JPH1042869A - ビリルビンオキシダーゼの安定化方法 - Google Patents

ビリルビンオキシダーゼの安定化方法

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JPH1042869A
JPH1042869A JP8220295A JP22029596A JPH1042869A JP H1042869 A JPH1042869 A JP H1042869A JP 8220295 A JP8220295 A JP 8220295A JP 22029596 A JP22029596 A JP 22029596A JP H1042869 A JPH1042869 A JP H1042869A
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bod
solution
salt
reducing agent
acid
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JP8220295A
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Kazuhiko Sato
一彦 佐藤
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Eiken Chemical Co Ltd
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Eiken Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ビリルビンオキシダーゼ(BOD)の酵素活性
を安定に維持することができる新たな方法の提供。 【解決手段】BODに還元剤を共存させる事によって安
定化する。還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム等が用
いられる。 【効果】上記によって、特に溶液状態においてBODを
効果的に安定化することができる。これはBODを利用
した血清等に含まれるビリルビン測定用の液状試薬の流
通に貢献する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビリルビンオキシダー
ゼ(以下BODと省略する)の酵素活性を長期にわたっ
て安定に維持することのできる安定化方法、およびこの
安定化技術を応用したBOD組成物に関する。BOD
は、ビリルビンをビリベルジンに酸化する反応を触媒す
る酵素である。臨床検査の分野では、血清などの生体試
料に含まれるビリルビンの光学的測定に利用されてい
る。血清試料中のビリルビン濃度は、肝機能や造血機能
の重要な指標となる。BODは、ビリルビンの測定に有
用なばかりではなく、ビリルビンの存在が他の測定項目
に対して妨害的に作用する場合にはこれを消去するため
に利用されることも有る。たとえばコレステロールをコ
レステロールオキシダーゼで酸化して生じる過酸化水素
をトリンダー試薬によって測定する時に、ビリルビンの
還元作用が発色反応に対して妨害的に作用する。この妨
害作用は、ビリルビンオキシダーゼでビリルビンを酸化
することによって抑制することができる。
【0002】血清中に存在するビリルビンには、グルク
ロン酸抱合を受けた直接ビリルビン(あるいは抱合型ビ
リルビン、以下DBと省略する)と、遊離の状態にある
水不溶性の間接ビリルビンとが存在する。臨床検査分野
では、血中のDBが閉塞性黄疸の指標として、間接ビリ
ルビンは溶血性黄疸や溶血性貧血の診断指標として有用
なことが知られている。これらの疾患の診断のために、
DB、あるいはDBと間接ビリルビンの総量である総ビ
リルビン(以下TBと省略する)が分別測定されてい
る。BODを利用してこれらを測定する場合、pHの設
定や界面活性剤などの反応促進剤の選択によってBOD
の反応性を制御し、それぞれを特異的に測定する技術が
確立されている。つまり、DBであれTBであれ、同じ
BODを利用し、反応条件を変える事でそれぞれの測定
対象に対応している。
【0003】BODとしては、これまでにさまざまな生
物に由来するものが知られている。またこれらの生物由
来の酵素に代わって、BODをコードする遺伝子を適当
なベクターに組み込んで組み換え体として発現させる試
みも報告されている。
【0004】
【従来技術の問題点】現在商業的に供給されているBO
DによってDBやTBを測定するための試薬は、酵素反
応に好適なpHを与える緩衝剤、必要に応じて界面活性
剤等の反応条件を制御する成分からなり、糖類や不活性
タンパク質などの一般的な賦形剤などとともに凍結乾燥
させた状態で流通している。乾燥型の試薬は、使用時に
界面活性剤や緩衝剤を含む指定の溶解液で溶解して使用
される。
【0005】試薬に含まれるBODは、乾燥状態では比
較的安定であるが、いったん溶解した後は活性を失いや
すい。たとえばBODは、粗精製の状態で5℃に保存し
た場合、限られたpHで96時間安定であるに過ぎない
[ 1]。商業的に供給されている試薬には、酵素の失活を
見越して過剰量の酵素が利用されているが、それでも溶
解後の試薬は速やかに使わなければ正しい測定値を期待
できなくなる可能性が有る。
【0006】更に使用時に溶解操作を要求する乾燥型の
試薬に代えて出荷時から液状とし、そのまま測定に利用
できる剤型がいろいろな測定項目において適用されるよ
うになってきた。DBやTBについてもBODを利用し
た試薬を液状で供給することが望まれる。これらの要求
に対して、BODを安定化するための試みがいくつか報
告されている。
【0007】BODに対して、トリスヒドロキシアミノ
メタン−塩酸緩衝液のようなアルカリ性緩衝液と、乳
糖、アラニン、グリシン、牛アルブミン、シクロデキス
トリン等の安定化剤、窒化ソーダ等を配合する方法が報
告されている[ 2]。またリン酸緩衝液のような特定の緩
衝液を保存に利用する方法が公知である[ 3][ 4]。更に
アスパラギン酸やトリプトファンのような特定のアミノ
酸を利用した報告も有る[ 5]。これらの報告で利用され
ている安定化剤は、不活性タンパク質、糖類、アミノ
酸、あるいは適当な緩衝剤の選択といった、酵素の安定
化にあたっては一般的とも言える技術をBODに応用し
たものと言うことができるだろう。
【0008】この他、ハロゲン化物の塩[ 6]、あるいは
特定の緩衝剤とポリカルボン酸との併用[ 7]がBODの
安定化に貢献することが報告されている。これらの公知
技術は、確かにBODの活性維持に有効である。しかし
その作用は完全ではなく、いまなお安定化技術について
は改良が求められているのが現状である。
【0009】他方BOD以外の酵素、たとえばウリカー
ゼではハイドロサルファイト、硫化ナトリウム、水素化
ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸
等の還元剤との共存による安定化方法が知られている[
8]。しかしウリカーゼとBODでは構造も酵素活性も全
く異なっていることから、同じ化合物が同様の安定化効
果を示すとは限らない。糖、蛋白、アミノ酸、基質、好
適な濃度の塩類(硫酸アンモニウム等)、あるいは補酵
素等は多くの酵素に対して保存性の向上が期待できる一
般的な保護剤として知られている。一方で、特定の酵素
に対して特異的に作用する安定化剤が存在する。たとえ
ば、キレート剤、金属イオン、酸化剤、そして還元剤等
の成分は酵素特異的に安定化効果を示す場合が有る。こ
れらの酵素に特異的な安定化成分は、他の酵素では必ず
しも安定化効果をもたらすものではなく、むしろ阻害的
な作用を与える場合さえある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、BO
Dの酵素活性を溶液状態でも長期にわたって安定に維持
しうる新しい技術の提供、ならびにこの技術を応用した
安定性に優れたBOD組成物を提供する事である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、還元剤を共存
させるBODの安定化方法である。本発明はまた、溶液
状のBODの安定化に当たりパッケージ内に存在する酸
素の少なくとも一部を除去することによる安定化方法、
あるいは還元剤を添加したBOD組成物を提供するもの
である。
【0012】本発明で提供される安定化方法は、公知の
すべてのBODに応用することができる。これまでに報
告されているBODは、次のような生物から得られたも
のである。 ミロセシウム・ベルカリア[ 9] ペニシリウム・ジャンシネラム[10] バチルス・リフェニフォルミス[11] スエヒロタケ[12] キク科植物[13] アルファルファ[14] これら生物由来のBODのみならず、BODをコードす
る遺伝子を発現させて得ることができる組み換え体[1
5]、そしてアミノ酸配列の置換・挿入・欠損等の変異に
よって得られる変異体も、本発明の安定化方法が有効な
BODとして示される。更に、酵素の安定化や活性の向
上を期待してさまざまな担体で修飾したBODも、本発
明におけるBODに含まれる。このような修飾酵素に
は、ポリアルキレングリコール等と化学的に結合させた
もの等[16]が知られている。
【0013】本発明において、ビリルビンの測定を目的
としてBODを用いる時、その濃度は一般に最終的な反
応液中で0.04−10U/mlとなるように設定される。
更に具体的には、TB測定にあたっては0.2−10U/
ml、またDB測定では0.1−5U/ml程度が用いられ
る。なおここで言う酵素単位は、実施例で利用した活性
試験方法に基づくものである。
【0014】本発明で安定化剤として利用する還元剤
は、BODに接触する溶存酸素をいくらかでも減少させ
ることができる化合物と言うこともできる。あるいはま
た、BODが存在する環境の酸化還元電位を下げていく
らかでも還元状態に変える作用を持つ物質と言ってもよ
い。具体的には、脱酸素剤、還元剤、酸化防止剤等とし
て利用されている物質や組成物が挙げられる。
【0015】還元剤として知られている化合物には、亜
鉛、アルミニウム、あるいは鉄のような電気的陽性の大
きい酸素反応性の金属、硫化物に代表されるイオウ化合
物、還元ガスである水素、二酸化イオウや亜硫酸塩のよ
うな低級酸化物等が有る。これらの還元剤には、単独
で、あるいは酸素との反応を進める触媒と組み合わせた
組成物として脱酸素剤にも応用されている。BODとと
もに溶解することのできる還元剤として、次のような化
合物を列挙する。これらの化合物のうち、チオ硫酸ある
いはその塩、特にナトリウム塩は優れた安定化作用を持
つ。またチオ硫酸あるいはその化合物は、ペンタシアノ
アクア鉄(II)酸化合物と組み合わせることによってより
強力なBOD安定化効果をもたらす。ペンタシアノアク
ア鉄(II)酸ナトリウムに代表されるペンタシアノアクア
鉄(II)酸化合物は、もともBODによるDBの測定に有
用なことが知られている化合物であるから、この化合物
をチオ硫酸化合物と組み合わせてBODを安定化する態
様は本発明における好ましい態様として示すことができ
る。
【0016】チオ硫酸、またはその塩(thiosulfate) 亜硫酸、またはその塩(sulfite) 硫酸水素、またはその塩(bisulfate) 亜硫酸水素、またはその塩(bisulfite) N−アセチルシステイン(N-acetylcysteine) ジチオスレイトール(dithiothreitol) ジチオエリスリトール(dithioerythritol) グルタチオン(glutathione) カテキン類(catechin) アスコルビン酸、またはその塩(ascorbate) L−システイン(cysteine) 2−メルカプトエタノール(2-mercaptoethanol) フェロシアン化物(ferrocyanide) ペンタシアノアクア鉄(II)酸化物[pentacyanoaquaferra
te(II)] 更に酵素反応によって酸素吸収作用を実現する方法が公
知である。たとえばグルコースとグルコースオキシダー
ゼを共存させて酵素反応を起こさせ、反応液中の酸素を
消費して還元条件を作り出すことができる。
【0017】本発明の還元剤は、BODに接触する溶存
酸素をいくらかでも減少させることが可能な使用量で用
いる。現実には、いったん溶存酸素を減少させた後も開
封してしまえば再び酸素が供給されることになるので過
剰量で用いるのが実用的である。過剰量の還元剤を使用
することによって、密封された容器中の溶存酸素は速や
かに消去され、迅速な還元状態の形成につながることに
もなる。たとえば本発明において溶液状態にあるBOD
を安定化するためにチオ硫酸ナトリウムを添加するケー
スでは、2U/mlのBODに対して0.5mM程度の添加量
で安定化効果が得られる。酵素の保存には不向きな状態
に置かれる可能性も考慮すると、10mM以上の添加が望
ましい。チオ硫酸ナトリウムの添加量が20mMを越える
と安定化効果には大きな違いがみられなくなることか
ら、好ましい添加濃度は5−100mM、より好ましくは
10−50mMということができる。また一般的には酵素
濃度に応じて安定性も高くなることから、より高濃度で
BODを含む場合にはチオ硫酸ナトリウムの添加量が低
くても酵素活性の維持が容易となる。加えて、実施例で
確認したとおりBODを溶液状態で保存する時にはでき
るだけ密封条件を維持することが望ましい。しかし現実
には開封後に再び保存するケースも想定されるので、2
0mM以上の濃度が好ましい。
【0018】ところで、BODは酸化酵素なので反応液
中には酸素分子が必要である。本発明においてはBOD
を含む溶液の酸素を奪ってしまうが、実際の反応液はB
OD溶液のみならず試料や希釈液から構成される。中で
も希釈液はもっとも多量に加えられるため、反応に必用
な酸素はじゅうぶんに供給される。たとえば実施例に示
した反応系では3mlの希釈液に対してBOD溶液の添加
量は0.1mlである。また市販のビリルビン測定用試薬
では、BOD溶液に対して4倍量の希釈液が加えられ
る。しかしあまりにも過剰な還元剤の存在は、希釈液に
よって供給される酸素さえ奪ってしまい酵素反応に対し
て阻害的に作用する可能性も有る。したがって、たとえ
ばチオ硫酸ナトリウムであれば、通常のビリルビン測定
用試薬においては100mM程度を上限とする。もっと
も、反応液に酸素が供給されさえすれば問題はないの
で、反応液全体に占める希釈液の液量比が大きくなれば
還元剤の使用濃度の上限も高くなる。
【0019】本発明においては、上記のような化学的な
作用を利用して積極的に酸素を除去する技術に加えて、
不活性気体の封入も有効である。乾燥状態に有るBOD
はもとより、溶液状の場合であっても不活性気体封入に
よって溶存酸素濃度を抑えることができる。不活性気体
の封入によって、溶液中の酸素の一部は気相に奪われ結
果として溶存酸素濃度を下げることになる。このような
使い方が可能な不活性気体としては、ヘリウム、アルゴ
ン、あるいはチッソ等を示すことができる。
【0020】本発明のBOD安定化方法は、BODが乾
燥状態であっても液体状態であっても有効である。乾燥
状態である場合には、特別な安定化剤が存在していなく
ても酵素活性は比較的安定に維持できるが、使用時に溶
解した後には液状で保存しなければならなくなるため、
乾燥状態にあるBODに安定化剤を添加しておくことに
は意義が有る。また乾燥状態が確実に維持される時には
酵素活性の変動は起きにくいかもしれないが、吸湿など
によって酵素活性の維持の上では望ましくない状態にさ
らされる可能性も有るので、乾燥状態のBODに安定化
剤を添加しておくことも好ましい態様といえる。乾燥状
態にあるBODに還元剤を共存させるには、BODと還
元剤とともに溶解して乾燥する、乾燥したBODに乾燥
状態の還元剤を添加する等の方法を利用できる。
【0021】本発明のBODの安定化方法は、従来は酵
素活性の維持が困難であった溶液状態にあるBODの活
性維持に特に有効である。溶液状態で用いる時には、B
ODを含む溶液に還元剤を添加すると良い。公知の脱酸
素剤の中には、鉄やそのアマルガムを利用した脱酸素剤
のように、BODとともに溶解することができないもの
もある。このような脱酸素剤を本発明において還元剤と
して利用するには、ガス透過性液体不透過性のバリヤを
介してBOD溶液、あるいはその凍結乾燥品といっしょ
にパッケージすると良い。このような方法によれば、試
薬組成そのものは変更すること無くパッケージの変更の
みでBODの安定化に対応することができるので便利で
ある。また本発明におけるこれらの複数の態様は、相互
に組み合わせることによってより大きな効果を期待でき
る。すなわち保存溶液中に還元剤を加えるとともに不活
性気体で封入することによって、密封環境における安定
性維持に加えて、開封後の安定性をも期待できる態様と
なる。
【0022】先に述べたとおり本発明のBOD安定化方
法は、BODを溶解した溶液中に還元剤を添加する態様
と、不活性ガス置換や固形の酸素吸収剤によってBOD
が存在する環境を間接的に還元状態にする態様とを含ん
でいる。溶液中に還元剤を添加しておく方法では、還元
剤が有効な期間であれば開封した状態であってもある程
度は還元状態を維持することが可能である。したがって
BOD溶液の使用状況に影響を受けにくい望ましい態様
と言うことができる。
【0023】ビリルビンを測定するための試薬組成物
は、一般に使用時には自動分析装置にセットされる。そ
してその容器には試薬プローブが挿入されたまま、ある
いは必要に応じて試薬プローブが何度も容器に進入する
ことになる。いずれの場合でも試薬液面と容器外部の環
境を完全に遮断することは難しい。つまり多少なりとも
外部から絶え間なく酸素が供給される状態に置かれる。
従来より不必要な蒸発に伴う試薬の濃縮現象を防ぐため
に、液面と外気との接触面積を小さくする工夫は知られ
ている。たとえば容器の開口部から容器の底にいたる細
い筒状の器具を装着し、その筒に試薬プローブを進入さ
せるようにすれば外気と接触する液面は筒の内部のみと
なる。しかしたとえこのような器具を用いたとしても外
気を完全に遮断することはできないし、また試薬の消費
によって液面が下がってくるとやがて外気が容器内部に
一気に進入することになり、蒸発は最小限に抑えられる
ものの酸素の供給を防ぐことはできない。このような背
景が有るため、溶液中に還元剤を加え継続して溶存酸素
を消去できるようにした態様は実用的である。
【0024】これに対して後者の間接的に還元状態を作
り出す態様にあっては、いったん開封して外気と接触し
た後は還元状態を維持することが困難である。特に不活
性ガス置換による安定化方法は開封を考慮すると不利で
あろう。酸素吸収剤を利用する場合には、開封後も再封
止すれば再び還元状態とする事が可能である。
【0025】本発明は、溶液状態にあるBODを溶液中
に存在する溶存酸素の少なくとも一部を除去することに
よって安定化する技術をも提供する。酸素を除去するた
めには、先に述べた還元剤を添加する方法が有効であ
る。溶液中に還元剤を添加するにしろ、溶液中の酸素濃
度を下げる方法にしろ、BODを含む溶液のpHはBO
Dの活性の維持に有利なpHを選択するのが好ましい。
これまでに報告されたBODの保存に有利なpHは5−
10、特に好ましくは7−9である。
【0026】本発明のBOD安定化方法のうち還元剤を
BODに添加する態様では、安定性に優れるBOD酵素
組成物の提供を可能とする。すなわち、BODと還元剤
を含有する酵素組成物である。この本発明のBOD酵素
組成物には、還元剤の他に、糖類、アミノ酸、そして不
活性タンパク質等の公知の安定剤を組み合わせても良
い。糖類としてはラクトースやサッカロースが、アミノ
酸にはアスパラギン酸やトリプトファン、不活性タンパ
ク質にはウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ等の血清アルブミン
や卵白アルブミン等が酵素の安定化作用を持つことが知
られている。この他、動物血清の添加も酵素の安定化に
有効な場合のあることが知られている。
【0027】本発明によって提供されるBOD酵素組成
物は、血清などに含まれるビリルビン濃度の測定に有用
である。特に酵素組成物が液状で提供される場合には、
溶解等の付加的な操作を行うこと無く測定が可能となる
ので便利である。先に述べたようにビリルビンにはDB
とTBとの分別測定が必要である。本発明によって提供
される酵素組成物には分別測定を可能にする他の試薬成
分を組み合わせることができる。すなわち、DBを測定
するためにはpH3.0−4.5を与える緩衝剤、たと
えばクエン酸緩衝液や乳酸緩衝液等を組み合わせた2試
薬系とすれば良い。DBの分別測定にあたっては、DB
に対する特異性を向上させるために公知の選択剤を組み
合わせることもできる。選択剤には、アニリン類やペン
タシアノ鉄酸塩等が知られている[17]。あるいはTB測
定用酵素組成物とするためには、pH6.0−9.0を
与える緩衝剤、たとえばBicineやACESのよう
なGood’s緩衝液を組み合わせた2試薬系とする。
これらの緩衝剤を被検試料と混合して反応に必用なpH
とし、本発明によって安定化されたBODを添加するこ
とでビリルビンの分別測定が行われる。大量に加えられ
るこれらの緩衝剤によって反応に必用なpHが与えられ
るので、BODを含む溶液のpHは測定対象にかかわら
ず酵素活性の安定化に必用な範囲とすれば良い。更にT
Bの場合には、反応促進のために界面活性剤等を添加す
ることができる[18]。界面活性剤には、コール酸ナトリ
ウムやラウリル硫酸ナトリウムのような陰イオン系の界
面活性剤が用いられる。本発明によるBOD含有酵素組
成物は、微生物の繁殖から保護するためにケーソンCG
のような防腐剤を添加しておくことが望ましい。
【0028】液状で提供される本発明によるBOD酵素
組成物のベースとなる溶媒には、公知の緩衝剤を利用す
ることができる。ホウ酸、リン酸、トリスヒドロキシメ
タン・塩酸等の他、緩衝剤にはタンパク質であるBOD
に対して影響の小さいGood’sバッファーが有利で
ある。Good’sバッファーの中でもBODの保存に
好適なpHを与えるものとして、次のような緩衝剤を示
すことができる。更に溶存酸素濃度の低下がBODの安
定化に有効なことから、試薬成分を溶解する水を煮沸等
の操作で予め脱気しておくことも有利である。 ピペラジン−ビス(2−エタンスルホン酸)(Piperazi
ne-N,N'-bis(2-ethanesulfonic acid)、PIPESと省
略する) (2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸
(N-(2-Acetamido)-2-aminoethanesulfonic acid、AC
ESと省略する) 3−(モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸(3-(N-Morpholino)-2-hydroxypropanesulfonic acid
、MOPSOと省略する) 1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミ
ノ]プロパン(1,3-bis[tris(Hydroxymethyl)methylami
no]propane、BIS−TRIS PROPANEと省略
する) ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸(N,N-Bis(2-hydroxyethyl)-2-aminoehtanesulfo
nic acid、BESと省略する) 3−(モルホリノ)プロパンスルホン酸(3-(N-Morphol
ino)propanesulfonic acid、MOPSと省略する) トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノメタン
スルホン酸(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoeth
anesulfonic acid、TESと省略する) ヒドロキシエチルピペラジン−2−エタンスルホン酸
(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic a
cid 、HEPESと省略する) ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキ
シメチル)メタン(Bis(2-hydroxyethyl)iminotris(hyd
roxymethyl)methane、Bis−Trisと省略する) 3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒ
ドロキシプロパンスルホン酸(3-[N,N-Bis(2-hydroxyet
hyl)amino]-2-hydroxypropanesulfonic acid、DIPS
Oと省略する) ピペラジン−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸)(Pioerazine-N,N'-bis(2-hydroxypropanesulfonic
acid)、POPSOと省略する) 2−ヒドロキシエチルピペラジン−2−ヒドロキシプロ
パン−3−スルホン酸(N-2-Hydroxyethylpiperazine-
N'-2-hydroxypropane-3-sulfonic acid、HEPPSO
と省略する) トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−ヒドロキシ−
3−アミノプロパンスルホン酸(N-Tris(hydroxymethy
l)methyl-2-hydroxy-3-aminopropanesulfonic acid、T
APSOと省略する) 2−ヒドロキシエチルピペラジン−3−プロパンスルホ
ン酸(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-3-propanesulfo
nic acid、EPPS、またはHEPPSと省略する) ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(N,N-Bis(2-hy
droxyethyl)glycine、Bicineと省略する) N-Tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropanesulfonic
acid 、TAPSと省略する)
【0029】
【作用】本発明において安定剤に用いた還元剤等の化合
物は、酸素と反応し自身が酸化されることによって酸素
を環境から取り除く作用を持つ。こうして酸化反応を起
こしてしまった酸素は、もはや化学的に活性な状態に無
く、BODの活性を奪う作用を失うものと推測される。
本発明が提案する還元剤によるBODの安定化方法、あ
るいは溶存酸素濃度を下げることによるBODの安定化
方法は、BODが存在する環境の酸化還元電位を下げ
て、BODの安定化に寄与する。BODが、保存環境を
還元状態とすることによって溶液中であっても高度に安
定化されるという事実は新規な知見である。
【0030】
【発明の効果】本発明のBOD安定化方法は、これまで
の方法では必ずしも十分な安定化作用を期待できなかっ
た溶液状態にあるBODに高い安定性を与える。本発明
によって、溶解操作を不要とする液状試薬の形態でBO
D酵素組成物を流通させることができる。本発明ではB
ODの活性を高い水準で維持することができるので、酵
素の活性低下を補うために過剰の酵素を利用する必要が
無くなる。
【0031】本発明による安定化技術は公知の原理とは
異なった機序でBODを安定化していると推測される。
したがって、本発明のBOD安定化方法を公知の安定化
技術と組み合わせた場合には、安定化作用が相加的に働
くために、より有効な安定化効果をもたらすことが期待
される。続いて実施例に基づいて本発明を更に詳細に説
明する。
【0032】
【実施例】
1.BODの活性測定 以下の実施例に用いたのはMirothecium属微生物に由来
する市販のBOD(天野製薬製)である。BODの酵素
活性は、商品の酵素活性を検定した方法にしたがって確
認した。すなわち、アルブミン結合ビリルビンを基質と
して、コール酸ナトリウムの存在下でBODを作用さ
せ、波長460nmにおける吸光度の減少を測定すること
によって酵素活性を決定した。具体的な操作は以下のと
おりである。30mgのアルブミン結合ビリルビン(天野
製薬製)を、1mlの0.05Mリン酸緩衝液(pH7.
0、EDTA含有)で溶解して基質溶液とした。また
0.5mgのコール酸ナトリウム(ナカライテスク製)を
同じリン酸緩衝液に溶解して50mlとしコール酸ナトリ
ウム含有緩衝液とした。石英セルにコール酸ナトリウム
含有緩衝液3ml、および基質溶液0.2mlを加えよく混
合してから10分間放置し、BOD試料溶液0.1mlを
加えて混合し37℃で反応させた。反応開始後1分と3
分に波長460nmにおける吸光度A1(1分後)とA3
(3分後)を測定した。他方ブランクとして試料溶液の
代わりにリン酸緩衝液によって同じ操作を行い、Ab1
(1分後)とAb3(3分後)を測定した。この条件で
1分間に1μmoleのアルブミン結合ビリルビンを酸化す
るのに必用な酵素量(1単位)を以下の式により算出し
た。
【0033】
【式1】
【0034】2.BODの安定化効果 BODを還元剤の共存下で保存し、酵素活性の変化を観
察した。還元剤には、以下の化合物を用いた。添加濃度
は、次に示す濃度とその1/10量の2とおりで比較し
た。これらの還元剤とBODを緩衝剤などともに混合
し、10℃で保存して、0、1、5、15、36、及び
53日後の酵素活性を測定した。還元剤以外の組成につ
いては以下に示したとおりである。
【0035】実験に用いた還元剤 ・500mM チオ硫酸ナトリウム(Sodium thiosulfate) ・500mM 亜硫酸ナトリウム(Sodium sulfite) ・500mM 硫酸水素ナトリウム(Sodium bisulfate) ・500mM 亜硫酸水素ナトリウム(Sodium bisulfite) ・10mM ジチオスレイトール(Dithiothreitol) ・10mM N−アセチルシステイン(N-Acetylcystein
e) ・10mM グルタチオン酸化型(Glutathione oxidize
d form) ・10mM グルタチオン還元型(Glutathione reduced
form) ・10mM D−(+)−カテキン(D-(+)-Catechin) ・10mM −エピカテキン((-)-Epicatechin)
【0036】還元剤以外の溶液組成 ・20mM HEPES−NaOH(pH7.0) ・150mM L−アスパラギン酸 ・1.0mM EDTA・2Na ・0.05% ケーソンCG(防腐剤) ・2.0U/ml BOD
【0037】結果は図1−図2、図3−図4(1/10
量で10℃)に示した。グラフの縦軸はスタート時の酵
素活性を100としたときの残存活性(%)である。い
ずれの添加濃度においても、チオ硫酸ナトリウムは優れ
た安定化効果を示した。具体的には無添加では36日後
にBODの酵素活性が50%近くまで低下するのに対し
て、チオ硫酸ナトリウムを添加した場合には500mM、
50mMいずれの添加濃度においても53日後に90%近
い酵素活性を維持している。この他の還元剤でも、添加
濃度によって効果に差が生じるものが有るものの15日
保存では安定化効果を示している。なお前述の先行技術
文献[ 1]においては、5℃で保存して96時間後に60
%程度まで活性が低下している。今回の実験では10℃
無添加であっても14日後に70%以上の活性を維持し
ているが、この違いは酵素の精製度や緩衝液の違いによ
るものと推測される。
【0038】3.チオ硫酸ナトリウムの添加濃度 2で最も安定化効果の大きかったチオ硫酸ナトリウムに
ついて、添加濃度と安定化効果の関係を調査した。チオ
硫酸ナトリウムの添加濃度を0−50mMとした他は2と
同じ条件で、0、10、23、31、45、66、8
7、および94日後にBODの酵素活性を測定した。活
性測定まで容器を密封する場合と、測定時に開封した後
に再度密封して同一の容器から保存期間中にわたってく
り返し採取した場合で結果を比較し、保存に与える開封
の影響も観察した。結果を図5(密封条件)、および図
6(同一容器からのくり返し測定)に示した。密封条件
ではチオ硫酸ナトリウム5mM以上で、またくり返し開封
する場合では10mM以上で安定化効果が顕著であった。
いずれの場合でも、チオ硫酸ナトリウムの安定化効果は
濃度に依存する面のあることを確認した。他方、開封に
よってBODの酵素活性低下が促進される傾向が認めら
れ、保存上は密封を心掛けた方が望ましいことが確認さ
れた。
【0039】4.他のBOD安定化因子との相互作用 チオ硫酸ナトリウムを中心として、他の還元剤、あるい
は公知のBOD安定化物質や緩衝剤との組み合わせがB
ODの安定化に与える影響について調査した。安定化物
質としては、本発明の安定化物質としてチオ硫酸ナトリ
ウムを、また公知の安定化物質として150mMのアスパ
ラギン酸を用いた。緩衝剤には、Bicine−NaO
HとHEPES−NaOHを用いた。これらの安定化因
子を表1に示すような組み合わせで用い、4℃、10
℃、25℃、および37℃で保存し1、2、4、7、1
4、および21日後に酵素活性を測定した。保存溶液の
組成は次のとおりとした。この組成はDBの測定を行う
ためのもので[17]、反応促進剤として界面活性剤やペン
タシアノアクア鉄(II)酸ナトリウム等を含んでいる。
【0040】保存溶液の基本組成 ・20mM Bicine−NaOH、またはHEPES
−NaOH(pH8.5) ・1.0mM EDTA・2Na ・0.05% ケーソンCG ・1.4% 非イオン系界面活性剤 ・1.5U/ml BOD 保存溶液への添加物 ・150mM L−アスパラギン酸 ・25mM チオ硫酸ナトリウム ・100μM ペンタシアノアクア鉄(II)酸ナトリウム
【0041】
【表1】
【0042】本発明で安定化剤に用いた還元剤は、公知
の安定化剤であるアスパラギン酸と組み合わせることに
よってより大きな安定化作用を示すことが観察された。
両者の安定化機構が異なっているために、作用が相加的
に働いているためと推測された。本発明による安定化作
用は、この実験に用いた2つの緩衝剤のいずれにおいて
も同じ程度であり、これらの緩衝剤との組み合わせが有
効であることが確認された。また実際のDB測定用酵素
組成物として必用な成分と共存した状態で、大きな安定
化効果をもたらすことが確認され実用上も有用な技術で
あることが明らかである。更にDBに対する反応促進剤
として知られているペンタシアノアクア鉄(II)酸ナトリ
ウム[17]は、チオ硫酸ナトリウムと共存させることによ
ってBODの安定化効果を増強している。両者の共存に
よって、ペンタシアノアクア鉄キレートのアクア部分
(水配位子)がチオ硫酸と配位子交換し、結果的にペン
タシアノチオ硫酸鉄(II)キレートが生成することでより
強力な安定化効果を実現したものと推測される。生成し
たキレート化合物も還元剤と考えられるが、ペンタシア
ノアクア鉄(II)酸ナトリウム等よりも強い安定化作用を
持つものと考えられる。
【0043】引用文献 [ 1] Agric.Biol.Chem.,46-82031-2034,1982 [ 2] 特開昭60-151561 [ 3] 特公昭62-33880 [ 4] 特開昭61-209587 [ 5] 特開平6-284886 [ 6] 特開平7-203962 [ 7] 特開平8-66196 [ 8] 特公昭46-29785 [ 9] 特開昭60-12032 [10] 特開昭63-309187 [11] 特開昭61-209587 [12] 特開昭59-135886 [13] 特開昭62-285782 [14] 特開平6-319536 [15] 特開平5-199882 [16] 特開昭64-60375 [17] 特開平3-175998 [18] 特公昭62-33880
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による安定化剤のBOD安定化効果を示
す。縦軸は保存開始時の酵素活性を100としたときの
残存活性(%)を、横軸は保存日数(日)を示す。
【図2】本発明による安定化剤のBOD安定化効果を示
す。縦軸は保存開始時の酵素活性を100としたときの
残存活性(%)を、横軸は保存日数(日)を示す。
【図3】本発明による安定化剤(1/10量)のBOD
安定化効果を示す。縦軸は保存開始時の酵素活性を10
0としたときの残存活性(%)を、横軸は保存日数
(日)を示す。
【図4】本発明による安定化剤(1/10量)のBOD
安定化効果を示す。縦軸は保存開始時の酵素活性を10
0としたときの残存活性(%)を、横軸は保存日数
(日)を示す。
【図5】長期密封保存条件におけるチオ硫酸ナトリウム
の添加濃度と安定化効果の関係を示す。縦軸は保存開始
時の酵素活性を100としたときの残存活性(%)を、
横軸は保存日数(日)を示す。
【図6】開封を繰り返す条件におけるチオ硫酸ナトリウ
ムの添加濃度と安定化効果の関係を示す。縦軸は保存開
始時の酵素活性を100としたときの残存活性(%)
を、横軸は保存日数(日)を示す。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】還元剤を共存させるビリルビンオキシダー
    ゼの安定化方法
  2. 【請求項2】還元剤が、以下に列挙した化合物で構成さ
    れる群から選択された少なくとも1つの化合物である請
    求項1の安定化方法 チオ硫酸、またはその塩(thiosulfate) 亜硫酸、またはその塩(sulfite) 硫酸水素、またはその塩(bisulfate) 亜硫酸水素、またはその塩(bisulfite) N−アセチルシステイン(N-acetylcysteine) ジチオスレイトール(dithiothreitol) ジチオエリスリトール(dithioerythritol) グルタチオン(glutathione) カテキン類(catechin) アスコルビン酸、またはその塩(ascorbate) L−システイン(cysteine) 2−メルカプトエタノール(2-mercaptoethanol) フェロシアン化物(ferrocyanide) ペンタシアノアクア鉄(II)酸化物[pentacyanoaquaferra
    te(II)]
  3. 【請求項3】還元剤がチオ硫酸、またはその塩である請
    求項2の安定化方法
  4. 【請求項4】チオ硫酸塩として、ナトリウム塩を用いる
    請求項3の安定化方法
  5. 【請求項5】ビリルビンオキシダーゼが溶液状態にある
    請求項1の安定化方法
  6. 【請求項6】チオ硫酸、またはその塩をビリルビンオキ
    シダーゼ溶液中に5mM−1M共存させる請求項5の安定
    化方法
  7. 【請求項7】溶液のpHが7−9である請求項5の安定
    化方法
  8. 【請求項8】チオ硫酸、またはその塩に加えて更にペン
    タシアノアクア鉄(II)酸化物を加える請求項3の安定化
    方法
  9. 【請求項9】更にアスパラギン酸、およびトリプトファ
    ンからなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸
    を加える請求項1の安定化方法
  10. 【請求項10】還元剤とビリルビンオキシダーゼを含む
    酵素組成物
  11. 【請求項11】ビリルビンを測定するためのものである
    請求項10の酵素組成物
  12. 【請求項12】溶液状態にあるビリルビンオキシダーゼ
    を安定化する方法であって、溶液中に存在する溶存酸素
    の少なくとも一部を除去する安定化方法
  13. 【請求項13】溶液中に還元剤を添加する請求項12の
    安定化方法
  14. 【請求項14】溶液を充填したパッケージの雰囲気中に
    脱酸素剤を存在させる請求項12の安定化方法
  15. 【請求項15】溶液を充填したパッケージを不活性気体
    封入する請求項12の安定化方法
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