JPH1036371A - ベンゾトリアゾール化合物、及びこれを用いた感熱記録体 - Google Patents

ベンゾトリアゾール化合物、及びこれを用いた感熱記録体

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JPH1036371A
JPH1036371A JP8207864A JP20786496A JPH1036371A JP H1036371 A JPH1036371 A JP H1036371A JP 8207864 A JP8207864 A JP 8207864A JP 20786496 A JP20786496 A JP 20786496A JP H1036371 A JPH1036371 A JP H1036371A
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JP8207864A
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Tatsuya Meguro
達哉 目黒
Naoko Inazu
直子 稲津
Tetsuo Tsuchida
哲夫 土田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線吸収剤として使用できる新規化合物、
並びにこれを紫外線吸収剤として用い、感熱記録体の基
本特性を損なうことなく記録部および未記録部の耐光性
を改善した感熱記録体、並びに記録部および未記録部の
耐光性に優れ、かつ耐可塑剤性、耐油性、耐溶剤性等の
耐薬品性や記録走行性にも優れた感熱記録体を提供す
る。 【解決手段】 トリス〔2−ヒドロキシ−3−(2−2
H−ベンゾトリアゾリル)−5−メチルベンジル〕イソ
シアヌラートなどの一般式(1)で表されるベンゾトリ
アゾール化合物、並びに、支持体上に電子供与性化合物
と電子受容性化合物とを含有する感熱記録層及び必要に
より保護層を順次設けた感熱記録体において、感熱記録
層及び保護層の少なくとも一方に一般式(1)で表され
るベンゾトリアゾール化合物の少なくとも一種を含有さ
せた感熱記録体。 【化1】 〔式中、R1はC1〜C8のアルキル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なベンゾトリ
アゾール化合物、並びに、これを紫外線吸収剤として用
い、感熱記録体の特性を損なうことなく記録部及び未記
録部の耐光性を改善した感熱記録体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱により複数の発色物質を接触させて記
録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。
かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器が
コンパクトで、且つその保守も容易なため、ファクシミ
リや各種計算機などの記録媒体としてのみならず幅広い
分野において使用されている。一般に感熱記録体は、太
陽光あるいは室内光などに長期間曝されると、次第に地
肌部が黄変化したり記録像が褪色したりする難点があ
る。
【0003】また、感熱記録体の利用分野拡大の一環と
して、例えばPOS(point of sales)システム用の感
熱記録ラベルが挙げられるが、同システム化の拡大に伴
って、従来のように短期間でその使命を終える食品用ラ
ベルとは別に、長期間にわたって商品に添付され使用さ
れるタグ用紙、或いは屋外で取り扱われることの多い集
配用のハンディーターミナル用紙としての用途が増大し
ている。しかし、このような用途では長期にわたって室
内光や太陽光に曝されることが多く、その影響で感熱記
録体の記録像が褪色したり、或いは地肌部が黄変化し、
結果的に商品イメージをも著しく損なってしまう。この
ため、室内光や太陽光に長期間曝されても記録像の褪色
や地肌部の黄変化の少ない耐光性の優れた感熱記録体が
強く要望されている。更に、上記の如きタグ用紙やハン
ディーターミナル用紙用の感熱記録体には、食品用感熱
記録ラベルと同様に可塑剤、油あるいは溶剤などの薬品
に対する記録像の耐性も要望されている。
【0004】従来から、感熱記録体の耐光性を改善する
目的で、感熱記録層中にベンゾトリアゾール化合物を添
加する方法が特公昭53−23205号、特開昭55−
55891号、特開昭63−307981号、特開平3
−23986号、特開平5−8545号公報などに提案
されている。また、感熱記録体の耐薬品性を改善する目
的で、感熱記録層中にベンゾトリアゾール化合物を添加
する方法が特開昭58−87093号、特開昭63−1
5783号公報などに提案されている。また、感熱記録
体の耐薬品性を改善する目的で、感熱記録層上に保護層
を設ける方法が特開昭54−128347号、実公昭5
9−9909号、実公昭62−26216号公報ほか多
数提案されている。さらに、感熱記録体の耐光性を改善
する目的で、記録層の上に形成された保護層中に微粉砕
化したベンゾトリアゾール化合物を添加する方法が特開
昭60−107388号、特開昭60−112487
号、特開昭61−193883号公報などに提案されて
いる。
【0005】しかしながら、従来提案されている2−
(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール化合物を感熱記録層中
に含有せしめて十分な耐光性を得ようとすれば、紫外線
の吸収効率、換言すれば紫外線の遮蔽効率の点で、これ
らの化合物を比較的多量に添加する必要があり、そのた
め高温環境下に置かれると地肌カブリを生ずるなど、感
熱記録体としての基本特性を損なうという欠点がある。
また、このようなベンゾトリアゾール化合物を感熱記録
層中に添加して得られる耐薬品性の改善効果は、保護層
の形成によって得られる効果ほど大きくはなく、満足し
得るものではない。
【0006】一方、感熱記録層上に形成される保護層中
にベンゾトリアゾール化合物を添加する方法にしても、
従来提案されている2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等の化合物を使用した
場合には、かかる化合物が比較的低融点であるためか記
録時に溶融してサーマルヘッドと保護層との間でスティ
ッキングが発生して均一な記録像がえられなかったり、
また薬品類によってこれらの化合物が溶出して本来の保
護層としてのバリヤー機能を損ない、結果として記録像
の耐薬品性が低下するなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
様な事情に鑑み、紫外線吸収剤として使用できる新規化
合物、並びにこれを紫外線吸収剤として用い、上記の如
き感熱記録体の基本特性を損なうことなく記録部および
未記録部の耐光性を改善した感熱記録体を提供するこ
と、及び記録部および未記録部の耐光性に優れ、かつ耐
可塑剤性、耐油性、耐溶剤性等の耐薬品性や記録走行性
にも優れた感熱記録体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(1)で
表されるベンゾトリアゾール化合物、及び支持体上に、
電子供与性化合物と電子受容性化合物とを含有する感熱
記録層、および必要により保護層を順次設けた感熱記録
体において、感熱記録層及び保護層の少なくとも一方に
一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の少
なくとも一種を含有させたことを特徴とする感熱記録体
に係る。
【0009】
【化3】 〔式中、R1はC1〜C8のアルキル基を示す。〕
【0010】
【発明の実施の形態】一般式(1)で表される本発明の
ベンゾトリアゾール化合物は、例えば下記の様な代表的
な方法によって容易に合成することができる。即ち、一
般式(3)で表される塩化ベンジル誘導体とシアヌル酸
とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメ
トキシド等のアルカリの存在下、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジ
メチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒中で混合
加熱することにより得られる。
【0011】
【化4】 〔式中、R1はC1〜C8のアルキル基を示す。〕
【0012】一般式(3)で表される化合物はシアヌル
酸1モルに対し3モル以上用いるのが好ましい。本発明
は、支持体上に電子供与性化合物と電子受容性化合物と
を含有する感熱記録層、および必要により保護層を順次
設けた感熱記録体において、感熱記録層及び保護層の少
なくとも一方に上記一般式(1)で表される特定のベン
ゾトリアゾール化合物の少なくとも一種を含有させるこ
とによって、従来提案されているベンゾトリアゾール化
合物に比べて、記録部および未記録部の耐光性が顕著に
改善されるものである。そして、上記特定のベンゾトリ
アゾール化合物は、記録層に配合した場合でも、高温環
境下での地肌カブリが極めて少ない。しかも、かかる特
定のベンゾトリアゾール化合物は可塑剤、油および有機
溶剤等の溶媒に殆ど溶解しないため、保護層に用いた場
合、保護層表面がこれらの溶媒と接触しても、紫外線吸
収剤の溶出に起因するバリヤー機能の低下を来たすこと
がなく、耐薬品性にも優れた改善効果を示す。加えて、
サーマルヘッドでの記録時に溶融によるスティッキング
やヘッドカスを発生することがなく、記録走行性にも優
れた改善効果が得られる。
【0013】本発明では、かかる特定のベンゾトリアゾ
ール化合物を、感熱記録層または保護層の何れか一方に
含有せしめれば所望の効果が得られるものであるが、勿
論、記録層と保護層の双方に含有せしめることもでき、
また、保護層を有する感熱記録体の記録層のみに含有せ
しめることも可能である。なお、紫外線の遮蔽効率の点
では、記録層中に配合するよりも保護層中に配合する方
が優れている。
【0014】前記一般式(1)で表されるベンゾトリア
ゾール化合物の具体例としては、トリス〔2−ヒドロキ
シ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−メチ
ルベンジル〕イソシアヌラート、トリス〔2−ヒドロキ
シ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−エチ
ルベンジル〕イソシアヌラート、トリス〔2−ヒドロキ
シ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−イソ
プロピルベンジル〕イソシアヌラート、トリス〔2−ヒ
ドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5
−sec−ブチルベンジル〕イソシアヌラート、トリス
〔2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリ
ル)−5−tert−ブチルベンジル〕イソシアヌラー
ト、トリス〔2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾ
トリアゾリル)−5−tert−アミルベンジル〕イソ
シアヌラート、トリス〔2−ヒドロキシ−3−(2−2
H−ベンゾトリアゾリル)−5−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)ベンジル〕イソシアヌラート等が挙げ
られる。勿論、これらに限られるものではなく、また必
要に応じて二種以上を併用することもできる。なかで
も、R1で示されるアルキル基がC1〜C4のアルキル基
である化合物が特に好ましい。
【0015】かかるベンゾトリアゾール化合物は微粉砕
して感熱記録層あるいは保護層中に添加されるのが好ま
しく、微粉砕の方法としては、一般に水を分散媒体と
し、分散剤や消泡剤等の添加剤を必要に応じて添加し
て、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・
粉砕機により分散する方法が挙げられる。微粉砕化され
たベンゾトリアゾール化合物の平均粒子径は2.0μm以
下が好ましく、とりわけ0.5μm以下にすることによ
り、紫外線の吸収効率が著しく向上するだけでなく、こ
の粒径のものを保護層に添加した場合には、記録画像を
殆ど隠蔽しないため、鮮明な記録像が得られ、加えて保
護層の成膜性が向上するため耐薬品性にも優れた改善効
果が得られる。
【0016】本発明が適用される電子供与性化合物と電
子受容性化合物との発色反応を利用した感熱記録方式と
しては、例えばロイコ染料と呈色剤との組合わせ、ジア
ゾニウム塩とカプラーとの組合わせ、鉄などの遷移元素
の有機酸塩とキレート試薬との組合わせ、芳香族イソシ
アネート化合物とイミノ化合物との組合わせなどが挙げ
られるが、ロイコ染料と呈色剤との組合わせが発色濃度
および記録感度にも優れているため、以下ロイコ染料と
呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体について詳細
に述べる。
【0017】ロイコ染料としては、各種公知のロイコ染
料が使用でき、その具体例としては、例えば3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラク
タム、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチル
フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−
n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロロフ
ェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒド
ロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−
メチル−7−m−トルイジノフルオラン、3−(N−エ
チル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プ
ロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1
−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イ
ル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(4
−ジメチルアミノフェニルアミノ)−5,7−ジメチル
フルオラン、3−(4−ジブチルアミノフェニルアミ
ノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4
−アザフタリドなどが挙げられる。勿論、これらに限定
されるものではなく、また必要に応じて二種以上を併用
することもできる。ロイコ染料の使用量としては特に限
定されないが、感熱記録層に対して5〜40重量%程度
が好ましい。
【0018】ロイコ染料と併用される呈色剤についても
各種公知のものが使用でき、その具体例としては4,4'
−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4−ヒド
ロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニル
スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジル
オキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニ
ル−4'−メチルフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニルチオエトキシ)メタン、1,4−ビス〔α
−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕
ベンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4'−ヒド
ロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、ジ(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニルチオエチル)エーテルなどフェノール性化合物、
N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレアなどのチオ
尿素化合物、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−(2−p−
メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸亜鉛、4−
〔3−(p−トリルスルホニル)プロポキシ〕サリチル
酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエト
キシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、4−オクチルオキシカ
ルボニルアミノサリチル酸亜鉛などの芳香族カルボン酸
の亜鉛塩、その他、N−(p−トリルスルホニル)−
N'−フェニルウレア、4,4'−ビス(p−トリルスル
ホニル尿素)ジフェニルメタン等の有機酸性物質等が挙
げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、ま
た必要に応じて二種以上を併用することもできる。かか
る呈色剤のなかでも、下記一般式(2)で表されるジフ
ェニルスルホン誘導体を用いた場合、記録像の保存性に
優れた感熱記録体が得られるため、好ましく用いられ
る。
【0019】
【化5】 〔式中、R2、R3はそれぞれC1〜C4のアルキル基、C
2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシル基、ベ
ンジルオキシ基、またはハロゲン原子を示す。mは0〜
2の整数、nは1〜3の整数、p、qはそれぞれ0〜2
の整数を示す。〕
【0020】かかる呈色剤のなかでも4−ヒドロキシ−
4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンまたは2,
4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた場合、
特に記録像の保存性に優れた感熱記録体が得られるため
好ましい。ロイコ染料と呈色剤の使用比率は、用いるロ
イコ染料や呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので
あり、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料
100重量部に対して50〜500重量部、好ましくは
100〜300重量部程度の呈色剤が使用される。
【0021】更に、特定のベンゾトリアゾール化合物を
かかる感熱記録層中に含有させる場合、その使用比率に
ついては特に限定するものではないが、一般にロイコ染
料100重量部に対して10〜500重量部、好ましく
は20〜200重量部程度である。更に、感熱記録層に
は記録感度を高めるために増感剤、記録像の経時的保存
性を高めるために保存性改良剤を含有させることもでき
る。
【0022】増感剤の具体例としては、例えばステアリ
ン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベ
ンズアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレ
ンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン
酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキ
シ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、
m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ
−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベン
ジル、p−ベンジルビフェニル、ジ(p−メトキシフェ
ノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェ
ノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシエ
タン)、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシ
フェノキシ)−2−(3−メトキシフェノキシ)エタ
ン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4
−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−ビフェニル−p−ト
リルエーテル、N−アセトアセチル−p−トルイジン、
ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニ
ルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニ
ル−2−フェニルエタン、1−フェノキシ−2−(2−
ナフトキシ)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)
プロパン、1−(2−ナフトキシ)−2−(4−メチル
フェノキシ)エタン等が挙げられる。かかる増感剤のな
かでも1−フェノキシ−2−(2−ナフトキシ)エタ
ン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパン、1−
(2−ナフトキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エ
タン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルまたはシュウ酸
ジ−p−クロロベンジルを用いた場合、特に高温下での
地肌部の保存性に優れた感熱記録体が得られるので、好
ましく用いられる。
【0023】保存性改良剤の具体例としては、例えば
2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル
−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビ
ス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)ブタン、4,4'−チオビス(3−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ジヒドロキ
シ−3,3',5,5'−テトラメチルジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパンなどのヒンダードフェ
ノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、
4,4'−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−
ベンジルオキシ−4'−(2−メチルグリシジルオキ
シ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂などのエポキシ化合物、その他N,N'−ジ−2−ナフ
チル−p−フェニレンジアミン、2,2'−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイ
トのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレン
イミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられ
る。なかでも1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンは耐水性
の改良に優れた効果を発揮し、また地肌カブリを起こし
にくいため好ましく用いられる。増感剤および保存性改
良剤の使用量は特に限定されないが、一般に呈色剤10
0重量部に対して400重量部以下の範囲で調節するの
が望ましい。
【0024】これらの物質を含む感熱記録層用塗液は、
一般に水を分散媒体とし、分散剤や消泡剤等の添加剤を
必要に応じて添加して、ボールミル、アトライター、サ
ンドミル等の撹拌・粉砕機によりこれらの物質を一緒に
又は別々に分散したものを混合撹拌して調製される。感
熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、デンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ア
ラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変
性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビ
ニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ジ
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重
合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・
ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの少なくとも
一種が、感熱記録層の全固形量に対して10〜40重量
%程度、より好ましくは15〜30重量%の範囲で配合
される。
【0025】また、塗液中には必要に応じて各種の助剤
を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、
脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバ
ロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワッ
クス類、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、焼成カオリン、二酸化チタン、無
定形シリカ等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナ
イロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマ
リン樹脂フィラー、生デンプン粒子などの有機顔料等、
その他、消泡剤、蛍光染料、着色染料等が適宜添加され
る。
【0026】感熱層記録層の形成方法については特に限
定されず、例えばエアーナイフコーティング、バリバー
コーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッド
ブレードコーティング、ショート・ドウェルコーティン
グ、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当
な塗布方法により感熱記録層用塗液を支持体上に塗布・
乾燥する等の方法で形成される。塗液の塗布量も特に限
定されず、通常は乾燥重量で2〜12g/m2、好ましく
は3〜10g/m2程度の範囲で調節される。なお、支持
体としては、紙(酸性紙、中性紙)、プラスチックフィ
ルム、合成紙、不織布、金属蒸着シート等のうちから適
宜選択して使用される。
【0027】特定のベンゾトリアゾール化合物を保護層
中に含有させる場合、その含有量については、特に限定
するものではないが、保護層の全固形量に対して1〜5
0重量%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜40
重量%の範囲である。なお、かかる特定のベンゾトリア
ゾール化合物が保護層の全固形量に対して1重量%未満
になると記録像の耐光性が低下し、50重量%を越える
と保護層の成膜性が低下して記録像の耐薬品性が低下す
る恐れがある。
【0028】保護層中には、更に水溶性または水分散性
のバインダーが含有されるが、かかるバインダーとして
は、前記の感熱記録層に使用される各種バインダー類が
使用される。なお、そのなかでもカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニル
アルコールおよびケイ素変性ポリビニルアルコールは、
保護層としての作用効果に優れているため好ましく用い
られる。なかでも、アセトアセチル基変性ポリビニルア
ルコールは、耐薬品性、および保護層の耐水性を容易に
高めることができるため好ましい。アセトアセチル基変
性ポリビニルアルコールは、重合度200〜2000程
度のポリビニルアルコールをアセト酢酸エステル化した
ものである。ポリビニルアルコールのアセト酢酸エステ
ル化は、ポリビニルアルコール系樹脂にジケテンを付加
するか、アセト酢酸エステルをエステル交換する方法が
ある。バインダーの含有量は、保護層の全固形量に対し
て15〜80重量%程度が望ましい。
【0029】保護層中には、印刷適性やスティッキング
を改善するために、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、
酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化
アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレ
ー、コロイダルシリカなどの無機顔料やスチレンマイク
ロボール、ナイロンフィラー、尿素・ホルマリン樹脂フ
ィラー、生デンプン粒子などの有機顔料等を必要に応じ
て配合することができる。なお、このような顔料の配合
量はバインダー類100重量部に対して5〜500重量
部程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0030】更に、保護層用塗液中には、必要に応じて
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチ
レンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エ
ステルワックスなどの滑剤、ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウムなどの界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡
剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウムなどの水溶性多
価金属塩などの各種助剤を適宜添加することもできる。
また、耐水性を一層向上させるためにグリオキザール、
ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、エポキシ系化合物など
の硬化剤を使用することもできる。
【0031】保護層用塗液の調製方法については特に限
定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、水性バ
インダーの他に、必要に応じて添加される前記特定のベ
ンゾトリアゾール化合物、顔料および滑剤などを混合し
て調製される。保護層の形成方法については特に限定さ
れず、例えば前記の如き各種の適当な塗布方法により保
護層用塗液を感熱記録層上に塗布・乾燥するなどの方法
で形成される。また、保護層用塗液の塗布量が乾燥重量
15g/m2を越すと感熱記録体の記録感度が低下する恐
れがあるため、一般には0.5〜15g/m2、好ましくは
1〜7g/m2程度の範囲で調整される。
【0032】なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側に
も保護層を設け、一層保存性を高めることも可能であ
る。更に、支持体と感熱記録層との間に下塗り層を設け
たり、各層塗抹後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑
化処理を施したり、あるいは記録体裏面に粘着剤処理を
施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗
被層さらには熱転写記録層を設けるなど、感熱記録体製
造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得
るものである。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」及び「%」は、特に断わらない限りそ
れぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0034】合成例1トリス〔2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリ
アゾリル)−5−メチルベンジル〕イソシアヌラートの
合成 2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリ
ル)−5−メチルベンジルクロライド50.0g、シアヌ
ル酸7.8gをN,N−ジメチルホルムアミド350mlに
溶解し、65〜70℃において28%ナトリウムメトキ
シド35.2gを添加し、その後同温で3時間反応させ
た。生じた微黄色沈澱をろ取し、N,N−ジメチルホル
ムアミド、水で洗浄後減圧乾燥して融点318〜320
℃の微黄色粉体36.9gを得た。収率は72%であっ
た。この粉体の1H−NMR分析の結果は以下の通りで
あった。1 H−NMR (CDCl3) δppm 2.32(s,9H),5.35(s,6
H),7.10(d,3H,J=2Hz),7.44〜7.
50(m,6H),7.86〜7.92(m,6H),
8.15(d,3H,J=2Hz),11.56(s,3
H) また、IR分析(KBr錠剤法)の結果は以下の通りで
あった。 3080cm-1(O−H伸縮) 2950,2910,2850cm-1(C−H伸縮) 1700cm-1(C=O伸縮) 1450cm-1,740cm-1 元素分析の結果は以下の通りであった。 実測値:C 63.9% H 4.3% N 19.0% 計算値:C 64.3% H 4.3% N 20.0%
【0035】合成例2トリス〔2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリ
アゾリル)−5−tert−ブチルベンジル〕イソシア
ヌラートの合成 2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリ
ル)−5−メチルベンジルクロライド50.0gの代りに
2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリ
ル)−5−tert−ブチルベンジルクロライド 57.
5gを原料として合成例1と同様に反応させた。次い
で、反応混合物を水中に注ぎ、生じた沈殿を濾取し、
水、エタノールで洗浄後減圧乾燥して融点208〜21
0℃の微黄色粉体39.7gを得た。収率は68%であっ
た。この粉体の1H−NMR分析の結果は以下の通りで
あった。1 H−NMR (CDCl3) δppm 1.23(s,27H),5.36(s,6
H),7.35(d,3H,J=2Hz),7.42〜7.
49(m,6H),7.92〜7.84(m,6H),
8.32(d,3H,J=2Hz),11.54(s,3
H) IR分析(KBr錠剤法)の結果は以下の通りであっ
た。 3120cm-1(O−H伸縮) 2950,2900,2860cm-1(C−H伸縮) 1700cm-1(C=O伸縮) 1450cm-1,740cm-1 元素分析の結果は以下の通りであった。 実測値:C 66.5% H 5.6% N 16.7% 計算値:C 67.1% H 5.6% N 17.4%
【0036】実施例1 (1)A液の調製 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン10部、1,2−ビス(3−メチルフェノキ
シ)エタン20部、メチルセルロースの5%水溶液10
部、および水50部からなる組成物をサンドミルで平均
粒径が1.2μmになるまで粉砕した。 (2)B液の調製 4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスル
ホン20部、メチルセルロースの5%水溶液10部、お
よび水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径
が1.2μmになるまで粉砕した。 (3)C液の調製 トリス〔2−ヒドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリ
アゾリル)−5−メチルベンジル〕イソシアヌラート1
0部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および水1
5部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.4
μmになるまで粉砕した。 (4)感熱記録層の形成 A液90部、B液60部、ポリビニルアルコールの10
%水溶液80部および炭酸カルシウム35部を混合撹拌
して得られた塗液を、60g/m2の上質紙の片面に乾燥
後の塗布量が6g/m2となるように塗布乾燥して感熱記
録層を形成した。 (5)保護層の形成 C液30部、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコー
ル〔商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化
学社製〕の10%水溶液125部、カオリン〔商品名:
UW−90、EMC社製〕29部、ステアリン酸亜鉛の
30%水分散液6部および水30部からなる組成物を混
合撹拌して得られた塗液を上記感熱記録層上に乾燥後の
塗布量が5g/m2となるように塗布乾燥した後、スーパ
ーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
【0037】実施例2 実施例1のC液調製においてトリス〔2−ヒドロキシ−
3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−メチルベ
ンジル〕イソシアヌラートの代わりに、トリス〔2−ヒ
ドロキシ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5
−tert−ブチルベンジル〕イソシアヌラートを用い
た以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】実施例3 実施例1のA液調製において、3−ジ−n−ブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに、
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオランを用いた以外は実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。
【0039】実施例4 実施例1のA液調製において、3−ジ−n−ブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに、
3−(4−ジメチルアミノフェニルアミノ)−5,7−
ジメチルフルオランを用いた以外は実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。
【0040】実施例5 実施例1のB液調製において、4−ヒドロキシ−4'−
イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに、ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用
いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】実施例6 実施例1のB液調製において、4−ヒドロキシ−4'−
イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに、2,4'
−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は実施
例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0042】実施例7 実施例1のB液調製において、4−ヒドロキシ−4'−
イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに、4,4'
−イソプロピリデンジフェノールを用いた以外は実施例
1と同様にして感熱記録体を得た。
【0043】実施例8 実施例1のC液調製において、平均粒子径が0.4μmに
なるまで粉砕する代わりに、平均粒子径が1.5μmにな
るまで粉砕した以外は実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0044】実施例9 実施例1の感熱記録層の形成において、感熱記録層用塗
液中に更にC液60部を添加して感熱記録層を形成し、
一方、保護層の形成においてC液を使用しないで保護層
を形成した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0045】比較例1 実施例1の保護層の形成においてC液を使用しない以外
は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0046】比較例2 実施例1のC液調製において、トリス〔2−ヒドロキシ
−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−メチル
ベンジル〕イソシアヌラートの代わりに、2−(2'−
ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ルを用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0047】比較例3 実施例1のC液調製において、トリス〔2−ヒドロキシ
−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−メチル
ベンジル〕イソシアヌラートの代わりに、2,2'−メチ
レンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
−6−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)フェノール〕
を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0048】かくして得られた感熱記録体について、以
下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0049】〔発色性〕感熱評価機〔商品名:TH−P
MD、大倉電気社製〕を用い、印加エネルギー0.45
mj/dotにて各感熱記録体を全面発色させ、得られ
た記録像の発色濃度と未記録部の濃度をマクベス濃度計
〔RD−914型、マクベス社製〕でビジュアルモード
にて測定した。
【0050】〔記録像の鮮明さ〕上記発色性の評価で得
られた記録像の鮮明さ(画質)を目視判定した。なお、
この鮮明さは概ね、白化現象や紫外線吸収剤微粒子表面
での光散乱に起因する画像の曇りの大小を反映している
と思われる。 評価基準 ◎:記録画像が非常に鮮明である。 ○:記録画像が鮮明である。 △:記録画像が少し不鮮明である。 ×:記録画像が不鮮明である。
【0051】〔耐光性〕上記発色性の評価で記録した感
熱記録体を光源:キセノン、63℃、50%RHの条件
に設定したウェザーメーター(商品名:SUNSHIN
E XENONLONG LIFE WEATHER
METER、スガ試験機社製)中に24時間放置した
後、その未記録部および記録像の濃度をマクベス濃度計
を用い、未記録部はブルーフィルターモードにて、また
記録像はビジュアモードにて測定した。
【0052】〔耐可塑剤性〕ポリカーボネートパイプ
(40mmφ管)上にラップフィルム〔商品名:KMA−
W、三井東圧化学社製〕を3重に巻き付け、その上に上
記発色性の評価で記録した感熱記録体を置き、さらにそ
の上にラップフィルムを3重に巻き付け、40℃で24
時間放置した後の記録像濃度をマクベス濃度計(ビジュ
アルモード)にて測定し、耐可塑剤性を評価した。
【0053】〔耐油性〕上記発色性の評価で記録した感
熱記録体上に食用油を塗布し、室温で8時間放置した後
の記録像濃度をマクベス濃度計(ビジュアルモード)に
て測定し、耐油性を評価した。
【0054】〔耐溶剤性〕エタノールをしみ込ませたガ
ーゼで記録紙の表面を拭き、カブリの濃度をマクベス濃
度計(ビジュアルモード)にて測定し耐溶剤性を評価し
た。
【0055】〔ヘッドマッチング性〕上記発色性の評価
で連続200mm記録した後のサーマルヘッドの汚れ具合
い(ヘッドカス)を下記の如く目視評価した。 評価基準 ◎:ヘッドカス全く無し。 ○:ヘッドカス若干あるが、実用上問題なし。 ×:ヘッドカスやや多い。
【0056】
【表1】
【0057】実施例10 実施例1の感熱記録層の形成において、感熱記録層用塗
液中に更にC液60部を添加した以外は実施例1と同様
に塗液を調製し、得られた塗液を60g/m2の上質紙の
片面に乾燥後の塗布量が6g/m2となるように塗布乾燥
し、次いでスーパーカレンダー処理を行い、保護層のな
い感熱記録体を得た。
【0058】実施例11 実施例10のA液調製において1,2−ビス(3−メチ
ルフェノキシ)エタンの代わりに1−フェノキシ−2−
(2−ナフトキシ)エタンを用いた以外は実施例10と
同様にして保護層のない感熱記録体を得た。
【0059】実施例12 実施例10のA液調製において1,2−ビス(3−メチ
ルフェノキシ)エタンの代わりに1,3−ビス(2−ナ
フトキシ)プロパンを用いた以外は実施例10と同様に
して保護層のない感熱記録体を得た。
【0060】実施例13 実施例10のA液調製において1,2−ビス(3−メチ
ルフェノキシ)エタンの代わりに1−(2−ナフトキ
シ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタンを用いた以
外は実施例10と同様にして保護層のない感熱記録体を
得た。
【0061】実施例14 実施例10のA液調製において1,2−ビス(3−メチ
ルフェノキシ)エタンの代わりにシュウ酸ジ−p−メチ
ルベンジルとシュウ酸ジp−クロロベンジルの1:1混
合物を用いた以外は実施例10と同様にして保護層のな
い感熱記録体を得た。
【0062】比較例4 実施例10のC液調製において、トリス〔2−ヒドロキ
シ−3−(2−2H−ベンゾトリアゾリル)−5−メチ
ルベンジル〕イソシアヌラートの代わりに、2−(2'
−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ールを用いた以外は実施例10と同様にして保護層のな
い感熱記録体を得た。
【0063】かくして得られた感熱記録体について、以
下の評価試験を行い、その結果を表2に記載した。 〔発色性〕前記の方法と同様に評価した。 〔記録像の鮮明さ〕前記の方法と同様に評価した。 〔耐光性〕ウェザーメーターの処理時間を16時間とし
た以外は前記の方法と同様に評価した。 〔未記録部の耐熱性〕記録前の感熱記録体を、80℃の
乾燥機中に24時間放置後、濃度をマクベス濃度計(ビ
ジュアルモード)にて測定した。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】表1の結果から明らかな様に、本発明の
感熱記録体は、記録部および未記録部の耐光性に優れる
のみならず、発色性、記録像の鮮明さ、耐可塑剤性、耐
油性および耐溶剤性にも優れ、しかもヘッドマッチング
性も兼ね備えた優れた感熱記録体であった。また、表2
の結果から明らかな様に、本発明の感熱記録体は、記録
部および未記録部の耐光性に優れるのみならず、発色
性、記録像の鮮明さに優れ、しかも高温環境下での地肌
カブリが極めて少ない感熱記録体であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるベンゾトリアゾ
    ール化合物。 【化1】 〔式中、R1はC1〜C8のアルキル基を示す。〕
  2. 【請求項2】 支持体上に、電子供与性化合物と電子受
    容性化合物とを含有する感熱記録層、および必要により
    保護層を順次設けた感熱記録体において、感熱記録層及
    び保護層の少なくとも一方に上記一般式(1)で表され
    るベンゾトリアゾール化合物の少なくとも一種を含有さ
    せたことを特徴とする感熱記録体。
  3. 【請求項3】 電子受容性化合物が下記一般式(2)で
    表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも一種で
    ある請求項2記載の感熱記録体。 【化2】 〔式中、R2、R3はそれぞれC1〜C4のアルキル基、C
    2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシル基、ベ
    ンジルオキシ基、またはハロゲン原子を示す。mは0〜
    2の整数、nは1〜3の整数、p、qはそれぞれ0〜2
    の整数を示す。〕
  4. 【請求項4】 電子受容性化合物が4−ヒドロキシ−
    4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−
    アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン又は2,4'
    −ジヒドロキシジフェニルスルホンである請求項2記載
    の感熱記録体。
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JP2002200847A (ja) * 2000-10-24 2002-07-16 Oji Paper Co Ltd 感熱記録体
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