JPH10338745A - 芳香族ポリエーテル系重合体の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエーテル系重合体の製造方法

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JPH10338745A
JPH10338745A JP15217897A JP15217897A JPH10338745A JP H10338745 A JPH10338745 A JP H10338745A JP 15217897 A JP15217897 A JP 15217897A JP 15217897 A JP15217897 A JP 15217897A JP H10338745 A JPH10338745 A JP H10338745A
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alkali metal
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aromatic
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JP15217897A
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Kunihisa Sato
邦久 佐藤
Masaru Ota
勝 太田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾布等の目詰まりなどを起こさずに、反応生
成物からアルカリ金属ハロゲン化物と重合溶媒とを効率
的に除去し、芳香族ポリエーテル系重合体を分離して、
工業的に容易な芳香族ポリエーテル系重合体の製造方法
を提供する。 【解決手段】 少なくとも一種の2価フェノールとジハ
ロベンゼノイド化合物とを、及び/又は少なくとも一種
のハロフェノールを、芳香族スルホン溶媒中で少なくと
も一種の塩基性アルカリ金属化合物の存在下に重縮合さ
せ、次いで反応生成物をペレット化した後、ペレットの
状態で水及び有機溶媒によって生成したアルカリ金属ハ
ロゲン化物及び芳香族スルホン溶媒を抽出除去し、重合
体を分離することを特徴とする芳香族ポリエーテル系重
合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリエーテル
系重合体の製造方法、詳しくは反応生成物から芳香族ポ
リエーテル重合体を分離する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
にポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエ
ーテルエーテルケトンに代表される芳香族ポリエーテル
系重合体は、少なくとも1種の塩基性アルカリ金属化合
物の存在下に、(1)少なくとも1種の2価フェノール
とジハロベンゼノイド化合物とを、及び/または(2)
少なくとも1種のハロフェノールを求核的に重縮合させ
ることにより製造される。使用される重合溶媒として
は、ジメチルスルホキシドのような脂肪族スルホキシド
化合物、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド系
化合物、スルホランのような脂肪族スルホン化合物、ジ
フェニルスルホンのような芳香族スルホン化合物及びそ
れらの混合物が使用される。
【0003】特に、英国特許第1414421号に記載
されているような、比較的高融点の重合溶媒を利用する
方法においては、反応生成物を冷却して固体の生成物を
得、この固体の反応生成物を粉砕し、その後に生成した
アルカリ金属ハロゲン化物と重合溶媒とを、水及びアセ
トン/メタノール混合物のような有機溶媒で抽出、除去
して芳香族ポリエーテル系重合体を分離している。しか
しながら、粉砕時に生じる微粉のために、洗浄工程の特
に濾過工程において、濾布が目詰まりしたり、さらには
配管が詰まるという問題が起きやすい。
【0004】比較的高融点の重合溶媒を使用し、かつ、
微細に粉砕することなく洗浄する方法が、特開平1−1
03624号公報に記載されている。この方法は、反応
混合物を加熱などの方法により液状とし、撹拌しながら
高温、好ましくは100℃以上で水と接触させることに
より、液液抽出でアルカリ金属ハロゲン化物を除去する
方法である。この方法によれば、アルカリ金属ハロゲン
化物を低レベルまで除去できることが示されている。し
かしながら、重合体を含む反応生成物は、液状であるた
めに、液滴同士の融合を防ぐために、または融合した反
応生成物を再度分割するために、極めて高速の撹拌が必
要であり、さらに、100℃以上で洗浄するためには、
加圧下で洗浄を行う必要があり、工業的な規模で実施す
るためには好ましい方法ではない。
【0005】本発明の目的は、芳香族ポリエーテル系重
合体の製造方法において、濾布等の目詰まりなどを起こ
さずに、反応生成物からアルカリ金属ハロゲン化物と重
合溶媒とを効率的に除去し、芳香族ポリエーテル系重合
体を分離する工業的に容易に実施できる方法を提供する
ことにある。本発明者はかかる問題点の解決すべく鋭意
検討を行った結果、反応生成物を微粉砕することなく、
ペレットの状態で洗浄、抽出を行うことにより、アルカ
リ金属ハロゲン化物と重合溶媒を容易に抽出、除去し、
芳香族ポリエーテル系重合体が分離できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも一種の2価フェノールとジハロベンゼノイド化合
物とを、及び/又は少なくとも一種のハロフェノール
を、芳香族スルホン溶媒中で少なくとも一種の塩基性ア
ルカリ金属化合物の存在下に重縮合させ、次いで反応生
成物をペレット化した後、ペレットの状態で水及び有機
溶媒で生成したアルカリ金属ハロゲン化物及び芳香族ス
ルホン溶媒を抽出除去し、重合体を分離することを特徴
とする芳香族ポリエーテル系重合体の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる2価フェノー
ルとしては、ハイドロキノン、レゾルシンまたは下記の
一般式 化5で示されるビスフェノール類が挙げられ
る。
【0008】
【化5】 式中、Yは炭素数が1〜5のアルキレン基若しくはアル
キリデン基、炭素数が5〜15のシクロアルキレン基若
しくはシクロアルキリデン基、酸素原子、カルボニル
基、スルホニル基、硫黄原子又はベンゼン環が直接結合
していることを表し、R1 、R2 は同一でも異なってい
てもよくメチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキ
シ基又はエトキシ基を表し、a及びbは0〜4の整数を
表す。
【0009】この2価フェノールの好ましい例として
は、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)メタン及びこれら2価フェ
ノールのオルト位のメチル置換体などが挙げられる。中
でも、ハイドロキノン、レゾルシン又は下記の一般式
化6示される化合物が特に好ましい。
【0010】
【化6】 式中、Yは前記と同じものを表す。
【0011】本発明で用いられるジハロゲノベンゼノイ
ド化合物としては、下記の一般式化7で示される化合物
が挙げられる。
【0012】
【化7】 式中、X、X’同一でも異なっていてもよく、Zに対し
てオルト位又はパラ位にあるハロゲン原子を表し、Zは
スルホニル基又はカルボニル基を表し、R3 、R4 は同
一でも異なっていてもよくメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、メトキシ基又はエトキシ基を表し、c及びd
は0〜4の整数を表す。
【0013】このジハロゲノベンゼノイド化合物の好ま
しい例としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、4,4’
−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロベンゾ
フェノン及びこれらのジハロゲノベンゼノイド化合物の
オルト位のメチル置換体などが挙げられる。中でも下記
の一般式 化8で示される化合物が特に好ましい。
【0014】
【化8】 式中、X、X’およびZは前記と同じものを表す。
【0015】本発明において用いられるジハロゲノベン
ゼノイド化合物の使用量は、2価フェノールに対して実
質的に等モルとなる量であり、具体的には90〜110
モル%の範囲内で使用するのが好ましい。より高分子量
のポリマーを得るためには98〜105モル%の範囲内
で使用するのが好ましい。
【0016】本発明で用いられるハロフェノールとして
は、下記の一般式 化9で示される化合物が挙げられ
る。
【0017】
【化9】 式中、X”はTに対してオルト位又はパラ位にあるハロ
ゲン原子を表し、Tはスルホニル基又はカルボニル基を
表し、R5 、R6 は同一でも異なっていてもよくメチル
基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基又はエトキ
シ基を表し、e及びfは0〜4の整数を表す。
【0018】このハロフェノールの好ましい例として
は、4−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノー
ル、4−(4−フロロフェニルスルホニル)フェノー
ル、4−(4−クロロベンゾイル)フェノール、4−ヒ
ドロキシ−4’−(4−クロロフェニルスルホニル)ビ
フェニル、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)
−4’−(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル
などが挙げられる。
【0019】本発明で用いられる重合溶媒としては、下
記の一般式 化10で示される芳香族スルホン溶媒が使
用される。
【0020】
【化10】 式中、Aは酸素原子を、ベンゼン環が直接結合している
ことを又はそれぞれのベンゼン環に結合している水素原
子を表し、B及びB’は同一でも異なっていてもよく水
素原子又はメチル基を表す。
【0021】このような芳香族スルホン溶媒の例として
は、ジフェニルスルホン、ジベンゾチオフェンオキス
ド、フェノキサチインジオキシド及び4−メチルスルホ
ニルビフェニルなどが挙げられる、好ましくは、ジフェ
ニルスルホンが用いられる。
【0022】本発明における芳香族ポリエーテル系重合
体の製造方法としては次の方法などが用いられる。 (1)2価フェノールとアルカリ金属水酸化物の中和反
応から得られた2価フェノールのアルカリ金属塩とジハ
ロベンゼノイド化合物を芳香族スルホン溶媒中で重縮合
させる方法。 (2)2価フェノール及び/又はハロフェノールとアル
カリ金属水酸化物に最初からジハロベンゼノイド化合物
を加えて、芳香族スルホン溶媒中で中和反応と重縮合反
応を同時に行う方法。 (3)2価フェノール及び/又はハロフェノールとジハ
ロゲノベンゼノイド化合物を芳香族スルホン溶媒中で、
アルカリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩の存在下に重縮合さ
せる方法。
【0023】芳香族スルホン溶媒は、通常、用いられる
2価フェノールの重量を基準として0.5〜10倍の範
囲で使用される。更に好ましくは1〜5倍の範囲であ
る。芳香族スルホン溶媒の量が上記の範囲より少ない場
合には、洗浄工程での芳香族スルホン溶媒、アルカリ金
属ハロゲン化物の抽出が困難になる。一方、芳香族スル
ホン溶媒の使用量を上記範囲より多くすると、ポリマー
濃度が低下するため、芳香族スルホン溶媒の抽出に多量
の溶剤が必要となる。
【0024】本発明における塩基性アルカリ金属化合物
としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属の炭酸
塩または重炭酸塩などが挙げられる。アルカリ金属水酸
化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化ルビジウム、水酸化セシウムが挙げられるが、安価
で入手しやすく、反応性の高い水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量
は、フェノール1.0モルに対して対して1.0モル以
上であればよい。
【0025】アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩とし
ては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウ
ム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、重炭酸ルビジウム、重炭酸セシウム等が挙げられる
が、安価で入手しやすく、反応性の高い炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムが好ましい。また、上記アルカリ金属
炭酸塩または重炭酸塩は水和物としても使用できるが、
より高分子量のポリマーを得るためには、アルカリ金属
の炭酸塩はたは重炭酸塩は無水のものを用いるのが好ま
しい。アルカリ金属の炭酸塩の使用量は、フェノール
1.0モルに対して少なくとも0.45モル以上、好ま
しくは0.5モル以上であればよい。アルカリ金属の重
炭酸塩を使用する場合は、フェノール1.0モルに対し
て少なくとも0.9モル以上、好ましくは1.0モル以
上用いるのがよい。
【0026】本発明方法における重合反応の温度は、反
応原料成分の種類、重合反応の形式により変わるが、通
常、150〜400℃の範囲であり、好ましくは200
〜350℃の範囲内である。上記の温度範囲よりも、反
応温度が低い場合は目的とする重合反応は殆ど実用に耐
える速度で進行せず、必要とする分子量の重合体を得る
ことは困難である。一方、上記の範囲よりも反応温度が
高い場合は、目的とする重合反応以外の副反応が無視で
きなくなり、得られる重合体の着色も著しくなる。ま
た、反応は一定の温度で実施しても良いし、温度を徐々
に変化させるかまたは段階的に変化させても良い。
【0027】重合反応に要する時間は、反応原料成分の
種類、重合反応の形式、反応温度により大幅に変わる
が、通常は30分〜24時間の範囲であり、好ましくは
1〜12時間である。
【0028】本発明における重縮合反応の反応雰囲気と
しては、酸素が存在しないことが好ましく、窒素又はそ
の他の不活性ガス中で行うことが好ましい。
【0029】本発明における重縮合反応において、重合
反応を停止させるためには、通常、反応物を冷却すれば
よい。しかしながら、重合体の末端に存在する可能性の
あるフェノキサイド末端を安定化させるために、脂肪族
ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物などを添加反応させ
ることも必要に応じ実施される。ハロゲン化物の具体的
な例としては、メチルクロライド、エチルクロライド、
メチルブロマイド、4−クロロジフェニルスルホン、4
−クロロベンゾフェノン、4、4ージクロロジフェニル
スルホン、p−クロロニトロベンゼンなどが挙げられ
る。
【0030】重合して得られる反応生成物はペレット化
される。ペレット化の方法としては次の方法等が挙げら
れる。 (1)重合槽から反応生成物を溶融状態で直径1〜5m
mの穴が開けられたダイから押し出し、流水中で冷却
し、ストランド化した後にカッターなどで切断する方
法。 (2)重合槽から反応生成物を溶融状態で直径1〜5m
mの穴が開けられたダイから押し出し、空気中でそのま
まカッターなどで切断する方法。 (3)重合槽から反応生成物を抜き出し、冷却、粉砕し
た後、スクリュー押し出し機に供給し、直径1〜5mm
の穴が開けられたダイから押し出し、流水中で冷却し、
ストランド化した後にカッターなどで切断する方法。 (4)重合槽から反応生成物を抜き出し、冷却、粉砕し
た後、スクリュー押し出し機に供給し、直径1〜5mm
の穴が開けられたダイから押し出し、空気中でそのまま
カッターなどで切断する方法。
【0031】ペレットの形状は、ダイの穴の直径、押し
出し時の反応物の粘度、押し出し速度、カッテイング方
法、カッターの形状などにより変化するが、約0.5〜
3mmの平均直径を有する。ペレットの平均直径が上記
の範囲より大きくなると、ペレットの内部まで溶媒、ア
ルカリ金属ハロゲン化物を抽出、除去することは困難で
あり、逆にペレットの平均直径が上記範囲より小さくな
ると、洗浄工程での詰まりが多くなり、取り扱いが難し
くなる。
【0032】ペレットは、芳香族スルホン溶媒及びアル
カリ金属ハロゲン化物を除去するため、水及びアセトン
/メタノール混合物のような有機溶媒で洗浄される。洗
浄方法は特に限定されるものではなく、ペレットを水又
は有機溶媒に入れ洗浄して濾過する回分法、ペレットの
充填層に水または有機溶媒を流通させて行う連続法など
が挙げられる。また、水、有機溶媒による洗浄回数は特
に制限されない。通常、水又は溶媒の使用量、接触時間
を適宜設定し、水で洗浄し、次に有機溶媒で洗浄し、最
後に水で洗浄することによって目的を達成することがで
きる。芳香族ポリエーテル系重合体は、洗浄後は公知の
手段で乾燥する。
【0033】洗浄中においては、ペレット同士が融合し
ないように、水及び有機溶媒の温度、組成を制御する必
要があり、その条件はポリマーの性質により決定され
る。抽出、洗浄が進行するにつれて、芳香族スルホン溶
媒、アルカリ金属ハロゲン化物が除去され、ペレット表
面及び内部に微細な穴ができることにより、ペレット内
部に存在する芳香族スルホン溶媒、アルカリ金属ハロゲ
ン化物を除去することが可能となる。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法により、反応生成物からア
ルカリ金属ハロゲン化物や重合溶媒を目詰まりなどを起
こすことなく効率的に除去し、工業的に容易に芳香族ポ
リエーテル系重合体を製造することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実
施例及び比較例における還元粘度(RV)は次式によっ
て表される。 RV=(t−t0 )/t0 /c 式中、tは重合体溶液の粘度計における標線間の通過時
間(秒)、t0 は純溶媒の粘度計における標線間の通過
時間(秒)、cは重合体溶液の濃度(g/100ml溶
媒)を表す。粘度の測定は、25℃、N,N−ジメチル
ホルムアミド溶媒を用いて、重合体溶液の濃度1.0g
/100mlで行った。
【0036】実施例1 〔重合〕攪拌機、窒素導入管、温度計、先端に受器を付
したコンデンサーとを備えた0.5LのSUS316L
製フラスコ内に、4,4’−ヒドロキシジフェニルスル
ホン(100.10g)、4,4’−ジクロロジフェニ
ルスルホン(119.91g)、及び重合溶媒としてジ
フェニルスルホン(196.0gr)を仕込み、系内に
窒素ガスを流通させながら180℃まで昇温し、単量体
を溶融させた。その後、無水炭酸カリウム57.49g
を添加した。その後、290℃まで徐々に昇温し、29
0℃でさらに2時間反応させた。反応終了後、反応液を
室温まで冷却固化し、押し出し機に供給できる程度に粗
く砕いた。
【0037】〔ペレット化〕0.5〜8.0mmに粗く
粉砕された反応混合物を、原料フィーダー、ストランド
冷却槽、ストランドカッターを装備した2軸押し出し機
(日本製鋼所製 TEX30−α−35BW−2V)を
用いてシリンダー温度130℃で押し出し、ペレットを
得た。2mm径×3mm長の反応混合物のペレットが安
定的に得られた。
【0038】〔洗浄〕得られたペレットを、温水、アセ
トン/メタノール混合溶媒、水の順序で回分法で洗浄し
た後、150℃で1晩乾燥させ、芳香族ポリエーテルス
ルホン重合体を得た。洗浄乾燥を通じて、ペレットの形
状は保たれており、特に濾過時の取り扱いは容易であっ
た。ペレット中の残存カリウムは、580ppm、残存
ジフェニルスルホンは400ppmであり、ポリマーの
還元粘度は0.35dl/gであった。以上のようにペ
レットの状態で洗浄を行っても、内部まで洗浄され、残
存塩、残存溶媒の少ない重合体が得られることがわか
る。比較例のように粉砕した場合より残存濃度は高いが
実用上問題ない濃度である。
【0039】比較例1 実施例1において、0.5〜8mmに粗く粉砕された反
応混合物を、さらに、小型粉砕機(協立理工製)SKM
10Rにより粉砕し、最大粒径が1000μm以下にな
るまで粉砕した。この粉砕品を、実施例1と同様に、温
水、アセトン/メタノール混合溶媒、水の順序で回分法
で洗浄した後、150℃で1晩乾燥させた。洗浄乾燥後
の重合体パウダー中の、残存カリウムは220ppm、
残存ジフェニルスルホンは100ppmであった。ペレ
ットにして抽出、除去を行ったものより残存濃度は低く
なるが、洗浄して濾過する際の濾布の目詰まりが速く、
洗浄に長時間を要した。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種の2価フェノールとジハロ
    ベンゼノイド化合物とを、及び/又は少なくとも一種の
    ハロフェノールを、芳香族スルホン溶媒中で少なくとも
    一種の塩基性アルカリ金属化合物の存在下に重縮合さ
    せ、次いで反応生成物をペレット化した後、ペレットの
    状態で水及び有機溶媒によって生成したアルカリ金属ハ
    ロゲン化物及び芳香族スルホン溶媒を抽出除去し、重合
    体を分離することを特徴とする芳香族ポリエーテル系重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】芳香族スルホン溶媒が、一般式 化1 【化1】 (式中、Aは酸素原子を、ベンゼン環が直接結合してい
    ることを又はそれぞれのベンゼン環に結合している水素
    原子を表し、B及びB’は同一でも異なっていてもよく
    水素原子又はメチル基を表す。)で示される化合物であ
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】芳香族スルホン溶媒が、ジフェニルスルホ
    ンである請求項1又は請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】2価フェノールが、一般式 化2 【化2】 (式中、Yは炭素数が1〜5のアルキレン基若しくはア
    ルキリデン基、炭素数が5〜15のシクロアルキレン基
    若しくはシクロアルキリデン基、酸素原子、カルボニル
    基、スルホニル基、硫黄原子又はベンゼン環が直接結合
    していることを表し、R1 、R2 は同一でも異なってい
    てもよくメチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキ
    シ基又はエトキシ基を表し、a及びbは0〜4の整数を
    表す。)で示される化合物である請求項1記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】2価フェノールが、4,4’−ヒドロキシ
    ジフェニルスルホンである請求項1又は請求項4記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】ジハロベンゼノイド化合物が、一般式 化
    3 【化3】 (式中、X、X’は同一でも異なっていてもよく、Zに
    対してオルト位又はパラ位にあるハロゲン原子を表し、
    Zはスルホニル基又はカルボニル基を表し、R3、R4
    は同一でも異なっていてもよくメチル基、エチル基、イ
    ソプロピル基、メトキシ基又はエトキシ基を表し、c及
    びdは0〜4の整数を表す。)で示される化合物である
    請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】ジハロベンゾノイド化合物が、4,4’−
    クロロジフェニルスルホンである請求項1又は請求項6
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】ハロフェノールが、一般式 化4 【化4】 (式中、X”はTに対してオルト位又はパラ位にあるハ
    ロゲン原子を表し、Tはスルホニル基又はカルボニル基
    を表し、R5 、R6 は同一でも異なっていてもよくメチ
    ル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基又はエト
    キシ基を表し、e及びfは0〜4の整数を表す。)で示
    される化合物である請求項1記載の製造方法。
  9. 【請求項9】ハロフェノールが、4−(4−クロロフェ
    ニルスルホニル)フェノールである請求項1又は請求項
    8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】塩基性アルカリ金属化合物が水酸化ナトリ
    ウム又は水酸化カリウムである請求項1記載の製造方
    法。
  11. 【請求項11】塩基性アルカリ金属化合物が炭酸ナトリウ
    ム、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム又は重炭酸カリ
    ウムである請求項1記載の製造方法。
  12. 【請求項12】ペレットの平均直径が0.5〜3mmであ
    る請求項1記載の製造方法。
  13. 【請求項13】有機溶媒がアセトンとメタノールの混合溶
    媒である請求項1記載の製造方法。
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