JPH1046341A - スパッター方法およびスパッター装置 - Google Patents

スパッター方法およびスパッター装置

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JPH1046341A
JPH1046341A JP20222196A JP20222196A JPH1046341A JP H1046341 A JPH1046341 A JP H1046341A JP 20222196 A JP20222196 A JP 20222196A JP 20222196 A JP20222196 A JP 20222196A JP H1046341 A JPH1046341 A JP H1046341A
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Yoshifumi Oda
喜文 小田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CDなどのドーナツ状円盤型基体の表面に被
膜を形成するに際し、真空度低下による生産性に支障の
ないスパッター方法およびスパッター装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 給排装置を接続した真空室26および成
膜室27を備えたチャンバー2の開口部24を、チャン
バー2内部の円盤型基体保持用のサセプターからなる蓋
体53と、トランスファー装置3の給排ライン35に接
続された吸着パッド34でドーナツ状円盤型基体11を
吸引保持したホルダーからなる蓋体33とで内外から気
密に閉塞してロードロック部39を形成した後、ロード
ロック部39内を排気し、吸着パッド34に給気して円
盤型基体11をサセプター53上に載置させた後、トラ
ンスファー装置3の給排ライン35の残気を給排ライン
35あるいは吸着パッド34またはホルダー33に形成
した連通路を介しチャンバー2の開口部24に接続した
給排装置で排気するスパッター方法およびスパッター装
置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
クなどのドーナツ状円盤型基体の表面にアルミニウム等
の被膜を形成するスパッター方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、デジタル化された音声信号や画像
情報を大量に記録するのに、広く使用されているコンパ
クトディスク(以下、CDと称する。)やデジタルビデ
オディスク(以下、DVDと称する。)は、ポリカーボ
ネイト等の透明な合成樹脂板製のドーナツ状円盤型基体
の表面にたとえばスパッター等などにより光反射率の高
いアルミニウム等の薄膜を形成したものからなる。
【0003】そして、たとえばCDは、この基体表面の
アルミニウム等の膜に、情報を「1」、「0」からなる
デジタル信号に変えたビットと称する小さな孔を開けて
記録させてあり、これにレーザ光を当て反射波の有無
(孔の有無) を検出して、記録情報を読み出すようにし
ている。
【0004】そして、このCDの表面にアルミニウム等
の被膜を形成するスパッターは真空等の低圧雰囲気中で
行われるが、スパッター装置の真空室内へドーナツ状円
盤型基体を出入りさせる際に真空室内へ大気が流入し、
再びスパッター可能な所定の真空度にまで到達させるの
に時間がかかり作業能率が悪いということがあった。そ
こで、この円盤型基体のスパッター装置として、真空室
の円盤型基体の出入口を内外の二方から蓋体で閉じる構
造のものが考えられ実行されている。この場合は、出入
口の内外を蓋体で閉じたら、この出入口の内外蓋体間の
空間のみが大気圧となるのみで、上側の蓋体(トランス
ファー装置側)を閉じたのち下側の蓋体(サセプター
側)を開放して真空室内と連通させても真空室内の真空
度の低下は小さく、連続して円盤型基体にスパッターを
していくことが可能となった。
【0005】このスパッター装置は、成膜が行われるチ
ャンバーと円盤型基体の移送を行うトランスファー装置
を主構成として、チャンバーは円盤型基体が載置される
ホルダーの開口部を蓋体として気密室が、また、トラン
スファー装置は蓋体の下面に真空(窒素)ラインに接続
した吸着パッドが設けられている。
【0006】そして、スパッター作業は、トランスファ
ー装置の吸着パッドにドーナツ状円盤型基体を水平に吸
引保持させ、このトランスファー装置を下降して蓋体が
チャンバーの開口部を覆う。この状態で上側の蓋体(ト
ランスファー装置側)と下側の蓋体(サセプター側)と
で形成された空間内を真空ポンプで排気する。そして、
この空間内が真空になったら、真空(窒素)ラインを真
空から窒素に切り換え、吸着パッド内の圧力を高めて円
盤型基体の吸引保持を解くとともに下側の蓋体(サセプ
ター側)をチャンバー内の下方に下げると円盤型基体は
サセプター上に載置される。
【0007】そして、チャンバー内の排気を続けるとと
もに、サセプターを回転してつぎに上方に上げるとスパ
ッター源の真下に円盤型基体を位置し、チャンバー内が
所定の真空度に到達したらアルミニウムを飛散させて円
盤型基体表面にアルミニウム被膜を形成する。
【0008】この被膜の形成後、サセプターを下方に下
げ回転して元の位置に戻しチャンバー内の上方に上げる
とサセプターは上側の蓋体(トランスファー装置側)と
対面して下側の蓋体をなし、チャンバーはこの下側の蓋
体(サセプター)で閉塞され気密になる。そして、上側
の蓋体(トランスファー装置側)と下側の蓋体(サセプ
ター)とで形成される空間内に窒素ガスを封入するとと
もに真空にした吸着パッドで円盤型基体を吸引させる。
そして、トランスファー装置を上昇させることによって
チャンバー側から円盤型基体を引上げ、トランスファー
装置を適当角度回転した位置で真空(窒素)ラインに窒
素を供給して吸着パッドから円盤型基体を外すことによ
って一連の作業は終わる。
【0009】そして、再びトランスファー装置の蓋体下
面に新たな円盤型基体を吸着保持させて、上記作業を繰
り返す。
【0010】しかし、最近このCD等の生産につき、作
業に要する時間を縮めさらに生産性を向上することが要
望され、本発明者はこのスパッター装置について究明を
した結果、作業時間を短縮できることを見出した。
【0011】すなわち、これら合成樹脂薄板製の円盤型
基体のスパッター装置への移送には、円盤型基体に強い
応力を与えず、また、傷を付けずに行える上記吸着パッ
ドを利用した真空吸引による手段が採用されている。そ
して、トランスファー装置からスパッター装置側のサセ
プターへ円盤型基体を移し変える際は、真空吸引を停止
して窒素を送るなどして、吸着パッドが吸引していた円
盤型基体の保持を解き、円盤型基体をサセプター側に渡
すようにしている。
【0012】そして、このトランスファー装置側の吸着
パッドとスパッター装置側のサセプターとの位置関係
は、トランスファー装置がスパッター装置へ円盤型基体
をローディングするばかりではなく、スパッターされた
円盤型基体をアンローディングして逆方向にも移送を要
することから、吸着パッドと円盤型基体との間には隙間
がなく吸着解除後も吸着パッドの先端部は円盤型基体表
面と接触している状態である。なお、この間の隙間があ
ると、アンローディング時に吸着パッドの先端部が円盤
型基体を吸い上げなくなるためで、隙間はないように構
成されている。
【0013】上記のように吸着パッドの先端部と円盤型
基体表面とが接触状態にあると、この接触部からトラン
スファー装置側の真空(窒素)ライン内に残存している
窒素が排出できず、下側の蓋体(サセプター側)をチャ
ンバー内の下方に下げたときに、円盤型基体が吸着パッ
ドから離れる結果、吸着パッド以前のトランスファー装
置側の真空(窒素)ラインに残っていた窒素がチャンバ
ー内に侵入し、高真空度にしておいたチャンバー内の真
空度を低下する。
【0014】このため、チャンバー内をさらに排気しな
ければならず、排気時間が長くなり生産性が低下する問
題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたもので、CDなどのドーナツ状円盤型
基体の表面に被膜を形成するに際し、真空度低下による
生産性に支障のないスパッター方法およびスパッター装
置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のスパッター方法は、給排装置を接続した真空室および
成膜室を備えたチャンバーの開口部を、チャンバー内部
の円盤型基体保持用のサセプターからなる蓋体と、トラ
ンスファー装置の給排ラインに接続された吸着パッドで
ドーナツ状円盤型基体を吸引保持したホルダーからなる
蓋体とで内外から気密に閉塞してロードロック部を形成
した後、ロードロック部内を排気し、吸着パッドに給気
して円盤型基体をサセプター上に載置させて、成膜室で
スパッターする方法において、ロードロック部内を排気
し円盤型基体をサセプター上に載置させた後、トランス
ファー装置の給排ラインの残気を給排ラインあるいは吸
着パッドまたはホルダーに形成した連通路を介しチャン
バーの開口部に接続した給排装置で排気することを特徴
とする。
【0017】吸着パッドから円盤型基体の離脱を窒素等
の不活性な乾燥ガスを供給して行なった後、ロードロッ
ク部内を排気するが、吸着パッド先端部と円盤型基体表
面とが接触状態にあると、吸着パッド以前の給排ライン
内に残っている気体はなかなか排出できないが、ロード
ロック部内と給排ライン内をつなぐバイパス的な連通路
または給排ラインで残気を排気することにより、チャン
バー内の真空度を大幅に低下することなく、チャンバー
内を短時間内にスパッター可能な真空度に到達させるこ
とができる。
【0018】本発明の請求項2に記載のスパッター装置
は、ドーナツ状円盤型基体の出入できる開口部を有する
真空室および成膜室を備えたチャンバーと、このチャン
バー内に設けられ上記真空室および成膜室に移動可能で
あるとともに上記開口部を内部側から気密に閉塞する蓋
体兼用の円盤型基体保持用のサセプターと、このチャン
バー内に接続した給排装置と、上記チャンバーの開口部
に臨み設けられた給排装置と、給排ラインに接続した円
盤型基体保持用の吸着パッドを有するとともに上記チャ
ンバーの開口部を外部側から気密に閉塞するホルダーか
らなる蓋体を備えた上下動および回転可能なトランスフ
ァー装置とを具備したものにおいて、上記チャンバーの
開口部には、内外部に設けた少なくとも一方の蓋体で常
時閉塞したロードロック部が形成されているとともにこ
のロードロック部と上記トランスファー装置の給排ライ
ンとを結ぶ連通路が形成されていることを特徴とするス
パッター装置。
【0019】上記請求項1に記載したと同様な作用を奏
する。
【0020】本発明の請求項3に記載のスパッター装置
は、内外部の蓋体が閉塞されたときのロードロック部
は、トランスファー装置の給排ラインより高真空である
ことを特徴とする。
【0021】給排ラインよりロードロック部側の方を高
真空度としておけば、吸着パッドに吸引されている円盤
型基体は、ロードロック部側へと吸い寄せられる結果、
吸着パッドと円盤型基体表面との間には隙間ができる。
そして、この隙間を通じて給排ライン内にある残気をロ
ードロック部側へ排出できる。
【0022】本発明の請求項4に記載のスパッター装置
は、トランスファー装置のホルダーからなる蓋体のロー
ドロック部と給排ラインとを結ぶ連通路に、給排ライン
側からのみ通じる逆止弁が設けられていることを特徴と
する。
【0023】気体圧差を利用して開閉してもあるいは機
械的や電気的な信号によって開閉する弁を設け、給排ラ
イン内にある残気をロードロック部側へ排出できる。
【0024】本発明の請求項5に記載のスパッター装置
は、トランスファー装置のホルダーからなる蓋体のロー
ドロック部と給排ラインとを結ぶ連通路が、円盤型基体
保持用の吸着パッドの上昇によって形成されることを特
徴とする。
【0025】吸着パッドをシャフトを介し電磁式や気体
圧式のシリンダ装置でもってホルダー内を進退させ、吸
着パッドが引き上げられた際に吸着パッドが円盤型基体
の表面から強制的に離され、この吸着パッドの内部を連
通路として、ロードロック部と給排ラインとをつなぎ給
排ライン内にある残気をロードロック部側へ排出でき
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1はCDの製造工程であるスパ
ッター装置Sの一例を示す説明図、図2は図1の要部を
拡大して示す正面断面図、図3は吸着パッドと円盤型基
体との接触部を拡大して示す正面断面図である。
【0027】図1において2は下槽21、上槽22およ
びドーナツ状円盤型基体11が通過できる円形の開口部
24,25を有する中板23を気密に組立ててなるチャ
ンバーで、以下、上記下槽21で形成される部分を真空
室26、上槽22で形成される部分を成膜室27と称す
る。
【0028】また、3はCDのドーナツ状円盤型基体1
1を移送するトランスファー装置である。このトランス
ファー装置3は上下動(矢印)および回転(矢印)可能
な回転軸31に、この回転軸31を中央にして相対方向
に伸びるアーム32,32が取付けられ、各アーム3
2,32の下側にはチャンバー2の開口部23を塞ぐ円
盤状をなすホルダー兼用の蓋体33,33が設けられて
いる。また、このホルダー兼用の蓋体33,33の下面
にはフッ素ゴム製等の吸着パッド34,34が設けられ
ていて、この吸着パッド34,34は上記アーム32,
32および給排ライン35を介し、真空ポンプP1およ
び窒素ボンベ等に接続されている。また、ホルダー兼用
の蓋体33内の吸着パッド34に隣接する仕切壁36に
は、ホルダー兼用の蓋体33内と外部とをつなぐ逆止弁
37が連通路として形成されている。
【0029】また、4はスパッタリング部で、チャンバ
ー2内の真空室26には回転軸51を中央にして相対方
向に伸びる回転アーム52,52が取付けられ、回転ア
ーム52,52には円盤型基体11を水平に載置して保
持する円形状のサセプター53,53が設けられ、この
サセプター53は上記開口部24の周縁に当接して蓋体
をも兼ねている。また、54,55はそれぞれ電磁式や
気体圧式のシリンダ装置であって、それぞれのシャフト
56,57は上記サセプターを兼ねる蓋体53,53の
下面に臨み配設されている。また、39はチャンバー2
の開口部24の内外部をホルダー兼用の蓋体33および
サセプターを兼ねる蓋体53で閉塞して構成したロード
ロック部である。
【0030】また、チャンバー2の開口部24に連設し
たスパッターが行われる成膜室27は上記真空室26と
は連通して構成されている。この成膜室27内にはマグ
ネトロンスパッタリング装置61および円盤型基体11
の中央部を覆うセンターマスク62が設けられ、開口部
25の内周にはアウターマスク63が設けられている。
また、図中28は真空室26から真空ポンプおよび窒素
ボンベ等(図示しない。)に接続された給排管、29は
中板23内を通って開口部24に臨み設けられた給排ラ
インで真空ポンプP2および窒素ボンベ等に接続されて
いる。また、69、…は気密保持用のパッキングであ
る。
【0031】そして、このスパッター装置Sにおけるス
パッター作業は次のようにして行われる。
【0032】ベルトコンベヤー等で搬送されてきたドー
ナツ状円盤型基体11は、下降してきたトランスファー
装置3の円盤状のホルダー兼用の蓋体33,33に設け
られている吸着パッド34,34を給排ライン35を介
し排気真空にすることによって吸引され、水平に保持さ
れる。
【0033】そして、トランスファー装置3の回転軸3
1を上昇させ、たとえば図1の仮想線の位置まで来たら
回転軸31を180度回転し、つぎに、回転軸31を下
降させて、円盤状のホルダー兼用の蓋体33をスパッタ
ー装置Sのチャンバー21の開口部24上に移動させ
る。この状態は円盤状のホルダー兼用の蓋体33が開口
部24の上面側を閉塞するとともに、チャンバー2内の
サセプターを兼ねる蓋体53上に円盤型基体11を位置
させることになる。そして、この状態は開口部24の上
面側はホルダー兼用の蓋体33で、また、下面側はシリ
ンダ装置54を動作させることによって周縁部が開口部
24の周囲に押圧している上記サセプターを兼ねる蓋体
53により閉塞された状態で、ロードロック部39を構
成している。
【0034】このロードロック部39内を真空ポンプに
接続した給排ライン29を介して排気する。そして、吸
着パッド34,34の排気を中止した後、給排ライン3
5を介し窒素等を封入して、吸着パッド34,34によ
る円盤型基体11の保持を解く。
【0035】このとき上述したように、サセプターを兼
ねる蓋体53上に円盤型基体11が載っていて吸着パッ
ド34,34と円盤型基体11表面との間には隙間がな
く接触している状態にあるが、この接触部に大気圧の状
態にあるロードロック部39側へ給排ライン29から加
圧窒素が送られる結果、両者の密着は解ける。つぎに、
吸着パッド34,34側の給排ライン35からの加圧窒
素の供給を停止し、ロードロック部39内の排気をすれ
ば、仕切壁36に設けられた逆止弁37が開放状態とな
ってロードロック部39と給排ライン35とを結ぶ連通
路を構成して給排ライン35内も排気され真空になる。
【0036】つぎに、ロードロック部39内の排気を停
止して(この排気停止により逆止弁37は閉止す
る。)、シリンダ装置54を動作させて開口部24の周
囲を押圧している上記サセプターを兼ねる蓋体53を下
方に降下させ回転アーム52位置まで下げる。そして、
給排管28を介しチャンバー2内の排気を続けるととも
に、回転軸51を180度回転して、回転アーム52,
52の位置を入替え、開口部24側にあった回転アーム
52を成膜室27と対面する真下の位置に移動する。そ
して、シリンダ装置55を動作してサセプターを兼ねる
蓋体53を上昇させ、円盤型基体11の中央部と周縁部
をそれぞれセンターマスク62とアウターマスク63に
押し当て円盤型基体11を水平状態にして保持する。
【0037】この状態で真空室26内および成膜室27
内の排気がすすみ所定の真空度に達したら、マグネトロ
ンスパッタリング装置61を作動して被膜材料であるア
ルミニウムをスパッターさせる。このスパッターにより
飛散したアルミニウム粒子は、主として円盤型基体11
の表面、センターマスク62の外表面やアウターマスク
63の表面に被着され、これらに所定膜厚のアルミニウ
ム被膜が形成できる。
【0038】このスパッタリングが終了したら、シリン
ダ装置55を動作してシャフト57を下降させると、円
盤型基体11を保持している回転アーム52およびサセ
プターを兼ねる蓋体53が下降する。
【0039】そして、回転軸51を180度回転して、
円盤型基体11の載ったサセプターを兼ねる蓋体53お
よび回転アーム52を図1において左方に移動し、シリ
ンダ装置54を動作してシャフト56を上昇させサセプ
ターを兼ねる蓋体53を押上げて、開口部24の周囲に
押圧させる。このとき、サセプターを兼ねる蓋体53上
の円盤型基体11の表面は吸着パッド34,34と接触
する。
【0040】つぎに、サセプターを兼ねる蓋体53によ
る閉塞で構成されたロードロック部39内に給排ライン
29を介して窒素等を供給するとともに、給排ライン3
5を真空ポンプにつなぎ吸着パッド34,34により円
盤型基体11を吸引する。
【0041】この窒素等の供給でロードロック部39内
の負圧が解かれたら、トランスファー装置3の回転軸3
1を上昇させ、たとえば図1の仮想線の位置まで来たら
回転軸31を180度回転し、ここで吸着パッド34,
34の真空状態を窒素等に切替えると円盤型基体11の
保持が解かれ、アルミニウム被膜を形成した円盤型基体
11を取出すことができる。
【0042】なお、この後トランスファー装置3を下降
させてコンベヤー上の新たな円盤型基体11をゴムパッ
ド34,34で吸引して、スパッタリング装置Sに送り
上述した作業を繰り返し行うことができる。
【0043】上述した装置および方法でスパッタリング
を行えば、吸着パッドによる円盤型基体の吸着保持解除
後に、吸着パッドの先端部が円盤型基体表面と接触して
いる状態であっても、トランスファー装置のホルダーに
設けた吸着パッドに接続する給排ライン内に、円盤型基
体の取出しに用いた残存しているガスや気体を逆止弁お
よびロードロック部を通じて強制的に開口部に設けた給
排ラインから排出できる。したがって、サセプターを兼
ねる蓋体による閉塞が解かれてもチャンバー内に流入す
る不所望な気体量を少なくして、チャンバー内の真空度
回復を短時間のうちに行わせ、スパッター作業に要する
時間を短縮して生産性を向上させることができる。
【0044】また、吸着パッドの先端部と円盤型基体表
面との高低差を変えることなく、トランスファー装置を
用い円盤型基体のローディングおよびアンローディング
を行っても円盤型基体の吸着ミスや離脱ミスのない確実
な移送ができる。
【0045】なお、上記の構成とすることにより、チャ
ンバー内をスパッター可能な真空度(数Pa(パスカ
ル))とするのに従来は約1.5秒要していたのが、約
0.4秒と約1.1秒短縮することができた。
【0046】なお、本発明は上記実施の形態に限らな
い。たとえば、トランスファー装置のホルダーに設ける
ロードロック部との連通路を開閉する逆止弁は、圧力差
に応じて自動的に開閉しても、トランスファー装置の動
作などによる機械的や電気的な信号に連動して開閉する
ようにしてもよい。また、図4に要部の断面を示すよう
に、吸着パッド34,34をシャフト81を介し電磁式
や気体圧式のシリンダ装置8でもってホルダー33内を
進退させ、吸着パッド34,34が引き上げられた際に
吸着パッド34,34が円盤型基体11の表面から強制
的に離され、この吸着パッド34,34の内部を連通路
として、ロードロック部39と給排ライン35とをつな
ぐようにしてもよい。
【0047】また、窒素等を供給して円盤型基体の吸着
保持解除後に、トランスファー装置3のアーム32内に
設けた給排ライン35およびこの給排ライン35に接続
した真空ポンプ(図示しない。)を利用して、給排ライ
ン35内の気体を排出するようにしてもよい。なお、こ
の場合は給排ライン35内よりロードロック部39内の
方の圧力を低くしておいた方が、円盤型基体11が再び
吸着パッド34,34に吸引される虞がない。
【0048】また、被膜形成の対象物はCDに限らず、
LD(レーザーディスク)、DVD(デジタルビデオデ
ィスク)やMD(ミニディスク)などの製造にも適用が
可能で、被膜材料もアルミニウムのほか金、銀、銅、ケ
イ素などのスパッターも行うことができる。
【0049】また、被膜形成材料を飛散させるスパッタ
リング装置はマグネトロンスパッターのほか、真空蒸着
などであってもよい。
【0050】また、装置各部の詳細構成も実施の形態に
記載したものに限らない。たとえばスパッターは円盤型
基体を水平に保持して被膜の形成を上方より行ったが、
上方からに限らず下方からでもよく、さらに、円盤型基
体を垂直に保持して被膜の形成を行ってもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明の請求項1および請求項2の発明
によれば、チャンバー内に流入する不所望な気体量を少
なくして、その真空度回復を短時間のうちに行わせ、す
なわち短時間で所定の真空度が得られてスパッター作業
を行うことができ、スパッター作業の生産性を向上させ
ることができる。
【0052】また、吸着パッドの先端部と円盤型基体表
面との高低差を変えることなく、トランスファー装置を
用い円盤型基体のローディングおよびアンローディング
を行っても円盤型基体の吸着ミスや離脱ミスのない確実
な移送ができる。
【0053】なお、本発明者の実験によれば、スパッタ
ー作業に従来は約3.0秒要していたのが、約2.0秒
と約1.0秒(所要時間を約33%)短縮することがで
きた。
【0054】また、本発明の請求項3の発明によれば、
吸着パッドから円盤型基体を容易に離脱させることがで
きるとともに、給排ライン内にある残気をロードロック
部側に容易に排出でき、上記請求項1および請求項2の
記載と同様な効果を奏する。また、本発明の請求項4お
よび請求項5の発明によれば、簡単な構成で上記請求項
1および請求項2の記載と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッター装置の実施の形態を示す説
明図である。
【図2】本発明の図1の要部を拡大して示す一部断面正
面図である。
【図3】吸着パッドと円盤型基体との接触部を拡大して
示す正面断面図である。
【図4】本発明のスパッター装置の他の実施の形態の要
部を拡大して示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
S:スパッター装置 11:ドーナツ状円盤型基体 2:チャンバー 24,25:開口部 26:真空室 27:成膜室 28:給排管 29:給排ライン 3:トランスファー装置 31:回転軸 32:アーム 33:ホルダー兼用の蓋体 34:吸着パッド 35:給排ライン 36:仕切壁 37:逆止弁 39:ロードロック部 4:スパッタリング部 51:回転軸 52:回転アーム 53:サセプター兼用の蓋体 54,55,8:シリンダー装置 62:マグネトロンスパッタリング装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給排装置を接続した真空室および成膜室
    を備えたチャンバーの開口部を、チャンバー内部の円盤
    型基体保持用のサセプターからなる蓋体と、トランスフ
    ァー装置の給排ラインに接続された吸着パッドでドーナ
    ツ状円盤型基体を吸引保持したホルダーからなる蓋体と
    で内外から気密に閉塞してロードロック部を形成した
    後、吸着パッドに給気して円盤型基体をサセプター上に
    載置させてロードロック部内を排気し、成膜室でスパッ
    ターする方法において、円盤型基体をサセプター上に載
    置させた後、ロードロック部内を排気し、トランスファ
    ー装置の給排ラインの残気を給排ラインあるいは吸着パ
    ッドまたはホルダーに形成した連通路を介しチャンバー
    の開口部に接続した給排装置で排気することを特徴とす
    るスパッター方法。
  2. 【請求項2】 ドーナツ状円盤型基体の出入できる開口
    部を有する真空室および成膜室を備えたチャンバーと、
    このチャンバー内に設けられ上記真空室および成膜室に
    移動可能であるとともに上記開口部を内部側から気密に
    閉塞する円盤型基体保持用のサセプターと、このチャン
    バー内に接続した給排装置と、上記チャンバーの開口部
    に臨み設けられた給排装置と、給排ラインに接続した円
    盤型基体保持用の吸着パッドを有するとともに上記チャ
    ンバーの開口部を外部側から気密に閉塞するホルダーか
    らなる蓋体を備えた上下動および回転可能なトランスフ
    ァー装置とを具備したものにおいて、上記チャンバーの
    開口部には、内外部に設けた少なくとも一方の蓋体で常
    時閉塞したロードロック部が形成されているとともにこ
    のロードロック部と上記トランスファー装置の給排ライ
    ンとを結ぶ連通路が形成されていることを特徴とするス
    パッター装置。
  3. 【請求項3】 内外部の蓋体が閉塞されたときのロード
    ロック部は、トランスファー装置の給排ラインより高真
    空であることを特徴とする請求項2に記載のスパッター
    装置。
  4. 【請求項4】 トランスファー装置のホルダーからなる
    蓋体のロードロック部と給排ラインとを結ぶ連通路に、
    給排ライン側からのみ通じる逆止弁が設けられているこ
    とを特徴とする請求項2または請求項3に記載のスパッ
    ター装置。
  5. 【請求項5】 トランスファー装置のホルダーからなる
    蓋体のロードロック部と給排ラインとを結ぶ連通路が、
    円盤型基体保持用の吸着パッドの上昇によって形成され
    ることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のス
    パッター装置。
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CN100409273C (zh) * 2004-02-13 2008-08-06 爱德牌工程有限公司 用于制造平板显示器的设备

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