JP4043392B2 - 地面加温構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、屋外駐車場や住宅建物の玄関周りなどの地面(コンクリートまたはモルタル舗装地面)を加温するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷地方(降雪地方)では、屋外駐車場や住宅建物の玄関先における積雪および凍結の防止が課題となっている。
たとえば、下記特許文献1(特開平5−10533号公報)には、屋外駐車場用の路面構造として、コンクリートまたはモルタルで形成された基礎材層上に、熱媒循環用パイプまたは発熱体を埋め込んだ蓄熱材層を設けた構造が開示されている。熱媒循環用パイプまたは発熱体の直下には、蓄熱材層の補強のためのワイヤメッシュが蓄熱材層に埋没した状態で設けられている。また、蓄熱材層上には、アスファルトまたはコンクリートからなる表面材層が設けられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−10533号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術では、発熱体として、線状ヒータまたは面状ヒータが一般に用いられるとされている。ところが、面状ヒータを用いた場合、その面状ヒータの介在によって、蓄熱材層のワイヤメッシュよりも下層の部分と面状ヒータよりも上層の部分とが隔絶されてしまうので、ワイヤメッシュを設けているにもかかわらず、蓄熱材層に十分な強度を持たせることができない。したがって、発熱体には、線状ヒータを用いることが好ましい。
【0005】
線状ヒータとしては、ニッケルおよびクロムの比較的硬い合金からなる電熱線が最も一般的である。しかし、このような電熱線を用いた構成では、季節変化(気温変化)に伴う地盤の熱伸縮や発熱に伴う電熱線の熱伸縮によって生じる応力を吸収しにくく、そのために、蓄熱材層に割れを生じたり、電熱線の断線を生じたりするおそれがある。
また、アスファルトやコンクリートは、ある程度の蓄熱作用を有する材料として一般に知られている。したがって、アスファルトまたはコンクリートからなる表面材層を有するにもかかわらず、その下層に蓄熱材層を設けることは、コストの面から好ましいとは言えない。表面材層を省略することも考えられるが、蓄熱材層は、パラフィン類と炭化水素系有機高分子とを混合して形成されていて、自動車や人の往来による荷重に耐えうる強度を有しないため、蓄熱材層の割れや電熱線の断線の問題を回避することができない。
【0006】
そこで、この発明の目的は、屋外駐車場や住宅建物の玄関先などの地面を良好に加温することができ、かつ、十分な強度を有する地面加温構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、少なくとも一方端辺上に壁面が立設された土地の地面を加温するための構造であって、基礎地盤(1)上に配設されており、複数本の金属棒(21)を格子状に組むことによって形成された金属メッシュ(2)と、この金属メッシュ上で蛇行状に引き回されており、複数個の正特性サーミスタ素子(31)をほぼ等間隔で一対の給電線(32a,32b)間に並列接続して形成された発熱構造物を樹脂製の被覆部材(35)で絶縁被覆し、さらに複数本の金属細線を編み上げて構成された金属編組カバー(36)で上記被覆部材の表面を被覆した構成を有する帯状ヒータ(3)と、上記金属メッシュおよび帯状ヒータが配設された基礎地盤上にセメント材を流し込むことによって形成されて、上記金属メッシュおよび帯状ヒータを一体的に封じ込めており、その上面が地面をなしている表面舗装層(4)とを含み、上記帯状ヒータは、直線状に延びた直線状部分(3A)とU字状に屈曲した屈曲部分(3B)とが交互に繰り返されるように蛇行状に配設されていて、互いに隣り合う直線状部分間の間隔が広い部分と狭い部分とを有し、一壁面に沿った所定幅の領域(A1)で互いに隣り合う直線状部分間の間隔(D1)が相対的に狭く、当該所定幅の領域よりも上記一壁面から遠方の領域(A2)で互いに隣り合う直線状部分間の間隔(D2)が相対的に広くなるように引き回されていることを特徴とする地面加温構造である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構造によれば、表面舗装層内に金属メッシュおよび帯状ヒータが一体的に封じ込められているので、金属メッシュによる表面舗装層の補強効果を十分に得ることができ、自動車や人の往来による応力負荷に耐えうる十分な強度を表面舗装層に持たせることができる。
【0009】
また、帯状ヒータに金属編組カバーが設けられていることにより、外部から加えられる力や折り曲げに対する強度が増す。よって、帯状ヒータが蛇行状に配設されても、その屈曲部分で給電線の断線などを生じるおそれがなく、また、この地面加温構造が屋外駐車場の地面などを加温するための構造として適用されても、温度変化に伴う伸縮による給電線の断線を生じたり、自動車や人の往来による応力が加わることによる給電線の断線や給電線と正特性サーミスタ素子との断絶を生じたりするおそれがない。さらに、優れた防水性および絶縁性を発揮することができる。
また、特に加温したい部分が存在する場合に、その部分において互いに隣り合う直線状部分間の間隔を狭くすることにより、その部分に大きな熱量を与えることができる。
帯状ヒータを、一壁面に沿った所定幅の領域で互いに隣り合う直線状部分間の間隔が相対的に狭く、当該所定幅の領域よりも一壁面から遠方の領域で互いに隣り合う直線状部分間の間隔が相対的に広くなるように引き回すことにより、壁面を有している壁上の積雪が駐車場側に落下して、その壁面の近傍に雪が堆積した場合に、その堆積した雪を帯状ヒータからの発熱によって良好に融かすことができる。
【0010】
上記セメント材は、コンクリート材であってもよいし、モルタル材であってもよい。
請求項2記載の発明は、上記金属メッシュは、基礎地盤との間に所定の間隔を開けて配設されていることを特徴とする請求項1記載の地面加温構造である。
この構造によれば、基礎地盤と金属メッシュとの間に所定の間隔が生じているので、金属メッシュおよび帯状ヒータの配設後に基礎地盤上にセメント材を流し込んだときに、そのセメント材が金属メッシュの下方にも回り込む。これにより、表面舗装層の金属メッシュよりも下層の部分と帯状ヒータよりも上層の部分とが隔絶するおそれがなく、表面舗装層内に金属メッシュおよび帯状ヒータを一体的に封じ込めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る地面加温構造を説明するための簡略化された斜視図であり、図2は、簡略化された断面図である。この地面加温構造は、とくに、寒冷地方において屋外駐車場の地面(地表面)を加温するのに好適な構造であって、この地面加温構造によって加温されるべき領域(加温対象領域)Aの地面を掘り下げて露出した基礎地盤1上にほぼ水平に配設された金属メッシュ2と、この金属メッシュ2上に配設された長尺な帯状ヒータ3と、金属メッシュ2および帯状ヒータ3を一体的に封じ込んでおり、その上面が加温対象領域Aの周囲とほぼ面一な地面をなしている表面舗装層4とを含む。なお、図1には、表面舗装層4が形成される前の状態、つまり基礎地盤1上に金属メッシュ2および帯状ヒータ3を配設した状態が示されている。
【0014】
金属メッシュ2は、たとえば、複数本の金属棒21を50〜200mmのピッチ(互いに隣接する金属棒間の間隔)で格子状に組むことによって形成されている。金属棒21は、鉄、ステンレス(SUS304)などの金属材料を用いて、直径が2.6〜6.0mmの円棒状に形成されており、表面舗装層4の応力歪みを防止できる適当な強度を有している。また、金属メッシュ2は、基礎地盤1から上方に離れて配置されており、基礎地盤1と金属メッシュ2との間には、所定の間隔(たとえば、50〜125mm)が生じている。
【0015】
帯状ヒータ3は、優れた柔軟性を有していて、直線状に延びた部分(直線状部分)31とU字状に屈曲した部分(屈曲部分)3Bとが交互に繰り返されるように蛇行状に引き回されており、たとえば、プラスチック製の留め具を用いて、金属メッシュ2に複数箇所で固定されている。帯状ヒータ3の埋設深度は、50〜100mmであって、帯状ヒータ3からの発熱が表面舗装層4を伝播して地面を良好に加温できるようになっている。
【0016】
また、この実施形態では、屋外駐車場の一方側に塀Wが立設されており、帯状ヒータ3は、塀Wの近傍の領域A1では互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔D1が75mmとなり、その領域A2よりも塀Wから離れた領域A2では互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔D2が150mmとなるように引き回されている。これにより、塀W上の積雪が駐車場側に落下して、その塀Wの近傍に雪が堆積した場合に、その堆積した雪を帯状ヒータ3からの発熱によって良好に融かすことができる。
【0017】
なお、このような塀Wが設けられていない場合であっても、加温対象領域Aのヒータ敷設方向の両端部付近では、帯状ヒータ3からの発熱が加温対象領域A外へ逃げるため、地面が加温されにくいので、帯状ヒータ3は、加温対象領域Aのヒータ敷設方向の両端部付近では、互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔が相対的に狭くされ、中央部では、互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔が相対的に広くされていることが好ましい。ヒータ敷設方向とは、帯状ヒータ3の直線状部分3Aが隣接する方向をいう。こうすることにより、加温対象領域Aの両端部付近を良好に加温することができ、加温対象領域Aの両端部付近における積雪および凍結を防止することができる。
【0018】
この地面加温構造の適用(施工)に際しては、まず、加温対象領域Aの地面を所定深さ(たとえば、帯状ヒータ3の埋設深度が50mmの場合には150mm)だけ掘り下げる。そして、地面を掘り下げたことで露出した基礎地盤1の周縁部に、複数個のブロック5(コンクリートブロックまたは煉瓦)を配置し、その複数個のブロック5上に跨った状態に金属メッシュ2を載置する。これにより、金属メッシュ2は、基礎地盤1からブロック5の高さだけ上方に浮き上がった状態でほぼ水平に支持される。
【0019】
つづいて、金属メッシュ2上に帯状ヒータ3を蛇行状に配設し、プラスチック製の留め具を用いて、その帯状ヒータ3を適当な複数箇所で金属メッシュ2に固定する。その後、こうして金属メッシュ2および帯状ヒータ3が配設された基礎地盤1上にコンクリート材またはモルタル材を流し込み、その上面を加温対象領域Aの周囲とほぼ面一に仕上げて固めることによって、表面舗装層4を形成する。基礎地盤1と金属メッシュ2との間には間隔が空けられているので、基礎地盤1上に流し込まれたコンクリート材またはモルタル材は、金属メッシュ2の下方にも回り込む。これにより、表面舗装層4の金属メッシュ2よりも下層の部分と帯状ヒータ3よりも上層の部分とが隔絶するおそれがなく、表面舗装層4内に金属メッシュ2および帯状ヒータ3を一体的に封じ込めることができる。よって、金属メッシュ2による表面舗装層4の補強効果を十分に得ることができ、自動車や人の往来による応力負荷に耐えうる十分な強度を表面舗装層4に持たせることができる。
【0020】
図3は、帯状ヒータ3の構成を一部切り欠いて示す平面図であり、図4は、帯状ヒータ3の断面図である。帯状ヒータ3は、正温度特性(PTC(Positive Temperature Coefficient)特性)を有する複数個の正特性サーミスタ素子31を備えている。
正特性サーミスタ素子31は、たとえばチタン酸バリウムを主成分とするほぼ直方体形状のセラミックス半導体であり、室温からキュリー温度(抵抗急変温度)までは低抵抗であるが、キュリー温度を越えると急に抵抗値が増大する特性を有する感熱素子である。この特性により、正特性サーミスタ素子31は、キュリー温度を下回る温度下において電圧が印加されると、最初は低温であるために抵抗値が小さいので大電流が流れ、正特性サーミスタ素子31の温度が急激に上昇する。そして、正特性サーミスタ素子31の温度がキュリー温度を越えると、抵抗値が急に増大するために電流量が減少し、その結果、正特性サーミスタ素子31の発熱量は減少する。そのため、正特性サーミスタ素子31は、一定温度以上に温度が上がることがなく、一定温度で安定して熱平衡状態を保つ。すなわち、正特性サーミスタ素子31は、自己温度制御機能を有している。したがって、発熱量制御のための温度制御回路や過熱防止回路などを別途設ける必要がない。
【0021】
なお、正特性サーミスタ素子31のキュリー温度は、たとえば、正特性サーミスタ素子31の材料組成や焼成条件(焼成温度、焼成時間など)を変更することによって、適当な範囲内で任意に変更することが可能であり、この実施形態では70℃に設定されている。
また、正特性サーミスタ素子31は、たとえば、幅6mm×長さ8mm×厚み1.6mmの直方体形状に形成されていて、その長さ方向の両端部が金属端子33に保持されている。これらの金属端子33は、それぞれ給電線32a,32bに固定されていて、これにより、正特性サーミスタ素子31は給電線32a,32b間に跨った状態に接続されている。正特性サーミスタ素子31の表面の金属端子33が当接する部分(たとえば、幅6mm×長さ2mmの部分)には、オーム性を有する電極34が形成されていて、正特性サーミスタ素子31と電極34とはオーム性接続をなしている。
【0022】
また、複数個の正特性サーミスタ素子31は、一対の給電線32a,32bの間に、たとえば、50mmの間隔を開けて並列に接続されており、複数個の正特性サーミスタ素子31および一対の給電線32a,32bは、全体として、はしご状の構造物を形成している。
このはしご状の構造物は、電気絶縁性を有する柔軟な合成樹脂(たとえば、最大点伸度280%の軟質塩化ビニル系樹脂)からなる内被覆部材35によって被覆されている。内被覆部材35は、正特性サーミスタ素子31および給電線32a,32bからなるはしご状の構造物を上下から挟み込むように押出成形されて、このはしご状の構造物を絶縁封止している。
【0023】
内被覆部材35の表面は、複数本の金属細線を編んで形成された金属編組カバー36で被覆されている。金属編組カバー36は、たとえば、直径0.12mmの金属細線を7本束ねてなる集合線を24本作成し、この24本の集合線を格子状に編み上げることによって筒状に形成されており、内被覆部材35の表面に約50%の被覆率(内被覆部材35の全表面積に対する金属編組カバー36で被覆されている部分の面積の割合)で密着している。この金属編組カバー36で被覆されてなる内部構造物は、さらに、電気絶縁性を有する柔軟な合成樹脂からなる外被覆部材37によって被覆されている。外被覆部材37は、内部構造物を上下から挟み込むように押出成形されて、その内部構造物を絶縁封止しており、その厚みは、内被覆部材35とほぼ同じ厚みである0.8〜1.1mmに形成されている。
【0024】
この構成により、正特性サーミスタ素子31からの発熱は、内被覆部材35を介して金属編組カバー36に与えられ、この金属編組カバー36を伝導して、金属編組カバー36のほぼ全域から外被覆部材37に与えられる。よって、帯状ヒータ3は、ほぼ均一な表面温度特性を発揮することができ、外被覆部材37の表面において、正特性サーミスタ素子31に対向する部分と互いに隣接する正特性サーミスタ素子31の間に対向する部分とでほぼ同じ発熱温度を得ることができる。
【0025】
また、金属編組カバー36および外被覆部材37が設けられていることにより、外部からの損傷(傷付き)や折り曲げに対する強度が増す。ゆえに、この帯状ヒータ3が蛇行状に配設されても、その屈曲部分3Bで給電線32a,32bの断線などを生じるおそれがなく、また、帯状ヒータ3を用いた地面加温構造が屋外駐車場の地面を加温するための構造として適用されても、温度変化に伴う伸縮による給電線32a,32bの断線を生じたり、自動車や人の往来による応力が加わることによる給電線32a,32bの断線や金属端子33からの正特性サーミスタ素子31の脱落を生じたりするおそれがない。さらに、優れた防水性および絶縁性を発揮することができる。
【0026】
金属編組カバー36は、極細の金属細線を用いて構成されたものであるから、この金属編組カバー36を設けたことにより、帯状ヒータ3の柔軟性が損なわれることはない。しかも、正特性サーミスタ素子31の幅に対して互いに隣り合う正特性サーミスタ素子31間の間隔が十分に長いから、帯状ヒータ3は良好な柔軟性を発揮し、その施工時に楽に蛇行状に引き回すことができる。
また、発熱体として自己温度制御機能を有する正特性サーミスタ素子31が用いられているので、発熱温度を制御するためにサーモスタットやサーミスタなどを含む発熱温度制御回路が不要である。そのうえ、正特性サーミスタ素子31は、一定温度以上には発熱しないので、正特性サーミスタ素子31の異常発熱によって地面が異常加熱されるといったおそれがない。
【0027】
なお、この実施形態では、正特性サーミスタ素子31として、チタン酸バリウムを主成分とするセラミックス半導体を用いるとしたが、樹脂中にカーボンまたは金属粉末などを練り込んだ樹脂製のものが用いられてもよい。ただし、正特性サーミスタ素子31としては、強度、耐久性の点から、セラミックス半導体が好ましい。
また、金属編組カバー36を構成する集合線の本数、1本の集合線を構成する金属細線の本数、金属細線の直径、金属編組カバー36による内被覆部材35の表面の被覆率など、上述の実施形態で挙げた具体的な数値は単なる一例であり、良好な表面温度分布特性が得られるように、それぞれが適当な範囲内の数値に設定されるとよい。たとえば、金属編組カバー36を構成する集合線の本数は、12〜24本の範囲内で設定されるとよく、1本の集合線を構成する金属細線の本数は、5〜10本の範囲内で設定されるとよい。また、金属細線の直径は、0.1〜0.15mmの範囲内で設定されるとよい。さらに、金属編組カバー36による内被覆部材35の表面の被覆率は、50〜90%の範囲内に設定されるとよい。
【0028】
<加温特性試験>
上記の構成に係る帯状ヒータ3(互いに隣り合う正特性サーミスタ素子31の間隔50mm、内被覆部材35および外被覆部材37の厚み0.8〜1.1mm、金属編組カバー36を構成する集合線の本数24本、集合線を構成する金属細線の本数7本、金属細線の直径0.12mm、金属編組カバー36による内被覆部材35の表面の被覆率50%)を適用した地面加温構造において、帯状ヒータ3の埋設深度を50mmとして、帯状ヒータ3の互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔(ピッチ)を部分的に75mmおよび100mmに変化させ、各部分における融雪状況を調べた。また、帯状ヒータ3の埋設深度を75mmとして、帯状ヒータ3の互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔(ピッチ)を部分的に75mm、100mm、150mmおよび200mmに変化させ、各部分における融雪状況を調べた。その結果を下記表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
この表1に示された結果から、帯状ヒータ3の埋設深度を50mmとし、帯状ヒータ3の互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔を75mmまたは100mmにすれば、降雪を融解でき、さらに積雪をも融解できることがわかる。
また、帯状ヒータ3の埋設深度を75mmとした場合には、帯状ヒータ3の互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔が75mmまたは100mmであれば、降雪および積雪を融解でき、直線状部分3A間の間隔が150mmまたは200mmであれば、降雪を融解できることがわかる。
【0031】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することも可能である。たとえば、上記の実施形態では、この発明が屋外駐車場の地面を加温するための構造として適用された場合を例にとっているが、この発明は、住宅建物の玄関先の地面を加温するための構造として適用することもできる。この場合、帯状ヒータ3は、人の往来の多い領域で、互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔が相対的に狭くされ、人の往来の少ない領域では、互いに隣り合う直線状部分3A間の間隔が相対的に広くされてもよい。
【0032】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る地面加温構造を説明するための簡略化された斜視図である。
【図2】上記地面加温構造を説明するための簡略化された断面図である。
【図3】帯状ヒータの構成を一部切り欠いて示す平面図である。
【図4】帯状ヒータの断面図である。
【符号の説明】
1 基礎地盤
2 金属メッシュ
3 帯状ヒータ
3A 直線状部分
3B 屈曲部分
4 表面舗装層
21 金属棒
31 正特性サーミスタ素子
32a 給電線
32b 給電線
35 内被覆部材
36 金属編組カバー
A1 領域
A2 領域
D1 間隔
D2 間隔
W 塀
Claims (2)
- 少なくとも一方端辺上に壁面が立設された土地の地面を加温するための構造であって、
基礎地盤上に配設されており、複数本の金属棒を格子状に組むことによって形成された金属メッシュと、
この金属メッシュ上で蛇行状に引き回されており、複数個の正特性サーミスタ素子をほぼ等間隔で一対の給電線間に並列接続して形成された発熱構造物を樹脂製の被覆部材で絶縁被覆し、さらに複数本の金属細線を編み上げて構成された金属編組カバーで上記被覆部材の表面を被覆した構成を有する帯状ヒータと、
上記金属メッシュおよび帯状ヒータが配設された基礎地盤上にセメント材を流し込むことによって形成されて、上記金属メッシュおよび帯状ヒータを一体的に封じ込めており、その上面が地面をなしている表面舗装層とを含み、
上記帯状ヒータは、直線状に延びた直線状部分とU字状に屈曲した屈曲部分とが交互に繰り返されるように蛇行状に配設されていて、互いに隣り合う直線状部分間の間隔が広い部分と狭い部分とを有し、一壁面に沿った所定幅の領域で互いに隣り合う直線状部分間の間隔が相対的に狭く、当該所定幅の領域よりも上記一壁面から遠方の領域で互いに隣り合う直線状部分間の間隔が相対的に広くなるように引き回されていることを特徴とする地面加温構造。 - 上記金属メッシュは、基礎地盤との間に所定の間隔を開けて配設されていることを特徴とする請求項1記載の地面加温構造。
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