JP5100718B2 - 角型ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ蓄電池に関し、特にたとえば水素吸蔵合金を用いたニッケル水素二次電池に関する。
近年、アルカリ蓄電池は、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電源として注目されており、高性能化が要請されている。特に、水酸化ニッケルを主体とした活物質からなる正極と、水素吸蔵合金を主材料とした負極とを備えるニッケル水素二次電池は、エネルギー密度が高く、信頼性に優れた二次電池として急速に普及している。
上記ニッケル水素二次電池では、正極活物質の導電性を高めるため、正極にコバルトなどが添加されている。また、負極活物質には、一般に、コバルトを含む水素吸蔵合金が用いられている。そして、正極と負極とは、不織布からなるセパレータで絶縁されている。
「最新二次電池材料の技術」小久見善八監修 株式会社シーエムシー 1999年9月8日 普及版第1刷発行 第163頁〜166頁
しかしながら、上記ニッケル水素二次電池では、充放電サイクルを繰り返すと自己放電特性が悪くなるという問題があった。本発明者らが検討したところ、正極および負極から溶出した金属イオンがセパレータ上に析出して導電パスを形成し、これが自己放電特性悪化の一因となっているという事実を新たに見出した。さらに、この現象を詳細に検討した結果、(1)セパレータが十分な電解液を保持している間は、電解液に溶出したコバルトなどの金属イオンが正極上に析出するのに対し、(2)セパレータが保持する電解液が減少すると電解液に溶出した金属イオンがセパレータ上に析出しやすくなることがわかった。したがって、多数回充放電サイクルを繰り返したときに自己放電特性が悪くなるのは、セパレータが保持する電解液が減少してセパレータ上に導電パスが形成されるためであると考えられる。
上記新たな知見に基づき、本発明は、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1のアルカリ蓄電池は、ケースと、前記ケース内に配置された正極、負極、セパレータおよび電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、少なくとも電池組立時(電池組立後、電解液がセパレータになじんでから活性化前までの期間をいう)においてセパレータに保持されている電解液の量が15mg/cm2以上(すなわち、セパレータ1cm2あたり15mg以上)であることを特徴とする。上記第1のアルカリ蓄電池では、セパレータに保持されている電解液の量が多いため、充放電サイクルを繰り返しても、セパレータが液がれすることがない。したがって、上記第1のアルカリ蓄電池によれば、セパレータの表面に導電性物質が析出することを防止できるため、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
また、本発明の第2のアルカリ蓄電池は、ケースと、前記ケース内に配置された正極、負極、セパレータおよび電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、少なくとも電池組立時においてセパレータの総面積X(cm2)と電解液の量Y(mg)とが、Y/X≧20の関係を満たすことを特徴とする。上記第2のアルカリ蓄電池では、電解液の量が多いため、充放電サイクルを繰り返しても、セパレータが液がれすることがない。したがって、上記第2のアルカリ蓄電池によれば、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
上記第1および第2のアルカリ蓄電池では、セパレータはスルホン化されたポリプロピレンからなり、セパレータ中の硫黄原子と炭素原子とが、(硫黄の原子数)/(炭素の原子数)=A(ただし、2.0×10-3≦A≦5.5×10-3)の関係を満たすことが好ましい。上記構成によれば、セパレータの保液性が特に高くなるため、充放電サイクル後の自己放電特性が特に良好なアルカリ蓄電池が得られる。
上記第1および第2のアルカリ蓄電池では、電解液が真空注液法によって注液されることが好ましい。上記構成によれば、セパレータの保液量が大きくなり、また、セパレータに電解液が均質に保持されるため、自己放電特性が特に良好なアルカリ蓄電池が得られる。なお、真空注液法は、(1)電池に電解液を注液する際に、あらかじめ電池ケース(電槽)内を真空にしてセパレータの繊維間の空気を追い出した状態で電解液を注液する方法と、(2)電池ケース(電槽)内に電解液を注液したのち、電池ケースがおかれた環境を真空にすることによってセパレータの繊維間などに存在する空気を追い出し、環境を大気開放したときに電解液をセパレータに十分にしみこませる方法とを含む。
上記第1および第2のアルカリ蓄電池では、セパレータの比表面積が0.6m2/g〜0.9m2/gの範囲内であることが好ましい。
また、上記第1および第2のアルカリ蓄電池では、セパレータが、水銀ポロシメータによって0.1μm〜360μmの範囲で細孔の測定をしたときに、体積基準のメディアン細孔直径が30μm以下であることが好ましい。また、上記第1および第2のアルカリ蓄電池では、セパレータの目付重量が60g/m2〜85g/m2の範囲内であることが好ましい。上記構成によれば、セパレータの繊維によって形成される正極と負極との間のパスが長くなるため、導電性析出物によって正極から負極まで連続した導電パスが形成されることを防止できる。
また、本発明の第3のアルカリ蓄電池は、ケースと、前記ケース内に配置された正極、負極、セパレータおよび電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、セパレータの表面にマンガンを含む化合物が析出していることを特徴とする。上記第3のアルカリ蓄電池では、セパレータの表面に、コバルトが析出する際、コバルトがマンガンと化合することによって導電性が低い析出物となるため、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
上記第3のアルカリ蓄電池では、負極は主構成材として水素吸蔵合金を含み、水素吸蔵合金は、ミッシュメタルとマンガンとを1:B(ただし、0.2≦B≦0.5である)の組成比で含むことが好ましい。上記構成によれば、セパレータの表面にオキシ水酸化コバルトなどの導電性が高い物質が析出することを防止できるため、充放電サイクル後の自己放電特性が特に良好なアルカリ蓄電池が得られる。
上記第3のアルカリ蓄電池では、電解液は、マンガンイオンを含むことが好ましい。上記構成によれば、セパレータの表面にオキシ水酸化コバルトなどの導電性が高い物質が析出することを防止できるため、充放電サイクル後の自己放電特性が特に良好なアルカリ蓄電池が得られる。
以上説明したように、本発明の第1および第2のアルカリ蓄電池では、充放電サイクルを繰り返したあとにおいてもセパレータに十分に電解液が保持される。したがって、本発明の第1および第2のアルカリ蓄電池によれば、充放電サイクルを繰り返したあとでもセパレータ上に、オキシ水酸化コバルトなどの導電性化合物が析出することを抑制できるため、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
また、本発明の第3のアルカリ蓄電池では、セパレータの表面に、マンガンを含む導電性が低い化合物が析出している。したがって、本発明の第3のアルカリ蓄電池によれば、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
本発明のアルカリ蓄電池について一例を示す一部分解斜視図である。 図1に示したアルカリ蓄電池の一部断面図である。 本発明のアルカリ蓄電池について他の一例を示す一部分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明のアルカリ蓄電池について、角形の場合の一例を説明する。実施形態1のアルカリ蓄電池10について、一例の一部分解斜視図を図1に示す。
図1を参照して、アルカリ蓄電池10は、蓋11aを備えるケース11と、ケース11内に配置された電極群12および電解液(図示せず)と、蓋11aに配置された安全弁13と、正極端子14および負極端子15とを備える。
電極群12を蓋11aと平行な方向に切断したときの断面図を図2に示す。図2を参照して、電極群12は、袋状のセパレータ12a(ハッチングは省略する)と正極12bと負極12cとを備える。そして、セパレータ12aに挿入された複数の正極12bと、負極12cとが交互に積層されている。
電極群12中の正極12bは、活物質支持体と、活物質支持体に支持された正極活物質とを備える。活物質支持体は、集電体としても機能し、たとえば、発泡ニッケルなどの金属多孔体や、パンチングメタルなどを用いることができる。正極活物質には、たとえば、水酸化ニッケルとコバルトとを含む活物質を用いることができる。
アルカリ蓄電池10の電解液には、アルカリ蓄電池に一般的に用いられている電解液を使用できる。具体的には、たとえば、KOHを含む比重1.2〜1.4のアルカリ水溶液を用いることができる。
アルカリ蓄電池10は、セパレータ1cm2あたり、20mg以上の電解液を含むことが好ましく、25mg以上の電解液を含むことがより好ましい。アルカリ蓄電池10では、真空注液法を用いることによって、セパレータの電解液保持量を高くでき、また、セパレータに電解液を略均一に保持させることができる。
セパレータ12aには、親水化処理された合成繊維からなる不織布を用いることができる。具体的には、セパレータ12aとして、スルホン化や界面活性剤の塗布などによって親水性を付与したポリオレフィン系不織布やエチレンビニルアルコール共重合体不織布などを用いることができる。中でも、セパレータ12aに、スルホン化されたポリプロピレン不織布を用いることが特に好ましく、セパレータ12a中の硫黄原子と炭素原子とが、(硫黄の原子数)/(炭素の原子数)=A(ただし、2.0×10-3≦A≦5.5×10-3)であることが特に好ましい。そして、セパレータ12aは、少なくとも電池組立時(電池組立後、電解液がセパレータになじんでから活性化前までの期間をいう)において15mg/cm2以上(すなわち、セパレータ1cm2あたり15mg以上)の電解液を保持している。さらに、セパレータ12aは、電池組立時において、18mg/cm2〜25mg/cm2の電解液を保持することがより好ましい。
また、セパレータ12aには、繊維が混み入ったセパレータを用いることが好ましい。このようなセパレータを用いることによって、正極から負極へのパスを長くすることができ、セパレータ上に導電性物質が析出した場合にも正極から負極へ連続した導電パスが形成されることを抑制できる。具体的には、セパレータ12aは、比表面積が0.6m2/g〜0.9m2/gであることが好ましい。また、セパレータ12aは、水銀ポロシメータによって0.1μm〜360μmの範囲で細孔の測定をしたときに、体積基準のメディアン細孔直径が30μm以下であることが好ましい。また、セパレータ12aは、目付重量が60g/m2〜85g/m2であることが好ましい。
負極12c、ケース11および安全弁13には、アルカリ蓄電池に一般的に用いられるものを使用できる。たとえば、負極12cには、水素吸蔵合金や水酸化カドミウムなどを負極構成材として含む負極を用いることができる。
上記実施形態1のアルカリ蓄電池10では、セパレータ12aが、少なくとも電池組立時において15mg/cm2以上の電解液を保持しているため、サイクル後においても十分な電解液がセパレータに保持される。したがって、アルカリ蓄電池10では、充放電サイクル後もセパレータ12a上にオキシ水酸化コバルトなどの導電性物質が析出することを抑制できる。このため、アルカリ蓄電池10によれば、正極12bから負極12cへの導電パスが形成されることを抑制できるため、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明のアルカリ蓄電池について、角形の場合の他の一例を説明する。なお、実施形態1で説明したアルカリ蓄電池10と重複する説明は省略する。
実施形態2のアルカリ蓄電池は、少なくとも電池組立時において、セパレータ12aの総面積X(cm2)とケース内の電解液の量Y(mg)とが、Y/X≧20の関係を満たす。なお、セパレータに保持される電解液の量については特に限定されない。
実施形態2のアルカリ蓄電池によれば、サイクル後においても十分な電解液がセパレータに保持されるため、充放電サイクル後も自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
(実施形態3)
実施形態3では、本発明のアルカリ蓄電池について、他の一例を説明する。
図3を参照して、アルカリ蓄電池20は、蓋11aを備えるケース11と、ケース11内に配置された電極群21および電解液(図示せず)と、蓋11aに配置された安全弁13と、正極端子14および負極端子15とを備える。そして、電極群21は、図2に示した電極群12と同様に、袋状のセパレータに挿入された複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された構造を有している。ケース、セパレータおよび正極については、実施形態1で説明したものと同様であるので重複する説明は省略する。
アルカリ蓄電池20では、セパレータの表面にマンガンを含む化合物(図示せず)が析出している。
アルカリ蓄電池20の電解液は、KOHを溶解したアルカリ水溶液である。そして、この電解液は、マンガンイオンを含むことが好ましい。このようなマンガンイオンは、電解液に、金属マンガンやマンガン化合物を溶解させることによって加えることができる。
アルカリ蓄電池20の負極は、主構成材として水素吸蔵合金を含む。そして、この負極に含まれる水素吸蔵合金は、ミッシュメタル(Mm)とマンガンとを1:B(ただし、0.2≦B≦0.5)の組成比で含むことが好ましい。
上記アルカリ蓄電池20では、セパレータの表面にマンガンを含む化合物が析出しており、この化合物はオキシ水酸化コバルトよりも導電性が低い。したがって、万一、正極から負極へ金属化合物からなるパスが形成されても、高導電性パスとはならないため、自己放電特性が良好なアルカリ蓄電池が得られる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、スルホン化度が異なるセパレータを用いて図1に示したような角形のアルカリ蓄電池を作製した一例を説明する。
まず、コバルトを固溶した水酸化ニッケル粒子を含む正極活物質ペーストを発泡ニッケルに充填したのち、乾燥・圧延して正極シートを作製した。そして、この正極シートを切断して正極(正極12b)を作製した。
次に、水素吸蔵合金(組成が、MmNi3.55Mn0.4Al0.3Co0.75)を含む負極ペーストを、パンチングメタル(Fe/Niメッキ)に塗布したのち、乾燥・圧延して負極シートを作製した。そして、この負極シートを切断して負極(負極12c)を作製した。
セパレータ(セパレータ12a)には、スルホン化度が異なる複数のポリプロピレンセパレータを用いた。そして、上記セパレータを袋状にしてその中に正極を挿入し、正極が挿入された複数の袋状セパレータと複数の負極とを積層し、極板群(極板群12)を作製した。この極板群を、ケース(ケース11)に挿入した。その後、比重が1.3である水酸化カリウム水溶液中に水酸化リチウムを20g/l溶解したアルカリ電解液を20g注液したのち、安全弁を備える蓋によって、ケースを封口した。このとき、正極端子と正極、および負極端子と負極とをリードで接続した。このようにして、定格容量が6.5Ahである実施例1の角形アルカリ蓄電池を作製した。
このように実施例1では、スルホン化度の異なるセパレータを用いて複数の電池を作製した。そして、電池組立時(電池組立後で活性化前)の電池を分解し、セパレータに保持されている電解液の量を測定した。保持されている電解液の量は、電池を分解してセパレータの重量を測定したのち、セパレータを水洗・乾燥して再度重量を測定し、その差から求めた。
また、各電池について、200サイクル後の自己放電率を測定した。サイクル試験は、13A(2C)で30分充電し、13A(2C)で電池電圧が1Vになるまで放電することを1サイクルとした。自己放電率の測定は、200サイクル後の電池について、(1)SOC(State Of Charge)が60%になるように充電し(放電状態から3.9Aの電流値で1h充電)、(2)45℃で1週間放置し、(3)電池電圧が1Vになるまで2Aの電流値で放電したときの放電容量Y(Ah)を測定し、(4)自己放電率(%)=(3.9−Y)/6.5×100の式で計算した。
セパレータのスルホン化度と、電池組立時におけるセパレータの電解液保持量および200サイクル後の自己放電率との関係を表1に示す。
Figure 0005100718
表1中、S/Cは、スルホン化度を示す指標であり、セパレータ中の(硫黄の原子数)/(炭素の原子数)の値を示す。表1から明らかなように、S/Cの値が2.0×10-3〜5.5×10-3のときに自己放電特性がよいことがわかった。この中でもS/Cの値が3.0×10-3〜3.5×10-3であることが特に自己放電特性がよかった。また、S/Cの値を6.0×10-3以下にすることによって、セパレータがスルホン化しすぎて不織布が硬くなることを防止できる。また、表1から、セパレータの電解液保持量は、15mg/cm2以上が好ましいことがわかった。
(実施例2)
実施例2では、電解液の注液量を変化させて角形のアルカリ蓄電池を作製した一例について説明する。
実施例2のアルカリ蓄電池では、実施例1のアルカリ蓄電池と同様の正極、負極および電解液を用いた。セパレータは、S/Cの値が3.0×10-3のスルホン化セパレータ(電池中のセパレータの総面積が600cm2)を用いた。そして、電解液の注液量を変化させたときの、200サイクル後の自己放電率を測定した。自己放電率は、実施例1で説明した方法と同様の方法で測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 0005100718
表2から明らかなように、セパレータ1cm2あたりの注液量を20mg以上(好ましくは30mg以上)とすることによって、200サイクル後の自己放電率が小さいアルカリ蓄電池が得られた。
(実施例3)
実施例3では、注液方法を変えて角形のアルカリ蓄電池を作製した一例について説明する。
実施例3のアルカリ蓄電池では、実施例2のアルカリ蓄電池と同様の正極、負極、セパレータおよび電解液を用いた。そして、表3のように注液方法を変えて20gの電解液を注液してアルカリ蓄電池を作製した。そして、電解液を注液したのち、電池を分解してセパレータの電解液保持量を測定した。さらに、この電池について、200サイクル後の自己放電率を測定した。自己放電率は、実施例1で説明した方法と同様の方法によって測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 0005100718
表3から明らかなように、注液後真空引きまたは真空後注液することによって、セパレータを均質にぬらすことができ、セパレータ繊維に十分に電解液を浸透させることができる。
(実施例4)
実施例4では、比表面積が異なるセパレータを用いて角形のアルカリ蓄電池を作製した一例について説明する。
実施例4のアルカリ蓄電池では、実施例2と同様の正極、負極、および電解液を用いた。電解液は、1セルに、20g注液した。セパレータは、比表面積が異なるスルホン化セパレータ(セパレータの総面積600cm2)を用いた。そして、実施例1と同様の方法で、アルカリ蓄電池を作製した。作製したアルカリ蓄電池について、実施例1と同様の方法で200サイクル後の自己放電率を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 0005100718
なお、各サンプルに用いたセパレータの目付重量を測定したところ、サンプル4−1では60g/m2であり、サンプル4−2〜4−4では65g/m2〜80g/m2であり、サンプル4−5では、84g/m2であった。
表4から明らかなように、セパレータの比表面積が0.60m2/g〜0.90m2/gの場合(目付重量が65g/m2〜80g/m2の場合)には、自己放電特性がよくなった。一方、目付重量が60g/m2以下のセパレータを用いると、自己放電特性が悪くなった。また、各サンプルについて、水銀ポロシメータを用いて0.1μm〜360μmの範囲で細孔分布測定を行った。その結果、体積基準のメディアン細孔直径が30μm以下のセパレータを用いた場合には、200サイクル後も自己放電特性が良好であることがわかった。
(実施例5)
実施例5では、水素吸蔵合金の組成を変化させて角形のアルカリ蓄電池を作製した一例について説明する。
実施例5のアルカリ蓄電池では、正極および電解液に実施例1と同様のものを用いた。セパレータには、S/Cの値が3.0×10-3のスルホン化セパレータを用いた。
実施例5では、負極に用いる水素吸蔵合金の組成を変化させて複数のアルカリ蓄電池を作製した。そして、これらの電池について、実施例1と同様の方法で200サイクル後の自己放電率を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 0005100718
表5から明らかなように、水素吸蔵合金がマンガン(Mn)を含む場合には、サイクル後の自己放電率が低かった。また、水素吸蔵合金が、ミッシュメタル(Mm)とマンガンとを1:B(ただし、0.2≦B≦0.5である)の組成比で含む場合には、自己放電率が特に低かった。
次に、セパレータの表面に析出する化合物を調べるため、以下の実験を行った。まず、サンプル5−1〜5−6に用いた水素吸蔵合金と同一の組成の水素吸蔵合金粉末をセパレータに包み、65℃の電解液中に14日間浸漬し、その後、電解液からセパレータと合金粉末とを取り出して室温で14日間放置した。そして、電解液中に沈殿した粉末を集め、この粉末について、X線回折(XRD)、ICP発光分析、および粉末抵抗の測定を行った。その結果、サンプル5−5および5−6の水素吸蔵合金から析出した粉末では、オキシ水酸化コバルトのピークが観測された。一方、サンプル5−1〜5−4の水素吸蔵合金から析出した粉末では、オキシ水酸化コバルトのピークが観測されなかった。この粉末は、マンガンとコバルトとを含む化合物であることがわかったが、どのような化合物であるかは同定できなかった。
上記粉末について粉末抵抗を測定した結果、サンプル5−5および5−6の粉末は、サンプル5−1〜5−4の粉末に比べて2桁大きい導電率を示すことが分かった。なお、セパレータ表面の析出物も、上記粉末と同様の化合物であると考えられる。したがって、水素吸蔵合金がマンガンを含むことによって、セパレータの表面に導電性が高いオキシ水酸化コバルトが析出することを抑制し、導電性がより低いマンガンとコバルトとの化合物を優先的に析出させることができると考えられる。
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
たとえば、上記実施形態では、角形のアルカリ蓄電池について図示したが、本発明のアルカリ蓄電池は角形に限定されず、円筒形などの他の形状であってもよい。
10、20 アルカリ蓄電池
11 ケース
11a 蓋
12 電極群
12a セパレータ
12b 正極
12c 負極
13 安全弁
14 正極端子
15 負極端子

Claims (2)

  1. ケースと、前記ケース内に収容された正極、負極、袋状のセパレータおよび電解液とを備える角型ニッケル水素蓄電池であって、
    前記セパレータに正極または負極を挿入するとともに、
    前記セパレータはスルホン化されたポリオレフィン系不織布からなり、
    前記セパレータ中の硫黄原子と炭素原子とが、(硫黄の原子数)/(炭素の原子数)=A(ただし、2.0×10 -3 ≦A≦5.5×10 -3 )の関係を満たし、
    少なくとも電池組立時において前記セパレータの総面積X(cm 2 )とケース内の電解液の量Y(mg)とが、Y/X≧20の関係を満たし、
    前記セパレータの比表面積が0.6m 2 /g〜0.9m 2 /gの範囲内であり、
    前記セパレータは、水銀ポロシメータによって0.1μm〜360μmの範囲で細孔の測定をしたときに、体積基準のメディアン細孔直径が30μm以下であって、
    かつ、前記セパレータの目付重量が60g/m 2 〜85g/m 2 の範囲内である
    ことを特徴とする角型ニッケル水素蓄電池。
  2. 前記電解液が真空注液法によって注液される請求項1に記載の角型ニッケル水素蓄電池。
JP2009181358A 2009-08-04 2009-08-04 角型ニッケル水素蓄電池 Expired - Fee Related JP5100718B2 (ja)

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