JPH08282784A - コンテナーの据置構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トレーラーに載置したコンテナーを接地面上
に設置して倉庫として使用し、又空になったコンテナー
を交換するに際しコンテナーを支持させるべく地面に複
数配設させるコンテナー支持台を設置して用が足せるよ
うにする。 【構成】 直方体形状をなすコンテナーＡをその両側か
ら支持する複数のコンテナー支持台６を接地面Ｅに配設
し、該各コンテナー支持台６には油圧シリンダ９等の適
宜駆動手段により上下動してコンテナーＡの下面を支承
すると共にその受止面が接地面Ｅより下側に下降し得る
受止部材１５を装着し、トレーラーＴに載置され各コン
テナー支持台６間に引き込まれたコンテナーＡを各受止
部材１５の作動によって前記接地面Ｅ上に設置させるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一定規格に形成された
貨物輸送用容器，所謂コンテナーを輸送し、かつ荷物を
収容し倉庫として使用するようにしたコンテナーの据置
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のコンテナーは、大量の荷物を目
的地へ効率よく輸送するために開発されたものである。
そこで、大型のコンテナーは、例えば高さ２９０ｃｍ，
巾２４０ｃｍ，長さ１２００ｃｍ，内容積７６．３ｍ
³ ，コンテナー重量３９００〜４０００ｋｇというサイ
ズを有し、総重量は３０ｔにまで達する。そして、目的
地ではトレーラーに載置されたコンテナーから、積載さ
れた荷物を総てフォークリフト等で運び出して倉庫に積
み換え、空になったコンテナーをそのまま輸送するよう
にしている。

【０００３】このように目的地では、コンテナーから総
ての荷物を倉庫へ積み換えるという面倒な作業を強いら
れ、特に大型のコンテナーでは荷物も多いことから積み
換えに多くの時間と手間を要していた。しかも、荷物を
保管するための倉庫も必要となり、これらの要因が商品
コストの高騰にもつながるといった課題があった。

【０００４】ただ、前記のように輸送されてきたコンテ
ナーをトレーラーから地面に移し換えて据置し、そのま
ま倉庫として使用することも考えられるが、これには大
型のクレーン等も必要とするので、狭い場所ではスペー
ス上の問題やコスト的な問題もあって実現は困難であっ
た。

【０００５】そこで、本発明は、このようなクレーンを
使用することなく、コンテナーを簡単に地面に移し換え
て据置し、そのまま倉庫として使用できるようにして荷
物を積み換える労力を省き、しかも、コンテナー内の荷
物がなくなった場合に、補充する荷物を満載したコンテ
ナーをトレーラーで輸送し、空になったコンテナーと容
易に交換することができるコンテナーの据置構造を提供
することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明に係わるコンテナーの据置構造は、直方体形
状をなすコンテナーをその両側から支持する複数のコン
テナー支持台を接地面に配設し、該各コンテナー支持台
には油圧シリンダー等の適宜駆動手段により上下動して
コンテナーの下面を受止すると共にその受止面が接地面
より下側に下降し得る受止部材を装着し、トレーラーに
載置され各コンテナー支持台間に引き込まれたコンテナ
ーを各受止部材の作動によって前記接地面上に設置する
ようにした。または、前記コンテナー支持台間の接地面
にコンテナー入れ替え用のレールを導き入れて敷設した
構成よりなる。

【０００７】

【作用】コンテナーを載置したトレーラーを各コンテナ
ー支持台間に引き入れる。そして、コンテナーの両側下
面を各コンテナー支持台に装着した受止部材で受け止め
させた状態で油圧シリンダーを作動しコンテナーを上動
させる。これによりコンテナーがトレーラーの荷台から
浮上するので、この状態でトレーラーを移動させる。次
に前記各シリンダーを作動して各受止部材を最下位置ま
で下降させ、コンテナーを接地面上に設置し、コンテナ
ーをそのまま倉庫として使用する。

【０００８】また、接地面にコンテナー入れ替え用のレ
ールを敷設した場合は、コンテナーが空になったときレ
ール上を摺動させて、各コンテナー支持台間から移動さ
せる。そして、そのコンテナー支持台間に補充する荷物
を収納しているコンテナーを載置したトレーラーを引き
入れ、前記要領により該コンテナーをトレーラーから降
ろして各コンテナー支持台間でレール上に設置する。次
に該コンテナーをレールに沿って移動させ、前記空にな
ったコンテナーと入れ替え、該コンテナーをコンテナー
支持台間に戻してトレーラーに載せて搬出させる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明に係わるコンテナーの据置構造
の一実施例を図面と共に説明する。図１は縦長の直方体
形状に形成される大型のコンテナーＡの斜視図であり、
一端面ａと一側面ｂの中央とにそれぞれ荷物を出し入れ
するための第１出入口１，第２出入口２を設けると共
に、各第１出入口１と第２出入口２とに観音開き式の扉
３，３及び４，４を開閉自在に装着している。

【００１０】図２はコンテナーＡが設置される接地面Ｅ
部位の斜視図であり、５は接地面Ｅにコンクリートを敷
設して形成される水平な基礎地盤であり、その上面にコ
ンテナーＡの四隅角外側にほぼ対応位置させて直型鋼製
のコンテナー支持台６が左右に前後１個ずつ配設され
る。左右の各コンテナー支持台６，６の間隔はコンテナ
ーＡを載置するトレーラーＴの横巾より所要巾広い寸法
に設定され、また、その高さは荷台Ｄの上面より若干高
くしてある。

【００１１】前記各コンテナー支持台６の対向する内側
には図３に示すように基台７上面に上方へ進退自在に突
出するプランジャー８を備えた油圧シリンダー９が立設
され、プランジャー８の上端に鎖車１０を軸支してい
る。また、コンテナー支持台６の内側上部に設けた支持
板１１に止着した支持金具１２にチェン１３の一端を止
着させ、さらに該支持板１１に鎖車１４を軸支させる。
そして前記チエン１３を鎖車１０及び１４を経由してコ
ンテナー支持台６の内側面沿いに垂下させ、該チェン１
３の先端に受止部材１５を装着させている。この受止部
材１５は垂直な支持板１６の上下両端に水平な支持板１
７，１８を固設し、垂直な支持板１６をコンテナー支持
台６の内側面に対設したレール部材１９，１９内に嵌挿
させ、進退するプランジャー８の動作で上下動するよう
にしている。

【００１２】２０は側面ほぼＬ形状に形成される受止板
であり、その垂直状をなす基端側に立設された軸受筒２
１を支持板１７，１８間に立設した縦軸２２に枢軸させ
て図４に示すよう受止部材１５を水平面内で回動自在な
るようにしている。さらに軸受筒２１と一体的に設けた
枠体２３の上端に縦方向のピン孔２４が設けられ、該ピ
ン孔２４に支持板１７の上面から抜脱自在に貫挿するピ
ン２５の下端部を挿入することにより受止板２０の回動
を規制するようにしている。そして、この受止板２０は
コンテナーＡの下面を受止める受止面２０ａが図３に示
すように接地面Ｅの上面より下方に位置するまで下降で
きるように設定されている。

【００１３】本発明のコンテナーの据置構造は上記構成
からなり、先ず各コンテナー支持台６における受止部材
１５の高さを低くし、さらに受止板２０を図４実線位置
から鎖線位置に回動させ、左右に配置された両コンテナ
ー支持台６，６間にコンテナーＡを載置したトレーラー
Ｔを引き込み停止させる。そして、各受止板２０を図４
実線位置へ回動させ、図５，図６に示すように受止面２
０ａをコンテナーＡの下面に配置した状態で油圧シリン
ダー９を作動させ、受止部材１５を上動させる。

【００１４】これに伴い、コンテナーＡが荷台Ｄから浮
上する。そこで、この状態を維持したままトレーラーＴ
を移動させる。次に、前記各油圧シリンダー９を作動さ
せて受止部材１５を下動すると共にその下部を基礎地盤
５に設けた窪部５ａ内に入れ、受止面２０ａが接地面Ｅ
より下側に位置するようにし、コンテナーＡを接地面Ｅ
上に設置する。これにより図７に示すようにコンテナー
Ａの据置が完了し、倉庫としてそのまま使用できるよう
になる。

【００１５】そして、コンテナーＡは一端面ａの第１出
入口１の扉３，３を開放して使用すると共に、一側面ｂ
中央の第２出入口２も図８鎖線に示すように扉４，４を
開放して使用する。このように第２出入口２も使用する
のは、コンテナーＡの長さが１２ｍもあり、第１出入口
１のみでは奥まで行って荷物を運ぶのに面倒で時間が掛
かるからである。

【００１６】ところで、本実施例では前記第２出入口２
の上部に扉４，４の開動作に伴ない前方へ張り出される
庇板３０が装着されている。即ち、図８及び図９に示す
ようにコンテナーＡの天井面Ｃの内側に一対の平行なガ
イドレール３１，３１が横断状に配置され、庇板３０の
両側に取着されるコロ３２が載置される。また、庇板３
０の前端裏面に横溝３３，３３が刻設され、該各横溝３
３，３３に両扉４，４上端から突出するピン３４，３４
が係合している。

【００１７】よって、両扉４，４を開くと、各ピン３
４，３４が横溝３３，３３内を摺動すると共に、庇板３
０が前方へ引き出される。これにより雨を遮ることがで
き至便である。なお、３５，３５はコンテナーＡの他側
面ｄの内側に固着され、シリンダーロッド３６先端が庇
板３０に固着されるアブソーバーであり、両扉４，４の
開閉動作に伴ない庇板３０を前方又は後方へ押すように
作動し、両扉４，４の開閉を容易にしている。

【００１８】このようにしてコンテナーＡを倉庫として
使用するが、コンテナーＡ内の荷物が無くなった場合
は、荷物を満載したコンテナーＡをトレーラーＴで輸送
し、空のコンテナーＡと交換する。このため、通常前記
コンテナー支持台６を配設した接地面Ｅを２面形成して
おく。そして、一方の接地面Ｅの上面に満載されたコン
テナーＡを前記と同様の作業により設置し、他方の空の
コンテナーＡを上昇させておき、その下側にトレーラー
Ｔの荷台Ｄを引き入れ、コンテナーＡを上面に載せて運
び出す。

【００１９】図１０乃至図１２は他の実施例に係るもの
で、この実施例によれば、左右前後に１個ずつ配設され
ている各コンテナー支持台６，６間に図１０に示すよう
にコンテナーＡ入れ替え用の一対をなすレール２６，２
６が敷設される。このレール２６，２６は上面の長手方
向に凹溝を設けて長尺に形成されたレール部材を使用
し、図１１鎖線で示されるコンテナーＡの全長の少なく
とも３倍延設されている。さらに、このレール２６，２
６の中央部位置に、コンテナーＡの全長にほぼ見合う間
隔を離し、かつレール２６，２６と直交するレール２
６′，２６′をコンテナーＡの横幅と略同程度の長さ敷
設している。

【００２０】そこで、本実施例と同様に各受止部材１５
で支持されるコンテナーＡを下降させてレール２６，２
６上に設置させるが、この際に予めレール２６，２６上
面に設けられる凹溝に移動手段としての摺動部材２７を
４個配置しておく。この摺動部材２７は滑り特性，耐衡
撃性，耐摩耗性等の機械的性態に優れる超高分子量ポリ
エチレン樹脂からなり、図１３に示されるようレール２
６の凹溝に嵌挿可能で方形状をなす基板２８の上面中央
に上面を円錐形とした円柱２９を一体に突出させ、この
円柱２９をコンテナーＡの下面四隅部に設けられる凹穴
に嵌入させるようにする。これによりコンテナーＡの据
置が完了する。なお、前記移動手段は１つに限られるも
のではなく、他に例えば、Ｉ型のレール上に台車を載せ
るようにしても良い。

【００２１】このようにしてコンテナーＡを倉庫として
使用するが、コンテナーＡの荷物がなくなった場合は、
図１１〔Ａ〕位置から空になったコンテナーＡを〔Ａ〕
位置以外の位置例えば〔Ｃ〕位置へ移動させる。この際
に、レール２６，２６の凹溝に摺動部材２７を配置して
コンテナーＡを支持させておくことで、空のコンテナー
Ａは機械力等によることなく容易に延設したレール２
６，２６内を摺動して移動させることができる。

【００２２】次に、あけた図１２〔Ａ〕位置へ補充用の
荷物を満載したコンテナーＡ′をトレーラーＴで輸送
し、各コンテナー支持台６でコンテナーＡ′を支持さ
せ、トレーラーＴを引き出した後にコンテナーＡ′を一
旦設置する。次に、このコンテナーＡ′を〔Ｄ〕位置へ
待避させ、〔Ｃ〕位置へ移動させている空のコンテナー
Ａを〔Ａ〕位置へ戻し、各コンテナー支持台６の受止部
材１５で持ち上げた状態で〔Ａ〕位置へ空のトレーラー
Ｔを引き入れ、荷物Ｄ上に空のコンテナーＡを載置し、
トレーラーＴを〔Ａ〕位置から引き出して輸送させる。
荷物を満載して〔Ｄ〕位置へ待避させたコンテナーＡ′
はその位置で倉庫として使用することができるが、
〔Ａ〕位置へ戻して倉庫として使用するようにしてもよ
い。また、レール２６，２６は前記構成に限られるもの
ではなく、入れ替え可能であれば自由に選ばれる。

【００２３】このように本発明のコンテナー据置構造
は、レールを所要の長さ敷設することで、荷物がなくな
り空になったコンテナーＡと、補充のための荷物を満載
してトレーラーＴで輸送したコンテナーＡ′を交換する
ために、本来的にコンテナー支持台６を配設した基礎地
盤５を２組形成する必要があるのを１組のみ設けること
でよくなり、コンテナー支持台６の設置費を半減させる
ことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上に述べたように本発明のコンテナー
の据置構造は、トレーラーに載置されるコンテナーをコ
ンテナー支持台を介して接地面に設置するようにしたの
で、コンテナーの据置作業が簡単に行なえ、そのまま倉
庫として利用でき、従来の如き別途建てられた倉庫に荷
物を積み替える手間及び労力が全く不要となり、引いて
は商品コストの低廉にもつながる。また、コンテナー支
持台間の接地面にコンテナー入れ替え用のレールを引き
込み敷設するようにしたので、使用して荷物がなくなっ
た空のコンテナーと、補充のための荷物を満載したコン
テナーをレール上を移動させて交換することができ、前
記コンテナー支持台を配設した接地面が本来的に１面の
みで十分に用が足せるために、コンテナー支持台に要す
る設備費を実に半減することができる利点を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係わるコンテナーの斜視図。

【図２】接地面にコンテナー支持台を配設した状態を示
す斜視図。

【図３】コンテナー支持台の側面断面図。

【図４】同上平面断面図。

【図５】コンテナー支持台間にコンテナーを載置したト
レーラーを引き入れた状態の平面図。

【図６】コンテナー支持台にコンテナーを支持させた状
態の側面断面図。

【図７】接地面にコンテナーを設置した状態を示す斜視
図。

【図８】コンテナー中央部の平面断面図。

【図９】コンテナー中央部の側面断面図。

【図１０】他の実施例の接地面にコンテナー支持台を配
設した状態を示す斜視図。

【図１１】同全体平面図。

【図１２】同作用を説明する平面図。

【図１３】摺動部材の斜視図。

【符号の説明】

６ コンテナー支持台 ９ 油圧シリンダー １５ 受止部材 ２６，２６，２６′，２６′ レール Ａ コンテナー Ｔ トレーラー Ｅ 接地面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直方体形状をなすコンテナーをその両側
   から支持する複数のコンテナー支持台を接地面に配設
   し、該各コンテナー支持台には油圧シリンダー等の適宜
   駆動手段により上下動してコンテナーの下面を受止する
   と共にその受止面が接地面より下側に下降し得る受止部
   材を装着し、トレーラーに載置され各コンテナー支持台
   間に引き込まれたコンテナーを各受止部材の作動によっ
   て前記接地面上に設置させるようにしたことを特徴とす
   るコンテナーの据置構造。
2. 【請求項２】 直方体形状をなすコンテナーをその両側
   から支持する複数のコンテナー支持台を接地面に配設
   し、該各コンテナー支持台には油圧シリンダー等の適宜
   駆動手段により上下動してコンテナーの下面を受止する
   と共にその受止面が接地面より下側に下降し得る受止部
   材を装着し、また、前記コンテナー支持台間の接地面に
   コンテナー入れ替え用のレールを導き入れて敷設し、適
   宜移動手段を介してレール上に設置されるコンテナーを
   該レールに沿って接地面の外に移動できるようにしたこ
   とを特徴とするコンテナーの据置構造。