JPH1043443A - 電気かみそり - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肌面の左右方向および上下方向の変化に対し
て十分な追従性が得られる電気かみそりを提供する。 【解決手段】 ヒゲ導入孔が編目状に多数形成されると
ともに半筒状に形成された外刃２１,２２を設けた外刃
ホルダー２３と、外刃２１,２２の内側に配置され外刃
の内面に摺接しながら往復移動する内刃２５,２６と、
モータＭの回転駆動によって内刃２５,２６を往復動さ
せる駆動機構１００とを備えている電気かみそりにおい
て、外刃２１,２２と外刃ホルダー２３と内刃２５,２６
とモータＭと駆動機構１００とをユニット体２０とし、
このユニット体２０を本体ケース１１に対して上下動可
能に且つ左右方向に傾動可能に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、半筒状に形成された
外刃を設けた外刃ホルダーと、前記外刃の内側に配置さ
れ外刃の内面に摺接しながら往復移動する内刃とを備え
て電気かみそりに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ヒゲ導入孔が編目状に多数形
成されるとともに半筒状に形成された複数の外刃を設け
た外刃ケースと、前記各外刃の内側に配置され外刃の内
面に摺接しながら往復移動する内刃とを備え、前記外刃
ケースが前後方向に揺動可能に本体に設けられており、
内刃が外刃ケースの揺動に対応して上下動する電気かみ
そりが知られている（特開昭６２−２２７３９５号公報
参照）。

【０００３】かかる電気かみそりは、外刃ケースが前後
方向に揺動することにより、外刃が肌面に追従しやすい
ようにしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電気かみそりにあっては、外刃ケースが前後方向に
揺動するだけなので肌面の左右方向の変化に対して十分
な追従性が得られないという問題があった。また、外刃
の上下方向の追従は、スプリングによって内刃を上方に
付勢することにより行っており、外刃ケースが上下方向
に対して本体ケースに固定されているので、外刃の上下
動のサスペンションストロークは小さく、その肌面の上
下方向の変化に対して十分な追従性が得られないという
問題があった。

【０００５】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、肌面の左右方向および上下方向の
変化に対して十分な追従性が得られる電気かみそりを提
供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１の発明では、ヒゲ導入孔が編目状に多数形
成されるとともに半筒状に形成された外刃を設けた外刃
ホルダーと、前記外刃の内側に配置され外刃の内面に摺
接しながら往復移動する内刃と、モータの回転駆動によ
って前記内刃を往復動させる駆動機構とを備えている電
気かみそりにおいて、前記外刃と外刃ホルダーと内刃と
モータと駆動機構とをユニット体とし、このユニット体
を本体ケースに対して上下動可能に且つ左右方向に傾動
可能に設けたことを特徴とする。

【０００７】請求項２の発明では、ヒゲ導入孔が編目状
に多数形成されるとともに半筒状に形成された複数の外
刃を設けた外刃ホルダーと、この外刃ホルダーを前後方
向に揺動自在に取り付けた外刃ケースと、前記各外刃の
内側に配置され外刃の内面に摺接しながら往復移動する
とともに前記外刃ホルダーの揺動に応じて上下動する内
刃と、モータの回転駆動によって前記内刃を往復動させ
る駆動機構とを備えている電気かみそりにおいて、前記
外刃と外刃ホルダーと外刃ケースと内刃とモータと駆動
機構とをユニット体とし、このユニット体を本体ケース
に対して上下動可能に且つ左右方向に傾動可能に設けた
ことを特徴とする。

【０００８】

【実施の形態】以下、この発明に係る電気かみそりの実
施の形態を図面に基づいて説明する。

【０００９】図１ないし図４に示す１０は電気かみそり
であり、この電気かみそり１０は、図示しない電池を内
蔵した本体ケース１１と、この本体ケース１１の上部に
上下動可能に且つ左右方向へ傾動可能に取り付けられた
ユニット体２０とから構成されている。

【００１０】本体ケース１１の上部には、開口１２が形
成され、この開口１２に隣接して後述する支持脚９０Ａ
〜９０Ｄが挿入される４つのガイド孔１３が設けられて
いる。

【００１１】ユニット体２０は、ヒゲ導入孔が編目状に
多数形成されるとともに半筒状に形成された外刃２１,
２２を保持した外刃ホルダー２３と、外刃２１,２２の
内側に配置され外刃２１,２２の内面に摺接しながら往
復移動する内刃２５,２６と、外刃ホルダー２３を前後
方向に揺動自在に取り付けた外刃ケース３０と、外刃取
付台４０と、支持台５０と、カバー６０と、モータケー
ス７０と、駆動体８０等とから構成されている。

【００１２】外刃ケース３０は、円弧状の側壁部３１,
３２を備えた枠体から構成されている。側壁部３１,３
２の内側には円弧状の保持板３３,３４が取り付けられ
ており、保持板３３,３４の上部には内側に突出したピ
ン３５,３５が形成されている。このピン３５,３５が外
刃ホルダー２３の側壁部２３Ａ,２３Ｂの外側に設けた
孔２３c,２３cに枢着されていて、外刃ホルダー２３が
ピン３５,３５を支点にして前後方向に揺動自在となっ
ている。

【００１３】また、側壁部３１と保持板３３との間には
円弧状に形成したセンタリングバネ３６が取り付けられ
ており、このセンタリングバネ３６の足部３６Ａ,３６
Ａが保持板３３に形成された溝(図示せず)を貫通してい
る。溝は放射状に斜め上方に延びており、足部３６Ａ,
３６Ａはこの溝に沿って移動可能となっている。そし
て、この足部３６Ａ,３６Ａが外刃ホルダー２３の側壁
部２３Ａの下面に当接していて外刃ホルダー２３の傾動
方向と逆方向へ付勢するようになっている。この付勢に
より、前後方向の揺動に対する外刃ホルダー２３のセン
タリングを行うものである。

【００１４】外刃ケース３０は外刃取付台４０に着脱可
能に装着されており、外刃取付台４０の両側部４１,４
２に設けたボタン４３,４３を押すことにより外刃ケー
ス３０が外刃取付台４０から取り外せるようになってい
る。

【００１５】外刃取付台４０の中央部には、四角形状の
穴４４が形成されており、この穴４４を挟む位置にはネ
ジ孔４５,４５が設けられている。

【００１６】支持台５０は、長方形状の板部材５１と、
この板部材５１の上面に立設されたネジボス５２,５２
と、板部材５１の下面に設けられた半球状の突起５３Ａ
〜５３Ｄとから構成されている。また、板部材５１に
は、外刃取付台４０の穴４４に対向するとともに同一形
状の穴５４が形成され、この穴５４を挟むようにネジ穴
５５,５５が設けられている。

【００１７】そして、支持台５０のネジボス５２,５２
に外刃取付台４０のネジ孔４５,４５を介してネジＮ1を
螺合することにより、支持台５０に外刃取付台４０が固
定されている。

【００１８】カバー６０は、所定の高さを有する周壁部
６１と、この周壁部６１の上部に連続形成された平板状
の当接部６２とを備えており、この当接部６２には、板
部材５１の突起５３Ａ〜５３Ｄの全てが入れる長方形状
の穴６３が形成され、穴６３の周囲には内側に突出した
突起６４,６５が形成されている。

【００１９】駆動体８０は、２つの駆動台８１,８２を
有しており、この駆動台８１,８２の上に駆動軸部８３,
８４が設けられている。他方、駆動台８１,８２の両端
の下部には上方に延びた弾性板部８５,８６が連続形成
され、この弾性板部８５,８６の上部が取付部８７,８７
により接続されている。そして、取付部８７,８７には
ネジ穴８７aが設けられている。

【００２０】駆動台８１,８２は互いに逆方向へ移動で
きるようになっており、駆動軸部８３,８４の中心部に
は駆動軸８８Ａ,８８Ｂが設けられている。また、駆動
軸部８３,８４の上面には駆動軸８８Ａ,８８Ｂを挟むよ
うにスプリング保持部８９,９０が設けられている。

【００２１】駆動軸部８３,８４は、カバー６０の穴６
３,支持台５０の穴５４および外刃取付台４０の穴４４
を貫通して、この穴４４から上方に突出している。そし
て、この駆動軸部８３,８４には、スプリング（内刃ス
プリング）Ｓ1,Ｓ1を介して第１内刃台２７Ａ,２７Ｂが
上下動可能に取り付けられており、この第１内刃台２７
Ａ,２７Ｂに設けた軸２７a,２７bには、内刃２５,２６
を取り付けた第２内刃台２８Ａ,２８Ｂが枢支され、第
２内刃台２８Ａ,２８Ｂが第１内刃第２７Ａ,２７Ｂに対
して傾動可能となっている。

【００２２】モータケース７０は、本体ケース１１内に
挿入されているとともにモータＭを保持したモータケー
ス部７１を有し、このモータケース部７１の上部に駆動
室７２を連続形成した駆動体ケース部７３が形成され、
さらに、駆動体ケース部７３の上部にカバー６０内に挿
入されるフランジ７４が連続形成されている。

【００２３】フランジ７４には、カバー６０の突起６
４,６５が係合する凹部７５Ａ,７５Ｂと、駆動体８０の
取付部８７,８７が係合する凹部７６,７６とが形成され
ており、凹部７６,７６にはネジ孔７６a,７６aが設けら
れている。また、フランジ７４には、球面状の凹部７７
Ａ〜７７Ｄが設けられており、この凹部７７Ａ〜７７Ｄ
にはフランジ７４の下面に貫通した貫通孔７７a〜７７d
が設けられている。

【００２４】貫通孔７７a〜７７dには、支持脚９０Ａ〜
９０Ｄが遊嵌した状態に貫通している。支持脚９０Ａ〜
９０Ｄの上部には、半球形状の皿部９１Ａ〜９１Ｄが形
成され、この皿部９１Ａ〜９１Ｄがフランジ７４の凹部
７７Ａ〜７７Ｄに係合している。皿部９１Ａ〜９１Ｄの
上面には、支持台５０の突起５３Ａ〜５３Ｄが係合した
球面状の凹部９１a〜９１dが形成されている。

【００２５】また、フランジ７４の凹部７６,７６に駆
動体８０の取付部８７,８７が係合されて駆動体８０が
モータケース７０の駆動室７２に挿入されており、モー
タＭの駆動軸(図示せず)に設けられた偏心カムＫと駆動
台８１,８２とが連結され、モータＭの駆動により偏心
カムＫを介して駆動台８１,８２が互いに逆方向へ且つ
左右方向へ往復移動するようになっている。そして、駆
動体８０と偏心カムＫとで内刃２５,２６を往復動させ
る駆動機構１００を構成している。

【００２６】一方、カバー６０の突起６４,６５がフラ
ンジ７４の凹部７５Ａ,７５Ｂに係合されてカバー６０
がフランジ７４に載置された状態となっており、カバー
６０の上面とフランジ７４の上面とがほぼ面一となって
いる。そして、フランジ７４の貫通孔７７a〜７７dを貫
通した支持脚９０Ａ〜９０Ｄが本体ケース１１のガイド
孔１３に上下動可能に挿入され、ガイド孔１３の下から
支持脚９０Ａ〜９０Ｄの下部が突出している。各支持脚
９０Ａ〜９０Ｄの下部にはノックピンＶが取り付けられ
ていて、本体ケース１１のガイド孔１３からの支持脚９
０Ａ〜９０Ｄの抜けが防止されている。そして、ガイド
孔１３とモータケース７０のフランジ７４との間の支持
脚９０Ａ〜９０Ｄにはスプリング（ユニットスプリン
グ）Ｓ2が介装され、モータケース７０が上方へ付勢さ
れている。スプリングＳ2の弾性力はスプリングＳ1の弾
性力より小さく設定されている。

【００２７】また、モータケース７０のフランジ７４に
は、ネジＮ2によって駆動体８０の取付部８７,８７およ
び支持台５０が固定されており、カバー６０の当接部６
２がモータケース７０のフランジ７４と支持台５０とに
よって挟持された状態となっている。そして、モータケ
ース７０と、駆動体８０と、カバー６０と、支持台５０
と、外刃取付台４０と、外刃２１,２２を保持した外刃
ホルダー２３と、内刃２５,２６とが一体となってお
り、モータケース７０がこれらとともに本体ケース１１
に対して上下動し、かつ左右方向に傾動するようになっ
ている。すなわち、ユニット体２０が本体ケース１１に
対して上下動し、かつ左右方向に傾動する。

【００２８】次に、上記実施の形態の作用について説明
する。

【００２９】先ず、図４に示す状態で外刃２１,２２に
下方へほぼ均一な押圧力が加わると、スプリングＳ2の
付勢力に抗して支持脚９０Ａ〜９０Ｄが下方へ移動する
ことにより、ユニット体２０が図５に示すように下方へ
平行移動する。このとき、スプリングＳ2の弾性力はス
プリングＳ1の弾性力より小さく設定されているので、
ユニット体２０が最下方位置まで押されてもスプリング
Ｓ1が底を打っていない。つまり、第１内刃台２７Ａ,２
７Ｂの下面２７a,２７bが駆動軸部８３,８４の上面８３
a,８４aに当接していない。このため、ユニット体２０
が最下方位置まで押されても、スプリングＳ1の弾性力
によって外刃２１,２２に対する内刃２５,２６の適正な
押上荷重を保つことができ、内刃２５,２６と外刃２１,
２２の適正な密着力を保つことができる。

【００３０】また、外刃２１,２２に強い押圧力を与え
ると、ユニット体２０が下方へ移動するので、肌が外刃
２１,２２のヒゲ導入孔に深く入り込んでしまうことが
防止される。この結果、肌が内刃２５,２６によって傷
ついてしまうことが防止されることとなる。

【００３１】次に、図４の状態から例えば、外刃２１,
２２の右端部に矢印Ｐ方向の外力が加わると、図６に示
すように、スプリングＳ2の付勢力に抗して支持脚９０
Ａ,９０Ｂが下方へ移動することにより、ユニット体２
０が傾動する。外刃２１,２２の左端部に外力が加わっ
た場合には、同様に、スプリングＳ2の付勢力に抗して
支持脚９０Ｃ,９０Ｄが下方へ移動し、図６とは反対側
へユニット体２０が傾動する。

【００３２】すなわち、外刃２１,２２に加わる外力に
応じて外刃２１,２２が左右方向へ傾動するので、肌面
の左右方向の変化に対して十分な追従性が得られる。

【００３３】また、外刃ホルダー２３が図７に示すよう
に前後方向に揺動するとともに内刃２５,２６がスプリ
ングＳ1によって上下動し、しかも、外刃２１,２２が左
右方向に傾動することにより、外刃２１,２２の頂点を
結ぶカッター面が肌面に対して３次元的に追従すること
ができる。

【００３４】このため、実剃り時に外刃２１,２２が肌
に対して理想的な姿勢で接触している時間が長くなり、
この結果、切れ味が向上するとともにひげそり時間を短
縮することができる。

【００３５】上記実施の形態では、複数の外刃２１,２
２を備えた電気かみそりについて説明したが、外刃が１
つの電気かみそりであってもよいことは勿論である。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、外刃に均一な下方への押圧力が働くと、ユニッ
ト体が下方へ移動するので、肌が外刃のヒゲ導入孔に深
く入り込んでしまうことが防止され、この結果、肌が内
刃によって傷ついてしまうことが防止される。また、外
刃に加わる外力に応じて外刃が左右方向へ傾動するの
で、肌面の左右方向の変化に対して十分な追従性が得ら
れる。

【００３７】請求項２の発明によれば、上記効果の他
に、複数の外刃の頂点を結ぶカッター面が肌面に対して
３次元的に追従することができ、このため、実剃り時に
外刃が肌に対して理想的な姿勢で接触している時間が長
くなり、この結果、切れ味が向上するとともにひげそり
時間を短縮することができる。

【００３８】請求項３の発明によれば、ユニット体が最
下方位置まで押されても、内刃スプリングの弾性力によ
って外刃に対する内刃の適正な押上荷重を保つことがで
き、内刃と外刃の適正な密着力を保つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る電気かみそりの構成を示した分
解斜視図である。

【図２】図１の一部を拡大した拡大斜視図である。

【図３】この発明にかかる電気かみそりの主要部の構成
を示した断面図である。

【図４】図１の電気かみそりの構成を示した断面図であ
る。

【図５】ユニット体が下方へ移動した状態を示した説明
図である。

【図６】ユニット体が傾動した状態を示した説明図であ
る。

【図７】外刃ホルダーが揺動した状態を示した説明図で
ある。

【符号の説明】

１１ 本体ケース ２０ ユニット体 ２１ 外刃 ２２ 外刃 ２３ 外刃ホルダー ２５ 内刃 ２６ 内刃 ３０ 外刃ケース Ｍ モータ Ｓ1 スプリング Ｓ2 スプリング

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒゲ導入孔が編目状に多数形成されるとと
   もに半筒状に形成された外刃を設けた外刃ホルダーと、
   前記外刃の内側に配置され外刃の内面に摺接しながら往
   復移動する内刃と、モータの回転駆動によって前記内刃
   を往復動させる駆動機構とを備えている電気かみそりに
   おいて、 前記外刃と外刃ホルダーと内刃とモータと駆動機構とを
   ユニット体とし、このユニット体を本体ケースに対して
   上下動可能に且つ左右方向に傾動可能に設けたことを特
   徴とする電気かみそり。
2. 【請求項２】ヒゲ導入孔が編目状に多数形成されるとと
   もに半筒状に形成された複数の外刃を設けた外刃ホルダ
   ーと、この外刃ホルダーを前後方向に揺動自在に取り付
   けた外刃ケースと、前記各外刃の内側に配置され外刃の
   内面に摺接しながら往復移動するとともに前記外刃ホル
   ダーの揺動に応じて上下動する内刃と、モータの回転駆
   動によって前記内刃を往復動させる駆動機構とを備えて
   いる電気かみそりにおいて、 前記外刃と外刃ホルダーと外刃ケースと内刃とモータと
   駆動機構とをユニット体とし、このユニット体を本体ケ
   ースに対して上下動可能に且つ左右方向に傾動可能に設
   けたことを特徴とする電気かみそり。
3. 【請求項３】前記内刃を上方に付勢する内刃スプリング
   の弾性力を、前記ユニット体を上方に付勢するユニット
   スプリングの弾性力以上の強さにしたことを特徴とする
   請求項１および請求項２の電気かみそり。