JPH08255681A - ヒータ - Google Patents

ヒータ

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JPH08255681A
JPH08255681A JP5948795A JP5948795A JPH08255681A JP H08255681 A JPH08255681 A JP H08255681A JP 5948795 A JP5948795 A JP 5948795A JP 5948795 A JP5948795 A JP 5948795A JP H08255681 A JPH08255681 A JP H08255681A
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JP
Japan
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heater
temperature
water pipe
heat
heated
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Pending
Application number
JP5948795A
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English (en)
Inventor
Fumitaka Ishimori
史高 石森
Tetsuo Yamaguchi
哲生 山口
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水道管2の凍結防止用のヒータ4には、水道管
2に直接当接しないヒータ裏面4bに面接触するととも
に、水道管2に面接触で密着して取り付けられる熱伝導
性の良好な保持部材5が設けられている構成。 【効果】従来、ヒータ裏面4bから外部環境へと放射さ
れていた熱エネルギーが保持部材5を介して、水道管2
側に伝達されるので、ヒータ4が発生する熱エネルギー
の利用効率を向上させ、凍結防止に消費される電力、す
なわち、凍結防止のためのコストを低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、寒冷地におい
て水道管の凍結を防止するために用いられるもので、被
加熱体の外部から取り付けるヒータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、寒冷地においては、厳冬期の水道
管等の凍結防止のために、図10に示すような、フィー
ダー線状の帯状ヒータ20が使用されている。この帯状
ヒータ20は、ニクロム線などの金属抵抗線21を塩化
ビニル樹脂などの電気絶縁体22で被覆し、帯状に形成
したものである。上記帯状ヒータ20の取付けは、該水
道管の長手方向に沿って接触させたり、巻き付けたりす
ることによって行なわれている。
【0003】上記のような帯状ヒータを配設する際に
は、帯状ヒータを作動させるために、温度を検出する温
度センサー(例えば、白金−ロジウム熱電対)と検出温
度によって帯状ヒータへ流れる電流のON/OFFを制
御する電流制御装置等からなるセンサーユニットを設置
する必要がある。また、同一敷地内においても、水道管
の配設される位置によっては、外部の環境温度が異なる
ので、上記温度センサーの測定点は、家屋の最も寒冷な
場所、通常は家屋の北側で、水道管の露出した部位の付
近に設けられている。
【0004】上記センサーユニットにおいて、測定点の
温度が0℃未満のときに帯状ヒータに通電が行われる設
定となっている場合、温度センサーが0℃未満の温度を
検出すると金属抵抗線への通電が開始されて発熱し、帯
状ヒータが巻き付けられた水道管の温度が上昇し、水の
凍結による上記水道管の損傷を防止するようになってい
る。もちろん、上記測定点において、温度センサーが0
℃以上の温度を感知すれば、通電が停止し、通常、必要
以上の加熱が行われることはない。
【0005】ところが、上記帯状ヒータが家屋の南側に
面した水道管にも設置されているような場合、家屋の南
側では外気温の上昇により、上記水道管内の水の温度が
上昇して、凍結を考慮する必要がない状態であっても、
北側に設けられている上記温度センサーの検出温度が0
℃未満であれば上記帯状ヒータはON状態となってしま
い、場合によっては、上記帯状ヒータが1日中ON状態
となることがある。
【0006】しかも、帯状ヒータは、1回路にて構成さ
れているので、金属抵抗線には常に一定の電流が流れて
いることになり、常に一定の電力を消費する。また、こ
の帯状ヒータにて長い水道管を覆うようにして使用した
場合、水道管の各部分の実際の温度には関係なく、測定
点の温度のみに依存して、上記帯状ヒータに当接した部
分がすべて均等に加熱される。
【0007】すなわち、上記帯状ヒータでは、水道管の
温度が低い特定の部分だけを集中的に加熱することはで
きない。それゆえ、上記帯状ヒータは、必要以上に電力
を消費する場合があり、消費電力の増加を招来するとい
う問題点を有していた。
【0008】そこで、例えば、図11に示すように、特
開平2-64350 号の「給湯器の凍結防止機構」には、給湯
管やガス管などの導管25の外径に応じた、断面が半円
形のPTCセラミック23aを絶縁体23bで被覆して
絶縁した発熱体23を用い、開口部を有する弾性部材2
4の開口部内に導管25等を挟着させることにより、例
えば、水道管の凍結やガス管の凍結によるバルブの固着
を防止する構成が開示されている。
【0009】上記PTCセラミックは、特定温度を越え
て上昇すると、素子抵抗値が急激に増大する特性によ
り、電流を調整し、発熱量を制御する自己温度制御機能
を有するとともに、温度の立ち上がりが迅速であるの
で、上記PTCセラミックを発熱体23として用いるこ
とにより、一定温度に保持する特性に優れた凍結防止機
構とすることができる。
【0010】従って、上記のような発熱体を水道管やガ
ス管等の凍結しやすい部位に取り付けることにより、0
℃未満といった低温時において、水の凍結による水道管
の損傷やバルブの固着等を防止できると同時に、発熱体
は温度に応じて発熱するので電力の消費量を低減するこ
とができる。
【0011】また、米国特許第 4,072,848号公報に開示
されている「加熱用ケーブル」では、図12に示すよう
に、熱可塑性樹脂等の絶縁体からなるケーブル状の本体
51に、通電により発熱するチップ形状の発熱体52・
52と、上記発熱体52・52にそれぞれ給電するため
の銅からなる一対の電線53・53とが封入されてい
る。
【0012】上記発熱体52・52は、前記公報と同様
のPTC特性を有するセラミックからなり、上記本体5
1の長さ方向における発熱体52・52の両側面にはそ
れぞれオーミックコンタクト用の電極54・54が設け
られている。上記発熱体52は、複数、上記長さ方向に
沿って、所定間隔にて電線53・53の間に配置されて
おり、上記電極54・54とそれらの側面に沿って当接
する電線53・53とがそれらの側面に沿って半田によ
り電気的にそれぞれ接続された接合部55…とをそれぞ
れ有している。
【0013】上記のようなヒータは、水道管等に当接さ
せて用いるものであるが、局所的に水道管が凍結する温
度まで低下したとしても、そこに当接する発熱体52の
みが発熱に必要な程度に抵抗が下がって、通電状態とな
ることから、消費する電力を抑制するとともに、低温環
境下における水の凍結による水道管の損傷を防止できる
ものとなっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ニクロム線を用いたヒータにおいてはもちろん、米国特
許第 4,072,848号公報の加熱用ケーブルにおいても、前
記したように、水道管の長手方向に沿わせて接触させた
り、巻き付けて用いており、またその上に断熱材等を巻
いて冷却されにくいように工夫がされているが、上記ヒ
ータにおいては、水道管と接触していない側の面(以
下、ヒータ裏面と称し、反対側の面をヒータ表面と称す
る)からも熱が放射されている。この熱は、断熱材が設
けられていなければ、そのまま外部環境、例えば、大気
中に放出されてしまう。
【0015】これは、特開平2-64350 のように、ヒータ
の形状を被加熱体に応じた形状に形成し、弾発保持片を
用いて、取付けを容易にした場合でも、やはり、ヒータ
裏面からの放射熱を抑制することはできない。また、断
熱材が設けられていても、単に熱が伝達されにくくなる
だけで、外部環境との温度差が断熱材の保持し得る能力
を越えてしまえば、やがては外部に放出されることにな
る。
【0016】例えば、図13は、水道管26の長手方向
に沿うように上記のような帯状のヒータ27を接触さ
せ、外部を断熱材28で覆った、水道管の凍結を防止す
る配置の一例を示す断面図である。上記において、外部
の環境温度を変化させ、ヒータ27のヒータ裏面27b
の温度B2 と、水道管26においてヒータ27と反対
側、すなわち、ヒータ27から最も離れた水道管表面の
領域26aの温度A2 との時間変化を記録したものが、
図14である。ここで、Cは外部の環境温度を示すもの
である。同図から分かるように、環境温度Cによっても
異なるが、ヒータ裏面27bの温度B2 は、領域26a
の温度A2 に対して30℃前後の高温となっている。上
記ヒータ裏面27bで測定される温度B2 が有している
熱エネルギーは外部に放出されてしまうので、実際にヒ
ータ27から放射される全熱量に対する水道管26の凍
結防止に用いられる熱量の割合、つまり、熱の利用効率
は低くなり、必要以上に電力を消費するものとなってい
た。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明のヒータは、被加熱体と接触
していないヒータの熱放射面に面接触で当接する伝熱部
材が、被加熱体に面接触で当接するように設けられてい
ることを特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1記載の構成によれば、ヒータにおけ
る、被加熱体への非接触面に面接触で配置されている伝
熱部材が、被加熱体に面接触するように設けられてお
り、従来なら直接あるいは断熱材等を介して外部に放出
されていた熱エネルギーが該伝熱部材を伝わって被加熱
体側に伝達されることになる。従って、該伝熱部材が設
けられていない場合と比べて、同一の温度条件において
は、外部に放出される熱量が少なくなる分、被加熱体を
加熱するために必要な電気エネルギーを低減することが
できる。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図9に
基づいて説明すれば、以下の通りである。図1及び図2
に示すように、水道管2の長手方向に沿うように、凍結
防止のための帯状のヒータユニット1が取り付けられて
いる。上記ヒータユニット1は、チタン酸バリウム系の
正特性サーミスタであるセラミック(以下、PTCセラ
ミックと称する)を発熱体として有するヒータ4と、帯
状の該ヒータ4に直交して金属製の保持部材5が複数設
けられている。なお、上記ヒータ4の水道管に接する面
をヒータ表面4a、反対側の面をヒータ裏面4bと呼ぶ
ことにする。
【0020】そして、水道管2への取付けは、該保持部
材5…をヒータ裏面4bにあてがい、水道管2にヒータ
表面4aを接触させた状態で、該保持部材5を水道管2
の外形に密着するように変形させることにより行なって
いるが、図3に示すように、あらかじめ、ヒータ4と保
持部材5を固着させたヒータユニット1としておけば、
ヒータ設置の際に、施工の際に生じ得るヒータ4と保持
部材5との面接触状態のバラツキによる伝熱不良を防止
することができ、確実に水道管2側へ熱を伝達すること
ができる。
【0021】また、図4に示すように、保持部材5の長
さを減じるとともに、予め、取り付ける水道管2の形状
に応じて成形しておいて、接着層5aにより取り付ける
ことにすれば、水道管2への取付けが容易に行えるの
で、作業者の負担を低減することができる。
【0022】図1や図3における保持部材5は水道管の
エルボー等の曲がり部分に取り付ける場合を考慮して、
ヒータ4に直交する帯状の複数片からなっているが、同
図に示すような直線状の水道管等に取り付ける場合に
は、保持部材5を一枚板で形成することにより、外部に
放出される熱損失をより低減させることができる。
【0023】以上のように従来は放出されるままとなっ
ていたヒータ裏面4bから放射される熱エネルギーを、
ヒータ裏面4bに設けた熱伝導性のよい金属製の保持部
材5を介して水道管2側に伝えることにより、ヒータ4
から発生する熱エネルギーの損失を低減することができ
る。
【0024】図5は従来例の図13で示した水道管凍結
防止のためのヒータの配置に対して、図2に示す保持部
材5として、厚さ0.1mmのアルミテープを巻き付け
て、図14とほぼ同様条件で環境温度の変化によるヒー
タ及び水道管の温度測定を行った結果を示すものであ
る。
【0025】同図から分かるように、ヒータ裏面4bの
温度B1 と水道管の表面の領域2aの温度A1 との差は
10℃前後となっている。また、同一の外部温度Cにお
いては、本実施例の領域2aの温度A1 のほうが図13
の従来例における領域26aの温度A2 より高くなって
いる。
【0026】つまり、従来ならヒータ裏面から外部に放
射されていた熱エネルギーが、本実施例では、保持部材
5である上記アルミテープを介して水道管2側に伝達さ
れていることが分かる。
【0027】また、本実施例と上記従来例とにおいて、
環境温度の変化と流れる電流の変化を比較したところ、
図6に示すように、同一の環境温度において、同一のヒ
ータを用いた場合、実施例の消費電流のほうが高い値を
示している。つまり、本実施例のヒータの方が、熱放散
が良いので効率よく加熱することができる。逆に言え
ば、ヒータ内における発熱体の個数を低減することによ
るコストダウンが可能である。
【0028】なお、上記の実施例では、金属からなる保
持部材5を介して、ヒータ裏面4bから放射される熱エ
ネルギーを被加熱体である水道管2に伝達させている
が、上記に限定されるものではなく、例えば、図7に示
すように、保持部材5として、可撓製を有する熱可塑性
樹脂を用いるとともに、その内面に伝熱部材5bを積層
し、該伝熱部材5bにより伝熱を行わせてもよい。そし
て、ヒータ4の取付けは、該保持部材5を撓めて、被加
熱体に嵌め込むことにより容易に行えるが、この場合、
上記保持部材5を予め取り付けようとしている被加熱体
に沿った形状に形成しておくことにより、被加熱体に伝
熱部材5bから伝達される熱を効率よく伝えることがで
きる。
【0029】上記で用いたヒータ4の構造について、図
8ないし図9を用いて以下に説明する。ヒータ4は、図
8および図9に示すように、水道管等の被加熱体に対し
て、その表面に沿って、長手方向に当接させ、熱輻射に
よって上記被加熱体を加熱するように、塩化ビニル系樹
脂等の熱可塑性樹脂の押出成形によって、例えば厚み
5.1mm、幅16.6mmの長尺なコード状に形成されている。
【0030】上記コード状とは、断面が円や楕円状の電
線状や、断面が長方形となる帯状のものをいうが、上記
したように本実施例では、帯状のヒータ4を例に説明す
る。上記のヒータ4内には、長方形板状のPTCセラミ
ックからなる発熱体6が、複数、発熱体6の一端面がヒ
ータ4の長さ方向に沿うように所定間隔にて封入されて
いる。上記発熱体6は、ヒータ4が前記の寸法に形成さ
れている場合、例えば縦 6.0mm、横 8.0mm、厚み 1.6mm
の寸法に形成され、外部気温が−20℃のときに商用電圧
である 100Vの交流を通電すると各発熱体6の全消費電
力が、例えば1m当り約18Wとなるように設定されてい
る。なお、上記発熱体6の形状としては、円盤状のもの
を用いることも可能である。
【0031】このような各発熱体6は、発熱体6におけ
る厚さ方向の両面がヒータ4における厚さ方向の両面に
対してほぼ平行となり、かつ、ヒータ4の厚さ方向にお
ける発熱体6上のヒータ4の各厚さがほぼ同一となるよ
うにヒータ4内に、つまり、上記ヒータ4内の中央部に
それぞれ設定されている。もちろん、ヒータ4の使用状
況に応じて、ヒータ4の表裏における熱放射量のバラン
スを考慮しながら、発熱体6の位置を一方の面に偏らせ
て配置してもよい。
【0032】発熱体6には、発熱体6における厚さ方向
の両端面上に、かつ、ヒータ4の長さ方向の両側部に電
極11が、ヒータ4の長さ方向に沿うようにそれぞれ形
成されている。上記電極11は、オーミックコンタクト
電極形成用の銀ペースト(デグザ社製)を塗布した後、
発熱体6を 560℃にて5分間加熱することにより得られ
る。
【0033】このように各電極11が形成されているこ
とにより、発熱体6は、給電されると、発熱体6におけ
る厚さ方向の両面上にてそれぞれ対抗する各電極11間
にて、まず、発熱体6の両面の表面およびその近傍部が
通電によって発熱し、それらの昇温に伴い、発熱体6の
内部が順次発熱する。これにより、上記のように各電極
11を配置することにより、まず、発熱体6の厚さ方向
の両端面側から面発熱することから、上記両面に近い、
ヒータ4の厚さ方向の両面が急速に加熱される。したが
って、上記構成は、上記各電極11の配置によって、各
発熱体6による加熱効率を向上できるものとなってい
る。
【0034】上記ヒータ4内には、各発熱体6に給電す
るための一対の給電線7が、互いに平行となるように上
記ヒータ4の長さ方向に沿って封入されており、よっ
て、上記各発熱体6は、各給電線7間に、互いに所定の
間隔に、かつ、電気的に互いに並列となるように接続さ
れている。このような給電線7としては、銅等の導電性
を有する単線や集合線を用いることができ、特に、容易
に撓ませることができることから銅線の編組線が好まし
い。
【0035】そして、ヒータ4内には、ヒータ4の長さ
方向に対する上記の発熱体6の両側部に形成された各電
極11と各給電線7とをそれぞれ電気的に接続する一対
の留金具9が、発熱体6およびその両側面に沿って配設
された各給電線7をそれぞれ保持するように設けられて
いる。また、上記各留金具9は導電性および可撓性を有
している。
【0036】さらに、上記留金具9は、発熱体6を厚さ
方向の両側から挟むように把持して各電極11と留金具
9とを電気的に接続するための2組の1対の各発熱体把
持片9bと、給電線7の周方向に沿って上記給電線7を
それぞれ挟むように形成された1対の各給電線把持片9
cとを互いに背向するようにそれぞれ備えている。
【0037】また、各給電線7の一端部には、外部の電
源と接続するための電気供給コード10が半田付けにて
接続されており、電気供給コード10から各給電線7お
よび各留金具9を介して、発熱体6に電力が供給される
ようになっている。なお、上記で半田付けを用いるとし
たが、必要とする接続強度等に応じて、かしめやスポッ
ト溶接等を用いてもよく、上記に限定されるものではな
い。
【0038】また、発熱体6と給電線7との留金具9に
よる接合に際し、給電線7と留金具9とを半田付け等で
固定することによって、給電線7と発熱体6との接続強
度をより改善でき、水道管の長さ方向に沿って圧着させ
たりするような場合の給電線7のたわみによって生じる
応力に対してより強い接続強度を発揮できて、曲げに対
してより強い構造とすることができるので、発熱体6と
給電線7との接続部分が外れることをさらに防止するこ
とができる。さらに、発熱体6と給電線7とが電気的に
より確実に接続された状態となっているので、水道管の
加熱を効率よくより確実に行うことが可能となる。
【0039】もちろん、上記の半田による接続をスポッ
ト溶接等により行なってもよいことは言うまでもない。
【0040】このような各発熱体6、各給電線7および
各留金具9により長尺な発熱ユニット12が形成されて
おり、このような発熱ユニット12を、前記の熱可塑性
樹脂からなる被覆部材8の押出成形によって形成したヒ
ータ4内に封入することにより、上記発熱ユニット12
は、ヒータ4内に支持されると共に外部と絶縁した状態
を維持できるものとなっている。
【0041】このようなヒータ4は、長手方向に容易に
撓ませることができるので、水道管2等における曲がり
部の表面に沿わせて配設することができ、この状態で、
各発熱体6に通電すると、上記各発熱体6がそれぞれ発
熱し、その熱がヒータ4の表面に伝達される。さらに、
上記熱が、被覆部材8よりも熱伝導性が大きい各給電線
7を介しても伝達されることから、上記ヒータ4の表面
をより均一に加熱することが可能となる。その上、上記
構成は、留金具9によって各発熱体6と給電線7との電
気的な接続を、撓ませた状態においても、確実に維持で
きて、上記曲がり部など、水流の滞留し易い部位の加熱
を安定化できるものとなっている。
【0042】すなわち、上記構成によれば、給電線7に
上記発熱体6が各留金具9の各給電線把持片9cを介し
て接続され、かつ、上記各給電線把持片9cが給電線7
の周方向に沿って給電線7をそれぞれ挟むように形成さ
れているから、図12で示した従来例のように、半田に
よる発熱体52の側面の全体にわたる給電線53との線
の接続と比べて、給電線7の長さ方向における給電線7
と給電線把持片9cとの接触長さをより小さくできて、
従来より点接触に近づけることが可能となる。
【0043】このため、上記構成では、ヒータ4を曲率
を有する被加熱体に沿わせるために撓ませて用いた場
合、給電線7がヒータ4と共に撓んだ際に生じる給電線
把持片9cに対する曲げ応力による給電線7と給電線把
持片9cとの接続に対する悪影響を従来より軽減するこ
とができる。
【0044】これは、上述したように給電線7と給電線
把持片9cとの接続がほぼ点接触にできることと、給電
線7と各給電線把持片9cとの電気的な接続が上記各給
電線把持片9cのかしめによることとから説明できる。
【0045】その上、留金具9が可撓性を有することか
ら上記留金具9が半田や発熱体6と比べてより容易に撓
むことができることにより、前記曲げ応力による給電線
7と給電線把持片9cとの接続に対する悪影響をさらに
軽減することができる。
【0046】このことから、上記構成では、ヒータ4を
撓めて用いた場合、発熱体6が発熱を繰り返して留金具
9の温度が大きく、かつ頻繁に変動しても、容易に撓む
給電線7と撓み難い発熱体6との電気的な接続を維持で
きる。
【0047】このことから、上記構成は、温度変化の大
きい環境下においても、留金具9の給電線把持片9cに
よって、ヒータ4を撓ませて用いた場合に対して電気的
な接続を維持できる強い構造となっており、ヒータ4の
曲率を大きくして用いることができる。
【0048】次に、発熱体6の素材について説明する。
前記したように、発熱体6は、正特性サーミスタの特性
であるPTC(Positive Temperature Coefficient)特
性を有するセラミックス半導体からなる素材(本実施例
ではチタン酸バリウムを主原料としている)からなり、
室温からキュリー温度Tc (抵抗急変温度)までは低抵
抗であるが、キュリー温度Tc を越えると急峻に抵抗値
が増大する特性を有する感熱素子である。
【0049】この特性により、発熱体6は、キュリー温
度Tc を下回る低温下において電圧が印加されると、最
初は、低温であるために抵抗値が小さいため大電流が流
れ、この結果、急激に温度が上昇する。一方、温度がキ
ュリー温度Tc を越えると抵抗値が急峻に増大し、流れ
る電流値が低下して発熱量が減少することにより、一定
温度以上には温度が上がらず、温度を安定に保つことと
なる。これが、発熱体6の有する自己温度制御機能であ
る。従って、本実施例のヒータ4においては、局部過熱
による発火等のおそれがないと共に、温度制御回路や過
熱防止回路を省くことができ、装置の小型化を図ること
ができる。
【0050】なお、上記発熱体6は、材料組成によりキ
ュリー温度Tc をおよそ−15〜250℃の範囲で任意に設
定することができる。発熱体6のキュリー温度Tc は、
ヒータ4の厚さや各発熱体6の間隔および被加熱体の熱
容量に合わせて設定すればよいが、本実施例1では40℃
〜50℃に設定されている。
【0051】上記のようにヒータ4は、所定の間隔に配
置された個々の発熱体6が外気の温度に対応して抵抗値
が迅速に上昇(または低下)する。すなわち、水道管2
の周囲の外気温が常温より低い、例えば氷点温度未満の
部位においては、その部位に位置する発熱体6の抵抗値
は小さくなり、電流が流れ易くなって水道管2が加熱さ
れて、水道管2内部の水の凍結が防止される。
【0052】一方、水道管2の周囲の外気温が高い部位
では、その部位に位置する発熱体6の抵抗値は大きくな
り、流れる電流が減少して発熱量が減少し、一定温度を
保つと共に発熱体6の消費電力を下げることができる。
【0053】従って、本実施例のヒータにおいては、被
加熱体において、加熱が必要とされる部位のみを部分的
に加熱することができるとともに、前述のように、ヒー
タ裏面4bから放出される熱をも被加熱体へ伝えること
ができるので、ヒータ4全体としての消費電力を従来よ
りも低下させることができ、水道管2内の水の凍結防止
のための維持費用である電気料金を従来より抑制できる
ものとなっている。
【0054】本実施例において、図8および図9に示し
た、ヒータ4の被覆部材8としては、電気絶縁性、可撓
性および耐候性を有する材料である、例えば塩化ビニル
系樹脂を用いることができる。なお、上記耐候性とは、
耐熱性および耐寒性に優れて、例えば50℃程度の加熱と
−10℃程度の冷却が繰り返されても、物性の変化が少な
い特性をいう。
【0055】なお、上記の実施例は本発明を限定するも
のではなく、発明の範囲において種々の変更が可能であ
る。例えば、上記の実施例では、ヒータ4としてPTC
セラミックからなる複数の発熱体6を給電線7・7で連
結させたものを用いて、上記のように消費電力の低減を
図っているが、従来のニクロム線を用いたフィーダー線
状のヒータを用いても、ヒータ裏面から放射される熱損
失を低減することができる。
【0056】また、発熱体6の被覆部材8の素材とし
て、塩化ビニル系樹脂を用いたが、これは発熱体6の発
熱温度による溶融や変形が生じず、かつ、上記発熱体6
による加熱と氷点温度以下の外気温による冷却とが繰り
返されても物性の変化が少ない樹脂やゴム等であれば、
以下に記載するものでもよい。
【0057】例えば、上記被覆部材8に使用可能なゴム
材料として、天然ゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロスルホ
ン化ゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、
フッ素樹脂ゴム等が挙げられる。その他、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリ−4-メチルペンテン-1、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド樹
脂等も使用可能である。
【0058】また、上記留金具9の素材としては、前記
した銅の他に、例えば、リン青銅、鉄、鉄ニッケル合
金、金、銀、アルミニウム等を用いることが可能であ
る。
【0059】また、上記の実施例では、本願発明のヒー
タを水道管に適用した例を挙げたが、特に上記に限定さ
れるものではなく、ポンプや、水槽、排水溝、排水管に
おけるU字状の水封部等の外面に密着させて用いるな
ど、被加熱体がヒータの放熱面に対して部分的な接触に
より熱を受け取るような状況であれば、ヒータの被加熱
体への非当接面に接触させた保持部材を用いて、被加熱
体に熱を伝達させることにより消費電力を抑えることが
できる。
【0060】
【発明の効果】上記のように、本発明の請求項1記載の
ヒータは、被加熱体と接触していないヒータの熱放射面
に面接触で当接する伝熱部材が、被加熱体に面接触で当
接するように設けられている構成である。
【0061】それゆえ、これにより、ヒータにおいて被
加熱体と接触していない面から放射される熱エネルギー
が伝熱部材を介して被加熱体へと伝達されることになる
ので、従来、外部に放出されていた熱エネルギーを被加
熱体の加熱のために利用することができ、消費電力を低
減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るヒータを取り付けた水
道管の斜視図である。
【図2】図1におけるX−X断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すヒータの斜視図であ
る。
【図4】本発明の実施例に係るヒータを適用した水道管
の断面図である。
【図5】本実施例の図2に示す帯状ヒータの取付け状態
において、外部の環境温度を変化させて、帯状ヒータの
温度測定を行った結果を示すグラフである。
【図6】本発明及び従来例における環境温度とヒーター
電流との関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係るヒータの他の実施例を示す断面図
である。
【図8】本発明に係るヒータ本体の一実施例を示す要部
破断平面図である。
【図9】図8に示すY−Y断面図である。
【図10】従来の帯状ヒータを示す図であり、同図
(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。
【図11】従来のPTCセラミックを用いて水道管等を
加熱する方法を示す図であり、同図(a)はヒータ取付
け部の拡大図であり、同図(b)は、同図(a)のZ−
Z断面図である。
【図12】従来の帯状ヒータを示す他の例である。
【図13】従来における帯状ヒータの取付け状態を示す
断面図である。
【図14】図13に示す帯状ヒータの取付け状態におい
て、外部の環境温度を変化させて、帯状ヒータの温度測
定を行った結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2 水道管(被加熱体) 4 ヒータ 4a ヒータ表面(熱放射面) 4b ヒータ裏面(熱放射面) 5 保持部材(伝熱部材) 5b 伝熱部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加熱体と接触していないヒータの熱放射
    面に面接触で当接する伝熱部材が、被加熱体に面接触で
    当接するように設けられていることを特徴とするヒー
    タ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020001698A (ko) * 2001-12-05 2002-01-09 김철빈 수도미터의 보온커버
EP1375998A1 (de) * 2002-06-27 2004-01-02 David & Baader DBK Spezialfabrik elektrischer Apparate und Heizwiderstände GmbH Heizvorrichtung für Fluiddurchführungen und Montageverfahren
KR20150019656A (ko) * 2013-08-14 2015-02-25 대우조선해양 주식회사 선박 배관 라인의 히트 트레이싱 장치
JP2015230837A (ja) * 2014-06-05 2015-12-21 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 加熱装置及びこれを用いた半導体製造装置
KR101681956B1 (ko) * 2015-07-29 2016-12-12 주식회사 상민이엔지 배관 동파 방지 장치
CN109405049A (zh) * 2018-10-08 2019-03-01 黄勇洪 一种防冻型智能暖通系统

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