JPH1048874A - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法

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JPH1048874A
JPH1048874A JP21694696A JP21694696A JPH1048874A JP H1048874 A JPH1048874 A JP H1048874A JP 21694696 A JP21694696 A JP 21694696A JP 21694696 A JP21694696 A JP 21694696A JP H1048874 A JPH1048874 A JP H1048874A
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Osamu Tamura
修 田村
Nobuyuki Okubo
信之 大久保
Shunji Suzuki
俊次 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像・高精細な画像の出力を可能とし、感
光体へのトナー融着や接触帯電部材を汚染することのな
い静電荷像現像用トナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくともトナー粒子、樹脂微粒子及び
シリコーンオイルまたはシリコーンワニスの含有量が2
0〜90重量%の無機微粉体とを含有する静電荷像現像
用トナーであって、該トナーの粒度分布が、重量平均粒
径(D4)をX(μm)、個数分布から求めた個数基準
の粒径3.17μm以下のトナー粒子の個数%をY(個
数%)とした時、X及びYが下記条件 −5X+35≦Y≦−25X+180 3.5≦X≦6.5 を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーに関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電印
刷のごとき静電荷像を現像するためのトナー及び該トナ
ーを使用した画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーで現像を行なって可視像とし、必要に応じ
て紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等
により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るも
のであり、さらに感光体上に残ったトナーは種々の方法
でクリーニングされ上述の工程が繰り返される。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にプリンターやファクシミリ等多数になって
きている。特にプリンターやファクシミリでは、複写装
置部分を小さくする必要があるため、一成分トナーを用
いた現像装置が使用されることが多く、なかでも磁性を
有するトナー粒子よりなる、磁性一成分現像剤を用いる
方法が優れている。
【0004】その中でもトナー担持体と静電潜像担持体
をある一定の間隙をおいて配置し、トナー担持体上に潜
像担持体と接触しない磁性トナーの薄層を形成して、さ
らにトナー担持体と潜像担持体間に交互電界を印加して
現像を行う、ジャンピング現像方式(特開昭58−32
375号公報等)が好ましく用いられる。
【0005】この方法は、磁性トナーをトナー担持体上
に極めて薄く塗布することによりトナー担持体とトナー
の接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしたこ
と、磁力によって磁性トナーを支持し、かつ磁石とトナ
ーを相対的に移動させることにより、トナー粒子相互の
凝集をとくとともにトナー担持体と十分に摩擦せしめて
いること等によって、優れた画像が得られるものであ
る。
【0006】また、プリンター装置はLED、レーザー
ビームプリンターが最近の市場の主流になっており、技
術の方向としてより高解像度即ち、従来240、300
dpiであったものが400、600、1200dpi
となって来ている。従って現像方式もこれにともなって
より高精細が要求されてきており、特開平1−1122
53号公報、特開平2−284158号公報などでは粒
径の小さいトナーが提案されている。
【0007】しかしトナーの粒径を小さくすることによ
って高解像・高精細画像を出力することが可能になる一
方で以下のような問題が生じやすい。
【0008】トナー粒径が小さくなると付着力が強くな
るため転写材に転写されずに感光体上に残りやすく、し
かもクリーナーをすり抜けやすいため、接触帯電部材と
感光体との接触部において接触帯電部材に付着して汚染
し、帯電不良を起こしたり、ドラム融着などの原因とな
る場合がある。
【0009】さらに、トナー粒子の粒径を小さくするこ
とで現像剤の流動性が悪くなり、トナー担持体へのトナ
ー融着や、カブリと呼ばれる非画像部へのトナー現像な
どが起こりやすくなることが知られている。
【0010】これらの問題の改良のために、各種無機酸
化微粉末の処理が検討されている。
【0011】例えば特開昭49−42354号公報、同
55−26518号公報において、シリカ等の粉体にシ
リコーンオイル処理することにより、特にトナー流動性
を改良することが開示されている。
【0012】さらには特開昭58−60754号公報に
はシリコーンオイル処理した湿式シリカを含有するトナ
ー、同61−277964号公報にはシリコーンオイル
処理された疎水化度90%以上のシリカ含有トナーが開
示され、それぞれトナー流動性、帯電特性を改良するこ
とが示されている。
【0013】また、特開昭61−249059号公報に
はトナー表面に疎水性シリカとシリコーンオイル処理さ
れた親水性シリカとを担持する磁性現像剤が、さらには
特開平4−264453号公報にはシリコーンオイルで
表面処理された比表面積10〜100m2/g以上の無
機酸化物粒子を含有するトナーをAC印加現像方式に用
いることにより、カブリを軽減する構成が開示されてい
る。
【0014】また、現像剤中に樹脂微粒子を添加するこ
とについて特開昭60−186854号公報にて提案さ
れている。これと同様にして現像剤を調製して検討した
ところ、感光体上のトナー融着防止に効果が少なく、接
触帯電を用いた装置においては接触帯電装置を汚染し、
帯電ムラを生じた。
【0015】このようにトナーの性能改良は未だに不十
分であり、多くの改良すべき点を有している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高解
像・高精細な画像の出力を可能とし、感光体へのトナー
融着や接触帯電部材を汚染することのない静電荷像現像
用トナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0017】さらに本発明の目的は、流動性に優れ、画
像濃度が高くカブリのない静電荷像現像用トナー及び画
像形成方法を提供することにある。
【0018】さらに本発明の目的は、帯電の立ち上がり
が早く、トナー担持体へのトナー融着のない耐久性に優
れた静電荷像現像用トナー及び画像形成方法を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くともトナー粒子、樹脂微粒子及びシリコーンオイルま
たはシリコーンワニスの含有量が20〜90重量%の無
機微粉体とを含有する静電荷像現像用トナーであって、
該トナーの粒度分布が、重量平均粒径(D4)をX(μ
m)、個数分布から求めた個数基準の粒径3.17μm
以下のトナー粒子の個数%をY(個数%)とした時、X
及びYが下記条件 −5X+35≦Y≦−25X+180 3.5≦X≦6.5 を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーに関す
る。
【0020】さらに本発明は、静電荷潜像保持体と対向
したトナー担持体上にトナー層を形成して静電荷潜像保
持体上の静電荷潜像を現像する工程を有する画像形成方
法において、該トナー担持体が少なくとも基体及び導電
性被覆層を有し、該基体表面が該導電性被覆層で被覆さ
れており、上記の静電荷像現像用トナーを用いることを
特徴とする画像形成方法に関する。
【0021】さらに本発明は、外部より電圧を印加した
帯電部材を静電荷潜像保持体に接触させて帯電を行う帯
電工程を有し、かつ、上記のトナー担持体と静電荷像現
像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関
する。
【0022】トナー粒子を小粒径化することで静電荷潜
像を忠実に再現した高画質な画像を得ることが可能にな
る。しかし、粒径が3.17μm未満、なかでも2.5
2μm未満のような粒径が小さいトナー微粉は付着力が
強いために、転写後にクリーニングされずに感光体上に
残りやすく、トナー粒子が感光体へトナー融着したり、
接触帯電部材を使用する装置においては接触帯電部材を
汚染し帯電不良を起こす原因となる。また、トナー粒子
の粒径を小さくすると比表面積が大きくなるためにトナ
ー表面から磁性酸化鉄などが脱離し易く、遊離状態とな
りやすい。遊離状態の磁性酸化鉄は非常に小さくて付着
力が強く、また硬いために、感光体に傷を付けたり接触
帯電部材に付着しやすく、感光体へのトナー融着や接触
帯電部材の汚染による帯電不良の原因を作りやすいこと
が分かった。
【0023】本発明では、トナー粒子にシリコーンオイ
ルまたはシリコーンワニスを20〜90重量%含有する
無機微粉体を添加することで、感光体,接触帯電部材表
面にシリコーンオイルまたはシリコーンワニスを常に適
量を塗布し続け、表面をシリコーンオイルまたはシリコ
ーンワニスでコートする働きがある。このため感光体や
接触帯電部材表面がトナー微粉や遊離の磁性酸化鉄が付
着しにくい状態になると考えられる。上記で規定される
ような粒度分布をもつトナーにおいては、このシリコー
ンオイルまたはシリコーンワニスで処理された無機微粉
体を添加しないトナーでは、トナーの流動性や帯電性を
保ちながら、感光体や接触帯電部材表面をトナー微粉や
遊離の磁性酸化鉄が付着しにくい状態にすることは難し
い。
【0024】さらに、樹脂微粒子は、感光体と接触帯電
部材との当接部において、感光体,接触帯電部材表面に
付着した遊離状態の磁性酸化鉄を樹脂微粒子内に取り込
み、クリーニングされやすくする効果や、トナー微粉と
感光体や接触帯電部材表面の間に存在してトナー微粉と
感光体や接触帯電部材表面との接触面積を小さくし、樹
脂微粒子がコロのような働きをすることで感光体や接触
帯電部材表面に付着しにくくする効果などをもつが、上
記のように感光体,接触帯電部材表面がシリコーンオイ
ルまたはシリコーンワニスでコートされた状態に樹脂微
粒子が存在すると、これらの効果が飛躍的に向上するこ
とが明らかになった。
【0025】このように、上記粒度分布を有するトナー
中に、樹脂微粒子及び少なくともシリコーンオイルまた
はシリコーンワニスの含有量が20〜90重量%の無機
微粉体添加することで、はじめて感光体へのトナー融着
や接触帯電部材の汚染を防止することが可能となった。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明では、トナーの粒度分布
が、重量平均粒径(D4)をX(μm)、個数分布から
求めた個数基準の粒径3.17μm以下のトナー粒子の
個数%をY(個数%)とした時、−5X+35≦Y≦−
25X+180、より好ましくは−5X+35≦Y≦−
12.5X+98.75;3.5≦X≦6.5、より好
ましくは4.0≦X≦6.3の条件を満たすことを特徴
とする。
【0027】Xが6.5μmより大きいと、1ドットの
再現性に劣り好ましくない。また3.5μmより小さい
と現像剤がチャージアップし易くなり、画像濃度の低下
などの問題が起こり易く好ましくない。一方、Y(個数
%)が−5X+35より小さい場合には、Xが6.5μ
mより大きい時と同様に1ドットの再現性に劣り解像度
が低くなるため好ましくない。またY(個数%)が−2
5X+180より大きい場合には非画像部へのカブリが
増加したり、感光体へのトナー融着や接触帯電部材の汚
染による帯電不良を起こすため好ましくない。
【0028】さらに、トナーの重量平均粒径(D4)を
X(μm)とし、トナーの個数分布における粒径2.5
2μm以下のトナー粒子の割合をZ(個数%)としたと
き、下記条件 −7.5X+45≦Z≦−12.0X+82 を満たすことが、より好ましい。
【0029】粒径2.52μm以下のトナー粒子の割合
Z(個数%)は、感光体へのトナー融着や接触帯電部材
の汚染に対して大きな影響を及ぼす。Z(個数%)が−
7.5X+45より小さい場合には解像度が低くなるた
め好ましくない。またZ(個数%)が−12.0X+8
2より大きい場合にはカブリが増加したり、感光体への
トナー融着や接触帯電部材を汚染し帯電不良を起こすた
め好ましくない。
【0030】現像剤の平均粒径及び粒度分布はコールタ
ーカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)を用いる。電解液は1級塩化
ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。た
とえば、ISOTON R−II(コールターサイエン
ティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法とし
ては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤と
して界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォ
ン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20
mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウンタ
ーTA−II型によりアパーチャーとして100μmア
パーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数
を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それか
ら、本発明に係わる体積分布から求めた重量基準の重量
平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの
代表値とする)と個数分布から求めた個数基準の3.1
7μm以下の割合を求めた。
【0031】さらに本発明では、下記の式で定義される
トナーのタップ時の空隙率が0.45〜0.70の範囲
であることが好ましく、さらに好ましくは0.50〜
0.70、より好ましくは0.50〜0.60の範囲で
あるときに優れた帯電性を示す。
【0032】 空隙率=(真密度−タップ密度)/真密度
【0033】トナーは主に、トナー担持体とトナー規制
ブレードとの間でパッキングされた状態で摩擦帯電をす
る。そのため、トナーのパッキング状態の程度はそのト
ナーの帯電に大きく影響する。トナーが上記範囲の空隙
率を有するとき、トナーはトナー担持体上で動きやすい
状態になりトナー粒子各個の帯電機会が均一になるた
め、各トナー粒子の帯電量のバラツキを抑制し、カブリ
を減らすことができる。
【0034】本発明で用いる無機微粉体としては、Si
2,GeO2,TiO2,SnO2,Al23,B23
25,As23等の酸化物、ケイ酸塩、ホウ酸塩、リ
ン酸塩、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、アルミノホ
ウ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、タングステン酸塩、モ
リブデン酸塩、テルル酸塩等の金属酸化物塩、及びこれ
らの複合化合物、炭化珪素、窒化珪素、アモルファスカ
ーボン等が挙げられる。これらは単独あるいは混合して
使用できる。
【0035】無機微粉体としては、乾式法及び湿式法で
製造下無機化合物微粉体が使用できる。ここで言う乾式
法とはハロゲン化物の蒸気相酸化により生成する無機微
粉体の製造法である。例えばハロゲン化物ガスの酸素水
素中における熱分解酸化反応を利用する方法で基礎とな
る反応式は次のようなものである。
【0036】MX4+2 2+1/4O2 → MO2+4
HX(M:4価の場合)
【0037】この式において、例えばMは金属又は半金
属元素、Xはハロゲン元素、nは整数を表す反応式であ
る。具体的には、AlCl3,TiCl4,GeCl4
SiCl4,POCl3,BBr3を用いれば、それぞれ
Al23,TiO2,GeO2,SiO2,P25,B2
3が得られる。この時ハロゲン化物を混合して用いれば
複合化合物が得られる。
【0038】他には、熱CVD,ブラズマCVD等の製
造法を応用して、乾式による微粉体を得ることができ
る。なかでも、SiO2,Al23,TiO2等が好まし
く用いられる。
【0039】一方、本発明に用いられる無機微粉体を湿
式法で製造する方法は、従来公知である種々の方法が適
用できる。例えばケイ酸ナトリウムの酸による分解、一
般反応式で下記に示す。
【0040】Na2O・xSiO2+2HCl+nH2
→xSiO2・nH2O+2NaCl
【0041】またケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類又
はアルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアル
カリ土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケ
イ酸とする方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹
脂によりケイ酸とする方法、天然ケイ酸又はケイ酸塩を
利用する方法等がある。その他には金属アルコキシドの
加水分解による方法がある。この一般反応式を以下に示
す。
【0042】M(OR)4O+2H2O → MO2+4
ROH(M:4価の場合)
【0043】この式において例えばMは金属又は半金属
元素、Rはアルキル基、nは整数を表す。また、この時
2種以上の金属アルコキシドを用いれば複合物が得られ
る。
【0044】これらのなかでも適度な電気抵抗値を有す
る点から無機化合物が特には金属酸化物が良い。特に、
Si,Al,Tiの酸化物、複酸化物が好ましい。
【0045】また表面をカップリング剤等により予め疎
水化したものを用いてもよい。
【0046】微粒子の粒径としては、好ましくは0.0
01〜20μm、特に0.005〜10μmが良い。B
ET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、1
0〜400m2/g、より好ましくは50〜400m2
g、さらに好ましくは100〜350m2/gが良い。
10m2/g未満では、本発明の多量のシリコーンオイ
ルまたはシリコーンワニスを好適な粒径の潤滑粒子とし
て保持することが困難となりやすい。
【0047】本発明に用いるシリコーンオイルとしては
一般式
【0048】
【化1】
【0049】(ここで、Rは炭素数1〜3のアルキル基
を表わし、R’はアルキル,ハロゲン変性アルキル,フ
ェニル,変性フェニル等のシリコーンオイル変性基を表
わし、R”は炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ
基を表わし、m,nは整数を表わす。)で表わされるも
のが好ましい。例えばジメチルシリコーンオイル、アル
キル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シ
リコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フ
ッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0050】本発明に用いられるシリコーンワニスとし
ては公知の物質が使用でき、例えば信越シリコーン社製
のKR−251、KP−112等が挙げられる。
【0051】本発明において、シリコーンオイルとして
は、式(I)で表わされる構造をもつアミノ変性シリコ
ーンオイルも使用できる。
【0052】
【化2】
【0053】(ここで、R1,R6は水素,アルキル基,
アリール基又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレ
ン基,フェニレン基を表わし、R3は含窒素複素環をそ
の構造に有する化合物を表わし、R4,R5は水素,アル
キル基,アリール基を表わす。またR2はなくてもよ
い。ただし上記のアルキル基,アリール基,アルキレン
基,フェニレン基はアミンを含有していても良いし、ま
た帯電性を損ねない範囲でハロゲン等の置換基を有して
いても良い。またmは1以上の数であり、n,kは0を
含む正の数である。ただしn+kは1以上の正の数であ
る。)
【0054】上記構造中最も好ましい構造は窒素原子を
含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるものである。
【0055】窒素を含有する不飽和複素環として下記に
その一例を挙げる。
【0056】
【化3】
【0057】窒素を含有する飽和複素環の一例を以下に
挙げる。
【0058】
【化4】
【0059】ただし、本発明は何ら上記化合物例に拘束
されるものではないが、好ましくは5員環又は6員環の
複素環をもつものが良い。
【0060】誘導体としては、上記化合物群に炭化水素
基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基、
メタクリル基、グリシドキシ基、ウレイド基等を導入し
た誘導体が例示される。
【0061】これらは1種または2種以上の混合系で用
いてもよい。
【0062】本発明に用いられるシリコーンワニスとし
ては、例えばメチルシリコーンワニス、フェニルメチル
シリコーンワニス等を挙げることができ、特に、メチル
シリコーンワニスが好ましい。
【0063】メチルシリコーンワニスは、下記構造式で
示されるT31単位、D31単位、M31単位よりなるポリマ
ーであり、かつT31単位を多量に含む三次元ポリマーで
ある。
【0064】
【化5】
【0065】メチルシリコーンワニスまたはフェニルメ
チルシリコーンワニスは、具体的には例えば下記構造式
(II)で示されるような化学構造を有する物質であ
る。
【0066】
【化6】
【0067】(R31は、メチル基またはフェニル基を表
わす。)
【0068】上記シリコーンワニスにおいて、特にT31
単位は、良好な熱硬化性を付与し、三次元網状構造とす
るために有効な単位である。上記T31単位は、シリコー
ンワニス中に10〜90モル%、特に30〜80モル%
の割合で含まれることが好ましい。
【0069】このようなシリコーンワニスは、分子鎖の
末端もしくは側鎖に水酸基を有しており、この水酸基の
脱水縮合によって硬化することとなる。この硬化反応を
促進させるために用いることができる硬化促進剤として
は、例えば亜鉛、鉛、コバルト、スズ等の脂肪酸塩;ト
リエタノールアミン、ブチルアミン等のアミン類;など
を挙げることができる。このうち特にアミン類を好まし
く用いることができる。
【0070】上記の如きシリコーンワニスをアミノ変性
シリコーンワニスとするためには、前記T31単位、D31
単位、M31単位中に存在する一部のメチル基あるいはフ
ェニル基をアミノ基を有する基に置換すればよい。アミ
ノ基を有する基としては、例えば下記構造式で示される
ものを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0071】
【化7】
【0072】上記シリコーンオイルまたはシリコーンワ
ニスは25℃における粘度が、好ましくは50〜20
0,000センチストークス、さらに好ましくは500
〜150,000センチストークス、より好ましくは
1,500〜100,000センチストークス、さらに
好ましくは3,000〜80,000センチストークス
が良い。
【0073】50センチストークス未満では、多量のシ
リコーンオイルまたはシリコーンワニスの良好な粒子化
が困難であるとともに、安定性が無く、熱および機械的
な応力により、画質が劣化する傾向がある。200,0
00センチストークスを超える場合は、シリコーンオイ
ルまたはシリコーンワニスの粒子化が困難になる傾向が
ある。
【0074】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
の粘度測定は、ビスコテスターVT500(ハーケ社
製)を用いて行なう。いくつかあるVT500用粘度セ
ンサーの一つを選び(任意)、そのセンサー用の測定セ
ルに測定試料を入れて測定する。装置上に表示された粘
度(pas)はcSt(センチストークス)に換算す
る。
【0075】無機微粉体におけるシリコーンオイルまた
はシリコーンワニスの量は、20〜90重量%、好まし
くは30〜85重量%の場合に所期の効果が得られる。
【0076】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
の量が20重量%未満の場合、感光体や接触帯電部材に
適量のシリコーンオイルやシリコーンワニスを塗布する
効果が少ない。一方90重量%を超える場合は、シリコ
ーンオイルまたはシリコーンワニスを粒子に保持しにく
くなり、過剰のシリコーンオイルまたはシリコーンワニ
スがトナー粒子を凝集させ、画質の劣化を起し易くな
る。
【0077】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
と微粒子とから構成される無機微粉体は、その比表面積
が0.01〜50m2/g(好ましくは0.05〜30
2/g、さらに好ましくは0.1〜10m2/g)の場
合に良好な結果が得られる。
【0078】50m2/gを超える場合は、シリコーン
オイルまたはシリコーンワニスが粒子として保持しにく
くトナーの凝集を引き起こし、画質の劣化が起こり易
い。0.01m2/g未満の場合は、画質が劣化する傾
向にある。
【0079】比表面積は、以下の方法によって算出され
た値である。BET法に従って、比表面積測定装置オー
トソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面
に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積
を算出する。
【0080】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
を含有する無機微粉体の適用量はトナー100重量部に
対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好まし
くは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜
2重量部が良い。0.01重量部未満では、感光体や接
触帯電部材への塗布効果が少なく、また、10重量部を
超えると、トナーの定着性を損なう傾向がある。
【0081】本発明に係わる無機微粉体は、シリコーン
オイルまたはシリコーンワニスという離型性の良好な物
質を20重量%〜90重量%と比較的に多量に含んでお
り、それがトナー微粉と感光体表面や接触帯電部材表面
との離型性の向上に働く。
【0082】シリコーンワニスよりシリコーンオイルの
方が感光体表面や接触帯電部材表面に塗布され易いので
シリコーンオイルの方が好ましい。またシリコーンオイ
ルにはアルコキシ基は含まれないことが好ましい。
【0083】本発明では、トナー中に、シランカップリ
ング剤およびシリコーンオイル又はシリコーンワニスに
より処理されており、かつBET比表面積が80〜14
0m2/gである第2の無機微粉体を含有することがよ
り好ましい。この様な第2の無機微粉体が存在すること
でトナー微粉の付着力を弱めることができ、シリコーン
オイル又はシリコーンワニスを20〜90重量%含む無
機微粉体によって得られる効果をより大きくすることが
可能となる。
【0084】本発明に使用される第2の無機微粉体は、
上記と同様の無機微粉体をシランカップリング剤で処理
した後、シリコーンオイルまたはシリコーンワニスによ
り処理したものが、より好ましく用いられる。
【0085】第2の無機微粉体の処理条件としては、第
一段反応として、シランカップリング反応を行ないシラ
ノール基を化学結合により消失させた後、第二段反応と
してシリコーンオイルまたはシリコーンワニスにより表
面に疎水性の薄膜を形成することを特徴とする。
【0086】本発明に用いられるシランカップリング剤
は一般式 RmSiYn
【0087】[式中、Rはアルコオキシ基又は、塩素原
子を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、
ビニル基、グリシドキシ基またはメタクリル基を含む炭
化水素基を示し、nは3〜1の整数を示す。]もので示
されるものが好ましい。例えば代表的にはジメチルジク
ロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシランを
あげることができる。
【0088】上記微粉体のシランカップリング剤処理
は、微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化
したシランカップリング剤を反応させる乾式処理、又
は、微粉体を溶媒中に分散させシランカップリング剤を
滴下反応させる湿式法等の方法で処理することができ
る。中でも特に乾式処理法が好ましく用いられるがこれ
に限定されるものではない。
【0089】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
処理に用いられる物質は、前述の物質を用いてよい。処
理方法としても同様の方法が挙げられるが、例えば噴霧
機を用いる方法が好ましく用いられる。
【0090】第2の無機微粉体に良好に用いられるシリ
コーンオイル又はシリコーンワニスは、25℃における
粘度が50〜1000センチストークスのものが好まし
い。50センチストークス未満ではトナー粒子の付着力
を弱める効果が少なく、1000センチストークスを超
える場合はトナーの流動性が悪化する。
【0091】シランカップリング剤は、微粉体100重
量部に対して1〜40重量部、好ましくは5〜30重量
部処理することが良い。シリコーンオイルまたはシリコ
ーンワニス固形分の処理量は微粉体100重量部に対し
1〜23重量部、好ましくは5〜20重量部が良い。
【0092】シランカップリング剤が少なすぎると良好
な耐湿性に劣り、多すぎると画像濃度低下等の不具合が
生ずる。シリコーンオイルまたはシリコーンワニスの量
が少なすぎるとトナーの付着力を弱める効果が少なく、
多すぎるとトナーの流動性を向上することができないと
いう問題が生ずる。
【0093】上記第2の無機微粉体の特性値として
は、、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が8
0〜140m2/g範囲内のものが好ましい。また磁性
トナー100重量部に対して第2の無機微粉体を0.2
〜3.0重量部、好ましくは0.4〜2.0重量部使用
するのがよい。
【0094】本発明で用いる樹脂微粒子はスチレン系有
機微粒子であり、該スチレン系有機微粒子の40℃乾燥
後の体積固有抵抗値が107〜1014Ω・cmであり、
かつ平均粒径が0.03〜1.0μmであり、かつ表面
積形状球形度(ψ1)が0.9〜0.50であり、かつ
ガラス転移点(Tg)が80〜110℃であることが好
ましい。
【0095】体積固有抵抗値が107Ω・cm未満だと
トナーの帯電量が低下しやすく、1014Ω・cmを超え
るとトナーの流動性が低下しやすい。
【0096】平均粒径が0.03μm未満だとトナー粒
子と感光体や接触帯電部材との間でコロとして働く能力
が少なく、1.0μmを超えると流動性が低下しやす
い。
【0097】表面積形状球形度(ψ1)が0.50未満
であると表面に凹凸が多くなり、凸部が欠けて欠片を生
じ、トナーのチャージアップを起こしやすくなる。0.
90を超えると表面積が小さくなり、遊離状態の磁性酸
化鉄を樹脂微粒子内に取り込む能力が少なくなる。
【0098】ガラス転移点(Tg)が80℃未満である
と、機内昇温などの熱の影響を受けて融着しやすく、1
10℃を超えると樹脂微粒子の材質が硬くなり、感光体
に傷を付けやすくなる。
【0099】該樹脂微粒子はトナー100重量部に対
し、0.01〜1.0重量部使用するのが良い。
【0100】該樹脂微粒子は乳化重合法、スプレードラ
イ法などによって製造される。好ましくはスチレン、ア
クリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート
及び2−エチルヘキシルアクリレート等トナー用結着樹
脂に用いられる成分を、乳化重合法、ソープフリー重合
法などにより共重合して得られるガラス転移点80℃以
上の樹脂粒子が良好な効果を示す。またジビニルベンゼ
ン等で架橋されていてもよく、比電気抵抗及びトリボ電
荷量調整のために表面が金属、金属酸化物、顔料、染
料、界面活性剤等で処理されていることも本発明の好ま
しい形態である。
【0101】本発明における比電気抵抗値(体積固有抵
抗値)の測定の例を示す。図2に示した装置を用いて、
試料を錠剤に成型する。初めに、試料約0.3gを錠剤
成型室に入れる。次いで、押棒42を錠剤成型室に差し
込み、油圧ポンプ45により250kg/cm2で5分
間加圧し、直径約13mm,高さ約2〜3mmのペレッ
ト状の錠剤を成型する。
【0102】ここで得られた錠剤は必要に応じて表面及
び裏面に導電剤をコートし、例えば、HEWLETT
PAKARD社製16008A RESISTIVIT
YCELL;または同社製4329A HIGH RE
SISTANCE METERを用いて温度23.5
℃,湿度65%RHの環境下で電圧1000V印加時の
抵抗値を測定し、計算により比電気抵抗値ρを求める。
【0103】
【数1】 (式中、Sは試料の断面積、1は試料の高さ)
【0104】樹脂微粒子の表面積形状球形度(ψ)と
は、以下のように定義する。
【0105】
【数2】
【0106】BET比表面積の実測は、例えばQUAN
TACHROME社製比表面積計オートソーブ1を使
用した場合、測定方法の例としては次のようなものがあ
る。
【0107】樹脂微粒子約0.3gをセル中に秤取し、
温度40℃,真空度1.0×10-3mmHgで1時間以
上脱気処理を行なう。その後、液体窒素により冷却した
状態で窒素ガスを吸着し多点法により値を求める。
【0108】樹脂微粒子を真球と仮定した場合の表面積
は、例えば、樹脂微粒子の電子顕微鏡写真(×1000
0)から無作為に100コの樹脂微粒子像を選び、それ
らの長径を測定し、平均した直径の値をその樹脂微粒子
を真球と仮定した場合の直径とする。この直径をもとに
し、樹脂微粒子の半径γを求め、さらに樹脂微粒子の表
面積(4πγ2)を求める。さらに、樹脂微粒子の体積
【0109】
【数3】 を求め、樹脂微粒子の密度と、該体積から樹脂微粒子の
重量を求める。得られた該表面積と該重量から、樹脂微
粒子を真球と仮定した場合の表面積(m2/g)を求め
る。
【0110】本発明において樹脂微粒子のガラス転移点
Tgは示差熱分析測定装置(DSC測定装置),DSC
−7(パーキンエルマー社製)を用い測定した。
【0111】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リ
ファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲
30℃〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常
湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜180
℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られ
る。このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラ
インの中間点の線と示差熱曲線との交点とした。
【0112】本発明で使用するトナーは球形度(ψ2
0.8以上の磁性酸化鉄を含有する磁性トナーであるこ
とが好ましい。球形度(ψ2)が0.8未満であると磁
性酸化鉄の表面積が大きく、磁性酸化鉄粒子同士の接触
部が多いために、磁性酸化鉄の凝集性が高くなり、トナ
ー粒子中に均一に分散させることが困難となる。そのた
め画像濃度の低下やカブリの増加がおこる。
【0113】本発明における磁性酸化鉄の球形度の算出
は次のように行う。
【0114】
【数4】
【0115】電子顕微鏡(日立製作所H−700H)で
コロジオン膜銅メッシュに処理した磁性酸化鉄の試料を
用いて、加電圧100kVにて、10,000倍で撮影
し、焼きつけ倍率3倍として、最終倍率30,000倍
とする。
【0116】球形度ψ2は写真からランダムに100個
の磁性酸化鉄粒子検体を選び出し、最大長及び最小長を
測定し、次いで計算値を平均したものとする。
【0117】磁性体はトナー中に結着樹脂100重量部
に対して、好ましくは60重量部〜200重量部、さら
に好ましくは80重量部〜150重量部含有させること
が良い。
【0118】一方、本発明の画像形成方法は、トナー担
持体の基体表面が導電性被覆層で被覆されており、好ま
しくは該導電性被覆層が結着樹脂中に少なくとも個数平
均径が0.3〜30μmの球状粒子を含有し、さらに好
ましくは該球状粒子は真密度が3g/cm3以下の導電
性球状粒子であり、さらに好ましくは該導電性球状粒子
が炭素粒子であることが良い。
【0119】トナー担持体の基体表面が導電性被覆層で
被覆されていることで長期にわたり均一で安定したトナ
ーの帯電性が得られ、また温度,湿度の環境による影響
も少ない安定したトナーへの帯電付与が得られる。
【0120】球状粒子の個数平均径が0.3μm未満の
場合、表面に均一な粗さを付与する効果が少なく、被覆
層の摩耗によるトナーのチャージアップ、トナー融着等
が発生しやすくなる。一方、球状粒子の個数平均径が3
0μmを超えると、表面の粗さが大きくなりすぎトナー
の帯電が十分に行われなくなってしまうとともに、被覆
層の機械的強度が低下してしまうため好ましくない。
【0121】さらに本発明に使用される導電性球状粒子
は、真密度が3g/cm3以下のものを用いる。球状粒
子の真密度が3g/cm3を超えると導電性被覆層中で
球状粒子の分散性が不十分となるため、被覆層表面に均
一な粗さを付与しにくくなり、トナーの均一な帯電化及
び被覆層の強度が不十分となってしまい好ましくない。
また導電性とすることで、トナー融着を防止することが
できる。
【0122】さらに導電性球状粒子が炭素粒子である
と、長期にわたって被覆層の摩耗の少ない耐久性に優れ
たトナー担持体を得ることができる。
【0123】球状粒子における球状とは、本発明におい
て、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度のもの
をいい、更に好ましくは1.0〜1.2のものを使用す
る。特に、真球状の粒子を使用するのが好ましいのはい
うまでもない。
【0124】上記した様な導電性球状粒子の導電性とし
ては、体積抵抗値で106Ω・cm以下であることが好
ましい。球状粒子の体積抵抗が106Ω・cmを超える
と、摩耗によって導電性被覆層表面に露出した球状粒子
を核として、トナーの汚染や融着を発生し易くなる為、
好ましくない。
【0125】上記した様な本発明で使用される導電性球
状粒子を得る方法としては、以下に述べる様な方法が好
ましいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0126】本発明に使用される特に好ましい導電性球
状粒子を得る方法としては、例えば、フェノール樹脂、
ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニル
ベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体、ポリアクリロニトリル等の樹脂系球状粒子やメソカ
ーボンマイクロビーズを焼成して、炭素化及び/又は黒
鉛化して、低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方
法、より好ましくは、フェノール樹脂、ナフタレン樹
脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合
体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリ
ロニトリル等の球状粒子表面に、メカノケミカル法によ
ってバルクメソフェーズピッチを被覆し、この被覆され
た粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に焼成して、炭
素化及び/又は黒鉛化して導電性の球状炭素粒子を得る
方法が挙げられる。上記した方法で得られる導電性の球
状炭素粒子は、いずれの方法でも焼成条件等を変化させ
ることによって得られる球状炭素粒子の導電性をある程
度は制御することが可能であり、本発明において好まし
く使用される。また、これらの方法で得られる球状炭素
粒子は、場合によっては更に導電性を高める為に、真密
度が3g/cm3を超えない程度に、導電性の金属及び
/又は金属酸化物等のメッキを施していてもよい。
【0127】また、本発明で好ましく使用される導電性
球状粒子を得る他の方法としては、球状樹脂粒子からな
る芯粒子表面に、芯粒子の粒径よりも小さい導電性微粒
子を適当な配合比で機械的に混合し、ファンデルワール
ス力及び静電気力の作用により、樹脂粒子の周囲に均一
に、これらの導電性微粒子を付着させた後、例えば、機
械的衝撃力等により生ずる局部的温度上昇によって樹脂
粒子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜
し導電性処理された球状樹脂粒子を得る方法が挙げられ
る。この際、芯粒子の構成材料としては、真密度の小さ
い球形の有機化合物である樹脂を使用することが好まし
く、例えば、PMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグ
アナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイ
ロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子を用いることができ
る。また、この様な芯粒子(母粒子)の表面に成膜する
際に使用される導電性微粒子(小粒子)としては、導電
性微粒子被膜を均一に設ける為に、小粒子の粒径が母粒
子の粒径の1/8以下のものを使用するのが好ましい。
【0128】更に、本発明に好ましく使用される導電性
球状粒子を得る他の方法としては、球状樹脂粒子中に導
電性微粒子を均一に分散させ、導電性微粒子が分散され
た球状粒子を得る方法がある。球状樹脂粒子中に導電性
微粒子を均一に分散させる方法としては、例えば、結着
樹脂中に導電性微粒子を分散、混練した後、所定の粒径
に粉砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化した導
電性球状粒子や重合性単量体中に重合開始剤・導電性微
粒子及びその他の添加剤を加え、分散機等によって均一
に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する
水相中に撹拌機等によって所定の粒子径になる様に懸濁
し、重合を行い導電性微粒子が分散された球状粒子を得
る。これらの方法で得られた導電性微粒子が分散された
導電性球状粒子は、前記した芯粒子よりも小さい粒径の
導電性微粒子と適当な配合比で機械的に混合し、ファン
デルワールス力及び静電気力の作用により球状樹脂粒子
の周囲に均一に導電性微粒子を付着させた後、例えば、
機械的衝撃力等により生ずる局部的温度上昇により、導
電性微粒子が分散された樹脂粒子の表面を軟化させ、導
電性微粒子を成膜し、更に導電性を高めて使用してもよ
い。
【0129】本発明で使用されるトナー担持体を構成す
る導電性被覆層には、上記した様な導電性球状粒子に併
用させて潤滑性物質を被覆樹脂層中に分散させると、よ
り本発明の効果が促進される為、好ましい。この際に使
用する潤滑性物質としては、例えば、グラファイト、二
硫化モリブデン、窒化ほう素、雲母、フッ化グラファイ
ト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイ
ト、滑石及びステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙
げられ、中でもグラファイトは、併用した場合に被覆層
の導電性が損なわれないので特に好ましく用いられる。
また、これらの潤滑性物質としては、個数平均粒径が
0.2〜20μm程度のものを使用するのが好ましい。
【0130】本発明で使用されるトナー担持体を構成す
る導電性被覆層は、上記した様な導電性球状粒子や潤滑
性物質を結着樹脂中に分散させることによって構成され
るが、この際に使用される結着樹脂材料としては、一般
に公知の樹脂を使用することが可能である。例えば、ス
チレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド
樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、ア
クリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂
及びポリイミド樹脂等の熱或いは光硬化性樹脂等を使用
することができる。中でも、シリコーン樹脂及びフッ素
樹脂の様な離型性のあるもの、或いはポリエーテルスル
ホンポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、
スチレン系樹脂及びアクリル系樹脂の様な機械的性質に
優れたものがより好ましい。
【0131】本発明で使用されるトナー担持体の導電性
被覆層の体積抵抗は、103Ω・cm以下であることが
好ましい。被覆層の体積抵抗が103Ω・cmを超える
と、トナーのチャージアップを発生し易くなり、ゴース
トの発生や濃度低下を引き起こしてしまう。
【0132】本発明で使用されるトナー担持体では該被
覆層の体積抵抗を調整する為、結着樹脂中に他の導電性
微粒子を分散含有させてもよい。この様な導電性微粒子
としては、個数平均粒径が1μm以下であることが好ま
しい。
【0133】本発明で使用される導電性微粒子の構成と
しては、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマ
ルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック
等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化すず、酸化亜
鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及
び酸化インジウム等の金属酸化物等;アルミニウム、
銅、銀及びニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維
及び炭素繊維等の無機系充填剤等が挙げられる。
【0134】次に本発明で使用されるトナー担持体の構
成について説明を加える。本発明で使用されるトナー担
持体は、基体である金属円筒管と、それを取り巻いて被
覆する導電性被覆層とからなる。金属円筒管は主とし
て、ステンレススチール及びアルミニウム等が好適に用
いられる。
【0135】導電性被覆層を構成する各成分の構成比に
ついて以下に説明するが、以下は特に好ましい範囲であ
る。
【0136】導電性被覆層中に分散されている導電性球
状粒子の添加量としては、結着樹脂100重量部に対し
て2〜120重量部の範囲で特に好ましい結果を与え
る。2重量部未満では導電性球状粒子の添加効果が小さ
く、120重量部を超えるとトナーの帯電性が低くなり
過ぎてしまう場合がある。
【0137】また、導電性被覆層中に潤滑性物質を併用
させる場合の添加量としては、結着樹脂100重量部に
対して5〜120重量部の範囲で特に好ましい結果を与
える。120重量部を超える場合は被膜強度の低下及び
トナーの帯電量の低下が認められ、5重量部未満では7
μm以下の小粒径トナーを用いて長時間使用した場合
等、被覆層表面にトナーの融着が発生し易くなる場合が
ある。
【0138】また、前記した導電性球状粒子として、芯
粒子(母粒子)の表面に導電性微粒子(小粒子)を成膜
したものを使用したり、導電性微粒子が分散された導電
性球状粒子を使用する場合の導電性被覆層中の1μm以
下の導電性微粒子の添加量としては、結着樹脂100重
量部に対し、40重量部以下の範囲で使用すると特に好
ましい結果が与えられる。即ち、40重量部を超えると
被膜強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認められ、
好ましくない。
【0139】また、上記した様な構成の導電性被覆層の
膜厚は通常20μm以下にすると、均一な膜厚を得る為
に好ましいが、特にこの膜厚に限定されるものではな
い。
【0140】本発明では、トナー担持体上に形成される
トナー層の単位面積当たりのコート量が w/ρ=0.2〜1.0 w;トナー担持体表面1cm2あたりのトナーコート重
量(mg) ρ;トナー真密度(g/cm3) を満たすように設定され、該トナー担持体表面の平均粗
度Raが1.8以下であることがより好ましい。トナー
担持体へのトナー供給量をw/ρ=0.2〜1.0とト
ナーのコート層を薄くすることで帯電の立ち上がりが早
く、帯電量の分布の狭いものとなり、潜像にたいして忠
実なシャープな画像を得ることができる。
【0141】w/ρが0.2未満の場合は、ベタ黒のよ
うな印字密度の高い現像に多くのトナーを必要とする部
分がある場合、トナー供給量が不足し画像濃度が薄くな
る。
【0142】w/ρが1.0を超える場合はトナー帯電
量の分布が広くなり、カブリが増加したり、シャープな
画像が得られにくくなる。
【0143】なお、トナー真密度は島津製作所製の乾式
自動密度計”アキュピック1330”により測定したデ
ータを用いた。
【0144】また、本発明のトナーコート量w/ρ=
0.2〜1.0を達成するためには、トナー担持体表面
の平均粗度Raを1.8以下とすることが好ましく、R
aが1.8を超えるとコート量をこの範囲内に制御する
ことが困難になる。
【0145】以下に本発明に関わる物性の測定方法につ
いて述べる。
【0146】(1)中心線平均粗さ(Ra)の測定 JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製
サーフコーダーSE−3300にて、軸方向3点×周方
向2点=6点について夫々測定し、その平均値をとっ
た。
【0147】(2)粒子の体積抵抗の測定 粒状試料を40φのアルミリングに入れ、2500Nで
加圧成形し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタI
P(ともに三菱油化製)にて4端子プローブを用いて体
積抵抗値を測定する。なお、測定環境は、20〜25
℃,50〜60RH%とする。
【0148】(3)被覆層の体積抵抗の測定 100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚
さの導電性被覆層を形成し、ASTM規格(D−991
−82)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(230
1−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチッ
クの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降
下式デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して
測定した。なお、測定環境は20〜25℃,50〜60
RH%とする。
【0149】(4)球状粒子の真密度の測定 本発明で使用する導電性球状粒子の真密度は、乾式密度
計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定
した。
【0150】(5)球状粒子の粒径測定 レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−130型
粒度分布計(コールター社製)を用いて測定し、個数分
布から算出した個数平均粒径を求めた。
【0151】(6)導電性微粒子の粒径測定 電子顕微鏡を用いて、導電性微粒子の粒径を測定する。
撮影倍率は6万倍とするが、難しい場合は低倍率で撮影
した後に6万倍となる様に拡大する。写真上で一次粒子
の粒径を測る。この際、長軸と短軸を測り、平均した値
を粒径とする。これを100サンプルについて測定し、
50%値をもって平均粒径とする。
【0152】本発明のトナー粒子に好ましく使用される
結着樹脂の種類としては、ポリスチレン、ポリ−P−ク
ロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及び
その置換体の単重合体;スチレン−P−クロロスチレン
共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレ
ン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエ
チルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イ
ンデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビ
ニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然
樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使
用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい
結着樹脂である。
【0153】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリルアミ
ド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくは
その置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、
マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重
結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩
化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニ
ルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニル
メチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニル
ケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニ
ルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合
わせて用いられる。
【0154】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用で
きる。
【0155】本発明に係る樹脂組成物の高分子量成分の
重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられ
る。
【0156】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)
と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結
果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更
に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生
成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、
着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易で
あること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造
方法として有利な点がある。
【0157】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都
合である。
【0158】懸濁重合においては、水系溶媒100重量
部に対して、モノマー100重量部以下(好ましくは1
0〜90重量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系溶
媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水系
溶媒100重量部に対して0.05〜1重量部で用いら
れる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用す
る開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべき
である。
【0159】一方、本発明にかかる結着樹脂の低分子量
成分の合成法としては、公知の方法を用いることができ
る。しかし、塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度をはやめることで低分子量の重合体を得ることも
できるが反応をコントロールしにくい問題点がある。そ
の点、溶融重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の
差を利用して、また開始剤量や反応温度を調節すること
で低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることがで
き、本発明で用いる樹脂組成物のなかで低分子量体を得
るときには好ましい。なかでも、酸成分や分子量を高度
に調節するために、例えば、分子量と組成の異なる重合
体を混合して低分子量重合体を得る方法や、組成の異な
るモノマー類を後添加する方法などを用いることができ
る。
【0160】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマ
ー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ま
しい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0161】本発明では必要に応じてトナー中にワック
スを含有していることが好ましい。用いられるワックス
としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイク
ロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャー
トロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワ
ックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導
体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとの
ブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
【0162】本発明で好ましく用いられるワックスは、
下記一般式で表わされる。
【0163】R−Y
【0164】(Rは炭化水素基を示し、Yは水素、水酸
基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、エステル
基、スルホニル基を示す。
【0165】R−YのGPCによる重量平均分子量(M
w)が3000以下である。)
【0166】具体的な化合物例としては、 (A)CH3(CH2nCH2OH(n=約20〜約30
0) (B)CH3(CH2nCH2COOH(n=約20〜約
300) (C)CH3(CH2nCH2OCH2(CH2mCH
3(n=約20〜約200,m=0〜約100) 等を挙げることができる。これらの化合物は、(A)化
合物の誘導体であり、主鎖は直鎖状の飽和炭化水素であ
る。化合物(A)から誘導される化合物であれば上記例
に示した以外のものでも使用できる。上記ワックスを用
いることにより、本発明のトナーは低温での定着性及び
高温での耐オフセット性を高度に満足することが可能と
なる。
【0167】上記化合物のなかでも特に(A)式 (A) CH3(CH2nCH2OH (n=約20〜約300) で表わされる高分子アルコールを主成分として用いた場
合が好ましい。上記ワックスはすべり性がよく、特に耐
オフセットに優れている。
【0168】本発明において、ワックスの分子量分布
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)によって次の条件で測定される。
【0169】<ワックスのGPC測定条件> 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:GMH−HT(東ソー社製)の2連 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.15重量%の試料を0.4ml注入
【0170】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量校正曲線を使用する。更に、Mark−Houw
ink粘度式から導き出される換算式で換算することに
よって算出される。
【0171】これらのワックスは結着樹脂100重量部
に対し、0.5重量部以上20重量部以下で用いられる
ことが好ましい。
【0172】本発明においては、トナーに負荷電制御剤
を添加して負荷電性磁性トナーとすることがより好まし
い。
【0173】負荷電制御剤の具体例としては、特公昭4
1−20153号、同42−27596号、同44−6
397号、同45−26478号など記載されているモ
ノアゾ染料の金属錯体、さらには特開昭50−1333
38号に記載されているニトロアミン酸及びその塩或い
はC.I.14645などの染顔料、特公昭55−42
752号、特公昭58−41508号、特公昭58−7
384号、特公昭59−7385号などに記載されてい
るサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn,A
l,Co,Cr,Fe等の金属錯体、スルホン化した銅
フタロシアニン顔料、ニトロ基、ハロゲンを導入したス
チレンオリゴマー、塩素化パラフィン等を挙げることが
できる。特に分散性に優れ、画像濃度の安定性やカブリ
の低減に効果のある、一般式(1)で表わされるアゾ系
金属錯体や一般式(2)で表わされる塩基性有機酸金属
錯体が好ましい。
【0174】
【化8】
【0175】
【化9】
【0176】そのうちでも、式(1)で表わされるアゾ
系金属錯体がより好ましく、とりわけ、下記式(3)で
表されるアゾ系鉄錯体が最も好ましい。
【0177】
【化10】
【0178】次に、該錯体の具体例を示す。
【0179】
【化11】
【0180】
【化12】
【0181】上記荷電制御剤の含有量はトナー結着樹脂
100重量部に対し0.1〜5重量部が好ましく、特に
0.2〜3重量部が好ましい。荷電制御剤の割合が過大
の場合にはトナーの流動性が悪化し、カブリが生じやす
く、一方、過小のときには十分な帯電量が得られにく
い。
【0182】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例に基づいて具体的に本発明について
説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の
態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数
は重量部である。
【0183】(無機微粉体製造例1)湿式法で合成され
たシリカ微粉体(比表面積110m2/g)40部をジ
メチルシリコーンオイル(12500cSt)60部で
処理を行い無機微粉体A−1を得た。
【0184】(無機微粉体製造例2〜3)無機微粉体製
造例1と同様にして無機微粉体A−2,A−3を得た。
その処方、物性を表1に示す。
【0185】(樹脂微粒子例)本発明において使用した
樹脂微粒子(B−1〜B−3)の物性を表2に示す。
【0186】(第2の無機微粉体製造例1)乾式法で合
成されたシリカ微粉末(比表面積200m2/g)10
0部をあらかじめヘキサメチルジシラザン10部によっ
て処理し、次いでジメチルシリコーンオイル(100c
St)10部をヘキサンで希釈したもので処理を行い、
その後常温から約250℃まで昇温させ、加熱処理を行
い第2の無機微粉体C−1を得た。
【0187】(第2の無機微粉体製造例2)ジメチルシ
リコーンオイルで処理しないこと以外は第2の無機微粉
体製造例1と同様にして第2の無機微粉体C−2を得
た。その処方、物性を表3に示す。
【0188】 <トナー粒子製造例> ・スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル共重合体(共重合比 率75/20/5) 100部 ・磁性酸化鉄粒子(ψ2=0.91) 100部 ・アゾ系鉄錯体の具体例に示したアゾ系鉄錯体化合物(1) 2部 ・脂肪族アルコール系ワックス(Mw=700) 4部 上記材料を予備混合した後、130℃に設定した二軸混
練押し出し機によって溶融混練を行った。混練物を冷却
後粗粉砕し、ジェット気流を用いて粉砕機によって微粉
砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、重量平均粒径
5.88μm、2.52μm以下の個数%が3.5%、
3.17μm以下の個数%が15.2%のトナー粒子を
得た。
【0189】<トナー粒子製造例2>磁性酸化鉄粒子
(ψ2=0.91)の代わりにψ2=0.65の磁性酸化
鉄粒子を用いること以外はトナー粒子製造例1と同様に
して重量平均粒径5.90μm、2.52μm以下の個
数%が3.1%、3.17μm以下の個数%が15.0
%のトナー粒子を得た。
【0190】<トナー粒子製造例3>重量平均粒径6.
41μm、2.52μm以下の個数%が2.1%、3.
17μm以下の個数%が6.7%である以外はトナー粒
子製造例1と同様にしてトナー粒子を得た。
【0191】<トナー粒子製造例4>重量平均粒径5.
96μm、2.52μm以下の個数%が12.1%、
3.17μm以下の個数%が18.7%である以外はト
ナー粒子製造例1と同様にしてトナー粒子を得た。
【0192】実施例1 トナー粒子製造例1のトナー粒子100部と、無機微粉
体A−1 0.1部、樹脂微粒子B−1 0.08部、
第2の無機微粉体C−1 0.1部をヘンシェルミキサ
ーで混合し、タップ時の空隙率が0.58の現像剤を得
た。
【0193】実施例2〜9 表4に示すように無機微粉体、樹脂微粒子、第2の無機
微粉体を実施例1と同様にして混合して現像剤を得た。
【0194】比較例1 使用した磁性酸化鉄の球形度ψ2が0.52であり、重
量平均粒径12.5μm、2.52μm以下の個数%が
0.1%、3.17μm以下の個数%が0.5%のトナ
ー粒子を得た。このトナー粒子100部と、無機微粉体
A−1 0.1部、第2の無機微粉体C−1 1.2部
をヘンシェルミキサーで混合し、タップ時の空隙率が
0.31の現像剤を得た。
【0195】比較例2 使用した磁性酸化鉄の球形度ψ2が0.38であり、重
量平均粒径8.46μm、2.52μm以下の個数%が
18.7%、3.17μm以下の個数%が42.3%の
トナー粒子を得た。このトナー粒子100部と、無機微
粉体A−1 0.1部、第2の無機微粉体C−1 1.
5部、樹脂微粒子B−1 0.08部をヘンシェルミキ
サーで混合し、タップ時の空隙率が0.85の現像剤を
得た。
【0196】次に、本発明で使用されるトナー担持体の
製造方法について具体的に説明する、トナー担持体製造
例に用いた球状粒子の物性と、トナー担持体の物性を表
5に示した。
【0197】 [トナー担持体製造例1] ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200部 ・個数平均粒径1.5μmのグラファイト 30部 ・導電性カーボンブラック 5部 ・イソプロピルアルコール 130部 上記材料に直径1mmのジルコニアビーズをメディア粒
子として加え、サンドミルにて2時間分散し、フルイを
用いてビーズを分離し、原液(1)を得た。
【0198】次に、(1)の原液380部に、導電性球
状粒子としてE−1を15部添加し、固形分濃度が32
%になるようにイソプロピルアルコールを添加した後、
直径3mmのガラスビーズを用いて1時間分散し、フル
イを用いてビーズを分離し、塗工液を得た。
【0199】この塗工液を用いてスプレー法により外径
16mmφのアルミニウム製円筒管上に被覆層を形成さ
せ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間加熱し
て硬化させたトナー担持体D−1を作製した。
【0200】 [トナー担持体製造例2] ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200部 ・個数平均粒径6.1μmのグラファイト 45部 ・導電性カーボンブラック 5部 ・イソプロピルアルコール 130部 上記材料に直径1mmのジルコニアビーズをメディア粒
子として加え、サンドミルにて2時間分散し、フルイを
用いてビーズを分離し、原液(2)を得た。
【0201】導電性球状粒子として、ハイブリダイザー
(奈良機械製)を用いて11.5μmの球状のPMMA
粒子100部に、導電性カーボンブラック5部を被覆し
て得られた、球状の導電性処理された樹脂粒子E−2を
用いた。
【0202】次に、製造した(2)の原液380部に、
導電性球状粒子としてE−2を10部添加する以外は製
造例1と同様にして、トナー担持体D−2を作製した。
【0203】[トナー担持体製造例3]製造例2で製造
した(2)の原液380部に、導電性球状粒子E−2の
代わりに、個数平均粒径が11.5μmの、導電性を有
しない球状PMMA粒子E−3を10部添加する以外は
製造例2と同様にして、トナー担持体D−3を作製し
た。
【0204】〔評価〕次にこれらの調製された現像剤や
トナー担持体を以下に示すような方法によって評価し
た。
【0205】図1に示すような、帯電手段として帯電ロ
ーラー(図中、11)を用いた市販のレーザービームプ
リンターLBP−450(キヤノン製)を16枚(A
4)/1分のプリント速度に改造し、トナー担持体製造
例1に示したトナー担持体D−1を組み込んで、低温低
湿(10℃,15%RH)、高温高湿(32.5℃,9
0%RH)それぞれの環境下で1万枚(10K)のプリ
ントアウト試験を行った。トナー切れに際しては、カー
トリッジ上部のトナー容器部分に切り込みを設け、そこ
からトナーを補給することによってプリントアウト試験
を続けた。得られた画像を下記の項目について評価し
た。
【0206】(1)感光体へのトナー融着 ◎:非常に良好(未発生) ○:良好(わずかに傷の発生があるが画像への影響はな
い) △:普通(トナーの融着があるが画像への影響は少な
い) ×:悪い(トナーの融着が多く、画像への影響も多い)
【0207】(2)接触帯電部材の汚染による帯電不良 ◎:非常に良好(帯電部材の直接目視で汚染が確認され
ない) ○:良好(帯電部材の直接目視では汚染が確認される
が、画像上には現れない) △:普通(帯電部材の汚染が画像上に現れるが、軽微で
ある) ×:悪い(帯電部材の汚染が画像上に現れ、画像への影
響が大きい)
【0208】(3)1ドット再現性 独立した1ドットのパターンをプリントアウトし、1ド
ットの再現性を顕微鏡観察によって評価した。
【0209】 ○:良好(ドットを忠実に再現している) △:普通(やや像に乱れがある) ×:悪い(像に乱れが多く再現性が悪い)
【0210】(4)画像濃度 1万枚(10K)プリントアウト後、通常の複写機用普
通紙(75g/m2)にプリントアウト時の画像濃度維
持により評価した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃
度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00
の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測
定した。
【0211】(5)カブリ リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定し
た転写紙の白色度と、低温低湿環境での1万枚(10
K)プリントアウト後のベタ白をプリント後の転写紙の
白色度との比較からカブリを算出した。
【0212】以上(1)〜(5)の評価結果を表6に示
した。
【0213】
【表1】
【0214】
【表2】
【0215】
【表3】
【0216】
【表4】
【0217】
【表5】
【0218】
【表6】
【0219】実施例10〜12 市販のレーザービームプリンターLBP−450(キヤ
ノン製)を16枚(A4)/1分のプリント速度に改造
し、トナー担持体製造例に示したトナー担持体D−1〜
D−3を組み込んで、低温低湿(10℃,15%R
H)、高温高湿(32.5℃,90%RH)それぞれの
環境下で5万枚(50K)のプリントアウト試験を行っ
た。トナー切れに際しては、カートリッジ上部のトナー
容器部分に切り込みを設け、そこからトナーを補給する
ことによってプリントアウト試験を続け、下記の項目に
ついて評価した。
【0220】(1)画像濃度立ち上がり 各環境のプリントアウト試験において、初期と100枚
時にベタ黒画像をプリントしてその画像濃度の差を以下
の基準で評価した。
【0221】 ○:良好(濃度差が0.05以下) △:普通(濃度差が0.1以下) ×:悪い(濃度差が△のレベルに満たない)
【0222】(2)画像濃度 各環境での1万枚(10K)及び5万枚(50K)プリ
ントアウト後、通常の複写機用普通紙(75g/m2
にプリントアウト時の画像濃度維持により評価した。な
お、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社
製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリン
トアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0223】(3)カブリ リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定し
た転写紙の白色度と、低温低湿環境での1万枚(10
K)及び5万枚(50K)プリントアウト後のベタ白を
プリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算出
した。
【0224】(4)トナー担持体へのトナー融着 5万枚(50K)プリントアウト試験終了後、トナー担
持体表面をSEMで観察し、トナー融着の程度を下記の
基準で評価した。
【0225】 ◎:非常に良好(汚染が確認されない) ○:良好(やや汚染が確認される) △:普通(部分的に汚染が確認される) ×:悪い(著しい汚染が確認される)
【0226】(5)1ドット再現性 独立した1ドットのパターンをプリントアウトし、1ド
ットの再現性を顕微鏡観察によって評価した。
【0227】 ○:良好(ドットを忠実に再現している) △:普通(やや像に乱れがある) ×:悪い(像に乱れが多く再現性が悪い)
【0228】以上(1)〜(5)の評価結果を表7に示
した。
【0229】
【表7】
【0230】
【発明の効果】本発明によれば、特定の粒度分布を持っ
たトナー粒子に、少なくとも樹脂微粒子とシリコーンオ
イル又はシリコーンワニスの含有量が20〜90重量%
の無機微粉体を含有させることで、感光体へのトナー融
着や接触帯電部材の汚染を起こさない、解像度に優れ画
像濃度の高い静電荷像現像用トナー及び画像形成方法を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた画像形成装置の概略的
説明図である。
【図2】粉体を錠剤化するための成型装置の概略的説明
図である。
【符号の説明】 1 現像装置 2 現像剤容器 3 感光体(静電荷潜像保持体) 4 転写手段 5 レーザー光又はアナログ光 6 トナー担持体 7 クリーニングブレード 8 規制ブレード 11 帯電手段 12 バイアス印加手段 13 現像剤 14 クリーニング手段 15 磁界発生手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 372 374 (72)発明者 大久保 信之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともトナー粒子、樹脂微粒子及び
    シリコーンオイルまたはシリコーンワニスの含有量が2
    0〜90重量%の無機微粉体とを含有する静電荷像現像
    用トナーであって、 該トナーの粒度分布が、重量平均粒径(D4)をX(μ
    m)、個数分布から求めた個数基準の粒径3.17μm
    以下のトナー粒子の個数%をY(個数%)とした時、X
    及びYが下記条件 −5X+35≦Y≦−25X+180 3.5≦X≦6.5 を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 タップ密度から求めたトナーの空隙率が
    0.45〜0.70であることを特徴とする請求項1に
    記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該トナーは下記条件 −5X+35≦Y≦−12.5X+98.75 を満たす粒度分布を有することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該トナーは下記条件 4.0≦X≦6.3 を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該トナーは、トナーの重量平均粒径(D
    4)をX(μm)とし、トナーの個数分布における粒径
    2.52μm以下のトナー粒子の割合をZ(個数%)と
    したとき、下記条件 −7.5X+45≦Z≦−12.0X+82 を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該無機微粉体は、BET比表面積0.0
    1〜50m2/gであり、シリコーンオイルまたはシリ
    コーンワニスの含有量が30〜85重量%であることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像
    現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該トナー中に、シランカップリング剤及
    びシリコーンオイルまたはシリコーンワニスにより処理
    され、且つ、BET比表面積が80〜140m2/gで
    ある第2の無機微粉体を含有することを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該樹脂微粒子はスチレン系有機微粒子で
    あり、該スチレン系有機微粒子の40℃乾燥後の体積固
    有抵抗値が107〜1014Ω・cm、平均粒径が0.0
    3〜1.0μm、表面積形状球形度(ψ1)が0.9〜
    0.50であり、かつガラス転移点(Tg)が80〜1
    10℃であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該トナーは球形度(ψ2)0.8以上の
    磁性酸化鉄を含有する磁性トナーであることを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  10. 【請求項10】 静電荷潜像保持体と対向したトナー担
    持体上にトナー層を形成して静電荷潜像保持体上の静電
    荷潜像を現像する工程を有する画像形成方法において、 該トナー担持体が少なくとも基体及び導電性被覆層を有
    し、該基体表面が該導電性被覆層で被覆されており、 該トナーが、少なくともトナー粒子、樹脂微粒子及びシ
    リコーンオイルまたはシリコーンワニスの含有量が20
    〜90重量%の無機微粉体とを含有しており、 該トナーの粒度分布が、重量平均粒径(D4)をX(μ
    m)、個数分布から求めた個数基準の粒径3.17μm
    以下のトナー粒子の個数%をY(個数%)とした時、X
    及びYが下記条件 −5X+35≦Y≦−25X+180 3.5≦X≦6.5 を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  11. 【請求項11】 タップ密度から求めたトナーの空隙率
    が0.45〜0.70であることを特徴とする請求項1
    0に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 該トナーは下記条件 −5X+35≦Y≦−12.5X+98.75 を満たす粒度分布を有することを特徴とする請求項10
    又は11に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該トナーは下記条件 4.0≦X≦6.3 を満たすことを特徴とする請求項10乃至12のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該トナーは、トナーの重量平均粒径
    (D4)をX(μm)とし、トナーの個数分布における
    粒径2.52μm以下のトナー粒子の割合をZ(個数
    %)としたとき、下記条件 −7.5X+45≦Z≦−12.0X+82 を満たすことを特徴とする請求項10乃至13のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該無機微粉体は、BET比表面積0.
    01〜50m2/gであり、シリコーンオイルまたはシ
    リコーンワニスの含有量が30〜85重量%であること
    を特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  16. 【請求項16】 該樹脂微粒子はスチレン系有機微粒子
    であり、該スチレン系有機微粒子の40℃乾燥後の体積
    固有抵抗値が107〜1014Ω・cm、平均粒径が0.
    03〜1.0μm、表面積形状球形度(ψ1)が0.9
    〜0.50であり、かつガラス転移点(Tg)が80〜
    110℃であることを特徴とする請求項10乃至15の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 該トナーは球形度(ψ2)0.8以上
    の磁性酸化鉄を含有する磁性トナーであることを特徴と
    する請求項10乃至16のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  18. 【請求項18】 該導電性被覆層が、結着樹脂中に少な
    くとも個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子を分
    散含有してなる被膜からなることを特徴とする請求項1
    0乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 該球状粒子が真密度3g/cm3以下
    の導電性球状粒子であることを特徴とする請求項18に
    記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 該球状粒子が炭素粒子であることを特
    徴とする請求項19に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 該トナー担持体上に形成されるトナー
    層の単位面積当たりのコート量が w/ρ=0.2〜1.0 w:トナー担持体表面1cm2当たりのトナーコート量
    (mg) ρ:トナー真密度(g/cm3) を満たすように設定され、該トナー担持体表面の平均粗
    度Raが1.8以下であることを特徴とする請求項10
    乃至20のいずれかに記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 外部より電圧を印加した帯電部材を静
    電荷潜像保持体に接触させて帯電を行う帯電工程を有
    し、かつ静電荷潜像保持体と対向したトナー担持体上に
    トナー層を形成して静電荷潜像保持体上の静電荷潜像を
    現像する工程を有する画像形成方法において、 該トナー担持体が少なくとも基体及び導電性被覆層を有
    し、該基体表面が該導電性被覆層で被覆されており、 該トナーが、少なくともトナー粒子、樹脂微粒子及びシ
    リコーンオイルまたはシリコーンワニスの含有量が20
    〜90重量%の無機微粉体とを含有しており、 該トナーの粒度分布が、重量平均粒径(D4)をX(μ
    m)、個数分布から求めた個数基準の粒径3.17μm
    以下のトナー粒子の個数%をY(個数%)とした時、X
    及びYが下記条件 −5X+35≦Y≦−25X+180 3.5≦X≦6.5 を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  23. 【請求項23】 タップ密度から求めたトナーの空隙率
    が0.45〜0.70であることを特徴とする請求項2
    2に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 該トナーは下記条件 −5X+35≦Y≦−12.5X+98.75 を満たす粒度分布を有することを特徴とする請求項22
    又は23に記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 該トナーは下記条件 4.0≦X≦6.3 を満たすことを特徴とする請求項22乃至24のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 該トナーは、トナーの重量平均粒径
    (D4)をX(μm)とし、トナーの個数分布における
    粒径2.52μm以下のトナー粒子の割合をZ(個数
    %)としたとき、下記条件 −7.5X+45≦Z≦−12.0X+82 を満たすことを特徴とする請求項22乃至25のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 該無機微粉体は、BET比表面積0.
    01〜50m2/gであり、シリコーンオイルまたはシ
    リコーンワニスの含有量が30〜85重量%であること
    を特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  28. 【請求項28】 該樹脂微粒子はスチレン系有機微粒子
    であり、該スチレン系有機微粒子の40℃乾燥後の体積
    固有抵抗値が107〜1014Ω・cm、平均粒径が0.
    03〜1.0μm、表面積形状球形度(ψ1)が0.9
    〜0.50であり、かつガラス転移点(Tg)が80〜
    110℃であることを特徴とする請求項22乃至27の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 該トナーは球形度(ψ2)0.8以上
    の磁性酸化鉄を含有する磁性トナーであることを特徴と
    する請求項22乃至28のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  30. 【請求項30】 該導電性被覆層が、結着樹脂中に少な
    くとも個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子を分
    散含有してなる被膜からなることを特徴とする請求項2
    2乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 該球状粒子が真密度3g/cm3以下
    の導電性球状粒子であることを特徴とする請求項30に
    記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 該球状粒子が炭素粒子であることを特
    徴とする請求項31に記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 該トナー担持体上に形成されるトナー
    層の単位面積当たりのコート量が w/ρ=0.2〜1.0 w:トナー担持体表面1cm2当たりのトナーコート量
    (mg) ρ:トナー真密度(g/cm3) を満たすように設定され、該トナー担持体表面の平均粗
    度Raが1.8以下であることを特徴とする請求項22
    乃至32のいずれかに記載の画像形成方法。
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