JPH1045483A - 多孔質炭素成形体及びその製造方法 - Google Patents
多孔質炭素成形体及びその製造方法Info
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- JPH1045483A JPH1045483A JP8203680A JP20368096A JPH1045483A JP H1045483 A JPH1045483 A JP H1045483A JP 8203680 A JP8203680 A JP 8203680A JP 20368096 A JP20368096 A JP 20368096A JP H1045483 A JPH1045483 A JP H1045483A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B38/00—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
- C04B38/02—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding chemical blowing agents
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- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多孔質で、高強度の炭素成形体を容易に得
る。 【解決手段】 気孔率が20%以上であり、かつ全気孔
容積に占める開気孔容積の割合が50%以上であって、
曲げ強度が10kg/cm2 以上であることを特徴とす
る多孔質炭素成形体。
る。 【解決手段】 気孔率が20%以上であり、かつ全気孔
容積に占める開気孔容積の割合が50%以上であって、
曲げ強度が10kg/cm2 以上であることを特徴とす
る多孔質炭素成形体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質炭素成形体
およびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
はガスまたは液体の吸着炭素材料、電池用炭素材料等に
使用される多孔質炭素成形体、微生物、酵母、植物等の
培養に使用される多孔質炭素成形体、さらには金属、無
機物、高分子等を含浸することが出来る多孔質炭素成形
体及びその製造方法に関するものである。
およびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
はガスまたは液体の吸着炭素材料、電池用炭素材料等に
使用される多孔質炭素成形体、微生物、酵母、植物等の
培養に使用される多孔質炭素成形体、さらには金属、無
機物、高分子等を含浸することが出来る多孔質炭素成形
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水質汚染、大気汚染等の環境問題
がクローズアップされ、活性炭等の多孔質炭素材料が益
々注目されてきた。特に飲料水に使用する水質の悪化の
ために細菌、臭気物質、またさらには発癌性を示すとい
われる塩素化合物の除去、また木炭等を河川に敷設して
河川の浄化を図る、さらには大気汚染の一つであるオキ
シダントの原因、地球環境のオゾン層の破壊の一因であ
ると言われている自動車排気ガス中の有機成分の除去等
の公害防止対策の一つとして多孔質炭素材料が使用され
ている。
がクローズアップされ、活性炭等の多孔質炭素材料が益
々注目されてきた。特に飲料水に使用する水質の悪化の
ために細菌、臭気物質、またさらには発癌性を示すとい
われる塩素化合物の除去、また木炭等を河川に敷設して
河川の浄化を図る、さらには大気汚染の一つであるオキ
シダントの原因、地球環境のオゾン層の破壊の一因であ
ると言われている自動車排気ガス中の有機成分の除去等
の公害防止対策の一つとして多孔質炭素材料が使用され
ている。
【0003】従来、水質、大気ガス中の汚染物質の吸着
除去に使用される多孔質炭素材料はヤシ殻等の植物の繊
維や石炭等を仮焼後、空気、水蒸気等のガスの存在下で
賦活処理を施して、表面積、気孔量の増加を図り、多孔
質炭素材料の特性を調整したものを容器に入れて使用し
ているのが現状である。また、石油価格の高騰、深夜電
力の利用、通信システムの発達により、一次電池及び二
次電池が急速に見直され、その開発及び生産が拡大を続
けており、それに応じて電池に使用される種々の炭素材
料、特に多孔質炭素材料が注目されるようになってきて
いる。従来、電池用炭素材料としては、通常タール系重
質油等を熱分解して製造されるカーボンブラック等が使
用されていた。また、従来、炭素材料と樹脂、無機物、
金属等との複合材は、例えば炭素繊維の織物に含浸す
る、炭素繊維と練り込む等の方法で製造されていた。
除去に使用される多孔質炭素材料はヤシ殻等の植物の繊
維や石炭等を仮焼後、空気、水蒸気等のガスの存在下で
賦活処理を施して、表面積、気孔量の増加を図り、多孔
質炭素材料の特性を調整したものを容器に入れて使用し
ているのが現状である。また、石油価格の高騰、深夜電
力の利用、通信システムの発達により、一次電池及び二
次電池が急速に見直され、その開発及び生産が拡大を続
けており、それに応じて電池に使用される種々の炭素材
料、特に多孔質炭素材料が注目されるようになってきて
いる。従来、電池用炭素材料としては、通常タール系重
質油等を熱分解して製造されるカーボンブラック等が使
用されていた。また、従来、炭素材料と樹脂、無機物、
金属等との複合材は、例えば炭素繊維の織物に含浸す
る、炭素繊維と練り込む等の方法で製造されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の多孔質
且つ高表面積の炭素質材料は、強度が弱い、粉体である
こと等から微粉が発生して、水、空気等の環境を汚染す
る等の問題があった。また、樹脂、無機物、金属等との
複合材に用いられる炭素繊維の織物は製造コストが高い
のが現状である。
且つ高表面積の炭素質材料は、強度が弱い、粉体である
こと等から微粉が発生して、水、空気等の環境を汚染す
る等の問題があった。また、樹脂、無機物、金属等との
複合材に用いられる炭素繊維の織物は製造コストが高い
のが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者等は鋭意検討した結果、ある特性を持つ炭素質粉末
を用いて成形、焼成または黒鉛化することにより高強度
の多孔質炭素成形体が得られることを見出し、本発明の
完成に到った。すなわち本発明の要旨は気孔率が20%
以上であり、且つ全気孔容積に占める開気孔容積の割合
が50%以上であって、曲げ強度が10kg/cm2 以
上である多孔質炭素成形体にあり、該多孔質成形体は、
明者等は鋭意検討した結果、ある特性を持つ炭素質粉末
を用いて成形、焼成または黒鉛化することにより高強度
の多孔質炭素成形体が得られることを見出し、本発明の
完成に到った。すなわち本発明の要旨は気孔率が20%
以上であり、且つ全気孔容積に占める開気孔容積の割合
が50%以上であって、曲げ強度が10kg/cm2 以
上である多孔質炭素成形体にあり、該多孔質成形体は、
【0006】1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形
した成形体を1000℃まで焼成した時の該成形体の曲
げ強度が100kg/cm2 以上となる炭素質粉末、 1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を
1000℃まで焼成した時の該成形体の体積収縮率が1
0〜40%である炭素質粉末、 1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を
1000℃まで焼成した時の曲げ強度が100kg/c
m2 以上となる炭素質粉末と気泡形成剤とを含有する混
合物、又は 1トン/cm2 の成形圧力で成形した成形体を100
0℃まで焼成した時の体積収縮率が10〜40%である
炭素質粉末と気泡形成剤とを含有する混合物、を成形
後、焼成、または黒鉛化することにより得られる。
した成形体を1000℃まで焼成した時の該成形体の曲
げ強度が100kg/cm2 以上となる炭素質粉末、 1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を
1000℃まで焼成した時の該成形体の体積収縮率が1
0〜40%である炭素質粉末、 1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形した成形体を
1000℃まで焼成した時の曲げ強度が100kg/c
m2 以上となる炭素質粉末と気泡形成剤とを含有する混
合物、又は 1トン/cm2 の成形圧力で成形した成形体を100
0℃まで焼成した時の体積収縮率が10〜40%である
炭素質粉末と気泡形成剤とを含有する混合物、を成形
後、焼成、または黒鉛化することにより得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の多孔質炭素成形体は、気孔率が20%以
上であり、且つ全気孔容積に占める開気孔容積の割合が
50%以上である。多孔質炭素成形体の気孔率が低いと
吸着特性等が劣るため、気孔率は20%以上であること
が必要であり、好ましくは25%以上、より好ましくは
30%以上である。
まず、本発明の多孔質炭素成形体は、気孔率が20%以
上であり、且つ全気孔容積に占める開気孔容積の割合が
50%以上である。多孔質炭素成形体の気孔率が低いと
吸着特性等が劣るため、気孔率は20%以上であること
が必要であり、好ましくは25%以上、より好ましくは
30%以上である。
【0008】気孔率は高い方が望ましいが、気孔率が高
すぎると該多孔質炭素成形体の強度が低下することがあ
り、目的に応じた強度に合わせて気孔率を調整すること
が出来るが、通常、気孔率は60%以下で、好ましくは
50%以下である。また、気孔が閉じた気孔であれば吸
着特性等に全く寄与しないので閉気孔は少ない方が望ま
しい。すなわち、全気孔に占める開気孔の割合は、50
%以上、好ましくは55%以上、よ好ましくは60%以
上である。
すぎると該多孔質炭素成形体の強度が低下することがあ
り、目的に応じた強度に合わせて気孔率を調整すること
が出来るが、通常、気孔率は60%以下で、好ましくは
50%以下である。また、気孔が閉じた気孔であれば吸
着特性等に全く寄与しないので閉気孔は少ない方が望ま
しい。すなわち、全気孔に占める開気孔の割合は、50
%以上、好ましくは55%以上、よ好ましくは60%以
上である。
【0009】多孔質炭素成形体の強度が低いと取扱いが
困難であり、実用に適さない等の問題があり、また型崩
れ等もしない方が良く、本発明の多孔質炭素成形体の曲
げ強度(JIS)は10kg/cm2 以上であり、好ま
しくは20kg/cm2 以上、より好ましくは30kg
/cm2 以上である。
困難であり、実用に適さない等の問題があり、また型崩
れ等もしない方が良く、本発明の多孔質炭素成形体の曲
げ強度(JIS)は10kg/cm2 以上であり、好ま
しくは20kg/cm2 以上、より好ましくは30kg
/cm2 以上である。
【0010】本発明の多孔質炭素成形体に使用される炭
素質粉末は、石炭の乾留によって得られる熱処理生成
物、コールタールの蒸留、熱処理により生成する熱処理
生成物、石油系重質油およびその接触分解油または蒸留
残油、それらの水素添加分解油等の熱処理生成物、また
ナフタリン等の低分子化合物を触媒の存在下重縮合した
ピッチの熱処理生成物、およびそれらの熱処理生成物を
溶剤処理した生成物、及びそれらを原料としたコークス
類、又竹、木等の植物を熱処理して得られた生成物、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を熱処理して得られた生
成物、炭素繊維等をバインダーで成形した成形体等が用
いられる。
素質粉末は、石炭の乾留によって得られる熱処理生成
物、コールタールの蒸留、熱処理により生成する熱処理
生成物、石油系重質油およびその接触分解油または蒸留
残油、それらの水素添加分解油等の熱処理生成物、また
ナフタリン等の低分子化合物を触媒の存在下重縮合した
ピッチの熱処理生成物、およびそれらの熱処理生成物を
溶剤処理した生成物、及びそれらを原料としたコークス
類、又竹、木等の植物を熱処理して得られた生成物、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を熱処理して得られた生
成物、炭素繊維等をバインダーで成形した成形体等が用
いられる。
【0011】さらにはこれらの生成物を不活性ガス中、
空気中、酸素中等で再処理して特性を調整したものが使
用される。また、本発明で使用する炭素質粉末は、目的
とする多孔質炭素成形体にしたときに型崩れしない程度
のある程度の強度が必要であるが、炭素質の粉末の接着
性が良すぎると融着して気孔が減少してしまうので、該
炭素質粉末は表面が融けてある程度の強度を保持する位
の接着性が好適である。
空気中、酸素中等で再処理して特性を調整したものが使
用される。また、本発明で使用する炭素質粉末は、目的
とする多孔質炭素成形体にしたときに型崩れしない程度
のある程度の強度が必要であるが、炭素質の粉末の接着
性が良すぎると融着して気孔が減少してしまうので、該
炭素質粉末は表面が融けてある程度の強度を保持する位
の接着性が好適である。
【0012】本発明においては、1トン/cm2 の成形
圧力で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の該
成形体の曲げ強度が100kg/cm2 以上となるよう
な炭素質粉末を用いることにより、目的とする高強度の
多孔質炭素成形体を得ることができ、該曲げ強度は、好
ましくは200kg/cm2 以上、より好ましくは30
0kg/cm2 以上である。
圧力で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の該
成形体の曲げ強度が100kg/cm2 以上となるよう
な炭素質粉末を用いることにより、目的とする高強度の
多孔質炭素成形体を得ることができ、該曲げ強度は、好
ましくは200kg/cm2 以上、より好ましくは30
0kg/cm2 以上である。
【0013】該曲げ強度が50kg/cm2 以下である
と、得られる多孔質炭素成形体の強度が弱くなり、型崩
れする恐れがある。また、該曲げ強度が1000kg/
cm 2 を超えると接着性が高く、得られる多孔質炭素形
成体の気孔率が減少する恐れがあるので、該曲げ強度
は、1000kg/cm2 以下であることが好ましく、
さらには900kg/cm2 以下であることが好まし
い。
と、得られる多孔質炭素成形体の強度が弱くなり、型崩
れする恐れがある。また、該曲げ強度が1000kg/
cm 2 を超えると接着性が高く、得られる多孔質炭素形
成体の気孔率が減少する恐れがあるので、該曲げ強度
は、1000kg/cm2 以下であることが好ましく、
さらには900kg/cm2 以下であることが好まし
い。
【0014】また、1トン/cm2 の成形圧力で成形し
た成形体を1000℃まで焼成した時の該成形体の体積
収縮率が40%以下となるような炭素質粉末を用いるこ
とにより、目的とする高強度の多孔質成形体を得ること
ができ、該体積収縮率は特に35%以下のものが好まし
い。さらに、炭素質粉末の接着性が悪いと強度が低く、
型崩れする恐れがあるので成形体としたときには炭素質
粉末同士が接着して収縮するものが好ましく、通常、該
体積収縮率は10%以上、最も好ましくは15%以上で
ある。
た成形体を1000℃まで焼成した時の該成形体の体積
収縮率が40%以下となるような炭素質粉末を用いるこ
とにより、目的とする高強度の多孔質成形体を得ること
ができ、該体積収縮率は特に35%以下のものが好まし
い。さらに、炭素質粉末の接着性が悪いと強度が低く、
型崩れする恐れがあるので成形体としたときには炭素質
粉末同士が接着して収縮するものが好ましく、通常、該
体積収縮率は10%以上、最も好ましくは15%以上で
ある。
【0015】これら炭素質粉末の接着性はバインダーを
添加して調整しても良く、炭素質粉末単独で特性を調整
しても良い。使用されるバインダーとしてはコールター
ルピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂等
の高分子化合物、エチレングリコール等の有機溶剤、水
等が使用される。
添加して調整しても良く、炭素質粉末単独で特性を調整
しても良い。使用されるバインダーとしてはコールター
ルピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂等
の高分子化合物、エチレングリコール等の有機溶剤、水
等が使用される。
【0016】炭素質粉末の粒度は、得られる多孔質炭素
成形体の気孔の大きさを調整するために重要であり、通
常、炭素質粉末の粒度が大きい方が多孔質炭素成形体の
気孔径の大きさが大きくなり、炭素質粉末の粒度が小さ
い方が多孔質炭素成形体の気孔径の大きさが小さくなる
ため、目的に応じて炭素質粉末の粒度を調整することに
より得られる多孔質炭素成形体の気孔の大きさを調整す
ることができる。
成形体の気孔の大きさを調整するために重要であり、通
常、炭素質粉末の粒度が大きい方が多孔質炭素成形体の
気孔径の大きさが大きくなり、炭素質粉末の粒度が小さ
い方が多孔質炭素成形体の気孔径の大きさが小さくなる
ため、目的に応じて炭素質粉末の粒度を調整することに
より得られる多孔質炭素成形体の気孔の大きさを調整す
ることができる。
【0017】炭素質粉末の粒度が大きすぎると粒子間の
接着性が悪くなり、得られる多孔質炭素成形体の強度が
低くなる恐れあるので、炭素質粉末の粒度としては、平
均粒子径として10mm以下のものが好ましく、さらに
は5mm以下のものが好ましく、特に3mm以下のもの
が好ましい。
接着性が悪くなり、得られる多孔質炭素成形体の強度が
低くなる恐れあるので、炭素質粉末の粒度としては、平
均粒子径として10mm以下のものが好ましく、さらに
は5mm以下のものが好ましく、特に3mm以下のもの
が好ましい。
【0018】また、炭素質粉末の粒度が小さすぎると、
得られる多孔質炭素成形体の気孔が小さくなったり、数
が少なくなったりしてしまったり、また焼結性が高くな
って気孔が無くなる等のために組織が緻密になって多孔
質成形体とならない恐れがあるので、炭素質粉末の粒度
としては平均粒子径として0.1μm以上のものが好ま
しく、さらには1μm以上のものが好ましい。
得られる多孔質炭素成形体の気孔が小さくなったり、数
が少なくなったりしてしまったり、また焼結性が高くな
って気孔が無くなる等のために組織が緻密になって多孔
質成形体とならない恐れがあるので、炭素質粉末の粒度
としては平均粒子径として0.1μm以上のものが好ま
しく、さらには1μm以上のものが好ましい。
【0019】さらに、炭素質粉末の粒度分布が広いと得
られる多孔質炭素成形体の気孔径の分布が広がるため
に、例えば気孔径を均一にしたいときには粒度分布は狭
い方が良く、目的とする多孔質成形体の気孔径の分布に
応じて炭素質粉末の粒度分布は調整することが好まし
い。
られる多孔質炭素成形体の気孔径の分布が広がるため
に、例えば気孔径を均一にしたいときには粒度分布は狭
い方が良く、目的とする多孔質成形体の気孔径の分布に
応じて炭素質粉末の粒度分布は調整することが好まし
い。
【0020】炭素質粉末の粒度分布としては、 ロージンラムラーの式:R(Dp)=100・exp
(−b/Dpn ) R(Dp):積算残留重量(%) Dp :粒子径 b,n :定数 における定数nは、通常0.1〜100であることが好
ましい。例えば得られる多孔質炭素成形体の気孔径の分
布を狭くしようとする場合には、定数nは5以上である
ことが好ましく、さらには10以上であることが好まし
く、特に20以上であることが好ましい。また、例えば
得られる多孔質炭素成形体の気孔径の分布を広くしよう
とする場合は、定数nは3以下であることが好ましく、
さらには2以下であることが好ましく、特に1以下であ
ることが好ましい。
(−b/Dpn ) R(Dp):積算残留重量(%) Dp :粒子径 b,n :定数 における定数nは、通常0.1〜100であることが好
ましい。例えば得られる多孔質炭素成形体の気孔径の分
布を狭くしようとする場合には、定数nは5以上である
ことが好ましく、さらには10以上であることが好まし
く、特に20以上であることが好ましい。また、例えば
得られる多孔質炭素成形体の気孔径の分布を広くしよう
とする場合は、定数nは3以下であることが好ましく、
さらには2以下であることが好ましく、特に1以下であ
ることが好ましい。
【0021】炭素質粉末のタッピング密度が高いと多孔
質炭素成形体の気孔率が低くなり、炭素質粉末のタッピ
ング密度が低いと多孔質炭素成形体の気孔率が高くなる
ので、目的とする多孔質炭素成形体の気孔率に応じてタ
ッピング密度の炭素質粉末を使用することが好ましい。
通常、炭素質粉末のタッピング密度は1.2以下のもの
が好ましく、さらには0.5〜1.1のものが好まし
く、より好ましくは0.6〜1.0のものである。
質炭素成形体の気孔率が低くなり、炭素質粉末のタッピ
ング密度が低いと多孔質炭素成形体の気孔率が高くなる
ので、目的とする多孔質炭素成形体の気孔率に応じてタ
ッピング密度の炭素質粉末を使用することが好ましい。
通常、炭素質粉末のタッピング密度は1.2以下のもの
が好ましく、さらには0.5〜1.1のものが好まし
く、より好ましくは0.6〜1.0のものである。
【0022】該タッピング密度は、炭素質粉末の比重、
形状、気孔率等で決まるものであって、例えば、炭素質
粉末の比重が高いとタッピング密度も高くなり、又該炭
素質粉末の比重が低いとタッピング密度も低くなる。
形状、気孔率等で決まるものであって、例えば、炭素質
粉末の比重が高いとタッピング密度も高くなり、又該炭
素質粉末の比重が低いとタッピング密度も低くなる。
【0023】炭素質粉末の形状は球状のものが充填しや
すいため、得られる多孔質炭素成形体の気孔率が低くな
り、形状が棒状または糸状のように異方性を有するもの
は嵩高くなるため、得られる多孔質炭素成形体の気孔率
は高くなるので、目的とする多孔質炭素成形体の気孔率
に応じた形状の炭素質粉末を使用することが好ましい。
形状を表すアスペクト比は、目的とする多孔質成形体の
気孔率に応じて任意に選択することができ、1〜無限大
まで選べるものであるが、例えばアスペクト比が無限大
の場合は糸状になるのでアスペクト比は20以下が好ま
しく、さらには10以下であり、最も好ましくは5以下
である。
すいため、得られる多孔質炭素成形体の気孔率が低くな
り、形状が棒状または糸状のように異方性を有するもの
は嵩高くなるため、得られる多孔質炭素成形体の気孔率
は高くなるので、目的とする多孔質炭素成形体の気孔率
に応じた形状の炭素質粉末を使用することが好ましい。
形状を表すアスペクト比は、目的とする多孔質成形体の
気孔率に応じて任意に選択することができ、1〜無限大
まで選べるものであるが、例えばアスペクト比が無限大
の場合は糸状になるのでアスペクト比は20以下が好ま
しく、さらには10以下であり、最も好ましくは5以下
である。
【0024】炭素質粉末の気孔率は高い方が得られる多
孔質炭素成形体の気孔率が高くなるので、多孔質炭素成
形体の気孔率を高くするためには気孔率が高い炭素質粉
末を利用する方が好ましく、多孔質炭素成形体の気孔率
を低くするためには気孔率が低い炭素質粉末を利用する
方が好ましく、多孔質成形体の気孔率に応じて該炭素質
粉末の気孔率を選択することが好ましい。
孔質炭素成形体の気孔率が高くなるので、多孔質炭素成
形体の気孔率を高くするためには気孔率が高い炭素質粉
末を利用する方が好ましく、多孔質炭素成形体の気孔率
を低くするためには気孔率が低い炭素質粉末を利用する
方が好ましく、多孔質成形体の気孔率に応じて該炭素質
粉末の気孔率を選択することが好ましい。
【0025】しかしながら、炭素質粉末の気孔率が高す
ぎると炭素質粉末の強度、ひいては得られる多孔質炭素
成形体の強度が下がったり、熱硬化性樹脂を添加、混合
した場合等に熱硬化性樹脂が炭素質粉末の気孔中に浸入
し、気孔が埋まったり、潰れたりすることがあり、また
必要とする熱硬化性樹脂の量が多くなる等の問題が起こ
ることがあるので、炭素質粉末の気孔率は好ましくは7
0%以下であり、さらには50%以下が好ましく、特に
30%以下が好ましい。
ぎると炭素質粉末の強度、ひいては得られる多孔質炭素
成形体の強度が下がったり、熱硬化性樹脂を添加、混合
した場合等に熱硬化性樹脂が炭素質粉末の気孔中に浸入
し、気孔が埋まったり、潰れたりすることがあり、また
必要とする熱硬化性樹脂の量が多くなる等の問題が起こ
ることがあるので、炭素質粉末の気孔率は好ましくは7
0%以下であり、さらには50%以下が好ましく、特に
30%以下が好ましい。
【0026】炭素質粉末の気孔径は大きい方が得られる
多孔質炭素成形体の気孔径が大きくなり、小さい方が多
孔質炭素成形体の気孔径が小さくなるため、目的とする
多孔質炭素成形体の気孔径に応じて炭素質粉末の気孔径
を選択することが好ましい。しかしながら、炭素質粉末
の気孔径が大きすぎると気孔率が高すぎる場合と同様の
問題が起こることがあるため、好ましくは100μm以
下、さらには50μm以下が好ましく、30μm以下が
特に好ましい。
多孔質炭素成形体の気孔径が大きくなり、小さい方が多
孔質炭素成形体の気孔径が小さくなるため、目的とする
多孔質炭素成形体の気孔径に応じて炭素質粉末の気孔径
を選択することが好ましい。しかしながら、炭素質粉末
の気孔径が大きすぎると気孔率が高すぎる場合と同様の
問題が起こることがあるため、好ましくは100μm以
下、さらには50μm以下が好ましく、30μm以下が
特に好ましい。
【0027】これらの炭素質粉末中の固定炭素量は特に
問うものではなく、また目的とする多孔質成形体の気孔
率に応じて決めることができるものであるが、固定炭素
量が低すぎるとガスの抜け跡は大きな孔となりやすく、
気孔率のコントロールがしにくいので固定炭素量はある
程度以上が好ましく、好ましくは30%以上であり、さ
らには40%以上が好ましく、特に好ましくは50%以
上である。固定炭素量が高すぎると炭素質粉末の接着性
が低下することがあるので固定炭素は95%以下が好ま
しく、さらには90%以下が好ましい。
問うものではなく、また目的とする多孔質成形体の気孔
率に応じて決めることができるものであるが、固定炭素
量が低すぎるとガスの抜け跡は大きな孔となりやすく、
気孔率のコントロールがしにくいので固定炭素量はある
程度以上が好ましく、好ましくは30%以上であり、さ
らには40%以上が好ましく、特に好ましくは50%以
上である。固定炭素量が高すぎると炭素質粉末の接着性
が低下することがあるので固定炭素は95%以下が好ま
しく、さらには90%以下が好ましい。
【0028】また、炭素質粉末としては、200℃で表
面が融けるものが好ましく、さらには250℃で表面が
融けるものが望ましい。炭素質粉末の灰分量については
特に問わないが、多孔質炭素成形体中の不純物が少ない
方がよい場合は少ない方が良く、多孔質炭素成形体製造
時の焼成時、さらには使用時に酸化等の選択消耗等を避
けるためには灰分量は少ない方が良い。また、熱処理時
に酸化等により気孔を多くしたいときは灰分を添加して
気孔量、気孔径を調整することも可能である。
面が融けるものが好ましく、さらには250℃で表面が
融けるものが望ましい。炭素質粉末の灰分量については
特に問わないが、多孔質炭素成形体中の不純物が少ない
方がよい場合は少ない方が良く、多孔質炭素成形体製造
時の焼成時、さらには使用時に酸化等の選択消耗等を避
けるためには灰分量は少ない方が良い。また、熱処理時
に酸化等により気孔を多くしたいときは灰分を添加して
気孔量、気孔径を調整することも可能である。
【0029】炭素質粉末の表面積が大きい方が多孔質炭
素成形体中の気孔が多くなるので、該炭素質粉末の表面
積は目的に応じた多孔質成形体の気孔量に合うように炭
素質粉末の表面積を決めることが好ましい。また、焼成
又は黒鉛化等の気泡形成剤を炭素質粉末に添加し混合し
た場合、該混合物を成形後、気泡形成剤が分解、揮発す
る温度以上で焼成、黒鉛化することにより、得られる成
形体にさらに気孔が生成するため好ましい。
素成形体中の気孔が多くなるので、該炭素質粉末の表面
積は目的に応じた多孔質成形体の気孔量に合うように炭
素質粉末の表面積を決めることが好ましい。また、焼成
又は黒鉛化等の気泡形成剤を炭素質粉末に添加し混合し
た場合、該混合物を成形後、気泡形成剤が分解、揮発す
る温度以上で焼成、黒鉛化することにより、得られる成
形体にさらに気孔が生成するため好ましい。
【0030】このような気泡形成剤としては有機物、無
機物、金属等が使用でき、多孔質炭素成形体が焼成品な
らば焼成段階で揮発するものが好ましく、黒鉛化品なら
黒鉛化温度等の高温で揮発するものでも構わない。有機
物の添加物質としてはアルコール類、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の液体、ポリビニルアル
コール、ポリプロピレン、フェノール樹脂、フラン樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、デンプン
等の固体、又はこれらを混合したペースト状のものが使
用できる。無機物の添加物質としては塩類、塩化化合物
等の固体、水、水ガラス等の液体等が使用できる。さら
に金属の添加物質としては亜鉛、アルミ、シリコン等の
粉体が使用でき、これらを混合して使用しても可能であ
る。
機物、金属等が使用でき、多孔質炭素成形体が焼成品な
らば焼成段階で揮発するものが好ましく、黒鉛化品なら
黒鉛化温度等の高温で揮発するものでも構わない。有機
物の添加物質としてはアルコール類、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の液体、ポリビニルアル
コール、ポリプロピレン、フェノール樹脂、フラン樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、デンプン
等の固体、又はこれらを混合したペースト状のものが使
用できる。無機物の添加物質としては塩類、塩化化合物
等の固体、水、水ガラス等の液体等が使用できる。さら
に金属の添加物質としては亜鉛、アルミ、シリコン等の
粉体が使用でき、これらを混合して使用しても可能であ
る。
【0031】このような気泡形成剤は液体でも、粉末で
も良いが、炭素質粉末中に均一に分散するものが好まし
く、特に開気孔を設ける場合には液状のものを均一に混
合する方が好ましい。粉末のものは粒度が細かい場合は
小さな気孔が、粒度が粗い場合は大きな気孔を設けるこ
とができるので目的に応じて粒度を選択することが好ま
しい。粘度が低すぎると該炭素質粉末中の気孔に浸入
し、気孔が埋まる、潰れる、必要バインダー量が多い等
の問題があるので該添加材の粘度は1cP以上が好まし
く、さらには5cP以上が好ましく、最も好ましくは1
0cP以上である。
も良いが、炭素質粉末中に均一に分散するものが好まし
く、特に開気孔を設ける場合には液状のものを均一に混
合する方が好ましい。粉末のものは粒度が細かい場合は
小さな気孔が、粒度が粗い場合は大きな気孔を設けるこ
とができるので目的に応じて粒度を選択することが好ま
しい。粘度が低すぎると該炭素質粉末中の気孔に浸入
し、気孔が埋まる、潰れる、必要バインダー量が多い等
の問題があるので該添加材の粘度は1cP以上が好まし
く、さらには5cP以上が好ましく、最も好ましくは1
0cP以上である。
【0032】又固体で混合する時は混合後、すぐに金型
に入れて熱処理することができる。又固体で混合時に溶
媒を添加することができるものである。炭素質粉末と該
添加物質との混合方法としては、炭素質粉末と添加物質
とを共粉体としてブレンドすることも可能であるが、該
添加物質を加熱溶融して液体状態としたものを炭素質粉
末とブレンドすることもでき、また、高粘度の状態で練
りこむこともできる。
に入れて熱処理することができる。又固体で混合時に溶
媒を添加することができるものである。炭素質粉末と該
添加物質との混合方法としては、炭素質粉末と添加物質
とを共粉体としてブレンドすることも可能であるが、該
添加物質を加熱溶融して液体状態としたものを炭素質粉
末とブレンドすることもでき、また、高粘度の状態で練
りこむこともできる。
【0033】さらには、該添加物質を溶媒に分散または
溶解させた後溶媒中で炭素質粉末と混合することも出来
るし、炭素質粉末を先に溶媒に分散させた後該添加剤と
混合することも出来る。該混合は、ニーダー、ブレンダ
ー等通常使用される混合機で混合可能であり、また乳鉢
等で混合することも可能である。
溶解させた後溶媒中で炭素質粉末と混合することも出来
るし、炭素質粉末を先に溶媒に分散させた後該添加剤と
混合することも出来る。該混合は、ニーダー、ブレンダ
ー等通常使用される混合機で混合可能であり、また乳鉢
等で混合することも可能である。
【0034】これらの混合は固体、又該混合物の粘度が
高い方が該炭素質粉末の気孔に浸入せず、気孔が均一に
なりやすいが、混合が不均一であると組織にムラがあ
る、接着性が悪く強度が低下する等の問題があるので混
合は均一に十分行う必要がある。又粘度が低いと気孔中
に樹脂が入って孔を埋めるために気孔量を低くしたいと
きは粘度を下げる方が良いが目的に合うように該混合物
の粘度を調整できるものである。
高い方が該炭素質粉末の気孔に浸入せず、気孔が均一に
なりやすいが、混合が不均一であると組織にムラがあ
る、接着性が悪く強度が低下する等の問題があるので混
合は均一に十分行う必要がある。又粘度が低いと気孔中
に樹脂が入って孔を埋めるために気孔量を低くしたいと
きは粘度を下げる方が良いが目的に合うように該混合物
の粘度を調整できるものである。
【0035】混合割合は目的とする多孔質炭素成形体の
気孔の量によって調整可能であるが、添加物質の添加量
が多すぎると多孔質炭素成形体の強度が低くなる恐れが
あるので添加物質の添加量は50%以下が好ましく、さ
らには40%以下が好ましく、特に30%以下が好まし
い。本発明の多孔質炭素成形体の成形は、炭素質粉末の
み、または上記混合物をそのまま成形することもできる
が、これらを溶媒等に混合、分散させた後溶媒等を室温
下で、あるいは加熱して揮発させた後成形することもで
きるし、若干の熱処理により接着性を調整して成形する
こともできる。
気孔の量によって調整可能であるが、添加物質の添加量
が多すぎると多孔質炭素成形体の強度が低くなる恐れが
あるので添加物質の添加量は50%以下が好ましく、さ
らには40%以下が好ましく、特に30%以下が好まし
い。本発明の多孔質炭素成形体の成形は、炭素質粉末の
み、または上記混合物をそのまま成形することもできる
が、これらを溶媒等に混合、分散させた後溶媒等を室温
下で、あるいは加熱して揮発させた後成形することもで
きるし、若干の熱処理により接着性を調整して成形する
こともできる。
【0036】成形金型は円柱、円筒、四角柱等特に問わ
ないが、これらは製品の形に後で加工する必要があるの
で出来るだけ製品に近い形で成形、焼成した方が加工ロ
スも少なく、手間もかからず好ましく、ニアネットシェ
ープが好ましい。又成形金型はステンレス等の高級鋼を
使用してもよいが、圧力がかからない時にはブリキ等の
使い捨ての薄い缶でも良く、熱処理温度が低く、硬化後
取り出すのであれば耐熱性高分子等でも良い。
ないが、これらは製品の形に後で加工する必要があるの
で出来るだけ製品に近い形で成形、焼成した方が加工ロ
スも少なく、手間もかからず好ましく、ニアネットシェ
ープが好ましい。又成形金型はステンレス等の高級鋼を
使用してもよいが、圧力がかからない時にはブリキ等の
使い捨ての薄い缶でも良く、熱処理温度が低く、硬化後
取り出すのであれば耐熱性高分子等でも良い。
【0037】本発明の多孔質成形体を成形する時の成形
圧力は高い方が得られる多孔質炭素成形体の気孔率が低
く、成形圧力が低いと気孔率が高くなるので所望する気
孔率に応じて調整することが好ましいが、あまり成形圧
力が高いと原料の炭素質粉末が破壊する等の問題がある
ので、成形圧力は強すぎない方が良く、好ましくは2ト
ン/cm2 以下、さらには1.5トン/cm2 以下が好
ましく、特に1トン/cm2 以下が好ましい。
圧力は高い方が得られる多孔質炭素成形体の気孔率が低
く、成形圧力が低いと気孔率が高くなるので所望する気
孔率に応じて調整することが好ましいが、あまり成形圧
力が高いと原料の炭素質粉末が破壊する等の問題がある
ので、成形圧力は強すぎない方が良く、好ましくは2ト
ン/cm2 以下、さらには1.5トン/cm2 以下が好
ましく、特に1トン/cm2 以下が好ましい。
【0038】また、多孔質成形体を成形する時の成形圧
力が低すぎると多孔質炭素成形体の強度が弱くなった
り、型崩れする等の問題が起こることがあるので成形圧
力はある程度以上必要であり、手で押さえる程度でも良
いが、5kg/cm2 以上が好ましく、さらには10k
g/cm2 以上が好ましく、特に20kg/cm2 以上
が好ましい。
力が低すぎると多孔質炭素成形体の強度が弱くなった
り、型崩れする等の問題が起こることがあるので成形圧
力はある程度以上必要であり、手で押さえる程度でも良
いが、5kg/cm2 以上が好ましく、さらには10k
g/cm2 以上が好ましく、特に20kg/cm2 以上
が好ましい。
【0039】熱処理は該炭素質粉末の表面が融けて粒同
士が接着して強度が発現する温度以上であれば良いが、
添加材を混合しているときは該添加材が分解、揮発する
温度以上で処理するのが好ましい。通常800〜100
0℃程度から選ばれる。雰囲気は不活性ガス中、酸素存
在下、コークスブリーズ中でも処理可能である。
士が接着して強度が発現する温度以上であれば良いが、
添加材を混合しているときは該添加材が分解、揮発する
温度以上で処理するのが好ましい。通常800〜100
0℃程度から選ばれる。雰囲気は不活性ガス中、酸素存
在下、コークスブリーズ中でも処理可能である。
【0040】さらに黒鉛化は、通常2400〜3000
℃程度であり、アルゴン、窒素等の不活性ガス中、真空
中でアチソン炉、タンマン炉、誘導加熱炉等が使用でき
るものである。このようにして得られた生成物は気孔径
の均一な多孔質炭素成形体であり、気孔率、気孔径が目
的に応じて調整できるものである。
℃程度であり、アルゴン、窒素等の不活性ガス中、真空
中でアチソン炉、タンマン炉、誘導加熱炉等が使用でき
るものである。このようにして得られた生成物は気孔径
の均一な多孔質炭素成形体であり、気孔率、気孔径が目
的に応じて調整できるものである。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例により
限定されるものではない。 (実施例−1)1トン/cm2 の成形圧力で成形した成
形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強度が500k
g/cm2 の炭素質粉末(平均粒度20μm、固定炭素
85%)を成形圧力50kg/cm2 で直径60φm
m、高さ120mmの円柱に成形後、1000℃で焼成
して多孔質成形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は
1.2、気孔率は40%で、開気孔率(気孔率に占める
溶液含浸割合を示す)は70%であり、曲げ強度(特炭
成形体評価法:JIS)は120kg/cm2 であっ
た。なお、気孔率の測定は、(真比重−成形体の比重)
÷真比重×100(%)により算出した。
するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例により
限定されるものではない。 (実施例−1)1トン/cm2 の成形圧力で成形した成
形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強度が500k
g/cm2 の炭素質粉末(平均粒度20μm、固定炭素
85%)を成形圧力50kg/cm2 で直径60φm
m、高さ120mmの円柱に成形後、1000℃で焼成
して多孔質成形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は
1.2、気孔率は40%で、開気孔率(気孔率に占める
溶液含浸割合を示す)は70%であり、曲げ強度(特炭
成形体評価法:JIS)は120kg/cm2 であっ
た。なお、気孔率の測定は、(真比重−成形体の比重)
÷真比重×100(%)により算出した。
【0042】(実施例−2)1トン/cm2 の成形圧力
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の体積収
縮率が30%である炭素質粉末(平均粒度17μm、固
定炭素88%)を成形圧力50kg/cm2 で直径60
φmm、高さ120mmの円柱に成形後、1000℃で
焼成して多孔質成形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度
は1.1、気孔率は45%、開気孔率は70%であり、
曲げ強度は150kg/cm2 であった。
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の体積収
縮率が30%である炭素質粉末(平均粒度17μm、固
定炭素88%)を成形圧力50kg/cm2 で直径60
φmm、高さ120mmの円柱に成形後、1000℃で
焼成して多孔質成形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度
は1.1、気孔率は45%、開気孔率は70%であり、
曲げ強度は150kg/cm2 であった。
【0043】(実施例−3)1トン/cm2 の成形圧力
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にエチレングリコール10%を混
合後、成形圧力50kg/cm2 で直径60φmm、高
さ120mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多
孔質成形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.1、
気孔率は45%、開気孔率は75%であり、曲げ強度は
120kg/cm2 であった。
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にエチレングリコール10%を混
合後、成形圧力50kg/cm2 で直径60φmm、高
さ120mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多
孔質成形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.1、
気孔率は45%、開気孔率は75%であり、曲げ強度は
120kg/cm2 であった。
【0044】(実施例−4)1トン/cm2 の成形圧力
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にセルロース10%を混合後、成
形圧力30kg/cm2 で直径60φmm、高さ120
mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多孔質成形
体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.0、気孔率は
50%、開気孔率は80%であり、曲げ強度は100k
g/cm2 であった。
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にセルロース10%を混合後、成
形圧力30kg/cm2 で直径60φmm、高さ120
mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多孔質成形
体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.0、気孔率は
50%、開気孔率は80%であり、曲げ強度は100k
g/cm2 であった。
【0045】(実施例−5)1トン/cm2 の成形圧力
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にステアリン酸10%を混合後、
成形圧力30kg/cm2 で直径60φmm、高さ12
0mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多孔質成
形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.0、気孔率
は50%、開気孔率は80%であり、曲げ強度は90k
g/cm2 であった。
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にステアリン酸10%を混合後、
成形圧力30kg/cm2 で直径60φmm、高さ12
0mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多孔質成
形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.0、気孔率
は50%、開気孔率は80%であり、曲げ強度は90k
g/cm2 であった。
【0046】(実施例−6)1トン/cm2 の成形圧力
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にフェノール樹脂5%を混合後、
成形圧力30kg/cm2 で直径60φmm、高さ12
0mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多孔質成
形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.0、気孔率
は50%、開気孔率は65%であり、曲げ強度は110
kg/cm2 であった。
で成形した成形体を1000℃まで焼成した時の曲げ強
度が500kg/cm2 の炭素質粉末(平均粒度17μ
m、固定炭素85%)にフェノール樹脂5%を混合後、
成形圧力30kg/cm2 で直径60φmm、高さ12
0mmの円柱に成形後、1000℃で焼成して多孔質成
形体を得た。該多孔質成形体の嵩密度は1.0、気孔率
は50%、開気孔率は65%であり、曲げ強度は110
kg/cm2 であった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば従来使用されていた多孔
質高表面積の炭素質粉末より容易に製品に近い形状の成
形体が製造でき、物性の調整が容易で加工等の手間も少
なくロス等が少なくなるものである。
質高表面積の炭素質粉末より容易に製品に近い形状の成
形体が製造でき、物性の調整が容易で加工等の手間も少
なくロス等が少なくなるものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 気孔率が20%以上であり、且つ全気孔
容積に占める開気孔容積の割合が50%以上であって、
曲げ強度が10kg/cm2 以上であることを特徴とす
る多孔質炭素成形体。 - 【請求項2】 請求項1記載の多孔質炭素成形体を製造
するに際し、1トン/cm2 の成形圧力で成形した成形
体を1000℃まで焼成した時の曲げ強度が100kg
/cm2 以上となる炭素質粉末を用いて、成形し、焼成
または黒鉛化することを特徴とする多孔質炭素成形体の
製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の多孔質炭素成形体を製造
するに際し、1トン/cm2 の成形圧力で成形した成形
体を1000℃まで焼成した時の体積収縮率が10〜4
0%である炭素質粉末を用いて、成形し、焼成または黒
鉛化することを特徴とする多孔質炭素成形体の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1記載の多孔質炭素成形体を製造
するに際し、1トン/cm2 の成形圧力で成形した成形
体を1000℃まで焼成した時の曲げ強度が100kg
/cm2 以上となる炭素質粉末と気泡形成剤とを含有す
る混合物を成形した後、該気泡形成剤が分解または揮発
する温度以上で焼成または黒鉛化することを特徴とする
多孔質炭素成形体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の多孔質炭素成形体を製造
するに際し、1トン/cm2 の成形圧力で棒状に成形し
た成形体を1000℃まで焼成した時の体積収縮率が1
0〜40%である炭素質粉末と気泡形成剤とを含有する
混合物を成形後、該気泡形成剤が分解または揮発する温
度以上で焼成または黒鉛化することを特徴とする多孔質
炭素成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8203680A JPH1045483A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 多孔質炭素成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8203680A JPH1045483A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 多孔質炭素成形体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1045483A true JPH1045483A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16478070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8203680A Pending JPH1045483A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 多孔質炭素成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1045483A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005119923A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Ibiden Co Ltd | 親水性多孔質炭素材、高分子電解質型燃料電池用加湿部材、高分子電解質型燃料電池用セパレータ |
JP2006004920A (ja) * | 2004-05-17 | 2006-01-05 | Ibiden Co Ltd | 親水性多孔質材、親水性多孔質材の製造方法、高分子電解質型燃料電池用加湿部材、及び、固体高分子型燃料電池用セパレータ |
JP2007294196A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Kansai Coke & Chem Co Ltd | リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法 |
JP2012009194A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | Ngk Insulators Ltd | リチウム二次電池の正極及びリチウム二次電池 |
KR20220156759A (ko) | 2021-05-19 | 2022-11-28 | 이비덴 가부시키가이샤 | 다공질 탄소계 재료 및 다공질 탄소계 재료의 제조 방법 |
-
1996
- 1996-08-01 JP JP8203680A patent/JPH1045483A/ja active Pending
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