JP2664367B2 - パレツト輸送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、工場内において、鋼管等の大型運搬物を
パレットに搭載して輸送するパレット輸送装置に関する
ものである。 〔従来の技術とその問題点〕 従来から、天板の下面に対向する脚部を有するパレッ
トに運搬物を積載し、上面に昇降自在のフレームを有す
る自走型のトランスポーターを上記パレットの天板の下
方に進入させ、トランスポーターのフレームを上昇させ
てパレットと共にパレットに積載した運搬物を輸送する
ことが行なわれている。 この輸送の際に、パレット上の運搬物を雨やほこり等
から保護するため、従来から上記パレット上に運搬物を
保護するカバーが設置されている。 ところが、工業等においては１台のトランスポーター
で複数枚のパレットを輸送するのが通常であるから、従
来はカバーを各パレット毎に設けておく必要があった。 また、パレット上に運搬物を積込んだり、パレット上
から運搬物を降ろしたりする時には、パレット上に設置
したカバーをいちいち取除く必要があり、そのため作業
能率が低下するという問題があった。 そこで、この発明は、個々のパレットにカバーを設け
ることなく、輸送時に、トランスポーターをパレットの
下方へ進入させることによって、自動的にパレットにカ
バーを被せることができるようにすることを目的とす
る。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の問題点を解決するために、この発明は、天板1a
の下面の左右に対向する脚部1bを有するパレット１の下
方に、前後方向から進入可能で、上面にパレット１を持
ち上げる昇降自在のフレーム2aを備えた自走型のトラン
スポーター２と、対向する側壁3aと屋根3bと前後に出入
口3cを有し、パレット１の天板1aの上面の左右両側に設
けた前後方向のガイドレール５に沿ってパレット１の天
板1a上を前後方向に移動可能なカバー３とからなり、上
記トランスポーター２のフレーム2aの左右両側の少なく
とも前後端と中央付近の三個所に、上下方向に伸縮する
昇降筒16を有する支持シリンダー４を、フレーム2aの内
側と外側へ出没可能に設け、上記昇降筒16の上面に支持
ブロック18を設け、上記昇降筒16が上昇した際に上記支
持ブロック18を受けるブラケット19を、上記カバー３の
側壁3aの下面に設け、上記ブラケット19内において上記
支持ブロック18を、前後方向に移動不能で、左右方向に
移動可能とし、上記ガイドレール５の前後両端部分の間
隔を狭めると共に、カバー３の下面に、前後移動用ロー
ラ25と、ガイドレール５によってカバー３を左右方向に
ガイドするガイドローラ６とを設けたパレット輸送装置
を提供したのである。 〔作用〕 上記のように構成された輸送装置によるパレット１の
輸送は次のようにして行なわれる。 まず、上記パレット１の一方の端部に、トランスポー
ター２の前端を対面せしめ、かつトランスポーター２の
前端に位置する支持シリンダー４をフレーム2aの内側に
引込め、カバー３を残りの支持シリンダー４によってト
ランスポータ２のフレーム2aに支持した状態で、トラン
スポーター２をパレット１の下方に進入させてカバー３
の一方の端部の側壁3aの下端をパレット１の天板1aの上
面に載置せしめ、かつパレット１の天板1aの上面のガイ
ドレール５によってカバー３の側壁3aの下端をガイドし
ながら、後端の支持シリンダー４以外の支持シリンダー
４を順次フレーム2a内に引込めてトランスポーター２を
パレット１の天板1aの真下に進入せしめ、この状態で前
後両端の支持シリンダー４によってカバー３を支持して
フレーム2aを上昇させることによりパレット１を持ち上
げてパレット１を搬送する。 〔実施例〕 以下、この発明の一実施例を添付図面に基づいて説明
する。 この発明のパレット輸送装置は、パレット１と自走型
のトランスポーター２とから成る。 パレット１は、天板1aの下面に対向する脚部1bを設け
たものであり、天板１上面には前後方向に二本のガイド
レール５が敷設されている。この二本のガイドレール５
は、その前後両端寄りの部分がそれぞれ内側へ向かって
屈曲して、二本のガイドレール５の間隔が前後両端寄り
の部分において次第に狭くなっている。 トランスポーター２は、上面に昇降自在のフレーム2a
を有し、このフレーム2aの下面に複数個の車輪７が取付
けられ、この車輪７の車軸にはフレーム2aを昇降させる
ための昇降アーム８が取付けられている。このフレーム
2aの下方の前後端には、運転室９がそれぞれ設けられ、
トランスポーター２を前後に走行可能にしてある。この
トランスポーター２は、高さ及び幅が上記パレット１の
下方へ進入しうるように設定されており、また、その長
さがパレット１の下方へ進入した状態で前後両端が若干
外方に出るように設定されている。 上記トランスポーター２のフレーム2aの上面には、カ
バー３が移動自在に搭載されている。このカバー３は、
対向する側壁3aと屋根3bとから成り、その前後両端に出
入口3cが設けられている。このカバー３の幅は、パレッ
ト１の幅とほぼ同じ幅に形成されており、トランスポー
ター２のフレーム2aの幅よりも若干広くなっている。ま
た、カバー３の長さは、パレット１の長さよりも若干長
く形成され、トランスポーター２のフレーム2aの長さと
ほぼ同じ長さに形成されている。 上記カバー３の側壁3aの下面は、トランスポーター２
のフレーム2aの両側に設けられた支持シリンダー４によ
って支承されている。その支持シリンダー４は、トラン
スポーター２のフレーム2aの両側の前後端と中央付近の
三個所に合計６個取付けられている。また、この支持シ
リンダー４は、トランスポーター２のフレーム2aの内側
と外側へ出没自在となっており、即ち、フレーム2aの内
側と外側へ旋回可能にアーム10によって取付けられてい
る。このアーム10は、フレーム2aに軸11によって回転自
在に取付けられ、格納シリンダー12によってリンク13を
介して回転するようになっている。トランスポーター２
のフレーム2aには、上記支持シリンダー４を格納するた
めの格納ピット14が設けられている。 上記支持シリンダー４は、支持筒15内に収納されてお
り、この支持筒15には昇降筒16が嵌められ、この昇降筒
16は支持シリンダー４のロッド17によって昇降するよう
になっている。この昇降筒16の上面には、支持ブロック
18が固着されている。カバー３の側壁3aの下面には、上
記支持ブロック18が上昇した際にこれを受けるブラケッ
ト19が設けられている。このブラケット19と支持ブロッ
ク18は、支持ブロック18を上昇させてブラケット19内に
嵌めた状態においてロックピン20によってロックするこ
とができるようになっている。このロックピン20は、カ
バー３の側壁3aの下面に設けられたロックシリンダー21
によって、ブラケット19及び支持ブロック18に形成した
挿入穴22、23に対して抜き挿し自在になっている。この
支持ブロック18に形成された挿入穴23は左右方向にその
径が長く形成され、支持ブロック18をロックピン20によ
ってロックした状態において支持ブロック18が左右方向
に挿入穴23内において移動可能になっている。このよう
に支持ブロック18に形成した挿入穴23の左右方向の径を
長くすることにより、支持ブロック18を上昇させて支持
ブロック18をカバー３のブラケット19内に嵌め入れた場
合に、支持ブロック18の位置が左右方向にズレていても
ロックピン20を挿入穴23に挿し込むことができる。上記
支持ブロック18が当接するカバー３の側壁3aの下面に
は、カバー３の前後方向と平行な回転軸を有する左右移
動用ローラ24が取付けられている。 上記カバー３の側壁3aの下面には、前後移動用ローラ
25が複数個取付けられており、トランスポーター２をパ
レット１の天板1aの下方に進入させた際に、前後移動用
ローラ25によってカバー３がパレット１の天板1aを移動
するようになっている。前後移動用ローラ25のうち、カ
バー３の最も両端寄りに位置する前後移動用ローラ25か
らカバー３両端縁までの距離は、パレット１上面に敷設
した二本のガイドレール５の両端に設けた間隔の狭い部
分の長さよりも若干長くしてある。また、前後移動用ロ
ーラ25の左右の間隔は、パレット１上面の二本のガイド
レール５の間隔よりも広くしてあり、カバー３をパレッ
ト１上面に移動させた場合に、前後移動用ローラ25がパ
レット１上面のガイドレール５の外側を通り、左右の前
後移動用ローラ25によってガイドレール５を挾むように
している。 上記カバー３の側壁3aの下面には、垂直方向の回転軸
を有するガイドローラ６が前後方向に所定の間隔をおい
て取付けられている。このガイドローラ６は、カバー３
をパレット１上面に移動させた場合に、パレット１上面
に敷設した二本のガイドレール５の外側面に当接してカ
バー３の移動を案内するようになっている。 上記カバー３の前後両端の出入口3cには、開閉自在の
扉26が設けられている。この扉26は、上下二枚の扉体か
らなる。下方の扉体は、下方の扉体に扉伸縮シリンダー
27によって取付けられており、扉伸縮シリンダー27によ
って上方の扉体に重なるように開放される。上方の扉体
は、アーム28によってカバー３の屋根3bに回動自在に取
付けられ、扉開閉シリンダー29によってアーム28の上端
を支点にして上方へ開放されるようになっている。この
ように、扉26を上下二枚の扉体によって形成することに
よって、扉26を開いた際におけるカバー３の前後方向の
長さを短くすることができるので、作業性が良くなる。 次に、上記のように構成された輸送装置によるパレッ
ト１の輸送について説明する。 まず、パレット１上面に運搬物Ａを搭載する。次い
で、第９図に示すように、トランスポーター２の前後端
の一方を、パレット１の前後端の一方に対面するよう
に、トランスポーター２を運転移動させる。 その後、パレット１に対面する側（以下、これを前方
とする）のカバー３の扉26を開くと共に、トランスポー
ター２の前端に位置する支持シリンダー４をトランスポ
ーター２のフレーム2a内に設けた格納ピット14内に引込
める（第９図参照）。支持シリンダー４を格納ピット14
内に引込めるには、まず、ロックピン20を支持ブロック
18の挿入穴23からロックシリンダー21によって引抜いた
後、支持シリンダー４のロッド17を下げ、格納シリンダ
ー12によってアーム10を旋回させて支持シリンダー４を
格納ピッド14内に収納する。トランスポーター２の前端
の支持シリンダー４を格納ピット14に収納した状態にお
いては、カバー３は中央と後端に位置する四つの支持シ
リンダー４によって支持されている。 次いで、第10図に示すように、トランスポーター２を
前方へ移動させて、パレット１の下方へトランスポータ
ー２を進入させて行く。トランスポーター２がパレット
１の下方へ進入して行くと、それに従ってカバー３がパ
レット１の上面に載り、パレット１上面のガイドレール
５にガイドされながらパレット１上を移動して行く。こ
の際、パレット１とトランスポーター２の中心がずれて
いても、即ち、トランスポーター２がパレット１の下方
へ進入を開始するときに、第７図に示すように、一方へ
偏心していても、ガイドレール５の前後端はその間隔が
狭められているので、カバー３の下面に設けた左右のガ
イドローラ６間にガイドレール５が確実に嵌まり、トラ
ンスポーター２が進入するにつれて第８図に示すように
ガイドローラ６とガイドレール５との係合によってカバ
ー３が徐々に偏心を矯正するように左右に移動する。こ
のカバー３の左右方向の移動は、カバー３を支持してい
るトランスポーター２の中央及び後端の支持シリンダー
４の支持ブロック18上にカバー３の下面に設けた左右移
動用ローラ24が載っているので、極めてスムーズに行な
われる。 このようにして、トランスポーター２をパレット１の
中程まで進入させ、パレット１の先端がトランスポータ
ー２の中央の支持シリンダー４に近づいてきたら、これ
をセンサーによって検知するなどして、中央の支持シリ
ンダー４をトランスポーター２のフレーム2a内に設けた
格納ピット14内に引込める。この付近までトランスポー
ター２がパレット１の下方へ進入してくると、カバー３
の前端に取付けた前後移動用ローラ25がパレット１上面
に敷設した二本のガイドレール５の中央部分の平行な部
分の両側に位置するので、中央の支持シリンダー４を引
込めてもカバー３がパレット１上に横滑りすることなく
移動する。 この後、トランスポーター２を引続いて進入させ、パ
レット１の先端が、第11図に示すように、トランスポー
ター２の後端の支持シリンダー４の手前まできた状態で
トランスポーター２の進入を停止させる。この状態でカ
バー３はパレット１上面を覆うように載置される。この
後、第12図に示すように、トランスポーター２の前端の
支持シリンダー４を格納ピット14から出して、カバー３
の下面を支持し、ロックピン20を支持ブロック18の挿入
穴23に挿込んでカバー３をトランスポーター２のフレー
ム2aに固定する。 この後、カバー３前端を閉じ、第13図に示すように、
トランスポーター２のフレーム2aを上昇させて、パレッ
ト１を持上げ、トランスポーター２を走行させてパレッ
ト１を搬送する。 なお、荷卸し作業は、以下の積み込み作業と逆の順序
で行なえばよい。 〔効果〕 この発明は、以上の如きものであるから、以下のよう
な効果を奏する。 （１） トランスポーターの上面に、トランスポーター
をパレットの下方へ進入させた際に、パレットの上面に
移動するカバーを搭載してあるので、従来のようにパレ
ット毎にカバーを設ける必要がなく、経済的であり、ま
た、積込み、荷卸し時にカバーを取除く必要がなく、作
業性が良好である。 （２） パレットの天板に前後方向に二本のガイドレー
ルを敷設し、このガイドレールにガイドされるガイドロ
ーラをカバーの下面に設けると共に、上記ガイドレール
の前後両端部分の間隔を狭めているので、トランスポー
ターをパレットの下方へ進入させた場合に、両者の間に
偏心があっても、カバーはガイドレールとガイドローラ
とによって偏心が矯正され、このためトランスポーター
の運転が容易である。 （３） カバーをトランスポーターの上面に、出没自在
の支持シリンダーによって支持すると共に、カバーの前
後に出入口を設けているので、トランスポーターをパレ
ットの下方へ前後いずれかの方向からも進入させること
ができ、積込み、荷卸し作業が容易である。

【図面の簡単な説明】 第１図はパレットの下方にトランスポーターを進入させ
た状態を示すこの発明のパレット輸送装置の側面図、第
２図は同上の一部横断平面図、第３図は同上の正面図、
第４図は同上の縦断正面図、第５図は支持シリンダー部
分の部分拡大側面図、第６図は支持シリンダー部分の部
分拡大正面図、第７図及び第８図はトランスポーターを
パレットの下方へ進入させ始めた状態を示す概略平面
図、第９図乃至第13図はそれぞれパレットの下方へトラ
ンスポーターを進入させていく状態を示す概略側面図で
ある。 １……パレット、２……トランスポーター、３……カバ
ー、４……支持シリンダー、５……ガイドレール、６…
…ガイドローラ。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．天板1aの下面の左右に対向する脚部1bを有するパレ
   ット１の下方に、前後方向から進入可能で、上面にパレ
   ット１を持ち上げる昇降自在のフレーム2aを備えた自走
   型のトランスポーター２と、対向する側壁3aと屋根3bと
   前後に出入口3cを有し、パレット１の天板1aの上面の左
   右両側に設けた前後方向のガイドレール５に沿ってパレ
   ット１の天板1a上を前後方向に移動可能なカバー３とか
   らなり、上記トランスポーター２のフレーム2aの左右両
   側の少なくとも前後端と中央付近の三個所に、上下方向
   に伸縮する昇降筒16を有する支持シリンダー４を、フレ
   ーム2aの内側と外側へ出没可能に設け、上記昇降筒16の
   上面に支持ブロック18を設け、上記昇降筒16が上昇した
   際に上記支持ブロック18を受けるブラケット19を、上記
   カバー３の側壁3aの下面に設け、上記ブラケット19内に
   おいて上記支持ブロック18を、前後方向に移動不能で、
   左右方向に移動可能とし、上記ガイドレール５の前後両
   端部分の間隔を狭めると共に、カバー３の下面に、前後
   移動用ローラ25と、ガイドレール５によってカバー３を
   左右方向にガイドするガイドローラ６とを設け、上記パ
   レット１の一方の端部に、トランスポーター２の前端を
   対面せしめ、かつトランスポーター２の前端に位置する
   支持シリンダー４をフレーム2aの内側に引込め、カバー
   ３を残りの支持シリンダー４によってトランスポータ２
   のフレーム2aに支持した状態で、トランスポーター２を
   パレット１の下方に進入させてカバー３の一方の端部の
   側壁3aの下端をパレット１の天板1aの上面に載置せし
   め、かつパレット１の天板1aの上面のガイドレール５に
   よってカバー３の側壁3aの下端をガイドしながら、後端
   の支持シリンダー４以外の支持シリンダー４を順次フレ
   ーム2a内に引込めてトランスポーター２をパレット１の
   天板1aの真下に進入せしめ、この状態で前後両端の支持
   シリンダー４によってカバー３を支持してフレーム2aを
   上昇させることによりパレット１を持ち上げるようにし
   たことを特徴とするパレット搬送装置。