JPH1036088A - コンテナーの昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンテナーを昇降させるコンテナー昇降装置
を移動させることができるようにする。 【解決手段】 水平な基板１上面にコンテナーＡの両側
に位置されるコンテナー支持台４を複数配設し、該各コ
ンテナー支持台４にはコンテナーＡの下面を受け止め油
圧シリンダー６等の適宜駆動手段により上下動し得る受
止板１８を装着し、トレーラーＴに乗載され各コンテナ
ー支持台４間に引き込まれたコンテナーＡを各受止板１
８の作動によって基板１上面に置くようにしたコンテナ
ーの昇降装置Ｓであって、適宜場所への移動が可能な移
動手段２８を備えた構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一定規格に形成さ
れた貨物輸送用容器いわゆるコンテナーから積載された
荷を運び出すため、該コンテナーをトレーラーから降ろ
しまたは載せ、しかも自由に移動できるコンテナーの昇
降装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のコンテナーは、大量の荷物を効
率よく輸送するために開発されたものであり、大型のコ
ンテナーは、高さ２９０ｃｍ，巾２４０ｃｍ，長さ１２
００ｃｍ，内容積７６．３ｍ³，コンテナー重量３９０
０〜４０００ｋｇというサイズを有し、総重量は３０ｔ
にまで達する。

【０００３】そこで、例えば倉庫にトレーラーで運ばれ
て来たコンテナーから、該コンテナーに積載される荷物
を降す場合、大型のクレーンで一旦コンテナーを吊り下
げて地面上に設置し、次いでフォークリフトなどを使っ
てコンテナー内の荷物を運び出し、所定の位置へ荷積み
するようにしている。コンテナー内の荷物を運び終る
と、コンテナーは再びクレーンで吊り上げられトレーラ
ーに乗載して輸送される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、特に大型
のコンテナーの場合、これを吊り上げ得る大型のクレー
ンが必要となることから、設備費が嵩むばかりか広い敷
地面積が要求され、一般の狭い倉庫等ではこの大型の設
備は採用しずらいといった課題が有った。

【０００５】また、大型のクレーンはその移動範囲が決
まっており、しかもクレーン自体を自由に移動させるこ
とも不可能であることから、必然的にコンテナーの設置
場所が制約される。よって、荷積みする場所がコンテナ
ーから離れていると、コンテナーから荷積み場所までの
間をフォークリフトで何度も往復して荷物を運ばねばな
らず、作業性が悪いといった課題が有った。そこで、本
発明は上記課題を解決すべくなされたもので、全体的に
小型にすることにより設備費を軽減できると共に、移動
自在にすることにより荷積み場所の近くにコンテナーを
設置でき、その作業能率の向上を図ることができるコン
テナーの昇降装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明に係るコンテナーの昇降装置は、水平な基板上
面にコンテナーの両側に位置されるコンテナー支持台を
複数配設し、該各コンテナー支持台にはコンテナーの下
面を受け止め油圧シリンダー等の適宜駆動手段により上
下動し得る受止部材を装着し、トレーラーに乗載され各
コンテナー支持台間に引き込まれたコンテナーを各受止
部材の作動によって基板上面に置くようにしたコンテナ
ーの昇降装置であって、適宜場所への移動が可能な移動
手段を備えた構成からなる。

【０００７】このような構成とすることにより、コンテ
ナーの昇降装置が全体的に小型化でき、設備費が軽減さ
れると共に狭い場所でも設置可能となる。また、移動手
段を備えることにより、荷積み場所の近くまでコンテナ
ーの昇降装置が移動できるので、荷降し作業が格段にス
ピーディとなり、作業能率の向上が図られる。

【０００８】また、移動手段は、車輪が基板の裏側へ出
没自在に可動し得ることが好ましい。そこで、車輪を収
縮させると昇降装置が地面上に接地され、該昇降装置の
設置状態が安定する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンテナーの
昇降装置の実施の形態を図面と共に説明する。図１はコ
ンテナーの昇降装置（以下単に昇降装置という。）Ｓを
地面上に設置した状態の斜視図、図２はその正面図であ
る。図において１は左右の縦板２，２とその間に配設さ
れる横板３，３とにより長方形の枠状に形成される水平
な基板であり、左右の縦板２，２の両端上面に後記する
コンテナーＡの前後両側にほぼ対応位置する直立型鋼製
のコンテナー支持台４が１個ずつ配設される。前後の各
コンテナー支持台４，４の間隔はコンテナーＡを載置す
るトレーラーＴの横巾より所要巾広い寸法に設定され、
また、その高さは荷台Ｄの上面より高くしてある。

【００１０】前記各コンテナー支持台４には図３に示す
ように縦板２上面に上方へ進退自在に突出するプランジ
ャー５を備えた油圧シリンダー６が立設され、プランジ
ャー５の上端に鎖車７が軸支されている。また、コンテ
ナー支持台４の上部に支持板８が設けられ、該支持板８
にチェン１０の一端を止着した支持金具９が装着され、
さらに該支持板８に鎖車１１が軸支１２される。そし
て、前記チェン１０を鎖車７及び１１を経由してコンテ
ナー支持台４の内側面沿いに垂下させ、該チェン１０の
先端に受止部材１３が装着されている。この受止部材１
３は上下両端に水平な支持板部１５，１６を設けた支持
板１４と後記する受止板１８とからなり、垂直な支持板
１４をコンテナー支持台４の内側面に設けた凹溝状のレ
ール部材１７に嵌挿させ、進退するプランジャー５の動
作に伴い上下動するようにしている。

【００１１】１８は側面ほぼＬ形状に形成される受止板
であり、その垂直状をなす基端側に立設された軸受筒１
９が支持板部１５，１６間に立設した縦軸２０に枢軸さ
れて図４に示すように受止板１８を水平面内で回動自在
なるようにしている。さらに、軸受筒１９と一体的に設
けた上板部２１に縦孔２２が設けられ、また支持板部１
５には該縦孔２２と連通し得る縦孔２３が設けられる。
そして、縦孔２２に支持板部１５の上面から縦孔２３を
介してピン２４を抜脱自在に挿通することにより受止板
１８の回動を規制するようにしている。受止板１８には
コンテナーＡの下面を受け止める受止面１８ａが形成さ
れ、該受止面１８ａは、上昇したときトレーラーＴの荷
台Ｄの上面より上方に位置し、かつ下降したとき図３に
示すように基板１すなわち、縦板２の上面より下方に位
置するようになっている。２５は縦板２に開設され受止
板１８が嵌入する角孔２５である。

【００１２】前記基板１には各横板３，３の外側端寄り
に、各コンテナー支持台４より内側に位置して方形の通
孔２６が設けられると共に、該通孔２６の上方に該通孔
２６を覆う所定高さの箱枠２７が跨設される。そして、
該箱枠２７に移動手段２８が設けられている。該移動手
段２８は図５に示すように箱枠２７の上面に油圧シリン
ダー２９が固着される。該油圧シリンダー２９から下方
へ突出するロッド３０の先端に支持金具３１が設けら
れ、該支持金具３１の下端に車輪３２が軸装されてい
る。

【００１３】そして、油圧シリンダー２９のロッド３０
を収縮させた状態では、図５に示すように車輪３２が通
孔２６内に留置され、昇降装置Ｓが地面上に設置され
る。また、ロッド３０を伸長させた状態では、図６に示
すように車輪３２が横板３の下面より下方へ突出して車
輪３２の下端が接地し、昇降装置Ｓが地面より浮上して
移動できるようになる。３３はその上端を支持金具３１
の一側に軸装したブレーキ部材であり、レバー３４を操
作することで車輪３２の周面に摺接しその回転を止めさ
せる役目をする。これにより、地面が傾斜していても昇
降装置Ｓが無用に動くことがなくなる。３５は各コンテ
ナー支持台４の上端に設けた非常ランプであり、コンテ
ナーＡの昇降時に警報音と共に発光して周囲の作業者に
危険を知らせ注意を促すようにしている。

【００１４】コンテナーＡは、図９に示すように一側面
ａと前面ｂの中央とにそれぞれ荷物を出し入れするため
の第１出入口ｃ，第２出入口ｄを設けると共に各出入口
ｃ，ｄに観音開き式の扉ｅ，ｅ及びｆ，ｆを開閉自在に
装着して形成されている。

【００１５】本発明のコンテナーの昇降装置Ｓは上記構
成からなり、先ず、各油圧シリンダー２９を作動させて
車輪３２を下げ、図６及び図７のように基板１の下面に
突出させて昇降装置Ｓを荷積みする所望の位置へ移動さ
せる。そして、各車輪３２を図２及び図５のように基板
１内へ引っ込めさせ基板１を地面に設置する。次に、各
コンテナー支持台４における受止板１８を少し上昇さ
せ、さらに受止板１８を図４鎖線位置で停止させてお
く。このように受止板１８をコンテナー支持台４に沿っ
て回動させておくことにより、トレーラーＴの侵入に対
し受止板１８が邪魔になることがない。この状態で、図
１０に示すように両コンテナー支持台４，４間にコンテ
ナーＡを乗載したトレーラーＴを引き込み停止させる。
そして、各受止板１８を図４実線位置へ回動させると共
に両縦孔２２，２３にピン２４を挿通して固定させる。
このとき受止面１８ａがコンテナーＡの下面内側に入
る。更に、図１１に示すように受止面１８ａをコンテナ
ーＡの下面に配した状態で油圧シリンダー６を作動させ
受止板１８を上動させる。

【００１６】これに伴ないコンテナーＡが荷台Ｄから浮
上する。そこで、この状態を維持したままトレーラーＴ
を移動させる。次に、前記各油圧シリンダー６を作動さ
せて受止板１８を下動させると共に縦板２に設けた角孔
２５内に収納させる。これにより図１２に示すようにコ
ンテナーＡの設置が完了する。受止板１８の受止面１８
ａが基板１の上面より下方に位置し得るので、コンテナ
ーＡが基板１上面に置かれ安定し、かつフォークリフト
の出入も楽になる。このようにコンテナーＡが設置され
た後に扉ｅ，ｆを開いてフォークリフトなどでコンテナ
ー内の荷物を運び所定位置に荷積みする。荷物を運び出
した空のコンテナーＡは、再び油圧シリンダー６を作動
させて持ち上げ、更にトレーラーＴを引き入れ乗載して
移動させる。

【００１７】次に、新しく荷が積み込まれたコンテナー
Ａを倉庫や工場等の他の場所に配置して荷積みしたいと
きは、前記昇降装置Ｓの各移動手段２８の油圧シリンダ
ー２９を作動させ車輪３２を下方へ押し下げて昇降装置
Ｓを移動可能とする。そして、フォークリフト等で牽引
して他の場所へ移動させる。次いで、各車輪３２を引き
上げて昇降装置Ｓを地面上に設置させる。その後は、前
記と同様の作業が行なわれる。なお、本発明にあっては
移動手段として車輪を用いたが、これに限られるもので
はなく他に空気膜原理を利用して昇降装置を浮上させる
ようにしても良い。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係るコンテナ
ーの昇降装置は、トレーラーに載置されるコンテナーを
コンテナー支持台の受止板により基板上面にそのまま下
降させて置くようにしたので、コンテナーの設置作業が
簡単に行なえ、しかも昇降装置が全体的に一般のクレー
ンに比べ小型化できるので狭いスペースにも置くことが
でき至便であり、製作コストも極めて低廉になし得る。

【００１９】また、移動手段として車輪を下げ接地させ
れば昇降装置を浮上させて動かすことができるから、コ
ンテナーに積み込まれた荷物を倉庫や工場内の荷積みす
るのに都合のよい所望場所に、たとえ狭いスペースであ
っても昇降装置を自由に移動でき、荷物の運搬距離も少
なくて効率よく運び出すことができる等、荷物の運搬の
効率化と共に物流コストの低減にも寄与することができ
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるコンテナーの昇降装置を地面上
に設置した状態を示す斜視図。

【図２】同正面図。

【図３】コンテナー支持台の側面断面図。

【図４】同上平面断面図。

【図５】移動手段の断面図。

【図６】作用を示す移動手段の断面図。

【図７】図６に対応する図１の正面図。

【図８】同側面図。

【図９】コンテナーの斜視図。

【図１０】コンテナーの昇降装置にコンテナーを乗載し
たトレーラーを引き入れた状態の平面図。

【図１１】同側面断面図。

【図１２】コンテナーの昇降装置にコンテナーを載置し
た状態の斜視図。

【符号の説明】

１ 基板 ４ コンテナー支持台 ６ 油圧シリンダー １８ 受止板 １８ａ 受止面 ２８ 移動手段 Ａ コンテナー Ｔ トレーラー Ｓ コンテナーの昇降装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平な基板上面にコンテナーの両側に位
   置されるコンテナー支持台を複数配設し、該各コンテナ
   ー支持台にはコンテナーの下面を受け止め油圧シリンダ
   ー等の適宜駆動手段により上下動し得る受止部材を装着
   し、トレーラーに乗載され各コンテナー支持台間に引き
   込まれたコンテナーを各受止部材の作動によって基板上
   面に置くようにしたコンテナーの昇降装置であって、適
   宜場所への移動が可能な移動手段を備えたことを特徴と
   するコンテナーの昇降装置。
2. 【請求項２】 移動手段は、車輪が基板の裏側へ出没自
   在に可動し得るように設けられた請求項１記載のコンテ
   ナーの昇降装置。