JP4189300B2 - 地面の加温構造とその施工方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、寒冷地等における屋外駐車場や住宅建物の玄関周りあるいは道路などのコンクリート舗装面やアスファルト舗装面等の地面を加温して、融雪や凍結防止を行う加温構造とその施工方法に関するものである。
この種の加温構造にはテープ状のヒータ線を蛇行して配線するものがある(例えば、下記特許文献1参照)。
特開平10−46515号公報
かかるテープ状のヒータ線は柔軟性を有しているため、直線的に配線するのみならず蛇行して配線することもできるという利点を有しているが、偏平の断面形状を有するものであるため、ヒータ線をその幅方向が水平方向となるように、いわゆる横置きで蛇行配線すると、その湾曲した折り返し部分においてヒータ線に捻れが生じることが判明した。上述したようにヒータ線は柔軟性を有しているので、ある程度の捻れは許容できるものの、長期の使用を考慮するとその捻れによって折り返し部分が損傷するおそれもあり、何れにしても長期の使用に対する耐久性に関して改善の余地があった。
それゆえに本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ、テープ状のヒータ線を蛇行して配線する場合においてその折り返し部分における捻れの発生を防止して折り返し部分の耐久性を高めることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、地中にテープ状のヒータ線が蛇行して配線されている地面の加温構造を施工する方法であって、既設のコンクリート舗装面に溝を形成し、該溝の両側面を目地形成用板材でそれぞれ覆い、両目地形成用板材間に、上面に凹溝が形成された位置決め部材を敷設し、該位置決め部材の凹溝にヒータ線をその一部が位置決め部材よりも上方に突出するように幅方向を上下にして嵌め込みながら配線し、該溝にコンクリートを流し込んで固めた後に前記目地形成用板材を抜き取り、該抜き取り後に形成された隙間にアスファルトを流し込んで目地部を形成することを特徴とする。
該構成の加温構造の施工方法にあっては、テープ状のヒータ線の幅方向が上下方向となるようにして該ヒータ線が配線されることで、蛇行しながら配線されていてもヒータ線の折り返し部分に捻れが生じることがない。また、該施工方法にあっては、既設のコンクリート舗装面に溝を形成してその溝に位置決め部材と共にヒータ線を入れるので、既設のコンクリート舗装面に簡単に加温構造を施工することができる。そして、その施工に際して、目地形成用板材を使用してアスファルトからなる目地部を形成するので、既設のコンクリートと溝に流し込んだコンクリートとの接着強度を十分に確保することができ、アスファルトからなるので目地部の耐久性にも優れている。また、目地部のアスファルトがコンクリート間の緩衝材としても機能するので、溝との境界付近のコンクリートが剥がれたり砕けたりすることが防止される。本発明においては、位置決め部材を全面に敷設するのではなくヒータ線の下側のみに敷設するので、溝も配線経路に応じて蛇行して形成することになる。従って、溝との境界部分におけるコンクリートの剥がれや破損が全面敷設の場合に比して構造上発生し易いが、上述したように溝との境界部分にアスファルトからなる目地部が形成されているので、この剥がれや破損を目地部によって効果的に防止することができるのである。
また、前記ヒータ線は、その幅方向の1/2乃至2/3が前記位置決め部材から突出していることが好ましい。前記ヒータ線が位置決め部材よりも上方に突出するように嵌め込まれていることで、位置決め部材から突出した部分が露出し、上方への熱の伝達を効率よく行なうことができる。
また、前記位置決め部材は、断熱材からなるものであると、ヒータ線から発生した熱の下方への伝達が断熱材によって遮られるので、この発生した熱はほとんど全て上方へ伝達され、効率よく地面を加温することができる。そして、ヒータ線の下方全面に隙間なく断熱材を敷設するのとは異なりヒータ線の下側のみに断熱材が敷設されているので、断熱材が敷設されていない領域を介して地熱を有効に利用して地面を加温することもでき、省エネルギーになる。また、凹溝にヒータ線を嵌め込む構造であるために施工時にヒータ線を容易に配線することができる。即ち、断熱材は所定幅を有するレール状であるために、断熱材を全面に敷設する場合に比してその断熱材とヒータ線との位置ずれ、即ち、ヒータ線の延設方向と直交する方向の位置決めが問題となるが、凹溝にヒータ線を嵌め込む構造であるためにこの位置決めが容易且つ確実なものとなり、断熱材とヒータ線との相対位置関係を正確に確保することができる。そして、施工後においてもこの相対位置関係が維持されているので、上述したような断熱材による下方への熱の伝達の遮断効果と、断熱材を設けない領域における地熱の有効利用とが、所望どおりに両立されるのである。
更に、前記位置決め部材がヒータ線の配線経路に対応してヒータ線の下側に連続的に敷設されていることが好ましい。ヒータ線がいわゆる縦置きの配線状態であるために折り返し部分における捻れが生じないものであることは上述したとおりであるが、捻れが生じないために直線部分のみならず折り返し部分においても確実に凹溝に嵌め込むことができて折り返し部分の位置決め、配線も容易且つ確実に行うことができる。そして、ヒータ線を横置きで配線する場合と異なり、折り返し部分の下側にも位置決め部材を敷設することができる。
また本発明に係る地面の加温構造の施工方法は、地中にテープ状のヒータ線が蛇行して配線されている地面の加温構造を施工する方法であって、既設のコンクリート舗装面に溝を形成し、該溝の両側面を目地形成用板材でそれぞれ覆い、両目地形成用板材間に、上面に凹溝が形成された所定幅を有するレール状の断熱材を敷設し、該断熱材の凹溝にヒータ線をその幅方向を上下にして嵌め込みながら配線し、該溝にコンクリートを流し込んで固めた後に前記目地形成用板材を抜き取り、該抜き取り後に形成された隙間にアスファルトを流し込んで目地部を形成することを特徴とする。
該施工方法にあっては、既設のコンクリート舗装面に溝を形成してその溝に断熱材と共にヒータ線を入れるので、既設のコンクリート舗装面に簡単に加温構造を施工することができる。そして、その施工に際して、目地形成用板材を使用してアスファルトからなる目地部を形成するので、既設のコンクリートと溝に流し込んだコンクリートとの接着強度を十分に確保することができ、アスファルトからなるので目地部の耐久性にも優れている。また、目地部のアスファルトがコンクリート間の緩衝材としても機能するので、溝との境界付近のコンクリートが剥がれたり砕けたりすることが防止される。本発明においては、断熱材を全面に敷設するのではなくヒータ線の下側のみに敷設するので、溝も配線経路に応じて蛇行して形成することになる。従って、溝との境界部分におけるコンクリートの剥がれや破損が全面敷設の場合に比して構造上発生し易いが、上述したように溝との境界部分にアスファルトからなる目地部が形成されているので、この剥がれや破損を目地部によって効果的に防止することができるのである。
以上のようにテープ状のヒータ線をいわゆる縦置きで蛇行配線するので、折り返し部分に生じやすい捻れを確実に防止することができ、従来の横置き配線に比して長期の使用に対する耐久性を大きく向上することができる。
以下、本発明に係る地面の加温構造とその施工方法の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1に本実施形態における地面の加温構造を地面部分を除いて平面的に示したものである。該加温構造は、平面視蛇行して配線された長尺テープ状のヒータ線3と、該ヒータ線3の配線経路に対応してその下側に連続的に敷設された所定幅を有する位置決め部材とを備えている。また、該位置決め部材は、レール状の断熱材1からなるものである。
ヒータ線3は、直線部分3aと隣接する直線部分3aの端部同士を連結するようにU字状に湾曲された折り返し部分3bとが交互に繰り返されるように蛇行状に引き回されている。直線部分3a同士は互いに平行であり、互いの離間距離や直線部分3aの長さも一定である。尚、ヒータ線3の埋設深度は例えば50乃至100mmである。
かかるヒータ線3は、テープ状、即ち、偏平の断面形状を有するものである。詳細には、図3にその横断面を示しているようにトラック状の断面を有している。即ち、円弧状の両側面3c(幅方向の両端部)と平坦な上面3d、下面3eとを有する長円形断面である。寸法の一例を挙げれば、幅(長辺の長さ)が18.5mmで、厚み(短辺の長さ)が7.5mmである。
ここで、ヒータ線3の構造について説明すると、該ヒータ線3は、いわゆる自己温度制御型のヒータである。詳細には、正温度特性(PTC(Positive Temperature Coefficient)特性)を有する複数個の正特性サーミスタ素子31を備えている。該正特性サーミスタ素子31は、例えば、チタン酸バリウムを主成分とするほぼ直方体形状のセラミックス半導体であり、室温からキュリー温度(抵抗急変温度)までは低抵抗であるが、キュリー温度を超えると急に抵抗値が増大する特性を有する感熱素子である。この特性により、正特性サーミスタ素子31は、キュリー温度を下回る温度下において電圧が印加されると、最初は低温であるために抵抗値が小さいので大電流が流れ、正特性サーミスタ素子31の温度が急激に上昇する。そして、正特性サーミスタ素子31の温度がキュリー温度を超えると、抵抗値が急に増大するために電流量が減少し、その結果、正特性サーミスタ素子31の発熱量は減少する。そのため、正特性サーミスタ素子31は、一定温度以上に温度が上がることがなく、一定温度で安定して熱平衡状態を保つ。即ち、正特性サーミスタ素子31は、自己温度制御機能を有している。従って、発熱量制御のための温度制御回路や過熱防止回路を別途設ける必要がない。
尚、正特性サーミスタ素子31のキュリー温度は、例えば、正特性サーミスタ素子31の材料組成や焼成条件(焼成温度、焼成時間など)を変更することによって、適当な範囲内で任意に変更することが可能であり、例えば、70℃に設定される。また、正特性サーミスタ素子31は、例えば、幅6mm×長さ8.3mm×厚み1.7mmの直方体形状に形成されていて、その長さ方向の両端部が金属端子33に保持されている。これらの金属端子33の外方にはそれぞれ上下一対の突片38が設けられ、該上下一対の突片38間にそれぞれ給電線32a,32bが挟み込まれるようにして固定され、これにより、正特性サーミスタ素子31は給電線32a,32b間に跨った状態に接続されている。尚、正特性サーミスタ素子31の表面の金属端子33が当接する部分(例えば、幅6mm×長さ2mmの部分)には、オーム性を有する電極34が形成されていて、正特性サーミスタ素子31と電極34とはオーム性接続をなしている。
以上の発熱構造物の製法を概説すると、まず、正特性サーミスタ素子31の長辺の両側に金属端子33を圧入する。この金属端子33の表面には半田合金が鍍金されており、この金属端子33を圧入した素子31を熱処理することで端子33の表面の半田層が溶融して電極34に接着する。これにより、正特性サーミスタ素子31と金属端子33との電気的接触が確実なものとなる。次に、二本の給電線32a,32b(錫めっき銅線)を50mm送って一旦停止させる機構にて流し、その停止したタイミングで上記の金属端子33付きの素子31を給電線32a,32b間に挿入する。このとき、各給電線32a,32bは、金属端子33の両側の上下一対の突片38の間に配置されるようにする。次いで上下一対の突片38を給電線32a,32bの形状(円形)に沿わせて湾曲させるように上下に圧縮し、これによって二本の給電線32a,32bが端子33に圧着され、両者の電気的接触が確保される。
以上の工程により、複数個の正特性サーミスタ素子31が50mmの間隔をあけて配置された、複数個の正特性サーミスタ素子31及び一対の給電線32a,32bからなる全体として梯子状の発熱構造物が得られる。この梯子状の構造物は、電気絶縁性を有する柔軟な合成樹脂(例えば、初期の最大点伸度280%の軟質塩化ビニル系樹脂)からなる内被覆部材35によって被覆されている。内被覆部材35は、正特性サーミスタ素子31及び給電線32a,32bからなる梯子状の構造物を上下から挟み込むようにして押出成形されて、この梯子状の構造物を絶縁封止している。内被覆部材35の表面は、複数本の金属細線を編んで形成された金属編組カバー36で被覆されている。金属編組カバー36は、例えば、直径0.12mmの金属細線(錫めっき銅線)を7本束ねてなる集合線を24本作成し、この24本の集合線を格子状に編み上げることによって筒状に形成されており、内被覆部材35の表面に50%の被覆率(内被覆部材35の全表面積に対する金属編組カバー36で被覆されている部分の面積の割合)で密着している。この金属編組カバー36で被覆されてなる内部構造物は、さらに、電気絶縁性を有する柔軟な合成樹脂からなる外被覆部材37によって被覆されている。外被覆部材37は、内部構造物を上下から挟み込むように押出成形されて、その内部構造物を絶縁封止している。
この構成により、正特性サーミスタ素子31からの発熱は、内被覆部材35を介して金属編組カバー36に与えられ、この金属編組カバー36を伝導して、金属編組カバー36のほぼ全域から外被覆部材37に与えられる。よって、ヒータ線3は、ほぼ均一な表面温度特性を発揮することができ、外被覆部材37の表面において、正特性サーミスタ素子31に対向する部分と互いに隣接する正特性サーミスタ素子31の間に対向する部分とでほぼ同じ発熱温度を得ることができる。また、金属編組カバー36及び外被覆部材37が設けられていることにより、外部からの損傷(傷付き)や折曲に対する強度が増す。ゆえに、このヒータ線3が蛇行状に配線されても、その折り返し部分3bで給電線32a,32bの断線などを生じるおそれがなく、また、ヒータ線3を用いた加温構造が屋外駐車場の地面を加温するための構造として適用されても、温度変化に伴う伸縮による給電線32a,32bの断線を生じたり、自動車や人の往来による応力が加わることによる給電線32a,32bの断線や金属端子33からの正特性サーミスタ素子31の脱落を生じたりするおそれがなく、さらに、優れた防水性と絶縁性を発揮する。金属編組カバー36は、極細の金属細線を用いて構成されたものであるから、この金属編組カバー36を設けたことにより、ヒータ線3の柔軟性が損なわれることはない。しかも、正特性サーミスタ素子31の幅に対して互いに隣り合う正特性サーミスタ素子31間の間隔が十分に長いから、ヒータ線3は良好な柔軟性を発揮し、その施工時に楽に蛇行状に引き回すことができる。また、正特性サーミスタ素子31は一定温度以上には発熱しないので、正特性サーミスタ素子31の異常発熱によって地面が異常加熱されるといったおそれがない。尚、正特性サーミスタ素子31としてチタン酸バリウムを主成分とするセラミックス半導体を用いる代わりに、樹脂中にカーボンまたは金属粉末を練り込んだ樹脂製のものを用いてもよい。但し、強度、耐久性の観点から、セラミックス半導体が好ましい。また、金属編組カバー36を構成する集合線の本数、1本の集合線を構成する金属細線の本数、金属細線の直径、金属編組カバー36による内被覆部材35の表面の被覆率など、上述した具体的数値は単なる一例であって、良好な表面温度分布特性が得られるように、それぞれが適当な範囲内の数値に設定される。例えば、金属編組カバー36を構成する集合線の本数は、12乃至24本の範囲内で設定され、金属細線の直径は0.1乃至0.15mmの範囲内で設定され、金属編組カバー36による内被覆部材35の被覆率は50乃至90%の範囲内で設定されることが好ましい。
ヒータ線3は以上のような構造であるが、実際の施工に際しては所定長さ、例えば、25mに切断して使用する。従って、ヒータ線3の端末部2は例えば以下のような処理がなされている。例えば、ヒータ線3の延設方向に所定の間隔をおいて配置されている正特性サーミスタ素子31がない部分でヒータ線3を切断し、その切断面に露出した二本の給電線32a,32b及び金属編組カバー36が互いに接触しないように切り口を処理する。このように処理した切り口を、ヒータ線3の断面形状に対応した凹部を有する合成樹脂製の封止部材の前記凹部に挿入する。その際、凹部内に防水性の接着剤等を流し込む等することで防水性、絶縁封止性を向上させることができる。尚、図1において、符号4は接続部であって、該接続部4を介して電源ケーブル5がヒータ線3に接続されている。
一方、ヒータ線3の下側に敷設されたレール状の断熱材1は、図1に示すように、ヒータ線3の配線経路と同じく蛇行状に敷設されている。該断熱材1を一つの部材から構成することも可能ではあるが、直線部分1aとU字状の折り返し部分1bとに分割した構造が好ましい。分割構造である場合には、互いに凹凸嵌合する接合構造を採用することが好ましい。そして、図4の如く、該断熱材1の上面には凹溝11が形成されている。該凹溝11はヒータ線3を縦置きにした状態で嵌め込むことができる程度の幅を有している。即ち、ヒータ線3の幅方向が上下方向となるようにして凹溝11にヒータ線3が嵌り込む。従って、凹溝11の幅はヒータ線3の厚さと略等しい。また、凹溝11の深さは縦置きのヒータ線3が1/2から1/3程度嵌り込む深さが好ましい。凹溝11の寸法は、例えば、幅7.5mm、深さ7乃至10mmである。
また、断熱材1は緩衝材としても機能することが好ましく、これにより地面に作用する繰り返し高荷重にも耐えうる丈夫な加温構造が得られる。断熱材1は、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の発泡樹脂の成形品(ビーズ発泡粒子の型内成形品や押出成形品を切削加工したもの)からなる。尚、断熱材1の材質としてポリスチレンを使用する場合であって、ヒータ線3の外被覆部材37の材質が耐熱ビニル混合物である場合には、その耐熱ビニル混合物の可塑剤(フタル酸エステル)が断熱材1に移行して断熱材1が溶ける場合があるので、凹溝11の表面には樹脂フィルムあるいは金属箔によるコーティングを行って可塑剤の移行を防止することが好ましい。また、断熱材1の断面形状についても種々の形状が採用可能であるが、下方に向けて徐々に幅広となる形状を採用すれば、上部からの応力を分散できるので、好ましい。
図5に以上のようなヒータ線3と断熱材1とを適用した加温構造の断面を概略的に示している。この加温構造は、路床等の下地7上に断熱材1を連続的に蛇行状に敷設し、その断熱材1の凹溝11にヒータ線3を縦置きにして順次嵌め込みながら配線し、その後、鉄筋8を配設したうえで、コンクリートを流し込んで表層部6(舗装部)を形成する。尚、断熱材1と下地7との間にコンクリートを流し込んでもよく、その場合において、鉄筋8を断熱材1と下地7との間に設けたり、あるいは、断熱材1と下地7との間と断熱材1の上方の二箇所にそれぞれ鉄筋8を設けてもよい。
また、既設のコンクリート舗装面に加温構造を施工する場合には、図6のようにする。即ち、既設のコンクリート舗装面における表層部6にダイヤモンドカッター等によって溝20を連続的に蛇行状に形成する。そして、その溝20に目地形成用板材を左右一対挿入して両板材で溝20の両側面を覆い、両板材間に断熱材1を敷設する。尚、断熱材1は溝20の底面上に設置させる。その後、断熱材1の凹溝11にヒータ線3を嵌め込みながら配線し、溝20にコンクリートを流し込んで固めて溝内コンクリート層22を形成する。このコンクリートが固まった後に前記板材を除去し、除去後に形成された左右一対の隙間にアスファルトを流し込んで、アスファルトからなる目地部21を形成する。尚、溝内コンクリート層22内に鉄筋8を配設してもよい。尚、この場合、アスファルトが断熱材1に接触するので、断熱材1には220℃程度の耐熱性が必要となり、断熱材1には、シリコン発泡成形体やポリエステル系樹脂発泡体(結晶化度の高いもの)、あるいはガラス繊維の成形体を使用するが、特に、シリコン発泡成形体が好ましい。また、表層部6自体もアスファルトから構成する場合にはヒータ線3の外被覆部材37には例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を使用して耐熱性を確保する。
以上のような加温構造にあっては、テープ状のヒータ線3を縦置きにして蛇行させているので、折り返し部分3bにおいて捻れが生じるおそれがなく耐久性に優れる。そして、ヒータ線3の折り返し部分3bの下側にも該折り返し部分3bに対応して断熱材1が敷設されているので、折り返し部分3bにおいても下方への熱が遮断されるうえに地熱も有効に利用できる。しかも、凹溝11にヒータ線3を嵌め込むので、縦置きであってもヒータ線3を安定させることができ、ヒータ線3の配線作業も楽に行える。また、縦置きにすることによって、縦置きのヒータ線3の一方の側部を凹溝11に嵌め込みながらも他方の側部を断熱材1から上方に突出、露出させることが容易にできるので、断熱材1から上方に突出した部分で熱を上部へと効率よく伝達することができるという利点がある。
更に、図6に示したように目地形成用板材を使用して既設のコンクリート舗装面に加温構造を施工すると、アスファルトからなる目地部21によって溝内コンクリート層22と既設のコンクリートからなる表層部6との接着性が良好となり、しかも、目地部21が緩衝機能も発揮して表層部6や溝内コンクリート層22の剥がれ等を防止できる。
尚、上記実施形態では、レール状の断熱材1をヒータ線3の配線経路に対応してヒータ線3の下側に隙間なく連続的に敷設したが、ヒータ線3を横断するような隙間が部分的に存在しても実質上ヒータ線3の配線経路に対応して連続的に敷設されていればよい。また、例えば、ヒータ線3の直線部分3aの下側のみに断熱材1aを敷設したりするなど、ヒータ線3の配線経路に対応して連続的に敷設するのではない敷設態様であってもよい。更には、断熱材3を全面に敷設したり、逆に断熱材3を全く敷設しない場合であってもよい。
本発明の一実施形態に係る加温構造の概略平面図。 同加温構造に使用されているヒータ線の一部破断部分を含む平面図。 図2のP−P線断面図。 図1のQ−Q線断面図。 同加温構造を適用した施工例を示す断面図。 同加温構造を適用した他の施工例を示す断面図。
符号の説明
1…断熱材、2…端末部、3…ヒータ線、3a…直線部分、3b…折り返し部分、4…接続部、5…電源ケーブル、6…表層部、7…下地、8…鉄筋、11…凹溝、20…溝、21…目地部(目地形成用板材)、22…溝内コンクリート層、31…正特性サーミスタ素子、32a,32b…給電線、33…金属端子、34…電極、35…内被覆部材、36…金属編組カバー、37…外被覆部材、38…突片

Claims (5)

  1. 地中にテープ状のヒータ線が蛇行して配線されている地面の加温構造を施工する方法であって、既設のコンクリート舗装面に溝を形成し、該溝の両側面を目地形成用板材でそれぞれ覆い、両目地形成用板材間に、上面に凹溝が形成された位置決め部材を敷設し、該位置決め部材の凹溝にヒータ線をその一部が位置決め部材よりも上方に突出するように幅方向を上下にして嵌め込みながら配線し、該溝にコンクリートを流し込んで固めた後に前記目地形成用板材を抜き取り、該抜き取り後に形成された隙間にアスファルトを流し込んで目地部を形成することを特徴とする地面の加温構造の施工方法。
  2. 前記位置決め部材は、所定幅を有するレール状の断熱材からなる請求項1記載の地面の加温構造の施工方法
  3. 前記ヒータ線は、その幅方向の1/2乃至2/3が前記位置決め部材から突出している請求項1又は2に記載の地面の加温構造の施工方法
  4. 前記位置決め部材がヒータ線の配線経路に対応してヒータ線の下側に連続的に敷設されている請求項1乃至3のいずれか一つに記載の地面の加温構造の施工方法
  5. 地中にテープ状のヒータ線が蛇行して配線されている地面の加温構造を施工する方法であって、既設のコンクリート舗装面に溝を形成し、該溝の両側面を目地形成用板材でそれぞれ覆い、両目地形成用板材間に、上面に凹溝が形成された所定幅を有するレール状の断熱材を敷設し、該断熱材の凹溝にヒータ線をその幅方向を上下にして嵌め込みながら配線し、該溝にコンクリートを流し込んで固めた後に前記目地形成用板材を抜き取り、該抜き取り後に形成された隙間にアスファルトを流し込んで目地部を形成することを特徴とする地面の加温構造の施工方法。
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