JPH10338840A - 非耐熱性材料の接合方法 - Google Patents

非耐熱性材料の接合方法

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JPH10338840A
JPH10338840A JP15260397A JP15260397A JPH10338840A JP H10338840 A JPH10338840 A JP H10338840A JP 15260397 A JP15260397 A JP 15260397A JP 15260397 A JP15260397 A JP 15260397A JP H10338840 A JPH10338840 A JP H10338840A
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JP
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heat
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light
epoxy group
acrylate
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JP15260397A
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Masaru Nakayama
勝 中山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非耐熱性材料を容易にかつ高い接合強度で接
合し得る非耐熱性材料の接合方法を得る。 【解決手段】 アクリル系ポリマーと、エポキシ基を有
する化合物と、エポキシ基の光開環重合を誘発する光カ
チオン重合開始剤とを含む組成を有する硬化型粘接着シ
ートを用いて非耐熱性材料を接合する方法であって、前
記非耐熱性材料を硬化型粘接着シートを用いて被着体に
貼付する際に300〜370nmの波長の光を照射する
非耐熱性材料の接合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非耐熱性材料の接
合方法に関し、より詳細には、硬化型粘接着シートを用
いた非耐熱性材料の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2つの材料を接合する場合、接着
剤、両面粘着テープ、溶接などの各種方法が用いられて
おり、かつこれらの方法を併用することも試みられてい
る。
【0003】ところで、両面粘着テープでは、耐熱性、
耐候性、耐油などに優れているため、並びに粘着力及び
凝集力などの粘着特性においても優れているため、主と
してアクリル系粘着剤が用いられている。しかしなが
ら、アクリル系粘着剤を用いた両面粘着テープでは、感
圧性接着力、すなわち粘着力を発現させるために、粘着
剤層が比較的柔らかく設計されている。そのため、接着
剤のような高い剥離抵抗を発現させることができず、車
輛用鋼板、住宅あるいは建築部材などの高い接合強度が
求められる用途に用いることはできなかった。
【0004】従って、高い接合強度が求められる場合に
は、一般に、接着剤もしくは溶接等の接合方法が用いら
れていた。この種の用途に用いられる接着剤としては、
構造用接着剤と称されている、高接着強度を発現し得る
接着剤が知られている。このような構造用接着剤の代表
的な例として、エポキシ系接着剤があり、エポキシ系接
着剤には、加熱硬化型の一液性のものと、室温硬化型の
二液性のものとが存在し、一液性のエポキシ系接着剤
は、120〜200℃の高温で40分〜10分程度加熱
して硬化させる。また、二液性エポキシ系接着剤は、室
温で硬化させるものがほとんどである。
【0005】ところで、一液性エポキシ系接着剤では、
高温下における加熱が必須であるため、200℃以下に
軟化点を有するプラスチックなどの耐熱性の低い被着体
に用いると、被着体が変形するので、この種の非耐熱性
被着体には用いることができなかった。
【0006】また、二液性エポキシ系接着剤は室温で硬
化するものの、主剤と硬化剤との配合割合を厳密に制御
しなければならず、配合割合が厳密に制御されないと、
接着力がばらつくという問題があった。そのため、信頼
性において劣ると共に、硬化時間が長いため接合させる
被着体を仮止め等により押さえておくことが必要になる
という問題があった。さらに、次工程へ直ちに移すこと
ができないため、生産性を高めることができなかった。
【0007】また、接着剤一般の問題として、接合部分
から接着剤がはみ出し、美観を損なうことが多く、ま
た、原料中に含まれる溶剤などの揮発成分により作業環
境が悪化するという問題もあった。加えて、被着体によ
っては、接着剤中の低分子量成分によって被着体が軟化
したり、変形することもあった。
【0008】他方、溶接は、金属同士を接合する場合に
は高い接合強度を得ることができる。しかしながら、溶
接箇所に溶接歪みが生じるため、化粧鋼板や薄い鋼板な
どに美観性や平面性が強く求められる場合には、接合後
に各種処理を施さねばならなかった。すなわち、溶接歪
みを除去する作業、あるいは塗装時のパテ埋めや表面研
磨を行う必要があった。従って、生産性を高めることが
できず、コストダウンの障害となっていた。また、溶接
では、騒音、塵埃、及び閃光が発生し、接着剤を用いる
場合と同様に、作業環境が充分でないという問題があっ
た。
【0009】他方、接着剤の欠点を補うものとして、い
わゆる粘接着剤が知られている。粘接着剤は、常態では
粘着性を有し、被着体に粘着性を利用して容易に付着さ
せることができ、しかる後、加熱により硬化され、高い
接合強度を発現する。しかしながら、高温加熱を必要と
するため、プラスチックなどの耐熱性の低い材料に用い
ることはできなかった。
【0010】また、溶接と接着剤とを併用する、いわゆ
るウェルドボンド工法も知られているが、やはり、耐熱
性の低い被着体に用いることはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の欠点を解消し、プラスチックなどの耐熱
性の低い材料を容易に接合することができ、かつ接合部
分を仮止めする必要がなく、高い接合強度を実現し得る
非耐熱性材料の接合方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アクリル系ポリマーと、エポキシ基を有する化合物
と、エポキシ基の開環重合を誘発する光カチオン重合開
始剤とを含む組成を有する硬化型粘接着シートを用いて
非耐熱性材料を接合する方法であって、前記非耐熱性材
料を硬化型粘接着シートを用いて被着体に貼付する際
に、300〜370nmの波長の光を照射することを特
徴とする非耐熱性材料の接合方法である。
【0013】請求項2に記載の発明では、上記光照射後
の硬化の進行が、光照射後に、暗反応における硬化の進
行が、25℃において7日後のエポキシ基の転化率が5
0〜100%の範囲となるように硬化させることを特徴
とする。
【0014】以下、本発明の詳細を説明する。 (アクリル系ポリマー)本発明において、上記アクリル
系ポリマーは、硬化型粘接着シートに感圧接着性を与え
るために用いられている。この場合、感圧接着性を与え
るために、硬化型粘接着シートは、120℃の雰囲気下
でボールタックが1以上あるように構成されることが好
ましく、より好ましくは室温で3以上となるように構成
される。
【0015】感圧接着性を得るには、被着体に対する濡
れ性と凝集力とのバランスが適切であることが必要であ
る。そこで、凝集力を得るために、上記アクリル系ポリ
マーが用いられる。
【0016】上記アクリル系ポリマーとしては、感圧接
着性が得られる限り特に限定されるわけではないが、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メ
タ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)ア
クリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、2−〔(メタ)アクリロイル
オキシ〕エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の−
OH基を持った化合物や、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)
アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イ
ソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、テトラヒドフルフリル
(メタ)アクリレートなどの単独重合体もしくは共重合
体を例示することができる。なお、本明細書において
(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレ
ートを総称する表現として使用する。
【0017】上記アクリル系ポリマーとして、アクリル
系共重合体を用いる場合には、(メタ)アクリレートモ
ノマーと、該(メタ)アクリレートモノマーと共重合可
能な不飽和結合を有するビニルモノマーとの共重合体が
用いられる。この場合、後述のエポキシ基を有する化合
物と非反応性であるアクリル系ポリマーが、貯蔵安定性
を高める上で好ましいため、上記ビニルモノマーとし
て、アクリル酸やメタクリル酸のようなカルボキシル基
含有化合物や酸無水骨格を有する無水マレイン酸などの
化合物を用いることは好ましくはない。なお、上記アク
リル系ポリマーは、複数種併用されてもよい。
【0018】上記アクリル系ポリマーの分子量について
は、特に限定されるわけでないが、硬化型粘接着シート
の形状を保持するためには、重量平均分子量が40万以
上であることが望ましく、充分な粘着性を発揮させるに
は、500万以下が好ましい。
【0019】上記アクリル系ポリマーの製造方法につい
ても特に限定されるわけではないが、モノマー種が限定
されないため、光ラジカル重合や熱ラジカル重合が望ま
しい。
【0020】ラジカル重合によりアクリル系ポリマーを
生成させる場合には、アクリル系ポリマーを構成するた
めにラジカル重合されるモノマー成分と、ラジカル重合
開始剤と、後述のエポキシ基を有する化合物と、光カチ
オン重合開始剤とを含む組成物をシート成形した後、ラ
ジカル重合を行うことにより、シート中にアクリル系ポ
リマーを生成させることができる。もっとも、ラジカル
重合されたアクリル系ポリマーを得た後に、該アクリル
系ポリマーに、エポキシ基を有する化合物及び光カチオ
ン重合開始剤を混合し、シート成形してもよい。
【0021】また、光によりラジカル重合させる場合に
は、好ましくは、上記光ラジカル重合開始剤としては、
370nmより長波長領域の光により活性化される光ラ
ジカル重合開始剤が用いられ、このような光ラジカル重
合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノ
ン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体
化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピ
ルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジ
ルジメチルケタールなどのケタール誘導体化合物;ハロ
ゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキシド;アシルフ
ォスフォナート;ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオ
キシド類などを例示することができる。
【0022】熱を利用してラジカル重合を起こさせる場
合には、重合開始剤として、AIBN(2,2´−アゾ
ビス−イソブチロニトリル)、AMBN(2,2´−ア
ゾビス−2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合
物;過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル
(LPO)などのパーオキサイド化合物などの汎用の熱
ラジカル重合開始剤を用いることができる。
【0023】(エポキシ基を有する化合物)本発明で
は、硬化型粘接着シートに光を照射して硬化させるため
に、上記エポキシ基を有する化合物が配合されている。
すなわち、エポキシ基を有する化合物が、光カチオン重
合開始剤に光を照射することにより生成したカチオン生
成種により開環重合し、硬化型粘接着シートが硬化す
る。
【0024】上記エポキシ基を有する化合物としては、
エポキシ樹脂が好適に用いられる。このエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フ
ェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリ
シジルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹
脂を挙げることができる。
【0025】また、エポキシ基含有オリゴマーも好適に
用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シオリゴマー(例えば、油化シェルエポキシ社製、エピ
コート1001、1002等)を挙げることができる。
【0026】さらに、上記エポキシ基含有モノマーやオ
リゴマーの付加重合体を用いてもよく、例えば、グリシ
ジル化ポリエステル、グリシジル化ポリウレタン、グリ
シジル化ポリアクリルなどを挙げることができる。
【0027】さらに、これらに他の樹脂成分などを配合
したり、付加したりして可撓性を高めたり、接着力や屈
曲力の向上は図ってもよく、このような変性体として
は、CTBN(末端カルボキシル基含有ブタジエン−ア
クリロニトリルゴム)変性エポキシ樹脂;アクリルゴ
ム、NBR、SBR、ブチルゴム、もしくはイソプレン
ゴムなどの各種ゴムを樹脂分散させたエポキシ樹脂;上
記のような液状ゴムで変性されたエポキシ樹脂;アクリ
ル、ウレタン、尿素、ポリエステル、スチレンなどの各
種樹脂を添加してなるエポキシ樹脂;キレート変性エポ
キシ樹脂;ポリオール変性エポキシ樹脂などを用いるこ
とができる。
【0028】(光カチオン重合開始剤)本発明におい
て、上記光カチオン重合開始剤は、光を照射されること
により活性化され、光カチオン重合開始物質を発生する
ものであり、光の照射により重合を開始し得るので、比
較的低エネルギーで重合を開始することができる。上記
光としては、紫外線や可視光など適宜の光を用いること
ができるが、300nm〜370nmの波長の光が用い
られる。
【0029】上記光カチオン重合開始剤としては、使用
する波長の光によりエポキシ基の開環反応を誘発し得る
限り、特に限定されるわけではないが、300〜370
nmの波長の光によりエポキシ基の開環反応を誘発し、
かつ370nmを超える波長領域で非活性な化合物が好
ましく用いられ、このような化合物としては、例えば、
芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族ス
ルホニウム塩などのオニウム塩類を挙げることができ
る。このようなオニウム塩類の具体的な例としては、例
えば、オプトマーSP−150(旭電化工業社製)、オ
プトマーSP−170(旭電化工業社製)、UVE−1
014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−10
12(サートマー社製)、サンエイドSI−60L(三
新化学工業社製)、サンエイドSI−80L(三新化学
工業社製)、サンエイドSI−100L(三新化学工業
社製)、CI−2064(日本曹達社製)、CI−26
39(日本曹達社製)、CI−2624(日本曹達社
製)、CI−2481(日本曹達社製)などを例示する
ことができる。
【0030】なお、上記光カチオン重合開始剤は、単独
で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。さら
に、有効活性波長の異なる複数の光カチオン重合開始剤
を用い、2段階硬化させてもよい。なお、硬化型粘接着
シートには、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の
増粘剤、充填剤、着色剤及び難燃剤等を含有させてもよ
い。
【0031】(配合割合)本発明において、上記アクリ
ル系ポリマーと、エポキシ基を有する化合物との配合割
合については、目的とする初期接着力、硬化後の接着強
度などに応じて適宜定められ、特に限定されるものでは
ないが、好ましくは、アクリル系ポリマー100重量部
に対し、エポキシ基を有する化合物は10〜300重量
部の割合で配合される。
【0032】エポキシ基を有する化合物の配合割合が1
0重量部未満の場合には、光を照射して硬化させたとし
ても十分な接着強度を得ることができないことがあり、
300重量部を超えると、アクリル系ポリマーの相対的
な配合割合が低下し、十分な初期接着力を得ることがで
きないことがある。
【0033】また、上記光カチオン重合開始剤の配合割
合についても、その種類によって異なるため、特に限定
されるものではないが、好ましくは、エポキシ基を有す
る化合物100重量部に対し、光カチオン重合開始剤は
0.01〜5重量部の範囲とされる。光カチオン重合開
始剤の割合が0.01重量部未満の場合には、光を照射
してもエポキシ基の開環反応を十分に進行させることが
できないことがあり、接着強度の高い接着硬化物を得る
ことができないことがあり、5重量部を超えて配合した
としても、硬化を進行させる作用がそれ以上に高まら
ず、逆に初期粘着力が低下することがある。
【0034】(硬化型粘接着シートの成形)上記アクリ
ル系ポリマー、エポキシ基を有する化合物及び光カチオ
ン重合開始剤を含むシートを成形する方法については、
特に限定されず、従来から用いられている一般的な塗工
技術を採用することができる。例えば、上記各成分を
含む組成物を溶剤に溶かし、塗工し、乾燥させることに
より硬化型粘接着シートを得る方法や、アクリル系ポ
リマーの原料となるモノマーとエポキシ基を有する化合
物と光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤とを
含む組成物を塗工した後、光カチオン重合開始剤へのエ
ネルギー移動を起こさないが、光ラジカル重合反応を引
き起こす長波長の紫外線を照射し、バルク重合させる方
法などを挙げることができる。
【0035】光ラジカル重合及び光カチオン重合を開始
させる際に用いられる光源としては、特に限定されず、
例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイ
クロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどを
用いることができる。この場合、表層部分のみの硬化を
防止し、内部硬化を促進するには、320nm以下の波
長の光をカットして照射することが望ましい。
【0036】(基材)本発明の接合方法において、上記
硬化型粘接着シートは、例えば、被着体同士を貼り合わ
せるに際し、その間に介在させて接着するために、両面
粘着テープの形態とされる。この場合、硬化型粘接着シ
ートは基材を有せず、粘接着剤層のみで構成されていて
もよく、あるいは基材の両面に粘接着剤層を形成した形
態のものであってもよい。
【0037】上記基材としては、レーヨン系もしくはセ
ルロース系などの各種不織布、ポリエチレン、ポリエス
テル、セロハン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
イミド、ナイロン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポ
リ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの各種合成樹脂よ
りなるフィルムもしくはシート;発泡ポリエチレン、発
泡ポリウレタン、ネオプレン発泡体、発泡塩化ビニルな
どの各種発泡体;天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴム、
フッ化エチレンゴムなどの各種ゴムシート;鋼、ステン
レス、銅、アルミニウムなどの各種金属からなるシート
などを用いることができ、特に限定されない。
【0038】(接着)上記のようにして製造される硬化
型粘接着シートは、通常、粘接着剤層面に剥離シートを
貼り合わせてなる積層体として保管される。
【0039】本発明の接合方法では、上記のようにして
保管されていた硬化型粘接着シート上の剥離シートを剥
離し、被着体に貼付する前または貼付直後に硬化型粘接
着シートに光を照射する。すなわち、被着体に貼付する
際、すなわち貼付する前に、剥離シートを剥離すること
により露出された粘接着剤層面に光を照射してから被着
体に貼付する方法、あるいは硬化型粘接着シートを被着
体に貼付した後、硬化型粘接着シートに光を照射する。
後者の方法では、硬化型粘接着シートを被着体に貼付し
た後に、硬化型粘接着シートの背面側の剥離シートを剥
離し、新しく露出された粘接着剤層面に光を照射しても
よく、あるいは被着体が透明な場合には、被着体側から
光を照射してもよい。
【0040】光の照射は、光カチオン重合開始剤を活性
化させるために行われ、300〜370nmの波長の光
が用いられる。300nm未満では、内部未硬化により
十分な接着力が得られないことがあり、370nmを超
えると、硬化型粘接着シートが十分な光エネルギーを吸
収しがたくなり、硬化しないことがある。
【0041】さらに、硬化に際して照射する光の照射強
度については、5mW/cm2 以上とすることが望まし
い。5mW/cm2 未満の場合には、光カチオン重合開
始剤が十分に活性化されず、ガラス含有材用接合材の硬
化が十分に進行しないことがある。
【0042】また、好ましくは、請求項2に記載のよう
に、光照射後に、暗反応における硬化の進行が25℃で
7日後のエポキシ基の転化率50〜100%の範囲とな
るように硬化させる。エポキシ基転化率が50%未満の
場合には、充分な接着強度を得られないことがある。
【0043】なお、エポキシ転化率は、下記の要領で測
定される。 (エポキシ基の転化率)エポキシ基の含有量は、塩酸−
ジオキサン法と呼ばれる方法により定量できる。すなわ
ち、所定量の硬化型粘接着シートに対して、塩化水素ジ
オキサン溶液、エタノールを1対1の割合で加え、室温
で5時間程度攪拌した後、未反応の塩化水素を水酸化カ
リウムで逆滴定を行い求める。エポキシ基含有量Z(m
ol/g)を求める計算式は次のようになる。
【0044】Z(mol/g)=(S1 −S2 )×C×
f/(Ws ×1000) S1 (mL):本試験に要した水酸化カリウムのエタノ
ール溶液の滴定量 S2 (mL):空試験に要した水酸化カリウムのエタノ
ール溶液の滴定量 C(mol/L):滴定に用いた水酸化カリウムのエタ
ノール溶液の濃度 f:滴定に用いた水酸化カリウムのエタノール溶液のフ
ァクター WS (c):滴定試料の採取量 但し、滴定試料にカルボキシル基等の酸を有するとき
は、予め酸の濃度を求めておき、その値をZから減じた
値が、エポキシ基含有量となる。
【0045】上記エポキシ基の転化率(Conv
(%))は以下の式により求めた。 Conv(%)=(Z0 −Z1 )/Z0 ×100 Z0 (mol/g):光を照射する前の硬化型粘接着シ
ートのエポキシ基含有量 Z1 (mol/g):光を照射した後のある時間の硬化
型粘接着シートのエポキシ基含有量 但し、Z0 及びZ1 は上記で示した塩酸−ジオキサン法
により求める。
【0046】(作用)請求項1に記載の発明では、上記
硬化型粘接着シートが、粘着性を有するため、非耐熱性
材料やその他の材料からなる被着体に対して容易に貼付
することができ、かつ光の照射により光カチオン重合開
始剤が活性化し、エポキシ基を有する化合物の開環重合
が進行して硬化が進行する。もっとも、この硬化は、急
速に進行しないため、光を照射してからでも硬化型粘接
着シートの粘着力を利用して、硬化型粘接着シートを被
着体に対して容易にかつ確実に貼り合わせることができ
ると共に、仮止めを必要としない。
【0047】さらに、硬化が、光の照射により行われる
ため、熱性の弱い材料を接合する場合でも、該材料の変
形等が生じ難い。また、硬化の完了により、非耐熱性材
料が硬化型粘接着シートに対して強固に接合される。
【0048】また、300〜370nmの波長の光を用
いるので、光カチオン重合開始剤が充分にエネルギーを
吸収し、光カチオン重合開始剤を確実に活性化すること
ができ、硬化型粘接着シート全体を均一に硬化させるこ
とができる。
【0049】請求項2に記載の発明では、暗反応におけ
る硬化の進行が25℃で7日後のエポキシ基の転化率が
50%以上となるように硬化されるので、硬化型粘接着
シート全体が十分に硬化し、接着強度が確実に高められ
る。
【0050】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0051】(実施例1)2Lのセパラブルフラスコ内
で、n−ブチルアクリレート5重量部と、グリシジルメ
タクリレート25重量部と、エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ社製、商品名:エピコート828)40重量部
と、エポキシ樹脂(新日本理化社製、商品名:BEO−
60E)30重量部、光ラジカル重合開始剤としてビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルフォスフィンオキシド(チバガイギー社
製、商品名:イルガキュア1700)0.1重量部と、
光カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、商品名:オプ
トマーSP−170)0.5重量部とを均一になるまで
攪拌混合し、しかる後、窒素ガスを用いて20分間バブ
リングすることにより溶存酸素を除去し、光重合性組成
物を得た。
【0052】上記光重合性組成物を、表面が離型処理さ
れたポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PE
Tフィルム)に厚み300μmとなるように塗工し、さ
らに、塗工された膜に、同様に表面が離型処理されたP
ETフィルムを被覆し、積層フィルムを得た。このよう
にして得られた積層フィルムに、400nmに最大発光
波長を有する蛍光灯を用いて、かつ360nm以下の波
長領域の光を実質的に含まない近紫外線を、光強度が1
mW/cm2 となるように5分間照射し、PETフィル
ム間において挟持された粘接着剤シートを得た。
【0053】次に、一方のPETフィルムを剥離し、上
記粘接着剤シートの一方面を被着体である銅板(厚み
0.3mm×50mm×150mm)及びABS板(厚
み2.0mm×50mm×150mm)に接着面積が2
5mm×15mmとなるように貼り付けた後、硬化型粘
接着シートに300nm〜350nmの光を、光強度
0.05mW/cm2 以上で、照射時間30秒として照
射し、しかる後、別の銅板及びABS板を硬化型粘接着
シートの他面に貼り合わせ、7日養生することにより、
試験片を作製した。また、このときのエポキシの転化率
は97.9%であった。
【0054】(実施例2)n−ブチルアクリレート、グ
リシジルメタクリレートに代えて、2−エチルヘキシル
アクリレート45重量部及びN−ビニルピロリドン15
重量部を用い、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社
製、商品名:エピコート828)の配合割合を40重量
部としたことを除いては実施例1と同様にして硬化型粘
接着シートを得、かつ実施例1と同様にして試験片を作
製した。また、このときのエポキシの転化率は96.7
%であった。
【0055】(比較例1)実施例1で用いたエポキシ樹
脂100重量部と、ジシアンジアミド5重量部と、イミ
ダゾール化合物として2,4−ジアミノ−6〔2’−メ
チルイミダゾリル−(1)’〕エチル−s−トリアジン
イソシアヌル酸付加物2重量部とを配合し、2本ロール
で混合することによりエポキシ樹脂組成物を得た。
【0056】上記エポキシ樹脂組成物をプレス機を用い
て厚み300μmとなるようにシート状に圧延し、接着
シートを作製した。上記接着シートを実施例1で用いた
板状材料としての銅板及びABS板に接着シートを接着
面積が25mm×15mmとなるようにそれぞれ貼付
し、別の銅板及びABS板を接着シートの他面に貼り合
わせ、しかる後180℃及び30分の条件で加熱するこ
とにより、接着剤層を硬化させ、7日養生することによ
り、試験片を作製した。
【0057】(実施例及び比較例の評価)実施例1,2
及び比較例1で得られた上記試験片について、以下の要
領で、引張り剪断接着力及び被着体の変形を評価し
た。
【0058】引張り剪断接着力…JIS K 685
0に基づき引張り剪断接着力を23℃で測定した。 被着体の変形評価…上記引張り剪断接着力測定前にお
ける被着体(試験片)の変形の有無を目視により確認し
た。 上記評価結果を、下記の表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】比較例1では、加熱により硬化させている
ため、被着体が銅板の場合わずかに変形し、ABSの場
合にはかなり変形を生じた。これに対して、実施例1,
2では、硬化に際して熱を必要としないため、変形が生
じなかった。また、引張り剪断接着力については、実施
例1,2の試験片は、加熱により硬化させた比較例1の
試験片とほぼ同等の接着力を示していることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明にかかる非耐熱性材料の接合方法
では、上記硬化型粘接着シートがアクリル系ポリマーを
主成分とするため、その粘着力により非耐熱性材料に容
易に貼付することができる。また、硬化は、光の照射に
より進行するが、急速に進行しないため、アクリル系ポ
リマーの粘着力を利用して非耐熱性材料に硬化型粘接着
シートを容易に貼付することができる。
【0062】加えて、上記粘着力により硬化型粘接着シ
ートが非耐熱性材料に貼付されているので、貼付後に仮
止めやプレスといった作業を実施する必要はない。加え
て、非耐熱性材料に硬化型粘接着シートを貼付する前ま
たは貼付後に光を照射することにより硬化が進行する。
すなわち、光を利用して硬化させるため、従来の熱硬化
型接着シートに比べ、非耐熱性材料の変形等が生じ難
い。また、光照射前の硬化型粘接着シートは、高温に晒
されたとしても硬化反応が進行しないため、貯蔵安定性
においても優れている。
【0063】さらに、硬化に際し熱エネルギーを必要と
しないため、エネルギーコストの低減も果たし得る。ま
た、光照射後、エポキシ基を有する化合物の開環重合が
進行し、硬化が完了すると、硬化型粘接着シートを介し
て非耐熱性材料が強固に接着され、従って、従来の接着
剤や溶接の場合と同等の高い接着力で非耐熱性材料を他
の被着体に接合することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系ポリマーと、エポキシ基を有
    する化合物と、エポキシ基の開環重合を誘発する光カチ
    オン重合開始剤とを含む組成を有する硬化型粘接着シー
    トを用いて非耐熱性材料を接合する方法であって、 前記非耐熱性材料を硬化型粘接着シートを用いて被着体
    に貼付する際に300〜370nmの波長の光を照射す
    ることを特徴とする非耐熱性材料の接合方法。
  2. 【請求項2】 光照射後に、暗反応における硬化の進行
    が、25℃において7日後のエポキシ基の転化率が50
    〜100%の範囲となるように硬化させることを特徴と
    する請求項1に記載の非耐熱性材料の接合方法。
JP15260397A 1997-06-10 1997-06-10 非耐熱性材料の接合方法 Withdrawn JPH10338840A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057078A (ja) * 2004-07-22 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc 光硬化型樹脂組成物及びそれからなるプラスチック用樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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