりにつき1個のスル
ホン酸基を有するようにスルホン化処理を行う。スルホ
ン化処理は、無水硫酸を用いた気相法により実施でき、
スルホン酸基の導入量は、超高分子量ポリエチレン多孔
性シートと無水硫酸ガスとの接触時間を調整することに
より調整できる。
Description
用セパレータに関する。
電池などのアルカリ二次電池は、電気・電子機器等に汎
用されている。特に、ニッケル水素電池は、カドミウム
を使用せず、しかも体積エネルギー密度が高くて高容量
であることから、最近では、電気自動車用電池や電力貯
蔵用二次電池としての用途が期待されている。
絡を防止するために、電池用セパレータが使用されてい
る。アルカリ二次電池用セパレータとしては、従来か
ら、ポリアミド製不織布や親水化処理したポリオレフィ
ン製不織布(特開平4−167355号公報等)が使用
されている。しかしながら、従来の不織布を用いた電池
用セパレータは、電気自動車用電池等の大型電池に用い
る場合に、以下の問題が指摘されていた。
度アルカリ水溶液が使用されるため、耐アルカリ性およ
び耐酸化性が要求されるが、ポリアミド製不織布は、こ
の特性が不十分であった。また、高容量化が要求される
電気自動車用電池などでは、電池活物質を多く担持させ
る必要があるが、これに伴い、それに使用される電池用
セパレータに対し薄膜化が要求される。しかし、従来の
不織布を用いた電池用セパレータは、厚みを150μm
以下にすると、厚みのばらつきが大きくなり、また強度
も著しく低下するおそれがある。そして、電池の高容量
化を達成するためには、優れた自己放電特性が求められ
る。
は、耐アルカリ性、耐酸化性および自己放電特性に優
れ、しかも薄膜化が可能なアルカリ二次電池用セパレー
タを提供することである。
に、本発明のアルカリ二次電池用セパレータは、超高分
子量ポリエチレン(UHPE)多孔性シートを用いたア
ルカリ二次電池用セパレータであって、前記UHPE多
孔性シートが、エチレンモノマー単位数20〜1100
個当たりにつき1個のスルホン酸基を有する。このアル
カリ二次電池用セパレータを開発した経緯は、以下のと
おりである。
の検討を行ったところ、ポリオレフィン多孔性シート
が、この目的に適していることを見出した。しかし、ポ
リオレフィンは疎水性であるため、アルカリ二次電池用
セパレータとして用いるためには、親水化処理をする必
要がある。親水化処理には、界面活性剤処理、アクリル
酸等の親水性モノマーのグラフト重合処理、プラズマ処
理、スルホン化処理がある。そこで、ポリオレフィン多
孔性シートについて、これらの親水化処理をそれぞれ検
討したところ、つぎのような問題があった。
に関しては有効であるが、自己放電特性に関して問題が
あった。また、親水性モノマーのグラフト重合処理の場
合は、親水化に関しては問題がないが、耐酸化性および
自己放電特性に問題があった。プラズマ処理は、親水性
が経時的に低下するという問題があり、また耐酸化性お
よび自己放電特性にも問題がある。そして、スルホン化
処理は、種々の親水化処理のなかで、最も自己放電特性
に優れていたが、スルホン化処理によりポリオレフィン
多孔性シートが劣化し、強度が低下するという問題があ
った。強度が低下すれば、電池に組み込む際に電池用セ
パレータの破損が生じるおそれがあり、短絡の可能性も
ある。この劣化の問題を解決するためには、スルホン酸
基の導入量を少なくすればよいが、このようにすると親
水性が低下し、出力特性が劣るようになる。また、スル
ホン酸基の導入量が少ないと、自己放電特性も悪くな
り、電池の初期容量を大幅に割ってしまい、容量保持す
ることができなくなる。
スルホン化処理の条件とポリオレフィンの種類との関係
を重点的に検討した。その結果、ポリオレフィンとして
UHPEを使用し、またスルホン酸基の導入量を前記所
定の範囲に限定すれば、スルホン酸基導入に伴う劣化の
問題が解決されるとともに、親水性、耐アルカリ性、耐
酸化性および自己放電特性に優れ、しかも薄膜化が可能
であることを見出し、本発明をするに至ったのである。
さらに、本発明のアルカリ二次電池用セパレータは、強
度が強く、アルカリ二次電池の電極膨張による圧縮に対
しつぶれ難いという特性も有する。このため、アルカリ
二次電池の充放電サイクルを重ねても、セパレーターが
電極により押しつぶされて中の電解液が絞り出されるこ
とによって起きる、いわゆる「液枯れ」現象による容量
低下を起こすこともなく、優れた充放電サイクル特性を
示す。このような高性能の本発明のアルカリ二次電池用
セパレータは、通常のアルカリ二次電池に好ましく使用
できることはもちろん、特にニッケル水素電池に好まし
く使用でき、高容量化が必要な電気自動車用電池や電力
貯蔵用二次電池等に最適である。
割合は、UHPE多孔性シートのエチレンモノマー単位
数20〜1100個当たりにスルホン酸基1個が存在す
る割合が好ましく、特に好ましくは、UHPE多孔性シ
ートのエチレンモノマー単位数100〜1100個当た
りにスルホン酸基1個が存在する割合である。また、U
HPEの粘度平均分子量は、50万〜1600万の範囲
が好ましく、特に好ましくは200万〜1000万の範
囲である。
は、UHPE多孔性シート100重量部に対し0を超え
1重量部以下の範囲で界面活性剤を有することが好まし
い。この割合で界面活性剤を有していれば、自己放電特
性の低下なしに親水性をさらに向上させることができ
る。前記界面活性剤の好ましい含有割合は、0.01〜
0.8重量部の範囲である。なお、界面活性剤の含有量
は、界面活性剤処理前後のアルカリ二次電池用セパレー
タの重量を測定し、その差を取れば求めることができ
る。
は、例えば、以下の方法により測定できる。
性シートを下記の方法により、十分洗浄して、スルホン
化処理で付着した不純物を除去する。前記洗浄方法とし
ては、その孔内部まで濡らすことができる水混和性溶媒
(メタノール、エタノール等)を用いて十分に洗浄し、
前記溶媒を含浸させた状態で、UHPE多孔性シートを
イオン交換水に浸漬する方法がある。その他の洗浄方法
としては、0.1N程度の弱アルカリ水溶液に、UHP
E多孔性シートを浸漬した後、イオン交換水に浸漬する
方法等がある。
0℃で15分間程度乾燥させた後、全反射吸収法(AT
R法)により、フーリエ変換赤外線スペクトル(FT−
IRスペクトル)を測定することにより、スルホン酸基
を同定する。つづいて、蛍光X線分析により、硫黄
(S)元素の含有率を求める。スルホン化ポリエチレン
は下記の示性式(化1)で表されるから、この示性式に
したがって、スルホン化ポリエチレン全体に対する硫黄
元素の含有率を重量%で表す式は、以下の(数1)とな
る。なお、下記式(数1)は、C=12.011,H=
1.008,O=16.00,S=32.06として、
導いた式である。また、下記式(数1)において、S含
有率とは、スルホン化ポリエチレン全体における硫黄
(S)の含有率(重量%)を示す。また、下記示性式
(化1)および下記式(数1)において、xは、スルホ
ン化ポリエチレン中のスルホン酸基を有するエチレンモ
ノマー単位のモル分率を示す。
8.05)
分析から直接得られるので、この値を前記示性式(数
1)に代入すれば、スルホン酸基を有するエチレンモノ
マー単位のモル分率xが得られ、このモル分率xの逆数
が、スルホン酸基1個当たりのエチレンモノマー単位数
である。
池用セパレータは、例えば、以下の方法により製造でき
る。
例えば、UHPE粉末を保形具に充填し、その融点以上
に加熱された水蒸気により焼結し、この焼結体を所定の
厚みに切削することにより、UHPE多孔性シートが得
られる。このUHPE多孔性シートは、複数のUHPE
粒子が相互に連結し、前記粒子間の空隙により多孔構造
が形成されたものである。前記焼結温度は、通常、13
0〜190℃であり、またUHPE粒子の平均粒径は、
通常、10〜300μmの範囲であり、好ましくは20
〜200μmの範囲である。この平均粒径を変化させる
ことにより、得られるUHPE多孔性シートの平均孔径
を調整できる。
し、スルホン化処理を行う。このスルホン化処理は、前
記所定の割合でスルホン酸基を導入できれば、特に制限
されず、発煙硫酸の濃硫酸溶液を用いる湿式法、無水硫
酸のジクロルエタン溶液を用いた有機溶剤系湿式法、気
体状の無水硫酸を乾燥空気若しくは不活性ガス等で希釈
して処理する気相法等の従来公知の方法により実施でき
る。このスルホン化処理において、前記所定の割合のス
ルホン酸基導入率を達成するためには、発煙硫酸、無水
硫酸等のスルホン化剤の濃度や反応温度、これとUHP
E多孔性シートとの接触時間を調整すればよい。
二次電池用セパレータにおいて、その厚みは、通常、2
0〜250μmの範囲、好ましくは50〜200μmの
範囲であり、その空孔率は、通常、30〜70体積%の
範囲、好ましくは50〜70体積%の範囲であり、石鹸
膜流量法による通気性は、通常、1×10-4〜1×10
-2cm3・cm/cm2・Pa・secの範囲、好ましく
は5×10-4〜1×10-2cm3・cm/cm2・Pa・
secの範囲であり、KCl透過性は、通常、1×10
-7〜1×10-5cm2/secの範囲、好ましくは5×
10-7〜1×10-5cm2/secの範囲である。前記
空孔率は、電池用セパレータの片面の面積S(c
m2)、厚みd(cm)および重量m(g)と、その形
成材料の比重r(g/cm3)とから、下記の数式(数
2)により算出できる。また、前記石鹸膜流量法による
通気性は、12.7mmH2Oの圧力条件下で、電池用
セパレータを透過した酸素の透過量を、膜の有効面積
1.23cm2で測定したものである。そして、前記K
Cl透過性は、セパレーターのイオン透過性を表すパラ
メータであり、下記の方法により測定される。
d))]×100
ータを隔膜として用いてガラスセル内を仕切り、二つの
セル部を形成する。前記両セル部に、水面が同じ高さに
なるように蒸留水を入れ、前記両セル部とも攪拌子で攪
拌する。片側(供給側)のセル部に1.0mol/リッ
トルKCl水溶液を1ml添加し、その反対側(透過
側)のセル部にイオン伝導度計を設置して、溶液の伝導
度変化を測定する。そして、得られた伝導度をイオン濃
度に換算してKClイオン(K+,Cl-)の透過係数を
求める。
用セパレータは、界面活性剤を前記範囲で有することが
できる。用いる界面活性剤の種類は、特に制限されず、
アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれもが使用でき
る。但し、水酸基やアミノ基等の酸化還元反応を受ける
可能性がある官能基を有するものは、スルホン化により
付与された優れた自己放電特性を損なうおそれがあるか
ら、使用を避けた方がよい。本発明において、好ましく
使用できる界面活性剤としては、例えば、ブチルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムなどがある。界面活性剤を担
持させるには、例えば、界面活性剤溶液に本発明のアル
カリ二次電池用セパレータを浸漬し、これを引き上げ乾
燥させればよい。
する。
(粘度平均分子量500万、融点135℃、平均粒径約
30μm、メッシュ分級品)を保形具に充填した。この
保形具は、多数の孔を有する円筒状金型の内周面にポリ
テトラフルオロエチレン多孔性フィルムを貼ってなる外
型と、この外型の底部に配置され、前記外型を固定する
固定型とから構成される。前記保形具を、金属製耐熱耐
圧容器(水蒸気の導入管およびその開閉バルブを備え
る)に入れ、真空ポンプにより雰囲気圧を10torr
とした。この時に要した時間は、30分間であった。そ
して、真空ポンプを停止後、バルブを開き、水蒸気(温
度160℃、圧力5kg/cm2)を導入し、このまま
1時間加熱焼結した後、冷却し、円柱状の多孔質体を得
た。この多孔質体を切削旋盤により厚み200μmに切
削して、ロール状に捲いた多孔性シートを作製した。こ
の多孔性シートの空孔率は、55体積%であった。
示すようにして、スルホン化処理を行った。まず、密閉
式ステンレス反応容器を準備した。この反応容器は、ロ
ール状シートの繰り出し機構および引き取り機構と、シ
ート導入窓および導出窓と、無水硫酸ガスと乾燥空気と
を混合して導入するための導入口とを備える。また、こ
の反応容器は、無水硫酸ガスを反応容器から回収する装
置も有し、ブロワーにより、無水硫酸ガスが前記反応容
器と配管との間を循環できるような構成になっている。
そして、無水硫酸の貯蔵タンクを40℃に加熱してγ型
無水硫酸ガスを発生させ、これと乾燥空気とを混合し
(無水硫酸ガス濃度:20体積%)、ブロワーにより、
前記反応容器内に送り込んだ。そして、前記繰り出し機
構等により、UHPE多孔性シートを7段階の速度
(0.05m/分、0.1m/分、0.25m/分、
0.5m/分、1.0m/分、1.5m/分、2.0m
/分)で前記容器内を通過させた。前記通過速度を変え
ることにより、無水硫酸ガスとUHPE多孔性シートと
の接触時間を調整することができ、スルホン酸基の導入
量を所定の範囲にすることができる。スルホン化処理前
のUHPE多孔性シートは、白色であったが、スルホン
化処理により褐色になった。また、このスルホン化処理
により、UHPE多孔性シートの切断は起こらなかっ
た。このようにして得られたUHPE多孔性シートにお
いて、厚みは200μmであり、空孔率は55体積%で
あり、石鹸膜流量法による通気性は2.6×10-3cm
3・cm/cm2・Pa・secであり、KCl透過性は
3.0×10-6cm2/secであり、長手方向引張り
強度は140kg/cm2であった。
いて、前記7種類の通過速度に対応する部分から、それ
ぞれ10×10cmの大きさに切り出したものをサンプ
ルとした。このサンプルを、1リットルビーカー中のメ
タノールに浸漬して17時間放置した。その後、メタノ
ールが含浸した状態で、前記サンプルをガラスビーカー
中のイオン交換水中に入れ、マグネットスターラーで攪
拌しながら5時間放置した。なお、この放置において、
イオン交換水は、1時間おきに新しいものに交換した。
そして、このサンプルをろ紙(No.2、アドバンテッ
ク東洋社製)で挟んだ状態で80℃の乾燥器に2時間入
れて乾燥させた。乾燥したサンプルについて、前述の方
法により、スルホン酸基1個当たりのエチレンモノマー
単位数を求めた。この結果を、下記の表1に示す。な
お、同表において、サンプル1から6までが実施例1で
あり、サンプル7が比較例1である。
サンプル(1〜7)から、それぞれ短冊状に切り出した
ものをアルカリ二次電池用セパレータとした。そして、
これをニッケル水素電池に組み込み、自己放電特性を調
べた。自己放電特性は、初期充放電を5回繰り返した後
の電池容量(A)に対する、満充電状態の電池を45℃
で1週間放置後の電池容量(B)の比(B/A)で評価
し、それをパーセント(%)で表した。この結果を下記
の表1に示す。なお、アルカリ二次電池の分野におい
て、前記電池容量比が70%以上の場合、自己放電特性
が実用レベルであると評価される。
割合でスルホン酸基を有する実施例1(サンプル1〜
6)では、自己放電特性が全て70%以上であった。こ
れに対し、スルホン酸基1個当たりのエチレンモノマー
単位数が1100を超えた比較例1(サンプル7)で
は、自己放電特性が62.2%であり、実用レベルの自
己放電特性ではなかった。
比較例1(サンプル7)について、以下の方法により耐
アルカリ性および耐酸化性を評価した。
0重量%KOH水溶液中に浸漬して80℃の熱風循環式
恒温槽中に一週間放置した後、前記サンプルを取り出し
てイオン交換水により3回洗浄した。これを80℃で1
5分間乾燥した後、その重量(Y1)を秤量下限0.0
1mgの電子天秤(以下、同じ)により測定した。そし
て、アルカリ水溶液に浸漬する前のサンプル重量
(Y0)に対する浸漬後の重量(Y1)の割合[(Y1/
Y0)×100]を、重量保持率(%)として表した。
前記重量保持率は、100%に近いほど耐アルカリ性に
優れると評価できる。前記サンプル1〜7についての耐
アルカリ性の評価結果を下記表2に示す。
の下記処理液Aに5分間浸漬し、これを水洗浄した後、
80℃で15分間乾燥し、前記電子天秤によりサンプル
の初期重量(Z0)を測定した。次に、前記サンプルを
50℃の下記処理液Bに1時間浸漬した後、さらに65
℃の前記処理液Aに5分間浸漬させた。そして、これを
十分水洗浄してから80℃で15分間乾燥させ、その重
量(Z1)を測定して前記初期重量(Z0)に対する割合
[(Z1/Z0)×100]を、重量保持率(%)として
求めた。前記重量保持率は、100%に近いほど耐酸化
性に優れると評価できる。前記サンプル1〜7について
の耐酸化性の評価結果を下記表2に併せて示す。
ルNo.1〜6)は、優れた耐アルカリ性および耐酸化
性を示した。
体を膜厚95μmに切削する以外は、前記実施例1およ
び比較例1と同様にしてスルホン化処理した多孔性シー
トを作製し、前述と同様に前記7種類の各通過速度に対
応するサンプル8〜14を得た。そして、前記実施例1
等と同様にして、スルホン酸基1個当たりのエチレンモ
ノマー単位数および自己放電特性を調べた。この結果を
下記表3に示す。なお、同表において、サンプル9〜1
3までが実施例2であり、サンプル8および14が比較
例2である。
割合でスルホン酸基を有する実施例2(サンプル9〜1
3)では、自己放電特性が全て70%以上であった。こ
れに対し、スルホン酸基1個当たりのエチレンモノマー
単位数が1100を超えた比較例(サンプル14)で
は、自己放電特性が63.5%であり、前記エチレンモ
ノマー単位数が20未満の比較例(サンプル8)では、
自己放電特性が65%であり、共に実用レベルの自己放
電特性ではなかった。また、これらのサンプルについ
て、前記実施例1と同様にして耐アルカリ性および耐酸
化性の評価を行なった結果、前記両項目において重量保
持率は全て98%以上であり、優れた結果が得られた。
このように、膜厚が100μm以下であっても、本発明
によれば優れた特性を示すことが確認できた。
(商品名:セルガード、ヘキスト−セラニーズ社製、厚
み30μm)を準備した。これは、ポリプロピレンをシ
ート状に押出成形し、この成形物を一軸延伸して得られ
たものである。この多孔性シートについて、実施例1お
よび比較例1と同様に、前記サンプル1〜7の条件で無
水硫酸による気相スルホン化処理を行った。なお、前記
反応容器へのシートの導入は、前記ポリプロピレン多孔
性シートを7枚準備し、これら7枚の多孔性シートのそ
れぞれと実施例1で得られたUHPE多孔性シートとを
ヒートシールで接続し、前記UHPE多孔性シートを先
導シートとして行った。
処理では、反応槽に入った瞬間に、前記ポリプロピレン
多孔性シートが切断して処理が不可能であった。また、
前記サンプル5〜7の条件では、シートが切断されるこ
となくスルホン化処理できたが、前記ポリプロピレン多
孔性シートの劣化が著しく、引張強度が20kgf/c
m2以下と大幅に低下しており、非常に脆かった。そし
て、前記サンプル7と同じ条件でスルホン化処理したポ
リプロピレン多孔性シートを、実施例1と同様に、ニッ
ケル水素電池に組み込み、自己放電特性を評価しようと
したが、電池作製時に破断してしまい、電池が製作でき
なかった。
池用セパレータは、UHPE多孔性シートを用いたアル
カリ二次電池用セパレータであって、前記UHPE多孔
性シートが、エチレンモノマー単位数20〜1100個
当たりにつき1個のスルホン酸基を有することにより、
耐アルカリ性、耐酸化性および自己放電特性に優れ、し
かも薄膜化が可能である。したがって、本発明のアルカ
リ二次電池用セパレータは、通常のアルカリ二次電池に
好ましく使用できることはもちろん、高容量化が要求さ
れる電気自動車の駆動用電池に特に好ましく使用でき
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 超高分子量ポリエチレン多孔性シートを
用いたアルカリ二次電池用セパレータであって、前記超
高分子量ポリエチレン多孔性シートが、エチレンモノマ
ー単位数20〜1100個当たりにつき1個のスルホン
酸基を有するアルカリ二次電池用セパレータ。 - 【請求項2】 超高分子量ポリエチレン多孔性シート
が、エチレンモノマー単位数100〜1100個当たり
につき1個のスルホン酸基を有する請求項1記載のアル
カリ二次電池用セパレータ。 - 【請求項3】 超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子
量が、50万〜1600万の範囲である請求項1または
2記載のアルカリ二次電池用セパレータ。 - 【請求項4】 超高分子量ポリエチレン多孔性シート1
00重量部に対し0を超え1重量部以下の範囲で界面活
性剤を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のアル
カリ二次電池用セパレータ。 - 【請求項5】 その用途が、電気自動車用アルカリ二次
電池用である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアル
カリ二次電池用セパレータ。
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