JPH1045698A - 4−クロロブチロニトリルの製造方法 - Google Patents
4−クロロブチロニトリルの製造方法Info
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- JPH1045698A JPH1045698A JP20984996A JP20984996A JPH1045698A JP H1045698 A JPH1045698 A JP H1045698A JP 20984996 A JP20984996 A JP 20984996A JP 20984996 A JP20984996 A JP 20984996A JP H1045698 A JPH1045698 A JP H1045698A
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- chlorobutyronitrile
- catalyst
- bromobutyronitrile
- alkali metal
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 4−ブロモブチロニトリルを効率よく、しか
も安価で単純なプロセスで4−クロロブチロニトリルへ
と転換する方法を提供する。 【構成】 4−ブロモブチロニトリルとアルカリ金属塩
化物水溶液を、無触媒で反応温度65〜110℃で反応
させる。
も安価で単純なプロセスで4−クロロブチロニトリルへ
と転換する方法を提供する。 【構成】 4−ブロモブチロニトリルとアルカリ金属塩
化物水溶液を、無触媒で反応温度65〜110℃で反応
させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医農薬等の中間原料
として有用な4−クロロブチロニトリルの製造方法に関
するものである。
として有用な4−クロロブチロニトリルの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】4−クロロブチロニトリルの製造方法と
しては、次のような方法が報告されている。すなわち、
1)1−ブロモ−3−クロロプロパンとアルカリ金属シ
アナイド水溶液をエタノールの存在下で反応させる方法
(Org.Synth.Coll.Vol.I,p15
6)、2)1−ブロモ−3−クロロプロパンとアルカリ
金属シアナイド水溶液を相間移動触媒の存在下で反応さ
せる方法(米国特許第3941827号明細書)等であ
る。
しては、次のような方法が報告されている。すなわち、
1)1−ブロモ−3−クロロプロパンとアルカリ金属シ
アナイド水溶液をエタノールの存在下で反応させる方法
(Org.Synth.Coll.Vol.I,p15
6)、2)1−ブロモ−3−クロロプロパンとアルカリ
金属シアナイド水溶液を相間移動触媒の存在下で反応さ
せる方法(米国特許第3941827号明細書)等であ
る。
【0003】しかし、いずれの方法においても式(1)
に示す主反応と共に、式(2)の副反応が進行するた
め、4−クロロブチロニトリルの収率低下の要因となっ
ている。
に示す主反応と共に、式(2)の副反応が進行するた
め、4−クロロブチロニトリルの収率低下の要因となっ
ている。
【0004】Cl(CH2)3Br+MECN→Cl(C
H2)3CN+MEBr (1) Cl(CH2)3Br+
MECN→Br(CH2)3CN+MECl (2)
(式中、MEはアルカリ金属を示す。) 副反応で生成する4−ブロモブチロニトリルは通常蒸留
により精製する事は可能であるが、工業的には利用され
ていないため、4−ブロモブチロニトリルを有用な4−
クロロブチロニトリルへと転換する必要がある。この方
法としては、1)4−ブロモブチロニトリルを相間移動
触媒存在下でアルカリ金属塩化物水溶液と反応させる、
2)4−ブロモブチロニトリルをアミン系触媒存在下で
有機塩素化物と反応させる方法等がある。しかしなが
ら、1)及び2)の方法では蒸留前に相間移動触媒を除
去する必要がある。触媒を除去することなく蒸留を行う
と、蒸留缶中で副反応が進行し、高沸点物質の生成によ
り収率の低下に繋がる。また1)の方法では反応中の副
反応によりグルタロニトリルの生成が見られる。さらに
2)の方法では、反応の効率を上げるために一方の原料
である有機塩素化物を過剰に必要とし、反応により生成
する有機臭素化物及び未反応の有機塩素化物との分離が
必要となり、多くの時間とエネルギーを要する。
H2)3CN+MEBr (1) Cl(CH2)3Br+
MECN→Br(CH2)3CN+MECl (2)
(式中、MEはアルカリ金属を示す。) 副反応で生成する4−ブロモブチロニトリルは通常蒸留
により精製する事は可能であるが、工業的には利用され
ていないため、4−ブロモブチロニトリルを有用な4−
クロロブチロニトリルへと転換する必要がある。この方
法としては、1)4−ブロモブチロニトリルを相間移動
触媒存在下でアルカリ金属塩化物水溶液と反応させる、
2)4−ブロモブチロニトリルをアミン系触媒存在下で
有機塩素化物と反応させる方法等がある。しかしなが
ら、1)及び2)の方法では蒸留前に相間移動触媒を除
去する必要がある。触媒を除去することなく蒸留を行う
と、蒸留缶中で副反応が進行し、高沸点物質の生成によ
り収率の低下に繋がる。また1)の方法では反応中の副
反応によりグルタロニトリルの生成が見られる。さらに
2)の方法では、反応の効率を上げるために一方の原料
である有機塩素化物を過剰に必要とし、反応により生成
する有機臭素化物及び未反応の有機塩素化物との分離が
必要となり、多くの時間とエネルギーを要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に
鑑みて成されたものであり、その目的は、従来の方法で
は満足できなかった4−ブロモブチロニトリルの4−ク
ロロブチロニトリルへの転換方法を提供することにあ
る。すなわち、従来の問題点を解決し、効率的な4−ク
ロロブチロニトリルの製造法を提供することにある。
鑑みて成されたものであり、その目的は、従来の方法で
は満足できなかった4−ブロモブチロニトリルの4−ク
ロロブチロニトリルへの転換方法を提供することにあ
る。すなわち、従来の問題点を解決し、効率的な4−ク
ロロブチロニトリルの製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み効率的な4−ブロモブチロニトリルから4−ク
ロロブチロニトリルへの転換法を提案すべく鋭意検討し
た結果、4−ブロモブチロニトリルを無触媒でアルカリ
金属塩化物水溶液と反応させることにより、前述の問題
点を解決し、4−クロロブチロニトリルを効率的に製造
出来ることを見出し本発明を完成させるに至った。
情に鑑み効率的な4−ブロモブチロニトリルから4−ク
ロロブチロニトリルへの転換法を提案すべく鋭意検討し
た結果、4−ブロモブチロニトリルを無触媒でアルカリ
金属塩化物水溶液と反応させることにより、前述の問題
点を解決し、4−クロロブチロニトリルを効率的に製造
出来ることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち本発明は、4−ブロモブチロニト
リルとアルカリ金属塩化物水溶液を無触媒で65〜11
0℃の温度で反応させることを特徴とする4−クロロブ
チロニトリルの製造方法である。
リルとアルカリ金属塩化物水溶液を無触媒で65〜11
0℃の温度で反応させることを特徴とする4−クロロブ
チロニトリルの製造方法である。
【0008】以下、本発明について説明する。
【0009】本発明は、4−ブロモブチロニトリルを無
触媒で65〜110℃の温度にてアルカリ金属塩化物と
反応させることにより実施される。この温度範囲で反応
を行うことにより、反応は6時間から12時間で終了す
る。反応温度が60℃以下では24時間以上反応時間を
必要とし、生産性が著しく低下する。110℃以上にす
る場合は加圧が必要になる。
触媒で65〜110℃の温度にてアルカリ金属塩化物と
反応させることにより実施される。この温度範囲で反応
を行うことにより、反応は6時間から12時間で終了す
る。反応温度が60℃以下では24時間以上反応時間を
必要とし、生産性が著しく低下する。110℃以上にす
る場合は加圧が必要になる。
【0010】本発明の方法において、使用されるアルカ
リ金属塩化物としては、価格及び入手の容易さから、塩
化ナトリウム又は塩化カリウムが選ばれる。4−ブロモ
ブチロニトリルに対するアルカリ金属塩化物の使用量は
1〜8倍モル、好ましくは2〜4倍モルが選ばれる。1
倍モル以下では4−ブロモブチロニトリルの4−クロロ
ブチロニトリルへの転換率が60%以下と低くなる場合
があり、精製に時間を要し、また8倍モル以上加えても
選択率にそれほどの向上は見られない。
リ金属塩化物としては、価格及び入手の容易さから、塩
化ナトリウム又は塩化カリウムが選ばれる。4−ブロモ
ブチロニトリルに対するアルカリ金属塩化物の使用量は
1〜8倍モル、好ましくは2〜4倍モルが選ばれる。1
倍モル以下では4−ブロモブチロニトリルの4−クロロ
ブチロニトリルへの転換率が60%以下と低くなる場合
があり、精製に時間を要し、また8倍モル以上加えても
選択率にそれほどの向上は見られない。
【0011】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る4−クロロブチロニトリルの製造方法は、従来報告さ
れている方法と比較して次のような効果を有するもので
ある。すなわち、1)無触媒であるため、洗浄工程が大
幅に簡略化される。2)有機溶剤を使用していないの
で、粗製品の精製が容易である。3)副反応が起きない
ので、精製が容易である。
る4−クロロブチロニトリルの製造方法は、従来報告さ
れている方法と比較して次のような効果を有するもので
ある。すなわち、1)無触媒であるため、洗浄工程が大
幅に簡略化される。2)有機溶剤を使用していないの
で、粗製品の精製が容易である。3)副反応が起きない
ので、精製が容易である。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の方法を実施例により具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0013】実施例1 温度計、還流コンデンサー及び攪拌翼を有する3つ口フ
ラスコに塩化ナトリウム(11.7g、0.2mo
l)、水(30ml)を仕込み溶解した。反応液温度を
105℃に保持したまま、4−クロロブチロニトリル
(14.8g、0.1mol)を30分かけて滴下し
た。滴下終了後107℃で6時間熟成した。反応終了
後、有機相と水相を分離し、続いて水(9.5g)を加
え洗浄し9.6gの有機相を得た。該有機相を、ガスク
ロマトグラフで分析したところ4−クロロブチロニトリ
ルが83.6%の収率で生成した。続いて該有機相を釜
温度70〜80℃、真空度100〜20mmHgで減圧
蒸留を行った。蒸留後、留出分及び釜残をガスクロマト
グラフィーにより分析したところ、4−クロロブチロニ
トリルの収率は77.5%であった。
ラスコに塩化ナトリウム(11.7g、0.2mo
l)、水(30ml)を仕込み溶解した。反応液温度を
105℃に保持したまま、4−クロロブチロニトリル
(14.8g、0.1mol)を30分かけて滴下し
た。滴下終了後107℃で6時間熟成した。反応終了
後、有機相と水相を分離し、続いて水(9.5g)を加
え洗浄し9.6gの有機相を得た。該有機相を、ガスク
ロマトグラフで分析したところ4−クロロブチロニトリ
ルが83.6%の収率で生成した。続いて該有機相を釜
温度70〜80℃、真空度100〜20mmHgで減圧
蒸留を行った。蒸留後、留出分及び釜残をガスクロマト
グラフィーにより分析したところ、4−クロロブチロニ
トリルの収率は77.5%であった。
【0014】実施例2〜実施例5 表1に示すように反応温度、原料の仕込み比率を変更
し、実施例1の反応装置を用い、実施例1の操作に従っ
て一連の反応を行った。これらの実施例の結果を表1に
示す。
し、実施例1の反応装置を用い、実施例1の操作に従っ
て一連の反応を行った。これらの実施例の結果を表1に
示す。
【0015】
【表1】
【0016】比較例1 表1に示すように原料の仕込み比率を変更し、反応温度
を50℃とした以外は、実施例1の反応装置を用い、実
施例1の操作に従って反応を行った。結果を表1にあわ
せて示す。
を50℃とした以外は、実施例1の反応装置を用い、実
施例1の操作に従って反応を行った。結果を表1にあわ
せて示す。
【0017】比較例2 表1に示すように反応温度、原料の仕込み比率を変更
し、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイドを
4−BBNに対し1モル%使用した以外は、実施例1の
反応装置を用い、実施例1の操作に従って反応を行っ
た。結果を表1にあわせて示す。
し、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイドを
4−BBNに対し1モル%使用した以外は、実施例1の
反応装置を用い、実施例1の操作に従って反応を行っ
た。結果を表1にあわせて示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 4−ブロモブチロニトリルとアルカリ金
属塩化物水溶液を無触媒で65〜110℃の温度で反応
させることを特徴とする4−クロロブチロニトリルの製
造方法。 - 【請求項2】 4−ブロモブチロニトリル1モル当たり
のアルカリ金属塩化物の使用量が1〜8モルであること
を特徴とする請求項1に記載の4−クロロブチロニトリ
ルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20984996A JPH1045698A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 4−クロロブチロニトリルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20984996A JPH1045698A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 4−クロロブチロニトリルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1045698A true JPH1045698A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16579648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20984996A Pending JPH1045698A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 4−クロロブチロニトリルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1045698A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015013841A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-22 | マナック株式会社 | 新規ジハロアルカノニトリル化合物及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-08-08 JP JP20984996A patent/JPH1045698A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015013841A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-22 | マナック株式会社 | 新規ジハロアルカノニトリル化合物及びその製造方法 |
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