JPH1047867A - 電子部品焼成用薄肉治具 - Google Patents

電子部品焼成用薄肉治具

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Publication number
JPH1047867A
JPH1047867A JP8220724A JP22072496A JPH1047867A JP H1047867 A JPH1047867 A JP H1047867A JP 8220724 A JP8220724 A JP 8220724A JP 22072496 A JP22072496 A JP 22072496A JP H1047867 A JPH1047867 A JP H1047867A
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JP
Japan
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firing
jig
thin
sprayed
alumina
Prior art date
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Pending
Application number
JP8220724A
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English (en)
Inventor
Hirokuni Takahashi
宏邦 高橋
Koji Kono
晃治 河野
Naohisa Wakijima
直久 和気島
Fumio Nakatani
二三男 中谷
Kenichi Nobuhara
健一 延原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushu Refractories Co Ltd
Original Assignee
Kyushu Refractories Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kyushu Refractories Co Ltd filed Critical Kyushu Refractories Co Ltd
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Publication of JPH1047867A publication Critical patent/JPH1047867A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電子部品焼成用治具の薄肉化により
治具の耐スポーリング性を向上させ、熱容量を小さくす
ることにより治具の耐用性向上、電子部品焼成コスト低
減および焼成効率の向上を目的とする。 【解決手段】 本発明はセラミックの溶射により形成さ
れた溶射層を基材から離型させて得られた溶射被膜から
なる電子部品焼成用薄肉治具である。さらに本発明は該
セラミックがアルミナまたは/およびジルコニアである
前記記載の電子部品焼成用薄肉治具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックコンデン
サやサーミスタなどの電子部品の焼成に用いられる匣
鉢、棚板、セッターなどの薄肉治具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子部品焼成用の治具は使用条件に応じ
た耐熱性と機械的強度および被焼成物である電子部品と
反応しない特性が要求される。通常は焼成用治具の基材
には耐スポーリング性に優れるアルミナ質やアルミナ・
シリカ質材料が使用されている。そして被焼成物と基材
との反応を防止する目的でジルコニアの粉末を敷いた
り、あるいは基材表面にジルコニアの焼結層や溶射層を
形成する方法が採られている。
【0003】焼成用治具の基材として広く使用されてい
るアルミナ質やアルミナ・シリカ質治具は原料粉末に適
当なバインダーを添加し、プレス成形した後焼成され
る。このようにプレス成形によって製造される治具で
は、肉厚を薄くしすぎると成形時に密度差が生じやすい
ためクラックが発生しやすく、焼成時に変形しやすい等
の問題があるためある程度の肉厚が必要であった。この
ため従来のプレス成形による治具の肉厚は5〜15mmが
一般的であった。
【0004】このような肉厚の厚い治具を用いて電子部
品の焼成を行った場合、焼成炉内で積み重ねる段数が少
なくなり、焼成効率は低いものであった。また肉厚の厚
い治具は熱容量が大きいため昇温時には温度が上がりに
くく降温時には冷めにくいものである。従って、焼成時
間を短縮しようとすれば、治具に大きな熱応力が発生し
割れやすくなるという欠点があった。
【0005】このような従来技術の問題に対し、電子部
品焼成用治具の耐スポーリング性の改善および焼成エネ
ルギーコストの低減を目的として、薄肉の治具が注目さ
れ特開昭61−134585号公報には泥漿鋳込み成形
による薄肉アルミナ匣鉢が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】泥漿鋳込み成形による
匣鉢は薄肉といっても3〜5mmと従来の匣鉢のせいぜい
半分程度の厚さであり、電子部品焼成コストの低減はあ
る程度図れたものの未だ満足できるものではなかった。
また充分な強度を出すために焼成して得られたものは組
織が緻密で磁器質なものとなるため非常に割れやすく、
耐スポーリング性に劣るため実際の使用は困難であっ
た。また泥漿の鋳込み、焼成という工程で製造されるた
め解膠剤や焼結助剤等の添加剤が必要であった。これら
の添加剤は匣鉢の成分としてはいわば不純物であり、こ
のため焼成時の変形や使用時の電子部品との反応等の原
因となるものであった。また泥漿鋳込み成形法では積層
構造の治具の成形は困難であるため、特開昭61−13
4585号に開示されたアルミナ質匣鉢では電子部品と
の反応防止のためにジルコニア粉末を敷く等の対策が必
要であり、作業能率が劣るという欠点があった。
【0007】薄肉体の成形方法には他にドクターブレー
ド法、押し出し成形法、ロール成形法等があるがいずれ
も原料に添加剤を使用する必要があり、また焼成工程を
必要とするため焼成時の変形あるいはクラックの発生等
により製品の形状を均一に保つことは極めて困難であ
り、しかも焼成前の素地は薄肉となるほど強度が小さく
どうしても製品の歩留まりが低いという問題があった。
【0008】従って、本発明の目的は、従来の治具に比
べて電子部品焼成コストが低く、焼成効率に優れ電子部
品の生産性向上に寄与する治具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは電子部品焼
成用薄肉治具に関する上記課題を解決すべく種々検討し
た結果、製造時に焼成工程が不要で薄肉製品が得られる
方法として溶射に注目し、基材に溶射された溶射層を基
材から離型させて得られた溶射被膜を治具とすることに
より、耐スポーリング性が格段に優れかつ被焼成物であ
る電子部品と反応を起こさず、また電子部品焼成コスト
の低い薄肉治具を得ることに成功し本発明を完成させた
ものである。
【0010】即ち、本発明はセラミックの溶射により形
成された溶射層を基材から離型させて得られた溶射被膜
からなることを特徴とする電子部品焼成用薄肉治具であ
る。さらに本発明は該セラミックがアルミナまたは/お
よびジルコニアである前記記載の電子部品焼成用薄肉治
具である。
【0011】本発明の電子部品焼成用薄肉治具は、基材
面に形成したセラミックの溶射層を基材から離型させて
得られた溶射被膜からなることが特徴である。従って、
溶射被膜自体が治具として必要な強度を有しかつ電子部
品との反応防止特性をも有するものである。治具として
の特性を満足するものであれば1種類のセラミックによ
る溶射被膜でも良いし、2種以上の混合材料による溶射
被膜でも良い。また、異種材質による2層以上の積層構
造の溶射被膜も使用可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】溶射層を形成するセラミックとし
てはアルミナ、ジルコニア、ジルコン、ムライト、スピ
ネル、チタニア、クロミア等の1種または2種以上を使
用できる。電子部品との反応防止のためこれらの材料は
できるだけ高純度のものを使用することが好ましい。こ
れらのセラミックの中では、溶射層の特性を考慮すると
アルミナ、ジルコニアが特に好ましい。アルミナの溶射
層は加熱、冷却の繰り返しによる組織劣化が少ないため
治具の強度維持に有効である。また容積安定性にも優れ
るため耐スポーリング性向上にも貢献する。一方、ジル
コニアの溶射層は高温における化学的安定性に極めて優
れるため、被焼成物である電子部品との反応防止効果が
特に大きい。従って例えば、まずアルミナの溶射層を形
成しその上にジルコニアの溶射層を重ねて形成し、基材
から離型させた構造などが考えられる。
【0013】本発明の電子部品焼成用薄肉治具は、まず
基材にアルミナ、ジルコニア等のセラミックを溶射す
る。アルミナ、ジルコニア等のセラミックは一般に金属
材料に比して融点が高く、それらを多量に溶射するには
各種溶射方法の内ではプラズマ溶射、特に水プラズマ溶
射による方法が適している。水プラズマ溶射はフレーム
パターンが広く単位時間あたりの溶射量が多いため、ガ
スプラズマ溶射に比較して短時間の内にかなりの肉厚ま
で溶射することができ、しかも均質な溶射体を得ること
ができるので本発明の治具製造に最適である。
【0014】溶射層の厚さは材料の供給速度とプラズマ
炎の移動速度を適宜調整し、必要に応じて繰り返し溶射
を行うことによりコントロールされる。2層以上の積層
構造の溶射層を形成する場合は各層ごとに厚さを変える
ことも可能である。また溶射層の部位によって厚さを変
えることも可能である。溶射層の厚さは0.1〜3mmの
範囲が好ましい。厚さが0.1mm未満では強度不足とな
ったり電子部品との反応防止特性が発揮されない危険性
がある。また積層構造とする場合の各溶射層の厚さは
0.1mmを越えることが望ましい。逆に溶射層の厚さが
3mmを越えるようになると熱容量が大きくなりまた耐ス
ポーリング性が低下するため好ましくない。
【0015】本発明において溶射を行う基材の材質につ
いては特に限定されるものではなく、銅、ステンレス、
アルミニウム等の金属、アルミナ質、アルミナ・シリカ
質の焼成体等が使用できる。本発明においては形成した
溶射層を基材から離型させることを前提としているた
め、どういう離型方法を行うかによって基材の材質を選
択することが好ましい。
【0016】形成した溶射層を基材から離型させる方法
については特に限定されるものではないが、基材を繰り
返し使用することを前提とすると、溶射層と基材の熱膨
張率(収縮率)の差を利用する方法や、あらかじめ基材
に離型剤を塗布しておく方法が考えられる。一般に溶射
においては溶射層と基材との接着性を向上させるために
基材表面にブラスト処理等を行うが、本発明においては
溶射中に剥離しない程度の接着力さえあればむしろ離型
しやすい方が好都合であるため、基材表面の前処理は不
要である。
【0017】本発明の溶射被膜からなる薄肉治具は、従
来の治具に比べ格段に薄い肉厚が得られるため、熱容量
が小さく耐スポーリング性に優れるものである。従っ
て、電子部品を焼成するために必要な温度までより速い
昇温が可能であり、また焼成終了後は冷めやすく、必要
であれば空冷等の強制冷却を行っても亀裂等が発生しに
くいため電子部品焼成工程の短縮化および焼成コストの
低減が可能である。また薄肉であるため、焼成炉内に積
み重ねる段数が増やせることにより大幅な焼成効率の向
上も得られる。
【0018】製品となる溶射被膜の形状は基材の形状の
選択によって任意に設定できる。例えば平板状の溶射被
膜であれば使用時に電子部品を載置できるようにスペー
サをおいて積み重ねて焼成が可能であるし、基材にスペ
ーサ機能を果たすような凸部を設けておけば溶射被膜が
該凸部を有することになり、治具のみを積み重ねて電子
部品を焼成することが可能となり作業効率は一層向上す
る。
【0019】また本発明の薄肉治具はセラミックの溶射
被膜からなっているため、薄肉であっても緻密で充分な
強度と良好な物性を有しており、また解膠剤等の添加剤
を使用しないため電子部品との反応を生じるような問題
もない。さらに、熱履歴による組織劣化がほとんどない
ため繰り返し使用できる回数が従来に比べ大幅に勝るも
のである。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 100×100×2mm形状のステンレスプレートの基材
に対しAl23純度99.6%、平均粒径45μmのア
ルミナ粉末を水プラズマ溶射装置により0.4mm厚さに
溶射した。その上に重ねて平均粒径50μmのCaO安
定型ジルコニア粉末を0.2mm厚さに溶射し、溶射層を
基材から離型させ、アルミナ、ジルコニアの2層の溶射
被膜からなる厚さ0.6mmの治具を作成した。この治具
ではアルミナ溶射層が治具の強度維持に、ジルコニア溶
射層が電子部品との反応防止に寄与するものである。
【0021】実施例2 実施例1と同様の基材、粉末を使用し、まずジルコニア
を0.2mm厚さに溶射し、その上に重ねてアルミナを
0.4mm厚さに溶射し、さらにジルコニアを0.2mm厚
さに溶射した。次に溶射層を基材から離型させ、アルミ
ナ溶射層をジルコニア溶射層で挟んだ厚さ0.8mmの3
層構造の溶射被膜からなる治具を作成した。この治具の
各溶射層の機能は実施例1と同様であるが、電子部品を
載置するジルコニア溶射層が両面にあるために使用可能
回数の延長が期待できるものである。
【0022】比較例1 比較のために、泥漿鋳込み法により厚さ3mmのアルミナ
質匣鉢を作成した。該匣鉢は焼成後比較試験に供した。
【0023】以上の方法で得られた治具をセラミックコ
ンデンサーの焼成に繰り返し使用し、コンデンサーと治
具との反応、治具の変形、亀裂の発生等を観察した。な
お比較例1の匣鉢はジルコニア粉末を敷いて部品を載せ
焼成を行った。コンデンサーはチタン酸バリウムを主成
分とし、その他の低融成分を微量含むものである。焼成
は1300℃まで300℃/時で昇温し、4時間保持と
した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すとおり、本発明の電子部品焼成
用薄肉治具は、従来の治具に比べ安定に使用できる回数
が大幅に増加した。また従来の薄肉治具の厚さはせいぜ
い3mm程度であり、本発明の治具では1mm以下の厚さも
可能である。焼成炉の高さが300mmの場合、5mmのス
ペーサーを使用すると装入可能段数は従来品が37段、
本発明品は厚さ1mmとすると49段と大幅に増加でき
る。
【0026】
【発明の効果】本発明の電子部品焼成用薄肉治具では、
電子部品との反応がなく、亀裂、変形の発生までの使用
回数が大幅に増え長期間の安定使用が可能である。ま
た、熱容量が小さく耐スポーリング性にも優れるため、
昇温および冷却過程を短縮でき、さらに炉内への装入可
能数が大幅に増やせるため焼成コストの低減、焼成効率
の改善等電子部品の生産性向上に大きく寄与するもので
ある。
【0027】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックの溶射により形成された溶射層
    を基材から離型させて得られた溶射被膜からなることを
    特徴とする電子部品焼成用薄肉治具。
  2. 【請求項2】セラミックがアルミナまたは/およびジル
    コニアである請求項1記載の電子部品焼成用薄肉治具。
JP8220724A 1996-08-02 1996-08-02 電子部品焼成用薄肉治具 Pending JPH1047867A (ja)

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JP8220724A JPH1047867A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 電子部品焼成用薄肉治具

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JP8220724A JPH1047867A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 電子部品焼成用薄肉治具

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JPH1047867A true JPH1047867A (ja) 1998-02-20

Family

ID=16755532

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JP8220724A Pending JPH1047867A (ja) 1996-08-02 1996-08-02 電子部品焼成用薄肉治具

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JP (1) JPH1047867A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007225172A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Ngk Insulators Ltd 搬送機構用支持具

Cited By (1)

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