JPH09134558A - 磁気記録媒体および磁気記録再生方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録再生方法

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JPH09134558A
JPH09134558A JP7313639A JP31363995A JPH09134558A JP H09134558 A JPH09134558 A JP H09134558A JP 7313639 A JP7313639 A JP 7313639A JP 31363995 A JP31363995 A JP 31363995A JP H09134558 A JPH09134558 A JP H09134558A
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JP
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magnetic
recording material
recording
recording medium
heating
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Application number
JP7313639A
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English (en)
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Masahiro Ito
正宏 伊藤
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Shohei Mimura
升平 三村
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Toppan Infomedia Co Ltd
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Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録情報の改竄による変造を効果的に防止で
きる磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に対し記録およ
び再生を行なう方法とを提供する。 【解決手段】 MnおよびSbを含む合金からなる記録
材料を有する磁気記録媒体。記録する際には、記録材料
の少なくとも一部をサーマルヘッドまたはレーザ光によ
り加熱して冷却することにより、加熱領域の記録材料の
飽和磁化および保磁力の少なくとも一方を不可逆的に変
化させ、再生する際には、記録材料を直流磁界印加によ
り磁化した後、記録材料の磁化を磁気ヘッドにより検出
するか、記録材料を直流磁界印加により磁化しながら記
録材料の磁化を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気カード等の磁気記
録媒体と、磁気記録再生方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気カードの普及は著しく、種々
の分野で利用されている。とりわけ、金額情報等が磁気
情報として記録され、使用するつど金額が減算されて書
き換えられるカード(プリペイドカード)への用途が拡
大している。
【0003】この用途では、記録情報の改竄による磁気
カードの変造や、カード自体の偽造が容易であっては、
システムの安全性を著しく低下させてしまう。このた
め、情報の改竄を防止するための保護機能をもつ磁気カ
ードが要望され、これに応じて種々の磁気カードが提
案、実用化されている。例えば、磁気カードの一部に特
殊な材料からなる領域を形成することにより、カード自
体の偽造を困難にしたり、その領域を検知してカードの
真偽判定を行なうもの、カードの層構成を複雑にするも
のなどである。
【0004】これらの保護機能を採用した磁気カードは
大量に偽造したり複製したりすることは困難になるもの
の、例えば1枚のカードの金額情報等を書き換えるなど
の改竄により、使用済みのカード情報を初期の金額情報
に戻すことは可能であった。この対策として、使用度数
に応じてパンチで穿孔する方法もあるが、この方法では
きめ細かく対応できないこと、抜きカスが出ること、パ
ンチ孔を埋めて修復されることなどの問題がある。この
他、感熱記録などにより使用度数に応じて可視情報を記
録することも考えられるが、可視情報の読み取りは光学
的に行なう必要があるので、汚れに弱いという問題があ
る。また、可視情報であるため、記録の改竄が容易であ
る。また、光学的読み取り装置は高価であるという問題
もある。このように、現実的に改竄防止に極めて有効と
いえる手段はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
情報の改竄による変造を効果的に防止できる磁気記録媒
体と、この磁気記録媒体に対し記録および再生を行なう
方法とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)のいずれかの構成により達成される。 (1)MnおよびSbを含む合金からなる記録材料を有
し、加熱により記録材料の飽和磁化および保磁力の少な
くとも一方を不可逆的に変化させることによって記録を
行なう磁気記録媒体。 (2)加熱による飽和磁化の変化比率が5以上である上
記(1)の磁気記録媒体。 (3)加熱による保磁力の変化比率が2以上である上記
(1)の磁気記録媒体。 (4)前記記録材料のMn含有率が40〜75原子%で
ある上記(1)〜(3)のいずれかの磁気記録媒体。 (5)前記記録材料が薄帯状、薄膜状または粉末状であ
る上記(1)〜(4)のいずれかの磁気記録媒体。 (6)樹脂製の基体上に前記記録材料を含む不可逆記録
層を有する磁気カードである上記(1)〜(5)のいず
れかの磁気記録媒体。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかの磁気記録媒体に
対し記録および再生を行なう方法であって、記録する際
には、記録材料の少なくとも一部をサーマルヘッドまた
はレーザ光により加熱して冷却することにより、加熱領
域の記録材料の飽和磁化および保磁力の少なくとも一方
を不可逆的に変化させ、再生する際には、記録材料を直
流磁界印加により磁化した後、記録材料の磁化を磁気ヘ
ッドにより検出するか、記録材料を直流磁界印加により
磁化しながら記録材料の磁化を検出する磁気記録再生方
法。
【0007】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0008】本発明の磁気記録媒体が有する記録材料
は、加熱による磁気特性の不可逆的変化が可能であり、
本発明ではこの性質を利用して記録および再生を行な
う。具体的には、記録材料の飽和磁化および保磁力の少
なくとも一方を加熱により増大または減少させる。
【0009】この記録材料の飽和磁化4πMsの変化比
率、すなわち(加熱後の4πMs/加熱前の4πMs)
または(加熱前の4πMs/加熱後の4πMs)は、好
ましくは5以上、より好ましくは10以上である。この
比率が小さすぎると、記録情報の読み出しが困難とな
る。このように飽和磁化が大きく変化する場合には、後
述するように直流磁界を印加しながら再生すれば、再生
感度を向上させることができる。なお、飽和磁化の変化
率が大きい記録材料に直流磁界を印加しながら再生する
場合には、記録材料の保磁力は特に限定されず、軟磁性
体であってもよい。
【0010】一方、飽和磁化の変化比率が小さい場合、
例えば変化比率が5未満である場合、保磁力Hcの変化
比率、すなわち、(加熱後のHc/加熱前のHc)また
は(加熱前のHc/加熱後のHc)は、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上である。この比率が小さすぎ
ると、記録情報の読み出しが困難となる。このように飽
和磁化の変化比率が小さく保磁力の変化比率が大きい場
合には、再生信号の出力は加熱部と非加熱部との残留磁
化の差に依存する。このため、再生の際に記録材料を飽
和近くまで磁化せず、これにより、再生時に残留してい
る磁化の差をできるだけ大きくすることが好ましい。な
お、このような場合に直流磁界を印加しながら再生する
と、磁化パターンの検出が困難となる。
【0011】上記飽和磁化および保磁力は、通常の使用
温度範囲(例えば−10〜40℃)におけるものであ
る。
【0012】加熱前の記録材料は、非晶質であっても結
晶質であってもよいが、加熱前に非晶質であるもののほ
うが加熱前の飽和磁化が小さいため、飽和磁化の変化比
率を大きくできる。このため、記録材料形成時に非晶質
となりやすい組成を選択することが好ましい。
【0013】加熱前の記録材料が非晶質である場合、加
熱による結晶化に伴って磁気特性の変化が生じる。この
場合の記録材料の結晶化温度は、好ましくは100〜4
00℃、より好ましくは130〜300℃である。結晶
化温度が低すぎると、熱に対して不安定となり、信頼性
が低くなる。また、加熱領域近傍が影響を受けやすくな
って正確な記録が困難となる。結晶化温度が高すぎる
と、記録の際に必要とされる加熱温度が高くなるため耐
熱性の低い樹脂を基体に使うことが困難となり、また、
記録装置が高価になってしまう。
【0014】なお、記録材料のキュリー温度は特に限定
されず、再生時の温度よりも高ければよい。
【0015】上記記録材料は、MnおよびSbを含む合
金である。記録材料中のMn含有率は、上述した作用効
果が実現するように適宜決定すればよいが、好ましくは
40〜75原子%、より好ましくは44〜66原子%、
さらに好ましくは58原子%〜66原子%、最も好まし
くは60〜66原子%である。Mn含有率が低すぎる
と、加熱前および後での飽和磁化がいずれも小さくな
り、飽和磁化の変化比率も小さくなってしまう。一方、
Mn含有率が高い場合、通常、加熱により飽和磁化は増
大するが、Mn含有率が高すぎると加熱後の飽和磁化が
あまり高くならず、記録情報の読み出しが困難となる。
【0016】記録材料中にはMnおよびSb以外の添加
元素Mが含まれていてもよい。添加元素Mとしては、G
e、Al、B、C、Ga、SiおよびCrからなる群か
ら選択される少なくとも1種の元素が好ましい。元素M
の添加により、一般に結晶化温度を低くすることができ
るので、記録が容易となる。また、Crのように反強磁
性元素を少量添加すると加熱前の磁化が小さくなり、そ
の結果、飽和磁化の変化比率が大きくなる。なお、M添
加により飽和磁化は低下するため、M含有率は、通常、
15原子%以下であることが好ましい。
【0017】Mn含有率が上記範囲であるとき、記録材
料の飽和磁化および保磁力は加熱により一般に増大する
が、Mn含有率が低めのときには、加熱によって飽和磁
化が減少することもある。また、Sb以外に添加する元
素の種類や、加熱温度などによっても、飽和磁化の加熱
による減少が生じることがある。ただし、本発明で用い
る記録材料は、加熱により飽和磁化が増大する場合に、
飽和磁化の変化比率が一般に大きくなるので、このよう
な飽和磁化変化を示すように組成を選択することが好ま
しい。
【0018】なお、Mn含有率が低めのときには結晶化
しやすいため、後述する急冷法や薄膜形成法によって記
録材料を形成する場合に、結晶質となることが多い。こ
の場合、加熱による磁気特性の変化は、少なくとも結晶
相から他の結晶相への変化に伴うものと考えられる。
【0019】記録材料の形態は特に限定されず、例え
ば、薄帯状、薄膜状、粉末状等のいずれであってもよ
い。例えば、磁気カードに適用する場合、記録材料の薄
帯を単ロール法等の液体急冷法により作製し、これを基
体表面に貼付したり、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成
法により基体表面に記録材料の薄膜を形成したり、記録
材料の薄帯を粉砕した粉末をバインダで結合して塗布し
たりすればよい。記録材料を粉末状とする場合、粒子形
状は偏平状であることが好ましい。偏平状粒子を用いれ
ば、塗膜の表面性が良好となって磁気記録再生特性およ
び加熱時の熱伝導性が良好となる。
【0020】本発明を磁気カードに適用したときの構成
例を、図1に示す。図1に示す磁気カード1は、樹脂製
の基体2上に、不可逆記録層3と磁気記録層4とを有す
る。不可逆記録層3は、上記記録材料を含む領域であ
り、磁気記録層4は、通常の磁気記録媒体に用いられる
磁気記録材料を含む領域である。
【0021】不可逆記録層3に記録する際には、サーマ
ルヘッドまたはレーザ光により不可逆記録層3の少なく
とも一部を加熱した後、冷却し、不可逆記録層3に所定
パターンの磁気特性変化を不可逆的に生じさせる。再生
する際には、不可逆記録層3に直流磁界を印加した後、
記録材料の磁化を磁気ヘッドで検出することにより前記
所定パターンの磁気特性変化を検出するか、または、不
可逆記録層3に直流磁界を印加しながら磁気ヘッドで記
録材料の磁化を検出する。加熱前の記録材料の飽和磁化
が実質的に零であるか小さく、加熱により飽和磁化が増
大する場合、不可逆記録層3において記録時に加熱され
なかったところは磁化されないか磁化が小さいため、再
生時には記録時の加熱パターンに応じた磁化パターンを
検出することができる。また、加熱により記録材料の飽
和磁化が減少する場合も、再生時には記録時の加熱パタ
ーンに応じた磁化パターンを検出することができる。
【0022】不可逆記録層3の加熱部に生じる結晶相
は、非晶質化も加熱前の結晶相への復帰も実質的に不可
能である。記録材料自体は、溶融して急冷することによ
り非晶質化や当初の結晶相への復帰が可能であるが、こ
のような加熱を行なった場合には、樹脂製の基体2が燃
焼してしまう。したがって、不可逆記録層3に記録され
た情報の書き換えは不可能であり、情報の改竄を防ぐこ
とができる。
【0023】不可逆記録層3に記録する情報は特に限定
されない。例えば、図示するように通常の磁気記録層4
と組み合わせて通常のプリペイドカードとして用いる場
合、磁気記録層4には、金額や度数などに加えて一般的
に磁気カードに必要な情報を記録し、不可逆記録層3に
は、磁気記録層4に記録されている情報のうち、例えば
金額や度数など使用のたびに書き換えが必要な情報を記
録する。磁気記録層4でこれらの情報を書き換えるたび
に、不可逆記録層3には追記することになる。磁気記録
層4の情報が改竄された場合でも、不可逆記録層3の情
報は書き換えができないため、両者を照合すれば改竄の
有無が判定できる。
【0024】不可逆記録層3に記録する情報はこれに限
定されるものではなく、例えば、磁気カードの固有デー
タとしてのIDコードを記録してもよい。この場合、こ
のIDコードで磁気記録層4に記録される情報を暗号化
しておけば、この磁気カードの磁気記録層4の内容を別
のIDコードをもつ他の磁気カードの磁気記録層にコピ
ーしたとしても、正規の情報の読み出しは不可能とな
る。本発明では、カード1枚1枚に固有のIDコードを
記録でき、しかもその改竄が不可能であるため、複製に
よる偽造の防止効果が極めて高くなる。
【0025】一般に磁気記録媒体は、情報の記録が容易
であり、しかも記録情報の書き換えが可能であることが
利点であるが、磁気カード用途では情報の改竄が容易で
あるという欠点ともなる。これに対し、本発明の磁気記
録媒体では、上述したように情報の改竄が極めて困難で
あり、しかも、光学読み取りと異なり磁気的に情報を読
み出せるため、記録再生装置が安価にできる。また、本
発明で用いる記録材料は、比較的低温で磁気特性の不可
逆的変化が可能なため、記録感度が高い。このため、レ
ーザ光に比べエネルギーの低いサーマルヘッドでも、記
録が容易である。
【0026】なお、不可逆記録層3や磁気記録層4上に
は、必要に応じて樹脂保護層や無機保護層を設けてもよ
い。また、図1に示される態様に限らず、不可逆記録層
3と磁気記録層4とを少なくとも一部が重なるように形
成してもよく、場合によっては磁気記録層4を設けなく
てもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0028】<実施例1>厚さ150μm のポリイミド
基体の一方の面の全面に、Baフェライト粉末(保磁力
2750 Oe )を分散した磁性塗料を乾燥後の厚さが1
2μm となるように塗布し、磁場配向した後、乾燥さ
せ、磁気記録層とした。この磁気記録層上に、厚さ3μ
m の中間保護層(アクリル系樹脂)を形成し、この中間
保護層上に、表1に示す組成を有する不可逆記録層を高
周波多元同時スパッタ法を用いて500nmの厚さに形成
した。スパッタは、5×10-1PaのArガス雰囲気中で
20分間行なった。次に、不可逆記録層上に、紫外線硬
化型樹脂製の保護層を厚さ2μm に形成し、カード寸法
に打ち抜いて磁気カードとした。
【0029】スパッタの際に、同時に他のポリイミド基
体上に直接厚さ500nmの不可逆記録層を形成し、測定
用サンプルとした。
【0030】各測定用サンプルの不可逆記録層の結晶性
をX線回折法により調べたところ、サンプルNo. 1〜6
では結晶を示す回折ピークが認められたが、他のサンプ
ルでは結晶を示す回折ピークは認められず、非晶質であ
ることが確認された。
【0031】各測定用サンプルの不可逆記録層の飽和磁
化、残留磁化および保磁力を、VSM(試料振動型磁気
測定器)により常温において最大印加磁界強度10.0
kOeで測定した。
【0032】次に、各サンプルに対し、表1に示す温度
まで昇温速度10℃/min で加熱し、冷却した後、再び
VSMにより磁気特性を測定した。加熱後の不可逆記録
層の結晶性をX線回折法により調べたところ、すべての
サンプルで結晶を示す回折ピークが認められた。なお、
サンプルNo. 1、2では、Mn2 Sb型固溶体のものと
考えられる回折ピークが加熱前に存在しており、加熱後
にはこの回折ピークの移動と、新たにMnSbのものと
考えられる回折ピークおよび未同定相の回折ピークの出
現とが認められた。また、サンプルNo. 3〜6では、加
熱により、Mn2 Sb型固溶体のものと考えられる回折
ピークの移動と、未同定相の回折ピークの出現とが認め
られた。
【0033】各サンプルの加熱前および加熱後の磁気特
性を、表1に示す。また、代表的なサンプルについての
印加磁界強度Hと磁化Mとの関係を示すグラフを、加熱
前および加熱後のそれぞれについて図2〜4に示す。図
2はサンプルNo. 13のものであり、図3はサンプルN
o. 7のものであり、図4はサンプルNo. 3のものであ
る。
【0034】
【表1】
【0035】表1から、本発明で用いる記録材料が低温
でも大きな磁気特性変化を生じることが明らかである。
【0036】次に、サンプルNo. 7と同じ組成の不可逆
記録層を有する磁気カードの保護層側から、印字エネル
ギー1.0mJ/dotの条件でサーマルヘッドによる印字を
行なった。サーマルヘッド加熱を行なった領域の結晶性
をX線回折法により調べたところ、結晶化が認められ
た。また、VSMにより飽和磁化を測定したところ、3
450 Gであった。この場合の飽和磁化が表1よりも低
くなっているのは、サーマルヘッドによるドット状の加
熱に応じて非晶質と結晶質とが混在しているためと考え
られる。
【0037】次に、これらの磁気カードのサーマルヘッ
ド加熱を行なった領域を、下側の磁気記録層を磁化しな
い程度の直流磁界を磁気ヘッドにより印加して磁化した
後、読み取り速度314mm/sec の条件で磁気ヘッドに
より読み取りを行なったところ、再生出力が得られた。
【0038】<実施例2>不可逆記録層の組成を表2に
示されるものとした他は実施例1と同様にして、磁気カ
ードおよびそれに対応する測定用サンプルを作製した。
表2に示されるサンプルは、No. 4a、4bが表1のN
o. 4を、No. 7aが表1のNo. 7を、No.10aが表1
のNo. 10をそれぞれベースにしてCrを添加したもの
であり、また、No. 7b、7c、7dが表1のNo. 7を
ベースにしてAlを添加したものである。
【0039】表2のサンプルについて、実施例1と同様
に加熱による磁気特性変化を調べた。結果を表2に示
す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から、CrやAlの添加により加熱前
の飽和磁化が低下し、結果として飽和磁化の変化比率が
向上していることがわかる。なお、サンプルNo. 4a、
4bは、サンプルNo. 4と同様に加熱前も結晶質であっ
たが、サンプルNo. 4よりも結晶性が低かった。
【0042】上記各実施例の各サンプルに対し、60℃
にて140時間放置するエージング試験を行なったとこ
ろ、不可逆記録層の結晶化や結晶転移は認められず、信
頼性が高いことが証明された。
【0043】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、書き換え不可
能な記録材料を有するため記録情報の改竄が極めて困難
であり、このため磁気カードに適用したときの安全性が
高く、しかも、情報の読み出しが磁気的に行なえるた
め、記録再生装置が安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を磁気カードに適用した
場合の構成例を示す平面図である。
【図2】印加磁界強度Hと磁化Mとの関係を示すグラフ
であり、本発明の記録材料の加熱前および加熱後のもの
である。
【図3】印加磁界強度Hと磁化Mとの関係を示すグラフ
であり、本発明の記録材料の加熱前および加熱後のもの
である。
【図4】印加磁界強度Hと磁化Mとの関係を示すグラフ
であり、本発明の記録材料の加熱前および加熱後のもの
である。
【符号の説明】
1 磁気カード 2 基体 3 不可逆記録層 4 磁気記録層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MnおよびSbを含む合金からなる記録
    材料を有し、加熱により記録材料の飽和磁化および保磁
    力の少なくとも一方を不可逆的に変化させることによっ
    て記録を行なう磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 加熱による飽和磁化の変化比率が5以上
    である請求項1の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 加熱による保磁力の変化比率が2以上で
    ある請求項1の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記記録材料のMn含有率が40〜75
    原子%である請求項1〜3のいずれかの磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記記録材料が薄帯状、薄膜状または粉
    末状である請求項1〜4のいずれかの磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 樹脂製の基体上に前記記録材料を含む不
    可逆記録層を有する磁気カードである請求項1〜5のい
    ずれかの磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの磁気記録媒体
    に対し記録および再生を行なう方法であって、 記録する際には、記録材料の少なくとも一部をサーマル
    ヘッドまたはレーザ光により加熱して冷却することによ
    り、加熱領域の記録材料の飽和磁化および保磁力の少な
    くとも一方を不可逆的に変化させ、 再生する際には、記録材料を直流磁界印加により磁化し
    た後、記録材料の磁化を磁気ヘッドにより検出するか、
    記録材料を直流磁界印加により磁化しながら記録材料の
    磁化を検出する磁気記録再生方法。
JP7313639A 1995-11-07 1995-11-07 磁気記録媒体および磁気記録再生方法 Pending JPH09134558A (ja)

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