JPH1042467A - 配電線電圧及び無効電力調整装置 - Google Patents

配電線電圧及び無効電力調整装置

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JPH1042467A
JPH1042467A JP8193319A JP19331996A JPH1042467A JP H1042467 A JPH1042467 A JP H1042467A JP 8193319 A JP8193319 A JP 8193319A JP 19331996 A JP19331996 A JP 19331996A JP H1042467 A JPH1042467 A JP H1042467A
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崇 元治
Takashi Hashimoto
隆 橋本
Jun Tanaka
遵 田中
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晴也 安部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電圧調整と無効電力の調整とを同時に行うこと
ができる配電線電圧及び無効電力調整装置を提供する。 【解決手段】配電線1の途中に設定した検出点aに電圧
センサ2及び電流センサ3を設けるとともに、検出点の
電圧を並列変圧器4に入力する。検出点aと検出点より
も負荷側に設定した調整点bとの間に直列変圧器6の二
次巻線6sを接続する。並列変圧器4の出力電圧を調整
用電圧Vph´に変換する電力変換装置5を設け、調整用
電圧Vph´を直列変圧器6の一次巻線6pに与えること
により、直列変圧器の二次巻線6sから配電線に補償電
圧Vphを注入する。補償電圧Vphの大きさと位相角と
を、調整点bの電圧を目標値に保ち、かつ無効電力を最
小にするために必要な値にするように、電力変換装置5
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配電線の電圧と無
効電力とを調整する配電線電圧及び無効電力調整装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】配電系統においては、省エネルギーを図
るために、無効電力を少なくして線路で生じるロスを減
少させることが必要とされる。また需要家に供給する電
力の高品質化を図るために、電圧変動を抑制することが
必要である。そのため、従来は、電圧降下を補償する自
動電圧調整器、負荷時タップ切換え変圧器等の電圧調整
機器と、電力用コンデンサ、リアクトル、同期調相機等
からなる無効電力調整機器とをそれぞれ別個に設けて配
電線に接続していた。
【0003】また配電系統においては、変圧器、回転機
器、整流器、サイリスタ応用機器等から高調波が発生す
る。配電線を流れる電流に含まれる高調波が過大になる
と、系統に接続されている機器に障害が生じるため、高
調波を抑制する手段を講じる必要がある。
【0004】従来広く採用されていた高調波抑制策は、
高調波発生源と並列にLCの直列共振回路を接続して、
該共振回路により高調波成分を吸収させる方式のもので
あるが、この方式では、系統に存在する多数の高調波発
生源のそれぞれに対して高調波抑制機器である共振回路
を設置する必要がある。
【0005】また系統を流れる高調波成分を検出して、
検出された高調波成分と逆位相の高調波電流を系統に注
入することに高調波を打ち消すようにしたアクティブフ
ィルタ方式の高調波抑制策も行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来は、電圧調整機器
と無効電力調整機器とが別個に設けられていたため、配
電系統の調整箇所に多数の機器を設けることが必要にな
り、電圧調整及び無効電力調整のために要する設備のコ
ストが高くなる上に、機器を設置するために広いスペー
スを確保することが必要になるという問題があった。
【0007】また、高調波抑制策として、各高調波発生
源に対して並列に直列共振回路を接続する方式を採用し
た場合には、系統に存在する多数の高調波発生源のそれ
ぞれに対して共振回路を設置する必要があるため、高調
波抑制のためのトータルコストが高くなるのを避けられ
なかった。
【0008】更に、アクティブフィルタ方式を採用する
場合も、従来は、系統を流れる高調波電流を検出するセ
ンサと、高調波を打ち消すための逆相高調波電流を発生
する高調波電流源と、逆相高調波電流を系統に注入する
注入装置とを備えた高調波抑制装置を電圧調整装置及び
無効電力調整装置と別個に設けていたため、設備費が高
くなるのを避けられず、不経済であった。
【0009】本発明の目的は、配電線電圧の調整と無効
電力の調整とを同じ装置で行うことができる配電線電圧
及び無効電力調整装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、配電線電圧の調整及
び無効電力の調整を行うとともに、配電線電圧及び無効
電力の調整に用いる機器の一部を共用して高調波成分の
抑制をも図ることができるようにした配電線電圧及び無
効電力調整装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本明細書では、配電線の
各部の内、配電線電圧及び無効電力調整装置の入力側の
端子(電源側端子)が接続される点を検出点と呼び、該
調整装置の出力側の端子(負荷側端子)が接続される点
を調整点と呼ぶことにする。
【0012】本発明に係わる配電線電圧及び無効電力調
整装置は、配電線の途中に設定された検出点で配電線の
相電圧(各相の電圧)Vr 及び該検出点を通過する通過
電流I1 をそれぞれ検出する電圧センサ及び電流センサ
と、検出点の相電圧Vr が一次側に入力された並列変圧
器と、該並列変圧器の出力を入力として大きさ及び位相
が可変の調整用電圧を発生する電力変換装置と、調整用
電圧が入力された一次巻線と、検出点と該検出点よりも
負荷側に設定された調整点との間に位置させた状態で配
電線に直列に接続された二次巻線とを有して、検出点の
相電圧Vr に対して位相角θphを有する補償電圧Vphを
二次巻線を通して検出点の相電圧Vr に重畳する直列変
圧器と、調整点の相電圧を目標値に一致させ、かつ配電
線で消費される無効電力を最小にするために必要な補償
電圧Vphの大きさと該補償電圧の検出点の相電圧Vr に
対する位相角θphとを演算して、演算された大きさと位
相角とを有する補償電圧Vphを得るために必要な調整用
電圧を電力変換装置から出力させるように電力変換装置
を制御する制御装置とを備えている。
【0013】この場合、上記制御装置は、調整点の相電
圧を目標値に一致させ、かつ配電線で消費される無効電
力を最小にするために検出点の電圧に重畳する必要があ
る補償電圧Vphを直列変圧器の二次巻線から出力させる
ために該直列変圧器の一次側に与える必要がある調整用
電圧をインバータから出力させるように、該インバータ
を構成する半導体スイッチ素子をオンオフ制御する。
【0014】上記制御装置は、例えば、補償電圧Vphの
大きさと該補償電圧の検出点の相電圧Vr に対する位相
角θphとを演算する演算手段を備えて、補償電圧Vphの
大きさ及び位相角θphをそれぞれ演算された値に一致さ
せるように電力変換装置から調整用電圧を発生させる。
【0015】制御装置に設けられる演算手段は、例えば
次のようにして補償電圧Vphの大きさと位相角θphとを
演算する。
【0016】即ち、配電線の線路インピーダンスのリア
クタンス分X1 と、電圧センサが検出した検出点の相電
圧Vr と、電流センサが検出した通過電流I1 と、相電
圧Vr と通過電流I1 との間の位相差θとを用いて、配
電線を流れる無効電力を打消すために通過電流I1 に対
して90度の位相差を有する電圧I1 X1 を検出点の相
電圧Vr に重畳したときの調整点の相電圧Vrqと、該相
電圧Vrqの検出点の相電相圧Vr に対する位相差βと
を、 Vrq=(X1 2 I1 2 +Vr 2 +2I1 X1 Vr sin
θ)1/2 及び、 β=sin -1{(I1 X1 cos θ)/Vrq} により演算し、調整点の電圧を目標値Vr'に一致させる
ために相電圧Vrqに重畳する必要がある昇降用電圧Vp
を、 Vp =(Vrq2 +Vr'2 −2VrqVr'cos β´)1/2 [但し、β´=sin -1{Vrq sin(θ+β)/Vr'}−
θ−β] により演算する。そして、昇降用電圧Vp 及び電圧I1
X1 と位相差θ及びβとを用いて、補償電圧Vphの大き
さ及び検出点の電圧Vr に対する位相角θphをそれぞ
れ、 Vph={Vp 2 +(I1 X1 )2 1/2 及び、 θph=tan -1{Vp /(I1 X1 )}+(π/2)−θ
+β により演算する。
【0017】上記電力変換装置としては、例えば、コン
デンサと、並列変圧器の二次巻線から得られる出力電圧
を直流に変換してコンデンサに供給し、また、コンデン
サの電荷を並列変圧器の二次巻線を通して放電させるた
めのスイッチ手段を持つコンバータと、コンデンサの両
端の電圧を調整用電圧に変換するインバータとを備えた
ものを用いることができる。この場合、制御装置には、
コンデンサの端子電圧を定電圧源とするためにコンバー
タの出力電圧である交流電圧を検出点電圧の位相より進
ませるように制御すれば、コンデンサの端子電圧の上昇
分を下げることができ、また、逆にコンバータの出力電
圧である交流電圧を検出点電圧の位相より遅らせるよう
に制御すれば、コンデンサの端子電圧の下降分を上げる
ことができる。このような制御を行うために、コンバー
タのスイッチ手段を制御するコンバータ制御手段と、前
記調整用電圧を発生させるようにインバータを制御する
インバータ制御手段とを設けておく。
【0018】上記のように、検出点の電圧に対して所定
の位相角θphを有する補償電圧Vphを発生させて、該補
償電圧を検出点の相電圧に重畳することにより、調整点
の相電圧を目標値に一致させるように調整すると同時
に、無効電力を最小にするように調整するようにする
と、電圧調整と無効電力の調整とを共通の装置により行
うことができる。従って、電圧調整機器と無効電力の調
整機器とをそれぞれ別個に設けていた従来の調整設備に
比べて、機器の数を削減して配電系統の構成を簡単にす
ることができ、設備に要するコストを安くすることがで
きる。また系統の各調整箇所に設置する機器の数が少な
くなるため、各調整設備の設置面積の縮小を図ることが
できる。
【0019】本発明においては、コンバータに高調波電
流を発生するコンバータ制御手段を更に設けるのが望ま
しい。この場合、制御装置には、電流センサの出力から
配電線を流れる電流に含まれる高調波電流成分を検出す
る高調波電流成分検出手段と、前記高調波電流成分検出
手段により検出された高調波電流成分を打ち消すために
必要なキャンセル用高調波電流を前記コンバータから発
生させるようにコンバータを制御するコンバータ制御手
段とを設ける。
【0020】また、インバータに、高調波電圧を発生す
るインバータ制御手段を更に設けるのが望ましい。この
場合、制御装置には、電圧センサの出力から配電線電圧
に含まれる高調波電圧成分を検出する高調波電圧成分検
出手段と、前記高調波電圧成分検出手段により検出され
た高調波電圧成分を打ち消すために必要なキャンセル用
高調波電圧を前記インバータから発生させるようにイン
バータを制御するインバータ制御手段とを設ける。
【0021】上記のように構成すると、電圧調整及び無
効電力の調整を行う機器の構成要素の一部を利用して高
調波成分の除去または抑制を図ることができるため、従
来各高調波発生装置毎に設けていた高調波抑制機器を省
略することができ、配電系統の構成を簡単にすることが
できる。また電圧調整及び無効電力調整装置の構成機器
の一部を利用して高調波の抑制を図ることができるた
め、従来のアクティブフィルタ方式の高調波抑制装置に
比べて、高調波の抑制に要する設備費を安くすることが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(A)本発明に係わる調整装置の構成 図1は本発明に係わる配電線電圧及び無効電力調整装置
の構成を単線結線図を用いて概略的に示したもので、同
図において1は3相の配電線、2は配電線1の途中に設
定された検出点aにおいて配電線の相電圧Vr を検出す
る電圧センサ、3は検出点aを通過する通過電流I1 を
検出する電流センサである。電圧センサ2としては、計
器用変圧器を用いることができ、電流センサ3としては
変流器を用いることができる。
【0023】4は各相の一次巻線4pと二次巻線4sと
を有して、検出点aの相電圧Vr が一次巻線に入力され
た3相並列変圧器、5は並列変圧器4の出力を入力とし
て大きさ及び位相が可変の3相の調整用電圧Vph´を出
力する電力変換装置、6は調整用電圧Vph´が入力され
た一次巻線6pと、検出点aと該検出点よりも負荷側に
設定された調整点bとの間に位置させた状態で3相の配
電線1にそれぞれ直列に接続された3相の二次巻線6s
とを有する3相直列変圧器、7は電力変換装置6を制御
する制御装置である。
【0024】電力変換装置5は、並列変圧器4の出力電
圧を直流電圧に変換するコンバータ5Aと、該コンバー
タ5Aにより変換された直流電圧を蓄積する電源コンデ
ンサ5Bと、電源コンデンサ5Bの両端に得られる直流
電圧を配電線電圧と周波数が等しい3相交流電圧に変換
して調整用電圧Vph´として出力するインバータ5Cと
からなっている。この電力変換装置5から出力される調
整用電圧Vph´の大きさ及び位相は、インバータ5Cを
構成する半導体スイッチ素子をオンオフ制御することに
より、適宜に調整することができるようになっている。
【0025】直列変圧器6は、調整用電圧Vph´を入力
として、その各相の二次巻線6sから検出点aの相電圧
Vr に補償電圧Vphを重畳する。この補償電圧Vphは、
検出点aの相電圧Vr に対して位相角θphを有してい
る。調整点bの相電圧は、検出点aの相電圧Vr と補償
電圧Vphとをベクトル合成したものとなる。
【0026】制御装置7は、電圧センサ2の出力eと電
流センサ3の出力iとを入力として、調整点bの相電圧
を目標値に一致させ、かつ配電線で消費される無効電力
を最小にするために必要な補償電圧Vphの大きさと該補
償電圧の検出点の相電圧Vrに対する位相角θphとを演
算し、演算された大きさと位相角とを有する補償電圧V
phを得るために必要な調整用電圧Vph´を電力変換装置
5から出力させるように電力変換装置5のインバータを
制御するインバータ制御手段と、コンデンサ5Bの両端
の電圧を一定に保つようにコンバータ5Aを制御するコ
ンバータ制御手段とを備えている。
【0027】上記電圧センサ2、電流センサ3、並列変
圧器4、電力変換装置5、直列変圧器6及び制御装置7
により、本発明に係わる配電線電圧及び無効電力調整装
置が構成されている。
【0028】図2は、電源変圧器4及び直列変圧器6の
構成例と、電力変換装置5の構成例とを更に具体的に示
したものであり、同図においては、U,V,W3相を区
別するために、各符号にu,v,wの添字を付してあ
る。この例では、電源変圧器4がデルタ結線された3相
の一次巻線4pu,4pv及び4pwと、同じくデルタ結線さ
れた二次巻線4su,4sv及び4swとを有し、該変圧器4
の3相の入力端子がそれぞれ3相の配電線1u,1v及
び1wに接続されている。
【0029】直列変圧器6は、スター結線された3相の
一次巻線6pu,6pv及び6vwと、互いに独立な二次巻線
6su,6sv及び6swとを有し、直列変圧器6の3相の二
次巻線6su,6sv及び6swはそれぞれ検出点aと調整点
bとの間に位置させた状態で3相配電線1u,1v及び
1wに直列に接続されている。
【0030】電力変換装置5のコンバータ5Aは、ダイ
オードDu 〜Dw 及びDx 〜Dz を3相全波ブリッジ接
続するとともに、ダイオードDu ,Dv ,Dw 及びDx
,Dy ,Dz のそれぞれの両端にIGBT等の半導体
スイッチ素子Su ,Sv ,Sw及びSx ,Sy 及びSz
を、それぞれの順方向をダイオードの順方向と異ならせ
て並列に接続した回路からなっていて、このコンバータ
の3相の交流入力端子に並列変圧器4の3相の出力端子
が接続されている。
【0031】インバータ5Cは、IGBT(絶縁ゲート
形トランジスタ)等の半導体スイッチ素子Su ´〜Sw
´及びSx ´〜Sz ´を3相ブリッジ接続するととも
に、スイッチ素子Su ´〜Sw ´及びSx ´〜Sz ´の
それぞれの両端に帰還用ダイオードDu ´〜Dw ´及び
Dx ´〜Dz ´を接続した回路からなっていて、このイ
ンバータ回路の直流入力端子はコンデンサ5Bの両端に
接続され、交流出力端子は直列変圧器6の3相の入力端
子に接続されている。
【0032】コンバータ5Aを構成する半導体スイッチ
素子Su 〜Sw 及びSx 〜Sz と、インバータ5Cを構
成する半導体スイッチ素子Su ´〜Sw ´及びSx ´〜
Sz´とを制御するために主制御部7Aと半導体スイッ
チ制御部7Bとからなる制御装置7が設けられている。
【0033】主制御部7Aは、CPUを備えていて、コ
ンバータ5Aを通して充電されるコンデンサ5Bの両端
の電圧の目標値を半導体スイッチ制御部7Bに与えるコ
ンバータ出力目標値設定手段を実現する。
【0034】主制御部7Aはまた、電圧センサ2の出力
e及び電流センサ3の出力iを入力として、調整点bの
電圧を目標値に一致させ、かつ配電線を流れる無効電力
を最小にするために必要な補償電圧Vphの大きさと該補
償電圧の検出点の電圧Vr に対する位相角θphとを演算
する演算手段と、演算された大きさと位相角とを有する
補償電圧Vphを得るために必要な調整用電圧Vph´の目
標値を半導体スイッチ制御部7Bに与える調整用電圧目
標値設定手段とを実現する。
【0035】半導体スイッチ制御部7Bには、図示しな
い検出回路により検出されたコンデンサ5Bの両端の電
圧の検出値と、インバータ5Cの出力電圧の検出値とが
与えられている。
【0036】コンバータ5Aは、並列変圧器4の出力を
ダイオードDu 〜Dw 及びDx 〜Dz からなる整流回路
により整流して得た直流電圧でコンデンサ5Bを充電す
る。半導体スイッチ制御部7Bは、図示しない検出回路
から与えられるコンデンサ5Bの両端の電圧の検出値を
入力として、コンデンサ5Bの両端の電圧が目標値を超
えたときに、半導体スイッチ素子Su 〜Sw の内、両端
に順方向電圧が印加されている1つのスイッチ素子と半
導体スイッチ素子Sx 〜Sz の内、両端に順方向電圧が
印加されている1つのスイッチ素子とをオン状態にする
ことにより、コンデンサ5Bの電荷を並列変圧器4の二
次巻線を通して放電させる。これにより、コンデンサ5
Bの両端の電圧を目標値に保ち、該コンデンサ5Bの両
端に一定の直流電圧を発生させる。このコンデンサ5B
を定電圧源として用いて、インバータ5Cから調整用電
圧Vph´を発生させる。この例では、主制御部7Aによ
り実現されるコンバータ出力目標値設定手段と、半導体
スイッチ制御部7Bにより実現される半導体スイッチ素
子Su 〜Sw 及びSx 〜Sz の制御手段とにより、コン
バータ制御手段が実現される。
【0037】半導体スイッチ制御部7Bはまた、インバ
ータ5Cの上辺のスイッチ素子Su´〜Sw ´及び下辺
のスイッチ素子Sx ´〜Sz ´をそれぞれ所定の順序で
オンオフ制御することにより、該インバータから、大き
さ及び検出点の電圧との位相差が目標値に等しく、かつ
周波数が配電線電圧の周波数に等しい3相の調整用電圧
Vphu',Vphv'及びVphw'を出力させる。主演算部7A
により実現される前記演算手段及び調整用電圧目標値設
定手段と、半導体スイッチ制御部7Bにより実現される
半導体スイッチSu'〜Sw'及びSx'〜Sy'の制御手段と
により、調整用電圧Vphu'〜Vphw'を発生させるように
インバータ5Cを制御するインバータ制御手段が構成さ
れる。
【0038】上記3相の調整用電圧Vphu',Vphv'及び
Vphw'はそれぞれ直列変圧器6の一次巻線6pu,6pv及
び6pwに入力され、直列変圧器6の二次巻線6su,6sv
及び6swからそれぞれ補償電圧Vphu ,Vphv 及びVph
w が出力される。これらの補償電圧を検出点aの配電線
電圧Vru〜Vrwに重畳することにより、調整点bの配電
線電圧を目標値に一致させるとともに、配電線を流れる
無効電力を最小にする。
【0039】(B)補償電圧の求め方 上記補償電圧Vphの大きさ、及び検出点における電圧V
r に対する位相角θphは、下記のようにして求めること
ができる。なお以下の説明では、本発明に係わる配電線
電圧及び無効電力調整装置をICRと略称することにす
る。
【0040】(B−1)等価回路 図3は、図1に示した配電系統において並列変圧器4及
び電力変換装置5からなる部分を別電源で置き換えて、
同配電系統を等価的に表現したもので、同図において、
Vs は配電線1がつながる図示しない母線から供給され
る電源電圧、R1 及びX1 はそれぞれ配電線の線路イン
ピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分である。8は負
荷で、この例ではこの負荷が遅れ負荷であるとする。V
r は検出点における配電線の相電圧、Vph´は電力変換
装置から出力されて直列変圧器6に入力される調整用電
圧、Vphは直列変圧器6を通して検出点の相電圧Vr に
重畳される補償電圧である。またVr'は調整点の相電圧
(負荷8の各相の端子電圧)、I1 は電源から系統に流
れ出て検出点を通過する通過電流、I2 は調整点から負
荷側に流れる線路電流である。
【0041】(B−2)等価回路各部の電圧、電流につ
いて 先ず、ICRが設けられておらず、補償電圧Vphが印加
されていない状態(Vr =Vr'の状態)を、調整点の相
電圧Vr'を基準にしたベクトル図により表現すると、図
4に示すようになる。図4において、θは、検出点の相
電圧Vr と通過電流I1 (=I2 )との位相差(負荷力
率角)であり、δ´(=δ)は、電源電圧Vs と検出点
の相電圧Vr との位相差である。図4のベクトル図か
ら、電源電圧Vs は、下記の(1)式により表現され
る。
【0042】 Vs ={(Vr'+I1 R1cosθ+I1 X1sinθ)2 +(I1 X1cosθ−I1 R1sinθ)2 1/2 …(1) また調整点の相電圧(負荷の端子電圧)Vr'の大きさ及
び位相がICRを設置しない場合と同じであるとし、I
CRを動作させて、補償電圧Vphを注入したときの状態
を、相電圧Vr とVr'との間の位相差をφとしてベクト
ル図により表現すると、図5のようになる。ここで、電
源電圧Vs の大きさ、及び線路インピーダンスによる電
圧降下の大きさは一定であるので、補償電圧Vphを注入
すると検出点の相電圧Vr の大きさが変化し、電源電圧
Vs と検出点の相電圧Vr との位相差δ´がαだけ変化
する。このとき電源電圧Vs が(1)式と同じ値をとる
ためには、次の(2)式が成立することが必要である。
【0043】 Vs =[(Vrcosφ+I1 R1cosθ+I1 X1sinθ)2 +{(I1 X1cosθ−I1 R1sinθ)−Vrsinφ}2 1/2 …(2) ここで、一般的な条件として、Vr'=6300/√3
[V],I1 =300 [A],R1 =0.2252[Ω],X1
=0.3593[Ω],cos θ=0.9 の条件を設定条件して、
Vr とφとの間の関係を調べると下記の通りである。上
記の設定条件を(1)式に代入してVs を求めると、V
s =3746[V]となる。Vs はICRの設置の前後にお
いて同じであるから、上記設定条件及びVs =3746
[V]を(2)式に代入して、Vr とφとの関係を示す
グラフを求めると、図6のようになる。即ち、位相φを
調整することにより、Vs ,Vr'及びI1 を固定してい
るため、検出点aの相電圧Vr の大きさが変化する。
【0044】また、図7に示すように、負荷力率角がθ
の状態から、位相をφだけ調整してθ−φとすることに
よる相電圧Vr の位相角の変化分をαとすると、α及び
Vrはそれぞれ下記の(3)式及び(4)式により表現
することができる。
【0045】 α= tan-1(B/A) …(3) Vr =A/cos α …(4) 但し、 A=Vs ・cos δ−R1 I1cos(θ−φ)−X1 I1sin(θ−φ)…(5) B=X1 I1cos(θ−φ)−R1 I1sin(θ−φ)−Vs ・sin δ…(6) 前述の設定条件と同じ条件で、αとφとの関係を図示す
ると図8のようになる。
【0046】位相φを調整することにより、Vs ,Vr'
及びI1 の大きさを固定しているため、位相φを調整す
ると、検出点aの相電圧はその大きさだけでなく、位相
も変化する。
【0047】(B−3)電力の潮流について ICRの設置点より後部の負荷8に流れる電力について
見ると、ICRの動作前及び動作後のいずれの場合も、
位相調整点よりも後部については、ICRの動作前の相
電圧Vr'の大きさと動作後の相電圧Vr'の大きさとが同
じであるとすれば、電流I2 は、その大きさもICRの
出力電圧に対する位相角も変化しないため、負荷に流れ
る電力はICRの動作前と動作後とで変化しない。
【0048】次に電源から出力される電力がICRの動
作により変化するか否かを調べる。先ずICRを設置し
ない状態を考えると、Vs ,Vr 及びI1 は下記の式の
ようになる。なお下記の式において、式の左辺に示され
た[Vs ],[Vr'],[Vr ]及び[I1 ]は、これ
らの符号が示す量がベクトル量であることを示してい
る。
【0049】 [Vs ]=Vs (cos δ+j・sin δ) …(7) [Vr']=Vr' …(8) [I1 ]=(Vs −Vr')/(R1 +j X1 ) =C(Vs ・cos δ−Vr')+D(Vs ・sin δ) +j {C(Vs ・sin δ)+D(Vr'−Vs ・cos δ)}…(9) 但し、 C=R1 /(R1 2 +X1 2 ) …(10) D=X1 /(R1 2 +X1 2 ) …(11) 電源から供給される電力は、下記の式により与えられ
る。なお下記式において、[I1 * ]は[I1 ]の共役
複素数である。
【0050】 [Vs ]・[I1 * ] =Vs(cos δ+j・sin δ)[C(Vs ・cos δ−Vr')+D(Vs ・sin δ) −j{C(Vs ・sin δ)+D(Vr'−Vs ・cos δ)}] =C(Vs 2 −Vs ・Vr'・cos δ)+D(Vs ・Vr'・sin δ) +j{D(Vs 2 −Vs ・Vr'・cos δ)−C(Vs ・Vr'・sin δ)} …(12) 次にICRの動作後について考えると、位相を調整する
ことにより、Vs とVr との位相角がδからδ+αに変
化するため、Vs ,Vr 及びI1 は、下記の式により与
えられる。
【0051】 [Vs ]=Vs {cos (δ+α−φ)+j ・sin (δ+α−φ)} …(13) [Vr ]=Vr (cos φ−j ・sin φ) …(14) [I1 ]=(Vs −Vr )/(R1 +j X1 ) =C{Vs ・cos (δ+α−φ)−Vr ・cos φ} +D{Vs ・sin (δ+α−φ)+Vr ・sin φ} +j [C{Vs ・sin (δ+α−φ)+Vr ・sin φ} +D{Vr ・cos φ−Vs ・cos (δ+α−φ)}] …(15) この時電源から供給される電力は下記のようになる。
【0052】 [Vs ]・[I1 * ] ={cos(δ+α−φ)+jsin(δ+α−φ) ×[C{Vs ・cos(δ+α−φ)−Vr ・cos φ} +D{Vs ・sin(δ+α−φ)+Vr ・sin φ} −j [C{Vs ・sin(δ+α−φ)+Vr ・sin φ} +D{Vr ・cos φ−Vs ・cos(δ+α−φ)}] =C{Vs 2 −Vs Vr cos(δ+α)}+DVs Vr sin(δ+α) +j[D{Vs 2 −Vs Vr cos(δ+α)}−CVs Vr sin(δ+α)] …(16) 位相を調整したことにより電源から供給される電力がい
かに変化するかを確認するために、前述と同じ設定条件
Vr'=6300/√3 [V],I1 =300 [A],R1 =0.
2252[Ω],X1 =0.3593[Ω],cos θ=0.9 を用
い、Vs ,Vr',I1 の大きさを固定して、位相調整角
φを−5deg 〜5deg の範囲で変化させたときの電源か
らの供給電力の変化を示すと、図9のようになる。
【0053】ここで、有効電力の変化について考えて見
る。ICRの電源を別電源ではなく、配電線より並列変
圧器4を介して取り込む実際の回路では、変圧器4の出
力をコンバータ5Aにより直流電圧に変換して、ICR
から補償電圧Vphを発生させるための電圧源として用い
るコンデンサ5Bを充電する。このコンデンサを充電す
るために使われる電力は有効電力であるので、ICRの
コンバータ5Aは有効電力を得るように動作する。ここ
で検出点aの相電圧Vr が調整点bの相電圧Vr'よりも
高い場合と、検出点の相電圧Vr が調整点の相電圧Vr'
よりも低い場合とに分けて、電力の流れについて考え
る。
【0054】(イ)検出点の相電圧Vr が調整点の相電
圧Vr'よりも高い場合 この場合には、ICRが降圧動作を行うため、差分の有
効電力が直列変圧器6を通してICRに注入されること
になる。ICRでは、この有効電力の注入により、電圧
源であるコンデンサ5Bの充電電圧が上昇する。このコ
ンデンサの破壊を防止し、かつ電圧源の電圧を一定に保
つため、ICRのコンバータ5Aはコンデンサ5Bの充
電電圧の上昇分を半導体スイッチ素子Su 〜Sw 及びS
x 〜Szと並列変圧器4の二次巻線とを通して放電させ
る。従ってICRはコンバータ5Aより並列変圧器4側
に電力を戻すように動作し、並列変圧器より配電線に返
還された有効電力は負荷が一定なため電源側へしか流れ
ず、電源から流れてくる有効電力のうちICRへ流出す
る成分を打ち消すことになる。このときの電力の流れを
図3の検討回路について示すと図10に示すようにな
り、実系統について示すと図11のようになる。
【0055】図10及び図11において、検出点前の有
効電力をP1 (電源から送られる電力)、調整点後を流
れる有効電力をP2 (負荷で消費する電力:一定)とす
ると負荷電流はICRの前後で変化しないのでP1 >P
2 となる。この電源側の有効電力と負荷側の有効電力の
差分はP1 −P2 >0の正値となり、この差分の値をP
0 とすると(P1 −P0 =P2 )となる。この差分の有
効電力は直列変圧器を介してICRに流出する。系統か
ら直列変圧器を介して流出した有効電力P0 はコンデン
サに注入され、コンデンサの端子電圧が大きくなるよう
に働く。このとき、ICRのコンデンサの端子電圧Vc
を定電圧源とするためにコンバータの出力電圧である交
流電圧Vc'を配電線の検出点電圧Vr の位相より進ませ
るように制御すれば、すなわちコンデンサの端子電圧V
c の上昇分を下げるために、コンデンサからP0 を取り
出すようにコンバータ側を制御すれば並列変圧器を通し
てP0 が系統に返還されることになる。また、逆にコン
バータの出力電圧である交流電圧Vc'を配電線との検出
点電圧Vr の位相より遅らせるように制御すれば、コン
デンサの端子電圧Vc の下降分を上げることができる。
図11に示すように、並列変圧器より配電線に返還され
た有効電力P0 は負荷が一定なため電源側へしか流れ
ず、電源から流れてくる有効電力P1 (=P2 +P0 )
のうちP0 成分を打ち消すことになりP1 =P2 とな
る。
【0056】また電源側から供給され、負荷に流れる無
効電力をQ1 、電圧・無効電力調整装置から供給され、
電源側に流れる無効電力をQ2 、負荷側に流れる無効電
力をQ3 とすると、負荷での無効電力は一定であるの
で、別電源の回路(図10)の場合も、実系統における
回路(図11)の場合も、共に負荷に流れる無効電力Q
1 +Q3 は同一である。
【0057】一方、電源側から供給される無効電力Q1
に対して、負の方向に電圧・無効電力調整装置から電源
側に流れる無効電力Q2 があるため、電源側から供給さ
れる無効電力は、別電源の回路(図10)の場合も、実
系統における回路(図11)の場合も共にQ1 −Q2 と
なり、電源側から供給される無効電力が低減される。
【0058】(ロ)検出点の相電圧Vr が調整点の相電
圧Vr'よりも低い場合 この場合には、昇圧動作が行われるため、電圧の不足分
を補償する有効電力がICRから線路に注入されること
になり、この有効電力が系統からICRに流入すること
になる。このときの電力の流れを図3の検討回路につい
て示すと図12に示すようになり、実系統について示す
と図13に示すようになる。
【0059】図12及び図13において、検出点前の有
効電力をP1 、調整点後を流れる有効電力をP2 (一
定)とすると負荷電流はICRの前後で変化しないので
P1 <P2 となる。この電源側と負荷側の有効電力の差
分はP1 −P2 <0の負値となり、差分の値をP0 とす
ると(P1 +P0 =P2 )となる。この差分の有効電力
は直列変圧器を介してICRから系統に注入される。I
CRの直列変圧器から配電線に有効電力P0 を注入する
ことによりICRから配電線へと電流が流れる。これは
放電電流となり、コンデンサの端子電圧を低下させる。
ICRのコンデンサの端子電圧を定電圧源になるように
制御すれば、すなわちコンデンサの端子電圧Vc の低下
分を上昇するようにP0 をコンデンサに注入するように
コンバータ側を制御すれば、並列変圧器を通じてP0 が
系統から取り出される。図13に示すように、並列変圧
器より配電線より取り込まれる有効電力P0 は電力の発
生源である電源からしか流れないため、電源から流れて
くる有効電力P1 にプラスされることになりP1 +P0
=P2 となる。
【0060】図3に示した検討回路での電力の潮流と、
実系統での電力の潮流とを比較すると、検討回路では、
ICRを動作させた場合に有効電力P2 分だけ電源から
供給される有効電力が実系統とは異なる。従って、実系
統では、図3の検討回路を用いて行った計算の結果から
得られた供給電力をP2 だけ補正する必要がある。
【0061】以上のことから、図9のように位相調整角
φを−5deg 〜+5deg の範囲で変化させた場合、位相
調整角φの進み領域では、図6のグラフより、検出点a
の相電圧Vr が調整点bの相電圧Vr'(=6300/√3
V)よりも高いため、ICRは降圧動作をするように働
き、調整前の有効電力と調整後の有効電力との差分のプ
ラス成分はICRの中を循環する成分となる。
【0062】一方位相調整角φの遅れ領域では、検出点
aの相電圧Vr が調整点bの電圧Vr ´よりも低いた
め、ICRは昇圧動作をするように働き、有効電力のマ
イナス成分を補償する有効電力が流れることになる。そ
の結果電源から流れる有効電力は一定になり、位相調整
角φの変化により無効電力のみが変化する。位相調整角
φと電源から供給される電力との関係を示すグラフを図
14に示した。
【0063】また電源側から供給され、負荷に流れる無
効電力をQ1 、電圧・無効電力調整装置に流れる無効電
力をQ2 、電圧・無効電力調整装置から供給され、負荷
側に流れる無効電力をQ3 とすると、負荷での無効電力
は一定であるから、別電源の回路(図12)の場合も、
実系統における回路(図13)の場合も共に負荷に流れ
る無効電力Q1 +Q3 は同一である。
【0064】一方、電源側から供給される無効電力Q1
に対して正の方向に電圧・無効電力調整装置から電源側
に流れる無効電力Q2 があるため、電源側から供給され
る無効電力は、別電源の回路(図12)の場合も、実系
統における回路(図13)の場合も共にQ1 +Q2 とな
り、電源から供給される無効電力が増加する。
【0065】(B−4)無効電流の最小点について 次に無効電力の最小点について調べる。先ず電源から供
給する無効電力Q1 を最小にする位相調整角について考
える。電源から供給される無効電力Q1 を最小にすると
いうことは、電源電圧と電流の位相差を零にすることを
意味し、この状態をベクトル図で示すと、図15のよう
になる。このとき必要な位相調整角φはφ=θ+δ+α
となり、前述の設定条件、Vr'=6300/√3 [V],I
1 =300[A],R1 =0.2252[Ω],X1 =0.3593
[Ω],cos θ=0.9 を用いてφを算出すると、φ=2
5.84 +1.68=27.52 [deg ]となる。
【0066】図9のグラフよりも位相調整角φの調整幅
を広げたグラフを図16に示した。図16のグラフか
ら、電源より供給される無効電力がφを28[deg]進ませ
た点で零になることが分かる。このときの補償電圧Vph
の大きさは、Vph=(Vr'2 +Vr 2 −2Vr'Vr cos
φ)1/2 =1745[V]となる。また電流I1 は300
[A]であるので、位相調整により電源から供給される
無効電力を最小にするために必要なICRの容量は、17
45×300 =523500[VA]となる。この値は現実的なも
のではなく、装置が著しく巨大化する。
【0067】次に配電線で消費する無効電力Q3 を最小
にする位相調整角について考える。配電線で消費される
無効電力を最小にするということは、配電線のリアクタ
ンス分で消費される電力I1 (I1 ・X1 )を補償する
ために、補償電圧Vph=I1・X1 をI1 に対して位相
を90度ずらして注入すればよい。この状態をベクトル
図で示すと図17のようになる。ここでVrqは、配電線
で消費される無効電力を最小にしたときの調整点の相電
圧であり、下記の式により与えられる。
【0068】 Vrq={(I1 ・X1 )2 +Vr 2 +2I1 ・X1 ・Vr sin θ}1/2 …(17) ここで、前述の設定条件Vr'=6300/√3 [V],I1
=300 [A],R1 =0.2252[Ω],X1 =0.3593
[Ω],cos θ=0.9 を用い、電圧Vs ,Vr'及び電流
I1 の大きさを固定すると、Vr'よりもVr の方が大き
いため、ICRは降圧動作を行うことになる。そのた
め、降圧動作を行うための有効電力成分を図17のベク
トル図に加える必要がある。降圧動作を行うためには通
過電流I1 と逆位相の昇降用電圧Vp を注入すればよい
ため、ベクトル図は図18のようになる。
【0069】図18から、配電線で消費される無効電力
を最小にするために必要な電圧Vrqの検出点の相電圧V
r に対する位相差βを求めると、下記の式のようにな
る。
【0070】 β=sin -1{(I1 ・X1 cos θ)/Vrq} …(18) また電圧を昇降圧するための位相調整角β´は、下記の
式により与えられる。 β´=sin -1{Vrq sin(θ+β)/Vr ´}−θ−β …(19) このときの昇降用電圧Vp 及び補償電圧Vphは、次式に
より与えられる。
【0071】 Vp =(Vrq2 +Vr'2 −2VrqVr'cos β´)1/2 …(20) Vph={Vp 2 +(I1 ・X1 )2 1/2 …(21) 前述の設定条件を用いて配電線で消費される無効電力を
最小にする位相調整角φを算出すると、φ=β+β´=
1.89[deg ]となる。
【0072】電源から与えられる電力から検出点におけ
る電力を引いた電力(電源から検出点までの配電線路で
消費される無効電力)のグラフを図19に示した。この
グラフから、配電線で消費される無効電力がφを1.9
[deg ]進ませた点で零になることが分かる。このとき
補償電圧Vphの大きさは、Vph=120 [V]であり、電
流I1 が300 [A]であるので、ICRに必要とされる
容量は、120 ×300 =36000 [VA]となる。
【0073】(B−5)まとめ 以上述べたことをまとめると下記の通りである。
【0074】ICRの位相調整機能により、配電線で消
費される無効電力を最小にするために、無効電力をキャ
ンセルするための電圧I1 ・X1 を、通過電流I1 に対
して90度位相をずらした状態で検出点aの相電圧に加
えると、調整点の相電圧は次式により与えられる電圧V
rqに変化する。
【0075】Vrq={(I1 ・X1 )2 +Vr 2 +2I
1 ・X1 ・Vr sin θ}1/2 ここで、Vr は検出点の相電圧(ICRの入力電圧)、
X1 は配電線のリアクタンス、I1 は配電線を通過する
通過電流である。
【0076】また調整点bの相電圧Vrqを目標とする相
電圧Vr'にするために注入する必要がある昇降用電圧
(調整点の電圧Vrqに加える電圧または該Vrqから差し
引く必要がある電圧)Vp は、次式により決まる。
【0077】 β=sin -1{(I1 ・X1 cos θ)/Vrq} β´=sin -1{Vrq sin(θ+β)/Vr ´}−θ−β Vp =(Vrq2 +Vr'2 −2VrqVr'cos β´)1/2 配電線で消費される無効電力を最小にし、かつ調整点b
の相電圧を目標値に一致させるためにICRの入力電圧
Vr に重畳する必要がある補償電圧Vphの大きさは次の
式により与えられる。
【0078】Vph={Vp 2 +(I1 ・X1 )2 1/2 この補償電圧Vphの検出点aの相電圧Vr に対する位相
角θphは、次式で与えられる。
【0079】θph=tan -1{Vp /(I1 ・X1 )}+
π/2−θ+β 上記のように、検出点の相電圧Vr に対して位相角θph
を有する補償電圧Vphを相電圧Vr に重畳することによ
り、配電線で消費される無効電力を最小にして、しかも
配電線電圧の大きさを目標電圧に一致させることができ
る。
【0080】即ち、配電線の線路インピーダンスのリア
クタンス分X1 と、電圧センサ2が検出した検出点aの
相電圧Vr と、電流センサ3が検出した通過電流I1
と、検出点aの相電圧Vr と通過電流I1 との位相差θ
とを用いて、配電線で消費される無効電力を打消すため
に通過電流I1 に対して90度の位相差を有する電圧I
1 ・X1 を検出点の相電圧Vr に重畳したときの調整点
の相電圧Vrqと、該調整点の相電圧Vrqの検出点の相電
圧Vr に対する位相差βとを、Vrq={(I1 ・X1 )
2 +Vr 2 +2I1 X1 Vr sin θ}1/2 及び、 β=sin -1{(I1 X1 cos θ)/Vrq} により演算するとともに、調整点bの相電圧を目標値V
r'に一致させるために調整点の相電圧Vrqに重畳する必
要がある昇降用電圧Vp を、 Vp =(Vrq2 +Vr'2 −2VrqVr'cos β´)1/2 [但し、β´=sin -1{Vrq sin(θ+β)/Vr'}−
θ−β] により演算し、更に昇降用電圧Vp 及びリアクタンス電
圧降下I1 X1 と位相差θ及びβとを用いて、補償電圧
Vphの大きさ及び検出点の電圧Vr に対する位相角θph
をそれぞれ、 Vph={Vp 2 +(I1 X1 )2 1/2 及び、 θph=tan -1{Vp /(I1 X1 )}+π/2−θ+β により演算する演算手段を設けて、補償電圧Vphの大き
さ及び位相角θphをそれぞれ該演算手段により演算され
た値に一致させるように電力変換装置から調整用電圧を
発生させることにより、調整点の相電圧を目標値に一致
させ、かつ配電線で消費される無効電力を最小にするこ
とができる。
【0081】(C)高調波成分の除去について 配電系統においては、変圧器、回転機器、整流器、サイ
リスタ応用機器等から高調波が発生する。配電線を流れ
る電流に含まれる高調波が過大になると、系統に接続さ
れている機器に障害が生じるおそれがあるため、高調波
を抑制する手段を講じる必要がある。
【0082】そこで本発明においては、図20に示すよ
うに、制御装置7に、コンバータ制御手段及びインバー
タ制御手段に加えて更に、電流センサ3の出力から配電
線を流れる電流に含まれる高調波電流成分を検出する高
調波電流成分検出手段と、コンバータ制御手段に該高調
波電流成分検出手段により検出された高調波電流成分を
打ち消すために必要なキャンセル用高調波電流(配電線
の電流に含まれている高調波電流と逆位相の高調波電
流)を求めて該キャンセル用高調波電流をコンバータ5
Aから発生させるようにコンバータを制御するコンバー
タ制御手段とを設けて、コンバータ5Aから発生させた
キャンセル用高調波電流を並列変圧器4を通して配電線
に注入する。
【0083】このように、電流センサ3により検出され
た電流に含まれる高調波成分を検出して、該高調波成分
を打ち消すキャンセル用高調波電流を発生させ、該キャ
ンセル用高調波電流を並列変圧器4を通して配電線に注
入するようにすると、配電線を流れる電流に含まれる高
調波電流成分を除去または抑制することができる。
【0084】また、図20に示すように、制御装置7
に、コンバータ制御手段及びインバータ制御手段に加え
て更に、電圧センサ2の出力から配電線電圧に含まれる
高調波電圧成分を検出する高調波電圧成分検出手段と、
インバータ制御手段に該高調波電圧成分検出手段により
検出された高調波電圧成分を打ち消すために必要なキャ
ンセル用高調波電圧(配電線電圧に含まれている高調波
電圧と逆位相の高調波電圧)を求めて該キャンセル用高
調波電圧をインバータ5Cから発生させるようにインバ
ータを制御するインバータ制御手段とを設けて、インバ
ータ5Cから発生させたキャンセル用高調波電圧を直列
変圧器6を通して配電線に注入する。
【0085】このように、電圧センサ2により検出され
た電圧に含まれる高調波成分を検出して、該高調波成分
を打ち消すキャンセル用高調波電圧を発生させ、該キャ
ンセル用高調波電圧を直列変圧器を通して配電線に注入
するようにすると、配電線を流れる電圧に含まれる高調
波電圧成分を除去または抑制することができる。
【0086】上記のように構成すると、配電系統に存在
する多数の高調波発生源のそれぞれに対して高調波抑制
機器を設置する必要がないため、高調波抑制のためのコ
ストの低減を図ることができる。
【0087】また、配電線電圧及び無効電力調整装置の
構成機器の一部(電流センサ、電圧センサ、電力変換装
置、及び制御装置の一部)を利用して高調波の抑制を図
ることができるため、従来のアクティブフィルタ方式の
高調波抑制装置に比べて、設備費を安くすることができ
る。
【0088】上記の説明では、電力変換装置のコンバー
タ及びインバーに設けるスイッチ素子として、IGBT
を例に挙げたが、サイリスタ、GTO等の他の電力用半
導体スイッチを用いることもできるのはもちろんであ
る。
【0089】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、検出点
の電圧に対して所定の位相角θphを有する補償電圧Vph
を発生させて、該補償電圧を検出点の相電圧に重畳する
ことにより、調整点の相電圧を目標値に一致させるよう
に調整すると同時に、無効電力を最小にするように調整
するようにしたので、電圧調整と無効電力の調整とを共
通の装置により行うことができる。従って、電圧調整機
器と無効電力の調整機器とをそれぞれ別個に設けていた
従来の調整設備に比べて、機器の数を削減して設備に要
するコストを安くすることができるだけでなく、各調整
設備の設置面積の縮小を図ることができる利点がある。
【0090】また本発明において、インバータ制御手段
・コンバータ制御手段により、電圧センサ・電流センサ
が検出した電圧・電流に含まれる高調波成分を打ち消す
ためのキャンセル用高調波成分をインバータ・コンバー
タから発生させるように構成した場合には、系統に設け
られている多数の高調波発生源のそれぞれに対して高調
波抑制機器を設けることなく、高調波の抑制を図ること
ができるため、高調波の抑制のために要するコストの低
減を図ることができる。
【0091】更に、本発明においては、配電線電圧及び
無効電力調整装置の構成機器の一部を利用して高調波の
抑制を図るため、従来のアクティブフィルタ方式の高調
波抑制装置のように、その全ての構成機器を電圧調整装
置及び無効電力調整装置の構成機器と別個に設ける場合
に比べて、設備費を安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる配電線電圧及び無効電力調整装
置の構成を概略的に示した構成図である。
【図2】図1の装置の構成を更に具体的に示した構成図
である。
【図3】本発明を説明するために用いる等価回路図であ
る。
【図4】本発明を説明するためのベクトル図である。
【図5】本発明を説明するためのベクトル図である。
【図6】配電線電流及び電圧を検出する検出点における
配電線の相電圧Vr と位相調整角(検出点の電圧と調整
点の電圧との間の位相角)φとの関係の一例を示した線
図である。
【図7】電源電圧Vs と検出点の相電圧Vr との間の位
相角δ´の変化を示すベクトル図である。
【図8】検出点の相電圧Vr の位相角の変化量αと位相
調整角φとの関係の一例を示した線図である。
【図9】電源から供給される電力の位相調整角φに対す
る変化を示した線図である。
【図10】図3の等価回路において、調整装置が降圧動
作を行った際の電力の潮流を説明する説明図である。
【図11】実系統において、調整装置が降圧動作を行っ
た際の電力の潮流を説明する説明図である。
【図12】図3の等価回路において、調整装置が昇圧動
作を行った際の電力の潮流を説明する説明図である。
【図13】実系統において、調整装置が昇圧動作を行っ
た際の電力の潮流を説明する説明図である。
【図14】電源から供給される有効電力を一定に保つよ
うに制御した場合の、有効電力及び無効電力と位相調整
角との関係の一例を示した線図である。
【図15】本発明の調整装置により、電源から供給され
る無効電力を零にするように補償電圧を注入した状態を
示すベクトル図である。
【図16】電源から供給される無効電力と位相調整角と
の関係の一例を示した線図である。
【図17】本発明の調整装置により、配電線で消費され
る無効電力を零にするように補償電圧を注入した状態を
示すベクトル図である。
【図18】調整点の電圧を目標値に一致させるために図
17のベクトル図に、更に昇降用電圧Vp を加えた状態
を示すベクトル図である。
【図19】電源から調整装置までの配電線で消費される
電力と位相調整角との関係の一例を示した線図である。
【図20】本発明において高調波を抑制するための手段
を設ける場合の装置の構成例を概略的に示した構成図で
ある。
【符号の説明】
1 配電線 2 電圧センサ 3 電流センサ 4 並列変圧器 5 電力変換装置 6 直列変圧器 7 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02M 7/48 8110−5H H02M 7/48 R (72)発明者 橋本 隆 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 田中 遵 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 安部 晴也 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電線の途中に設定された検出点で相電
    圧Vr 及び該検出点を通過する通過電流I1 をそれぞれ
    検出する電圧センサ及び電流センサと、 前記検出点の相電圧Vr が一次側に入力された並列変圧
    器と、 前記並列変圧器の出力を入力として大きさ及び位相が可
    変の調整用電圧を発生する電力変換装置と、 前記調整用電圧が入力された一次巻線と、前記検出点と
    該検出点よりも負荷側に設定された調整点との間に位置
    させた状態で前記配電線に直列に接続された二次巻線と
    を有して、前記検出点の相電圧Vr に対して位相角θph
    を有する補償電圧Vphを前記二次巻線を通して検出点の
    相電圧Vr に重畳する直列変圧器と、 前記調整点での相電圧を目標値に一致させ、かつ配電線
    で消費される無効電力を最小にするために必要な前記補
    償電圧Vphの大きさと該補償電圧の検出点の相電圧Vr
    に対する位相角θphとを演算して、演算された大きさと
    位相角とを有する補償電圧Vphを得るために必要な調整
    用電圧を前記電力変換装置から出力させるように前記電
    力変換装置を制御する制御装置とを具備したことを特徴
    とする配電線電圧及び無効電力調整装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、 前記配電線の線路インピーダンスのリアクタンス分X1
    と、前記電圧センサが検出した検出点の相電圧Vr と、
    電流センサが検出した通過電流I1 と、検出点の相電圧
    Vr と通過電流I1 との位相差θとを用いて、配電線で
    消費される無効電力を打消すために前記通過電流I1 に
    対して90度の位相差を有する電圧I1・X1 を前記検
    出点の相電圧Vr に重畳したときの前記調整点の相電圧
    Vrqと、該調整点の相電圧Vrqの検出点の相電圧Vr に
    対する位相差βとを、 Vrq={(I1 ・X1 )2 +Vr 2 +2I1 X1 Vr si
    n θ}1/2 及び、 β=sin -1{(I1 X1 cos θ)/Vrq} により演算するとともに、前記調整点の相電圧を目標値
    Vr'に一致させるために前記調整点の相電圧Vrqに重畳
    する必要がある昇降用電圧Vp を、 Vp =(Vrq2 +Vr'2 −2VrqVr'cos β´)1/2 [但し、β´=sin -1{Vrq sin(θ+β)/Vr'}−
    θ−β] により演算し、 更に前記電圧Vp 及びI1 X1 と位相差θ及びβとを用
    いて、前記補償電圧Vphの大きさ及び検出点の電圧Vr
    に対する位相角θphをそれぞれ、 Vph={Vp 2 +(I1 X1 )2 1/2 及び、 θph=tan -1{Vp /(I1 X1 )}+π/2−θ+β により演算する演算手段を有して、補償電圧Vphの大き
    さ及び位相角θphをそれぞれ該演算手段により演算され
    た値に一致させるように前記調整用電圧を発生させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の配電線電圧及び無効電
    力調整装置。
  3. 【請求項3】 前記電力変換装置は、コンデンサと、前
    記並列変圧器の二次巻線から得られる出力電圧を直流電
    圧に変換して前記コンデンサに供給する整流手段と前記
    コンデンサの電荷を前記並列変圧器の二次巻線を通して
    放電させるためのスイッチ手段とを有するコンバータ
    と、前記コンデンサの両端の電圧を前記調整用電圧に変
    換するインバータとを備え、 前記制御装置は、前記コンデンサの両端の電圧が一定値
    を超えたときに該コンデンサの電荷を前記並列変圧器の
    二次巻線を通して放電させるように前記コンバータのス
    イッチ手段を制御するコンバータ制御手段と、前記調整
    用電圧を発生させるように前記インバータを制御するイ
    ンバータ制御手段とを備えている請求項1または2に記
    載の配電線電圧及び無効電力調整装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置は、前記電流センサの出力
    から配電線を流れる電流に含まれる高調波電流成分を検
    出する高調波電流成分検出手段と、前記高調波電流成分
    検出手段により検出された高調波電流成分を打ち消すた
    めに必要なキャンセル用高調波電流を前記コンバータか
    ら発生させるように該コンバータを制御するコンバータ
    制御手段とを有していることを特徴とする請求項3に記
    載の配電線電圧及び無効電力調整装置。
  5. 【請求項5】 前記制御装置は、前記電圧センサの出力
    から配電線電圧に含まれる高調波電圧成分を検出する高
    調波電圧成分検出手段と、前記高調波電圧成分検出手段
    により検出された高調波電圧成分を打ち消すために必要
    なキャンセル用高調波電圧を前記インバータから発生さ
    せるように該インバータを制御するインバータ制御手段
    とを有していることを特徴とする請求項3に記載の配電
    線電圧及び無効電力調整装置。
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