JPH1045970A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体

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JPH1045970A
JPH1045970A JP20195096A JP20195096A JPH1045970A JP H1045970 A JPH1045970 A JP H1045970A JP 20195096 A JP20195096 A JP 20195096A JP 20195096 A JP20195096 A JP 20195096A JP H1045970 A JPH1045970 A JP H1045970A
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JP
Japan
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polypropylene resin
resin composition
refractive index
nucleating agent
transparency
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JP20195096A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Taizo Aoyama
泰三 青山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた透明性および耐衝撃性を兼備するポ
リプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してえられ
る成形体を提供すること。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂(A)100重量
部に対して、前記ポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率
と実質的に等しい屈折率を有するポリオレフィン系ゴム
(B)0.5〜100重量部と、透明核剤(C)0.0
1〜10重量部とを配合してなるポリプロピレン系樹脂
組成物、ならびに前記ポリプロピレン系樹脂組成物を成
形してなる成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂組成物およびそれからなる成形体に関する。さらに
詳しくは、すぐれた透明性および耐衝撃性を兼備するポ
リプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂は、各種物性のバ
ランスにすぐれるが、その結晶性に起因して透明性がわ
るく、耐衝撃性があまり良好でないという欠点を有す
る。
【0003】したがって、前記ポリプロピレン系樹脂を
成形してえられる、たとえば押出成形体やカレンダー加
工品、射出成形体、ブロー成形体、熱成形体などの成形
体は、すぐれた透明性および耐衝撃性が要求される分野
において利用することが困難である。
【0004】そこで、従来、前記ポリプロピレン系樹脂
の耐衝撃性を改良するために、一般に、該ポリプロピレ
ン系樹脂にポリオレフィン系ゴムを添加することが試み
られている。しかしながら、このようにポリオレフィン
系ゴムが添加されたポリプロピレン系樹脂は、その耐衝
撃性は向上するものの、ポリプロピレン系樹脂の屈折率
とポリオレフィン系ゴムの屈折率とが異なるばあいに
は、その透明性は、かえって低下してしまい、両者の屈
折率が等しいばあいであっても、透明性が向上しないと
いう欠点を有する。
【0005】このように、透明性および耐衝撃性に同時
にすぐれたポリプロピレン系樹脂が未だ見出されていな
いのが現状であり、かかるすぐれた透明性および耐衝撃
性を兼備するポリプロピレン系樹脂およびそれを成形し
てえられる成形体の開発が待ち望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、すぐれた透明性および
耐衝撃性を兼備するポリプロピレン系樹脂組成物および
それを成形してえられる成形体を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリプロピ
レン系樹脂(A)100重量部に対して、前記ポリプロ
ピレン系樹脂(A)の屈折率と実質的に等しい屈折率を
有するポリオレフィン系ゴム(B)0.5〜100重量
部と、透明核剤(C)0.01〜10重量部とを配合し
てなるポリプロピレン系樹脂組成物、ならびに前記ポ
リプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物は、前記したように、ポリプロピレン系樹脂(A)
100部(重量部、以下同様)に対して、前記ポリプロ
ピレン系樹脂(A)の屈折率と実質的に等しい屈折率を
有するポリオレフィン系ゴム(B)0.5〜100部
と、透明核剤(C)0.01〜10部とを配合してえら
れるものである。
【0009】本発明の大きな特徴の1つは、ポリプロピ
レン系樹脂に、特定のポリオレフィン系ゴムと透明核剤
とを、それぞれ特定量で同時に配合したことにある。
【0010】従来、透明性がわるいポリプロピレン系樹
脂にポリオレフィン系ゴムを添加したばあいには、耐衝
撃性は向上するが、透明性が向上することはなかった。
しかしながら、かかるポリオレフィン系ゴムと同時に透
明核剤をポリプロピレン系樹脂に配合したばあいには、
耐衝撃性が向上することはもちろんのこと、透明性もが
いちじるしく向上するということを本発明者らは見出
し、本発明を完成するにいたったのである。
【0011】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
(A)としては、プロピレンの単独重合体またはプロピ
レンと該プロピレンと共重合可能な単量体とを共重合さ
せてなる共重合体であって、結晶性を有する重合体があ
げられる。
【0012】なお、前記共重合体を構成するプロピレン
の量は、ポリプロピレン系樹脂(A)としての結晶性、
剛性、耐薬品性などの特性が充分に発現されるという点
から、75重量%以上、なかんづく90重量%以上であ
ることが好ましい。
【0013】前記共重合体を構成するプロピレンと共重
合可能な単量体としては、たとえばエチレン、1−ブテ
ン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4
−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数
2または4〜12のα−オレフィン系単量体;シクロペ
ンテン、ノルボルネンなどの環状オレフィン系単量体;
5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,
4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン
などのジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、
アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸グリシジル、無水マレイン酸、スチレン、メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどの
ビニル系単量体などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0014】前記単量体のなかでは、安価であり、ポリ
プロピレン系樹脂(A)の透明性が比較的良好であると
いう点から、エチレンおよび1−ブテンが好ましい。
【0015】本発明においては、後で詳述するように、
ポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率とポリオレフィン
系ゴム(B)の屈折率とが実質的に等しくなるように、
両者が適宜選択して用いられるが、このことを考慮し
て、かかるポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率は、通
常1.5前後であることが好ましい。
【0016】なお、本明細書において、単独重合体の屈
折率は、たとえばポリマーハンドブック第3版(ジョン
・ウィリー・アンド・サンズ社、1989年)などに記
載されている値に基づくものであり、共重合体の屈折率
は、該共重合体を構成する単量体それぞれの重量分率で
比例計算された値(共重合体を構成する単量体の単独重
合体の屈折率の、該単量体の重量分率での加重平均値)
に基づくものである。
【0017】また、ポリプロピレン系樹脂(A)のメル
トインデックス(230℃、2.16kg)は、とくに
限定がないが、入手の容易性および経済性の点から、
0.1g/10分程度以上であることが好ましく、結晶
性、剛性、耐熱性および耐薬品性の点から、100g/
10分程度以下であることが好ましい。
【0018】さらに、前記ポリプロピレン系樹脂(A)
の形状にはとくに限定がなく、たとえば粒子状、ペレッ
ト状などでよい。またその大きさにもとくに限定がな
い。
【0019】本発明に用いられるポリオレフィン系ゴム
(B)は、前記ポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率と
実質的に等しい屈折率を有するものであり、耐衝撃性を
向上させるための成分である。
【0020】前記ポリオレフィン系ゴム(B)として
は、たとえば日石ポリブテンHV−15、日石ポリブテ
ンHV−30、日石ポリブテンHV−3000(以上、
日本石油化学(株)製)などで代表される液状ポリブテ
ン;テトラックス3T、テトラックス5T、テトラック
ス6T(以上、日本石油化学(株)製)などで代表され
るクラム状ポリブテン;ビスタネックスLM−MS、ビ
スタネックスMML−80、ビスタネックスMML−1
40(以上、エクソン化学(株)製)などで代表される
ポリイソブチレン;カレン800、カレン1300(以
上、エクソン化学(株)製)などで代表される液状ブチ
ルゴム、ブチル−065、ブチル−268、ブチル−3
65(以上、日本合成ゴム(株)製)、エクソンブチル
065、エクソンブチル165、エクソンブチル07
7、エクソンブチル007(以上、エクソン化学(株)
製)などで代表されるクラム状ブチルゴムなどのイソブ
チレンと少量のイソプレンとからなるブチルゴム;ダイ
ナロン1320P、ダイナロン1910P(以上、日本
合成ゴム(株)製)などで代表されるスチレン−エチレ
ン−ブチレンランダム共重合体などのスチレン−ブタジ
エン系ランダム共重合体の水素化物、クレイトンG16
50、クレイトンG1652、クレイトン1726X
(以上、シェル化学(株)製)などで代表されるスチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体な
どのスチレン−ブタジエン系トリブロック共重合体の水
素化物、スチレン−ブタジエン系ジブロック共重合体の
水素化物などのスチレン−ブタジエン系共重合体水素化
物;セプトン2007、セプトン4033(以上、
(株)クラレ製)などで代表されるスチレン−エチレン
−プロピレン−スチレンブロック共重合体などのスチレ
ン−イソプレン系トリブロック共重合体の水素化物、ス
チレン−イソプレン系ジブロック共重合体の水素化物な
どのスチレン−イソプレン系共重合体水素化物;HVS
−3((株)クラレ製)などで代表される水素化スチレ
ン−ビニル化イソプレン−スチレン系ブロック共重合
体;タフマーXR106L(三井石油化学工業(株)
製)などで代表されるプロピレン−α−オレフィン共重
合体などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
【0021】前記ポリオレフィン系ゴム(B)のなかで
は、耐衝撃性の向上効果がより充分に発現されるという
点から、液状ポリブテン、液状ブチルゴムなどの低分子
量体よりも、それ以外の高分子量体がより好ましい。
【0022】本発明においては、ポリオレフィン系ゴム
(B)として、その屈折率が前記ポリプロピレン系樹脂
(A)の屈折率と実質的に等しいものが用いられる。
【0023】なお、本明細書において、屈折率が実質的
に等しいとは、ポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率と
ポリオレフィン系ゴム(B)の屈折率との差(|ポリプ
ロピレン系樹脂(A)の屈折率−ポリオレフィン系ゴム
(B)の屈折率|)が0.02以下であることをいう
が、かかるポリオレフィン系ゴム(B)を配合したこと
により、えられるポリプロピレン系樹脂組成物の透明性
が低下するおそれをなるべく小さくするためには、かか
る屈折率の差は、0.015以下、好ましくは0.01
以下、さらに好ましくは0.008以下であることが望
ましい。
【0024】また、前記したような屈折率の差となるよ
うに、かかるポリオレフィン系ゴム(B)および前記ポ
リプロピレン系樹脂(A)が適宜選択して用いられる
が、このことを考慮して、かかるポリオレフィン系ゴム
(B)の屈折率は、通常1.47〜1.53程度である
ことが好ましい。
【0025】前記ポリオレフィン系ゴム(B)の量は、
耐衝撃性の向上効果を充分に発現させるためには、前記
ポリプロピレン系樹脂(A)100部に対して0.5部
以上、好ましくは1部以上、さらに好ましくは3部以上
である。また、ポリプロピレン系樹脂(A)の特徴であ
る剛性を大きく低下させないようにするためには、かか
るポリオレフィン系ゴム(B)の量は、ポリプロピレン
系樹脂(A)100部に対して100部以下、好ましく
は50部以下、さらに好ましくは30部以下である。
【0026】本発明に用いられる透明核剤(C)は、え
られるポリプロピレン系樹脂組成物の透明性を向上させ
るための成分である。
【0027】前記透明核剤(C)としては、たとえば1
・3,2・4−ジ(メチルベンジリデン)ソルビトー
ル、ゲルオールDH(新日本理化(株)製)、ビス−p
−エチルベンジリデンソルビトールなどで代表されるソ
ルビトール系核剤;リン酸2,2−メチレンビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、アデカスタ
ブNA21(旭電化工業(株)製)などで代表されるリ
ン系核剤;パインクリスタルKM−1300(荒川化学
工業(株)製)などで代表されるロジン系核剤などがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。これらの透明核剤(C)は、透明性の
向上効果が充分に発現されるという点から、本発明にお
いて好ましく用いられる。
【0028】前記透明核剤(C)の量は、透明性の向上
効果を充分に発現させるためには、前記ポリプロピレン
系樹脂(A)100部に対して0.01部以上、好まし
くは0.1部以上、さらに好ましくは0.2部以上であ
る。また、経済性を考慮すると、かかる透明核剤(C)
の量は、ポリプロピレン系樹脂(A)100部に対して
10部以下、好ましくは2部以下、さらに好ましくは1
部以下である。
【0029】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
ポリプロピレン系樹脂(A)に該ポリプロピレン系樹脂
(A)の屈折率と実質的に等しい屈折率を有するポリオ
レフィン系ゴム(B)と透明核剤(C)とを配合してえ
られるものであるが、本発明においては、さらに必要に
応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、たとえば
酸化防止剤、金属不活性剤、リン系加工安定剤、紫外線
吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸
着剤、架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強
化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を
ポリプロピレン系樹脂(A)に配合してもよい。
【0030】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物をう
る方法にはとくに限定がなく、たとえばそれぞれ所望量
のポリプロピレン系樹脂(A)、ポリオレフィン系ゴム
(B)および透明核剤(C)、ならびに必要に応じて添
加剤の各成分を撹拌混合し、溶融混練して、たとえばペ
レットをうる方法などを採用することができる。
【0031】前記各成分の撹拌混合や溶融混練の際に用
いる装置にはとくに限定がなく、たとえばロール、コニ
ーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、一軸押出
機、二軸押出機などの混練機;二軸表面更新機、二軸多
円板装置などの横型撹拌機;ダブルヘリカルリボン撹拌
機などの縦型撹拌機などがあげられる。これらのなかで
は、生産性にすぐれるという点から、押出機が好まし
い。
【0032】また、前記各成分の撹拌混合および溶融混
練の際の温度にはとくに限定がなく、前記ポリプロピレ
ン系樹脂(A)が溶融し、かつ熱分解しない程度の温度
であればよい。したがって、たとえば130〜400℃
程度に前記装置内の温度を設定し、撹拌混合および溶融
混練を行なうことが好ましい。また、かかる撹拌混合お
よび溶融混練の時間にもとくに限定がないが、通常1〜
60分間程度であることが好ましい。
【0033】かくしてえられる本発明のポリプロピレン
系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)が本来有
する物性のバランスを維持したまま、すぐれた透明性お
よび耐衝撃性を兼備するものである。
【0034】したがって、前記ポリプロピレン系樹脂組
成物を種々の成形方法で成形させることにより、透明性
および耐衝撃性に同時にすぐれた本発明の成形体をうる
ことができる。
【0035】本発明の成形体をうるための成形方法には
とくに限定がなく、たとえば通常の押出成形法、熱成形
法、射出成形法、ブロー成形法、カレンダー加工法など
を採用することができる。
【0036】たとえば、本発明のポリプロピレン系樹脂
組成物を押出成形またはカレンダー加工することによ
り、フィルム状ないしシート状の成形体をうることがで
きる。
【0037】また、前記フィルム状ないしシート状の成
形体に、該成形体に適した温度で、たとえば真空成形、
圧空成形などの熱成形を施すことにより、熱成形体をう
ることができる。
【0038】また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物を射出成形またはブロー成形することにより、それぞ
れ射出成形体またはブロー成形体をうることができる。
【0039】かくしてえられる本発明の成形体は、前記
したように、すぐれた透明性および耐衝撃性を兼備した
ものであるので、従来の成形体は用いることができなか
った、とくにすぐれた透明性および耐衝撃性が同時に要
求される分野において、きわめて有用なものである。
【0040】
【実施例】つぎに、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物およびそれからなる成形体を実施例に基づいてさらに
詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0041】実施例1 ポリプロピレン(住友化学工業(株)製、ノーブレンD
501、屈折率:1.503、メルトインデックス(2
30℃、2.16kg):0.5g/10分)のペレッ
ト100部、ブチルゴム(日本合成ゴム(株)製、ブチ
ル−268、屈折率:1.508、ムーニー粘度(12
5℃):51)20部およびリン系核剤(旭電化工業
(株)製、アデカスタブNA21)0.5部を、200
℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所(株)製、ラボテ
ックス、32mmφ、L/D=25.5)に供給し、撹
拌混合してポリプロピレン系樹脂組成物のペレット(直
径:約5mm、長さ:約5mm)をえた。
【0042】つぎに、えられたペレットを200℃でロ
ール混練してロールシートを作製し、これを200℃、
30kgf/cm2で10分間、20℃、50kgf/
cm2で5分間圧空成形して厚さ1mmの試験片をえ
た。
【0043】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1
に示す。
【0044】(イ)透明性 ASTM−D1003に規定の方法に準拠して、全光線
透過率(T(%))および濁度(HAZE(%))をそ
れぞれ測定した。
【0045】(ロ)耐衝撃性 ASTM D−256およびASTM−D790に規定
の方法に準拠して、アイゾット衝撃強度(ノッチ付、1
/4インチ厚さ)(kg・cm/cm)を23℃または
−20℃にて測定した。
【0046】実施例2 実施例1において、ブチルゴム20部のかわりにスチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム(シェル化学
(株)製、クレイトンG1650、屈折率:1.50
5、メルトインデックス(200℃、5kg):1g/
10分以下)20部を用いたほかは、実施例1と同様に
してポリプロピレン系樹脂組成物のペレット(直径:約
5mm、長さ:約5mm)をえた。
【0047】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0048】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0049】実施例3 実施例1において、ブチルゴム20部のかわりにスチレ
ン−エチレン−プロピレン−スチレンゴム(クラレ
(株)製、セプトン2007、屈折率:1.514、メ
ルトインデックス(200℃、10kg):4g/10
分)20部を用いたほかは、実施例1と同様にしてポリ
プロピレン系樹脂組成物のペレット(直径:約5mm、
長さ:約5mm)をえた。
【0050】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0051】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0052】実施例4 実施例1において、リン系核剤0.5部のかわりにソル
ビトール系核剤(新日本理化(株)製、ゲルオールD
H)0.5部を用いたほかは、実施例1と同様にしてポ
リプロピレン系樹脂組成物のペレット(直径:約5m
m、長さ:約5mm)をえた。
【0053】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0054】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0055】実施例5 実施例1において、ブチルゴムの量を20部から1部に
変更したほかは、実施例1と同様にしてポリプロピレン
系樹脂組成物のペレット(直径:約5mm、長さ:約5
mm)をえた。
【0056】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0057】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0058】実施例6 実施例1において、リン系核剤の量を0.5部から0.
1部に変更したほかは、実施例1と同様にしてポリプロ
ピレン系樹脂組成物のペレット(直径:約5mm、長
さ:約5mm)をえた。
【0059】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0060】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0061】実施例7 実施例1において、ポリプロピレン(住友化学工業
(株)製、ノーブレンD501)のペレット100部の
かわりにランダムポリプロピレン(三井石油化学工業
(株)製、ハイボールB230、屈折率:1.50、メ
ルトインデックス(230℃、2.16kg):0.5
g/10分)のペレット100部を用いたほかは、実施
例1と同様にしてポリプロピレン系樹脂組成物のペレッ
ト(直径:約5mm、長さ:約5mm)をえた。
【0062】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0063】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0064】比較例1 実施例1で用いたものと同じポリプロピレンのペレット
(直径:約5mm、長さ:約5mm)から実施例1と同
様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0065】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0066】比較例2 実施例1において、リン系核剤を用いなかったほかは、
実施例1と同様にしてポリプロピレン系樹脂組成物のペ
レット(直径:約5mm、長さ:約5mm)をえた。
【0067】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0068】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0069】比較例3 実施例1において、ブチルゴム20部のかわりにオレフ
ィン系ゴム(三井石油化学工業(株)製、タフマーP0
680、屈折率:1.480、メルトインデックス(2
30℃、2.16kg):0.7g/10分)20部を
用い、リン系核剤を用いなかったほかは、実施例1と同
様にしてポリプロピレン系樹脂組成物のペレット(直
径:約5mm、長さ:約5mm)をえた。
【0070】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0071】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0072】比較例4 実施例1において、ブチルゴムを用いなかったほかは、
実施例1と同様にしてポリプロピレン系樹脂組成物のペ
レット(直径:約5mm、長さ:約5mm)をえた。
【0073】つぎに、えられたペレットから実施例1と
同様にして厚さ1mmの試験片を作製した。
【0074】えられた試験片を用い、透明性および耐衝
撃性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0075】なお、表1中、各略号は以下のことを示
す。
【0076】PP−I:ポリプロピレン(住友化学工業
(株)製、ノーブレンD501) PP−II:ランダムポリプロピレン(三井石油化学工業
(株)製、ハイボールB230) IIR:ブチルゴム(日本合成ゴム(株)製、ブチル−
268) SEBS:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴ
ム(シェル化学(株)製、クレイトンG1650) SEPS:スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
ゴム(クラレ(株)製、セプトン2007) EPR:オレフィン系ゴム(三井石油化学工業(株)
製、タフマーPO680) NA:リン系核剤(旭電化工業(株)製、アデカスタブ
NA21) DH:ソルビトール系核剤(新日本理化(株)製、ゲル
オールDH)
【0077】
【表1】
【0078】表1に示された結果から、実施例1〜7の
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物から成形された試
験片は、いずれも全光線透過率が高く、また濁度が低い
ことから、透明性にすぐれ、かつ23℃および−20℃
いずれにおいてもアイゾット衝撃強度が高いことから、
耐衝撃性にもすぐれたものであることがわかる。
【0079】これに対して、ポリオレフィン系ゴム
(B)および透明核剤(C)を用いなかったばあいには
(比較例1)、濁度が高いうえ、23℃および−20℃
いずれにおいてもアイゾット衝撃強度が低く、透明核剤
(C)を用いなかったばあいには(比較例2および
3)、アイゾット衝撃強度は高いものの、濁度が高く、
またポリオレフィン系ゴム(B)を用いなかったばあい
には(比較例4)、濁度は低いものの、23℃および−
20℃いずれにおいてもアイゾット衝撃強度が低いこと
から、ポリオレフィン系ゴム(B)と透明核剤(C)と
が同時に用いられなければ、すぐれた透明性および耐衝
撃性を兼備する成形体をうることができないことがわか
る。
【0080】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物
は、ポリプロピレン系樹脂が本来有する、たとえば剛
性、耐熱性、耐薬品性などの物性のバランスを維持した
まま、すぐれた透明性および耐衝撃性を兼備するもので
ある。
【0081】したがって、前記ポリプロピレン系樹脂組
成物を成形してえられる本発明の成形体は、とくにすぐ
れた透明性および耐衝撃性が同時に要求される分野にお
いて、きわめて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/16 LCY C08L 23/16 LCY 23/22 LCZ 23/22 LCZ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂(A)100重量
    部に対して、前記ポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率
    と実質的に等しい屈折率を有するポリオレフィン系ゴム
    (B)0.5〜100重量部と、透明核剤(C)0.0
    1〜10重量部とを配合してなるポリプロピレン系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂(A)の屈折率と
    ポリオレフィン系ゴム(B)の屈折率との差が0.02
    以下である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 透明核剤(C)がソルビトール系核剤、
    リン系核剤およびロジン系核剤の少なくとも1種である
    請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のポリプロピ
    レン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
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