JPH1049862A - 磁気記録媒体及びその記録再生方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその記録再生方法

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JPH1049862A
JPH1049862A JP8203601A JP20360196A JPH1049862A JP H1049862 A JPH1049862 A JP H1049862A JP 8203601 A JP8203601 A JP 8203601A JP 20360196 A JP20360196 A JP 20360196A JP H1049862 A JPH1049862 A JP H1049862A
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JP8203601A
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English (en)
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Masao Kuroiwa
政夫 黒岩
Hisashi Asuke
尚志 足助
Shiyoutei Chiyou
松弟 張
Yoshie Arai
美江 新井
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材上に磁気符号の全てを等間隔に配置してな
る磁気パターンを形成し、固定情報を後から付与可能
な、一方向性記録による磁気記録媒体及びその記録再生
方法を提供する。 【解決手段】正当性をチェックする手段として磁気記録
媒体の磁気符号の読み取り前に情報の書き込み時と同じ
大きさの直流磁界で磁気パターン上を走査し、或いは同
様の大きさのバイアス磁界を印加させながら磁気符号の
着磁方向を識別して読み取ることにより、例えば通常用
いられる5kOe未満の保磁力を有するバリウムフェラ
イトなどの一般的な磁性材料を使用して、不正にコピー
又は偽造した磁気符号は、磁気記録材料が飽和着磁さ
れ、記録情報が消滅するため、不正な記録情報の読み出
しが防止でき、かつそれにより不正行為がなされた磁気
符号を有する記録媒体の発見・排除が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に係
り、とくにプリペイドカード・クレジットカード・ID
カード・定期券などの磁気記録媒体に関する偽造・改竄
・変造に対するセキュリティを向上させてなる磁気記録
媒体及びその記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金融分野やセキュリティ分野
などに用いられるクレジットカード、プリペイドカード
やIDカード等の磁気記録媒体に情報を磁気データとし
て記録する技術が広く利用されている。これらは通常書
き換え可能な磁気記録材料が用いられており、偽造など
の不正防止対策として媒体に固定の情報を設けておき、
媒体発行時及び媒体を用いた取引・利用時に、固定の情
報を読み取り、その媒体の有効性を確認することが行な
われていた。
【0003】この固定の情報として、所定の磁気センサ
ーや磁気ヘッドにより検出可能な磁性材料からなる磁気
符号(例えば、磁気バー)の複数個を印刷形成しバーコ
ード状に配置した磁気バーコードが知られており、また
磁性材料を含むことなく、外見上は磁気符号と同様に見
えるダミーバーを組み合わせてなる磁気バーコードが知
られている。ダミーバーは磁化されないため、その存在
の有無により磁気記録媒体の真偽を判定することがで
き、またダミーバーによる磁気バーコードの多様なデー
タ表示が可能となる。図12は従来の磁気バーコードの
例を示す磁気記録媒体51の断面図を表し、基材52に
磁気情報を任意に書き換え可能な磁気記録層55を形成
し、磁気記録層55上に磁気記録層55に用いた磁性材
料よりも低保磁力の磁性材料からなる磁気バー53を、
オフセット印刷やスクリーン印刷などの公知の印刷・塗
工手段により所定の構成となるように設け、さらに磁性
材料を含まないダミーバー54を同様にして適宜設け
る。これにより外見上は一連のパターンとして形成され
た磁気バーコード(図示しない)として見える。通常は
これに磁気記録層55、磁気バー53を隠蔽する隠蔽層
56、保護層57を積層している。
【0004】この磁気バーコードは金額情報や媒体発行
機関などのパターン情報として媒体上に形成され、媒体
の種類の識別と媒体の確認等のセキュリティなどを目的
として利用されている。これらの磁気バーコードは光学
式バーコードに比べ、汚れや擦れに強く信頼性が高く、
さらに使用される磁気材料が特殊であることから偽造・
改竄が困難であるという長所を有しており、セキュリテ
ィ機能の一つとして、プリペイドカードなどの磁気記録
媒体に多用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の書き
換え可能な磁気記録材料で構成された磁気バーコードは
磁気バーが磁気現像剤、マグビュアなどで読み取りがで
きたり、また読み取りができなくても磁気バーとダミー
バーの区別が比較的容易であるということもあり、さら
に磁気バーとダミーバーの両方を設けることは2種類の
バーを別々に設ける必要があり、製造工程が多くなるこ
とによるコスト増がある。そしてダミーバーの存在は情
報密度、情報量が限られるという欠点がある。とくに磁
気バーコードはそれが形成される磁気記録媒体に記録さ
れる情報を表すバーコードパターンに特定されるため、
製造時に磁気記録媒体毎に固有の磁気バーコードとしな
ければならず、多様な磁気記録媒体を発行する場合は、
個々の固定情報に合わせてそれぞれ磁気バーコードを作
製する必要があった。
【0006】また固定情報を通常の保磁力の磁性材料で
構成すると外部磁場の影響を受けての減磁や故意の書き
換えによる不正が容易にできるなどの情報のセキュリテ
ィの面でも現状の磁気バーコードシステムの利用にも限
界がある。
【0007】また昨今では「書換可能」という磁気記録
の特性を悪用して、データが改ざんされる事例が多数報
告されている。そこで、これら事例を防止すべく、例え
ば、プリペイドカードにおいては、その使用度数を示す
データを、磁気データとは別に記録媒体自体に記録し、
使用時には、両記録を比較検証して改ざんの有無を検証
するようにしていた。この場合に記録媒体自体に記録す
る方法には、パンチ穴の穿孔や、金属放電による破壊、
低融点金属の熱破壊などを行なって、一旦記録される
と、物理的に元の状態に戻せない状態を作りだす記録
(以下、「一方向性記録」とする)方法が用いられてい
る。
【0008】しかしながら、かかる従来の一方向性記録
は、例えば、アルミ放電破壊記録、錫蒸着膜破壊記録、
パンチ穴記録等の、本来的に磁気記録に全く関係のない
記録材料や、記録方式を利用したものであるため、読取
・書込に要する装置のみならず、記録媒体自体のコスト
高を招致する原因となっていた。さらに、読取・記録の
際、記録媒体自体に汚損(印字カスや、穿孔によるバリ
など)が発生し、読取・記録に要する装置のメンテナン
スも必要不可欠である、という問題もあった。また、最
も一般的な、使用度数に応じてパンチ穴を穿孔する方法
は、パンチ穴を保護テープ等で遮蔽する手段に対して、
無力であることも指摘されている。
【0009】そこで、本発明は基材上に磁気符号を設け
てなる磁気記録媒体において、構成する磁気符号の全て
を等間隔に配置してなる磁気パターンを形成し、固定情
報を後から付与可能な、一方向性記録による磁気記録媒
体及びその記録再生方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、基材上に常温では脱磁状態からの初期磁化特性が
保磁力の1/2以下の磁界で飽和し、かつ保磁力が10
kOe以上であり、脱磁状態においてのみ磁気記録可能
な磁気記録材料からなる磁気符号を形成してなることを
特徴とする磁気記録媒体である。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1の磁気
記録媒体において、磁気符号を複数個組み合わせなる磁
気パターンを構成したことを特徴とするものである。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2の磁気
記録媒体において、磁気パターンは磁気符号が等間隔に
配置されてなることを特徴とするものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の磁気記録媒体において、磁気符号
は所定の情報に対応して磁化されてなることを特徴とす
るものである。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1の磁気
記録媒体において、磁気記録材料がMn−Bi環状結晶
体であることを特徴とするものである。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項1の磁気
記録媒体において、基体上の少なくとも一部又は全面に
5kOe未満の保磁力を有する磁性材料からなる常温に
おいて書き替え可能な磁気記録層を設けてなることを特
徴とするものである。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれかに記載の磁気記録媒体であって、飽和書き
込み可能な磁界において磁気符号の周期に同調させたク
ロックにより着磁方向を区別し所定の情報に基づき磁気
符号の磁化記録を行ない、この磁化された磁気符号を磁
気符号の着磁方向を識別し読み取ることを特徴とする磁
気記録媒体の記録再生方法である。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれかに記載の磁気記録媒体であって、磁化され
た磁気符号を読み取る前に書き込み時と同等の大きさの
直流磁界で着磁した後、磁化された磁気符号の読み取り
を行なうことを特徴とする磁気記録媒体の記録再生方法
である。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれかに記載の磁気記録媒体であって、磁化され
た磁気符号を書き込み時と同等の大きさの直流バイアス
磁界を印加するとともに、磁化された磁気符号の読み取
りを行なうことを特徴とする磁気記録媒体の記録再生方
法である。
【0019】本発明によれば、磁気符号を形成してなる
固定情報記録領域を、Mn−Biなどの磁気材料によっ
て形成され、磁気記録媒体に固有のデータが発行時に記
録される。この領域に、一旦データが記録されてしまえ
ば、それを消去、書き換えを行なうことは、常温ではで
きなくなる。したがって、磁気記録媒体の種類毎に異な
る、或いは磁気記録媒体毎に異なる固定情報を任意に設
定記録することができ、また磁気記録媒体の改竄・変造
が困難とすることができる。
【0020】また、使用前に磁気記録媒体の固定情報記
録領域を、例えば永久磁石による直流消磁、もしくは記
録周波数の2倍以上の高周波による交流消磁をすると、
正当な磁気記録媒体ではない偽造された磁気記録媒体に
記録された固定情報は消去されるが、正当な磁気記録媒
体に記録された固定情報は消去されないので、磁気記録
媒体の偽造を容易に発見することができ、不正な磁気記
録媒体の影響を確実に排除することも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0022】図1は本発明の磁気記録媒体の一実施例を
示す平面図であり、図2は図1のX−X線における断面
を示す部分拡大図であり、図3(a)及び(b)、図4
(a)及び(b)は他の実施例における磁気記録媒体の
平面図及び断面図であり、図5、図6、図7は本発明の
磁気記録媒体の磁気記録方法・磁気再生方法・磁気符号
出力波形をそれぞれ示す概念図であり、図8、図9は本
発明の磁気記録媒体の真偽判別工程を備えた磁気再生方
法を示す概念図であり、図10は真偽判別工程により真
正とされた磁気符号出力波形を示す概念図であり、図1
1は真偽判別工程により偽とされた磁気符号出力波形を
示す概念図である。
【0023】本実施形態は、図1、図2に示すように、
磁気符号からなる磁気パターンに予め所定の固定情報を
記録していない磁気記録媒体に適用したものである。磁
気記録媒体1は、例えば縦54mm×横86mmのカー
ド形状で、用途に応じた所定の厚さとした磁気記録カー
ドである。本発明の磁気記録媒体1の記録面9は、基材
2上に磁気符号3が等間隔に複数個配列された磁気パタ
ーン4を形成してなるものである。この磁気符号3は一
方向性記録を磁気で行なうことができ、この磁気パター
ン4には、例えば磁気記録媒体固有の固定情報、磁気記
録媒体の種別、ID(Identifical Data)、発行度数
(金額)を示すデータなど、その磁気記録媒体に固有な
固定情報を発行時に記録することができる。なお、磁気
パターン4、磁気記録層5を隠蔽する隠蔽層6と、磁気
記録媒体1の表面を保護する保護層7を設けることもで
きる。
【0024】また本発明の磁気記録媒体1の磁気符号か
ら構成される磁気パターンを図3に示すような2列とし
てもよく、例えばプリペイドカードなどの使用可能な度
数を未記録状態にしておき、使用した度数を示す度数デ
ータを、使用毎に磁気パターンに追記していく場合に、
一方の磁気パターンには磁気記録媒体の固定情報を設
け、他方の磁気パターンには上記の度数データなどの追
記領域として用いることができる。用途に応じて磁気パ
ターンは2列以上設けることも可能である。さらに複数
の磁気パターンの利用の例として固定情報に記録してな
る発行度数を示すデータと、既に使用した度数を示す度
数データとの差からは、これ以後に利用可能な残高度数
を示すこともできる。
【0025】なお、磁気記録媒体1にはデータの書き換
えが可能であり、一般的な情報記録を行なうための磁気
記録層5を基材2の全面又は一部分に設けることがで
き、この磁気記録層5には一般的な磁気材料、例えばバ
リウムフェライト、γ−フェライト等の鉄酸化物質、カ
ルボニル鉄等の結晶質単体金属等が用いられる。5’は
上記の記録情報を有する磁気記録トラック部分を示すも
のである。なお、磁気記録層5への磁気記録位置は磁気
読み取り・書き込み装置の磁気ヘッドなどの位置やカー
ドなどの規格に応じて設定される。そして一方向性記録
を行なう磁気パターン4の磁気符号3には、次のような
磁気特性を有する磁性薄膜が用いられる。
【0026】すなわち、この磁性薄膜は、常温では、見
掛けの保磁力が600〜1000Oe程度の脱磁状態
(磁化されていない状態)から磁化を行なった場合、そ
の初期磁化特性は保磁力の1/2以下の磁界で飽和する
が、その際の保磁力は10kOe以上ある。一方、この
磁性薄膜は、−180℃以下の低温環境下では、磁化の
大きさが小さくなり、保磁力は2000Oe程度となる
が、その磁化方向は変化しない。その後、常温に戻し外
部磁界を与えても、その磁化方向を正確に変化させるこ
とはできない。
【0027】かかる磁性薄膜において、常温での脱磁状
態からの保磁力は、前述したように、600〜1000
Oe程度なので、一般的な磁気ヘッド、例えば、パーマ
ロイやセンダスト等の磁気ヘッドを用いて磁気記録が可
能である。また、一旦磁気記録されると、その保磁力は
10kOe以上であるのに対し、磁気ヘッド等による外
部磁界の強さはせいぜい5k〜6kOe程度であるた
め、磁性薄膜の磁化方向を変化させることはできない。
【0028】したがって、かかる磁性薄膜を常温の脱磁
状態において、一般的な磁気ヘッドを用いて一旦磁気記
録を行なうと、その内容を消去(イレース)することは
できず、また、書換することもできない。このため、か
かる磁性薄膜は、常温では脱磁状態でのみ磁気記録可能
となる。以上のような特徴を示す磁性材料には、例え
ば、Mn−Biがあり、これを被着(蒸着・スパッタリ
ングなど)により薄膜化するか、或いはその磁性材料を
粉末化し、表面処理、湿潤、分散させて作製したインキ
を用いて、印刷等により磁性膜を形成して、本実施形態
における磁気符号として用いることができる。印刷法に
よれば比較的に安価に磁気符号を形成することができ
る。
【0029】さて、上記磁性材料における脱磁方法は次
の通りである。すなわち、かかる磁性材料が磁化状態に
あったならば、まず、これを超低温(例えば、−180
℃)に冷却し、次に、外部からピーク磁界が500〜1
500Oe程度の交流磁界あるいは減衰磁界を印加す
る。これにより、脱磁あるいは初期化を行なうことがで
きる。
【0030】次に、上述した磁性薄膜からなる磁気符号
3は、例えば一定の等間隔に矩形状であり、これら複数
個を並列させて配置し、磁気パターン4を形成してな
る。この磁気符号3の一方向性記録及び記録の再生につ
いて図5、図6、図7を参照して説明する。
【0031】まず、図5に示すように磁気符号3への情
報の書き込みは飽和可能な大きさの磁界にて、磁気ヘッ
ド30等を走査し、磁気符号3の周期に同調させたクロ
ックで着磁方向を区別しながら、書き込み波形9に基づ
き、磁気符号3を着磁し、磁気パターン4に2値化情報
8を記録し、また図6に示すように2値化情報7の読み
取りは、常温において、磁気ヘッド30等を走査し、着
磁方向を識別して読み取り、磁気パターン3を読み取
り、読み取り波形10を再生し、図7に示すような読み
取り波形41からなる2値化情報8を得るものである。
【0032】また本発明の磁気記録媒体1は、上記のよ
うに、この磁気符号3を構成する材料の特性により、正
当性をチェックする手段として、磁気符号3の読み取り
前に情報の書き込み時と同じ大きさの直流磁界で磁気パ
ターン4上を走査し、或いは同様の大きさのバイアス磁
界を印加させながら磁気符号3の着磁方向を識別して読
み取ることにより、本発明における磁気記録材料以外
の、例えば通常用いられる5kOe未満の保磁力を有す
るバリウムフェライトなどの一般的な磁性材料を使用し
て、不正に磁気符号をコピー又は磁気符号を偽造した場
合に、不正に作成された磁気符号は、情報が読み取られ
る前に磁気記録材料が飽和着磁されるため、記録情報が
消滅し、これにより不正な記録情報の読み出しが防止で
き、かつそれにより不正行為がなされた磁気符号を有す
る記録媒体の発見・排除が容易となる。
【0033】すなわち、本発明の磁気記録媒体に形成さ
れた磁気符号3からなる磁気パターン4は、磁気現像剤
などによる磁気符号3の磁化方向(N極、S極)が判定
できず、磁気パターン4のデータの読み取りが困難であ
ることから、データの秘密保持性が極めて高く、また着
磁後の保磁力が10kOe以上であるため、外部磁界の
影響を受けにくく、磁気記録媒体における固定情報とし
て安定したデータとすることができるものである。ま
た、磁気符号3を等間隔に配列した磁気パターン4とし
た磁気記録媒体は、これを記録情報に基づき磁気符号3
を着磁させて磁気記録媒体毎の固有情報を記録すること
ができるため、固有情報に合わせて磁気記録媒体毎に製
造する必要がなく、共通の未記録の磁気記録媒体を作製
し、後工程で情報記録を行なうことができ、磁気記録媒
体のコストダウンを図ることができる。
【0034】さらに本発明を具体的な実施例に基づき詳
細に説明する。 (実施例1)図3に示すように、厚さ188μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)基材12の全面に、
保磁力1750Oe、残留磁束密度約1400ガウスの
Baフェライト磁性粉からなる磁気記録層15を約10
μmの厚さに設け、さらに平均粒子径が2μm、常温に
おける初期磁化特性の飽和点が2kOe、着磁後の常温
保磁力12kOeである脱磁状態にあるMn−Bi環状
結晶磁性粉を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂中
に、磁性粉/樹脂=5/1の重量比率で分散混合してな
る磁気スクリーンインキにより、膜厚約5μmとなるよ
うに、バー幅0.5mm、長さ3.0mm、間隔0.5
mmの等間隔に磁気符号を配列した磁気パターンの2列
を、スクリーン印刷し、1列48本づつ計96本の固定
情報用の磁気符号3からなる磁気パターン4を形成し
た。さらに隠蔽性シルバーインキを用いて、磁気パター
ン4を含む基材面の全面を印刷し磁気符号3を視覚的に
隠蔽する隠蔽層6を設けた後、寸法54mm×86mm
のカード形状に打ち抜き、磁気記録媒体11を作製し
た。この磁気記録媒体11は作製工程では着磁されずに
脱磁状態を保ち、磁気パターン14は次の工程により記
録することが可能である。
【0035】このような磁気記録媒体11は、例えばプ
リペイドカードの用途に用いられる場合には、その発券
業務として、図3に示す磁気記録媒体11の磁気パター
ン4の第1トラック4aに「発行コードNo.」として
6バイトの情報の書き込みに、また第2トラック4bに
「券種」、「初期金額情報」として6バイトの情報の書
き込みには、図5に示すように、それぞれN→Sを
「0」、S→Nを「1」として、磁気ヘッド30によ
り、磁気パターン4の磁気符号3を構成する磁性材料が
十分飽和する大きさの磁界を発生させてデジタル記録す
ることができる。次にこの磁気パターン4を図6に示す
ように磁気ヘッド30により読み取り、各情報を再生す
ると図7に示すような磁気符号出力波形が得られ、これ
と記録情報と照合して、情報の改ざんなどがされていな
い真券であることを確認した後、磁気記録層5の上記の
記録情報を有する磁気記録トラック部分5’に各種取引
に必要な情報、または発行コードNo.、券種、初期金
額情報などの固有情報を記録し、また必要に応じてそれ
らは暗号化したものを記録することができる。
【0036】このプリペイドカードによる取引は、まず
固定情報である磁気パターン4に記録された情報と、こ
れに対応する磁気記録層15に記録された情報とを比較
照合し、一致により改ざん・変造が行なわれていないこ
とがを確認したのち、取引を行なうことができる。この
確認により高いセキュリティ性が保たれる。なお、着磁
された磁気符号3は磁気現像剤を用いて着磁パターンを
見ると、磁気符号3はN極、S極のいずれかに着磁され
ているため、磁気パターン4の情報は解読することはで
きなかった。さらに残留磁束密度が4kガウスの永久磁
石にこの磁気記録媒体を接触させても、磁気パターンの
情報は減磁や消磁されることなく、また出力の減衰は無
いことから、固定情報として使用できることが確認され
た。
【0037】(実施例2)図4に示すように、厚さ56
0μmの白色塩化ビニル樹脂基材22の表裏に、必要に
応じて絵柄、文字などをオフセット印刷、スクリーン印
刷により形成し、その両面に厚さ110μmの透明塩化
ビニル樹脂シート22aを貼り合わせ、その片面に、保
磁力650Oe、残留磁束密度1600ガウス、厚さ9
μmの磁気記録層を有する6.5mm幅の転写型磁気テ
ープを用いて、ストライプ状の磁気記録層5を転写形成
し、さらに同一面に平均粒子径が1.5μm、常温にお
ける初期磁化特性の飽和点が3kOe、着磁後の常温保
磁力13kOeである脱磁状態にあるMn−Bi環状結
晶磁性粉を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂中に、
磁性粉/樹脂=6/1の重量比率で分散混合してなる磁
気スクリーンインキにより、膜厚約7μmとなるよう
に、バー幅0.7mm、長さ4.0mm、間隔0.7m
mの等間隔に磁気符号を配列した磁気パターンを、スク
リーン印刷し、40本の固定情報用の磁気符号3からな
る磁気パターン4を形成した。さらに隠蔽性シルバー色
系の転写箔を用いて基材面の全面に隠蔽層6を転写形成
した後、130℃の温度で両面をプレスし面一加工を行
ない、寸法54mm×86mmのカード形状に打ち抜
き、磁気記録媒体21を作製した。この磁気記録媒体2
1は作製工程では着磁されずに脱磁状態を保ち、磁気パ
ターン4は次の工程により記録することが可能である。
【0038】このような磁気記録媒体21は、例えばI
Dカードの用途に用いられる場合には、その発行業務と
して、図4に示す磁気記録媒体21の磁気パターン4の
トラックに「発行コードNo.」として5バイトの情報
の書き込みには図5に示すように、それぞれN→Sを
「0」、S→Nを「1」として、磁気ヘッド30によ
り、磁気パターン4の磁気符号3を構成する磁性材料が
十分飽和する大きさの磁界を発生させてデジタル記録す
ることができる。次にこの磁気パターン4を図6に示す
ように磁気ヘッド30により読み取り、情報を再生する
と図10に示すような磁気符号出力波形が得られ、これ
と記録情報と照合して、情報の改ざんなどがされていな
い真券であることを確認し、磁気記録層25には、各種
取引に必要な情報、または発行コードNo.、券種、I
D情報などの固有情報を記録し、また必要に応じてそれ
らは暗号化したものを記録することができる。
【0039】このIDカードによる取引は、まず固定情
報である磁気パターン4に記録された情報と、これに対
応する磁気記録層25に記録された情報とを比較照合
し、一致により改ざん・変造が行なわれていないことが
を確認したのち、取引を進めることができる。この確認
により高いセキュリティ性が保たれる。なお、着磁され
た磁気符号3は磁気現像剤を用いて着磁パターンを見る
と、磁気符号3はN極、S極のいずれかに着磁されてい
るため、磁気パターン4の情報は解読することはできな
かった。さらに残留磁束密度が3kガウスの永久磁石に
この磁気記録媒体を接触させても、磁気パターンの情報
は減磁や消磁されることなく、また出力の減衰は無いこ
とから、固定情報として使用できることが確認された。
【0040】(比較例)実施例2における、Mn−Bi
環状結晶磁性粉の代わりに、平均粒子径0.8μm、保
磁力3kOeのバリウムフェライト磁性粉を用いた以外
は、同様に磁気記録媒体(図示しない)を作製した。こ
の磁気記録媒体は図5・図6に示す磁気記録方法・磁気
再生方法により磁気パターン(図示しない)の磁気記録
及び磁気再生することができた。
【0041】さらに、本発明では比較例のような偽造カ
ードを発行された本発明の磁気記録媒体と判別する方法
として、図8に示すような磁気記録媒体の磁気再生方法
により、磁気パターン4の磁気符号3の2値化情報8を
読み取る前に、一旦、永久磁石32や磁気ヘッド(図示
しない)等により、情報の書き込み時と同じ大きさの直
流磁界約5kOeで磁気パターン4上を走査し着磁させ
た後、読み取りを行なうと、比較例のような保磁力3k
Oeの磁性材料で形成された磁気パターン(図示しな
い)は、図11に示すような磁気符号出力波形となり、
着磁後の記録情報は消えてしまい、全て「1」又は全て
「0」のデータとなり、図10に示される正常な磁気符
号出力波形と相違し異常とされるため、真偽判定により
偽と判定される。
【0042】同様に、図9に示すような磁気記録媒体の
磁気再生方法により、磁気パターン4の磁気符号3の2
値化情報8を読み取る前に、磁気符号読み取り用とバイ
アス磁界印加用に一つのコアに2本のコイルを巻いた磁
気ヘッド31を、バイアス磁界用CD電流波形33に基
づき、バイアス用に約5kOeの直流磁界を発生させな
がら、磁気符号の読み取りを行なったところ、比較例の
ような保磁力3kOeの磁性材料で形成された磁気パタ
ーン(図示しない)は、図11に示すような磁気符号出
力波形となり、着磁後の記録情報は消えてしまい、全て
「1」又は全て「0」のデータとなり、図10に示され
る正常な磁気符号出力波形と相違し異常とされるため、
真偽判定により偽と判定される。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気符号を形成してなる固定情報記録領域をMn−Bi
などの磁気材料により形成し、磁気記録媒体発行時にこ
の領域に固有のデータが一旦記録されてしまえば、その
消去・書き換えは、常温ではできなくなため、磁気記録
媒体の種類毎に異なる、或いは磁気記録媒体毎に異なる
固定情報を任意に設定記録することができ、また改竄・
変造が困難とすることができる。
【0044】また、使用前に磁気記録媒体の固定情報記
録領域を、例えば永久磁石による直流消磁、もしくは記
録周波数の2倍以上の高周波による交流消磁をすると、
正当な磁気記録媒体ではない偽造された磁気記録媒体に
記録された固定情報は消去されるが、正当な磁気記録媒
体に記録された固定情報は消去されないので、磁気記録
媒体の偽造を容易に発見することができ、不正な磁気記
録媒体を確実に排除することも可能である。
【0045】さらに一方向性記録を、本来的な記録方式
である磁気記録によって行なうので、装置自体のみなら
ず、記録媒体単体としてもコストを低く抑えることが可
能である。また、パンチ穴の穿孔する等の従来の方法と
比べて、読取・書込の際、記録媒体に汚損が発生しない
ため、読取・書込に要する装置をメンテナンスフリーと
することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一実施例を示す平面図
である。
【図2】図1のX−X線における断面を示す部分拡大図
である。
【図3】(a)および(b)は、他の実施例における磁
気記録媒体の平面図及び断面図である。
【図4】(a)および(b)は、他の実施例における磁
気記録媒体の平面図及び断面図である。
【図5】本発明の磁気記録媒体の磁気記録方法を示す概
念図である。
【図6】本発明の磁気記録媒体の磁気再生方法を示す概
念図である。
【図7】本発明の磁気記録媒体の磁気符号出力波形の一
実施例を示す概念図である。
【図8】本発明の磁気記録媒体の真偽判別工程を備えた
磁気再生方法を示す概念図である。
【図9】本発明の磁気記録媒体の真偽判別工程を備えた
磁気再生方法を示す概念図である。
【図10】真偽判別工程により真正とされた磁気符号出
力波形を示す概念図である。
【図11】真偽判別工程により偽とされた磁気符号出力
波形を示す概念図である。
【図12】従来の磁気バーコードの例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1、11、21 磁気記録媒体 2、12、22 基材 3 磁気符号 4 磁気パターン 4a 第1トラック 4b 第2トラック 5、15、25 磁気記録層 5’ 磁気記録部 6、16、26 隠蔽層 7 保護層 8 二値化情報 9 書き込み波形 10 読み取り波形 22a 透明塩化ビニル樹脂シート 30 磁気ヘッド 31 磁気ヘッド 32 永久磁石 33 バイアス磁界用CD電流波形 41 読み取り波形 51 磁気記録媒体 52 基材 53 磁気バー 54 ダミーバー 55 磁気記録層 56 隠蔽層 57 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 美江 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に常温では脱磁状態からの初期磁化
    特性が保磁力の1/2以下の磁界で飽和し、かつ保磁力
    が10kOe以上であり、脱磁状態においてのみ磁気記
    録可能な磁気記録材料からなる磁気符号を形成してなる
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記磁気符号を複数個組み合わせなる磁気
    パターンを構成したことを特徴とする請求項1に記載の
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記磁気パターンは磁気符号が等間隔に配
    置されてなることを特徴とする請求項2に記載の磁気記
    録媒体。
  4. 【請求項4】前記磁気符号は所定の情報に対応して磁化
    されてなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】前記磁気記録材料がMn−Bi環状結晶体
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】基体上の少なくとも一部又は全面に5kO
    e未満の保磁力を有する磁性材料からなる常温において
    書き替え可能な磁気記録層を設けてなることを特徴とす
    る請求項1に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気
    記録媒体であって、飽和書き込み可能な磁界において磁
    気符号の周期に同調させたクロックにより着磁方向を区
    別し所定の情報に基づき磁気符号の磁化記録を行ない、
    この磁化された磁気符号を磁気符号の着磁方向を識別し
    読み取ることを特徴とする磁気記録媒体の記録再生方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気
    記録媒体であって、磁化された磁気符号を読み取る前に
    書き込み時と同等の大きさの直流磁界で着磁した後、磁
    化された磁気符号の読み取りを行なうことを特徴とする
    磁気記録媒体の記録再生方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気
    記録媒体であって、磁化された磁気符号を書き込み時と
    同等の大きさの直流バイアス磁界を印加するとともに、
    磁化された磁気符号の読み取りを行なうことを特徴とす
    る磁気記録媒体の記録再生方法。
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