JP3390484B2 - 記録担体カードの真偽判定装置 - Google Patents
記録担体カードの真偽判定装置Info
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Description
に管理対象情報を例えば磁気的に記録する記録担体カー
ドの真偽判定装置に関するものである。
日本国内で最も多く利用されているプリペイドカード
は、テレホンカードの名称で知られているNTT(日本
電信電話株式会社)の発行する公衆電話機用のものであ
る。このカードは代金前払いで、予め利用金額又は利用
価値を管理情報として記録してあり、使用する毎に利用
価値が書き換えられ、通常は減額管理される。管理方法
は磁性体層に磁気記録された度数情報と使用度数に応じ
て物理的にあけられるパンチ穴によっている。この磁気
記録内容は一般公開されておらず、改ざん等が一般的に
は不可能とされていた。しかしながら、最近では通話度
数が変造されたテレホンカードが出回っていることが、
マスコミにより報じられており、大きな社会問題となっ
ている。
が出回っている原因の一つとして、このプリペイドカー
ドのデータセキュリティ機能の不十分さが指摘されてい
る。その一つは、磁気記録方式の本質的欠点として記録
内容が磁気現像剤等によって解読可能であることであ
る。更に、度数管理として併用されているパンチ穴がセ
キュリティに殆ど役立っていない点にあり、いわゆるマ
ニアと呼ばれる人たちにより、使用度数の変造を行なう
可能性があった。現在ではカード式公衆電話機は全国で
約70万台あり、もし変造防止のために度数管理方式が
変更されると、カード本体のコスト並びに電話機の改造
費用が増大し、公衆電話通信の運用上重大な問題とな
る。
容易なセキュリティ性の高い記録担体カードの真偽を容
易かつ高い正確性を以て判定することが可能な記録担体
カードの真偽判定装置を提供することにある。
に、本発明による記録担体カードの真偽判定装置は、管
理対象情報を管理対象情報を磁気記録する第1の記録領
域と、該第1の記録領域とは別の位置に予め定めた特定
の飽和磁気特性を有するアモルファス強磁性材料層が配
置されるとともに必要な個数のパンチ穴をあけることを
予定して設けられた第2の記録領域とを備えた記録担体
カードを取扱対象として、 前記第1の記録領域に磁気記
録された前記管理対象情報を読み出す読み出し手段と、
前記第2の記録領域から前記アモルファス強磁性材料層
の前記予め定めた特定の飽和磁気特性を検知する磁気セ
ンサと、 前記読み出し手段により読み出された前記管理
対象情報の内容と前記磁気サンセによる読み出し結果と
が適正に一致しているか否かにより前記記録担体カード
が真正品であるか又は偽造品であるかを判定する判定手
段と、を備えた構成を有している。
判定装置は、管理対象情報を磁気記録する第1の記録領
域と、該第1の記録領域とは別の位置に予め定めた特定
の飽和磁気特性を有するアモルファス強磁性材料層が配
置されるとともに必要な個数のパンチ穴をあけることを
予定して設けられた第2の記録領域とを備え、該第2 の
記録領域には書き換えしないセキュリティコードが磁気
記録された記録担体カードを取扱対象として、 前記第1
の記録領域に磁気記録された前記管理対象情報を読み出
す第1の読み出し手段と、 前記第2の記録領域に前記パ
ンチ穴が存在するか否かと該パンチ穴が存在する場合に
前記アモルファス強磁性材料層に予め定めたバイアス静
磁界を上乗せした交流励磁磁界を印加することにより得
られる当該特定の飽和磁気特性に対応する特定の磁気検
知出力を検知する磁気センサと、 前記セキュリティコー
ドを前記第2の記録領域から前記磁気センサからの検知
出力により読み出す第2の読み出し手段と、 前記第1の
読み出し手段により読み出された前記管理対象情報の内
容と前記磁気センサによる読み出し結果とが適正に一致
しかつ前記第2の読み出し手段から読み出されたセキュ
リティコードが正しいことが検知されたときに前記記録
担体カードが真正であるとし前記読み出されたセキュリ
ティコード正しいことが検知されないか、又は前記第1
の読み出し手段により読み出された前記管理対象情報の
内容と前記磁気センサによる読み出し結果とが適正に一
致していることが検知されなかったときに前記記録担体
カードが偽造品であると判定する判定手段とを備えた構
成とすることができる。
一般には光センサーによって行なわれており、改ざんさ
れたテレホンカードは簡単な光遮断テープによりパンチ
穴を塞がれているようである。本発明によればパンチ穴
周辺部分に予め定めた特定の飽和磁気特性を有するアモ
ルファス強磁性材料層を張り付けあるいはサンドイッチ
状にカード内に埋め込んである。カードが使用されると
残り度数に応じて穴があけられる。本発明によるカード
は光センサーでなく、磁気センサーによって穴の位置が
検出される。即ち、予め定めた特定の飽和磁気特性を有
するアモルファス強磁性材料層に物理的欠陥(パンチ
穴)があるとその部分に予め定めた特定の飽和磁気特 性
に対応する磁気変化があり、外部からの磁気バイアスと
磁気センサーによって、穴の位置検出が可能である。し
かも磁性材料でその穴を塞ぐような改ざんに対しても磁
気検出は可能である。更に、同一磁性材料での改ざんに
対しては、予め定めた特定の飽和磁気特性を有するアモ
ルファス強磁性材料層のある部分へ書き換えしないセキ
ュリティコードを書き込んでおき、常にその部分からの
セキュリティコードの読み出し出力を参照することで真
偽を判定することができる。書き込みは強磁性材料層の
熱による結晶化非可逆性を利用して書き込みが出来、書
換,消去が不可能であり、セキュリティ性の高いものが
実現できる。また、パンチ穴があけられる部分全てを交
換する、いわゆるハイブリッド改ざんに対しても、予め
定めた特定の飽和磁気特性を有するアモルファス磁性材
料層の如く特殊な強磁性材料層を使用することと書き換
えしないセキュリティコードの書き込みで対応できる。
例えば、FeCoSiB系の強磁性体アモルファス磁性
材料層を用いると高透磁率で鋭い立ち上がり特性を有す
る磁化特性を利用することができ、一般的に入手可能な
フェライト,パーマロイ等の磁性材との区別をすること
がができる。
ペイドカードに用いられる磁気カード本体である。以後
代表的な磁気カードであるテレホンカードを例に説明す
る。2は、テレホンカードのパンチ穴鑚孔部分に施され
た強磁性体層としてのアモルファス磁性材料層である。
3は、テレホンカードが使用され、残量の目安として鑽
孔されたパンチ穴である。4は、前述のアモルファス磁
性材料層2に書き込まれたセキュリティコードである。
ドへの施し方は図2に示すように、(a)に示す例1で
は表面に薄板アモルファス磁性材料層2を張り付けるか
または、スパッタリングによる蒸着、またはメッキ法に
よる電着により配置する。表面に張り付けた磁性材の膜
2は保護層を塗布することによって外部環境から保護さ
れる。(b)に示す例2では、磁性材の膜2はテレホン
カード本体1の基材(ベース)内に挟み込む構造をして
いる。張り付け等は例1と同様にされる。この例ではア
モルファス磁性材料層2が外部から見えず、しかも使用
環境に強い利点がある。
ンカードの真偽判定装置の構成例を示す略図とその動作
原理を説明するための波形図である。ここで、5はパン
チ穴検出用磁気ヘッド、6はアモルファス磁性材料層2
を励磁するための励磁コイル、7は励磁コイル6を励磁
するための励磁電源である。アモルファス磁性材料層2
にFeCoSiB系の強磁性体を用いると、高透磁率,
鋭い立ち上がり特性により、外部から励磁コイルで磁界
を与えると、端面部,パンチ穴部,熱変化部において部
分的磁界変化が生じて、穴検出用の磁気ヘッド5に電圧
として検出される。図3に示す通り、磁気ヘッド5と励
磁コイル6の間にテレホンカード1をはさみ、移動させ
ると、前述した各部分に検出電圧が得られる。
んが行なわれたテレホンカードに対する本発明による真
偽判定の動作を示すものである。8はパンチ穴を再生さ
せる目的で施された遮蔽材である。この遮蔽材8にどの
ような材質のものを持ってしても穴3の部分並びに、セ
キュリティコード4が書き込まれている部分からの電磁
界変化を防ぐことはできない。従って、一旦穴3があけ
られた後に、例えば、フェライト,パーマロイ,純鉄の
ような強磁性体,アルミニウム,銅のような常磁性体、
本発明に用いられたアモルファス磁性体を遮蔽材8とし
て使用しても、端面,穴部分の検出をするこができる。
即ち図4に示すように、遮蔽したにもかかわらず、遮蔽
材8の端面,穴位置に磁界変化があり、検出可能であ
る。従って、本発明による記録担体カードの偽造は不可
能である。
る偽造手段で、テレホンカード1をA,B部分に2分割
してA部分にはパンチ穴のあいていない基板をそのま
ま、もしくは磁性材2を張り付けたもので、度数改ざん
の行なわれたB部と張り合わせて、あたかも未使用カー
ドのごとく見せかけたものである。このような改ざんを
防ぐには、通常では入手できない予め定めた組成を有す
るアモルファス磁性材料層2の利用とその素材の持つ特
質を検出して、それ以外の素材であれば偽造品であると
判断する方式と、アモルファス磁性材料層2に書き換え
しないセキュリティコード4を予め書き込んでおき、読
み出し時にチェックする方式がある。
ファス磁性材料層2の飽和磁気特性を利用することがで
きる。アモルファス磁性材料のあるものは、わずかな外
部磁界に対して特定の大きな飽和磁気特性を有する。図
6のB−Hカーブにその特徴を示す。これを検出するた
めに、図7に示すように、励磁コイル6から与える交流
励磁磁界に特定のレベルのバイアス静磁界を上乗させる
か否かのON−OFF制御に対応して、アモルファス磁
性材料層2から交流励磁信号が検出されないかされるか
を制御することができる。従って、バイアス磁界のレベ
ルを素材にあわせ適当に設定することで、これが真正の
アモルファス磁性材料層2の素材であることを判定する
ことができる。
き込みのできないセキュリティコード4をアモルファス
磁性材料層2に書き込んでおく。この方法の一つとし
て、アモルファス磁性材料層2の加熱による磁気特性変
化が利用することができる。図6にアモルファス磁性材
料のB−H特性例を示す。加熱後のアモルファス材料は
その組成が変化し透磁率,保持特性,飽和特性が変化す
る。特に結晶化温度近辺で変化が著しく、高出力レーザ
等で、部分的に熱を加えると、加熱部は磁気特性の変化
を起こし、例えばバーコードのように部分加熱すること
で、データとして利用することができる。この部分は非
可逆変化を起こしているため、磁気書き込みのように書
換,消去される心配はない。また、書き込みは書く位置
と、加熱パワーが制御可能な高出力レーザー等でのみ可
能であり、簡単に偽造されるおそれはない。
明による改ざんカード検出装置Cの一実施例である。7
は励磁用コイル6を励磁するための励磁電源であり、マ
イクロコンピュータ12からの指示で交流電流及び、直
流電流の加わった交流電流を流せる回路である。13は
パンチ穴位置とセキュリティデータを読み出すための穴
検出回路であって、穴検出用磁気ヘッド5からの読み出
し信号を増幅,波形整形,ディジタル化処理を行なって
いる。ディジタル化された信号はマイクロコンピュータ
等の主制御部に送られる。9は、従来から備わっている
テレホンカードの磁気記録データ読み出し/書き込み用
磁気ヘッドである。10は、磁気ヘッド9から読み出さ
れた信号を増幅,波形整形,ディジタル化する磁気記録
検出回路である。11は、テレホンカード上のデータを
読むためにカードを横方向に移動させるためのカード送
り装置である。12は、マイクロコンピュータ等を利用
した主制御部である。
て図9のフロー図を参照して説明する。まず、改ざんカ
ード検出装置Cのカード投入口(図示しない)にカード
1を挿入する(S1 )と、カード送り装置11が起動し
てカード1が装置内部に取り込まれる(S2 )。続いて
取り込まれたカード1の使用量を表すパンチ穴位置デー
タとセキュリティデータが穴検出回路13により読み取
られ、磁気残量データが磁気記録検出回路10により読
み取られ(S3 )、それぞれ検出データとしてマイクロ
コンピュータ12に入力される。カード1が改ざんされ
ているか否かを判別するには、磁気記録検出回路10か
ら得られる使用度数と、穴検出回路8から得られる使用
度数を比較し(S4 )、両者が適正に一致し(S
5 )、セキュリティコードが正しく(S6 )、かつ、
アモルファス磁性材料層2の磁気特性試験を行って(S
7 )、使用アモルファス磁性材料層2の磁気特性が予
め定めた真正の磁気特性に適合しているときに(S
8 )、真正品であると判定する(S9 )。,,の
いずれかの条件が満足されないときにはその状態により
カード1は偽造品であると判定する(エラー処理I又は
II)。なお、の条件は真偽判定の条件から外しても実
際に大部分の偽造品を判定することは可能である(エラ
ー処理I)。
記録されるテレホンカードを例にとり説明したが、他の
プリペイドカードに対しても本発明が適用可能であるこ
とは明らかである。即ち、例えば、ゴルフ練習場で用い
られているプリペイドカードの外、最近利用分野が広が
りつつあるICカード等についても基本的には同様の原
理により適用可能である。
れば最近報告されているような偽造プリペイドカードを
用いる不正使用による莫大な損害を確実に防止すること
ができるので、実用的効果は極めて大きい。
示す平面図である。
示す断面図である。
構成例を示す略図及び動作説明用波形図である。
る真偽判定動作を説明するための断面図及び波形図であ
る。
ある。
の特性図である。
の波形図である。
実施例を示すブロック図である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 管理対象情報を磁気記録する第1の記録
領域と、該第1の記録領域とは別の位置に予め定めた特
定の飽和磁気特性を有するアモルファス強磁性材料層が
配置されるとともに必要な個数のパンチ穴をあけること
を予定して設けられた第2の記録領域とを備えた記録担
体カードを取扱対象として、 前記第1の記録領域に磁気記録された前記管理対象情報
を読み出す読み出し手段と、 前記第2の記録領域から前記アモルファス強磁性材料層
の前記予め定めた特定の飽和磁気特性を検知する磁気セ
ンサと、 前記読み出し手段により読み出された前記管理対象情報
の内容と前記磁気サンセによる読み出し結果とが適正に
一致しているか否かにより前記記録担体カードが真正品
であるか又は偽造品であるかを判定する判定手段と、 を備えた記録担体カードの真偽判定装置。 - 【請求項2】 管理対象情報を磁気記録する第1の記録
領域と、該第1の記録領域とは別の位置に予め定めた特
定の飽和磁気特性を有するアモルファス強磁性材料層が
配置されるとともに必要な個数のパンチ穴をあけること
を予定して設けられた第2の記録領域とを備え、該第2
の記録領域には書き換えしないセキュリティコードが磁
気記録された記録担体カードを取扱対象として、 前記第1の記録領域に磁気記録された前記管理対象情報
を読み出す第1の読み出し手段と、 前記第2の記録領域に前記パンチ穴が存在するか否かと
該パンチ穴が存在する場合に前記アモルファス強磁性材
料層に予め定めたバイアス静磁界を上乗せした交流励磁
磁界を印加することにより得られる当該特定の飽和磁気
特性に対応する特定の磁気検知出力を検知する磁気セン
サと、 前記セキュリティコードを前記第2の記録領域から前記
磁気センサからの検知出力により読み出す第2の読み出
し手段と、 前記第1の読み出し手段により読み出された前記管理対
象情報の内容と前記磁気センサによる読み出し結果とが
適正に一致しかつ前記第2の読み出し手段から読み出さ
れたセキュリティコードが正しいことが検知されたとき
に前記記録担体カードが真正であるとし前記読み出され
たセキュリティコード正しいことが検知されないか、又
は前記第1の読み出し手段により読み出された前記管理
対象情報の内容と前記磁気センサによる読み出し結果と
が適正に一致していることが検知されなかったときに前
記記録担体カードが偽造品であると判定する判定手段と
を備えた記録担体カードの真偽判定装置。
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1993
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