JPH10340416A - 磁気記録媒体およびその記録方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその記録方法Info
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- JPH10340416A JPH10340416A JP16198297A JP16198297A JPH10340416A JP H10340416 A JPH10340416 A JP H10340416A JP 16198297 A JP16198297 A JP 16198297A JP 16198297 A JP16198297 A JP 16198297A JP H10340416 A JPH10340416 A JP H10340416A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 加熱により不可逆的な飽和磁化変化を生じる
不可逆記録層を有する磁気記録媒体において、データの
改竄を防ぐ。 【解決手段】 基体上の少なくとも一部に、加熱により
飽和磁化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有し、前
記不可逆記録層の少なくとも一部に、媒体の固定情報を
記録するための固定情報記録領域を有し、前記固定情報
記録領域に、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱
バーが互いにほぼ平行に配列しており、前記加熱バーの
配列パターンまたは隣り合う加熱バー間に存在する非加
熱バーの配列パターンが、前記固定情報を周波数変調方
式または位相変調方式でコード化したものである磁気記
録媒体。
不可逆記録層を有する磁気記録媒体において、データの
改竄を防ぐ。 【解決手段】 基体上の少なくとも一部に、加熱により
飽和磁化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有し、前
記不可逆記録層の少なくとも一部に、媒体の固定情報を
記録するための固定情報記録領域を有し、前記固定情報
記録領域に、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱
バーが互いにほぼ平行に配列しており、前記加熱バーの
配列パターンまたは隣り合う加熱バー間に存在する非加
熱バーの配列パターンが、前記固定情報を周波数変調方
式または位相変調方式でコード化したものである磁気記
録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カード等の磁
気記録媒体およびこの磁気記録媒体に記録を行う方法に
関する。
気記録媒体およびこの磁気記録媒体に記録を行う方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気カードの普及は著しく、種々
の分野で利用されている。とりわけ、金額情報等が磁気
情報として記録され、使用するつど金額が減算されて書
き換えられるカード(プリペイドカード)への用途が拡
大している。
の分野で利用されている。とりわけ、金額情報等が磁気
情報として記録され、使用するつど金額が減算されて書
き換えられるカード(プリペイドカード)への用途が拡
大している。
【0003】この用途では、記録情報の改竄による磁気
カードの変造や、カード自体の偽造が容易であっては、
システムの安全性を著しく低下させてしまう。このた
め、情報の改竄を防止するための保護機能をもつ磁気カ
ードが要望され、これに応じて種々の磁気カードが提
案、実用化されている。例えば、磁気カードの一部に特
殊な材料からなる領域を形成することにより、カード自
体の偽造を困難にしたり、その領域を検知してカードの
真偽判定を行なうもの、カードの層構成を複雑にするも
のなどである。
カードの変造や、カード自体の偽造が容易であっては、
システムの安全性を著しく低下させてしまう。このた
め、情報の改竄を防止するための保護機能をもつ磁気カ
ードが要望され、これに応じて種々の磁気カードが提
案、実用化されている。例えば、磁気カードの一部に特
殊な材料からなる領域を形成することにより、カード自
体の偽造を困難にしたり、その領域を検知してカードの
真偽判定を行なうもの、カードの層構成を複雑にするも
のなどである。
【0004】これらの保護機能を採用した磁気カードは
大量に偽造したり複製したりすることは困難になるもの
の、例えば1枚のカードの金額情報等を書き換えるなど
の改竄により、使用済みのカード情報を初期の金額情報
に戻すことは可能であった。この対策として、使用度数
に応じてパンチで穿孔する方法もあるが、この方法では
きめ細かく対応できないこと、抜きカスが出ること、パ
ンチ孔を埋めて修復されることなどの問題がある。この
他、感熱記録などにより使用度数に応じて可視情報を記
録することも考えられるが、可視情報の読み取りは光学
的に行なう必要があるので、汚れに弱いという問題があ
る。また、可視情報であるため、記録の改竄が容易であ
る。また、光学的読み取り装置は高価であるという問題
もある。
大量に偽造したり複製したりすることは困難になるもの
の、例えば1枚のカードの金額情報等を書き換えるなど
の改竄により、使用済みのカード情報を初期の金額情報
に戻すことは可能であった。この対策として、使用度数
に応じてパンチで穿孔する方法もあるが、この方法では
きめ細かく対応できないこと、抜きカスが出ること、パ
ンチ孔を埋めて修復されることなどの問題がある。この
他、感熱記録などにより使用度数に応じて可視情報を記
録することも考えられるが、可視情報の読み取りは光学
的に行なう必要があるので、汚れに弱いという問題があ
る。また、可視情報であるため、記録の改竄が容易であ
る。また、光学的読み取り装置は高価であるという問題
もある。
【0005】このような事情から、特開平8−7762
2号公報には、(結晶質のときの飽和磁化)/(非晶質
のときの磁化)が5以上である合金を磁気記録材料とし
て用いた不可逆記録層を有する磁気記録媒体が提案され
ている。この磁気記録媒体は、加熱により飽和磁化が不
可逆的に変化する記録材料からなる不可逆記録層を有す
るものである。この記録材料は、飽和磁化が加熱により
変化するが、飽和磁化を加熱前の値まで戻すためには、
磁気記録媒体の変形や溶融が生じる程度まで加熱する必
要があるので、実質的に書き換えが不可能であり、安全
性が高い。
2号公報には、(結晶質のときの飽和磁化)/(非晶質
のときの磁化)が5以上である合金を磁気記録材料とし
て用いた不可逆記録層を有する磁気記録媒体が提案され
ている。この磁気記録媒体は、加熱により飽和磁化が不
可逆的に変化する記録材料からなる不可逆記録層を有す
るものである。この記録材料は、飽和磁化が加熱により
変化するが、飽和磁化を加熱前の値まで戻すためには、
磁気記録媒体の変形や溶融が生じる程度まで加熱する必
要があるので、実質的に書き換えが不可能であり、安全
性が高い。
【0006】しかし、このような不可逆記録層は、書き
換えは不可能ではあるが、追記は可能であるため、追記
によるデータ改竄のおそれがある。
換えは不可能ではあるが、追記は可能であるため、追記
によるデータ改竄のおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱
により不可逆的な飽和磁化変化を生じる不可逆記録層を
有する磁気記録媒体において、データの改竄を防ぐこと
である。
により不可逆的な飽和磁化変化を生じる不可逆記録層を
有する磁気記録媒体において、データの改竄を防ぐこと
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)のいずれかの構成により達成される。 (1) 基体上の少なくとも一部に、加熱により飽和磁
化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有し、前記不可
逆記録層の少なくとも一部に、媒体の固定情報を記録す
るための固定情報記録領域を有し、前記固定情報記録領
域に、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱バーが
互いにほぼ平行に配列しており、前記加熱バーの配列パ
ターンまたは隣り合う加熱バー間に存在する非加熱バー
の配列パターンが、前記固定情報を周波数変調方式また
は位相変調方式でコード化したものである磁気記録媒
体。 (2) 前記固定情報記録領域に、価値情報または標識
情報が記録されている上記(1)の磁気記録媒体。 (3) 基体上の少なくとも一部に、加熱により飽和磁
化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有する磁気記録
媒体に対し、前記不可逆記録層の少なくとも一部に、飽
和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱バーが互いにほ
ぼ平行に配列するように加熱を行って記録する方法であ
り、前記加熱バーの配列パターンまたは隣り合う加熱バ
ー間に存在する非加熱バーの配列パターンが、記録情報
を周波数変調方式または位相変調方式でコード化したも
のである磁気記録媒体の記録方法。
(1)〜(3)のいずれかの構成により達成される。 (1) 基体上の少なくとも一部に、加熱により飽和磁
化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有し、前記不可
逆記録層の少なくとも一部に、媒体の固定情報を記録す
るための固定情報記録領域を有し、前記固定情報記録領
域に、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱バーが
互いにほぼ平行に配列しており、前記加熱バーの配列パ
ターンまたは隣り合う加熱バー間に存在する非加熱バー
の配列パターンが、前記固定情報を周波数変調方式また
は位相変調方式でコード化したものである磁気記録媒
体。 (2) 前記固定情報記録領域に、価値情報または標識
情報が記録されている上記(1)の磁気記録媒体。 (3) 基体上の少なくとも一部に、加熱により飽和磁
化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有する磁気記録
媒体に対し、前記不可逆記録層の少なくとも一部に、飽
和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱バーが互いにほ
ぼ平行に配列するように加熱を行って記録する方法であ
り、前記加熱バーの配列パターンまたは隣り合う加熱バ
ー間に存在する非加熱バーの配列パターンが、記録情報
を周波数変調方式または位相変調方式でコード化したも
のである磁気記録媒体の記録方法。
【0009】
【作用および効果】加熱により不可逆的な飽和磁化変化
を生じる不可逆記録層に、各種の変調方式によりデジタ
ル信号を記録した場合の変調波形を、図1に模式的に示
す。図1は、加熱により飽和磁化が増大する場合の例で
ある。なお、図1に示す方式の大部分は磁化反転を利用
するものであるが、不可逆記録層では加熱の有無による
飽和磁化変化を利用するため、磁化反転という概念は存
在しない。しかし、不可逆記録層からの再生出力を信号
処理することにより、磁化反転を利用する通常の磁気記
録層と同様なデコードが可能である。
を生じる不可逆記録層に、各種の変調方式によりデジタ
ル信号を記録した場合の変調波形を、図1に模式的に示
す。図1は、加熱により飽和磁化が増大する場合の例で
ある。なお、図1に示す方式の大部分は磁化反転を利用
するものであるが、不可逆記録層では加熱の有無による
飽和磁化変化を利用するため、磁化反転という概念は存
在しない。しかし、不可逆記録層からの再生出力を信号
処理することにより、磁化反転を利用する通常の磁気記
録層と同様なデコードが可能である。
【0010】本発明では、FM(周波数変調)方式また
はPM(位相変調)方式により、不可逆記録層に記録を
行う。FM方式では、”1”に対応して磁化を反転さ
せ、かつビット間でも磁化を1回反転させる。PM方式
では、”1”と”0”とで、磁化反転の方向を逆転させ
る。このため、FM方式またはPM方式によってコード
化された加熱バー配列に、追加熱によって新たな加熱バ
ーを加えた場合、FM信号またはPM信号とはならず、
読み出しが不可能となる。したがって、本発明の磁気記
録媒体の固定情報記録領域では、追記によるデータの改
竄が不可能である。
はPM(位相変調)方式により、不可逆記録層に記録を
行う。FM方式では、”1”に対応して磁化を反転さ
せ、かつビット間でも磁化を1回反転させる。PM方式
では、”1”と”0”とで、磁化反転の方向を逆転させ
る。このため、FM方式またはPM方式によってコード
化された加熱バー配列に、追加熱によって新たな加熱バ
ーを加えた場合、FM信号またはPM信号とはならず、
読み出しが不可能となる。したがって、本発明の磁気記
録媒体の固定情報記録領域では、追記によるデータの改
竄が不可能である。
【0011】これに対し、他の変調方式、例えば図1に
示すRZ方式、RB方式、NRZ方式、NRZI方式、
MFM方式、M2FM方式などでは、図示するように、
加熱バーの配列に新たな加熱バーを追加することによ
り、データの改竄が可能であることがわかる。例えば、
NRZ方式では、”1”に対応して磁化を反転させるの
で、図示するような加熱バーの追加により、記録情報が
容易に改竄できてしまう。また、例えばMFM方式で
は、NRZ方式と同様に”1”に対応して磁化を反転さ
せると共に、”0”が2個以上続く場合にはビット間で
も磁化を反転させるので、図示するような加熱バーの追
加により、記録情報が容易に改竄できてしまう。
示すRZ方式、RB方式、NRZ方式、NRZI方式、
MFM方式、M2FM方式などでは、図示するように、
加熱バーの配列に新たな加熱バーを追加することによ
り、データの改竄が可能であることがわかる。例えば、
NRZ方式では、”1”に対応して磁化を反転させるの
で、図示するような加熱バーの追加により、記録情報が
容易に改竄できてしまう。また、例えばMFM方式で
は、NRZ方式と同様に”1”に対応して磁化を反転さ
せると共に、”0”が2個以上続く場合にはビット間で
も磁化を反転させるので、図示するような加熱バーの追
加により、記録情報が容易に改竄できてしまう。
【0012】
【発明の実施の形態】固定情報記録領域 本発明の磁気記録媒体の構成例を、図2に示す。この磁
気記録媒体は、基体2の表面に、不可逆記録層4と磁気
記録層3とを有する。
気記録媒体は、基体2の表面に、不可逆記録層4と磁気
記録層3とを有する。
【0013】不可逆記録層4は、後述する不可逆記録材
料を含有し、加熱により飽和磁化が不可逆的に変化する
層である。
料を含有し、加熱により飽和磁化が不可逆的に変化する
層である。
【0014】不可逆記録層4に記録を行う際には、サー
マルヘッドやレーザー光等の加熱手段で走査して、不可
逆記録層4を所定のパターンに加熱する。再生の際に
は、通常のリング型磁気ヘッドや磁気抵抗効果型(M
R)磁気ヘッドなどの再生ヘッドを用い、この再生ヘッ
ドで不可逆記録層を走査して、加熱パターンに応じた磁
化変化を検出し、再生信号を得る。なお、再生の際に
は、不可逆記録層4に直流磁界を印加した後、磁化変化
パターンを検出するか、または、直流磁界を印加しなが
ら磁化変化パターンを検出する。加熱により飽和磁化が
減少する不可逆記録材料を用いた場合、記録時に加熱さ
れたところは磁化されないか磁化が小さいため、再生時
には記録時の加熱パターンに応じた磁化パターンを検出
することができる。また、加熱により記録材料の飽和磁
化が増大する場合も、再生時には記録時の加熱パターン
に応じた磁化パターンを検出することができる。
マルヘッドやレーザー光等の加熱手段で走査して、不可
逆記録層4を所定のパターンに加熱する。再生の際に
は、通常のリング型磁気ヘッドや磁気抵抗効果型(M
R)磁気ヘッドなどの再生ヘッドを用い、この再生ヘッ
ドで不可逆記録層を走査して、加熱パターンに応じた磁
化変化を検出し、再生信号を得る。なお、再生の際に
は、不可逆記録層4に直流磁界を印加した後、磁化変化
パターンを検出するか、または、直流磁界を印加しなが
ら磁化変化パターンを検出する。加熱により飽和磁化が
減少する不可逆記録材料を用いた場合、記録時に加熱さ
れたところは磁化されないか磁化が小さいため、再生時
には記録時の加熱パターンに応じた磁化パターンを検出
することができる。また、加熱により記録材料の飽和磁
化が増大する場合も、再生時には記録時の加熱パターン
に応じた磁化パターンを検出することができる。
【0015】本発明では、不可逆記録層4に対し予め加
熱を行い、固定情報記録領域を形成しておく。固定情報
記録領域とは、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加
熱バー41が、バーコード状に配列した領域であり、隣
り合う加熱バー間には非加熱バー42が存在している。
そして、これら複数の加熱バー41または非加熱バー4
2の配列パターンは、図1に示すようなFM方式または
PM方式で固定情報をコード化して生成されたものであ
る。図示例では、固定情報記録領域が不可逆記録層4の
全面に及んでおり、両者は一致しているが、固定情報記
録領域は不可逆記録層4の一部だけに形成されていても
よい。
熱を行い、固定情報記録領域を形成しておく。固定情報
記録領域とは、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加
熱バー41が、バーコード状に配列した領域であり、隣
り合う加熱バー間には非加熱バー42が存在している。
そして、これら複数の加熱バー41または非加熱バー4
2の配列パターンは、図1に示すようなFM方式または
PM方式で固定情報をコード化して生成されたものであ
る。図示例では、固定情報記録領域が不可逆記録層4の
全面に及んでおり、両者は一致しているが、固定情報記
録領域は不可逆記録層4の一部だけに形成されていても
よい。
【0016】固定情報記録領域に記録される固定情報の
種類は特に限定されないが、例えば、価値情報または標
識情報であることが好ましい。このような情報の具体例
としては、例えば磁気カード発行時の金額情報、発行番
号、店番号、有効期限などや、これらを暗号化したもの
などが挙げられる。
種類は特に限定されないが、例えば、価値情報または標
識情報であることが好ましい。このような情報の具体例
としては、例えば磁気カード発行時の金額情報、発行番
号、店番号、有効期限などや、これらを暗号化したもの
などが挙げられる。
【0017】図1〜図2に示す例は、加熱により飽和磁
化が増大する不可逆記録層を有する媒体であるが、加熱
により飽和磁化が減少する不可逆記録層を有する媒体で
あっても、本発明の効果は同様に実現する。この場合、
記録情報でコード化する配列パターンは、加熱バーのも
のであっても非加熱バーのものであってもよいが、前者
の場合、再生時に印加するバイアス磁界の方向を逆にす
る必要がある。
化が増大する不可逆記録層を有する媒体であるが、加熱
により飽和磁化が減少する不可逆記録層を有する媒体で
あっても、本発明の効果は同様に実現する。この場合、
記録情報でコード化する配列パターンは、加熱バーのも
のであっても非加熱バーのものであってもよいが、前者
の場合、再生時に印加するバイアス磁界の方向を逆にす
る必要がある。
【0018】なお、再生手段、すなわち不可逆記録層の
磁化の検出手段は特に限定されず、例えば、通常のリン
グ型磁気ヘッドや、磁気抵抗効果型(MR)磁気ヘッド
などを用いればよい。
磁化の検出手段は特に限定されず、例えば、通常のリン
グ型磁気ヘッドや、磁気抵抗効果型(MR)磁気ヘッド
などを用いればよい。
【0019】図2において、磁気記録層3は、可逆記録
が可能な通常の磁性層であり、必要に応じて設けられ
る。例えば、本発明の磁気記録媒体を通常のプリペイド
カードとして用いる場合、磁気記録層3には、金額や度
数、その他、一般的に磁気カードに必要な情報を記録し
ておき、不可逆記録層4には、磁気記録層3に記録され
ている情報のうち、例えば金額や度数など使用のたびに
書き換えが必要な情報を記録する。磁気記録層3におい
て情報を書き換えるたびに、不可逆記録層4には追記す
ることになる。磁気記録層3の情報が改竄された場合で
も、不可逆記録層4の情報は書き換えができないため、
両者を照合すれば改竄の有無が判定できる。
が可能な通常の磁性層であり、必要に応じて設けられ
る。例えば、本発明の磁気記録媒体を通常のプリペイド
カードとして用いる場合、磁気記録層3には、金額や度
数、その他、一般的に磁気カードに必要な情報を記録し
ておき、不可逆記録層4には、磁気記録層3に記録され
ている情報のうち、例えば金額や度数など使用のたびに
書き換えが必要な情報を記録する。磁気記録層3におい
て情報を書き換えるたびに、不可逆記録層4には追記す
ることになる。磁気記録層3の情報が改竄された場合で
も、不可逆記録層4の情報は書き換えができないため、
両者を照合すれば改竄の有無が判定できる。
【0020】なお、不可逆記録層4に追記される情報を
担持する加熱バーまたは非加熱バーの配列も、上記した
固定情報に関する配列パターンのように、FM方式また
はPM方式でコード化されたものであってよい。
担持する加熱バーまたは非加熱バーの配列も、上記した
固定情報に関する配列パターンのように、FM方式また
はPM方式でコード化されたものであってよい。
【0021】また、上述したように、不可逆記録層4に
は磁気カードの固有データとして例えばIDコードを記
録してもよいが、この場合、このIDコードで磁気記録
層3に記録される情報を暗号化しておけば、この磁気カ
ードの磁気記録層3の内容を別のIDコードをもつ他の
磁気カードの磁気記録層にコピーしたとしても、正規の
情報の読み出しは不可能となる。不可逆記録層4には、
カード1枚1枚に固有のIDコードを記録でき、しかも
その改竄が不可能であるため、複製による偽造の防止効
果が極めて高くなる。
は磁気カードの固有データとして例えばIDコードを記
録してもよいが、この場合、このIDコードで磁気記録
層3に記録される情報を暗号化しておけば、この磁気カ
ードの磁気記録層3の内容を別のIDコードをもつ他の
磁気カードの磁気記録層にコピーしたとしても、正規の
情報の読み出しは不可能となる。不可逆記録層4には、
カード1枚1枚に固有のIDコードを記録でき、しかも
その改竄が不可能であるため、複製による偽造の防止効
果が極めて高くなる。
【0022】不可逆記録層4 不可逆記録層4の好ましい構成について説明する。
【0023】不可逆記録層は、その表面側からサーマル
ヘッド等の加熱源により加熱される。加熱を間欠的に行
って加熱ドットがマトリックス状に並ぶ記録方法を使う
場合、各加熱ドットに対応して、層表面からほぼ半球状
に加熱領域(等温領域)が広がる。このとき、層が厚す
ぎると、加熱源からの距離が遠い領域(深い領域)で
は、隣接する加熱ドット間に、昇温不十分な領域が生じ
る。再生の際には、前記昇温不十分な領域に起因して生
じる磁化変化をノイズとして検出してしまうので、再生
出力自体は大きくは変化しないが、再生信号のSN比が
低くなりやすい。このようなSN比の低下を防ぐために
は、不可逆記録層の厚さを10μm以下とすることが好
ましい。なお、不可逆記録層の厚さの下限は、その形成
方法によって大きく異なるため、特に限定されないが、
塗布法では通常、1μm程度、スパッタ法等の真空成膜
法では通常、0.01μm程度、好ましくは0.1μm程
度である。これらの層が薄すぎると出力が不十分となっ
たり、均質な層を形成することが困難となったりする。
ヘッド等の加熱源により加熱される。加熱を間欠的に行
って加熱ドットがマトリックス状に並ぶ記録方法を使う
場合、各加熱ドットに対応して、層表面からほぼ半球状
に加熱領域(等温領域)が広がる。このとき、層が厚す
ぎると、加熱源からの距離が遠い領域(深い領域)で
は、隣接する加熱ドット間に、昇温不十分な領域が生じ
る。再生の際には、前記昇温不十分な領域に起因して生
じる磁化変化をノイズとして検出してしまうので、再生
出力自体は大きくは変化しないが、再生信号のSN比が
低くなりやすい。このようなSN比の低下を防ぐために
は、不可逆記録層の厚さを10μm以下とすることが好
ましい。なお、不可逆記録層の厚さの下限は、その形成
方法によって大きく異なるため、特に限定されないが、
塗布法では通常、1μm程度、スパッタ法等の真空成膜
法では通常、0.01μm程度、好ましくは0.1μm程
度である。これらの層が薄すぎると出力が不十分となっ
たり、均質な層を形成することが困難となったりする。
【0024】不可逆記録層表面の表面粗さ(Ra)は、
1μm以下であることが好ましい。表面粗さが大きい
と、SN比が著しく低くなってしまう。なお、表面粗さ
(Ra)は、JIS B 0601に規定されている。
1μm以下であることが好ましい。表面粗さが大きい
と、SN比が著しく低くなってしまう。なお、表面粗さ
(Ra)は、JIS B 0601に規定されている。
【0025】不可逆記録材料 不可逆記録材料は、加熱により飽和磁化が不可逆的に変
化するものである。不可逆記録材料の飽和磁化4πMs
の変化率、すなわち(加熱後の4πMs/加熱前の4π
Ms)または(加熱前の4πMs/加熱後の4πMs)
は、2以上または1/2以下、好ましくは3以上または
1/3以下である。飽和磁化が十分に変化しないと、記
録情報の読み出しが困難となる。
化するものである。不可逆記録材料の飽和磁化4πMs
の変化率、すなわち(加熱後の4πMs/加熱前の4π
Ms)または(加熱前の4πMs/加熱後の4πMs)
は、2以上または1/2以下、好ましくは3以上または
1/3以下である。飽和磁化が十分に変化しないと、記
録情報の読み出しが困難となる。
【0026】なお、上記飽和磁化は、通常の環境温度範
囲(例えば−10〜40℃)におけるものである。ま
た、本明細書において加熱により飽和磁化が不可逆的に
変化するとは、磁気カード等に適用したときに、加熱後
に再利用が可能な程度の温度(例えば400℃程度)ま
での加熱において、飽和磁化が不可逆的に変化すること
を意味する。
囲(例えば−10〜40℃)におけるものである。ま
た、本明細書において加熱により飽和磁化が不可逆的に
変化するとは、磁気カード等に適用したときに、加熱後
に再利用が可能な程度の温度(例えば400℃程度)ま
での加熱において、飽和磁化が不可逆的に変化すること
を意味する。
【0027】昇温時に不可逆記録材料が飽和磁化変化を
示し始める温度は、好ましくは50〜400℃、より好
ましくは100〜400℃、さらに好ましくは150〜
300℃の範囲に存在することが望ましく、また、この
ような温度範囲において上記した飽和磁化変化率が得ら
れることが好ましい。飽和磁化変化を示し始める温度が
低すぎると、熱に対して不安定となり、信頼性が低くな
る。また、加熱領域近傍が影響を受けやすくなって正確
な記録が困難となる。飽和磁化変化を示し始める温度が
高すぎると、記録の際に必要とされる加熱温度が高くな
るため耐熱性の低い樹脂を基体に使うことが困難とな
り、また、記録装置が高価になってしまう。なお、不可
逆記録層の加熱にはサーマルヘッドなどを用いる。サー
マルヘッドの表面温度は400℃程度であり、これに磁
気記録媒体を接触させることにより、不可逆記録層を3
00℃程度まで昇温することが可能である。サーマルヘ
ッドにより加熱では、不可逆記録層表面からの深さが約
10μmの位置での温度が、100〜140℃程度まで
上昇する。
示し始める温度は、好ましくは50〜400℃、より好
ましくは100〜400℃、さらに好ましくは150〜
300℃の範囲に存在することが望ましく、また、この
ような温度範囲において上記した飽和磁化変化率が得ら
れることが好ましい。飽和磁化変化を示し始める温度が
低すぎると、熱に対して不安定となり、信頼性が低くな
る。また、加熱領域近傍が影響を受けやすくなって正確
な記録が困難となる。飽和磁化変化を示し始める温度が
高すぎると、記録の際に必要とされる加熱温度が高くな
るため耐熱性の低い樹脂を基体に使うことが困難とな
り、また、記録装置が高価になってしまう。なお、不可
逆記録層の加熱にはサーマルヘッドなどを用いる。サー
マルヘッドの表面温度は400℃程度であり、これに磁
気記録媒体を接触させることにより、不可逆記録層を3
00℃程度まで昇温することが可能である。サーマルヘ
ッドにより加熱では、不可逆記録層表面からの深さが約
10μmの位置での温度が、100〜140℃程度まで
上昇する。
【0028】不可逆記録材料のキュリー温度は特に限定
されず、不可逆記録およびその再生が可能であるキュリ
ー温度であればよい。
されず、不可逆記録およびその再生が可能であるキュリ
ー温度であればよい。
【0029】不可逆記録材料の形態は特に限定されず、
例えば、薄帯状、薄膜状、粉末状等のいずれであっても
よい。例えば、磁気カードに適用する場合、不可逆記録
材料の薄帯を単ロール法等の液体急冷法により作製し、
これを基体表面に貼付したり、スパッタ法や蒸着法等の
薄膜形成法により基体表面に不可逆記録材料の薄膜を形
成したり、不可逆記録材料の薄帯を粉砕した粉末や、水
アトマイズ法、ガスアトマイズ法等により製造した粉末
を、媒体攪拌ミル等により扁平化ないし微細化し、これ
をバインダで結合して塗布したりすればよい。不可逆記
録材料を粉末状とする場合、粒子形状は扁平状であるこ
とが好ましい。扁平状粒子を用いれば、塗膜の表面性が
良好となって磁気記録再生特性および加熱時の熱伝導性
が良好となる。
例えば、薄帯状、薄膜状、粉末状等のいずれであっても
よい。例えば、磁気カードに適用する場合、不可逆記録
材料の薄帯を単ロール法等の液体急冷法により作製し、
これを基体表面に貼付したり、スパッタ法や蒸着法等の
薄膜形成法により基体表面に不可逆記録材料の薄膜を形
成したり、不可逆記録材料の薄帯を粉砕した粉末や、水
アトマイズ法、ガスアトマイズ法等により製造した粉末
を、媒体攪拌ミル等により扁平化ないし微細化し、これ
をバインダで結合して塗布したりすればよい。不可逆記
録材料を粉末状とする場合、粒子形状は扁平状であるこ
とが好ましい。扁平状粒子を用いれば、塗膜の表面性が
良好となって磁気記録再生特性および加熱時の熱伝導性
が良好となる。
【0030】不可逆記録材料の具体的組成は特に限定さ
れないが、好ましくは以下に挙げるものを用いる。
れないが、好ましくは以下に挙げるものを用いる。
【0031】Ni基合金 この合金では、非晶質状態のものを加熱して結晶化する
ことにより、飽和磁化の増大が生じる組成を選択する。
ことにより、飽和磁化の増大が生じる組成を選択する。
【0032】Ni基合金としては、Niに加え、メタロ
イド元素として、M(Mは、B、C、Si、PおよびG
eからなる群から選択される少なくとも1種の元素であ
る)を含むものが好ましい。これらの元素を含むことに
より、非晶質から結晶質への変化が容易となり、また、
結晶化温度を好ましい範囲内とすることが容易となる。
Mとしては、B、CおよびPの少なくとも1種が好まし
く、Bおよび/またはCがより好ましい。特に、Bおよ
びCを含む合金は、飽和磁化が高く、しかも結晶化に要
する温度が低いため好ましい。
イド元素として、M(Mは、B、C、Si、PおよびG
eからなる群から選択される少なくとも1種の元素であ
る)を含むものが好ましい。これらの元素を含むことに
より、非晶質から結晶質への変化が容易となり、また、
結晶化温度を好ましい範囲内とすることが容易となる。
Mとしては、B、CおよびPの少なくとも1種が好まし
く、Bおよび/またはCがより好ましい。特に、Bおよ
びCを含む合金は、飽和磁化が高く、しかも結晶化に要
する温度が低いため好ましい。
【0033】なお、結晶化温度やキュリー温度等の制御
のために、これら以外の元素が含まれていてもよく、ま
た、本発明の作用効果を著しく阻害しない範囲におい
て、さらに他の元素が含まれていてもよい。上記以外の
元素としては、例えばFe、Co、Y、Zr、Gd、C
u、Sn、Al、Cr等が挙げられる。FeやCoは、
Niの一部を置換するかたちで含まれ、これらの置換に
より結晶化温度はやや上昇するが、飽和磁化が高くな
る。
のために、これら以外の元素が含まれていてもよく、ま
た、本発明の作用効果を著しく阻害しない範囲におい
て、さらに他の元素が含まれていてもよい。上記以外の
元素としては、例えばFe、Co、Y、Zr、Gd、C
u、Sn、Al、Cr等が挙げられる。FeやCoは、
Niの一部を置換するかたちで含まれ、これらの置換に
より結晶化温度はやや上昇するが、飽和磁化が高くな
る。
【0034】Ni基合金中のNi含有率は、好ましくは
65〜90原子%、より好ましくは73〜83原子%で
ある。Ni量が少なすぎると結晶化温度が高くなり、し
かも加熱して結晶質としたときの4πMsが低くなって
しまう。一方、Ni量が多すぎると、不可逆記録材料製
造時に非晶質化することが困難となる。Ni基合金がB
およびCを含む場合、結晶化時の飽和磁化はC量の増加
に伴なって一般に増加するが、C量が多すぎると結晶化
温度が上昇してしまうので、C/(B+C)は0.45
以下であることが好ましい。Niの一部をFeおよび/
またはCoで置換する場合、合金中のFe+Coは10
原子%以下であることが好ましい。Fe+Coが多すぎ
ると、非晶質のときの飽和磁化が大きくなってしまう。
65〜90原子%、より好ましくは73〜83原子%で
ある。Ni量が少なすぎると結晶化温度が高くなり、し
かも加熱して結晶質としたときの4πMsが低くなって
しまう。一方、Ni量が多すぎると、不可逆記録材料製
造時に非晶質化することが困難となる。Ni基合金がB
およびCを含む場合、結晶化時の飽和磁化はC量の増加
に伴なって一般に増加するが、C量が多すぎると結晶化
温度が上昇してしまうので、C/(B+C)は0.45
以下であることが好ましい。Niの一部をFeおよび/
またはCoで置換する場合、合金中のFe+Coは10
原子%以下であることが好ましい。Fe+Coが多すぎ
ると、非晶質のときの飽和磁化が大きくなってしまう。
【0035】Mn−M(メタロイド)系合金 この合金では、非晶質状態のものを加熱して結晶化する
ことにより、飽和磁化の増大が生じる組成を選択する。
ことにより、飽和磁化の増大が生じる組成を選択する。
【0036】この合金は、Mnに加え、メタロイド元素
Mの少なくとも1種を含有するものである。メタロイド
元素Mとしては、Ge、Al、B、C、Ga、Siおよ
びCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素
が好ましい。元素Mを含むことにより、非晶質から結晶
質への変化が容易となり、また、結晶化温度を好ましい
範囲内とすることが容易となる。MのうちGeまたはA
lを用いた場合、飽和磁化が高くなるので好ましく、特
に、Geを用いた場合には結晶化温度が低くなるので好
ましい。そして、Geに加えAlおよび/またはSiを
添加した場合には、きわめて高い飽和磁化が得られる。
また、Alおよび/またはSiの添加により加熱前の飽
和磁化が著しく小さくなるため、これらの添加は加熱前
後での飽和磁化の比の増大に寄与する。この場合、Al
+Siの添加量の下限は特にないが、通常、0.1原子
%以上とすることが好ましい。また、Alの添加量は好
ましくは6原子%以下、Siの添加量は好ましくは10
原子%以下であり、Al+Siは12原子%を超えない
ことが好ましい。AlやSiの添加量が多すぎると加熱
後の飽和磁化はかえって低くなってしまう。
Mの少なくとも1種を含有するものである。メタロイド
元素Mとしては、Ge、Al、B、C、Ga、Siおよ
びCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素
が好ましい。元素Mを含むことにより、非晶質から結晶
質への変化が容易となり、また、結晶化温度を好ましい
範囲内とすることが容易となる。MのうちGeまたはA
lを用いた場合、飽和磁化が高くなるので好ましく、特
に、Geを用いた場合には結晶化温度が低くなるので好
ましい。そして、Geに加えAlおよび/またはSiを
添加した場合には、きわめて高い飽和磁化が得られる。
また、Alおよび/またはSiの添加により加熱前の飽
和磁化が著しく小さくなるため、これらの添加は加熱前
後での飽和磁化の比の増大に寄与する。この場合、Al
+Siの添加量の下限は特にないが、通常、0.1原子
%以上とすることが好ましい。また、Alの添加量は好
ましくは6原子%以下、Siの添加量は好ましくは10
原子%以下であり、Al+Siは12原子%を超えない
ことが好ましい。AlやSiの添加量が多すぎると加熱
後の飽和磁化はかえって低くなってしまう。
【0037】Mn−M系合金の結晶化機構は特に限定さ
れないが、一般に、Mnと他の元素との化合物が析出す
ることにより結晶化し、これにより飽和磁化が高くなる
と考えられる。例えば、Geを含む場合には、強磁性の
Mn5 Ge3 相が少なくとも析出する。また、Mnおよ
びAlを主成分とする合金の場合には、強磁性のMn55
Al45相が少なくとも析出すると考えられる。
れないが、一般に、Mnと他の元素との化合物が析出す
ることにより結晶化し、これにより飽和磁化が高くなる
と考えられる。例えば、Geを含む場合には、強磁性の
Mn5 Ge3 相が少なくとも析出する。また、Mnおよ
びAlを主成分とする合金の場合には、強磁性のMn55
Al45相が少なくとも析出すると考えられる。
【0038】合金中のMn含有率の好ましい範囲は、合
金中に含まれるMの種類によって異なるので、不可逆記
録材料としての作用効果が実現するように適宜決定すれ
ばよく、通常、40〜80原子%とすればよいが、例え
ば、Mn−Ge合金やMn−Ge−Al合金、Mn−G
e−Si合金のようにMnおよびGeを主体とするMn
−Ge系合金の場合、Mn含有率は、好ましくは40〜
80原子%、より好ましくは45〜75原子%であり、
Mn−Al合金の場合のMn含有率は、好ましくは45
〜60原子%、より好ましくは50〜55原子%であ
る。
金中に含まれるMの種類によって異なるので、不可逆記
録材料としての作用効果が実現するように適宜決定すれ
ばよく、通常、40〜80原子%とすればよいが、例え
ば、Mn−Ge合金やMn−Ge−Al合金、Mn−G
e−Si合金のようにMnおよびGeを主体とするMn
−Ge系合金の場合、Mn含有率は、好ましくは40〜
80原子%、より好ましくは45〜75原子%であり、
Mn−Al合金の場合のMn含有率は、好ましくは45
〜60原子%、より好ましくは50〜55原子%であ
る。
【0039】Mn−Sb系合金 この合金は、MnおよびSbを含む合金である。合金中
のMn含有率は、不可逆記録材料としての作用効果が実
現するように適宜決定すればよいが、好ましくは40〜
75原子%、より好ましくは44〜66原子%、さらに
好ましくは58原子%〜66原子%、最も好ましくは6
0〜66原子%である。Mn含有率が低すぎると、加熱
前および後での飽和磁化がいずれも小さくなり、飽和磁
化の変化比率も小さくなってしまう。一方、Mn含有率
が高い場合、通常、加熱により飽和磁化は増大するが、
Mn含有率が高すぎると加熱後の飽和磁化があまり高く
ならず、記録情報の読み出しが困難となる。
のMn含有率は、不可逆記録材料としての作用効果が実
現するように適宜決定すればよいが、好ましくは40〜
75原子%、より好ましくは44〜66原子%、さらに
好ましくは58原子%〜66原子%、最も好ましくは6
0〜66原子%である。Mn含有率が低すぎると、加熱
前および後での飽和磁化がいずれも小さくなり、飽和磁
化の変化比率も小さくなってしまう。一方、Mn含有率
が高い場合、通常、加熱により飽和磁化は増大するが、
Mn含有率が高すぎると加熱後の飽和磁化があまり高く
ならず、記録情報の読み出しが困難となる。
【0040】合金中には、MnおよびSb以外に上記し
たメタロイド元素Mが含まれていてもよい。元素Mの添
加により、一般に結晶化温度を低くすることができるの
で、記録が容易となる。また、Crのように反強磁性元
素を少量添加すると加熱前の磁化が小さくなり、その結
果、飽和磁化の変化比率が大きくなる。なお、M添加に
より飽和磁化は低下するため、M含有率は、通常、15
原子%以下であることが好ましい。
たメタロイド元素Mが含まれていてもよい。元素Mの添
加により、一般に結晶化温度を低くすることができるの
で、記録が容易となる。また、Crのように反強磁性元
素を少量添加すると加熱前の磁化が小さくなり、その結
果、飽和磁化の変化比率が大きくなる。なお、M添加に
より飽和磁化は低下するため、M含有率は、通常、15
原子%以下であることが好ましい。
【0041】Mn含有率が上記範囲であるとき、合金の
飽和磁化および保磁力は加熱により一般に増大するが、
Mn含有率が低めのときには、加熱によって飽和磁化が
減少することもある。また、Sb以外に添加する元素の
種類や、加熱温度などによっても、飽和磁化の加熱によ
る減少が生じることがある。ただし、この合金は、加熱
により飽和磁化が増大する場合に、飽和磁化の変化比率
が一般に大きくなるので、このような飽和磁化変化を示
すように組成を選択することが好ましい。
飽和磁化および保磁力は加熱により一般に増大するが、
Mn含有率が低めのときには、加熱によって飽和磁化が
減少することもある。また、Sb以外に添加する元素の
種類や、加熱温度などによっても、飽和磁化の加熱によ
る減少が生じることがある。ただし、この合金は、加熱
により飽和磁化が増大する場合に、飽和磁化の変化比率
が一般に大きくなるので、このような飽和磁化変化を示
すように組成を選択することが好ましい。
【0042】なお、Mn含有率が低めのときには結晶化
しやすいため、後述する急冷法や薄膜形成法によって不
可逆記録材料を形成する場合に、結晶質となることが多
い。この場合、加熱による磁気特性の変化は、少なくと
も結晶相から他の結晶相への変化に伴うものと考えられ
る。
しやすいため、後述する急冷法や薄膜形成法によって不
可逆記録材料を形成する場合に、結晶質となることが多
い。この場合、加熱による磁気特性の変化は、少なくと
も結晶相から他の結晶相への変化に伴うものと考えられ
る。
【0043】Fe−Mn(−C)系合金 この合金は、FeおよびMnを主成分とするか、Fe、
MnおよびCを主成分とする合金である。
MnおよびCを主成分とする合金である。
【0044】FeおよびMnを主成分とする合金におけ
る各元素の含有率は、好ましくは Fe:50〜75原子%、 Mn:25〜50原子% であり、より好ましくは Fe:60〜70原子%、 Mn:30〜40原子% である。Feが少なすぎても多すぎても、Mnが少なす
ぎても多すぎても、加熱前後での飽和磁化変化率が低く
なる。
る各元素の含有率は、好ましくは Fe:50〜75原子%、 Mn:25〜50原子% であり、より好ましくは Fe:60〜70原子%、 Mn:30〜40原子% である。Feが少なすぎても多すぎても、Mnが少なす
ぎても多すぎても、加熱前後での飽和磁化変化率が低く
なる。
【0045】Fe、MnおよびCを主成分とする合金に
おける各元素の含有率は、好ましくは Fe:35〜75原子%、 Mn:20〜50原子% C :0〜30原子%(0原子%を含まず) であり、より好ましくは Fe:35〜70原子%、 Mn:20〜40原子% C :5〜25原子%(0原子%を含まず) である。Feが少なすぎても多すぎても、Mnが少なす
ぎても多すぎても、加熱前後での飽和磁化変化率が低く
なる。Cは、加熱前後での飽和磁化変化率を向上させる
ために添加される。このような効果を十分に発揮させる
ためには、C添加量を好ましくは5原子%以上、より好
ましくは10原子%以上とする。ただし、C添加量が多
すぎると加熱前後での飽和磁化変化率が逆に低くなって
しまう。
おける各元素の含有率は、好ましくは Fe:35〜75原子%、 Mn:20〜50原子% C :0〜30原子%(0原子%を含まず) であり、より好ましくは Fe:35〜70原子%、 Mn:20〜40原子% C :5〜25原子%(0原子%を含まず) である。Feが少なすぎても多すぎても、Mnが少なす
ぎても多すぎても、加熱前後での飽和磁化変化率が低く
なる。Cは、加熱前後での飽和磁化変化率を向上させる
ために添加される。このような効果を十分に発揮させる
ためには、C添加量を好ましくは5原子%以上、より好
ましくは10原子%以上とする。ただし、C添加量が多
すぎると加熱前後での飽和磁化変化率が逆に低くなって
しまう。
【0046】合金中には上記以外の元素、例えば、B、
Si、Al、Cr等の少なくとも1種が含まれていても
よい。ただし、これらの元素の含有率が高すぎると加熱
前後での飽和磁化変化率が小さくなることがあるため、
これらの元素の含有率の合計は、通常、30原子%以下
であることが好ましい。
Si、Al、Cr等の少なくとも1種が含まれていても
よい。ただし、これらの元素の含有率が高すぎると加熱
前後での飽和磁化変化率が小さくなることがあるため、
これらの元素の含有率の合計は、通常、30原子%以下
であることが好ましい。
【0047】なお、この合金の飽和磁化は加熱により一
般に増大するが、C含有率が高めのときには、加熱によ
って飽和磁化が減少することもある。
般に増大するが、C含有率が高めのときには、加熱によ
って飽和磁化が減少することもある。
【0048】Fe−Al系合金 この合金は結晶質合金であり、不規則相から規則相への
不可逆的な変態に伴って飽和磁化の不可逆的変化が生じ
るものである。具体的には、加熱により飽和磁化が減少
する。
不可逆的な変態に伴って飽和磁化の不可逆的変化が生じ
るものである。具体的には、加熱により飽和磁化が減少
する。
【0049】この合金は、FeおよびAlを合計で90
原子%以上含有し、Alの比率を表す原子比Al/(F
e+Al)が好ましくは0.30〜0.45、より好ま
しくは0.35〜0.42である。
原子%以上含有し、Alの比率を表す原子比Al/(F
e+Al)が好ましくは0.30〜0.45、より好ま
しくは0.35〜0.42である。
【0050】この合金は、平衡状態では規則相であり、
常磁性であるためにほとんど磁化を示さない。しかし、
この合金を後述する液体急冷法やスパッタ法、蒸着法な
どで急冷したり、粉砕機等で加工したりすることなどに
より、格子歪みを伴う不規則な構造にすると、磁性を支
配するFe原子の環境が変化するために強磁性を示すよ
うになる。いったん不規則な構造になった合金は、加熱
により構造緩和して常磁性に変化するので、加熱による
磁化変化を利用した記録が可能となる。そして、加熱に
より常磁性に変化した合金を加熱前の不規則な構造に戻
すためには、不可逆記録材料をその融点付近まで加熱す
るか、不可逆記録材料に結晶構造変化を生じさせる程度
の強い応力を発生させる必要がある。例えば、本発明を
磁気カードに適用する場合には、磁気カードの基体が燃
焼してしまうほどの高温まで加熱するか、磁気カードが
粉々になるほど強い力で加工する必要がある。このた
め、不可逆記録材料にいったん記録された情報の書き換
えは実質的に不可能であり、情報の改竄を防ぐことがで
きる。
常磁性であるためにほとんど磁化を示さない。しかし、
この合金を後述する液体急冷法やスパッタ法、蒸着法な
どで急冷したり、粉砕機等で加工したりすることなどに
より、格子歪みを伴う不規則な構造にすると、磁性を支
配するFe原子の環境が変化するために強磁性を示すよ
うになる。いったん不規則な構造になった合金は、加熱
により構造緩和して常磁性に変化するので、加熱による
磁化変化を利用した記録が可能となる。そして、加熱に
より常磁性に変化した合金を加熱前の不規則な構造に戻
すためには、不可逆記録材料をその融点付近まで加熱す
るか、不可逆記録材料に結晶構造変化を生じさせる程度
の強い応力を発生させる必要がある。例えば、本発明を
磁気カードに適用する場合には、磁気カードの基体が燃
焼してしまうほどの高温まで加熱するか、磁気カードが
粉々になるほど強い力で加工する必要がある。このた
め、不可逆記録材料にいったん記録された情報の書き換
えは実質的に不可能であり、情報の改竄を防ぐことがで
きる。
【0051】この合金において、Alの比率が低すぎる
と、加熱前後での飽和磁化変化が小さくなり、Alの比
率が高すぎると、耐環境性が著しく低くなる。本明細書
において耐環境性が低いとは、温度100℃程度の環境
下で保存したときに、飽和磁化が減少してしまうことを
意味する。Alの比率が高すぎると、高温環境下での保
存により飽和磁化が著しく低下し、一方、加熱後の飽和
磁化は変化しないため、飽和磁化変化率が著しく低くな
って実用に耐えなくなる。また、Alの比率が高すぎる
と、飽和磁化自体が小さくなって再生信号のSN比が低
くなるという問題もある。
と、加熱前後での飽和磁化変化が小さくなり、Alの比
率が高すぎると、耐環境性が著しく低くなる。本明細書
において耐環境性が低いとは、温度100℃程度の環境
下で保存したときに、飽和磁化が減少してしまうことを
意味する。Alの比率が高すぎると、高温環境下での保
存により飽和磁化が著しく低下し、一方、加熱後の飽和
磁化は変化しないため、飽和磁化変化率が著しく低くな
って実用に耐えなくなる。また、Alの比率が高すぎる
と、飽和磁化自体が小さくなって再生信号のSN比が低
くなるという問題もある。
【0052】合金中のAlは、MI(MIは、Si、G
e、Sn、Sb、Bi、Mo、W、Nb、Ta、Ti、
ZrおよびHfの少なくとも1種)で置換されていても
よい。MIでAlを置換することにより、耐環境性が向
上する。ただし、MI含有量が多すぎると、初期飽和磁
化(不規則相本来の飽和磁化)が低くなってしまうた
め、不可逆記録材料中のMI含有量は10原子%以下と
することが好ましい。
e、Sn、Sb、Bi、Mo、W、Nb、Ta、Ti、
ZrおよびHfの少なくとも1種)で置換されていても
よい。MIでAlを置換することにより、耐環境性が向
上する。ただし、MI含有量が多すぎると、初期飽和磁
化(不規則相本来の飽和磁化)が低くなってしまうた
め、不可逆記録材料中のMI含有量は10原子%以下と
することが好ましい。
【0053】合金中のFeは、MII(MIIは、Co、N
i、Mn、Cr、VおよびCuの少なくとも1種)で置
換されていてもよい。MIIでFeを置換することによ
り、飽和磁化変化率が向上する。また、MIIのうちCr
は、耐食性の向上に極めて有効である。ただし、MII含
有量が多すぎると、初期飽和磁化が低くなってしまうこ
とがあるため、不可逆記録材料中のMII含有量は20原
子%以下とすることが好ましい。
i、Mn、Cr、VおよびCuの少なくとも1種)で置
換されていてもよい。MIIでFeを置換することによ
り、飽和磁化変化率が向上する。また、MIIのうちCr
は、耐食性の向上に極めて有効である。ただし、MII含
有量が多すぎると、初期飽和磁化が低くなってしまうこ
とがあるため、不可逆記録材料中のMII含有量は20原
子%以下とすることが好ましい。
【0054】なお、MIおよびMIIは、上記した原子比
Al/(Fe+Al)を算出する際に、それぞれAlお
よびFeとして扱う。
Al/(Fe+Al)を算出する際に、それぞれAlお
よびFeとして扱う。
【0055】合金中には、MIII(MIIIは、B、C、N
およびPの少なくとも1種)が含有されていてもよい。
MIIIは、合金を急冷法等により製造する際に、不規則
相を出現しやすくする。また、不規則相から規則相への
変化を妨げる作用を示す。このため、上記MIと同様
に、高温環境下で保存したときの飽和磁化の減少を抑え
る効果を示す。しかも、MIII添加による初期飽和磁化
の低下はほとんど認められない。ただし、MIII含有量
が多すぎると飽和磁化変化率が低くなってしまうため、
MIII含有量は不可逆記録材料の10原子%以下とする
ことが好ましい。
およびPの少なくとも1種)が含有されていてもよい。
MIIIは、合金を急冷法等により製造する際に、不規則
相を出現しやすくする。また、不規則相から規則相への
変化を妨げる作用を示す。このため、上記MIと同様
に、高温環境下で保存したときの飽和磁化の減少を抑え
る効果を示す。しかも、MIII添加による初期飽和磁化
の低下はほとんど認められない。ただし、MIII含有量
が多すぎると飽和磁化変化率が低くなってしまうため、
MIII含有量は不可逆記録材料の10原子%以下とする
ことが好ましい。
【0056】Cu−Mn−Al系合金 この合金はホイスラー合金の1種であり、結晶質であっ
て、加熱により反強磁性相から強磁性相へ不可逆的に変
化する。すなわち、加熱により飽和磁化が不可逆的に増
大する合金である。
て、加熱により反強磁性相から強磁性相へ不可逆的に変
化する。すなわち、加熱により飽和磁化が不可逆的に増
大する合金である。
【0057】この合金の組成(原子比)は、 CuxMnyAlz において x=40〜80、 y=5〜40、 z=10〜40、 x+y+z=100 であることが好ましい。x、y、zが上記範囲を外れる
と、十分な磁化変化が得られない。
と、十分な磁化変化が得られない。
【0058】他の構成 磁気記録層3に含まれる磁性材料は特に限定されず、例
えばBaフェライトやSrフェライトなどから適宜選択
すればよいが、不可逆記録層を加熱する際に磁気記録層
も加熱されるような配置とする場合には、耐熱性の高い
磁性材料を用いることが好ましい。磁気記録層3は、図
2に示すように不可逆記録層4と分離して設けてもよ
く、磁気記録層を形成した後に、磁気記録層表面の少な
くとも一部に不可逆記録層を設けてもよい。
えばBaフェライトやSrフェライトなどから適宜選択
すればよいが、不可逆記録層を加熱する際に磁気記録層
も加熱されるような配置とする場合には、耐熱性の高い
磁性材料を用いることが好ましい。磁気記録層3は、図
2に示すように不可逆記録層4と分離して設けてもよ
く、磁気記録層を形成した後に、磁気記録層表面の少な
くとも一部に不可逆記録層を設けてもよい。
【0059】基体2の構成材料は特に限定されず、樹
脂、金属等のいずれであってもよい。
脂、金属等のいずれであってもよい。
【0060】不可逆記録層4の表面には、必要に応じて
樹脂保護層や無機保護層を設けてもよい。なお、このよ
うな保護層を設けた場合でも、不可逆記録層の表面粗さ
(Ra)の限定は有効である。
樹脂保護層や無機保護層を設けてもよい。なお、このよ
うな保護層を設けた場合でも、不可逆記録層の表面粗さ
(Ra)の限定は有効である。
【0061】
【実施例】水アトマイズ法により得た合金粉末を媒体攪
拌ミルで粉砕して、平均粒径8μmのFe58Al42合金
扁平状粉末を製造した。この合金粉末は、加熱により飽
和磁化が低下するものである。なお、この合金粉末は、
急冷直後も400℃まで加熱した後も結晶質であった。
拌ミルで粉砕して、平均粒径8μmのFe58Al42合金
扁平状粉末を製造した。この合金粉末は、加熱により飽
和磁化が低下するものである。なお、この合金粉末は、
急冷直後も400℃まで加熱した後も結晶質であった。
【0062】厚さ188μm のポリイミド基体の表面
に、上記扁平状粉末を分散した塗料を塗布して乾燥する
ことにより、厚さ5.5μmの不可逆記録層を形成し、
磁気記録媒体サンプルとした。
に、上記扁平状粉末を分散した塗料を塗布して乾燥する
ことにより、厚さ5.5μmの不可逆記録層を形成し、
磁気記録媒体サンプルとした。
【0063】このサンプルの不可逆記録層に、加熱バー
を形成した。加熱バーの配列パターンは、特定の情報を
FM方式またはPM方式でコード化したものとした。次
に、加熱バー間に存在する非加熱バーを様々なパターン
で加熱した後、読み取りを試みたが、どの場合も再生不
能であった。
を形成した。加熱バーの配列パターンは、特定の情報を
FM方式またはPM方式でコード化したものとした。次
に、加熱バー間に存在する非加熱バーを様々なパターン
で加熱した後、読み取りを試みたが、どの場合も再生不
能であった。
【図1】デジタル信号の符号化方式を比較説明するため
の図である。
の図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の構成例を示す平面図で
ある。
ある。
2 基体 3 磁気記録層 4 不可逆記録層 41 加熱バー 42 非加熱バー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/80 G11B 19/04 521 11/14 G06K 19/00 B 19/04 521 R (72)発明者 重田 政雄 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 長 勤 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 基体上の少なくとも一部に、加熱により
飽和磁化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有し、前
記不可逆記録層の少なくとも一部に、媒体の固定情報を
記録するための固定情報記録領域を有し、 前記固定情報記録領域に、飽和磁化が不可逆的に変化し
た複数の加熱バーが互いにほぼ平行に配列しており、前
記加熱バーの配列パターンまたは隣り合う加熱バー間に
存在する非加熱バーの配列パターンが、前記固定情報を
周波数変調方式または位相変調方式でコード化したもの
である磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記固定情報記録領域に、価値情報また
は標識情報が記録されている請求項1の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 基体上の少なくとも一部に、加熱により
飽和磁化が不可逆的に変化する不可逆記録層を有する磁
気記録媒体に対し、前記不可逆記録層の少なくとも一部
に、飽和磁化が不可逆的に変化した複数の加熱バーが互
いにほぼ平行に配列するように加熱を行って記録する方
法であり、 前記加熱バーの配列パターンまたは隣り合う加熱バー間
に存在する非加熱バーの配列パターンが、記録情報を周
波数変調方式または位相変調方式でコード化したもので
ある磁気記録媒体の記録方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16198297A JPH10340416A (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 磁気記録媒体およびその記録方法 |
CN98800757A CN1228178A (zh) | 1997-06-04 | 1998-06-04 | 磁记录介质及其使用方法 |
EP98923131A EP0927951A4 (en) | 1997-06-04 | 1998-06-04 | MAGNETIC RECORDING MEDIUM AND METHOD OF USING THE SAME |
PCT/JP1998/002485 WO1998055962A1 (fr) | 1997-06-04 | 1998-06-04 | Support d'enregistrement magnetique et son procede d'utilisation |
US09/244,437 US6029895A (en) | 1997-06-04 | 1999-02-04 | Magnetic recording medium and method of making the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16198297A JPH10340416A (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 磁気記録媒体およびその記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10340416A true JPH10340416A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15745787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16198297A Pending JPH10340416A (ja) | 1997-06-04 | 1997-06-04 | 磁気記録媒体およびその記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10340416A (ja) |
-
1997
- 1997-06-04 JP JP16198297A patent/JPH10340416A/ja active Pending
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