JPH103710A - テープ駆動機構 - Google Patents

テープ駆動機構

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JPH103710A
JPH103710A JP8150926A JP15092696A JPH103710A JP H103710 A JPH103710 A JP H103710A JP 8150926 A JP8150926 A JP 8150926A JP 15092696 A JP15092696 A JP 15092696A JP H103710 A JPH103710 A JP H103710A
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JP
Japan
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tape
capstan
drive
reel
pinch roller
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Pending
Application number
JP8150926A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouji Yamabuchi
浩二 山渕
Masaji Tsuji
政次 辻
Chiaki Yamawaki
千明 山脇
Hidefumi Otsuka
英史 大塚
光伸 ▲吉▼田
Mitsunobu Yoshida
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH103710A publication Critical patent/JPH103710A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャプスタン駆動からリール駆動に、あるい
はその逆方向への切替をテープ15を停止させることな
く行う際に、テープ15にダメージを与えることなくス
ムーズに切替が行えるようにする。 【解決手段】 キャプスタン3の駆動モータ3aの駆動
電流の変化を検出することにより、キャプスタン3に対
するピンチローラの圧着・離間を判別して、キャプスタ
ン駆動とリール駆動とを切り替えるとともに、ピンチロ
ーラ4圧着時のテープ走行とキャプスタン3の周速との
関係において、矢印方向へのテープ走行時には、テープ
速度が大きくなり、逆方向の場合には、キャプスタン3
の周速が大きくなるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビデオテープレコー
ダ(VTR)やデジタルオーディオテープレコーダ(D
AT)など、テープ状記録媒体を用いる記録再生装置に
適用されるテープ駆動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VTRのテープ駆動方式は大きくわけ
て、キャプスタン駆動とリール駆動とがある。キャプス
タン駆動は通常、テープのメカモードが再生モードある
いは低速サーチモードのときに使用されるテープの駆動
方式であり、キャプスタンに対してテープを介してピン
チローラを圧着させたまま、キャプスタンを回転させる
ことによってテープの駆動を行うもので、低速テープ走
行時における回転ムラが少なく、また、位相制御も行い
やすいため、トラッキングサーボがかけやすいという特
徴がある。また、リールモータを用いていない再生機能
を有するビデオカメラ等では通常の再生時から減速比を
切り替える必要もなく、構成も簡単になるため、サーチ
や早送り、巻戻しにもこの方式が多く用いられている。
【0003】しかし、キャプスタンの回転数は、上げら
れたとしても、モータの特性から考えれば、せいぜい通
常の再生時の数十倍程度までであり、早送りや巻戻しを
さらに高速化するには不向きである。キャプスタン径を
大きくすることにより、テープ速度を向上させるという
方法も考えられるが、この場合、テープの速度に対して
相対的にキャプスタンの回転速度が低下するので、通常
の再生時にはキャプスタンを駆動するモータの回転数が
低くなりすぎて、回転ムラが大きくなってしまうという
問題が生じる。
【0004】一方、リール駆動は通常、テープのメカモ
ードが高速サーチモードや早送り・巻戻しモードのとき
に使用されるテープの駆動方式であり、キャプスタンに
対するピンチローラの圧着を解除し、リールを回転させ
ることによってテープの駆動を行うもので、通常の再生
時の100倍以上の超高速でテープを走行させることも
可能であるが、通常の再生時のテープ速度では安定した
速度制御や位相制御が困難になるという欠点がある。
【0005】そこで、従来のVTRでは、それぞれの駆
動方式の特徴を活かし、各メカモードによって、キャプ
スタン駆動とリール駆動を切り替えている。この切替は
通常、メカモードが一旦停止モードにされて、テープが
一旦停止した状態でピンチローラの圧着・離間が行わ
れ、その後、再生や早送りなどのメカモードに応じた駆
動方式に切り替えられて再度テープを走行させるという
順で行われる。
【0006】ところで、磁気テープ記録装置はディスク
装置に比べて容量が大きいという特徴がある。しかしそ
の反面、情報へのランダムアクセスが困難で、どちらか
といえば連続的な記録・再生に用途が限定されており、
また、所望する情報へのアクセス速度が非常に遅いとい
う欠点がある。
【0007】そのため近年、高速にアクセスするさまざ
まな方式が考案されている。リール駆動についてはリー
ルモータでダイレクトに駆動し、サーチ速度そのものの
スピードアップはもちろん、通常の再生から高速サー
チ、あるいは高速サーチから通常の再生への移行時に一
旦停止をさせることなく、スムーズな移行が行える構成
が考案されている。
【0008】例えば、特開平2−244450号公報の
「テープ走行制御装置」や特開平5−2798号公報の
「テープ駆動装置」、特開平5−89566号公報の
「テープ駆動装置」等のように、テープを停止させるこ
となく連続的にキャプスタン駆動からリール駆動に、あ
るいはリール駆動からキャプスタン駆動に行うことによ
り、メカモードの円滑な移行を実現する構成が開示され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、キャプスタン
駆動からリール駆動、あるいはその逆方向への切替を行
うためには、リールの制御方式の切替とピンチローラの
圧着・解除の動作を同時に行う必要がある。
【0010】例えば、特開平5−2798号公報では、
テープの速度とキャプスタンの周速が異なったときに、
キャプスタンとピンチローラとの間で生じるテープのス
リップを検知することによって、キャプスタン駆動から
リール駆動への切替を行っている。しかし、キャプスタ
ンにピンチローラを圧着させたままテープを無理にスリ
ップさせることはテープ磁性面のダメージを考慮すれば
非常に問題が多く、また、上記のダメージを考慮して、
ピンチローラのキャプスタンへの圧着力を低くするので
は、通常走行時におけるテープ駆動力に余裕がなくなる
ので、スリップが生じやすく、安定したテープの走行状
態が維持できない。
【0011】一方、特開平2−244450号公報、特
開平5−89566号公報の構成では、リール駆動から
キャプスタン駆動へ切り替えるときに、テープの速度と
キャプスタンの回転速度を一致させているが、リールモ
ータによって制御されているテープの速度とキャプスタ
ンの回転速度を完全に一致させることは困難であり、速
度のずれが多少なりとも発生する。テープの速度が完全
に一致しない状態でピンチローラを圧着させた場合、テ
ープがたるんだり急に過大なテンションがかかったりし
て、やはり、テープの磁性面にダメージを与える恐れが
ある。
【0012】また、もしテープの速度とキャプスタンの
回転速度が一致したとしても、キャプスタンにピンチロ
ーラを圧着させるタイミングと駆動方式の切替タイミン
グがずれた場合、テープたるみが発生してしまうという
問題があった。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、テープ状の記録媒体を用
いる記録再生装置において、テープにダメージを与える
ことなく、テープ上の情報に対する高速なアクセスを可
能にするテープ駆動機構を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るテ
ープ駆動機構は、上記の課題を解決するために、テープ
状の記録媒体本体と該記録媒体本体が巻回される2個の
リールをカセット状の筐体に収めた記録媒体を用いて、
テープの走行状態を決定するメカモードの切り替えに応
じて、キャプスタンとピンチローラとの間にテープを挟
持することによってテープを走行させるキャプスタン駆
動と、リールを保持し回転させるリールモータによって
テープを走行させるリール駆動とを切り替え可能なテー
プ駆動機構において、メカモードの切り替え時に、キャ
プスタンに対するピンチローラの圧着・離間を検出する
圧着状態検出手段と、圧着状態検出手段が検出するピン
チローラの離間によってキャプスタン駆動からリール駆
動に切り替える一方、圧着状態検出手段が検出するピン
チローラの圧着によってリール駆動からキャプスタン駆
動に切り替えるように制御する駆動制御手段とが設けら
れていることを特徴としている。それゆえ、テープを一
時停止させることなく、キャプスタン駆動とリール駆動
時の切替がスムーズに行えるようになる。
【0015】請求項2の発明に係るテープ駆動機構は、
上記の課題を解決するために、請求項1の構成に加え
て、上記圧着状態検出手段は、キャプスタンの駆動モー
タの駆動電流を測定するとともに、ピンチローラ圧着時
の駆動電流とピンチローラ離間時の駆動電流との間に設
定された比較電流値に対して、駆動電流が大きくなると
きには、ピンチローラ圧着と判断し、駆動電流が小さく
なるときには、ピンチローラ離間と判断することによっ
て圧着状態を検出することを特徴としている。それゆ
え、簡単な構成で、キャプスタンに対するピンチローラ
の圧着・離間を検出することができる。
【0016】請求項3の発明に係るテープ駆動機構は、
上記の課題を解決するために、請求項2の構成に加え
て、上記圧着状態検出手段は、キャプスタンの駆動モー
タを制御することによって生じる上記駆動電流の変化を
上記比較電流値を追従させることを特徴としている。上
記の構成によれば、比較電流値は、駆動電流の変化に追
従して変化する。例えば、キャプスタン駆動からリール
駆動へ変化する場合、通常、駆動モータの駆動電流が比
較電流値より低くなれば、圧着状態が変化したと判断す
るが、駆動電流の変化は駆動抵抗の増大のみによって変
化するものではないので、比較電流値側に駆動モータの
制御によって生じる駆動電流の増減を加えてやることに
より、駆動抵抗の増大による駆動電流の変化を取り出す
ことができ、圧着状態を正しく判定することができるよ
うになる。
【0017】請求項4の発明に係るテープ駆動機構は、
上記の課題を解決するために、請求項1の構成に加え
て、上記圧着状態検出手段には、メカモードの切替完了
を検出するメカモード判定手段が設けられており、圧着
状態検出手段は、圧着もしくは離間が検出される前にメ
カモード判定手段によって検出されるメカモードの切替
完了がピンチローラの離間から圧着もしくは圧着から離
間への変化を伴う場合に、圧着状態の切替が行われたと
判断することを特徴としている。上記の構成によれば、
ピンチローラの圧着・離間を検出しない場合でも、駆動
方法の変更を伴うメカモードの切替完了が検出されれ
ば、駆動方法を切り替えるので、ピンチローラが移動し
ているのに、圧着状態検出手段が何らかの原因でピンチ
ローラの圧着・離間を検出しなくても、テープに与える
ダメージを少なくすることができる。
【0018】請求項5の発明に係るテープ駆動機構は、
上記の課題を解決するために、テープ状の記録媒体本体
と該記録媒体本体が巻回される2個のリールをカセット
状の筐体に収めた記録媒体を用いて、テープの走行状態
を決定するメカモードの切り替えに応じて、キャプスタ
ンとピンチローラとの間にテープを挟持することによっ
てテープを走行させるキャプスタン駆動と、リールを保
持し回転させるリールモータによってテープを走行させ
るリール駆動とを切り替え可能なテープ駆動機構におい
て、上記2つのリールをそれぞれ駆動するリールモータ
が設けられるとともに、記録再生時に、2つのリールの
内で情報の記録再生を行う回転ヘッドドラムにテープを
供給するテープ供給側リールと該回転ヘッドドラムとの
間にテープテンション付加手段とテープテンション検出
手段とが設けられており、テープテンション付加手段は
テープの走行方向に関係なく、回転ヘッドドラムに対し
て突入するテープのテンションが一定の値となるよう
に、テープテンション検出手段で検出されたテープテン
ションに基づいて付加テンションを制御する一方、テー
プの再生方向を正方向として、リール駆動からキャプス
タン駆動に切り替わる際に、正方向に走行しているとき
には、テープ速度がキャプスタンの周速以上であり、ま
た逆方向に走行しているときには、テープ速度がキャプ
スタン周速以下であるときにリール駆動からキャプスタ
ン駆動への切替を行うように制御する駆動制御手段が設
けられていることを特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、リール駆動からキャ
プスタン駆動に切り替える際に、テープに弛みが発生し
なくなるため、テープに過大なテンションが係ることな
く、テープダメージを防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本実施の形態に係る磁気テープ記録再生装置1は、
図1に示すように、供給側リール14aと巻取側リール
14bを備え、テープ15の一方向への走行において記
録・再生が可能なカセットテープ14を使用するもので
あり、例えば、VTRやDAT用等に用いられるカセッ
トテープが代表的である。そして、上記カセットテープ
14に記録・再生を行うために、磁気テープ記録再生装
置1には、テンションローラ2、キャプスタン3、ピン
チローラ4と、テープ上の情報を読み取る磁気ヘッドが
搭載された回転ヘッドドラム5が設けられている。
【0021】上記テンションローラ2は、安定した走行
状態を確保するために設けられたもので、磁気テープ記
録再生装置1に対し回動可能に設けられたテンションア
ーム11の先端に回転自在に固定されており、テンショ
ンアーム11がスプリング12による付勢を受けること
により、テンションローラ2はテープ15にテープテン
ションを与えることができる。このテープテンション
は、テンションアーム11の変位を測定するセンサ部1
3aとセンサ部13aの出力をセンサ出力に変換するセ
ンサ本体13bから構成されるテンションセンサ13に
より測定されており、テンションアーム11が所定の位
置にあれば、スプリング12の伸び、すなわち張力が所
定の値のとき、テープテンションが所定の値となるが、
テンションアーム11の所定の位置からの変位量とテー
プテンションとの関係によって、上記センサ出力からテ
ープテンションの変化を検出することができる。なお、
上記センサ本体13bとしては、例えばホトインタラプ
タやホール素子などが用いられる。
【0022】また、上記供給側リール14a、巻取側リ
ール14bをそれぞれ駆動するリールモータ6a、6b
と、キャプスタン3、回転ヘッドドラム5をそれぞれ駆
動する駆動モータ3a、5aと、図示しないローディン
グモータが設けられている。そして、上記リールモータ
6a、6bおよび駆動モータ3a、5aは、それぞれド
ライバ7a〜7dを介してシステムコントローラ8によ
り制御されている。さらに、カセットテープ14内から
テープ15をローディングするとともに、キャプスタン
3に対するピンチローラ4の圧着・離間を行うメカモー
ド駆動装置9と、メカモード駆動装置9によるメカモー
ドの移行状態を検出するメカモード検出装置10とが設
けられている。
【0023】上記構成に基づいて、磁気テープ記録再生
装置1の簡単な動作を以下に説明する。まず、磁気テー
プ記録再生装置1にカセットテープ14を装填すると、
カセットテープ14のテープ15が、テンションローラ
2を通り、回転ヘッドドラム5に略半周程度巻きつい
て、キャプスタン3とピンチローラ4に挟まれる。ま
た、傾斜ガイドやガイドローラ等も設けられており、テ
ープ15の走行経路が図1に示すように規制される。そ
して、該テープ15に信号の記録・再生が行われる際に
は、供給側リール14aから出たテープ15が、上記走
行経路を一定速度で走行し、巻取側リール14bに巻き
取られる。
【0024】このとき、テープテンションが適切な値と
なるように、テンションセンサ13の出力に応じて、リ
ールモータ6a、6bおよび駆動モータ3a、5a、ロ
ーディングモータの回転が制御される。なお、記録・再
生時のテープ走行方向におけるドラム突入部でのテープ
テンションを制御しやすくするために、上記のテンショ
ンローラ2は供給側リール1aと回転ヘッドドラム5と
の間に配置されている。
【0025】次に、記録・再生モードおよび低速・高速
サーチモード、早送り・巻戻しモード等、各メカモード
におけるテープ15の駆動制御について説明する。ま
ず、通常の記録・再生モードおよび低速サーチモードに
おいては、前記したように、テープ15がキャプスタン
3とピンチローラ4との間に挟まれて、キャプスタン駆
動が行われている。このとき、テープ15の走行速度は
キャプスタン3の外周の周速と一致しており、基本的に
キャプスタン3の駆動モータ3aの回転数を制御すれ
ば、テープ走行速度を制御することができる。例えば、
上記駆動モータ3aからのFG(Frequency Generator)
出力の値が所定のテープ走行速度に応じたリールモータ
6a、6bのFG出力に近づくように制御すればよい。
また、再生モードのときには、さらにトラッキング誤差
信号によって位相制御も行っており、低速サーチモード
についても必要に応じて位相制御を行っている。そし
て、テンションセンサ13の出力により、供給側リール
14aのリールモータ6aの制御が行われ、テープテン
ションが制御される。
【0026】一方、巻取側リール14bのリールモータ
6bについては、テープテンションがキャプスタン3・
ピンチローラ4間で遮断されるため、キャプスタン3か
ら巻取側リール14bまでのテープテンションは検出す
ることができないが、この部分では、単にキャプスタン
3・ピンチローラ4の間を通過してきたテープ15を、
巻取側リール14bに巻取ればよいだけなので精密なテ
ンション制御は特に必要ない。そのため、ピンチローラ
4がキャプスタン3に圧着している間は巻取側リール1
4bは、そのリールモータ6bのFG出力よりリール径
を算出し、リールモータ6bの電流より回転トルクを算
出し、電流制御によるオープンループでテープテンショ
ンの制御を行っている。
【0027】また、逆方向の低速サーチモードでは正方
向の低速サーチモードの状態からキャプスタン3の回転
方向が逆になったものである。すなわち、テープ15が
巻取側リール14bからキャプスタン3、ピンチローラ
4までの間は、オープンループで制御されたテンション
で引き出され、キャプスタン3・ピンチローラ4から供
給側リール14aまでの間ではテンションセンサ13に
よって供給側リール14aのリールモータ6aが制御さ
れ、所定のテープテンションで走行している。
【0028】ただし、回転ヘッドドラム5に対するヘッ
ド突入部のテープテンションが一定となるように制御す
ることを目的としているため、テープの走行方向が正方
向と逆方向とでは、テンションローラ2の位置を変えて
テープテンションを切り替えており、具体的には逆方向
のテープテンションは正方向のときのテープテンション
に対して回転ヘッドドラム5からテンションローラ2ま
でのテンション増加倍率の2乗だけ大きく設定してい
る。
【0029】さらに、早送り・巻戻しモードおよび高速
頭出しモードでは、ピンチローラ4がキャプスタン3か
ら離間した状態にあり、テープ15は、供給側リール1
4aおよび巻取側リール14bのリールモータ6bによ
って走行駆動されることになる。このとき、テープ15
の速度は、リールモータ6a、6bからのFG出力と、
供給側リール14aおよび巻取側リール14bの巻径と
によって算出し、リールモータ6a、6bの回転数を同
時に制御している。もちろん、テープ15の走行速度を
直接検出するセンサ等を設けても良い。なお、リール駆
動においてはトラッキング誤差信号等による位相制御は
行っていない。また、常にリール巻径が監視され、テー
プエンドに近くなった場合にはテープ15の走行速度が
遅くなるように制御している。
【0030】リール駆動におけるテープテンションの制
御については、キャプスタン駆動の場合と同様にテンシ
ョンセンサ13からのセンサ出力によって行っている
が、この場合はピンチローラ4がキャプスタン3に圧着
していないため、リールモータ6a、6bを同時に制御
することになる。これはテープ15の走行方向に関係な
く、またこのとき、速度・テンションの制御は互いに独
立して行われている。ただし、低速サーチのときと同様
に、テープ突入部におけるテープテンションを一定にす
るために、テンションローラ2におけるテープテンショ
ンをテープ15の走行方向の正方向と逆方向とで切り替
えて設定している。
【0031】なお、上記リール駆動においては、通常再
生時の数百倍の走行速度でテープ15の早送りや巻戻し
が可能となるが、この場合、供給側リール14aおよび
巻取側リール14bや、リールモータ6a、6b等のよ
うに回転部分の慣性が大きいと、電磁的なブレーキでは
急激にテープ15を停止させることは困難になる。そこ
で、上記のような場合には、テープ15の弛みを発生さ
せないため、またより速く停止させるためにメカブレー
キを設けるとよい。
【0032】上記構成を前提として、磁気テープ記録再
生装置1におけるメカモードの切替手順を図2ないし図
6に基づいて以下に説明する。まず、キャプスタン駆動
による低速サーチモードからリール駆動による高速サー
チモードへ切り替える場合、通常、キャプスタン駆動に
よるテープ15の走行状態においては、供給側リール1
4aはテンション制御が行われる一方、巻取側リール1
4b側では、単にテープ15を弛みなく巻き取れる程度
の弱いトルクが発生するように、電流によるトルク制御
(電流制御)が行われている。
【0033】しかし、この状態のままピンチローラ4を
キャプスタン3から離間させると、弱い巻取側リール1
4bの駆動力では供給側リール14a側でのテンション
制御の力に負けて、テープ15の走行が停止してしま
う。そこで、ピンチローラ4のキャプスタン3への圧着
力が弱くなった瞬間を検出して、リール駆動によってテ
ープ15を走行させるように制御方法を切り替える必要
がある。つまり、テープスピードが落ちないように、電
流制御から速度・テンション制御へと切り替えてやらな
ければならない。
【0034】逆に、リール駆動による高速サーチモード
からキャプスタン駆動による低速サーチモードへ切り替
える場合、リール駆動によるテープ15の走行状態にお
いては、供給側リール14aと巻取側リール14bはテ
ンション制御もしくは速度制御となっているが、この状
態のままピンチローラ4をキャプスタン3から圧着させ
た場合、ピンチローラ4を圧着するタイミングが駆動方
法の切替タイミングと一致しないと、テープ15に対し
て必要以上のテンションが掛かる恐れがあり、そのよう
な状態を避けるために、巻取側リール14b側は速度・
テンション制御から電流制御へと切り替えなければなら
ない。
【0035】そこで、キャプスタン3へのピンチローラ
4の圧着力が変化すると、キャプスタン3の駆動モータ
3aにおける駆動抵抗が変化することを利用して、圧着
力が弱くなる瞬間、もしくは圧着力が強くなる瞬間を検
出する。具体的には、駆動抵抗の変化による駆動モータ
3aの電流変化を検出する。つまり、圧着力が弱くなれ
ば、キャプスタン3の駆動抵抗は小さくなり、圧着力が
強くなれば、キャプスタン3の駆動抵抗は大きくなる。
駆動抵抗が変化すれば、同じ回転速度を維持するための
駆動電力が増減することになる。
【0036】そして、判断基準として、キャプスタン3
にピンチローラ4が圧着・離間しているときの駆動モー
タ3aの駆動電流値の間に、所定の比較レベルを設定し
ておき、測定された駆動電流値と比較レベルとの上下関
係を比較して、キャプスタン駆動とリール駆動とを切り
替えてやる。
【0037】例えば、図2(a)に示すように、キャプ
スタン3の駆動モータ3aの駆動電流値αがピンチロー
ラ4の圧着・離間によって上下する。この間に比較レベ
ルβを設定してやればよい。比較レベルβの設定につい
ては駆動方法の切替直前の電流値に対して一定の割合に
設定することにすれば駆動モータ3aに用いるモータの
個体差や経時変化に対しても対応することができる。
【0038】例えば、キャプスタン駆動からリール駆動
への切替の場合には、切替直前(キャプスタン駆動状
態)のキャプスタン3の駆動電流αの90%を比較レベ
ルβとし、また後述するリール駆動からキャプスタン駆
動への切替の場合には、切替直前(リール駆動状態)に
おける駆動電流αの110%を比較レベルβとすればよ
い。あるいは電源投入時などにピンチローラ4の圧着・
離間におけるキャプスタン3の駆動モータ3aの電流を
あらかじめ測定しておき、その中間値を比較レベルβと
して設定するようにしてもよい。
【0039】ただし、実際には、ピンチローラ4の圧着
・離間だけでなく、キャプスタン3の駆動モータ3aの
回転を制御(速度制御、位相制御)することによっても
駆動電流は大きく変化し、例えば、駆動電流値α′は図
2(b)に示すような電流変化を示している。このよう
な場合に、図2(a)に示すような比較レベルβを設定
したのでは誤判別する場合があるため、比較レベルβ′
も図2(b)に示すように、駆動電流値α′の変化に追
従させる必要がある。
【0040】そこで、図3に示すように、サーボ系も含
めたキャプスタン3の駆動モータ3aの伝達関数モデル
Gm′によって電流値Im′を推定し、この電流値I
m′と実際のモータサーボ系Gmにおける電流値Imと
を比較する。上記電流値Im′には、外乱Mload、すな
わち、ピンチローラ4の圧着・離間に伴う駆動抵抗の変
化が加えられないために、実際の電流値Imと比較する
ことによりピンチローラ4の圧着・離間を判別すること
ができる。具体的には、電流値Im′を、前記駆動電流
値αと比較レベルβとの差だけオフセットさせて、上記
電流値Im′と電流値Imとの大小を比較して、ピンチ
ローラ4の圧着・離間を判別している。上記においては
電流値Imが図2(b)における駆動電流値α′に該当
し、電流値Im′が比較レベルβ′に該当する。
【0041】上記のように伝達関数モデルによって、駆
動電流値α′の電流変化の内、ピンチローラ4の圧着・
離間以外の動作に伴う変化を推定し、比較レベルβ′に
反映させることによって、ピンチローラ4の圧着・離間
に伴う駆動電流値α′の変化を検出することができる。
【0042】なお、図3において、refは速度基準、
Gaはサーボゲイン、Ktはトルク定数、Lはコイルイ
ンダクタンス、Rはコイル抵抗、Jはモータイナーシ
ャ、Dはモータ粘性係数、ωはモータ角速度、aがピン
チローラ4のON/OFF指令信号である。また、sは
ラプラス演算子を意味している。また、電源投入時、ピ
ンチローラ4の離間時などに比較レベルβを実際の駆動
電流値α′で補正すれば、より正確にピンチローラ4の
圧着・離間の判別を行うことができる。また、温度変化
によっても駆動電流値α′は変化するため、駆動モータ
3aに温度センサを設けておき、駆動モータ3aの伝達
関数モデルGm′において、電流値Im′の温度補正を
行ってもよい。さらに、実際の電流値Imは、例えば、
図4に示すように駆動モータ3aのドライバの回路内に
電流検出抵抗R1を設け、その両端の電位差Vmを測定
することで行える。通常、この抵抗は1Ω以下のごく小
さな抵抗値のものを用いることが多い。
【0043】そして、キャプスタン駆動からリール駆動
に切り替えた後は、ピンチローラ4のキャプスタン3へ
の圧着を完全に解除し、キャプスタン3の回転を停止さ
せればよく、また、リール駆動からキャプスタン駆動に
切り替える際には、テープ速度をリール駆動でも安定し
た走行が行え、キャプスタン駆動も可能な速度にしてお
き、ピンチローラ4をキャプスタン3へ完全に圧着した
後、キャプスタン3の回転数を適切な値に変更すればよ
い。
【0044】また、上記の駆動方法の変更時には、メカ
モードの移行状態についても監視しており、万一、駆動
モータ3aの電流の変化が検出できなかった場合でも、
メカモードの移行完了を検出することによって、キャプ
スタン駆動とリール駆動との切替が行えるようにし、テ
ープダメージが最小限に抑えられるようになっている。
さらに、各リールの駆動方法による制御方法の切替パタ
ーンを表1に示しておく。
【0045】
【表1】
【0046】上記の動作を図5および図6に基づいて説
明すれば以下のとおりである。 キャプスタン駆動からリール駆動に切り替えるとき 図5に示すフローにおいて、まず、メカモード切替指令
が入る(S1)と、システムコントローラ8は、ピンチ
ローラ4のキャプスタン3からの離間動作を開始させる
(S2)。そして、メカモードの移行完了とキャプスタ
ン3の駆動モータ3a駆動電流を監視する(S3、S
4)。本来、順当に行けば、駆動電流の変化が先に現れ
るはずであるが、何らかの原因で駆動電流の変化が検出
できない場合を想定して、ここにメカモードの移行完了
の検出が設けられている。ここで、通常の場合、キャプ
スタンの駆動電流の変化が先に検出されるので、テープ
15の駆動方法がキャプスタン駆動からリール駆動に変
化する(S5)。その後、ピンチローラ4のキャプスタ
ン3からの離間が完了すると(S6)、メカモードの移
行が完了し、メカモードの移行完了が検出されれば(S
7)、キャプスタン3の回転が停止する(S8)。一
方、S3でメカモードの移行完了が検出されれば、テー
プ15の駆動方法がキャプスタン駆動からリール駆動に
切り替えられる(S9)。ここでは、メカモードの移行
が既に完了しているので、S8に進み、キャプスタン3
の回転が停止する。
【0047】上記において、前記表1に示すように、正
方向に走行しているときについては、供給側リール14
aではテンション制御から、テンション制御+速度制御
に切り替え、巻取側リール14bでは電流制御から速度
制御+テンション制御への切替を行っている。また、逆
方向にテープ15が走行している場合には、上記と逆の
切替となる。
【0048】リール駆動からキャプスタン駆動に切り
替えるとき 図6に示すフローにおいて、まず、メカモード切替指令
が入る(S11)と(これは操作によるものと、目標ア
ドレスが近づいた場合などのシステムコントローラ8か
らの指令も含む)、システムコントローラ8が、リール
モータ6a、6bを制御して、テープ速度を落とすと同
時に停止していたキャプスタン3を高速に回転させ、両
者の速度を近づける(S12)。例えば、リールモータ
6a、6bのFG出力によってテープ速度を算出し、得
られたテープ速度にあわせて、キャプスタン回転数を追
従させればよい。
【0049】そして、リール駆動で走行しているテープ
速度とキャプスタン3の周速がほぼ一致したらピンチロ
ーラ4の圧着を開始する(S13)。また、の場合と
同様、キャプスタン電流の変化が検出できない場合に備
えて、メカモード移行完了検出ステップが設けられてい
る(S14)。
【0050】通常は、駆動モータ3aの駆動電流の変化
が検出されて(S15)、テープ15の駆動方法が、キ
ャプスタン駆動に切り替えられる(S16)。このと
き、前記したように、比較レベルの追従や補正も行って
いる。ピンチローラ4の圧着が完了すれば(S17)、
再度メカモードの移行完了を検出して(S18)、終了
する。一方、S14でメカモードの移行完了が検出され
れば、テープ15の駆動方法がリール駆動からキャプス
タン駆動に切り替わる(S19)。ここでは、メカモー
ドの移行が完了しているので、テープ速度を所定の値に
低下させる。
【0051】ところで、メカモード切替に伴う駆動方法
の切替の際には、リール駆動によるテープ速度とキャプ
スタン周速度とは完全に一致することが望ましいが、そ
れは現実的には困難である。これは、リール駆動におい
て通常再生時の20〜30倍の速度でテープ15を走行
させると、実際5%以内の誤差を生じてしまうが、キャ
プスタン3を高速回転させた場合の速度誤差はほとんど
生じないためである。したがって、リール駆動状態にお
いて、これらの相対的な速度誤差があったままでピンチ
ローラ4の圧着を開始した場合、ピンチローラ4の圧着
の瞬間にテープ15の走行の状態が変化するが、この過
渡状態は次の4つの場合に分けることができるので、そ
れぞれの場合について説明する。
【0052】(1) テープ走行方向が正方向でキャプスタ
ン周速度に比べてテープ速度が若干速い場合。 リール駆動によるテープ走行に対してキャプスタン3と
ピンチローラ4との間でテープ15にブレーキがかけら
れたようになり、テープ速度が低下する。そのため供給
側リール14aのリールモータ6aはテープ速度を速め
ようとするので、テープテンションが低くなる。ところ
が供給側リール14a側ではテープテンションの検出を
行っており、上記のテープテンションの低下を補うよう
にテンション制御が行われる。一方、巻取側リール14
bでは速度が低下した分、テープ15を張ろうとする方
向にのみ制御される。したがって、ピンチローラ4の圧
着の瞬間にキャプスタン3とピンチローラ4との間から
巻取側リール14bまでの間のテープテンションが高く
なる。
【0053】(2) テープ走行方向が正方向でキャプスタ
ン周速度に比べてテープ速度が若干遅い場合。 リール駆動によるテープ走行に対してキャプスタン3と
ピンチローラ4との間でテープ15が加速されたように
なり、テープ速度が上がる。そのため供給側リール14
aのリールモータ6aはテープ速度を低下させようとす
るので、テープテンションが高くなる。ところが供給側
リール14a側では、テープテンションの検出を行って
おり、上昇したテープテンションを低下させる方向にテ
ンション制御が行われる。一方、巻取側リール14b側
では速度が上がった分、テープ速度を低下させる方向に
のみ制御される。したがって、ピンチローラ4の圧着の
瞬間にキャプスタン3とピンチローラ4との間から巻取
側リール14bまでの間のテープテンションが低くな
る。
【0054】(3) テープ走行方向が逆方向でキャプスタ
ン周速度に比べてテープ速度が若千速い場合。 リール駆動によるテープ走行に対してキャプスタン3と
ピンチローラ4との間でテープ15にブレーキがかけら
れたようになり、テープ速度が低下する。そのため供給
側リール14aのリールモータ6aはテープ速度を速め
ようとするので、テープテンションが高くなる。ところ
が供給側リール14a側ではテープテンションの検出を
行っており、上昇したテープテンションを低下させる方
向にテンション制御が行われる。一方、巻取側リール1
4b側では速度が低下した分、テープ速度を低下させる
緩方向にのみ制御される。したがって、ピンチローラ4
の圧着の瞬間にキャプスタン3とピンチローラ4との間
から巻取側リール14bまでの間のテープテンションが
低くなる。
【0055】(4) テープ走行方向が逆方向でキャプスタ
ン周速度に比べてテープ速度が若干遅い場合。 リール駆動によるテープ走行に対してキャプスタン3と
ピンチローラ4との間でテープ15が加速されたように
なり、テープ速度が上がる。そのため供給側リール14
aのリールモータ6aはテープ速度を低下させようとす
るので、テープテンションが低くなる。ところが供給側
リール14a側ではテープテンションの検出を行ってお
り、上記のテープテンションの低下を補うようにテンシ
ョン制御が行われる。一方、巻取側リール14b側では
速度が上がった分、テープ15を張ろうとする方向にの
み制御される。したがって、ピンチローラ4の圧着の瞬
間にキャプスタン3、ピンチローラ4から巻取側リール
14bまでのテープテンションが高くなる。
【0056】上記4つの過渡状態において、少しでもテ
ープ15が弛む可能性がある場合には、弛みが解消され
た瞬間にテープ15には急激な張力がかかり、テープ1
5の磁性面やエッジにダメージを受けてしまう。また、
テープ15が弛んだ時にガイドローラのフランジ等に落
ち、そのままテープ15が張られることによっても大き
くテープ15が傷ついたりするので、巻取側リール14
b側のテープテンションが低くなり過ぎて、テープ15
が弛む(2)(3)の状態は絶対に避ける必要がある。
【0057】そこで、少なくともピンチローラ4のキャ
プスタン3ヘの圧着の瞬間において、正方向走行時には
リール駆動によるテープ速度がキャプスタン回転速度と
同じかまたは大きく、逆方向走行時にはリール駆動によ
るテープ速度がキャプスタン回転速度と同じか、または
小さくなるように設定し、テープ弛みを生じさせないよ
うにしている。これらの大小関係が常に成り立つようで
あれば、リール駆動によるテープ速度にキャプスタン周
速度を合わせても、キャプスタン周速度にテープ速度を
合わせてもどちらでもよい。
【0058】以上のような構成によって、より早く、ま
た、より正確にピンチローラ4の圧着・離間を検出する
ことができ、テープダメージ、テープ速度の低下なしに
キャプスタン駆動からリール駆動へ、もしくはリール駆
動からキャプスタン駆動への切替を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明に係るテープ駆動機構
は、以上のように、テープ状の記録媒体本体と該記録媒
体本体が巻回される2個のリールをカセット状の筐体に
収めた記録媒体を用いて、テープの走行状態を決定する
メカモードの切り替えに応じて、キャプスタンとピンチ
ローラとの間にテープを挟持することによってテープを
走行させるキャプスタン駆動と、リールを保持し回転さ
せるリールモータによってテープを走行させるリール駆
動とを切り替え可能なテープ駆動機構において、メカモ
ードの切り替え時に、キャプスタンに対するピンチロー
ラの圧着・離間を検出する圧着状態検出手段と、圧着状
態検出手段が検出するピンチローラの離間によってキャ
プスタン駆動からリール駆動に切り替える一方、圧着状
態検出手段が検出するピンチローラの圧着によってリー
ル駆動からキャプスタン駆動に切り替えるように制御す
る駆動制御手段とが設けられている構成である。それゆ
え、キャプスタンに対するピンチローラの圧着・離間の
検出タイミングで、キャプスタン駆動とリール駆動とを
切り替えるので、テープを一時停止させることなく、キ
ャプスタン駆動とリール駆動時の切替がスムーズに行え
るという効果を奏する。
【0060】請求項2の発明に係るテープ駆動機構は、
以上のように、請求項1の構成に加えて、上記圧着状態
検出手段は、キャプスタンの駆動モータの駆動電流を測
定するとともに、ピンチローラ圧着時の駆動電流とピン
チローラ離間時の駆動電流との間に設定された比較電流
値に対して、駆動電流が大きくなるときには、ピンチロ
ーラ圧着と判断し、駆動電流が小さくなるときには、ピ
ンチローラ離間と判断することによって圧着状態を検出
する構成である。それゆえ、請求項1の構成による効果
に加えて、簡単な構成で、キャプスタンに対するピンチ
ローラの圧着・離間を検出することができるという効果
を奏する。
【0061】請求項3の発明に係るテープ駆動機構は、
以上のように、請求項2の構成に加えて、上記圧着状態
検出手段は、キャプスタンの駆動モータを制御すること
によって生じる上記駆動電流の変化を上記比較電流値を
追従させる構成である。それゆえ、請求項2の構成によ
る効果に加えて、比較電流値側に駆動モータの制御によ
って生じる駆動電流の増減を加えてやることにより、駆
動抵抗の増大による駆動電流の変化を取り出すことがで
き、圧着状態を正しく判定することができるという効果
を奏する。
【0062】請求項4の発明に係るテープ駆動機構は、
以上のように、請求項1の構成に加えて、上記圧着状態
検出手段には、メカモードの切替完了を検出するメカモ
ード判定手段が設けられており、圧着状態検出手段は、
圧着もしくは離間が検出される前にメカモード判定手段
によって検出されるメカモードの切替完了がピンチロー
ラの離間から圧着もしくは圧着から離間への変化を伴う
場合に、圧着状態の切替が行われたと判断する構成であ
る。それゆえ、請求項1の構成による効果に加えて、ピ
ンチローラの圧着・離間を検出しない場合でも、駆動方
法の変更を伴うメカモードの切替完了が検出されれば、
駆動方法を切り替えるので、ピンチローラが移動してい
るのに、圧着状態検出手段が何らかの原因でピンチロー
ラの圧着・離間を検出しなくても、テープに与えるダメ
ージを少なくすることができるという効果を奏する。
【0063】請求項5の発明に係るテープ駆動機構は、
以上のように、テープ状の記録媒体本体と該記録媒体本
体が巻回される2個のリールをカセット状の筐体に収め
た記録媒体を用いて、テープの走行状態を決定するメカ
モードの切り替えに応じて、キャプスタンとピンチロー
ラとの間にテープを挟持することによってテープを走行
させるキャプスタン駆動と、リールを保持し回転させる
リールモータによってテープを走行させるリール駆動と
を切り替え可能なテープ駆動機構において、上記2つの
リールをそれぞれ駆動するリールモータが設けられると
ともに、記録再生時に、2つのリールの内で情報の記録
再生を行う回転ヘッドドラムにテープを供給するテープ
供給側リールと該回転ヘッドドラムとの間にテープテン
ション付加手段とテープテンション検出手段とが設けら
れており、テープテンション付加手段はテープの走行方
向に関係なく、回転ヘッドドラムに対して突入するテー
プのテンションが一定の値となるように、テープテンシ
ョン検出手段で検出されたテープテンションに基づいて
付加テンションを制御する一方、テープの再生方向を正
方向として、リール駆動からキャプスタン駆動に切り替
わる際に、正方向に走行しているときには、テープ速度
がキャプスタンの周速以上であり、また逆方向に走行し
ているときには、テープ速度がキャプスタン周速以下で
あるときにリール駆動からキャプスタン駆動への切替を
行うように制御する駆動制御手段が設けられている構成
である。それゆえ、請求項1の構成による効果に加え
て、リール駆動からキャプスタン駆動に切り替える際
に、テープに弛みが発生しなくなるため、テープに過大
なテンションが係ることなく、テープダメージを防ぐこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテープ駆動機構に係る実施の一形態を
示すブロック図である。
【図2】本発明のキャプスタンの駆動モータの駆動電流
とモード切替タイミングを示す図である。
【図3】本発明のピンチローラの圧着・離間を検出する
ための一例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す電流検出器の一構成例を示す概略図
である。
【図5】図1に示すテープ駆動機構において、キャプス
タン駆動からリール駆動に変化するときのモード切替の
フローチャートである。
【図6】図1に示すテープ駆動機構において、リール駆
動からキャプスタン駆動に変化するときのモード切替の
フローチャートである。
【符号の説明】
1 磁気テープ記録再生装置 2 テンションローラ(テープテンション付加手段) 3 キャプスタン 3a 駆動モータ(駆動モータ) 4 ピンチローラ 5 回転ヘッドドラム 6a リールモータ 6b リールモータ 8 システムコントローラ(圧着状態検出手段・メカ
モード判定手段) 11 テンションアーム(テープテンション付加手段
・テープテンション検出手段) 12 スプリング(テープテンション付加手段) 13 テンションセンサ(テープテンション検出手
段) 14 カセットテープ(記録媒体) 14a 供給側リール(リール) 14b 巻取側リール(リール) 15 テープ(記録媒体本体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 英史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼田 光伸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テープ状の記録媒体本体と該記録媒体本体
    が巻回される2個のリールをカセット状の筐体に収めた
    記録媒体を用いて、テープの走行状態を決定するメカモ
    ードの切り替えに応じて、キャプスタンとピンチローラ
    との間にテープを挟持することによってテープを走行さ
    せるキャプスタン駆動と、リールを保持し回転させるリ
    ールモータによってテープを走行させるリール駆動とを
    切り替え可能なテープ駆動機構において、 メカモードの切り替え時に、キャプスタンに対するピン
    チローラの圧着・離間を検出する圧着状態検出手段と、
    圧着状態検出手段が検出するピンチローラの離間によっ
    てキャプスタン駆動からリール駆動に切り替える一方、
    圧着状態検出手段が検出するピンチローラの圧着によっ
    てリール駆動からキャプスタン駆動に切り替えるように
    制御する駆動制御手段とが設けられていることを特徴と
    するテープ駆動機構。
  2. 【請求項2】上記圧着状態検出手段は、キャプスタンの
    駆動モータの駆動電流を測定するとともに、ピンチロー
    ラ圧着時の駆動電流とピンチローラ離間時の駆動電流と
    の間に設定された比較電流値に対して、駆動電流が大き
    くなるときには、ピンチローラ圧着と判断し、駆動電流
    が小さくなるときには、ピンチローラ離間と判断するこ
    とによって圧着状態を検出することを特徴とする請求項
    1に記載のテープ駆動機構。
  3. 【請求項3】上記圧着状態検出手段は、キャプスタンの
    駆動モータを制御することによって生じる上記駆動電流
    の変化を上記比較電流値を追従させることを特徴とする
    請求項2に記載のテープ駆動機構。
  4. 【請求項4】上記圧着状態検出手段には、メカモードの
    切替完了を検出するメカモード判定手段が設けられてお
    り、圧着状態検出手段は、圧着もしくは離間が検出され
    る前にメカモード判定手段によって検出されるメカモー
    ドの切替完了がピンチローラの離間から圧着もしくは圧
    着から離間への変化を伴う場合に、圧着状態の切替が行
    われたと判断することを特徴とする請求項1に記載のテ
    ープ駆動機構。
  5. 【請求項5】テープ状の記録媒体本体と該記録媒体本体
    が巻回される2個のリールをカセット状の筐体に収めた
    記録媒体を用いて、テープの走行状態を決定するメカモ
    ードの切り替えに応じて、キャプスタンとピンチローラ
    との間にテープを挟持することによってテープを走行さ
    せるキャプスタン駆動と、リールを保持し回転させるリ
    ールモータによってテープを走行させるリール駆動とを
    切り替え可能なテープ駆動機構において、 上記2つのリールをそれぞれ駆動するリールモータが設
    けられるとともに、記録再生時に、2つのリールの内で
    情報の記録再生を行う回転ヘッドドラムにテープを供給
    するテープ供給側リールと該回転ヘッドドラムとの間に
    テープテンション付加手段とテープテンション検出手段
    とが設けられており、テープテンション付加手段はテー
    プの走行方向に関係なく、回転ヘッドドラムに対して突
    入するテープのテンションが一定の値となるように、テ
    ープテンション検出手段で検出されたテープテンション
    に基づいて付加テンションを制御する一方、テープの再
    生方向を正方向として、リール駆動からキャプスタン駆
    動に切り替わる際に、正方向に走行しているときには、
    テープ速度がキャプスタンの周速以上であり、また逆方
    向に走行しているときには、テープ速度がキャプスタン
    周速以下であるときにリール駆動からキャプスタン駆動
    への切替を行うように制御する駆動制御手段が設けられ
    ていることを特徴とするテープ駆動機構。
JP8150926A 1996-06-12 1996-06-12 テープ駆動機構 Pending JPH103710A (ja)

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