JPH10337826A - 熱融着縫製可能な防水シート - Google Patents

熱融着縫製可能な防水シート

Info

Publication number
JPH10337826A
JPH10337826A JP13563598A JP13563598A JPH10337826A JP H10337826 A JPH10337826 A JP H10337826A JP 13563598 A JP13563598 A JP 13563598A JP 13563598 A JP13563598 A JP 13563598A JP H10337826 A JPH10337826 A JP H10337826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
waterproof sheet
resin
vinylidene fluoride
waterproof
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP13563598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3031616B2 (ja
Inventor
Tsutomu Obayashi
勉 大林
Manabu Imoto
学 井本
Yozo Akikusa
洋三 秋草
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiraoka and Co Ltd
Original Assignee
Hiraoka and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiraoka and Co Ltd filed Critical Hiraoka and Co Ltd
Priority to JP10135635A priority Critical patent/JP3031616B2/ja
Publication of JPH10337826A publication Critical patent/JPH10337826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3031616B2 publication Critical patent/JP3031616B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防汚性と耐候性とを具備し、しかも熱
融着縫製が可能で、耐久性の高い防汚性を有する防水シ
ートを提供する。 【解決手段】 繊維性基布の表面又は表裏両面に形成さ
れた天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂からなる防水層を
有する防水シート基体の上面の最外層として、厚さ0.
3〜10μmのフッ化ビニリデン樹脂層を形成し、その
下面の最外層全面を、厚さ0.5〜30μmのアクリル
樹脂層を塗布形成して、熱融着縫製可能な防水シートを
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱融着縫製可能な
防水シート、特に防汚性及び耐候性に優れ、高周波熱融
着縫製の可能な防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、繊維性基布の片面又は両
面に軟質塩化ビニル(PVC)樹脂層を有する柔軟なシ
ートが、エアドーム等の大型テントに使用されている。
このようなシートは、加工性、経済性、防炎性等の点に
おいてPVCに固有の長所を有するが、一方でかかるテ
ントは長期間屋外に曝露されるものであるから、配合さ
れる安定剤等について十分な吟味がなされていたとして
も、長年月の間に次第に樹脂の分解を来たし、また可塑
剤が表面移行して次第に表面が粘着性となり、またその
表面上に塵埃等が付着して汚染される等の重大な欠点を
有していた。
【0003】この対策として、PVC層の上面にアクリ
ル樹脂フィルム層を形成して、従来のPVC層のみの積
層品の欠点をカバーし、所定の効果を得ている。しかし
ながら、積層品の使用状態により、強く揉まれる等の条
件下ではアクリル樹脂フィルム層に亀裂を生じ、積層品
の耐用期間を著るしく短縮せしめる結果となることもあ
り、この対策は十分なものとなるには至っていない。
【0004】しかして、このような積層シートの表面
を、フッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂/PVC樹脂
からなるフィルムを貼着することにより構成し、フッ化
ビニリデン樹脂層を外表面とすることにより、耐候性や
耐汚染性を改良する方法を見出した。このような防水シ
ートをミシンにより縫製して使用する場合には縫目から
漏水し、またミシン縫製は作業能率も悪いために、高周
波又は熱風を利用して熱融着縫製を行なうことがしばし
ばあるけれども、上記フッ化ビニリデン樹脂層を外表面
とする積層シートに熱融着縫製を用いて接合しようとし
ても、フッ化ビニリデン樹脂層は対向する他の樹脂層、
例えばPVC層とは接着せず、従ってこのシートもまた
更に改良が望まれているところである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた防汚
性と耐候性とを備える一方で、熱融着縫製、特に高周波
による熱融着縫製が可能で、しかも耐久性ある防汚性を
有する、極めて有用な防水シートを提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱融着縫製
可能な防水シートは、繊維性基布と、その表面又は表裏
両面に形成され、かつ、天然ゴム、合成ゴム又は合成樹
脂からなる防水層とを有する防水シート基体、並びに前
記防水シート基体の上面の最外層に形成され、かつ、
0.3〜10μmの厚さを有するフッ化ビニリデン樹脂
層、及び前記防水シート基体の下面の最外層全面に塗布
によって形成され、かつ、0.5〜30μmの厚さを有
するアクリル樹脂層を有することを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明の防水シートの一例を、図1を参照
しながら説明する。図1に示す本発明防水シートの態様
においては、繊維性基布1の表裏両面に、天然ゴム、合
成ゴム又は合成樹脂からなる防水層2,2′が形成さ
れ、これらによって防水シート基体1aが構成される。
この防水層2の上面側の最外層にはフッ化ビニリデン樹
脂層3が形成されている。必要ならば、これら防水層2
とフッ化ビニリデン樹脂層3との間には、これらの層と
連続してポリウレタン樹脂層又はシアノエチル化エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体層が形成されていてもよ
い。一方、防水層2′の側の下面最外層にはこの防水層
2′に連続して最外層全面を形成するアクリル樹脂層4
が塗布形成されている。
【0008】本発明防水シートの他の態様においては、
上記の如き防水層2を、ポリウレタン樹脂又はシアノエ
チル化エチレン−ビニルアルコール共重合体により形成
してもよく、また防水層2′をアクリル樹脂、ポリウレ
タン樹脂又はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体により形成してもよい。また、上記防水層2
と、ポリウレタン樹脂層又はシアノエチル化エチレン−
ビニルアルコール共重合体層との間に任意の他の層を形
成することもでき、また防水層2′とアクリル樹脂層4
との間に他の任意の層を形成することもできる。また、
防水層2′を省略してもよく、あるいは防水層2′を省
略し、これに代えて他の任意の層を形成してもよい。
【0009】即ち、本発明の防水シートに必須の要件
は、繊維性基布を内層に有すること、防水層が存在する
こと、上面にはその最外層に厚さ0.3〜10μmのフ
ッ化ビニリデン樹脂層が形成されていること、及び下面
にはその最外層全面が0.5〜30μmの厚さを有す
る、塗布により形成されたアクリル樹脂層により形成さ
れていることである。以下、本発明を更に具体的に説明
する。本発明の防水シートに用いられる繊維性基布は、
天然繊維、例えば、木綿、麻など、無機繊維、例えば、
ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維など、再生繊維、
例えば、ビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊
維、例えば、ジ−およびトリ−アセテート繊維など、及
び合成繊維、例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロ
ン66等)繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタ
レート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリオレフィン繊維などから
選ばれる少なくとも1種からなるものである。基布中の
繊維は、短繊維紡績糸条、長繊維糸条、スプリットヤー
ン、テープヤーンなどのいずれの形状のものであっても
よく、また基布は、織物、編物、不織布又はこれらの複
合布のいずれであってもよい。一般には、本発明の防水
シートに用いられる繊維はポリエステル繊維であるのが
好ましく、この繊維は長繊維(フィラメント)の形状に
あるのが好ましく、かつ平織布を形成しているのが好ま
しい。また、平行に並べたたて糸とよこ糸とを交差する
ように重ね、これらをからみ糸で押えて構成された織物
は特に好ましい。繊維性基布は得られる防水シートの機
械的強度を高いレベルに維持するために有用である。
【0010】本発明においては、繊維性基布の表面又は
表裏両面に防水層を形成して防水シートとするのである
が、この防水層の材料としては、天然ゴム、ネオプレン
ゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハイパロン
その他の合成ゴム、またはPVC樹脂、エチレン−酢酸
ビニルコポリマー(EVA)樹脂、アクリル樹脂(上面
最外層をなすフッ化ビニリデン樹脂層のすぐ下に形成さ
れ、防水層を形成しているものを除く、)、シリコーン
樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリ
プロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹
脂その他の合成樹脂を用いることができる。このような
材料からなる防水層は、得られる防水シートに所望の防
水性並びに難燃性や機械的強度を与えるのに十分な厚
さ、例えば、0.05mm以上の、好ましくは0.05〜
2.0mmの厚さを有する。
【0011】これらの防水層は、上記の如きゴム又は樹
脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートなどを用
い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダリン
グ、コーティング、ディッピングなどの方法によって、
繊維性基布上に形成することができる。これらのゴム又
は樹脂中には、可塑剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤
などや他の機能付与剤が含まれていてもよい。
【0012】本発明に係る防水シートの上面において
は、最外層としてフッ化ビニリデン樹脂層が形成され
る。フッ化ビニリデン樹脂としては、フッ化ビニリデン
単重合体の他、フッ化ビニリデンを70モル%以上含有
し、これと共重合可能な単量体、例えば、4フッ化エチ
レン、3フッ化エチレン、フッ化ビニル、3フッ化塩化
エチレン、フロロクロロビニリデン、6フッ化ビニリデ
ンなどから選ばれる1種以上の単量体を共重合させて得
られる共重合体が用いられる。場合によっては、これら
の単重合体又は共重合体と良好な相溶性を有する他の樹
脂を加えた混合物とすることもできる。このようなフッ
化ビニリデン樹脂との相溶性の良好な樹脂としては、例
えば、メチルメタクリレートもしくはメチルアクリレー
トを主体とする重合体もしくは共重合体、ポリウレタン
樹脂又はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共
重合体などがある。しかし、これら他の樹脂成分は、構
成樹脂量の30PHR 以内とすることが好ましい。
【0013】このフッ化ビニリデン樹脂層中には、必要
に応じて、安定剤、滑剤等の加工助剤およびUVAを含
有させてもよい。特に、UVAの添加は、必要により、
場合によりその下に形成される、ポリウレタン樹脂層又
はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体
層との接合面付近におけるこれらの樹脂の光劣化を防止
する意味から好ましい。しかし、フッ化ビニリデン樹脂
と均一相に相溶し得るUVAの量はあまり多くなく、一
般には3%以下の量である。また、フッ化ビニリデン樹
脂層は一般には極めて薄いので、この層のUVAのみで
防水層を完全に保護することはあまり期待できない。
【0014】フッ化ビニリデン樹脂層はシートの表層の
みを保護するものであって、0.3〜10μmの厚さを
有し、この厚さは1〜5μmであることが好ましい。本
発明においては、上面最外層のフッ化ビニリデン樹脂層
のすぐ下にアクリル樹脂層、ポリウレタン樹脂層又はシ
アノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体層を
形成するのが好ましく、これらの層の厚さは、好ましく
は0.5〜30μm、更に好ましくは2〜20μmであ
るのがよく、一般にはフッ化ビニリデン樹脂層の厚さよ
りも大きいのがよい。
【0015】本発明に有用なアクリル樹脂層を構成する
アクリル樹脂としては、アクリル酸もしくはメタクリル
酸のC1 〜C4 アルコールのエステルを主構成モノマー
とする重合体もしくは共重合体を主成分とする樹脂が好
ましい。このようなアクリル酸エステル系樹脂の主構成
モノマーは、具体的には、メチルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート及びブチルメタクリレートであ
り、特にメチルアクリレート及びメチルメタクリレート
が好ましい。また、これらの主構成モノマーと共重合さ
せるモノマーとしては、例えば、アクリル酸もしくはメ
タクリル酸のC1 〜C12アルコールのエステル、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、ブタジエンなどのモノマーがある。これ
らの共重合体は、ランダム共重合体に限定されるもので
はなく、グラフト共重合体であってもよい。例えば、メ
チルメタクリレート重合体にフッ化ビニリデンを添加
後、これをグラフト重合させた重合体などを使用するこ
ともできる。また、アミノ基、イミノ基、エチレンイミ
ン残基、アルキレンジアミン残基を含むアクリレートを
用いることもできるが、アジリジニル基を含有するアク
リレートを用いる場合に特に好ましい結果を与える。
【0016】アクリル樹脂層には、アクリル樹脂との相
溶性の良好な他の樹脂が少量含有されていてもよい。特
に、PVC樹脂、ポリウレタン樹脂及びフッ化ビニリデ
ン樹脂は、いずれも、アクリル樹脂との相溶性が良好で
あるので、有用である。これらのことはまたシアノエチ
ル化エチレン−ビニルアルコール共重合体についても同
様のことが言える。また、これらの樹脂層には、耐久性
ある耐候性を与えるために紫外線吸収剤(UVA)が配
合されてもよい。UVAの配合量は入射される紫外線を
約50%以上遮断し得るように定めるのが好ましい。こ
の紫外線遮断量は、UVAを含有するこれらの樹脂層中
のUVAの濃度とこの層の厚さにより定まるが、UVA
濃度があまり低い場合にはこれらの樹脂層の厚さを増大
させる必要があり、従ってこのこれらの樹脂層のUVA
濃度は好ましくは0.3%以上、より好ましくは1.0
%以上とすべきである。しかし、この樹脂層中のUVA
濃度が高すぎると、上面最外層を構成するフッ化ビニリ
デン樹脂層との界面にブリードし、この層との接着力を
低下させることがあるので好ましくない。もちろん、U
VAの種類によりこれらの樹脂及びフッ化ビニリデン樹
脂との相溶性が異なるのでその濃度の上限は異なるけれ
ども、フッ化ビニリデン樹脂に対しても比較的高い親和
性を有するベンゾトリアゾール系のUVAでも30PHR
を超えると両層の界面において剥離し易くなるので、3
0PHR 以下程度にとどめるのが好ましい。UVAとして
は、ベンゾトリアゾール系のものばかりでなく、ベンゾ
フェノン系、サリチル酸エステル系のもの、又はこれら
と他の樹脂とを共重合させたもののいずれをも用いるこ
とができ、特に限定されるものではない。
【0017】本発明の防水シートを製造するに際して
は、例えば、繊維性基布の表面又は表裏両面に防水層を
形成したシートを先ず製造し、次いでポリウレタン樹脂
又はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合
体を塗布し、又はしないで及びフッ化ビニリデン樹脂を
塗布形成してもよく、また別法としてその上表面に別途
製造されたフッ化ビニリデン樹脂/ポリウレタン樹脂又
はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体
の積層フィルムを貼着してもよい。このフッ化ビニリデ
ン樹脂/ポリウレタン樹脂等の積層フィルムの厚さが薄
く、作業性に問題が生じる場合には、30〜50μmの
厚さを有するPVCフィルム等の、できれば耐水性基材
を支持体としてフッ化ビニリデン樹脂/ポリウレタン樹
脂又はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重
合体/PVC樹脂等からなる積層フィルムを作り、これ
を上記シートに貼着することもできる。このような積層
フィルムの製造は、特に限定されるものではないけれど
も、各層の樹脂を複合Tダイス又は複合円筒ダイスから
複合流動させて、フラットシート又は円筒物を共押出し
し、通常の方法で引取り、更に必要に応じて熱処理する
方法により行なわれるのが、各層間接着性や生産性の面
からみて望ましい。
【0018】本発明の防水シートにおいて、下面最外層
を構成するアクリル樹脂層は、前述したように、その厚
さは0.5〜30μmであり好ましくは2〜20μmで
あって、その材料は、前記と同様に選択することができ
る。この場合、下面は直射日光に曝露されることが少な
いので、それ程にはUVAの配合の必要性はなく、配合
を省略することもできる。また、この層は、塗布によっ
て形成される。また、この層には、接着性を阻害しない
範囲で、他の共重合体その他の加工剤を添加することも
できる。また、防水層との接着性を助長する目的で、例
えば、PVC防水層を形成した場合には、PVCをこの
層に混用する等の対策を講じることもできる。0.5〜
30μmの厚さを有するアクリル樹脂層は、後記実施例
に記載のように、塗布により形成される。
【0019】本発明に使用するポリウレタン樹脂は、そ
の使用形態に関して自由に選択され、可塑剤、安定剤、
着色剤、滑剤その他各種の付性剤が公知の範囲で自由に
添加可能である。以下に、本発明に有用なポリウレタン
樹脂、特に熱可塑性ポリウレタンエラストマー樹脂につ
いてその一例を示す。
【0020】ポリウレタンエラストマーとしては、有機
ポリイソシアネートと高分子ポリオールおよび必要によ
り鎖伸長剤を反応させて得られるものが使用される。有
機ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式または
芳香族ポリイソシアネート、たとえば、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘ
キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フ
ェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、ビフェニレンジイソシアネート、
ナフチレンジイソシアネートが挙げられる。これらのう
ちでは、MDIまたはこれを主体とする有機ジイソシア
ネートが好ましい。
【0021】高分子ポリオールとしては、ポリエーテル
ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエ
ステルポリオール、重合体ポリオールおよびこれらの2
種以上の混合物を挙げることができる。ポリエーテルポ
リオールとしては、アルキレンオキサイド(エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)、
複素環式エーテル(テトラヒドロフラン等)を重合また
は共重合(ブロックまたはランダム)させて得られるも
の、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリエチレン−プロピレン(ブロックま
たはランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコー
ル、ポリオクタメチレンエーテルグリコールおよびそれ
らの2以上の混合物が挙げられる。ポリエステルポリオ
ールとしては、ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、
セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタ
ル酸等)とグリコール(エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキ
サン、ビスヒドロキシエチルベンゼン、アルキルジアル
カノールアミン等)とを縮重合させて得られたもの、た
とえばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プ
ロピレンアジペート:ポリラクトンジオールたとえばポ
リカプロラクトンジオール:およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。ポリエーテルエステルポリオール
としては、エーテル基含有ジオール(前記ポリエーテル
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール等)もしくはこれらと他
のグリコールとの混合物を前記ジカルボン酸とまたはジ
カルボン酸無水物(無水フタル酸、無水マレイン酸等)
ならびにアルキレンオキシドとを反応させることによっ
て得られるもの、たとえば、ポリ(ポリテトラメチレン
エーテル)アジペートが挙げられる。
【0022】また、重合体ポリオールとしては、高分子
ポリオール(前記ポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、および/またはポリエーテルエステルポ
リオール)あるいはこれらと中〜低分子ジオールとの混
合物中でエチレン性不飽和モノマー(アクリロニトリ
ル、スチレン等)を重合させて得たものが挙げられる。
高分子ポリオールの平均分子量(水酸基価滴定による)
は通常500〜5000、好ましくは700〜400
0、とくに好ましくは2000〜3500である。
【0023】鎖伸長剤としては、分子量500未満の低
分子ポリオール、たとえば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、チオジグリコール(チオジエタノール
等);ポリアミン、たとえば、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミンなどの脂肪族ジアミン、ピペラジン、1,4−ジ
アミノピペラジン、1,3−シクロヘキシレンジアミ
ン、ジシクロヘキシルメタンジアミンなどの脂環式ポリ
アミン、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミ
ン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、キシ
リレンジアミンなどの芳香−脂肪族ポリアミン、ヒドラ
ジンおよびモノアルキルヒドラジン;アルカノールアミ
ン、たとえば、エタノールアミン、プロパノールアミ
ン;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは、低分子ジオール(とくにエ
チレングリコール)である。
【0024】しかし、以上の例示に限定されるものでは
なく、他のいずれの熱可塑性ポリウレタン樹脂でも使用
可能であり、またエステル系、エーテル系その他に限定
されることなく熱により溶融し、加熱圧着接(溶)着可
能なものであれば全て使用することができる。
【0025】このようにして得られる防水シートは、防
汚性及び耐候性に優れるとともに、熱融着縫製が可能で
ある。即ち、この防水シート2枚を重ね合せ、上面最外
層のフッ化ビニリデン樹脂層と下面最外層のアクリル樹
脂層という特定された組合わせの最外層を互に接触させ
て、超音波加熱、高周波加熱又は熱風により融着接合さ
せることができる。従来の防水シートのように表面に弗
素系樹脂を用い裏面の樹脂を弗素系樹脂以外の樹脂とす
ると、これらは、殆んど融着接合せず、上表面にフッ化
ビニリデン樹脂層を用いても、下表面にアクリル樹脂層
を形成しない場合には融着接合せず、偶々強引に過熱高
圧接合を試みても、その接着力は高々0〜3kg/3cmと
極めて小さかったのである。しかし、本発明の場合に
は、上面最外層フッ化ビニリデン樹脂、下面最外層アク
リル樹脂の組み合わせに特定することにより、その接着
力は6〜10kg/3cmとなり、実用上必要とされている約
5kg/3cmを超える好ましい値となる。また、この組合
わせに特定することにより高周波熱融着縫製が可能にな
る。このような熱融着縫製に際して本発明の特定の組み
合わせによる、好ましい接着力を与えるような樹脂から
なるフイルムを2枚のシート間に挾み込んで融着接合さ
せることも考えられるけれども、この場合には防水シー
トとの密着力に欠けるため接着力は3〜4kg/3cm程度
となり、また融着作業に際して必要部位の位置決めに難
点があり、作業上好ましくない。また、下面最外層の連
続層に代えて、これらの樹脂層を下面に部分的に形成す
ることも考えられるが、この場合縫製時にこれらの樹脂
層を塗布する等の作業は煩わしく、作業性を低下させ、
作業環境を害する。従って、本発明の防水シートの如
く、最初から下面最外層全面に連続層として本発明の特
定の樹脂層を形成しておくならば、防水シートそれ自体
の製造も安価にかつ簡単に行なうことができ、また熱融
着縫製を必要とするどの部分においても行なうことがで
きるという利点がある。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に説明す
る。 実施例1 下記組織、 密度 (20/3×20/4)/(45×38) 目付 360g/m2 を有するビニロン繊維帆布を基布として用い、これを湯
通しし、乾燥した。
【0027】次に、この基布に、ハイパロン樹脂防水
層、シリコーン樹脂防水層、EVA樹脂防水層、又はア
クリル樹脂防水層を形成して、防水シート基体を調製
し、その上面にソニー・ケミカル社製アクリル樹脂接着
剤SC462を用いてフッ化ビニリデン樹脂(4μm)
/シアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体
(10μm)からなるフィルムをそのシアノエチル化エ
チレン−ビニルアルコール共重合体面が防水層に対向す
るように貼着した(I)。同様にして、防水シート基体
上面にフッ化ビニリデン樹脂(4μm)/ポリウレタン
樹脂(10μm)からなるフィルムをそのポリウレタン
樹脂面が防水層に対向するように貼着した(II)。ま
た、防水シート基体の下面にアクリル樹脂接着剤SC4
62を、5μmの厚さに塗布して下面最外層を形成し、
本発明に係る防水シート(Aグループ)を作成した。ま
た、比較として、防水シート基体の下面に前記アクリル
樹脂接着剤を塗布しないシートを作成して、比較シート
(Bグループ)とした。
【0028】これらの試料シートのそれぞれについて、
前記本文中で述べたようにして端部3cmを重ね合せ、こ
の重ね合せ部分に出力2kW、周波数40.68MHz の高
周波発振機により、高周波処理を3秒間施した。その結
果、剥離強力(kg/3cm)は下記の通りであった。
【0029】防水層 上表面構成 Aグループ Bグループ ハイパロン樹脂 I 8.0 0.3 II 8.4 0.3 シリコーン樹脂 I 6.5 0 II 6.8 0.1 EVA樹脂 I 8.1 0.9 II 8.2 0.8 アクリル樹脂 I 9.0 8.9 II 9.0 9.2 なお、上記Bグループのシートのうち、防水層がアクリ
ル樹脂からなるシートは、本発明例である。
【0030】
【発明の効果】以上からもわかるように、本発明に係る
防水シートの上面は、フッ化ビニリデン樹脂の上面最外
層を有するから、優れた防汚性、耐候性及び耐久性を保
持する一方で、その下面最外層全面にアクリル樹脂層を
有しているため、この上面最外層フッ化ビニリデン樹脂
層と下面最外層アクリル樹脂層との組み合わせにより簡
便かつ低廉な熱融着縫製、特に高周波熱融着縫製が可能
なシートとして、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水シートの一例を模式的に示す断面
図である。
【符号の説明】
1…繊維性基布 1a…防水シート基体 2,2′…防水層 3…フッ化ビニリデン樹脂層 4…アクリル樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/28 102 B32B 27/28 102

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維性基布と、その表面又は表裏両面に
    形成され、かつ、天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂から
    なる防水層とを有する防水シート基体、並びに、前記防
    水シート基体の上面の最外層に形成され、かつ、0.3
    〜10μmの厚さを有するフッ化ビニリデン樹脂層、及
    び前記防水シート基体の下面の最外層全面に塗布によっ
    て形成され、かつ、0.5〜30μmの厚さを有するア
    クリル樹脂層を有することを特徴とする熱融着縫製可能
    な防水シート。
  2. 【請求項2】 前記上面において、防水層とフッ化ビニ
    リデン樹脂層との間にポリウレタン樹脂層又はシアノエ
    チル化エチレン−ビニルアルコール共重合体層が形成さ
    れている、請求項1に記載の防水シート。
  3. 【請求項3】 前記下面において、防水層とアクリル樹
    脂層との間に、アクリル樹脂層、ポリウレタン樹脂層又
    はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体
    層が形成されている、請求項1又は2に記載の防水シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記アクリル樹脂層が前記防水層を形成
    している、請求項1に記載の防水シート。
  5. 【請求項5】 前記防水層が0.05〜2.0mmの厚さ
    を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の防水シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記アクリル樹脂層がアクリル酸もしく
    はメタクリル酸のC 1 〜C4 アルコールのエステルを主
    構成モノマーとする重合体もしくは共重合体を主成分と
    する樹脂からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の防
    水シート。
  7. 【請求項7】 前記アクリル樹脂がアクリル酸もしくは
    メタクリル酸のC1〜C4 アルコールのエステルとアク
    リル酸もしくはメタクリル酸のC1 〜C12アルコールの
    エステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニ
    ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロ
    ニトリル、メタクリロニトリルまたはブタジエンとの共
    重合体である、請求項6に記載の防水シート。
  8. 【請求項8】 前記アクリル樹脂層がPVC樹脂、ポリ
    ウレタン樹脂またはフッ化ビニリデン樹脂を含有する、
    請求項6または7に記載の防水シート。
  9. 【請求項9】 前記ポリウレタン樹脂層又はシアノエチ
    ル化エチレン−ビニルアルコール共重合体層が0.5〜
    30μmの厚さを有する、請求項1〜8のいずれかに記
    載の防水シート。
  10. 【請求項10】 前記アクリル樹脂層の厚さが2〜20
    μmである、請求項1に記載の防水シート。
  11. 【請求項11】 前記フッ化ビニリデン樹脂がフッ化ビ
    ニリデン単重合体又はフッ化ビニリデンを70モル%以
    上含有する共重合体である、請求項1〜10のいずれか
    に記載の防水シート。
  12. 【請求項12】 前記フッ化ビニリデン樹脂層がフッ化
    ビニリデン樹脂とこのフッ化ビニリデン樹脂との相溶性
    が良好な他の樹脂との混合樹脂からなる、請求項1に記
    載の防水シート。
  13. 【請求項13】 前記フッ化ビニリデン樹脂との相溶性
    が良好な他の樹脂がメチルメタクリレートもしくはメチ
    ルアクリレートを主体とする重合体もしくは共重合体、
    ポリウレタン樹脂又はシアノエチル化エチレン−ビニル
    アルコール重合体である、請求項12に記載の防水シー
    ト。
  14. 【請求項14】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が1〜5
    μmの厚さを有する、請求項1〜13のいずれかに記載
    の防水シート。
  15. 【請求項15】 前記ポリウレタン樹脂層、又はシアノ
    エチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体層の厚さ
    が2〜20μmである、請求項9に記載の防水シート。
JP10135635A 1998-05-18 1998-05-18 熱融着縫製可能な防水シート Expired - Lifetime JP3031616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10135635A JP3031616B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 熱融着縫製可能な防水シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10135635A JP3031616B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 熱融着縫製可能な防水シート

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5146366A Division JPH07108562B2 (ja) 1984-07-10 1993-06-17 熱融着縫製可能な防水シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10337826A true JPH10337826A (ja) 1998-12-22
JP3031616B2 JP3031616B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=15156428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10135635A Expired - Lifetime JP3031616B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 熱融着縫製可能な防水シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3031616B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003033985A (ja) * 2001-07-26 2003-02-04 Pilot Ink Co Ltd 水変色性シート及びその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107724105B (zh) * 2017-09-29 2020-09-04 安徽嘉明新材料科技有限公司 一种耐候防水帐篷用tpu复合材料的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003033985A (ja) * 2001-07-26 2003-02-04 Pilot Ink Co Ltd 水変色性シート及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3031616B2 (ja) 2000-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040058603A1 (en) Laminated tarp material
JP2002129482A (ja) 合成樹脂レザー
JP5712402B2 (ja) ターポリン及びその熱融着接合体
JP3031616B2 (ja) 熱融着縫製可能な防水シート
JP2017133000A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物およびポリ塩化ビニル系樹脂シート
JP4190236B2 (ja) 合成樹脂レザー
JPH0374627B2 (ja)
JP2005023448A (ja) 合成樹脂レザー
JPS635267B2 (ja)
JPH07108562B2 (ja) 熱融着縫製可能な防水シート
JP2002210894A (ja) 防炎性及び熱融着部の耐熱クリープ性に優れた防水複合膜材料
JPH06155670A (ja) 熱融着縫製可能な防水シートおよびその縫製方法
JPH07108561B2 (ja) 熱融着縫製可能な防水シートおよびその縫製方法
JPH0377059B2 (ja)
JPH0362830B2 (ja)
JP3731653B2 (ja) 遮水シート用被覆保護材及びその施工方法
JPS58147356A (ja) 可撓性積層体
JPH0255552B2 (ja)
JPH0957889A (ja) 防汚膜材
JPH053315Y2 (ja)
JP2013022796A (ja) ターポリン及びその熱融着接合体
JPS6261431B2 (ja)
JPH07145571A (ja) 熱融着縫製可能な防水シートおよびその熱融着縫製方法
JP4489985B2 (ja) 合成樹脂レザー
JPH1148417A (ja) 内装用シート

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term