JP2014189611A - 硬化レゾルシノール樹脂粒子及びその製造方法並びにそれを用いて得られた炭素粒子及び活性炭粒子 - Google Patents

硬化レゾルシノール樹脂粒子及びその製造方法並びにそれを用いて得られた炭素粒子及び活性炭粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】保護コロイドを用いることなく、硬化レゾルシノール樹脂粒子を得るための反応時間が5時間以下で、微細な硬化レゾルシノール樹脂粒子を工業的に有利に製造する技術を提供すること、及びそれによって得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子並びにそのような樹脂粒子を用いて得られる炭素粒子及び活性炭粒子を提供する。
【解決手段】レゾルシノールと、ホルムアルデヒドを少なくとも含むアルデヒド類とを、炭素数が8以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸からなる有機酸触媒を用いて、保護コロイドの存在しない水性媒体中において、反応せしめて、平均粒子径が2μm以下である硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、平均粒子径が2μm以下の微細な硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造する方法及びそれにより得られるレゾルシノール樹脂粒子、並びに、それを用いて得られる炭素粒子及び活性炭粒子に関するものである。
従来から、硬化レゾルシノール樹脂粒子は、その性質を利用して、研磨剤やフィラー等として用いられ、また吸着剤、脱臭剤、脱色剤、水処理剤、キャニスタ、電極、電池材料、キャパシタ、溶剤回収材、分子ふるい、触媒担持体等の炭素材料前駆体や活性炭材料前駆体として、使用されている。その中でも、電極、電池材料、キャパシタの材料として用いるには、平均粒子径が数μm以下の粒子の開発が望まれており、各種の研究がなされている(特許文献1〜4)。
しかしながら、それら公知の製造手法では、無触媒若しくはアルカリ触媒を用いて反応させているために、硬化粒子を得るための反応に数十時間も要するという問題があり、工業的ではないという問題があった。そして、反応を短時間で進行させるためには、マイクロ波を照射させなければならないという問題があり、そのために、特別な装置を使用しなければならないという問題もあった。
さらに、特許文献4においては、アルカリ触媒を用いても、反応系のpHは5〜7として、中性から弱酸性下での反応を行なっているが、中性からpH5程度の弱酸性下での反応には、数十時間を必要とし、そこには時間短縮の効果はなく、仮に短時間で生成しようとすると、ゲル化してしまうという問題があった。
一方、本願出願人は、先に、特許文献5において、炭素数が10以上のアルキルベンゼンスルホン酸と保護コロイドの存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて、硬化フェノール樹脂粒子を製造する方法を、明らかにした。しかしながら、この方法は、硬化フェノール樹脂粒子を製造するためのものであって、保護コロイドを必須とするものであるため、その得られた硬化粒子から完全に保護コロイドを除去する工程が必要とされ、そのために洗浄に手間や時間がかかるという問題を内在している。
特開2002−105439号公報 特開2007−39263号公報 特開2007−39506号公報 特開2002−226534号公報 特開平3−7714号公報
ここにおいて、本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであって、その解決課題とするところは、微細な硬化レゾルシノール樹脂粒子の工業的に有利な製造方法及びそれによって得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子並びにそのような樹脂粒子を用いて得られる炭素粒子及び活性炭粒子を提供することにあり、また保護コロイドを用いることなく、硬化レゾルシノール樹脂粒子を得るための反応時間を5時間以下として、硬化レゾルシノール樹脂粒子を有利に製造する技術を提供することにある。
そして、本発明者らは、かくの如き課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、フェノール類の中でも、レゾルシノールを用い、それとアルデヒド類とを、炭素数が8以上のアルキルベンゼンスルホン酸触媒の存在下において、反応させることにより、平均粒子径が0.01μm乃至2μm程度の微細な硬化レゾルシノール樹脂粒子を、保護コロイドを用いることなく、短時間で有利に製造することが出来ることを見出し、そしてその知見をもとにして更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、平均粒子径が2μm以下である硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造する方法であって、レゾルシノールと、少なくともホルムアルデヒドを含むアルデヒド類とを、炭素数が8以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸からなる有機酸触媒を用いて、保護コロイドの存在しない水性媒体中において、反応せしめることを特徴とする硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法を、その要旨とするものである。
なお、このような本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記レゾルシノールと前記アルデヒド類との反応は、静置状態下において進行せしめられ、また、そのようなアルデヒド類とレゾルシノールとの反応モル比(アルデヒド類/レゾルシノール)は、1〜7であることが好ましい。
また、本発明にあっては、反応系のpHを2〜4に調整して、反応せしめることが好ましく、更に、前記有機酸触媒は、レゾルシノールの100質量部に対して0.1〜4.0質量部の割合において、用いられることが望ましい。
そして、本発明にあっては、上述の如き製造方法に従って形成されてなる硬化レゾルシノール樹脂粒子をも、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子においては、有利には、その平均粒子径が、0.1μm以下であることを特徴としており、また真球度が0.5以上の球状であることを特徴としている。
さらに、本発明にあっては、上述の如き硬化レゾルシノール樹脂粒子を焼成することにより得られる炭素粒子、及びそのような本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子を焼成し、そして賦活することにより得られる活性炭粒子をも、その対象としている。
かかる本発明によれば、平均粒子径が2μm以下の硬化レゾルシノール樹脂粒子を、保護コロイドを用いることなく、短時間で、容易に且つ有利に製造することが出来るのである。また、そのようにして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子からは、その焼成、更なる賦活処理によって、有用な炭素粒子や活性炭粒子が有利に得られることとなる。
実施例1において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(100000倍)である。 実施例5において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(25000倍)である。 実施例9において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(25000倍)である。 実施例12において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(20000倍)である。 実施例15において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(15000倍)である。 実施例17において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(10000倍)であって、良好な粒子として得られた部分を示している。 実施例17において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(10000倍)であって、粒子同士の付着によって塊状となった部分を示している。 比較例1において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(1500倍)である。 比較例4において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(1500倍)である。 比較例9において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真(1500倍)である。
ところで、本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法は、レゾルシノールとアルデヒド類とを、保護コロイドを含有しない水性媒体中において、炭素数が8以上のアルキルベンゼンスルホン酸触媒を用いて反応させて、硬化レゾルシノール樹脂粒子を得る工程を有し、そしてそのような工程において得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子は、その後、濾過洗浄せしめられることによって、取り出されることとなるのである。
また、そのような本発明において対象とされる硬化レゾルシノール樹脂粒子は、平均粒子径が2μm以下であるものである。本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子は、主として、乾電池、鉛畜電池、リチウムイオン二次電池等の各種の二次電池の電極材料や、電気二重層キャパシタ等の電極の材料として、また液晶用スペーサや導電性微粒子を被覆する絶縁粒子として、好適に用いられるものであるところ、そこでは、微小粒子径であることが望まれており、その平均粒子径は、2μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.1μm以下であることが望ましい。なお、生成可能な粒子径の範囲としては、平均粒子径が0.01μmから2μmまでのものが考えられる。この粒子径の範囲内であれば、充電性や放電性に優れた電極を形成することが可能となるのであり、一方、粒子径が2μmを超えるようになると、高出力のデバイスを作ることが困難となるだけでなく、容量の低下にもつながるため、好ましくないのである。
そして、本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子を得るためのレゾルシノールとアルデヒド類との反応は、有利には、反応液を静置した(攪拌しない)状態下において、進行せしめられることが、望ましい。その理由としては、レゾルシノールとアルデヒド類は、反応性が高く、粒子生成後、短時間で硬化するという特徴を有するためである。レゾルシノールとアルデヒド類との反応で生成した硬化前の粒子は、重力の影響を受け、沈降しようとするが、その反応性の高さから、沈降前に硬化してしまうため、攪拌は不必要となるのである。逆に、攪拌を行なうと、硬化前の粒子同士の衝突確率が高くなってしまい、粒子が集まって塊状になったものを、生成し易くなる傾向がある。これに対して、フェノールは、レゾルシノールと比較して、アルデヒド類との反応性が低いために、フェノールとアルデヒド類との反応では、粒子生成後、硬化まで長時間を要する。そのため、ブラウン運動により互いに衝突した粒子は合一成長することで、より重力の影響を受け、沈降し、塊状化してしまう恐れを生じる。これを防ぐため、フェノールの反応では、攪拌を行なう必要がある。このように、レゾルシノール樹脂粒子の生成の場合では、フェノールの樹脂粒子の場合と同様の条件では、形成出来ず、静置して生成せしめることが望ましい。しかも、そのようなレゾルシノール樹脂粒子の生成の際に、保護コロイドを添加すると、粒子が形成し難くなったり、粒子径が大きくなったりするため、保護コロイドの添加は避ける必要があるのである。
なお、本発明において、反応媒体としての水性媒体を形成するのに用いられる水の量としては、仕込みレゾルシノールに対して5質量倍から30質量倍の割合を挙げることが出来る。水の使用量が5質量倍よりも少なくなると、塊状化し易くなる問題が生じ、また30質量倍よりも多くなると、収量が少なくなり、経済的ではなくなる。
また、アルデヒド類とレゾルシノールとの配合比(アルデヒド類/レゾルシノール)については、特に限定されるものではないが、好ましくは、モル基準で、1〜7、より好ましくは5未満で、更に好ましくは3未満である。かかる配合比が7を超えると、未反応のアルデヒド類が増加して、生産効率が低下する恐れがある。
さらに、レゾルシノールと反応せしめられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドを少なくとも含むアルデヒド類を用いる必要がある。そこで、必須成分たるホルムアルデヒドとしては、水溶液の形態であるホルマリン、パラホルムアルデヒド等を用いることが出来る。かかるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドを単体で用いても良く、またホルムアルデヒドを必須成分として、これに、トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒドや、これら以外の公知のアルデヒド化合物等を1種以上組み合わせて、用いることも、可能である。
そして、上記したレゾルシノールと、ホルムアルデヒドを少なくとも含むアルデヒド類とを反応せしめる有機酸触媒としては、炭素数が8以上のアルキルベンゼンスルホン酸、好ましくは炭素数が10以上、24以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸が有利に用いられることとなる。具体的には、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸等が、単独で又は組み合わせて、用いられることとなるが、それらの中でも、経済性や入手容易性、触媒機能等の観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸が、特に有利に用いられる。
かくの如き有機酸触媒は、レゾルシノールの100質量部に対して0.1〜4.0質量部の割合において用いられることが望ましく、好ましくは1.0〜4.0質量部、更に好ましくは2.6〜4.0質量部の割合において用いられることが、より望ましい。なお、4.0質量部より多い使用量となると、反応によって寒天状のゲルが出来易くなる問題があり、また0.1質量部より少ないと、粒子径が大きくなって、2μmを超える大きさの粒子になり易くなるという問題がある。
また、本発明においては、反応時のpHが2〜4の範囲内となるようにして、反応させることが望ましく、より望ましくはpHが2〜3.8、更に望ましくはpHが2〜3の範囲で反応させることが好適である。なお、pHが2より小さくなると、寒天状のゲルが出来易くなり、またpHが4を超え5以下の範囲では、2μm超えの粒子が形成され易い問題がある。更に、pHが6から中性となる場合にも、寒天状のゲルが出来易くなるという問題がある。所定の有機酸触媒を用いて、酸性の状態下で、反応させることで、硬化レゾルシノール樹脂粒子を短時間で形成することが出来る。特に、そのような有機酸触媒として、炭素数が8以上のアルキルベンゼンスルホン酸を用いることにより、平均粒子径が2μm以下の良好な硬化レゾルシノール樹脂粒子を有利に得ることが出来るのである。
さらに、本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子は、球状であることが望ましく、真球状に近い程、望ましいと言うことが出来る。具体的には、真球度が0.5以上であることが望ましく、中でも0.7以上であることがより望ましく、更に0.9以上であることが、特に望ましい。粒子形状が真球状に近い程、即ち真球度が1.0により近い程、空間充填性が良くなり、幅広い用途への利用が可能となるからである。なお、本明細書中における真球度とは、走査型電子顕微鏡観察において単粒子のものを無作為に10個選択し、その投影形状のアスペクト比(短径/長径の比)の平均値を意味するものである。
なお、レゾルシノールと、ホルムアルデヒドを含むアルデヒド類との反応に際しての反応温度としては、反応効率の観点から、一般に50℃以上の温度が採用されるが、好ましくは65℃以上であり、より好ましくは80℃以上、100℃以下である。また、反応時間は、反応温度、反応系の水分量、反応生成物の縮合状況等を考慮しながら決定されることとなるが、本発明においては、5時間以内で反応が完結するようにされる。5時間よりも長く反応を続けると、系内で粒子同士の融着・合一化が進行して、粒子径が拡大してしまう恐れがあり、更に反応が長時間になると、寒天状のゲルとなってしまうので、微細な粒子を得るためには、5時間以内が望ましく、具体的には1〜5時間、更には1〜4時間が、より好ましい。
そして、上述の如き反応工程で得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子は、濾過、洗浄された後、乾燥が施されて、目的とする硬化レゾルシノール樹脂粒子として取り出されることとなるのである。
また、このようにして取り出された本発明に従う硬化レゾルシノール樹脂粒子は、そのまま従来と同様な用途に用いられる他、公知の各種の手法に従って焼成されることにより、微細な炭素粒子、特に球状炭素粒子を有利に与えることとなる。例えば、そのような樹脂粒子を、ロータリー式外熱炉等を用いて、窒素雰囲気下において、400〜850℃で炭素化することにより、目的とする微細な炭素粒子が製造され得るのである。
加えて、そのような炭素粒子には、適当な賦活処理が施されることによって、目的とする活性炭粒子が形成されることとなる。なお、この炭素粒子の賦活は、公知の手法に従って実施することが出来、例えば、ガス賦活や薬品賦活の何れかを採用して、500〜1000℃の温度で賦活処理を実施することにより、目的とする活性炭粒子が形成され得るのである。また、この賦活工程は、上記した炭素化工程に引き続いて、連続して行なうことが出来る他、別個の工程として独立して実施することも可能である。
以下、本発明を幾つかの実施例により更に詳細に説明することとするが、本発明は、それらの実施例によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。なお、それら得られた硬化球状レゾルシノール樹脂粒子の性能は、以下に示す方法に従って評価されたものである。
(1)体積平均粒子径
日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布測定装置MT3200IIを用いて、粒度分布から、積算値50%の粒子径を平均粒子径(D50)として、測定する。
(2)走査型電子顕微鏡写真
株式会社日立製作所製の日立走査電子顕微鏡S−236ON形を用いて、1500倍乃至100000倍の倍率において撮影する。
(実施例1)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液(DBS)の45質量部を仕込んで、内容物(反応液)を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1時間、反応させた。そして、その反応の後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なって、目的とする硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の100000倍の走査型電子顕微鏡写真を、図1に示す。また、反応時のpH、反応温度、反応時間と、硬化レゾルシノール樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
なお、上述したレゾルシノールとホルムアルデヒド(ホルマリン)との90℃での1時間の反応の後、更に引き続き、その反応を進行せしめたところ、反応開始から5時間が過ぎるようになると、粒子同士の融着・合一が進行して、粒子径が増大するようになることを認めた。このことから、反応時間としては、5時間以内に止めることが望ましいものと考えられた。
(実施例2)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの210質量部、40%グリオキサールの60質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例3)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の38質量部を仕込んで、内容物を均一に攪拌混合した後、静置した状態下で、80℃まで昇温して、1時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例4)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの330質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の30質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合せしめた後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例5)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの140質量部、40%グリオキサールの120質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の30質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合せしめた後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の25000倍の走査型電子顕微鏡写真を、図2に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、その得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例6)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の23質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合せしめた後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例7)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの208質量部、プロピオンアルデヒドの46質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例8)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの165質量部、水の1500質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の30質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例9)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの110質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の25000倍の走査型電子顕微鏡写真を、図3に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表1に示す。
(実施例10)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの110質量部、水の1500質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の30質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合せしめた後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例11)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下において、70℃で2.5時間反応させ、更にその後90℃まで昇温して、1時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例12)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの330質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の20000倍の走査型電子顕微鏡写真を、図4に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例13)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の6質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例14)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の4質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、3時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例15)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の7.5質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の15000倍の走査型電子顕微鏡写真を、図5に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例16)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の1500質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の3質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、3時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
(実施例17)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部を仕込んだ後、内容物を攪拌混合しながら、70℃で2.5時間反応させ、更にその後90℃まで昇温し、1時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表2に示す。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の10000倍の走査型電子顕微鏡写真を、それぞれ図6及び図7に示す。硬化レゾルシノール樹脂粒子は、図6に示されるように、そのほとんどは良好な粒子として得られているが、図7に示されるように、その一部が粒子同士の付着により塊状となっていることが認められる。この塊状となっているのは、全体の3〜20%程度である。
(比較例1)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%パラトルエンスルホン酸水溶液(PTS)の15質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の1500倍の走査型電子顕微鏡写真を、図8に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例2)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%パラトルエンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造したが、その得られた粒子は、単体にならずに、相互に付着乃至は固着した形態となり、平均粒子径の測定時に超音波を照射しても、個々の粒子に分離することはなかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例3)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%シュウ酸水溶液の20質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、1時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造したが、その得られた粒子は、単体にならずに、付着した形態であり、平均粒子径の測定時に超音波を照射しても、個々の粒子に分離することはなかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例4)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び安息香酸の1.5質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、4時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の1500倍の走査型電子顕微鏡写真を、図9に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例5)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及びデカン酸の2質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、4時間反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことによって、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例6)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%炭酸ナトリウム水溶液の15質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂を製造したが、そこで得られたのは、寒天状のゲルであって、粒子は形成することが出来なかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例7)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの300質量部、水の1500質量部、及び10%炭酸ナトリウム水溶液の0.15質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、80℃まで昇温して、72時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例8)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、プロピオンアルデヒドの200質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、3.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例9)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、フルフラールの195質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、4時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。
かくして得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の1500倍の走査型電子顕微鏡写真を、図10に示す。また、反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表3に示す。
(比較例10)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、40%グリオキサールの250質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、5時間、反応させたが、反応は進行しなかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例11)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、フェノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んだ後、内容物を攪拌混合しながら、90℃まで昇温して、5時間、反応させたが、反応は進行しなかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例12)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、フェノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の2250質量部、及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、5時間、反応させたが、反応は進行しなかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例13)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、フェノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の450質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部、及び10%アラビアガムの45質量部を仕込んだ後、内容物を攪拌混合しながら、90℃まで昇温して、4時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化フェノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例14)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、フェノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の450質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の45質量部、及び10%アラビアガムの45質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、4時間、反応させたが、粒子同士が合一し、塊状化したものが得られた。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例15)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の1500質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部、及び保護コロイドとして10%アラビアガムの75質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合せしめた後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、3.5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造したが、その得られた粒子は、単体にならずに、相互に付着乃至は固着した形態となり、平均粒子径の測定時に超音波を照射しても、個々の粒子に分離することはなかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例16)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の1500質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部、及び保護コロイドとして10%カルボキシメチルセルロースの75質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、2時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂を製造したが、そこで得られたのは、寒天状のゲルであって、粒子は形成することが出来なかった。かかる反応時のpH、温度、反応時間を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
(比較例17)
温度計、攪拌装置、及び還流冷却器を備えた反応容器内に、レゾルシノールの150質量部、37%ホルマリンの280質量部、水の1500質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の15質量部、及び保護コロイドとして2%部分加水分解ポリビニルアルコールの380質量部を仕込んで、内容物を攪拌混合した後、静置した状態下で、90℃まで昇温して、5時間、反応させた。反応後、反応容器内を室温まで冷却して、濾過した後、洗浄を行なうことにより、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造した。かかる反応時のpH、温度、反応時間と、得られた樹脂粒子の粒径を、反応液組成と共に、下記表4に示す。
かかる表1乃至表4に示される、粒子径の測定出来た硬化レゾルシノール樹脂粒子が、何れも、球状の粒子として得られていることは、図1〜図10の走査型電子顕微鏡写真から明らかなところである。また、実施例1〜17の結果より、炭素数が8以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸であるドデシルベンゼンスルホン酸を用いることで、保護コロイドや特別な装置を用いることなく、短時間で、硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造することが出来ることが認められる。一方、比較例1〜2の如く、炭素数が8未満のパラトルエンスルホン酸や、比較例3〜5の如く、他の酸触媒が用いられると、粒子が大きくなり、2μm以下の粒子径を得ることは出来ず、また粒子がバラけることなく付着乃至固着状態のものや、粒子を形成することが出来ないものもあった。
また、アルカリ触媒を用いた比較例6や比較例7では、短い反応時間で、樹脂粒子を形成しようとすると、ゲル化して、目的とする粒子を形成することが出来ず、一方、反応時間を長くして粒子を形成させようとすると、反応時間は72時間と、長時間がかかってしまうこととなる。
さらに、アルデヒド類として、ホルマリン単体や、実施例2、5、7の如く、ホルムアルデヒドと他のアルデヒド類の混合物を用いた場合では、粒子の小さい硬化レゾルシノール樹脂粒子を得ることが出来るのに対し、比較例8〜10のように、ホルムアルデヒドとは異なるアルデヒド類を単独で用いた場合では、粒子径が大きくなったり、反応させたりすることが出来ないことが明らかである。
一方、フェノールを用いて、ホルムアルデヒドとの反応により樹脂粒子を形成しようとした場合、比較例11及び比較例12のように、保護コロイドの存在しない系では、反応は進行せず、樹脂粒子を形成することが出来ないのである。また、保護コロイドであるアラビアガムを用いた比較例13では、粒子を形成することは出来るが、粒子径を2μm以下まで小さくすることが出来ないことが示されている。更に、フェノールを用いた場合において、比較例13のように反応時に攪拌すると、粒子を形成出来るが、比較例14のように反応時に静置させると、ゲル化して、粒子を形成することは出来ないのである。
また、比較例15〜17に示される如く、保護コロイドを添加して、レゾルシノール樹脂粒子を製造しようとした場合、比較例15では、粒子が付着状態となったり、比較例16では、粒子が形成され得なかったりしている。更に、比較例17の如く、粒子が形成出来た場合でも、粒径が大きくなって、2μm以下の範囲のものが得られていない。なお、実施例11が、保護コロイドを添加せずに樹脂粒子を生成させた場合に該当するが、このときの粒子径が0.625μmであるため、保護コロイドの添加は、粒子径を大きくすることがわかる。このため、硬化レゾルシノール樹脂粒子の生成においては、保護コロイドを添加しないことが望ましいと言うことが出来る。
さらに、図1〜図5に示される実施例においては、粒子径が2μm以下で、粒子径のばらつきの少ない硬化レゾルシノール樹脂粒子が得られていることが分かる。一方、図8〜図10に示される比較例では、粒子が大きく、粒子径のばらつきも顕著であることが認められる。なお、図1〜図5の写真では、粒子同士が付着しているように見えるが、実際の粒子は、単粒子の状態であり、超音波を当てることでバラけて、粒子同士の付着のない単粒子の状態の樹脂粒子が得られていることが確認されている。
加えて、実施例17に係る図6、図7の写真に示される如く、反応液を攪拌して反応を進行せしめた場合においては、反応液を静置して反応を進行せしめた場合とほぼ同等の平均粒子径の粒子を製造することが出来るものの、生成した樹脂粒子の中の一部に、それら粒子の付着が生じて、塊状となったものを生成してしまうことが認められる。このことから、反応は、反応液を静置して、進行せしめることが望ましい、と言うことが出来るのである。
次いで、実施例5、実施例9、実施例12、及び実施例15で得られたそれぞれの硬化レゾルシノール樹脂粒子について、その真球度を、それぞれ測定した。その結果を、下記表5に示す。
かかる表5の結果より明らかな如く、本発明に従って得られた硬化レゾルシノール樹脂粒子の真球度は、何れも、0.9以上の球状のものであることが分かる。

Claims (10)

  1. 平均粒子径が2μm以下である硬化レゾルシノール樹脂粒子を製造する方法であって、レゾルシノールと、少なくともホルムアルデヒドを含むアルデヒド類とを、炭素数が8以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸からなる有機酸触媒を用いて、保護コロイドの存在しない水性媒体中において、反応せしめることを特徴とする硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記レゾルシノールと前記アルデヒド類との反応を、静置状態下において進行せしめることを特徴とする請求項1に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記アルデヒド類と前記レゾルシノールとの反応モル比(アルデヒド類/レゾルシノール)が、1〜7であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法。
  4. 反応系のpHを2〜4に調整して、反応せしめることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記有機酸触媒が、レゾルシノールの100質量部に対して0.1〜4.0質量部の割合において、用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子の製造方法に従って形成されてなることを特徴とする硬化レゾルシノール樹脂粒子。
  7. 前記硬化レゾルシノール樹脂粒子の平均粒子径が、0.1μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子。
  8. 前記硬化レゾルシノール樹脂粒子が、真球度0.5以上の球状であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子。
  9. 請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子を焼成することにより得られる炭素粒子。
  10. 請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の硬化レゾルシノール樹脂粒子を焼成し、更に賦活することにより得られる活性炭粒子。
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