JPH10501828A - ポリアリーレンエーテルケトンの精製法 - Google Patents

ポリアリーレンエーテルケトンの精製法

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JPH10501828A JP8501548A JP50154895A JPH10501828A JP H10501828 A JPH10501828 A JP H10501828A JP 8501548 A JP8501548 A JP 8501548A JP 50154895 A JP50154895 A JP 50154895A JP H10501828 A JPH10501828 A JP H10501828A
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Abstract

(57)【要約】 ポリアリーレンエーテルの精製法において、ポリアリーレンエーテルを、金属水酸化物又は非金属水酸化物の存在下に、減圧下に押し出す、ポリアリーレンエーテルの精製法。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリアリーレンエーテルケトンの精製法 本発明は、ポリアリーレンエーテルの精製法に関する。 ドイツ特許(DE−C)第22419044号明細書から、両性金属水酸化物 、例えば水酸化アルミニウムをポリアリーレンエーテルケトンに混合し得ること が公知である。殊に、ヘンシェルミキサー、ロールミル又はバンバリーミキサー 並びに押し出しが好適と記載されている。これらの両性金属水酸化物の混合によ り、ポリアリーレンエーテルケトンは、酸素に対して安定化し、これは、より僅 かな粘度上昇により測定することができる。非両性金属水酸化物、例えば、水酸 化マグネシウムは、酸化分解に対して安定化作用を有さない。 更に、ポリアリーレンエーテルを酸化分解から守るために、リン化合物、殊に 長鎖リン酸エステルを、ポリアリーレンエーテルに添加することが公知である( 例えば、ドイツ特許(DE−A1)第3419376号明細書参照)。 ドイツ特許(DE−A1)第4207555号明細書中に、塩残分及び触媒残 分をポリアリーレンエーテルケトンから、ポリアリーレンエーテルケトン−粉末 を、水性ポリリン酸溶液で、80℃までの温度で抽出することにより除去するこ とが提案されている。 ヨーロッパ特許(EP−A2)第480244号明細書中に、ポリフェニレン エーテルを、カルボン酸及び水の存在下に、減圧下に溶融物にすることができ、 これにより、臭気物質を、このポリマーから除去することが記載されている。 求電子重縮合により製造されるポリアリーレンエーテル、殊にポリアリーレン エーテルケトンは、不純物として、殊にハロゲン水素、多くはHClを含有する 。更に、アンモニウム塩、例えば、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム又はト リアルキルアンモニウムクロリドが、このように製造されたポリアリーレンエー テルケトン中に含有され得る。更に、周期系の第5主族の原子の水素化合物、ア ルキル化合物又はアリール化合物を、ポリアリーレンエーテル中に含有され得る 不純物に挙げることができる。この中で殊に、アンモニア、アリールアミン又は アリールアルキルアミンを挙げられる。これらの不純物により、一方でポリアリ ーレンエーテルは、溶融物の状態で僅かな安定性を有する。他方で、不純物によ り、ポリアリーレンエーテル並びにそれから製造される部材又は目的物の固有色 が濁る。 従って、本発明の課題は、ポリアリーレンエーテル及び殊に、求電子重縮合に より製造されるポリアリー レンエーテルケトンの精製法を提供することであった。 この課題は、ポリアリーレンエーテルケトンを、金属水酸化物又は非金属水酸 化物の存在下、減圧下に、押し出すことを特徴とする本発明の方法により解決さ れた。 本発明の方法を用いると、原則的に全てのポリアリーレンエーテル、殊に求電 子重縮合により得られるポリアリーレンエーテルケトンを精製することができる 。有利なポリアリーレンエーテルには、一般式I: ‐(O‐Ar1)Z‐(T‐Ar2)X‐O‐(Ar3‐CO)W‐(Ar4‐Q)Y‐Ar5)‐ (I) の繰り返し単位を有するようなものが挙げられる。 式中、Ar1〜Ar5は、同じか又は相互に異なっていてよく、かつ相互に無関 係に6〜18個のC原子を有する芳香族基を表す。好適な基Ar1〜Ar5の例は 、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ビスフェニ レン、テルフェニレン、1,5−ナフチレン、1,6−ナフチレン、1,5−ア ントリレン、9,10−アントリレン又は2,6−アントリレンである。この中 で、1,4−フェニレン及び4,4’−ビフェニレンが有利である。これらの芳 香族基は、置換されていないのが有利である。しかし、これらは、1個又は複数 の置換基を有していてよい。好適な置換基は、例えば、アルキル基、アリールア ルキル基、アリール基、ニトロ基、シアノ基又はアル コキシ基並びにヘテロ芳香族、例えばピリジン及びハロゲン原子である。有利な 置換基として、10個までの炭素原子を有するアルキル基、例えば、メチル、エ チル、i−プロピル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、C1〜C10−アルコキシ基 、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、20個までの 炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル又はナフチル並びにフッ素及び 塩素が挙げられる。T及びQは、同じか、又は相互に異なっていてよく、かつ相 互に無関係に−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は−COO−を表し、そ のうち、−CO−及び−O−が有利である。 変数w〜zは、同じか又は相互に異なっていてよく、かつ相互に無関係に0〜 3の整数を表す。wは、0ではないのが有利である。 有利なポリアリーレンエーテルケトンの例としては、単位II: の基から選択される繰り返し単位を単独で、又は他の単位と結合して含有するも のを挙げることができる。 ポリアリーレンエーテルは、ランダムコポリマー又 は整然としたコポリマー、例えば、交互又はブロックコポリマーである。種々異 なるポリアリーレンエーテルの混合物も使用することができる。一般に、有利な ポリアリーレンエーテルケトンは、5〜350cm3/分のメルトボリュームイ ンデックス(MVI;DIN53735により測定、400℃及び10kgの負 荷)を有する。25〜250cm3/10分のメルトボリュームインデックス( DIN53735により測定、400℃及び10kgの負荷)を有するポリアリ ーレンエーテルケトンが有利である。一般に、ポリアリーレンエーテルケトンの 換算粘度は、30〜170ml/g、有利に50〜150ml/g、特に有利に 80〜140ml/gである。換算粘度を、それぞれポリアリーレンエーテルケ トンの可溶性に従い、1重量%N−メチルピロリドン−溶液中で、フェノール及 びジクロロメタンからなる混合物中で、又は96%硫酸中で、それぞれ20℃も しくは25℃で測定する。 該当するポリアリーレンエーテルは、自体公知であるか、又は自体公知の方法 で製造することができる。例えば、殊に、国際公開WO84/03892号明細 書中に記載されているように、ポリアリーレンエーテルケトンを求電子(フリー デル−クラフト)重縮合させることにより入手することができる。求電子重縮合 では、カルボニル橋の形成のために、ジカルボン酸塩化物又はホスゲンを、求電 子置換基と交換可能な水素 原子2個を含有する芳香族物質と反応させるか、又は酸塩化物基も、置換可能な 水素原子も含有する芳香族カルボン酸塩化物を、それ自身と重縮合させる。 このように製造されるポリアリーレンエーテルケトンを、一般に、好適な溶剤 、殊に水又はアルコール、例えばメタノール又はエタノールで洗浄して精製し、 かつ引き続き乾燥させる。 一般に、このように処理されたポリアリーレンエーテルケトンは、100pp mを上回るクロリドイオン、多くは150ppmを上回るクロリドイオンを含有 する。このポリアリーレンエーテルケトンの窒素含有率は、一般に100ppm を上回る。 本発明の方法では、金属水酸化物として、周期系の第2〜第5主族の金属のも のを使用する。好適な金属水酸化物の例は、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシ ウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジ ウム、水酸化スズ(IV)、水酸化鉛(II)、水酸化アンチモン又は水酸化ビ スマスである。このうち、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムが、特に 有利である。 非金属水酸化物としては、周期系の第3〜第5主族のものが、これに該当する 。例えば、水酸化ホウ素、水酸化ケイ素、水酸化ゲルマニウム又はオキシ水酸化 リンを使用することができ、なかでも、水酸化ホウ素又はオキシ水酸化リンが特 に有利である。 勿論、種々異なる水酸化物の混合物も、使用することができる。 金属水酸化物又は非金属水酸化物は、既に溶融前に、ポリアリーレンエーテル に混合してよい。一般に、これらを、ポリアリーレンエーテルの溶融時に添加す る。それに相応して、本発明を実施する温度(処理装置のケース温度)は、一般 に、320〜450℃の範囲である。本発明の方法を、340〜410℃の温度 で実施するのが有利である。 金属水酸化物もしくは非金属水酸化物の量は、一般に、精製されるポリアリー レンエーテルの重量に対して、0.05〜35、有利に0.1〜20、及び特に 有利に0.1〜5重量%である。 本発明では、方法を押し出し機中で実施する。その際、一般に慣用の押し出し 機が、これに該当する。例えば、単軸スクリュー押し出し機、向流接線(tangent ial)二軸スクリュー押し出し機又は順流かみ合い二軸スクリュー押し出し機を使 用することができる。順流かみ合い二軸スクリュー押し出し機を用いて押し出す のが特に有利である。本発明の方法に好適な押し出し機は、方法を、大気圧に対 して減ぜられた圧力で実施するので、1つ又は複数の位置で排出させることがで きる。スクリュー押し出し機の長さ(l)と直径(d)との比は、例えば、1< 40d、有利に1<30dであってよい。比1<20dが、特に有利である。ス クリュー回転数は、一般に50〜300Upmの範囲、有利に、130〜230 Upmの範囲である。約55mmまでのスクリュー直径を有するスクリュー押し 出し機の処理量は、一般的に5〜80kg/時の範囲である。10〜50kg/ 時の処理量が、有利である。より大きなスクリュー押し出し機の相応する処理量 は、この記載から推測し得る。 押し出し機中の圧力は、一般に10〜900ミリバール、有利に60〜600 ミリバールである。例えば、1ミリバールよりもかなり下回る圧力は、一般的に 必要ない。所望の精製は、一般に1000ミリバールをかなり上回る圧力ではほ とんど得られない。 押し出しの後に、ポリアリーレンエーテルを、例えば顆粒にすることができる 。 本発明の方法で精製されたポリアリーレンエーテルは一般的に、ポリアリーレ ンエーテルに対して、最大120ppmまでの塩化物含有率を有する。塩化物含 有率は、一般にそれぞれポリアリーレンエーテルに対して、5〜100ppmで あるが、多くは10〜95ppmである。より低い塩化物含有率、例えば1pp mまでを得ることもできる。窒素として算出される窒素化合物の割合は一般に、 ポリアリーレンエーテルに対して、100ppm未満である。一般に、窒素含有 率は、それぞれポリアリーレンエーテルに対して、60〜90ppmであるが、 より低く、例えば50pp mにもなり得る。 本発明の方法により精製されるポリアリーレンエーテルは、繊維状又は粒子状 の填料を含有していてよい。このために、殊に、カーボンファイバー、ガラスフ ァイバー、チタン酸カリウムファイバー、酸化鉄ナノファイバー又は金属繊維、 例えば、スチールファイバーが挙げられる。粒子状又は切片状填料としては、殊 に、雲母、珪灰石、アルミナ、ガラスフロック又はガラスボールを挙げることが できる。 更に、本発明の方法により精製されるポリアリーレンエーテルは、なお他の添 加物及び/又は処理助剤を含有していてよい。そのうち、顔料、防火剤、例えば リン酸エステル又はUV−安定剤、例えばカーボンブラック、二酸化チタン又は フルオルポリマーを挙げることができる。 填料及び他の添加物及び/又は処理助剤は、押し出しの前、後又はその間に添 加することができる。これらは、押し出しの間に添加するのが有利である。 有利な組成は、次のものを含有する A)ポリアリーレンエーテル 60〜99.95重量%、 B)窒素化合物 0.001〜5.0重量%、 C)金属水酸化物又は非金属水酸化物から得られる金属化合物又は非金属化合 物 0.049〜35重量%、 D)填料 0〜40重量%及び E)その他の添加物及び/又は処理助剤 0〜35重量%。 本発明の方法で精製され、所望の他の添加物を含有するポリアリーレンエーテ ルは、成形体、異形材、半製品、シート、繊維又はその他の使用のための粉末を 製造するために好適である。これらは、殊に、良好な流動性、優れた溶融安定性 及び澄明な固有色により優れている。 例 例1 ポリアリーレンエーテルケトンの製造 塩化アルミニウム437.8g(3.28モル)を、塩化メチレン627ml 中に懸濁させ、かつ−15℃に冷却した。これに、冷却下に、ジメチルスルホン 84.7(0.9モル)、テレフタロイルクロリド121.8g(0.6モル) 、塩化ベンゾイル3.37g(0.024モル)及びジフェノキシベンゾフェノ ン224.2g(0.61モル)を添加した。温度を、徐々に約18℃まで高め 、その際、反応容器中の圧力を、約10バールまで高めた。引き続き、反応物質 を、第2の反応容器中で放圧させ、かつ25℃での5時間の滞留時間の後に、触 媒錯体を加水分解するために、水中にいれた。引き続き、ポリアリーレンエーテ ルケトンを、何回か水で抽出し、かつ真空中で、20 0℃で乾燥させた。 構造: の繰り返し単位を有する粉末状ポリマーが得られた。5g/lの濃度で、25℃ で、96重量%硫酸中で、DIN53735により測定される対数粘度は、0. 99dl/gであり、かつ4分当たり400℃/21.6kgで測定されるメル トボリュームインデックス(MVI)は、123であった。塩化物含有率は、ポ リアリーレンエーテルケトンに対して164ppmであり、窒素含有率は、ポリ アリーレンエーテルケトンに対して100ppmまでと測定された。アルミニウ ム含有率は、ポリアリーレンエーテルケトンに対して1500ppmであった。 例2〜13 例1により製造されたポリアリーレンエーテルケトンに、ZSK53(Werner und Pfleider社)タイプの順流かみ合い二軸スクリュー押し出し機を用いて、第 1表に記載の量(重量%、金属水酸化物及びポリアリーレンエーテルケトンから なる全混合物の量に対して)の金属水酸化物を添加し、かつ180ミリバールの 圧力及び395℃の温度で押し出した。回転数は150Upmであり、及び処理 量は20kg/時であった。排出された溶融物を顆粒にし、かつ得られた顆粒を 試 験した。 例14〜25 例1で製造されたポリアリーレンエーテルケトンを、タイプZKS25(Werne r und Pfleider社)の押し出し機を用いて、第1表に記載の量の金属水酸化物の 添加下に、回転数200Upm及び処理量10kg/時で押し出した。測定され た塩化物及び窒素及びアルミニウム含有率は、充分に、第1表中に記載の値と一 致した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユルゲン ホーフマン ドイツ連邦共和国 D−67069 ルートヴ ィッヒスハーフェン ミュンシュブーシュ ヴェーク 30ツェー (72)発明者 ベールベル アーノルト−マウアー ドイツ連邦共和国 D−67169 カルシュ タット イム モーゼンボルン 33 (72)発明者 エックハルト ノイフェルト ドイツ連邦共和国 D−67117 リムブル ガーホーフ ヴァインハイマー シュトラ ーセ 52

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ポリアリーレンエーテルの精製法において、ポリアリーレンエーテルを、 金属水酸化物又は非金属水酸化物の存在下に、減圧下に押し出すことを特徴とす る、ポリアリーレンエーテルの精製法。 2.金属水酸化物として、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムを使用 する、請求項1に記載の方法。 3.非金属水酸化物として、オキシ水酸化リンを使用する、請求項1に記載の 方法。 4.ポリアリーレンエーテルとして、求電子重縮合により製造されたポリアリ ーレンエーテルケトンを使用する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。 5.10〜900ミリバールの圧力で押し出す、請求項1から4のいずれかに 記載の方法。 6.押し出しを、順流又は向流かみ合い二軸スクリュー押し出し機で実施する 、請求項1から5のいずれかに記載の方法。 7.請求項1から6のいずれかに記載の方法により得られる、 A)ポリアリーレンエーテル 60〜99.95重量%、 B)窒素化合物 0.001〜5.0重量%、 C)金属水酸化物又は非金属水酸化物から得られる 、金属化合物又は非金属化合物 0.049〜35重量%、 D)填料 0〜40重量%及び E)その他の添加物及び/又は処理助剤 0〜35重量% を含有する組成物。 8.請求項1から6のいずれかの方法で精製されたポリアリーレンエーテル又 は請求項7に記載の組成物を、成形体、シート又はフィルムを製造するために使 用すること。 9.請求項1から6のいずれかの方法で精製されたポリアリーレンエーテル又 は請求項7に記載の組成物を使用して製造された成形体、シート又はフィルム。 10.金属水酸化物又はオキシ水酸化リンを、ポリアリーレンエーテルの精製 のために使用すること。
JP8501548A 1994-06-15 1995-05-30 ポリアリーレンエーテルケトンの精製法 Pending JPH10501828A (ja)

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