JPH1046515A - ロードヒータ装置 - Google Patents

ロードヒータ装置

Info

Publication number
JPH1046515A
JPH1046515A JP20369696A JP20369696A JPH1046515A JP H1046515 A JPH1046515 A JP H1046515A JP 20369696 A JP20369696 A JP 20369696A JP 20369696 A JP20369696 A JP 20369696A JP H1046515 A JPH1046515 A JP H1046515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
heat
road
heat transfer
heater device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20369696A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Yamaguchi
哲生 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP20369696A priority Critical patent/JPH1046515A/ja
Publication of JPH1046515A publication Critical patent/JPH1046515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】地熱を有効に利用でき、かつ、ヒータの発熱を
効率良く路面に伝導することができるロードヒータ装置
を提供すること。 【解決手段】PTC素子発熱体を樹脂で絶縁被覆してテ
ープ状に形成されたヒータモジュールHが、伝熱板50
に形成されている嵌入部Mの天面板の下面に接着されて
いる。さらに、各嵌入部Mには、ヒータモジュールHが
嵌まり込む凹所60が形成された断熱材T1〜T6が嵌
め入れられている。ヒータモジュールHから発生した熱
は、路盤2側には伝達されず、すべて伝熱板50を介し
て表面層3に与えられる。一方、隣接する嵌入部Mを連
結する連結板54の上下面には断熱材が施されておら
ず、この連結板54を介して路盤2からの地熱が表面層
3に伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正特性サーミスタ
素子を発熱体として用いたヒータ装置に関し、特に寒冷
地域のロードヒーティングのために用いられるヒータ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地域では、路面の凍結防止や道路に
積もった雪の融解のために、ヒータ装置を道路に埋設し
て路面を加温する、いわゆるロードヒーティングが行わ
れている。たとえば北海道では、現在、上り3%以上の
勾配または下り4%以上の勾配を有する道路部分におい
てロードヒーティングが行われている。
【0003】このロードヒーティングのためのヒータ装
置には、ニクロム線などの発熱線を蛇行させて道路に埋
設したもの、発熱線を編み込んでシート状に成形して道
路に埋設したもの、および道路に埋設したパイプを通し
て温水を循環させるものなどがある。ところが、上記い
ずれのヒータ装置でも、路面温度を検出するためのセン
サを設けて、発熱量をコントロールする必要がある。ま
た、路面の凍結や積雪を未然に防ぐには、気温、湿度お
よび気圧を検出するためのセンサをさらに設けて、天候
の変化を予想したうえで発熱量をコントロールする必要
があり、イニシャルコストが大きいという問題があっ
た。さらに、発熱線を用いたものでは、発熱線が熱膨張
し、断線する可能性もあった。
【0004】これらの不具合を解消するために、樹脂に
カーボンを混合した発熱体を埋設する方法が開示されて
いる(特開平3−21701号公報参照)。樹脂にカー
ボンを混合した発熱体は、一定の温度に達したときに発
熱量が減少する、いわゆる自己温度制御機能を有するも
のであるから、上記公開公報に開示されている技術で
は、上述のセンサやコントローラなどが不要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロードヒー
ティングでは、ヒータ装置の発熱によって路面だけを加
温するのが理想的である。しかし、発熱体の発熱には方
向性が無いので、上記公開公報に開示されている施工法
では、発熱体から発生した熱が地中側にも伝熱してしま
い、地中側に伝導した熱は全く無駄になっていた。
【0006】そこで、特開平3−21702号公報に開
示されている方法では、発熱体の下方(地中側)に断熱
材を敷きつめることによって、発熱体から発生した熱が
地中側へ伝導するのを防止している。しかしながら、発
熱体の下方に断熱材を敷設した道路部分において、実際
に融雪や凍結防止の作用を観察した結果、断熱材を敷設
したことによる省エネルギー効果は思わしくなかった。
その原因の1つとして、断熱材によって地熱の伝導が妨
げられたことが考えられる。すなわち、地熱が融雪や凍
結防止に有効に作用していたにもかかわらず、断熱材を
使用することによって、地熱が路面側へ伝導されるのが
妨げられていることが原因と考えられる。
【0007】本発明は、この点に着目してなされたもの
で、地熱を有効に利用し、かつ、ヒータの発熱を効率的
に路面に伝導することのできるロードヒータ装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載のロードヒータ装置は、路面を加温す
るためのロードヒータ装置であって、一方表面が放熱面
とされており、他方表面がヒータ取付面とされた伝熱部
材と、この伝熱部材のヒータ取付面に取り付けられ、正
特性サーミスタ素子を絶縁材料で被覆することによって
テープ状に形成されたヒータモジュールと、上記伝熱部
材のヒータ取付面側においてヒータモジュールを覆うよ
うに配置された断熱材とを含み、上記伝熱部材のヒータ
取付面には、上記断熱材から露出して地熱を受容すべき
地熱受熱面が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項1記載の構成によれば、伝熱部材に
取り付けられたヒータモジュールは、断熱材によって覆
われているので、ヒータモジュールから発生した熱はす
べて伝熱部材に与えられる。これにより、路面を効率的
に加温できる。また、この発明にかかるヒータモジュー
ルは、正特性サーミスタ素子を用いて構成されているか
ら、路面温度が低いときには発熱量が多くなり、路面温
度が高いときには発熱量が小さくなる。つまり、正特性
サーミスタ素子を用いたことによって、ヒータモジュー
ルが自己温度制御機能を有することになるので、温度セ
ンサや発熱量制御装置などを別途設ける必要がない。
【0010】さらに、ヒータ取付面には、断熱材が施さ
れていない地熱受熱面が形成されているので、この部分
を介して地中に蓄えられている地熱を路面側に伝達する
ことが可能である。よって、路面温度が比較的高いとき
には、地熱によって路面温度を高温に保つことができ、
消費電力量が少ない。また、請求項2記載の発明は、上
記伝熱部材は、天面部と、天面部から立ち下がる一対の
側面部と、側面部の下端縁から天面部と平行に延設され
ている連結部とを有し、天面部の下面には、上記ヒータ
モジュールが取り付けられており、天面部および一対の
側面部によって区画されている空間内に、上記断熱材が
嵌め込まれており、連結部の下面が上記地熱受熱面とさ
れていることを特徴とする請求項1記載のロードヒータ
装置である。
【0011】請求項2記載の構成によれば、断熱材は、
天面部および一対の側面部によって規制されている空間
内に嵌め込まれる。ゆえに、連結部には断熱材が施され
ておらず、連結部の下面が地熱受熱面になる。よって、
連結部を介して地熱を路面側に伝達できる。請求項3記
載の発明は、上記ヒータモジュールは、正特性サーミス
タ素子へ給電するための一対の導電線を有し、上記一対
の導電線は、複数本の素線がより合わされているより
線、または複数本の素線が互いに絡み合うように集合し
ている編組線で構成されていることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のロードヒータ装置である。
【0012】請求項3記載の構成によれば、導電線が、
撓み性や伸縮性の優れているより線または編組線によっ
て構成されているので、導電線が正特性サーミスタ素子
の発熱などによって熱膨張しても、熱膨張による長さ変
化(機械的な応力)を吸収でき、断線するおそれがな
い。請求項4記載の発明は、上記正特性サーミスタ素子
は、セラミックス半導体によって構成されていることを
特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
ロードヒータ装置である。
【0013】請求項4記載の構成によれば、セラミック
ス半導体は熱膨張が小さいので、熱膨張によって機械的
な応力が生じることによる故障が発生するおそれがな
い。請求項5記載の発明は、上記地熱受熱面の全面積
は、上記ヒータ取付面の全面積の少なくとも10%以上
であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
れかに記載のロードヒータ装置である。
【0014】請求項5記載の構成のように、地熱受熱面
の全面積が、ヒータ取付面の全面積の少なくとも10%
以上であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を、添
付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施形態に係るロードヒータ装置の使用状態を示す断面
図である。このロードヒータ装置1は、寒冷地域におい
て、路面4の凍結防止や路面4上に積もった雪の融解の
ために路面4を加温する、いわゆるロードヒーティング
に用いられるものであり、路面4の下方に埋設されてい
る。具体的には、ヒータ装置1は、土、砂、小石等が押
し固められた路盤2の上面に配置されており、その上を
アスファルトやコンクリートからなる表面層3で覆われ
ている。
【0016】図2は、上記ロードヒータ装置1の分解斜
視図である。図1および図2を参照して、ロードヒータ
装置1は、断面が矩形のテープ状に形成された複数本
(この実施形態では6本)のヒータモジュールH1〜H
6(以下、総称するときには、「ヒータモジュールH」
という。)を含む並列構造物10を有している。また、
ロードヒータ装置1は、ヒータモジュールHが嵌まり込
む凹所60が形成された複数本(この実施形態では6
本)の断熱部材T1〜T6と、断熱部材T1〜T6をそ
れぞれ嵌め入れるための複数本の嵌入部M1〜M6(以
下、総称するときには、「嵌入部M」という。)が平行
に形成された伝熱板50とを有している。
【0017】ロードヒータ装置1の構成について具体的
に説明すると、伝熱板50は、たとえばアルミニウム板
を折り曲げて加工することによって作成されたものであ
る。伝熱板50の各嵌入部Mは、断面が略逆U字形状で
あって直線状に延びており、下面がヒータモジュールH
を取り付けるための取付面とされた天面板51と、天面
板51の両側縁から立ち下がった一対の側面板52,5
3とを有している。そして、隣接する嵌入部のうち、一
方の嵌入部に形成されている側面板52の下端縁と、他
方の嵌入部に形成されている側面板53の下端縁とが、
連結板54によって連結されて、1枚の伝熱板50が形
成されている。
【0018】伝熱板50の天面板51の下面には、ヒー
タモジュールHが接着剤で取り付けられている。さら
に、嵌入部M1〜M6には、それぞれ断熱部材T1〜T
6が嵌め入れられている。断熱部材T1〜T6は、発泡
樹脂の一体成形品からなる長尺状のものであり、ヒータ
モジュールHとほぼ同じ長さにされており、上面には、
上記凹所60が長手方向に沿って溝状に形成されてい
る。断熱部材T1〜T6がそれぞれ嵌入部M1〜M6に
嵌め入れられたときに、ヒータモジュールH1〜H6
は、それぞれ断熱部材T1〜T6の凹所60に隙間無く
嵌まり込む。これにより、ヒータモジュールH1〜H6
の下面および両側面は、それぞれ断熱部材T1〜T6で
覆われることになる。
【0019】したがって、ヒータモジュールHから発生
した熱は、路盤2側には伝達されず、すべてヒータモジ
ュールHの上面から伝熱板50の天面板51に与えら
れ、主に天面板51の上面から表面層3に伝達される。
ゆえに、ヒータモジュールHの発熱によって路面4を効
率良く加温できる。一方、隣接するヒータモジュールH
の間に位置する連結板54の上下面には断熱材が施され
ておらず、この連結板54を介して路盤2と表面層3と
は熱的に接触している。すなわち、連結板54の下面が
地熱受熱面に、連結板54の上面が放熱面になってお
り、路盤2からの地熱を、連結板54を介して表面層3
に伝達することができる。ゆえに、路面温度が比較的高
いときには、ヒータモジュールHに通電しなくとも、地
熱を利用して路面4を充分に温めることができるので、
消費電力量が少なくすむ。
【0020】なお、地熱を有効に利用するには、連結板
54の全面積が、平面視における伝熱板50の全面積の
10%以上であることが好ましい。たとえば、矩形状に
形成された伝熱板において、天面板と連結板との幅が同
じ長さに形成され、かつ天面板と連結板とが同数本形成
されている場合、地熱受熱面としての連結板の全面積
は、平面視における伝熱板の全面積の50%になる。
【0021】図3は、ヒータモジュールHの構成を示す
図であり、図4は、図3の切断面線IV−IVから見た断面
図である。このヒータモジュールHは、正特性サーミス
タ素子であるPTC(Positive Temperature Coefficie
nt)特性を有するセラミックス半導体からなる複数のP
TC素子発熱体11を備えている。この複数のPTC素
子発熱体11は、ヒータモジュールHの長手方向に沿っ
て配置された一対の導電線12,13の間に一定の間隔
を開けて並列に接続されている。
【0022】導電線12,13は、複数本の素線がより
合わされているより線、または複数本の素線が互いに絡
み合うように集合している編組線によって構成されてい
る。より線および編組線は、単線に比べて撓み性や伸縮
性が優れており、たとえば、1cm当り約2mmの長さ
変化を吸収できる。したがって、導電線12,13がP
TC素子発熱体11の発熱などによって熱膨張しても、
熱膨張による長さ変化(機械的な応力)を吸収でき、断
線するおそれがない。
【0023】PTC素子発熱体11、導電線12,13
からなる発熱ユニットは、電気絶縁性およびPTC素子
発熱体11の発熱に耐え得る耐熱性を有する樹脂または
ゴムからなる被覆部材14に封止されており、図3に
は、被覆部材14の一部を切り欠いた様子が示されてい
る。導電線12,13の各一端部は、被覆部材14の一
端側において、被覆部材14の外部に引き出されてい
る。
【0024】ヒータモジュールHの先端には、ケース1
5が取り付けられている。このケース15内には、電気
絶縁性を有する樹脂(たとえばシリコン樹脂)が充填さ
れており、被覆部材14の先端部において露出している
導電線12,13を封止して、防水性を確保している。
図5は、PTC素子発熱体11と導電線12,13との
結合状態を示す斜視図である。PTC素子発熱体11
は、直方体に形成されたものであり、導電性を有する金
属端子16によって、導電線12,13に結合されてい
る。より具体的には、金属端子16は、PTC素子発熱
体11の端部を把持するための4つの発熱体把持部17
と、導電線12,13を把持するための一対の電線把持
部18とを有している。
【0025】PTC素子発熱体11の端部において、発
熱体把持部17に当接する部分には、電極19が形成さ
れている。したがって、PTC素子発熱体11は一対の
電極19によって挟まれており、発熱体の体積全体にわ
たって電流が均一に流れるようになっている。金属端子
16の電線把持部18は、導電線12,13に半田20
によって結合されている。また、発熱体把持部17と電
極19とは、導電性を有する粘着テープまたは接着剤を
用いて接着したり、半田付けされたりして、結合されて
いる。
【0026】PTC素子発熱体11は、PTC特性を有
する素材、たとえばチタン酸バリウムなどを主原料とし
たセラミックス半導体からなり、室温からキュリー温度
Tc(抵抗急変温度)までは低抵抗であるが、キュリー
温度Tcを越えると、急峻に抵抗値が増大する特性を有
する感熱素子である。この特性により、PTC素子発熱
体11は、キュリー温度Tcを下回る温度下において電
圧が印加されると、最初は、低温であるために抵抗値が
小さく、大電流が流れる。これにより、急激に温度が上
昇する。そして、温度がキュリー温度Tcを越えると、
抵抗値が急峻に増大し、電流値が低下して、発熱量が減
少する。そのため、一定の温度以上に温度が上がること
がなく、或る温度で安定する。すなわち、PTC素子発
熱体11は、自己温度制御機能を有している。よって、
発熱量制御のための温度制御装置などを別途設ける必要
がなく、装置にかかるコストを低減することができる。
【0027】また、PTC素子発熱体11として、樹脂
中にカーボンや金属粉末等をねりこんだ樹脂製のPTC
素子を用いることが考えられる。ところが、樹脂製PT
C素子は、樹脂の熱膨張によってカーボンが樹脂から剥
離することにより抵抗値が増大するものであるから、樹
脂製PTC素子を用いた場合、樹脂の熱膨張によって生
じる機械的な応力が金属端子16などに作用してしま
う。一方、セラミックス半導体は、温度が変化したとき
に電気エネルギー現象によって抵抗値が変化するもので
あるから、樹脂製PTC素子と比べて熱膨張が小さい。
この点から、PTC素子発熱体11は、セラミックス半
導体によって構成されるのが好ましい。
【0028】図6は、ヒータモジュールHへの給電のた
めの構成を示す平面図である。各ヒータモジュールHの
一端においては、上述のとおり、被覆部材14から導電
線12,13が引き出されている。この導電線12,1
3の引出し部分の各先端には、圧着端子21,22がそ
れぞれ圧着されている。この圧着端子21,22は、ヒ
ータモジュールHの長手方向とほぼ直交する方向に延び
て平行に配置された一対の並列端子23,24に半田付
けされて接続されている。この並列端子23,24の各
一端には、圧着端子25,26によって、電源コード9
のリード線引出し部91,92がそれぞれ接続されてい
る。したがって、電源コード9を商用交流電源に接続す
ると、複数のヒータモジュールHに並列に電力が供給さ
れることになる。そして、ヒータモジュールHにおいて
は、導電線12,13に複数のPTC素子発熱体11が
並列に接続されているから、結局、このロードヒータ装
置1が備える複数のPTC素子発熱体11には、商用交
流電源からの電圧が並列に印加されることになる。
【0029】図7および図8は、ヒータモジュールHの
端部の封止構造の一例を示す図である。ヒータモジュー
ルHの先端には、図7に示すように、上ケース部材27
および下ケース部材28からなるケース15が被せられ
ており、このケース15内には、上ケース部材27と下
ケース部材28との間に形成されている樹脂充填用開口
29からシリコン樹脂が充填されている。これにより、
ヒータモジュールHの先端部分において露出する導電線
12,13が樹脂封止され、この先端部分における防水
性が確保されている。
【0030】一方、複数のヒータモジュールHの各基端
部は、図8に示すように、ケース30に挿入されてい
る。すなわち、ケース30は、上ケース部材31および
下ケース部材32からなり、この一対のケース部材の間
には、複数のヒータモジュールHを内部空間に導入する
ための開口33が形成されている。このケース30に
は、さらに、図6に示されているように、上述の並列端
子23,24ならびに電源コード9の先端部およびリー
ド線引出し部91,92が収容されている。そして、一
対のケース部材31,32の間に形成された樹脂充填用
開口34からシリコン樹脂35が充填されている。これ
により、導電線12,13の基端部の引出し部分、並列
端子23,24、および電源コード9のリード線引出し
部91,92などが、ケース30内において樹脂封止さ
れており、これによって、防水性が確保されている。
【0031】なお、ヒータモジュールHの先端部分の樹
脂封止のための構成は、上述のものに限られるものでは
なく、たとえば、ヒータモジュールHとともにケース1
5およびケース30に相当する部分を樹脂で一体成形し
てもよいし、導電線12,13の露出部や並列端子2
3,24などを樹脂で被覆し、ケースを用いることなく
絶縁被覆を達成してもよい。
【0032】以上のように本実施形態のロードヒータ装
置1によれば、ヒータモジュールH1〜H6の下面およ
び両側面が、それぞれ断熱部材T1〜T6で覆われてい
るので、ヒータモジュールHから発生した熱は、路盤2
側には伝達されない。これにより、ヒータモジュールH
から発生した熱のほとんどを路面4の加温に使用するこ
とができ、無駄の無いロードヒーティングが可能にな
る。また、伝熱板50の連結板54の上下面には断熱材
が施されていないので、路盤2に蓄えられている地熱
を、連結板54を介して表面層3に伝達することができ
る。ゆえに、路面温度が比較的高いときには、ヒータモ
ジュールHへの通電の必要がなく、地熱を利用して路面
4を温めることができるので、ロードヒーティングに要
するランニングコストを低減できる。
【0033】さらに、導電線12,13は、より線また
は編組線によって構成されているので、導電線12,1
3が熱膨張しても、熱膨張による長さ変化(機械的な応
力)を吸収でき、断線するおそれがない。さらにまた、
ロードヒータ装置1は、発熱部であるヒータモジュール
H自身が優れた防水性を有しているため、道路などに積
もった雪の融解に用いられた場合でも、防水性に問題が
生じることはない。
【0034】図9は、本発明の第2実施形態であるロー
ドヒータ装置の使用状態を示す断面図である。図1に示
す各部と同等の部分については、同一の参照符号を付し
て示す。ロードヒータ装置100は、ヒータモジュール
H1〜H6と、ヒータモジュールHを嵌め込むための凹
所60が形成された断熱部材T1〜T6と、平板状の伝
熱板80とを有している。ヒータモジュールH1〜H6
は、断熱部材T1〜T6の上面に形成されている凹所6
0に隙間無く嵌め込まれた状態で、伝熱板80の下面に
接着されている。一方、路盤2の上面には、溝部R1〜
R6が形成されており、溝部R1〜R6には、それぞれ
断熱部材T1〜T6が嵌め込まれている。
【0035】したがって、ヒータモジュールHから発生
した熱は、路盤2側には伝達されず、すべてヒータモジ
ュールHの上面から伝熱板80に与えられ、表面層3に
伝達される。また、図9に示すように、伝熱板80に
は、断熱材が施されていない地熱受熱面81が形成され
ている。よって、路盤2に蓄えられている地熱を、地熱
受熱面81を介して表面層3に伝達することができる。
ゆえに、上述の第1実施形態と同様の効果を奏すること
ができる。
【0036】また、このロードヒータ装置100によれ
ば、伝熱板80が平板であるから、伝熱板80の加工に
要する手間を省略できるが、上述の第1実施形態のロー
ドヒータ装置1によれば、断熱部材T1〜T6が、それ
ぞれ嵌入部M1〜M6に嵌め込まれたときに、断熱部材
T1〜T6の下面と連結板54の下面とは、ほぼ面一に
なっているので、路盤2は平坦に固めておくだけでよ
く、ロードヒータ装置1を設置する手間が少なくすむ。
【0037】本発明の2つの実施形態について説明した
が、本発明は上述の実施形態に限定されるものではな
い。たとえば、上述の各実施形態において、複数本のヒ
ータモジュールH1〜H6が伝熱板に接着されている
が、複数本のヒータモジュールが用いられる必要はな
く、1本の長いヒータモジュールを用いることが可能で
ある。この場合、たとえば、図10に示すように、1本
のヒータモジュールH10が、伝熱板50に形成されて
いる嵌入部M1〜M6を通って引き回されていればよ
い。また、図11に示すように、平板である伝熱板80
の下面に、渦巻状にヒータモジュールH10が接着され
て、ヒータモジュールH10が断熱部材T10によって
覆われていてもよい。このとき、断熱部材T10は、複
数個の直線状の断熱部材T11および屈曲している断熱
部材T12で構成されるのが好ましい。
【0038】さらに、上述の各実施形態では、伝熱板
が、たとえばアルミニウムによって構成されているとし
たが、熱伝導性が優れた物質によって構成されていれば
よい。伝熱板を構成し得る物質としては、アルミニウム
の他に、銅、鉄、ステンレスなどの金属や、金属以外に
も、ガラス、ケイ石レンガ、酸化アルミニウム、窒化ケ
イ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などを例示するこ
とができるが、好ましくは、室温における熱伝導率が1
(kcal/m・hr・℃)以上の物質で構成されると
よい。
【0039】また、上述の各実施形態において、ヒータ
装置は、路盤2の上に接触配置されているが、ロードヒ
ータ装置1と路盤2との間に伝熱性の優れた物質が介在
されていてもよい。たとえば、路盤2の上面に、鉄粉な
どの金属粉がまかれていてもよい。 その他、特許請求
の範囲に記載された範囲で種々の設計変更を施すことが
可能である。
【0040】
【実施例】次に、さらに具体的な例について説明する。
PTC素子発熱体が50mm間隔で一対の導電線に接続
されたはしご状の構造物に塩化ビニルの押し出し絶縁被
覆を施し、長尺の構造物を得た。この構造物の長さを1
000mmごとに切断した。幅は17mm、厚さは4m
mである。この定尺構造物の一方の被覆を加工して、一
対の導電線の一部を露出させた。露出した導電線をそれ
ぞれ並列端子に接続した。定尺構造物において、並列端
子とは反対側の切断面をシリコン樹脂(東芝シリコーン
製 TSE392C)で絶縁封止し、さらに、導電線の
露出部と、並列端子部分も同様の樹脂で絶縁封止した。
【0041】並列端子の一端部には、電源コードの圧着
のための端子を施し、電源コードを電気的および機械的
に接続した。この接続部分の電路も、同様の樹脂によっ
て絶縁被覆した。こうして作成された並列構造物のヒー
タモジュールの部分を、厚さ5mmの鉄板を用いて作成
した伝熱板に形成されている嵌入部の天面部の下面に接
着剤(積水化学工業製 エスダイン#680)で接着
し、さらに、嵌入部に発泡ポリエチレンで成形された断
熱部材を嵌め入れた。
【0042】こうして得られたヒータ装置は、優れた防
水性を有し、かつ広い面積を温めることができた。ま
た、地熱を路面(作用面)に伝達することができ、した
がって、ロードヒーティングなどの用途に適しているこ
とが確認された。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、伝熱部材
に取り付けられたヒータモジュールは、断熱材によって
覆われているので、ヒータモジュールから発生した熱は
すべて伝熱部材に与えられる。これにより、路面を効率
的に加温できる。また、正特性サーミスタ素子を用いて
構成されているから、温度センサや発熱量制御装置など
を別途設ける必要がなく、イニシャルコストを低減する
ことができる。
【0044】さらに、ヒータ取付面に形成されている地
熱受熱面を介して地中に蓄えられている地熱を路面側に
伝達することが可能である。よって、路面温度が比較的
高いときには、地熱によって路面温度を高温に保つこと
ができ、消費電力量が少ない。請求項2記載の発明によ
れば、下面が地熱受熱面とされた連結部を介して地熱を
路面側に伝達できる。
【0045】請求項3記載の発明によれば、導電線が正
特性サーミスタ素子の発熱などによって熱膨張しても、
熱膨張による長さ変化を吸収でき、断線するおそれがな
い。請求項4記載の発明によれば、セラミックス半導体
は熱膨張が小さいので、熱膨張によって機械的な応力が
生じることによる故障が発生するおそれがない。請求項
5記載の発明によれば、地熱受熱面の全面積が、ヒータ
取付面の全面積の少なくとも10%以上であるのが好ま
しく、このとき地熱を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るロードヒータ装置の
使用状態を示す断面図である。
【図2】上記ロードヒータ装置の分解斜視図である。
【図3】ヒータモジュールの構造を説明するための図で
ある。
【図4】図4の切断面IV−IVから見たヒータモジュール
の断面図である。
【図5】PTC素子発熱体と導電線との結合構造を示す
斜視図である。
【図6】ヒータモジュールへの給電のための構成を示す
平面図である。
【図7】ヒータモジュールの先端の封止構造を示す斜視
図である。
【図8】ヒータモジュールの基端部付近の封止構造を示
す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るロードヒータ装置
の使用状態を示す断面図である。
【図10】本発明の変形例を説明するための平面図であ
る。
【図11】本発明の他の変形例を説明するための平面図
である。
【符号の説明】
1,100 ロードヒータ装置 11 PTC素子発熱体 12,13 導電線 50,80 伝熱板 51 天面板 52,53 側面板 54 連結板 H1〜H6,H10 ヒータモジュール T1〜T6,T10〜T12 断熱部材 M1〜M6 嵌入部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】路面を加温するためのロードヒータ装置で
    あって、 一方表面が放熱面とされており、他方表面がヒータ取付
    面とされた伝熱部材と、 この伝熱部材のヒータ取付面に取り付けられ、正特性サ
    ーミスタ素子を絶縁材料で被覆することによってテープ
    状に形成されたヒータモジュールと、 上記伝熱部材のヒータ取付面側においてヒータモジュー
    ルを覆うように配置された断熱材とを含み、 上記伝熱部材のヒータ取付面には、上記断熱材から露出
    して地熱を受容すべき地熱受熱面が形成されていること
    を特徴とするロードヒータ装置。
  2. 【請求項2】上記伝熱部材は、天面部と、天面部から立
    ち下がる一対の側面部と、側面部の下端縁から天面部と
    平行に延設されている連結部とを有し、 天面部の下面には、上記ヒータモジュールが取り付けら
    れており、 天面部および一対の側面部によって区画されている空間
    内に、上記断熱材が嵌め込まれており、 連結部の下面が上記地熱受熱面とされていることを特徴
    とする請求項1記載のロードヒータ装置。
  3. 【請求項3】上記ヒータモジュールは、正特性サーミス
    タ素子へ給電するための一対の導電線を有し、 上記一対の導電線は、複数本の素線がより合わされてい
    るより線、または複数本の素線が互いに絡み合うように
    集合している編組線で構成されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のロードヒータ装置。
  4. 【請求項4】上記正特性サーミスタ素子は、セラミック
    ス半導体によって構成されていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載のロードヒータ装
    置。
  5. 【請求項5】上記地熱受熱面の全面積は、上記ヒータ取
    付面の全面積の少なくとも10%以上であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のロー
    ドヒータ装置。
JP20369696A 1996-08-01 1996-08-01 ロードヒータ装置 Pending JPH1046515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20369696A JPH1046515A (ja) 1996-08-01 1996-08-01 ロードヒータ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20369696A JPH1046515A (ja) 1996-08-01 1996-08-01 ロードヒータ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1046515A true JPH1046515A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16478339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20369696A Pending JPH1046515A (ja) 1996-08-01 1996-08-01 ロードヒータ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1046515A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133951A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Panasonic Corp 面状発熱体
JP2017082491A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 積水化成品工業株式会社 融雪ヒーター
JP2017180005A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 積水化成品工業株式会社 融雪ヒーター
KR20180083539A (ko) * 2017-01-13 2018-07-23 쿠어스택 가부시키가이샤 면형 히터
US10674566B2 (en) 2017-03-02 2020-06-02 Coorstek Kk Planar heater

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133951A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Panasonic Corp 面状発熱体
JP2017082491A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 積水化成品工業株式会社 融雪ヒーター
JP2017180005A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 積水化成品工業株式会社 融雪ヒーター
KR20180083539A (ko) * 2017-01-13 2018-07-23 쿠어스택 가부시키가이샤 면형 히터
US10674566B2 (en) 2017-03-02 2020-06-02 Coorstek Kk Planar heater

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4814584A (en) Profiled PCT heater for heating a tubular member
MA29473B1 (fr) Radiateur à limite de température et à conducteur isolé pour chauffage en subsurface couplé dans une configuration triphasée en « y »
US7495195B2 (en) Electric heating device
JP3720365B2 (ja) ヒータおよびその製造方法
JPH1046515A (ja) ロードヒータ装置
US4721848A (en) Electrical heater
KR200235499Y1 (ko) 정 특성 서미스터 소자를 이용한 히터
JP4189300B2 (ja) 地面の加温構造とその施工方法
JPH1060958A (ja) ヒータ装置およびヒータ付配管
JPH09306645A (ja) 面状発熱装置
JPH11241305A (ja) 融雪装置
JP3209932B2 (ja) 構造物埋設用融雪システム
CN211831223U (zh) 一种高安全性的发热电缆
JP2878125B2 (ja) 水道管凍結防止用ヒータ
JP3053958U (ja) 構造物埋設用融雪システム
JPS6231995Y2 (ja)
KR200284993Y1 (ko) 도전성 고무로 구성되는 발열 장치를 갖는 김치 냉장고
JP5576206B2 (ja) 建物の軒先構造
JPH083479Y2 (ja) 不凍型水道管
JP3330537B2 (ja) 屋根軒先用ヒータ装置およびこれを備えた屋根
JPH07153554A (ja) 発熱装置
JP3102748U (ja) Ptc加熱装置
JPH04174993A (ja) 発熱体及び該発熱体を利用した屋根用融雪装置並びに床暖房装置
JP4386808B2 (ja) 融雪装置及び融雪方法
KR0129327Y1 (ko) 난방용 전기 발열체