JPH1036644A - 吸湿性に優れた共重合ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

吸湿性に優れた共重合ポリエステル樹脂組成物

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JPH1036644A
JPH1036644A JP18910496A JP18910496A JPH1036644A JP H1036644 A JPH1036644 A JP H1036644A JP 18910496 A JP18910496 A JP 18910496A JP 18910496 A JP18910496 A JP 18910496A JP H1036644 A JPH1036644 A JP H1036644A
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polymer
polyoxyalkylene glycol
polyester
copolymerized
glycol
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JP18910496A
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Yoshitaka Matsumura
由隆 松村
Michinori Higuchi
徹憲 樋口
Toshihiro Sasaki
敏弘 佐々木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿性が高く、かつ容易にチップ化が可能な
共重合ポリエステルを提供する。 【解決手段】 ポリオキシアルキレングリコールを共重
合したポリエステルであって、下記一般式(I) 【化1】 (式中R1は3〜6価の有機残基、R2は水素あるいは
アセチル基、R3は水素あるいはアルキル基、3≦m+
n≦6)で示される架橋剤を0.01〜30モル%含有
し、次の3つを満足することを特徴とする吸湿性に優れ
た共重合ポリエステル樹脂組成物。 (a)吸放湿パラメータ(ΔMR)が12.0%以上で
あること。 (b)該ポリマのポリオキシアルキレングリコールに由
来した融解ピークが30℃以上に存在すること。 (c)該ポリマの280℃、ずり速度50cm-1での溶
融粘度が500〜5000ポイズであること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた吸湿性を有す
る共重合ポリエステルであり、更に詳しくは、混合紡糸
や、複合紡糸もしくは多層化繊維の1成分として用いる
ことが可能であり、かつチップ化に優れ成形性が良好な
共重合ポリエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミドに代表される
熱可塑性合成繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性など
に優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く使
用されている。
【0003】しかしながら、これらの合成繊維は極めて
吸湿性が低いため、インナー、中衣、スポーツ衣料など
のように直接的に肌に触れて、あるいは肌側に近い状態
で着用される分野に使用する場合には、肌からの発汗に
よるムレやベタツキなどを生じ、快適性の点で天然繊維
よりも劣り、前記衣料用途への進出は限定されているの
が実状である。この欠点を解消するため、たとえば特開
昭51−67465号公報、実開昭57−120466
号公報、あるいは特開昭60−215835号公報に記
載されているように、平衡水分率(吸湿率)の高い繊維
と合成繊維との混繊、交撚、引揃えなどにより布帛とし
て吸湿快適性を得んとする試みが提案されている。これ
らの方法を用いることで確かに快適性は向上するもの
の、その効果は十分とはいえず、合成繊維を染色する際
に一般的に使用される分散染料によって汚染を生じた
り、同色性に劣ったり、合成繊維本来の物理的特性が失
われるという問題点があった。
【0004】また、ポリエステル繊維にアクリル酸やメ
タアクリル酸をグラフト重合すること、更にグラフト重
合後にそれらのカルボキシル基をアルカリ金属で置換す
ることにより吸湿性を付与する方法が知られているが、
ポリエステルがグラフト重合しにくい素材であること、
および染色堅牢性や耐光性、繊維物理特性、風合いなど
の低下を潜在的に有していることから、実用化には至っ
ていない。
【0005】後加工段階で吸湿性を付与する方法では染
色時あるいは得られた布帛特性の点で種々の問題がある
ので、繊維を製造する段階で吸湿性を付与しかつ前記問
題点を解消するため、常湿度下で吸湿率が10%以上の
吸湿性樹脂を芯部とし、鞘部としてポリエステルで覆っ
た芯鞘型複合繊維が特開平2−99612号公報で提案
されている。しかしながら、この方法では精練や染色な
どの熱水処理時に芯部の吸湿性樹脂が水を吸水し大きく
膨潤するため繊維表面にひび割れを生じせしめ、水に対
する溶解性が高いため外部へ流出してしまう等の欠点が
ある。
【0006】そこで従来、ポリエステル繊維に吸湿性を
付与するために、製糸以前の段階でポリアルキレングリ
コールを配合する方法が、特公昭39−5214号公報
に提案されている。しかし該方法では、ポリアルキレン
グリコールの配合量がたかだか2〜15重量%であり、
この程度の配合量では満足のいく吸湿性をポリエステル
繊維に付与することは不可能である。
【0007】また、特開昭51−136924号公報に
は親水性ポリエステルを芯成分、非親水性ポリエステル
を鞘成分とする芯鞘型複合ステープルについて提案され
ている。親水性ポリエステルとしてポリアルキレングリ
コール共重合体単独あるいはポリアルキレングリコール
共重合体に少量のスルホン酸や酸性リン酸エステル誘導
体を配合したものを用いるものであり、ステープルとし
て繊維両端面を増加させ吸水性を向上させようという提
案である。しかしながら、本願発明者らの検討では該ス
テープルで吸水性を向上させることはできるが、吸湿性
の向上は困難であることがわかった。
【0008】特開昭53−111116号公報に特定の
ポリエーテルエステルを芯成分とした芯鞘型の制電性複
合繊維が提案されている。しかし、該繊維の効果は制電
性であり、ポリアルキレングリコールを単独共重合した
ポリエステルを芯成分として用いているため、繊維特性
(強伸度特性)が経時的に変化するという問題点があ
る。また該ポリエーテルエステルの着色が激しく、得ら
れる最終製品の品位が損なわれるといった問題点もあ
る。また、該ポリエーテルエステルを溶融重合反応後チ
ップ化するにあたっては、重合装置から吐出し水槽で冷
却後チップ化するのが一般的であるが、該ポリエーテル
エステルは水を用いて冷却した場合、吸水膨潤してしま
いチップ化の際に異常形状化が多発したり、またカッタ
ーの内部でポリマ詰まりの問題が発生したりして、チッ
プ化が非常に困難であるという問題点もある。
【0009】また特開昭62−267352号公報に特
定のポリアルキレングリコールを50〜70重量%配合
してなるポリエステル組成物が開示されている。この組
成物からなる繊維では、繊維形成性が低く、また耐水性
および染色堅牢性に劣るため衣料用および産業用での使
用は困難である。また、上述の通り該ポリエステル組成
物をチップ化およびシート化するには困難である。
【0010】さらに、特開平6−123012号公報に
は芯鞘型吸湿性ポリエステル繊維が開示されている。こ
れはアルキレンスルホイソフタレートおよびポリオキシ
アルキレングリコールを共重合したポリエステルにブロ
ックポリエーテルエステルをブレンドして芯ポリマとし
て用いたものであるが、該芯鞘複合糸の芯成分中のポリ
アルキレングリコールの共重合量は少なく、十分な吸湿
性が得ることは困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、吸湿率が高く、かつ容易に
チップ化およびシート化が可能な共重合ポリエステルを
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ポリオ
キシアルキレングリコールを共重合したポリエステルで
あって、下記一般式(I)
【化2】 (式中R1は3〜6価の有機残基、R2は水素あるいは
アセチル基、R3は水素あるいはアルキル基、3≦m+
n≦6)で示される架橋剤を0.01〜30モル%含有
し、(a)〜(c)の3つを満足することを特徴とする
吸湿性に優れた共重合ポリエステル樹脂組成物で達成で
きる。 (a)吸放湿パラメータ(ΔMR)が12.0%以上で
あること。 (b)該ポリマのポリオキシアルキレングリコール由来
の融解ピークが30℃以上に存在すること。 (c)該ポリマの280℃、ずり速度50cm-1での溶
融粘度が500〜5000ポイズであること。
【0013】
【発明の実施の形態】共重合ポリエステルは繊維に吸湿
性を付与する成分であり、ベースとなる繊維形成性重合
体よりも高い吸湿性を有することが必須である。
【0014】共重合ポリエステルの酸成分としてテレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等があげら
れる。特に好ましいのはテレフタル酸である。また、グ
リコール成分としてエチレングリコール、プロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール等があげられる。特に
好ましいのがエチレングリコールである。
【0015】共重合ポリエステルに吸湿性を付与するた
めにはポリオキシアルキレングリコールを共重合するこ
とが必要である。ポリオキシアルキレングリコールとし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、メトキシポリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロ
ピレングリコールのブロック共重合体、エチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドのランダム共重合体、およ
びそれらの誘導体である。特に好ましいのがポリエチレ
ングリコールである。
【0016】また、共重合ポリエステルの吸湿特性を示
す吸放湿パラメータ(以下ΔMRと記す)は、これを用
いた合成繊維の吸湿性を高めるため、高ければ高い方が
好ましいが、12.0%以上であることが必要である。
好ましくは15.0%以上、特に好ましくは18.0%
以上である。ここでΔMRとは、30℃×90%RHで
の吸湿率(MR2)から20℃×65%RHでの吸湿率
(MR1)を引いた差である(ΔMR(%)=MR2−
MR1)。ΔMRは衣服着用時の衣服内の湿気を外気に
放出することにより快適性を得るためのドライビングフ
ォースであり、軽〜中作業あるいは軽〜中運動を行った
際の30℃×90%RHに代表される衣服内温度と20
℃×65%RHに代表される外気温湿度との吸湿率差で
ある。本発明では吸湿性評価の尺度としてこのΔMRを
パラメーターとして用いている。ΔMRは大きければ大
きいほど吸放湿能力が高く着用時の快適性が良好である
ことに対応する。
【0017】さらに、共重合ポリエステルの示差走査熱
分析(DSC、昇温条件16℃/分)によって求めたポ
リオキシアルキレングリコール由来の融点が30℃以上
であることが必要である。さらに好ましくは40℃以上
である。ポリオキシアルキレングリコール由来の融点を
30℃以上とすることで、共重合ポリエステルを重合装
置から冷却水中に吐出した際に、十分にポリマ表面が固
化しチップ化した場合もほとんど異常形状化することな
くチップ化することが可能である。
【0018】また、共重合ポリエステルのチップ化およ
び製糸性の点で、共重合ポリエステルの280℃、ずり
速度50cm-1での溶融粘度は500〜5000ポイズ
が好ましく、さらに好ましくは600〜3000ポイ
ズ、特に好ましくは800〜2000ポイズである。
【0019】共重合ポリエステル中のポリオキシアルキ
レングリコールの共重合量は、吸湿性および製糸性の点
で、40〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは5
0〜90重量%、特に好ましくは55〜85重量%であ
る。
【0020】また、共重合ポリエステル中のポリオキシ
アルキレングリコールの数平均分子量はポリエステルと
の相溶性、分散性、およびチップ化の点から2000〜
20000が好ましく、さらに好ましくは4000〜1
5000であり、特に好ましくは6000〜12000
である。
【0021】また共重合ポリエステル中に含有させる架
橋剤としては該ポリエステルと反応し、架橋構造を形成
する化合物であれば特に限定はしないが一般には下記一
般式(I)
【化3】 (式中R1は3〜6価の有機残基、R2は水素あるいは
アセチル基、R3は水素あるいはアルキル基、3≦m+
n≦6を示す)で表される多官能化合物を用いることが
必要である。ここで含有とは、ポリエステル中に分散す
ることも含むが、共重合により架橋構造をとることが好
ましい。化合物としてはトリメリット酸、ピロメリット
酸等の多官能カルボン酸、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリストールのごときポリオールが好
ましいが、耐熱性という点で特に好ましいのはトリメリ
ット酸である。架橋剤を含有させることでポリマの吸湿
性がさらに高まるばかりか、ポリマ中に架橋構造が形成
し、ポリマのチップ化が容易になり、かつ繊維とした場
合に経時的な物性の変化が生じにくいという効果も持
つ。
【0022】共重合ポリエステル中の架橋剤の割合は全
ポリマを構成する酸成分に対して0.01〜30モル%
であり、好ましくは0.5〜15モル%、さらに好まし
くは1〜10モル%である。該範囲とすることにより、
吸湿性を高く保持し、ポリマのチップ化が容易となり、
製糸性が良好となり、強度等の繊維物性が向上するので
好ましい。
【0023】本願発明の共重合ポリエステルを製糸に用
いる場合、異常形状化したチップがほとんど存在しない
ため、紡糸機でのチッブ噛み込み不良等のトラブルなく
製糸することが可能である。
【0024】また共重合ポリエステルには、本発明の目
的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラック等
の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性
剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防
止剤等が添加されても勿論良い。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。
【0026】A.共重合ポリエステルの吸放湿パラメー
タ(ΔMR) 吸湿率はチップ1gを2mm角の立方体状に裁断し、絶
乾時の重量と20℃×65%RHあるいは30℃×90
%RHの雰囲気下、恒温恒湿器(タバイ製PR−2G)
中に24時間放置後の重量との重量変化から、次式で求
めた。◎吸湿率(%)=(吸湿後の重量−絶乾時の重
量)/絶乾時の重量×100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2と
する)から、吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1を
求めた。共重合ポリエステルのΔMRは高いほどよく、
その評価としてΔMR≧18を○、12≦ΔMR<18
を△、ΔMR<12を×と表示した。
【0027】B.共重合ポリエステルの融点 共重合ポリエステルのポリオキシアルキレングリコール
に由来した融点はパーキンエルマ製示差走査熱分析(D
SC、昇温条件16℃/分)で測定し、2ndrunの
値を融点とした。
【0028】C.共重合ポリエステルの溶融粘度 宝工業社製メルトインデクサーを用い、120℃×12
時間の条件で乾燥した共重合ポリエステルを280℃、
ずり速度50cm-1の条件で測定した。
【0029】D.共重合ポリエステルの水冷吐出時のチ
ップ形状(異常チップ) チップ長が30mm以上のものを異常チップとし、全チ
ップ量に対する重量%で示した。
【0030】実施例1 共重合ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸19
4部、エチレングリコール128部、、トリメリット酸
トリメチル(TMTM)(m=0、n=3、R1=芳香
族、R3=メチル基)7.8部およびテトラブチルチタ
ネート0.2部を加え、140〜230℃でメタノール
を留出しつつエステル交換反応を行った後、リン酸トリ
メチル0.08部のエチレングリコール溶液および数平
均分子量8000のポリエチレングリコール288部、
抗酸化剤としてIrganox 1010(チバガイキー社製)1
部、消砲剤としてシリコン1部、およびテトラブチルチ
タネート0.3部を加え、1.0mmHgの減圧下25
0℃の条件下4時間重合を行った。重合終了後の溶融ポ
リマを重合缶の吐出部より3kg/分となるよう、ガッ
ト状に吐出した。このガット状ポリマを冷却水中(水温
18℃)に投入し、冷却後のポリマは通常のカッターに
て約5mm×3mmφのチップとした。チップ化に際
し、カッティング性は良好であり、異常チップは1%で
あった。またこの共重合体に共重合されたポリエチレン
グリコールの割合は60wt%であった。得られた共重
合ポリエステルのΔMRは24.5%(MR1=1.6
%、MR2=26.1%)であり、ポリエチレングリコ
ールに由来した融点は46.4℃、溶融粘度は1500
ポイズであった。
【0031】実施例2〜5、比較例1、2 実施例1において、得られる共重合ポリエステルの溶融
粘度を変更する以外は実施例1と同様な方法により共重
合ポリエステルを得た。結果を表1にまとめた。溶融粘
度が500ポイズより低いもの(比較例1)は重合吐出
時溶融粘度が低すぎてガット状にならなかった。また溶
融粘度が5000ポイズより高いもの(比較例2)は吐
出時に吐出斑が発生しチップ化が困難であった。
【0032】
【表1】 実施例6〜9、比較例3、4 実施例1においてポリエチレングリコールの共重合比率
を変更した以外は実施例1と同様な方法により共重合ポ
リエステルを得た。結果を表2にまとめた。ポリエチレ
ングリコールの共重合量が40重量%より少ないもの
(比較例3)は十分な吸湿性が得られず、ポリエチレン
グリコールの共重合量が99重量%より多い(比較例
4)と吸湿性が低く、また吐出時ガット化が困難であっ
た。
【0033】
【表2】 実施例10〜13、比較例5、6 実施例1においてポリエチレングリコールの分子量を変
更する以外は実施例1と同様な方法により共重合ポリエ
ステルを得た。結果を表3にまとめた。ポリエチレング
リコールの分子量が4000より低いもの(比較例5)
はカッティング時に異常チップが多数発生した。また、
分子量が20000より大きいもの(比較例6)は、十
分な吸湿性が得られなかった。
【0034】
【表3】 実施例14〜17、比較例7、8 実施例1においてトリメリット酸トリメチルの共重合量
を変更する以外は実施例1と同様な方法により共重合ポ
リエステルを得た。結果を表4にまとめた。
【0035】TMTMの共重合量が0.01重量%より
少ないもの(比較例7)は吐出時チップ化が困難であっ
た。また、共重合量が30重量%を越えると(比較例
8)、急激に架橋反応が進み、共重合ポリエステルを得
ることができなかった。
【0036】
【表4】 実施例15、比較例9 実施例1記載の共重合ポリエステルを芯成分とし、極限
粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを鞘成分と
して別々に溶融し、同心円芯鞘複合口金から芯/鞘比率
(重量比)=15/85になるように吐出して未延伸糸
を得、次いで延伸、熱処理することにより75デニール
24フィラメントの同心円芯鞘複合繊維を得た。紡糸す
る段階でチップの噛み込み不良、チップ配管詰まり等の
問題は生じることはなかった。一方、比較例1記載の共
重合ポリマを同様に紡糸したところ、チップ噛み込み不
良、チップ配管詰まりが多発した。
【0037】
【発明の効果】本発明によって得られた共重合ポリエス
テルは高い吸湿特性を有しており、かつ共重合ポリエス
テルのチップ化が容易な共重合ポリエステルを得ること
が可能となる。またそれからなる合成繊維は、着用快適
性を得るのに十分な吸湿性を有しており、ドライタッチ
な風合いと高い染色堅牢性や耐光性を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシアルキレングリコールを共重
    合したポリエステルであって、下記一般式(I) 【化1】 (式中R1は3〜6価の有機残基、R2は水素あるいは
    アセチル基、R3は水素あるいはアルキル基、3≦m+
    n≦6)で示される架橋剤を0.01〜30モル%含有
    し、(a)〜(c)の各要件を満足することを特徴とす
    る吸湿性に優れた共重合ポリエステル樹脂組成物。 (a)吸放湿パラメータ(ΔMR)が12.0%以上で
    あること。 (b)該ポリマ中のポリオキシアルキレングリコールに
    由来する融解ピークが30℃以上に存在すること。 (c)該ポリマの280℃における、ずり速度50cm
    -1での溶融粘度が500〜5000ポイズであること。
  2. 【請求項2】 ポリオキシアルキレングリコールを全ポ
    リマ重量に対して40〜99重量%共重合することを特
    徴とする請求項1記載の吸湿性に優れた共重合ポリエス
    テル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 共重合するポリオキシアルキレングリコ
    ールの数平均分子量が2000〜20000であること
    を特徴とする請求項1または2記載の吸湿性に優れた共
    重合ポリエステル樹脂組成物。
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