JPH10338728A - 球状フェノ−ル樹脂硬化物及びその製造方法 - Google Patents

球状フェノ−ル樹脂硬化物及びその製造方法

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JPH10338728A
JPH10338728A JP15221097A JP15221097A JPH10338728A JP H10338728 A JPH10338728 A JP H10338728A JP 15221097 A JP15221097 A JP 15221097A JP 15221097 A JP15221097 A JP 15221097A JP H10338728 A JPH10338728 A JP H10338728A
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phenol resin
cured
solvent
cellulose
cellulose derivative
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JP15221097A
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Kazutoshi Haraguchi
和敏 原口
Mieko Koiso
美枝子 小磯
Rinmei Ou
林明 王
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、ナノメ−
タ−からミクロンオ−ダ−の平均粒径を有する球状フェ
ノ−ル樹脂硬化物の製造方法、及び該製造方法により得
られる、ナノメ−タ−からミクロンオ−ダ−の平均粒径
を有し、狭い粒径分布を有する球状フェノ−ル樹脂硬化
物を提供することにある。 【解決手段】 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と
溶媒とを含む均質混合液を調製する、該均質混合液か
ら溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体の
相分離を生じさせる、フェノ−ル樹脂を硬化させる、
フェノ−ル樹脂硬化物とセルロ−ス誘導体との複合体
からセルロ−ス誘導体を除去し、フェノ−ル樹脂硬化物
を得る、からなる球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法
と、該製造方法により得られる平均粒径が20nm〜3
0μm、好ましくは粒径分布の標準偏差が0.5以下で
ある球状フェノ−ル樹脂硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は球状フェノ−ル樹脂
硬化物及びその製造方法に関する。本発明により得られ
る球状フェノ−ル樹脂硬化物は、成形材料、塗料、膜材
料、電子・電気材料、画像用材料などとして各種工業分
野、建築・土木分野、医療分野の材料として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】フェノ−ル樹脂は耐熱性、耐久性、力学
物性および電気絶縁性等の電気物性等に優れることか
ら、成形材料、塗膜材料、バインダ−材料、電子・電気
部品材料などとして広い分野で使用されている。近年、
各分野での製品の性能高度化や形状小型化に伴い、用い
るフェノ−ル樹脂に要求される諸特性も、従来にない高
度に制御されたものが要求されるようになってきてい
る。
【0003】例えば、耐熱性、力学物性、電気絶縁性等
の特性を保持したまま、フェノ−ル樹脂を微細球状に形
態付与することが出来れば、微細部品材料、極小加工材
料、薄膜材料、画像形成材料、高性能塗工材料、バイオ
テクノロジ−材料、医療材料などにおいて有効に用いら
れると推定される。即ち、ナノメ−タ−からミクロンオ
−ダ−での粒径及びその粒径分布が高度に制御されたフ
ェノ−ル樹脂硬化物を得ることは広い産業分野の発展に
寄与すると考えられる。
【0004】従来、有機樹脂の球状形態付与法について
は、いくつかの方法が検討されている。その内、特に粒
径及び粒径分布が制御されたものとしては、例えば重合
手法によりポリマ−を微粒子の形で得る手段が古くから
検討されており、乳化重合法、懸濁重合法、シ−ド重合
法、分散重合法などがミクロンからサブミクロンオ−ダ
−の微粒子を重合過程で得るために用いられており、ポ
リスチレン、架橋ポリスチレン、架橋ポリメチルメタク
リレ−ト等の微粉体や、ポリエステル樹脂及びポリアク
リルアミド樹脂のラテックスなどが得られている。
【0005】またそれ以外の特に複合化ポリマ−微粒子
を創出する技術として、近年カプセル化技術やハイブリ
ダイゼ−ション技術も検討されており、ポリメチルメタ
クリレ−ト改質ポリエチレン球やシリカ改質ポリエチレ
ン球などが調製されている。その他、ポリメチルシルセ
スキオキサン等のシリコ−ン樹脂微粒子や種々のコア−
セル型多層構造微粒子などが以上の述べた方法を用いて
作られている。
【0006】一方、2種以上の異質なポリマ−成分から
なるブロックまたはグラフト共重合体は、ミクロ相分離
機構によりその組成に従って、微細な球状、シリンダ−
状、ラメラ状に相分離することが良く知られている。し
かしながら、かかる共重合体を含まない2種以上のホモ
ポリマ−同士の混合物においては、相分離はよりマクロ
的に生じることから、微細なミクロ組織を有する規則的
な形態をそれから得ることは一般に困難である。
【0007】相分離を利用したものとしては、前記した
複合カプセル化技術の一つであるコアセルベ−ション法
(高分子溶液の温度を低下させたり、貧溶媒添加により
分散滴(コアセルベ−ト)を発生させる)や複相エマル
ジョン法が知られており、いずれも高分子溶液状態での
相分離を利用したものである。
【0008】また、無機の金属酸化物の形態制御では、
高分子溶液中でのシリコンアルコキシドのin−sit
uゾル−ゲル反応において、シリコンアルコキシドの重
合度が増すことにより生じる相分離を利用して、種々の
形態(多孔質連続相または球状分離相)の金属酸化物
(シリカ)が得られることが知られている(例えば、
K.Nakanishi、N.Soga、Journa
l of American Ceramic Soc
iety、74巻、2518頁、1991年)。
【0009】フェノ−ル樹脂またはその硬化物の形態制
御に関しては、従来いくつかの検討がなされており、米
国特許79−58899号公報においては、100℃以
上の高温に加熱した高粘度パラフィン油中に液状加熱硬
化型フェノ−ル樹脂を撹拌しながら導入することで、撹
拌により樹脂を球状に分散させ、またその温度で硬化さ
せる、粒状のフェノ−ル樹脂硬化物およびその製造方法
が記載されている。
【0010】それ以外は、殆どがフェノ−ル樹脂を水性
媒体中で重合させる場合の条件を工夫して粒状のフェノ
−ル樹脂を得る方法によるものである。例えば、特公平
05−72924号公報、特公平06−6615号公
報、特開平05−130256号公報、特開平06−1
66733号公報ではアラビアゴムやフッ化カルシウム
等のエマルジョン安定剤を含む水性媒体中でのモノマ−
の重合により、
【0011】また特公昭53−42075号公報ではフ
ェノ−ル樹脂の反応途中で主に水を溶媒としたアラビヤ
ゴムやヒドロキシエチルセルロ−スを添加して更に重合
を続けることにより、また特公昭61−59324号公
報、特開平04−159320号公報ではポリビニルア
ルコ−ルを含む水性媒体中での重合または樹脂とモノマ
−との反応により、また米国特許80−141142号
公報、特開平02−167327号公報、特開平03−
9915号公報、特公平05−43734号公報ではフ
ェノ−ル樹脂またはモノマ−をアラビアゴムやカルボキ
シルメチルセルロ−ス(CMC)等を含む保護コロイド
水溶液を加えた系で反応させることで、
【0012】また特公昭62−30210号公報、特公
昭62−30211号公報、特開平07−18043号
公報では、以上の様なエマルジョン安定剤や水溶性高分
子等の添加は無く、ホルムアルデヒド、フェノ−ル、塩
酸や溶媒(水)の量比や温度条件など合成条件の適正化
により球状や粉末状のフェノ−ル樹脂またはその硬化物
が得る方法が示されている。
【0013】その他、特公平03−28453号公報で
はフェノ−ル樹脂を分散剤(高分子系分散剤及び/又は
無機系分散剤)の存在下、冷水又は熱水中に分散させた
後、分散した反応生成物を融点以下に冷却する方法が報
告されている。また特公昭64−973号公報では、レ
ゾ−ル型フェノ−ル樹脂に、温水を加えると共にセルロ
−ス系化合物(例:アラビアゴム)や水性高分子化合物
(ポリビニルアルコ−ル)を加えて粒状化することが開
示されている。
【0014】以上の方法で特徴的なことは、フェノ−ル
樹脂を貧溶媒である水の中で如何に分散させながら固化
させるかがポイントであり、全て水性媒体中での重合や
分散により粒状化が行われており、固相又は非水系での
粒径制御はなされていない。また、上述の方法で得られ
るフェノ−ル樹脂又は硬化物の粒径は、ミリメ−トル前
後のものであったり、例えマイクロメーターオーダーの
ものであっても、粒径や粒径分布が十分に制御されたも
のは得られていない。
【0015】また市販製品としては、鐘紡株式会社製の
商品名ベルパ−ルが知られている。しかしながらベルパ
−ルは粒径が1〜20ミクロンに広く分布し、形状も必
ずしも球状のものばかりでなく複数の粒子が融着した
り、また数十ミクロンの二次凝集物も含まれている。
【0016】以上のように現在まで球状フェノ−ル樹脂
と言われるものはあっても、融着するなどして必ずしも
球形でなかったり、様々な粒径の混合物であって広い粒
径分布を有するものしか得られていない。即ち、ナノメ
−タ−からミクロンオ−ダ−の粒径範囲において、粒径
を良く制御し、また狭い粒径分布を有したり、真球状に
形状を制御したりすることは、従来のフェノ−ル樹脂ま
たはその硬化物の製造方法では得られていなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ナノメ−タ−からミクロンオ−ダ−の平均
粒径を有する球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、及
び該製造方法により得られる、ナノメ−タ−からミクロ
ンオ−ダ−の平均粒径を有し、狭い粒径分布を有する球
状フェノ−ル樹脂硬化物を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ナノメ−
タ−からミクロンオ−ダ−の範囲の大きさで、粒径およ
び粒径分布が制御された球状のフェノ−ル樹脂硬化物を
得るべく鋭意研究に取り組んだ結果、フェノ−ル樹脂と
セルロ−ス誘導体を含む均質混合液を用い、溶剤を殆ど
除いた後の固相での相分離挙動を活用することで、粒径
及び/又は粒径分布の制御された球状フェノ−ル樹脂硬
化物を得ることが出来ることを見いだし本発明を完成す
るに至った。
【0019】即ち、本発明は、(1)下記の工程からな
る球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させる。 フェノ−ル樹脂硬化物とセルロ−ス誘導体との複合体
からセルロ−ス誘導体を除去し、フェノ−ル樹脂硬化物
を得る。
【0020】(2)溶媒が非水系溶剤であることを特徴
とする(1)に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造
方法、(3)溶媒が60%以上の非水系溶剤と40%未
満の水から成る混合溶剤であることを特徴とする(1)
に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、
【0021】(4)セルロ−ス誘導体の除去を、セルロ
−ス誘導体を溶解し、且つフェノ−ル樹脂硬化物を溶解
しない溶剤を用いた抽出操作により行うことを特徴とす
る(1)に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方
法、(5)セルロ−ス誘導体の除去を、200〜500
℃の範囲の温度で加熱することにより行うことを特徴と
する(1)に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方
法、
【0022】(6)セルロ−ス誘導体/(セルロ−ス誘
導体+フェノ−ル樹脂)の割合が0.05〜0.95で
あることを特徴とする上記の(1)〜(5)のいずれか
一つに記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、
(7)フェノ−ル樹脂がメタノ−ルに可溶な、レゾ−ル
型またはノボラック型フェノ−ル樹脂であることを特徴
とする上記の(1)〜(6)のいずれか一つに記載の球
状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、
【0023】(8)セルロ−ス誘導体が非水系溶剤に可
溶または均質懸濁可能な、セルロ−スエ−テル又はセル
ロ−スエステルの単独又は混合物であることを特徴とす
る、上記の(1)〜(6)のいずれか一つに記載の球状
フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、(9)セルロ−スエ
−テルがエチルセルロ−スであって、エトキシル含有率
が44〜50%であることを特徴とする(8)に記載の
球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、
【0024】(10)セルロ−スエステルが酢酸セルロ
−スであって、酢化度が43〜60.8%であることを
特徴とする(8)に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の
製造方法、(11)平均粒径が20nm〜30μmの範
囲にあることを特徴とする、上記の(1)〜(10)の
いずれか一つに記載の製造方法により得られる球状フェ
ノ−ル樹脂硬化物、及び、(12)粒径分布の標準偏差
が0.5以下であることを特徴とする(11)に記載の
球状フェノ−ル樹脂硬化物を含むものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明で用いるフェノ−ル樹脂と
しては、使用するセルロ−ス誘導体と共通の溶剤に可溶
なもので、且つ熱により硬化するものが用いられる。具
体的には、フェノ−ル、ナフト−ル、ビスフェノ−ルA
等の一価のフェノ−ル性化合物、又はレゾルシン、キシ
レノ−ル等の二価のフェノ−ル性化合物、又はピロガロ
−ル、ヒドロキシヒドロキノン等の三価のフェノ−ル性
化合物、及びこれらフェノ−ル性化合物のアルキル、カ
ルボキシル、ハロゲン、アミン等の誘導体の単独又は2
種以上の混合物からなるフェノ−ル系化合物と、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒドあ
るいはベンズアルデヒド、フルフラ−ル等の芳香族アル
デヒドのアルデヒド化合物とを所定のモル比に配合し、
塩酸、硫酸、しゅう酸、燐酸等の酸性触媒下あるいは水
酸化ナトリウム、アンモニア、アミン等のアルカリ性触
媒下で反応して得られるレゾ−ル型あるはノボラック型
の公知のフェノ−ル樹脂である。
【0026】ノボラック型フェノ−ル樹脂の場合は、一
般にはヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を添加して
用いられる。また上記フェノ−ル樹脂を主成分として有
する熱硬化性樹脂を用いることも可能である。以上のフ
ェノ−ル樹脂の内、特に水以外の非水系溶剤に溶解する
するもの、もしくは40%未満の水と非水系溶剤からな
る混合溶剤に溶解するものが用いられ、特にメタノ−ル
可溶のものが好ましく用いられる。
【0027】本発明で用いるセルロ−ス誘導体として
は、セルロ−ス分子に含まれる(セルロ−スの構成単位
であるグルコ−ス残基当たり3個ある)水酸基の一部が
化学反応により置換されたもので、非水系溶剤、または
60%以上の非水系溶剤と40%未満の水からなる混合
溶剤に可溶又は均質懸濁可能なものが用いられる。具体
的には、酢酸セルロ−スなどのセルロ−スエステルや、
エチルセルロ−スなどのセルロ−スエ−テルが挙げら
れ、水酸基の置換度としては、グルコ−ス残基当りの置
換度が0〜3で、上記溶剤に可溶、又は均質懸濁するも
のが用いられる。
【0028】水酸基置換度は、一般にグルコ−ス残基当
たりの置換基の重量パ−セントで表される場合が多く、
本発明において用いられるセルロ−ス誘導体では、例え
ば酢酸セルロ−スの場合は43〜60.8重量%の酢化
度のもの、エチルセルロ−スの場合は44〜50%のエ
トキシル含有率のものが好ましく用いれ、特にフェノ−
ル樹脂と共通の溶剤に可溶、または均質懸濁するものが
好ましく用いられる。
【0029】セルロ−ス誘導体の分子量としては、前記
条件を満たすものであれば種々のものが使用可能であ
り、特に限定されないが、例えば酢酸セルロ−スの場合
は平均重合度100〜400程度のものが好ましく用い
られる。
【0030】本発明で用いる溶媒としては、フェノ−ル
樹脂を溶解させ、且つセルロ−ス誘導体を溶解または均
質懸濁させるものであれば良い。例えばメタノ−ル、エ
タノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、アミルアルコ−
ル、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、
エチレンヂクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテ−ト、
セオソルブアセテ−ト、エチルエ−テル、セロソルブ、
ブチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヂオ
キサンなどの非水系溶剤の単独または混合溶剤が挙げら
れる。
【0031】更に、本発明で用いる溶媒としては、フェ
ノ−ル樹脂を溶解させ、且つセルロ−ス誘導体を溶解ま
たは均質懸濁させるものであれば、水と上記の非水系溶
剤との混合溶剤を用いることも可能であるが、この場合
は該混合溶剤中の水の割合は40%未満、好ましくは2
0%未満が良い。40%以上では本発明の方法による粒
径が良好に制御された球状フェノ−ル樹脂硬化物を得る
ことが困難である。
【0032】本発明における球状フェノ−ル樹脂硬化物
の製造においては、以下の工程を経ることが必須であ
る。 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒を含む均質
混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させる。 フェノ−ル樹脂硬化物とセルロ−ス誘導体との複合体
からセルロ−ス誘導体を除去し、フェノ−ル樹脂硬化物
を得る。
【0033】均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル
樹脂とセルロ−ス誘導体の相分離を生じさせるとは、均
質混合液から溶媒を完全に除去した後、相分離を生じさ
せても良いし、溶媒の除去過程で両樹脂の間に相分離を
生じさせても良い。更に、溶媒除去および相分離と平行
してフェノ−ル樹脂の硬化を一部生じさせることも温度
条件等を選べば可能であるが、過度にフェノ−ル樹脂の
硬化を先行させると十分な両樹脂間の相分離が生じず、
粒径及び/又は粒径分布が十分に制御されない場合があ
る。
【0034】本発明の製造方法においては、まずフェノ
−ル樹脂とセルロ−ス誘導体とを含む均質混合液を調製
することが必要である。セルロ−ス誘導体の量は、セル
ロ−ス誘導体/(フェノ−ル樹脂+セルロ−ス誘導体)
の0.05〜0.95であることが好ましい。セルロ−
ス誘導体の量が0.05未満では粒径及び/又は粒径分
布の制御が不十分となる。また0.95以上では得られ
る球状フェノ−ル樹脂硬化物の量が少なすぎる欠点があ
る。
【0035】また均質混合液中の両樹脂の合計濃度は均
質混合液が調製できれば良く、特に限定されないが、好
ましくは5〜90重量%が用いられる。ここで5重量%
以下では溶剤量が過剰となり混合液からの球状フェノ−
ル樹脂硬化物の生成効率が悪く、また90重量%以上で
は溶剤量が少量のため均質混合液の調製が困難な場合が
多い。
【0036】本発明におけるフェノ−ル樹脂とセルロ−
ス誘導体の均質混合液としては、両樹脂が完全に溶媒に
溶解した透明溶液の他、安定した懸濁状態を保つ均質懸
濁液も含まれる。かかる均質混合液の調製方法として
は、両樹脂を別々に、同じ又は異種の溶媒に溶解または
均質懸濁させた後、混合しても良いし、両樹脂を溶媒に
同時に溶解または均質懸濁させても良い。かかる均質混
合液の調製において撹拌したり、加熱したり、溶解促進
剤を添加することなどは有効に用いられる。
【0037】本発明においては、該均質混合液から溶媒
を除去し次いで両樹脂の相分離を生じさせること、もし
くは溶媒の除去と両樹脂の相分離を同時平行的に生じさ
せることが必須である。ここで溶媒除去条件は溶媒の沸
点等によっても変わり、特に限定されないが、例えば0
〜100℃程度の温度で空気や窒素の流通下、もしくは
真空下で行うことができる。
【0038】また、両樹脂の相分離は所定の温度で一定
時間保持することで行える。相分離速度は、例えば保持
温度により変化し、一般に高温であるほど相分離は早く
進む。具体的には0〜150℃程度の温度で保持した場
合、数分以内〜10日程度で相分離が完了する。また相
分離速度は用いる両樹脂の種類、組成、溶剤種、溶媒量
や試料厚み等によっても影響される。
【0039】相分離の進行は、所定の温度での時間経過
毎の試料の断面を走差型電子顕微鏡測定により観察する
ことや、もっと容易には光透過率を測定することによっ
て観察できる。具体的には、例えば溶媒を室温でキャス
トして除去して得られた両樹脂(フェノ−ル樹脂/エチ
ルセルロ−ス=70/30重量比)の均質複合体を一定
温度(例えば50℃)で保持した場合、相分離の進行と
共に、透明性が透明(光透過率=約90%)から不透明
(光透過率=約10%)に変化することで確認できる。
ここでの光透過率はサンプル厚み100μm換算での光
透過率で示している。
【0040】相分離前後の光透過率の変化は、フェノ−
ル樹脂の粒径及び相分離度合いによって異なるが、本発
明において良好な球状フェノ−ル樹脂を与える為には、
相分離後の光透過率が相分離前の光透過率より20%以
上低下していることが好ましい。以上の様に、一般には
溶媒除去を行った後、両樹脂の相分離を行わせるが、溶
媒除去と相分離の少なくとも一部を平行して行わせた
り、更に、溶媒除去から両樹脂の相分離そしてフェノ−
ル樹脂の硬化反応までを連続して、又は同時平行的に行
なうことも、セルロ−ス誘導体との相分離により目的と
する球状フェノ−ル樹脂が得られる限り有効に用いられ
る。
【0041】但し、溶媒が多く含まれている時点で高温
での処理をする場合は、気泡が含まれたり、粒径や粒径
分布の制御が十分で無くなる場合がある。従って、より
粒径のそろった球状フェノ−ル樹脂硬化物を調製するた
めには、例えば相分離開始時の溶媒含有量が少ないこ
と、保持する温度がサンプル全体で均一であることなど
が有効である。粒径の制御には、相分離の温度や時間の
他、フェノ−ル樹脂、セルロ−ス誘導体の種類や量、溶
剤の種類や量を変えることが有効である。例えば、相分
離の温度を高くすると得られるフェノ−ル樹脂硬化物の
粒径は大きくなり、セルロ−ス誘導体/(セルロ−ス誘
導体+フェノ−ル樹脂)の割合を大きくすると得られる
フェノ−ル樹脂硬化物の粒径は小さくなる。
【0042】一方、フェノ−ル樹脂のみでセルロ−ス誘
導体を含まない場合は、なんら目的とする球状フェノ−
ル樹脂硬化物は得られない。また、例え、両樹脂を所定
量含んだ均質混合液(例えば両樹脂の合計濃度が30重
量%の均質溶液)を調製した場合でも溶剤を除去しない
で、密閉系でそのまま保持した場合はなんら相分離等の
変化は生じず、更に該均質混合液に水を添加していきフ
ェノ−ル樹脂を析出させた場合も、本発明におけるよう
な球状フェノ−ル樹脂硬化物は得られない。
【0043】本発明においてフェノ−ル樹脂の硬化反応
は、通常、加熱により行われ、具体的には100〜50
0℃の温度で大気中、又は不活性ガス雰囲気中で保持す
ることで行われる。 硬化させたフェノ−ル樹脂からの
セルロ−ス誘導体の除去は、例えばセルロ−ス誘導体の
みが可溶な溶剤(抽出剤)で抽出、除去することが出来
る。セルロ−ス誘導体のみが可溶な抽出剤としては、熱
硬化後のフェノ−ル樹脂硬化物を溶かさないセルロ−ス
誘導体の溶媒を用いることが好ましい。
【0044】セルロ−ス誘導体の抽出剤による除去を、
加熱や撹拌下で行うことは効果的である。セルロ−ス誘
導体がフェノ−ル樹脂硬化物から抽出剤により除かれた
後、必要に応じてろ過、遠心分離、洗浄等を用い、最後
に抽出剤が残った場合は乾燥等により除去することによ
り、目的とする球状フェノ−ル樹脂硬化物を得ることが
出来る。また、セルロ−ス誘導体の除去は、セルロ−ス
のみが熱分解する条件下での加熱によりセルロ−スを除
去しても良い。
【0045】例えば、エチルセルロ−ス(エトキシル基
含有率=約49%)の場合、空気中または窒素雰囲気中
で200〜500℃、より好ましくは300〜400℃
の温度で加熱することにより、エチルセルロ−スを除去
し、フェノ−ル樹脂硬化物を単離することができる。本
発明によれば、平均粒径が20nm〜100μm、好ま
しくは20nm〜30μm、更に好ましくは20nm〜
10μmの範囲に平均粒径を有する球状のフェノ−ル樹
脂硬化物が良好に調製できる。
【0046】また本発明の球状のフェノ−ル樹脂硬化物
は、粒径分布の標準偏差が0.5以下、好ましくは0.
3以下、更に好ましくは0.2以下と極めて良く制御さ
れたものを含む。このように形状が高度に制御された球
状フェノ−ル樹脂硬化物は、成形加工材料、建築・土木
材料、電子材料、電気部品材料、画像形成材料、塗工材
料、バイオテクノロジ−材料、医療材料など広い分野に
おいて有用である。
【0047】
【実施例】次いで本発明を実施例によって更に説明す
る。尚、例中の%は特に断りの無い限り重量基準であ
る。
【0048】(実施例1)エチルセルロ−ス(ハ−キュ
レス社製エチルセルロ−ス、N−200:エトキシル基
含有率48〜49.5%)30gをアセトン300gに
室温で撹拌して、半透明、乳白濁の均質液を得た。フェ
ノ−ル樹脂溶液(大日本インキ化学工業株式会社製レゾ
−ル型フェノ−ル樹脂溶液、プライオ−フェンJ−32
5:メタノ−ル溶媒、固形分=58%)120g(樹脂
分70g)を上記均質液に室温で撹拌しながら混合し、
黄色味を帯びたやや乳白濁の均質混合液を得た。
【0049】該均質混合液中のエチルセルロ−スとフェ
ノ−ル樹脂の合計の濃度は22.2%であり、エチルセ
ルロ−ス/(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の比
は0.3であった。該均質混合液をアルミ容器中に最終
樹脂厚みが3mmとなるように注ぎ、乾燥空気流通下、
20℃で16時間保持し溶剤をキャストした。
【0050】16時間後のフェノ−ル樹脂/エチルセル
ロ−ス混合物は均質透明な複合体であった。次いで該フ
ェノ−ル樹脂/エチルセルロ−ス均質複合体を40℃の
乾燥器に入れ、24時間の加熱処理を行った。この40
℃での加熱処理過程において加熱開始後1時間以内で樹
脂複合体は、均質だが不透明となっているのが観測され
た。
【0051】尚、100μm厚みに換算したサンプルで
の光透過率は相分離前が91%であり、40℃で24時
間保持した相分離後が6%であった。なお光透過率は日
本電色工業株式会社製製濁度計NDH−300Aにより
測定した。不透明になったのはこの間にフェノ−ル樹脂
とエチルセルロ−スのミクロな相分離が進行したことに
よるものであった。
【0052】得られた均質、不透明な樹脂複合体を15
0℃で2時間加熱し、フェノ−ル樹脂の熱硬化反応を促
進させた。得られた樹脂混合物を軽く粉砕後、アセトン
中にエチルセルロ−スが抽出されなくなるまで、アセト
ンを用いてエチルセルロ−スを抽出、除去した。その
後、ろ過、乾燥によりフェノ−ル樹脂硬化物を得た。得
られたフェノ−ル樹脂硬化物の試料を走差型電子顕微鏡
用試料台の上でPtを用いて3nmの厚みに表面コ−ト
し、走差型電子顕微鏡を用いて形態観察を行った。その
結果、該フェノ−ル樹脂硬化物は平均粒径1.5μm、
標準偏差0.22の粒径の揃った球状粒子であることが
確認された。
【0053】(実施例2)40℃で24時間の加熱処理
をする代わりに、25℃で96時間保持した以外は実施
例1と同様にしてフェノ−ル樹脂硬化物を調製した。2
5℃で96時間保持後の樹脂複合体は実施例1と同様な
均質・不透明な複合体となっていた。得られたフェノ−
ル樹脂硬化物の走差型電子顕微鏡写真を図1に示す。該
フェノ−ル樹脂硬化物は平均粒径0.9μm、標準偏差
0.12の球状フェノ−ル樹脂硬化物であった。
【0054】(実施例3)エチルセルロ−スの種類が異
なることと、25℃で96時間保持する代わりに50℃
で3時間保持すること以外は実施例2と同様にしてフェ
ノ−ル樹脂硬化物を調製した。用いたエチルセルロ−ス
はハ−キュレス社製エチルセルロ−ス、N−7(エトキ
シル基含有率48〜49.5%)で、得られたフェノ−
ル樹脂硬化物は平均粒径2.0μmの球状フェノ−ル樹
脂硬化物であった。
【0055】(実施例4)エチルセルロ−スの代わりに
酢酸セルロ−スを、またその溶媒としてアセトンの代わ
りにアセトンと水の混合溶媒(アセトン/水=9/1)
を用いること以外は実施例2と同様にしてフェノ−ル樹
脂硬化物を調製した。酢酸セルロ−スはダイセル化学工
業株式会社製酢酸セルロ−ス、LL−10(酢化度=4
3〜45%、平均重合度=100〜120)を用いた。
なお上記酢酸セルロ−スを混合溶媒に溶かしたものは均
質な薄い乳白濁をした液であり、フェノ−ル樹脂を含む
混合液は均質なやや濃い乳白濁を呈した。また、溶剤を
20℃で16時間キャスト後の樹脂複合体は均質透明で
あり、96時間保持後は均質不透明となった。得られた
フェノ−ル樹脂硬化物は平均粒径5μm、標準偏差0.
17の球状フェノ−ル樹脂硬化物であった。
【0056】(実施例5)酢酸セルロ−スの種類及びそ
の溶媒の種類が異なること以外は実施例4と同様にして
フェノ−ル樹脂硬化物を調製した。用いた酢酸セルロ−
スはダイセル化学工業株式会社製酢酸セルロ−ス、LT
−105(酢化度=60.8%、平均重合度=360)
を、溶媒としてはメチレンクロライドとメタノ−ルとの
混合溶媒(メチレンクロライド/メタノ−ル=9/1)
を用いた。得られたフェノ−ル樹脂硬化物は平均粒径3
2μmの球状フェノ−ル樹脂硬化物であった。
【0057】(実施例6)実施例1と同じ方法で、相分
離により不透明となった、フェノ−ル樹脂/エチルセル
ロ−ス均質複合体を得た。該複合体を150℃で2時間
加熱後、0.5%の酸素を含む窒素中350℃で1時間
加熱することにより、エチルセルロ−スが除去された平
均粒径1.5μmの球状フェノ−ル樹脂硬化物を得た。
【0058】(実施例7、8)エチルセルロ−ス/(エ
チルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の割合が0.5(実
施例7)及び0.7(実施例8)であることを除くと実
施例2と同様にしてフェノ−ル樹脂硬化物を調製した。
得られたフェノ−ル樹脂硬化物は平均粒径250nm
(実施例7)及び28nm(実施例8)の球状フェノ−
ル樹脂硬化物であった。
【0059】(実施例9)エチルセルロ−ス(ハ−キュ
レス社製エチルセルロ−ス、N−200:エトキシル基
含有率48〜49.5%)30gをアセトン270gに
室温で撹拌して、半透明、乳白濁の均質液を得た。フェ
ノ−ル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製ノボラッ
ク型フェノ−ル樹脂、プライオ−フェン5510(ヘキ
サメチレンテトラミン硬化剤含有物)70gをメタノ−
ル70gに溶解した溶液を上記均質液に室温で撹拌しな
がら混合し黄色味を帯びたやや乳白濁の均質混合液を得
た。
【0060】該均質混合液中のエチルセルロ−スとフェ
ノ−ル樹脂の合計の濃度は22.7%であり、エチルセ
ルロ−ス/(エチルセルロ−ス+フェノ−ル樹脂)の比
は0.3であった。該均質混合液をアルミ容器中に最終
樹脂厚みが3mmとなるように注ぎ、乾燥空気流通下、
20℃で30時間保持し、次いで80℃の乾燥器に入
れ、10時間の加熱処理を行った。
【0061】得られた均質、不透明な樹脂複合体を15
0℃で2時間加熱し、フェノ−ル樹脂の熱硬化反応を促
進させた。得られた樹脂混合物を軽く粉砕後、アセトン
中にエチルセルロ−スが抽出されなくなるまで、アセト
ンを用いてエチルセルロ−スを抽出、除去した。その
後、ろ過、乾燥によりフェノ−ル樹脂硬化物を得た。得
られたフェノ−ル樹脂硬化物は平均粒径750nm、標
準偏差0.16の球状フェノ−ル樹脂硬化物であった。
【0062】(比較例1)エチルセルロ−スを用いない
他は、実施例1と同様にしてフェノ−ル樹脂硬化物を調
製した。得られたフェノ−ル樹脂硬化物は全体が一体と
なった均質な成形物として得られ、何ら球状粒子の形態
は得られなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明は、ナノメ−タ−からミクロンオ
−ダ−、具体的には20nm〜30μmの平均粒径を有
する球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法、及び該製造
方法により得られる、形状が真球状に近く粒径が揃って
いて狭い粒径分布を有する、制御された粒径や粒径分布
を有する球状フェノ−ル樹脂硬化物を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例2で得られた球状フェノ−ル
樹脂硬化物の走差型電子顕微鏡写真である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程からなる球状フェノ−ル樹脂
    硬化物の製造方法。 フェノ−ル樹脂とセルロ−ス誘導体と溶媒とを含む均
    質混合液を調製する。 該均質混合液から溶媒を除去し、フェノ−ル樹脂とセ
    ルロ−ス誘導体の相分離を生じさせる。 フェノ−ル樹脂を硬化させる。 フェノ−ル樹脂硬化物とセルロ−ス誘導体との複合体
    からセルロ−ス誘導体を除去し、フェノ−ル樹脂硬化物
    を得る。
  2. 【請求項2】 溶媒が非水系溶剤であることを特徴とす
    る請求項1に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 溶媒が60%以上の非水系溶剤と40%
    未満の水から成る混合溶剤であることを特徴とする請求
    項1に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 セルロ−ス誘導体の除去を、セルロ−ス
    誘導体を溶解し、且つフェノ−ル樹脂硬化物を溶解しな
    い溶剤を用いた抽出操作により行うことを特徴とする請
    求項1に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 セルロ−ス誘導体の除去を、200〜5
    00℃の範囲の温度で加熱することにより行うことを特
    徴とする請求項1に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 セルロ−ス誘導体/(セルロ−ス誘導体
    +フェノ−ル樹脂)の割合が0.05〜0.95である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の
    球状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法。
  7. 【請求項7】 フェノ−ル樹脂がメタノ−ルに可溶な、
    レゾ−ル型またはノボラック型フェノ−ル樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の球
    状フェノ−ル樹脂硬化物の製造方法。
  8. 【請求項8】 セルロ−ス誘導体が非水系溶剤に可溶ま
    たは均質懸濁可能な、セルロ−スエ−テル又はセルロ−
    スエステルの単独又は混合物であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか一つに記載の球状フェノ−ル樹脂
    硬化物の製造方法。
  9. 【請求項9】 セルロ−スエ−テルがエチルセルロ−ス
    であって、エトキシル含有率が44〜50%であること
    を特徴とする請求項8に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化
    物の製造方法。
  10. 【請求項10】 セルロ−スエステルが酢酸セルロ−ス
    であって、酢化度が43〜60.8%であることを特徴
    とする請求項8に記載の球状フェノ−ル樹脂硬化物の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 平均粒径が20nm〜30μmの範囲
    にあることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一
    つに記載の製造方法により得られる球状フェノ−ル樹脂
    硬化物。
  12. 【請求項12】 粒径分布の標準偏差が0.5以下であ
    ることを特徴とする請求項11記載の球状フェノ−ル樹
    脂硬化物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008047700A1 (en) 2006-10-20 2008-04-24 Air Water Inc. Non-thermofusible granular phenol resin, method for producing the same, thermosetting resin composition, sealing material for semiconductor, and adhesive for semiconductor
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