JPH1047969A - 角速度検出装置 - Google Patents

角速度検出装置

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JPH1047969A
JPH1047969A JP8208627A JP20862796A JPH1047969A JP H1047969 A JPH1047969 A JP H1047969A JP 8208627 A JP8208627 A JP 8208627A JP 20862796 A JP20862796 A JP 20862796A JP H1047969 A JPH1047969 A JP H1047969A
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JP
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piezoelectric crystal
electrodes
electrode
voltage
angular velocity
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JP8208627A
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English (en)
Inventor
Seiya Sato
誠也 佐藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成の角速度検出装置を提供する。 【解決手段】 本装置は、圧電性結晶部4pと、圧電性
結晶部4pの所定部位40u(40s)との間の電位差
によって圧電性結晶部4pがX軸方向に沿って屈曲する
ように圧電性結晶部4pに設けられた第1電極4bと、
その間の電位差によって圧電性結晶部4pが所定方向と
異なる方向に沿って屈曲するように、圧電性結晶部4p
の所定部位40u(40s)上に設けられた第2及び第
3電極4d(4c),4a(4f)と、第1電極4bと
第2電極4d(4c)との間に第1交流電圧を印加する
とともに、第1交流電圧と異なる第2交流電圧を第1交
流電圧から生成し第3電極4a(4f)に印加する励振
手段10,12と、圧電性結晶部4pのZ軸方向の振動
を検知する検出手段6,7,13とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリの力を検
出することにより運動中の被検出体の角速度を検出する
角速度検出装置に関するものである。本発明の角速度検
出装置は、車両、航空機若しくは船舶等の移動体のナビ
ゲーションシステム若しくは姿勢制御又は撮像機器の手
ブレ補正等に適用され得る。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子を有する角速度検出装置は、
移動体や電子情報機器等の被検出体に取付けられ、当該
被検出体の角速度を圧電振動子の振動を検知することに
より求める装置として知られている。圧電振動子に電圧
を印加すると、圧電振動子は逆圧電効果に基づいて変形
し、印加電圧が所定の発振条件を満たす場合には、圧電
振動子は振動する。圧電振動子を被検出体に固定し、こ
の圧電振動子を振動させながら移動体を回転させると、
圧電振動子の振動速度及び移動体の回転角速度に基づく
コリオリの力が圧電振動子に働く。圧電振動子はコリオ
リの力によって歪むので、この歪量を圧電振動子の圧電
効果に基づいて検出すれば、コリオリの力を検知するこ
とができる。圧電振動子の振動が一定の場合、コリオリ
の力は移動体の回転角速度に比例する。したがって、移
動体の回転角速度は検知されたコリオリの力から検出す
ることができる。
【0003】このような角速度検出装置は、特開平7−
128069号公報に記載されている。同公報には、一
対の振動部を備えた圧電振動子が開示されている。同公
報に記載される角速度検出装置は、これらの振動部を所
定方向に沿って振動させる励振回路を有するとともに、
コリオリの力に起因しない振動部の振動を相殺する手段
を励振回路とは別に有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、励振回路とは別の相殺手段を必要
し、装置が複雑化するという課題があった。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、簡易な構成の角速度検出装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検出体の運
動の角速度を検出する角速度検出装置を対象とする。こ
の装置は、圧電性結晶からなる圧電性結晶部と、圧電性
結晶部の所定部位との間の電位差によって圧電性結晶部
が所定方向に沿って屈曲するように圧電性結晶部に設け
られた第1電極と、その間の電位差によって圧電性結晶
部が所定方向と異なる第2の所定方向に沿って屈曲する
ように、圧電性結晶部の所定部位上に設けられた第2及
び第3電極と、第1電極と第2電極との間に第1交流電
圧を印加するとともに、第1交流電圧と異なる第2交流
電圧を第2電極と第3電極との間に印加する励振手段
と、圧電性結晶部の第2の所定方向の振動を検知する検
出手段とを備える。
【0007】励振手段は、第1電極と第2電極との間に
第1交流電圧を印加するとともに、第1交流電圧と異な
る第2交流電圧を第2電極と第3電極との間に印加す
る。第2及び第3電極は圧電性結晶部の所定部位上に設
けられているので、この所定部位には、第2及び第3電
極に与えられた電位の平均の電位が与えられ、この平均
の電位は第1電極に与えられる電位と異なる。したがっ
て、第1電極と所定部位との間には、第1及び第2交流
電圧に基づく電位差が発生し、第1電極と所定部位との
間に交流電圧が印加される。第1電極は、所定部位との
間の電位差によって圧電性結晶部が所定方向に屈曲する
ように圧電性結晶部に設けられているので、第1電極と
所定部位との間に交流電圧が印加されると、圧電性結晶
部は逆圧電効果に基づいて所定方向に沿って振動する。
【0008】圧電性結晶部には、圧電性結晶部の振動速
度と被検出体の回転運動の角速度に依存してコリオリの
力が働く。圧電性結晶部に働いたコリオリの力によっ
て、圧電性結晶部は所定方向と異なる第2の所定方向に
も振動する。検出手段は、圧電性結晶部の第2の所定方
向の振動を検知する。この振動は、コリオリの力に起因
して発生しているので、検出手段によってこの振動を検
知すれば、コリオリの力、すなわち、被検出体の角速度
を検出することができる。
【0009】圧電性結晶部の非対称性等に起因して、圧
電性結晶部の所定方向の振動は、コリオリの力に起因す
る振動の方向、すなわち、第2の所定方向の振動成分を
有する。この振動成分はコリオリの力に起因する振動成
分に重畳されるので、検出手段によって検出される角速
度情報に影響を与える。
【0010】第2及び第3電極は、その間の電位差によ
って圧電性結晶部が所定方向と異なる方向に沿って屈曲
するように、圧電性結晶部の所定部位上に設けられてい
るので、第2及び第3電極間に第2交流電圧が印加され
ると、圧電性結晶部は第2の所定方向に沿って振動す
る。したがって、本装置によれば、励振手段から第2及
び第3電極間に印加される第2交流電圧を調整するのみ
で、コリオリの力に起因しない圧電性結晶部の振動成分
を相殺することができる。
【0011】したがって、本装置によれば、コリオリの
力に起因する振動方向と同一方向の振動のうち、コリオ
リの力に起因しない圧電性結晶部の振動成分を相殺する
ための相殺電極と、励振電極とを共通部分に貼着でき
る。圧電性結晶部が振動する際は固定端側に応力が集中
する為、圧電性結晶部を振動させる電極を固定端側に貼
着できれば振動の為の消費電力を低減することができ
る。本発明によれば、励振電極と相殺電極との圧電性結
晶部の固定端側における面積を広く取ることができるの
で、励振の為の電力消費と漏れ振動相殺の為の電力消費
を全体として低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る角速度検出装
置の一形態について、添付の図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、同一要素には同一符号を用
いるものとし、重複する説明は省略する。
【0013】図1は、実施の態様に係る角速度検出装置
の平面図である。本角速度検出装置は、固定台100
と、固定台100上に一端で固定された圧電振動子20
0とを備える。固定台100の表面は、主表面100a
及び設置表面100bを有し、主表面100aと設置表
面100bとはその境界で段差Sを形成する。
【0014】振動子200は、水晶等の圧電性結晶部材
及びこの圧電性結晶部材に設けられた複数の電極から構
成され、この水晶のZ軸は紙面に垂直である。換言すれ
ば、本振動子200は、厚み方向が水晶のZ軸に平行な
所謂Z板をエッチングすることにより製造されたもので
ある。なお、図1中においては、簡単のため、これらの
電極は表示しない。
【0015】振動子200は、固定部1と、固定部1の
一端から水晶のY軸に沿って延びた支持棒2と、支持棒
2の他端に連続し、水晶のX軸に沿って延びた基部3
と、基部3の両端から固定部1から離れる方向に延びた
励振用振動片対4,5と、基部3の両端から固定部1に
近付く方向に延びた検出用振動片対6,7とを備える。
【0016】振動子200の固定部1は、固定台100
の設置表面100bに固定されており、振動子200の
支持棒2、基部3及び振動片4〜7は、固定台100の
主表面100aに空間を介して対向している。
【0017】図2は、図1に示した励振用振動片4及び
5をA−A線矢印に沿って切った励振用振動片4及び5
の断面及びこれらの励振用振動片4及び5に接続された
励振回路10〜12を示す。
【0018】振動片4は、圧電性結晶からなる圧電性結
晶部4pと、圧電性結晶部4pの各側面に固定された上
面電極4a,4d、下面電極4c,4f、右面電極4b
及び左面電極4eとから構成される。圧電性結晶部4p
の水晶のY軸に垂直な断面は、略四角形である。
【0019】上面電極4a,4dは、それぞれ、圧電性
結晶部4pの上面のみに互いに物理的に分離して形成さ
れ、図1に示した基部3とこの振動片4との境界近傍か
ら振動片4の先端方向に延びている。下面電極4c,4
fは、圧電性結晶部4pの下面のみに互いに物理的に分
離して形成され、基部3とこの振動片4との境界近傍か
ら振動片4の先端方向に延びている。右面電極4bは、
圧電性結晶部4pの右側面の一部を覆っている。
【0020】右面電極4bは、右側に位置する上面電極
4aと一定の間隔を保持しつつ、この上面電極4aの長
手方向に沿って、基部3と振動片4との境界近傍から振
動片4の先端方向に延びており、上面電極4aと物理的
に分離している。左面電極4eは、圧電性結晶部4pの
左側面の一部を覆っている。
【0021】左面電極4eも、左側に位置する上面電極
4dと一定の間隔を保持しつつ、この上面電極4dの長
手方向に沿って、基部3と振動片4との境界近傍から振
動片4の先端方向に延びており、上面電極4dと物理的
に分離している。また、左右側面の電極4b,4eは、
それぞれ、下面電極4c,4fとも一定の間隔を保持
し、物理的に分離している。
【0022】これらの電極4a〜4fは、圧電性結晶部
4pの全表面を覆う電極を形成した後、各電極間の領域
の電極を除去するのみで、これらの電極を物理的に分離
することができる。すなわち、これらの電極4a〜4f
は、フォトリソグラフィ技術のエッチング工程を用いる
ことにより分離できる。
【0023】振動片5は、圧電性結晶からなる圧電性結
晶部5pと、圧電性結晶部5pの各側面に固定された上
面電極5a,5d、下面電極5c,5f、右面電極5b
及び左面電極5eとから構成される。振動片5は、振動
片4と同一の構造を有するので、その構造の詳細につい
ては説明を省略する。
【0024】次に、励振回路(励振手段)10〜12か
ら各電極4a〜4f、5a〜5fに与えられる電位につ
いて説明する。図4〜図6は、時間と電位の関係を示す
グラフである。以下の説明においては、これらのグラフ
を適宜参照する。
【0025】励振回路は、交流電源10及びオペアンプ
等から構成される電圧調整回路(電圧調整手段)11,
12から構成される。振動片4の左右側面の電極4b及
び4eは、交流電源10の一端に接続されており、図4
に示される正弦波電位が与えられる。振動片4の上面左
側の電極4d及び下面右側の電極4cは、交流電源10
の他端に接続されている。したがって、これらの電極4
d,4cと、左右側面の電極4b,4eとの間には、圧
電性結晶部4pを水晶のX軸方向、すなわち、電極4b
と4eとの間を往復する方向に振動させる交流電圧が印
加される。
【0026】一方、振動片4の上面右側の電極4a及び
下面左側の電極4fは、オペアンプ等から構成される電
圧調整回路12を介して交流電源10の他端に接続され
ており、図5に示される正弦波電位が与えられる。これ
らの電極4a及び電極4fに与えられる正弦波電位は、
位相が図4の正弦波電位と等しく、振幅が漏れ振動の励
振振動に対する位相差によって決定され、図4の正弦波
電位より小さい場合も大きい場合もある(図5では振幅
が図4の正弦波電位よりも小さい例を挙げている)。し
たがって、左右の電極4b,4eとこれらの電極4a,
4fとの間には、それぞれ、これらの正弦波電位の差、
すなわち、図6に示す正弦波電位が与えられる。図6に
示す正弦波電位は、図4に示す正弦波電位と位相が等し
いので、左右側面の電極4b,4eと電極4a,4fと
の間に図6に示す正弦波電位が印加されると、圧電性結
晶部4pは水晶のX軸方向に振動する。
【0027】したがって、圧電性結晶部4pは、電極4
a,4d,4c,4fに与えられた電位の平均の電位と
電極4b,4eに与えられた電位との間の電位差によっ
て、水晶のX軸方向に沿って振動する。換言すれば、圧
電性結晶部4pの電極4a,4dの形成された上部領域
40uには、電極4a,4dに与えられた電位の平均の
電位が与えられ、圧電性結晶部4pは、この上部領域4
0uと電極4b,4eとの間の電位差によってX軸方向
に屈曲振動する。また、圧電性結晶部4pの電極4c,
4fの形成された下部領域40sには、電極4c,4f
に与えられた電位の平均の電位が与えられ、圧電性結晶
部4pは、この下部領域40sと電極4b,4eとの間
の電位差によってX軸方向に屈曲振動する。
【0028】圧電性結晶部4pの上部40u及び下部4
0sにそれぞれ形成された電極4a,4d間及び4c,
4f間に、ぞれぞれ交流電圧が印加されると、圧電性結
晶部4pがZ軸方向に沿って屈曲振動する。
【0029】圧電性結晶部4pは、その構造の非対称性
等に起因してZ軸方向の振動成分を有する。しかしなが
ら、この非対称性等に起因する圧電性結晶部4pのZ軸
方向の振動成分は、電圧調整回路12から電極4a,4
d間及び4c,4f間に適当な交流電圧を印加すること
により相殺される。
【0030】同様に、圧電性結晶部5pも、その構造の
非対称性等に起因してZ軸方向の振動成分を有するが、
圧電性結晶部5pのZ軸方向の振動成分も、電圧調整回
路11及び交流電源10から電極5a,5d間及び5
c,5f間に適当な交流電圧を印加することにより相殺
される。
【0031】本装置は、図示しない被検出体に固定され
る。被検出体が回転運動を行うと、圧電性結晶部4pに
はコリオリの力が働く。コリオリの力は、圧電性結晶部
4pの振動速度及び支持棒2に平行な軸を中心とする被
検出体の回転運動の角速度の大きさに依存する。圧電性
結晶部4pがX軸方向に振動している間、圧電性結晶部
4pにコリオリの力が働くと、圧電性結晶部4pはZ軸
方向にも振動する。圧電性結晶部5pは、基部3を介し
て圧電性結晶部4pに機械的に結合しているので、圧電
性結晶部5pは圧電性結晶部4pの振動に対して連成し
て振動する。圧電性結晶部5pの振動の位相は、圧電性
結晶部4pの振動の位相と逆であり、その振動の振幅
は、圧電性結晶部4pの振動の振幅と等しい。
【0032】励振用振動片4及び5は、検出用振動片6
及び7に機械的に結合している。したがって、励振用振
動片4及び5のZ軸方向の振動成分は、励振用振動片4
及び5から、検出用振動片6及び7にそれぞれ伝達され
る。
【0033】図3は、図1に示した検出用振動片6及び
7をB−B線矢印に沿って切った検出用振動片6及び7
の断面及びこれらの検出用振動片6及び7に接続された
検出回路13を示す。
【0034】検出用振動片6は、水晶のY軸に垂直な断
面が略四角形の圧電性結晶部6p及び圧電性結晶部6p
に設けられた上面電極6a,6b及び下面電極6c,6
dを有する。それぞれの電極6a〜6dは、互いに物理
的に分離しており、振動片6と基部3との境界近傍から
振動片6の先端方向へ延びている。
【0035】検出用振動片7は、振動片6と同一の構造
を有し、圧電性結晶部7pに設けられた上面電極7a,
7b及び下面電極7c,7dを有する。それぞれの電極
6a〜6d,7a〜7dは、圧電性結晶部6p及び7p
のZ軸方向の振動により発生する電位差を選択的に検出
できるように結線されている。すなわち、電圧計13の
一端は、電極6a,6d,7b,7cに接続されてお
り、電圧計13の他端は、電極6b,6c,7a,7d
に接続されている。
【0036】上述の如く、励振用振動片4及び5にコリ
オリの力が働くと、コリオリの力によるZ軸方向の振動
成分が、振用振動片4及び5から、検出用振動片6及び
7にそれぞれ伝達され、それぞれの圧電性結晶部6p及
び7pがZ軸方向に沿って屈曲振動する。圧電性結晶部
6p及び7pが振動すると、圧電性結晶部6p及び7p
の圧電効果に基づいて電極群6a,6d,7b,7cと
電極群6b,6c,7a,7dとの間に電位差が生じ
る。この電位差は、コリオリの力、すなわち被検出体の
角速度に基づいて発生したものであるので、電圧計13
によって、この電位差を計測すれば、被検出体の角速度
の大きさを検出することができる。なお、コリオリの力
に基づかないZ軸方向の振動は、図2に示したように、
電圧調整回路12,11及び交流電源10から電極4
a,4d間、電極4c,4f間、電極5a,5d間及び
5c,5f間に適当な交流電圧を印加することにより相
殺されている。この交流電圧は、被検出体に加えられる
角速度が零のときに、電圧計13から出力される交流電
圧の振幅が零となるように、電圧調整回路12及び11
を調整することにより設定される。
【0037】なお、本装置では、コリオリの力に基づか
ないZ軸方向の振動の振幅に依存して電圧計13から出
力される電圧値を減少させることができるので、電圧計
13からの出力を励振のための交流電圧によって同期検
波する場合に、同期検波前の交流増幅率を高くするとと
もに、同期検波後の直流増幅率を低く設定することがで
きる。したがって、コリオリの力に基づかないZ軸方向
の振動振幅の温度ドリフト及び本装置を構成する回路の
温度ドリフトを低減させることが可能である。
【0038】次に、本発明の技術範囲には属さない別の
角速度検出装置について説明する。本装置は、励振用振
動片に設けられた電極及び励振回路の構成のみが上述の
装置と異なり、その他の構成については上述の装置と同
一である。
【0039】図7は、図2と同一形式で示す励振用振動
片4及び5の断面及びこれらの励振用振動片4及び5に
接続された励振回路10,14を示す。
【0040】振動片4の圧電性結晶部4pの上面には、
電極4aと4dとの間に電極4gが設けられており、圧
電性結晶部4pの下面には、電極4cと4fとの間に電
極4hが設けられている。これらの電極4a〜4hは、
互いに物理的に分離している。振動片5は、振動片4と
同一構造を有し、圧電性結晶部5pの表面に設けられた
電極5a〜5hを備える。
【0041】振動片4の上下面中央電極4g,4hと左
右面電極4b,4eとの間に交流電源10から交流電圧
を印加することにより、圧電性結晶部4pは、X軸方向
に沿って振動する。圧電性結晶部4pは、電極4a,4
fと電極4c,4dとの間に交流電源14から交流電圧
を印加することによりZ軸方向に沿って振動する。した
がって、圧電性結晶部4pの非対称性等に基づくZ軸方
向の振動成分は、電極4a,4f,4c,4dに交流電
源14から適当な交流電圧を印加することにより相殺さ
れる。
【0042】同様に、振動片5の電極5g,5hと電極
5b,5eとの間に交流電源10から交流電圧を印加す
ることにより、圧電性結晶部5pは、X軸方向に沿って
振動し、電極5c,5dと電極5a,5fとの間に交流
電源14から適当な交流電圧を印加することにより、圧
電性結晶部5pの非対称性等に基づくZ軸方向の振動成
分は相殺される。なお、圧電性結晶部4p及び5pのコ
リオリの力によるZ軸方向の振動は、図3の検出用振動
片6及び7にそれぞれ伝達され、コリオリの力の大きさ
は、図3の電圧計13によって検出される。
【0043】なお、上記角速度検出装置を自動車等の被
検出体に搭載した場合には、被検出体の運動に支持棒2
の中心線を中心とする回転成分が含まれれば、被検出体
の角速度は検出することができる。
【0044】さらに、上記実施の態様に係る角速度検出
装置においては、振動子200として水晶のZ板を用い
たが、これはLiTaO3のZ板をそのX軸を中心とし
て40度傾けたLiTaO3基板を用いて構成してもよ
い。この場合、電極配置がY軸を中心に90度回転移動
した配置となる。すなわち、水晶においてX方向振動の
為の電極配置がLiTaO3にあってはZ方向振動の為
の電極配置となり、水晶においてZ方向振動の為の電極
配置がLiTaO3にあってはX方向振動の為の電極配
置となるのである。
【0045】また、各圧電性結晶部4p,5p,6p,
7pの上面及び下面は、それぞれ、Z軸に対して垂直で
あることが望ましいが、Z軸に垂直な面から15°以下
の角度だけずれていてもよい。
【0046】また、本装置の振動子200は、4つの振
動片4〜7を用いたが、これは、2つの振動片のみを用
い、それぞれの振動片に励振用の電極及び検出用の電極
を配置してもよい。
【0047】また、上記圧電性結晶部4pには、6つの
電極4a〜4fが設けられて、振動片4をX軸方向に振
動させるたが、これは、上記動作を行うものであれば、
左右の電極4b,4eを分割してもよく、また、左右の
電極4b,4eを分割すると同時に上面の電極4a,4
d及び下面の電極4c,4fをそれぞれ一体化してもよ
い。さらに、本装置では、水晶のX軸方向に沿って振動
片4及び5を振動させつつコリオリの力によるZ軸方向
の振動を検知したが、これとは逆に、水晶のZ軸方向に
沿って振動片4及び5を振動させつつコリオリの力によ
るX軸方向の振動を検知してもよい。
【0048】以上、説明したように、図1乃至図6を用
いて説明した角速度検出装置は、被検出体の運動の角速
度を検出するものであり、この装置は、圧電性結晶から
なる圧電性結晶部4pと、圧電性結晶部4pの所定部位
40u(40s)との間の電位差によって圧電性結晶部
4pが所定方向(X軸)に沿って屈曲するように圧電性
結晶部4pに設けられた第1電極4bと、その間の電位
差によって圧電性結晶部4pが所定方向と異なる方向に
沿って屈曲するように、圧電性結晶部4pの所定部位4
0u上に設けられた第2及び第3電極4d(4c),4
a(4f)と、第1電極4bと第2電極4d(4c)と
の間に第1交流電圧を印加するとともに、第1交流電圧
と異なる第2交流電圧を第1交流電圧から生成し第3電
極4a(4f)に印加する励振手段10,12と、圧電
性結晶部4pの所定方向と異なる方向(Z軸)の振動を
検知する検出手段6,7,13とを備える。
【0049】本装置によれば、1つの励振手段10,1
2から第2及び第3電極4d,4a間に印加される第2
交流電圧を調整するのみで、コリオリの力に起因しない
圧電性結晶部4pの振動成分を相殺することができ、コ
リオリの力に起因する振動成分、すなわち、被検出体の
角速度を正確に検出することができる。したがって、本
装置は、励振回路とは別の相殺手段を必要としないの
で、装置構成が簡潔となり、装置の製造コストを減少さ
せることができる。
【0050】さらに、前記励振手段10,12は、第1
交流電圧を発生する交流電源10と、第1交流電圧の一
方の電位を調整することにより第2交流電圧を発生する
電圧調整手段12とを備えることが好ましい。この場
合、第2交流電圧は第1交流電圧の一方の電位を調整す
るのみで生成できるので、装置構成がさらに簡略化され
る。
【0051】さらに、前記電圧調整手段12により生成
される第2交流電圧は、第1交流電圧に同期するととも
に、前記第1交流電圧に対して位相が反転していること
が好ましい。第1交流電圧が圧電性結晶部4pに印加さ
れることにより、その非対称性等に基づいて発生する圧
電性結晶部4pの所定方向と異なる方向(Z軸)の振動
成分は、第1交流電圧に同期している。したがって、第
1交流電圧と第2交流電圧とを同期させて位相を反転さ
せると、非対称性等に基づいて発生する所定方向と異な
る方向(Z軸)の振動成分と第2交流電圧は、周期が一
致した状態で互いに逆相となるので、この振動成分は十
分に相殺される。
【0052】さらに、前記検出手段6,7,13は、圧
電性結晶からなり、圧電性結晶部4pに機械的に結合し
た別の圧電性結晶部6pと、前記別の圧電性結晶部6p
に設けられ、別の圧電性結晶部6pの圧電効果に基づく
信号が取り出される第4電極6a(6b〜6d)とを備
えることが好ましい。別の圧電性結晶部6pは、圧電性
結晶部4pに機械的に結合しているので、コリオリの力
に基づく圧電性結晶部4pの所定方向と異なる方向の振
動成分は、別の圧電性結晶部6pに伝達される。したが
って、別の圧電性結晶部6pは、コリオリの力に基づい
て所定方向と異なる方向に沿って振動する。別の圧電性
結晶部6pは、圧電性結晶からできており、圧電効果に
より、第4電極からはその振動に基づく信号が出力され
る。したがって、この信号を検出すれば、コリオリの
力、すなわち、被検出体の角速度を検出することができ
る。
【0053】
【発明の効果】本装置によれば、励振回路とは全く別の
相殺回路を必要としないので、装置構成が簡潔となり、
本装置の製造コストを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角速度検出装置の平面図。
【図2】図1の角速度検出装置の振動片のA−A線断面
及び振動片に接続された励振回路を示すシステム構成
図。
【図3】図1の角速度検出装置の振動片のB−B線断面
及び振動片に接続された検出回路を示すシステム構成
図。
【図4】励振の電位を示す電圧波形図。
【図5】電圧調整された電位を示す電圧波形図。
【図6】励振電位と電圧調整電位との差の電圧波形図。
【図7】別の角速度検出装置の励振用振動片の断面及び
振動片に接続された励振回路を示すシステム構成図。
【符号の説明】
4p…圧電性結晶部、40u…所定部位、4b…第1電
極4b、4d…第2電極、4a…第3電極、10,12
…励振手段、6,7,13…検出手段。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性結晶からなる圧電性結晶部と、前
    記圧電性結晶部の所定部位との間の電位差によって前記
    圧電性結晶部が所定方向に沿って屈曲するように前記圧
    電性結晶部に設けられた第1電極と、その間の電位差に
    よって前記圧電性結晶部が前記所定方向と異なる第2の
    所定方向に沿って屈曲するように、前記圧電性結晶部の
    前記所定部位上に設けられた第2及び第3電極と、前記
    第1電極と前記第2電極との間に第1交流電圧を印加す
    るとともに、前記第1交流電圧と異なる第2交流電圧を
    前記第2電極と前記第3電極との間に印加する励振手段
    と、前記圧電性結晶部の前記第2の所定方向の振動を検
    知する検出手段と、を備える角速度検出装置。
JP8208627A 1996-08-07 1996-08-07 角速度検出装置 Pending JPH1047969A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013174559A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Seiko Epson Corp 角速度センサー及び電子機器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013174559A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Seiko Epson Corp 角速度センサー及び電子機器

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