JPH0377059B2 - - Google Patents

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JPH0377059B2
JPH0377059B2 JP27186389A JP27186389A JPH0377059B2 JP H0377059 B2 JPH0377059 B2 JP H0377059B2 JP 27186389 A JP27186389 A JP 27186389A JP 27186389 A JP27186389 A JP 27186389A JP H0377059 B2 JPH0377059 B2 JP H0377059B2
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layer
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leno
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JP27186389A
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Tsutomu Oohayashi
Hidemoto Hiraoka
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Hiraoka and Co Ltd
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Hiraoka and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐屈曲性のすぐれた弗素系樹脂積層体
に関するものである。更に詳しく述べるならば、
本発明は耐屈曲性、柔軟性、耐候性、耐油性及び
防汚性並びに耐久性の優れた可撓性積層体に関す
る。特に寒冷時の耐屈曲亀裂性にすぐれた、特殊
構造織物基布−ポリウレタン層−弗素系樹脂層を
含んでなる積層体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、繊維基布、特に平織物基布の片面又は両
面にポリウレタン樹脂層を被覆した柔軟な積層シ
ートが、汎用性、耐油性、経済性その他の面から
耐油性エプロン、同ターポリン等に使用されてい
る。
しかして、このシートは、本質的にポリウレタ
ン樹脂の長所である加工性、経済性、耐油性等を
有するものであるが、一方、長期使用している
間、安定剤等に十分配慮をしていても、次第に樹
脂の分解をきたして、表層から変色し、さらに、
表面にじん埃が多く付着して汚染が甚しくなる
等、耐候性、耐汚染性等の点で重大なる欠点を有
するものであつた。
上記のような従来の積層シートの欠点に対する
対策として、ポリウレタン層の上に弗素系樹脂フ
イルム層を形成させることによつて、かなりの効
果をあげることを見出し本出願人は実願昭57−
29384号として出願した。しかしながら、このよ
うな積層体に於いても、その使用の間に非常に強
く揉まれると、薄い樹脂フイルム層に亀裂を生
じ、これが更に拡大されると、下層のポリウレタ
ン層にも亀裂を生じ、この現象は特に寒冷時に顕
著であり、そのため積層体の耐用年数を著しく短
縮せしめるなどの欠点を有することが分つた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はかかる実情に鑑み、従来の積層シート
の欠点を解消するためになされたもので、本発明
者らは、揉み(屈曲)等により樹脂層、特に弗素
系樹脂からなる表面層に付与されるストレスを分
散してこの表面層の亀裂を防止する方策を検討し
たところ、かかる用途にはその使用上の要求から
荷重時の伸縮度の大きな編物は不適であり、荷重
時の伸縮度の小さい平織物が有利であるけれど
も、このような織物を前述の如き積層体とした場
合には弗素系樹脂層にかかるストレスが大きくな
り、そのため基布に起因する亀裂が発生し易くな
ることを見出し、そのような不都合を解消せしめ
ることによつて、本発明を完成するに到つたもの
である。
本発明の目的は、耐屈曲性、特に寒冷時の耐屈
曲性にすぐれ、更に柔軟性、耐候性、耐油性およ
び防汚性にもすぐれた弗素系樹脂可撓性積層体を
提供することにある。
〔発明の要約〕
本発明によれば耐屈曲性のすぐれた弗素系樹脂
積層体が提供されるのであつて、この積層体は、
互いに平行に配列された多数の経糸からなる経糸
層と、前記経糸と直交するように、互いに平行に
配列された多数の緯糸よりなる緯糸層と、前記経
糸と緯糸とを、それらの交差点でからみ結合する
からみ糸とからなる特殊構造織物の基布の表面又
は表裏面にポリウレタン樹脂の十分厚みを有する
層を形成し、少くとも表面層の上面に薄い弗素系
樹脂フイルム層を形成せしめてなる。
本発明の積層体は、特殊構造織物基布と、その
少くとも1面上に形成されたポリウレタン樹脂か
らなる中間層と、この中間層上に形成された弗素
系樹脂表面層とを含んでなるものである。
本発明の積層体に用いられる特殊構造織物基布
は、天然繊維、例えば、木綿、麻など、無機繊
維、例えば、ガラス繊維など、再生繊維、例え
ば、ビスコースレーヨン、キユプラなど、半合成
繊維、例えば、ジーおよびトリーアセテート繊維
など、および合成繊維、例えば、ナイロン6、ナ
イロン66、ポリエステル(ポリエチレンテレフタ
レート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリ
ル繊維、ポリ塩化ビニル繊維およびポリオレフイ
ン繊維など、から選ばれた少くとも1種からなる
ものである。基布中の繊維は短繊維紡績糸条、長
繊維糸条、スプリツトヤーン、テープヤーンなど
のいずれの形状のものでもよい。そしてこれらは
互に並列に配置され、それにより形成される経糸
層と緯糸層とが互に交差するように積層され、経
緯糸条の交差点で長いからみ糸によりゆるく結合
される。
からみ糸はポリエステル、ナイロン、芳香族ポ
リアミドその他の公知の合成繊維、ガラス繊維、
スチール繊維その他の公知の無機繊維等から選定
されるが、特にポリエステルフイラメント糸が好
適である。
いま、例えば、経緯糸条として、引張単糸強力
1.3Kgのビニロン10S/1紡績糸が使用される場合
には、からみ糸として単位デニール当り引張強力
20gの芳香族ポリアミドフイラメントヤーンが使
用され、また、帆布の加工容易性を考慮して同一
素材の糸条を使用する場合には、例えば、経緯糸
条として単位デニール当り引張強力8gのポリエ
ステルフイラメントヤーンを、また、からみ糸と
しては、10gのポリエステルフイラメントヤーン
を使用する。
本発明に用いるのに特に好ましい特殊構造織物
の構成は、本出願人の出願に係る特公昭57−
30381号に記載の如き、互に平行に配列された多
数の経糸からなる経糸層と、前記経糸と直交する
ように互に平行に配列された多数の緯糸よりなる
緯糸層と、前記経糸と緯糸とをそれらの交差点で
からみ結合するからみ糸とからなる。前記からみ
糸は、前記経糸及び緯糸よりも長く、従つて、経
糸と緯糸とをゆるく結合しておりかつ、その引張
強度、引張伸度および破断仕事量のうちの少くと
も1つが前記経糸および緯糸のそれよりも大き
く、及び/又は、樹脂材料に対する接着力が前記
経糸および緯糸のそれよりも小さいことが好まし
い。からみ糸としては、特に下記に示す特性を有
する糸条が好ましい。即ち、 () 基布を構成する経糸および緯糸より、その
強力が、単位デニール当り10%以上大なるから
み糸。
() 基布を構成する経糸および緯糸より、その
破断仕事量が10%以上大なるからみ糸。
() 基布を構成する経糸および緯糸より、その
破断伸度が5%以上大なるからみ糸。
() 基布を構成する経糸および緯糸より、樹脂
被覆物に対する接着力が小なるからみ糸。
このうち、単位デニール当りの強力が、経糸お
よび緯糸よりも10%以上大なるからみ糸として
は、好ましくは20〜30%以上大きいものが使用さ
れ、経糸および緯糸に生ずる引裂きの進行を実質
的に10%以上強力の大なるからみ糸で阻止しよう
とするものであり、しかもからみ糸は経緯糸条よ
り長く、従つて経緯糸条よりも変化及び変形の自
由度が大であるので、連続してシートに作用する
引裂力に柔軟に対処しこれを吸収しうるものであ
る。即ち、引裂力がシートに働いて経緯糸条が変
位しやがて切断しても、からみ糸は切断すること
なく引裂力に追随して変位、変形し、やがて引裂
のエネルギーを吸収して引裂を停止させることが
できる。
次に、からみ糸として、経緯糸条より破断仕事
量が好ましく10%以上、より好ましくは20〜30%
高い糸条を使用することができる。ここでいう破
断仕事量とは、糸条の切断時の強力と切断時の伸
度との積により近似的に表わされる値である。
破断仕事量=破断引張強度×破断引張伸度 いま、例えば、経緯糸条として、単位デニール
当り破断引張強度8.0g、破断引張伸度13%のポ
リエステルフイラメントヤーンを使用し、からみ
糸としては、単位デニール当り7.0g、破断引張
伸度18%のポリアミド繊維糸条が使用される。こ
のとき、からみ糸の破断仕事量は、経緯糸条のそ
れよりも約21%大となつている。また、加工容易
性を考慮すれば同一素材の糸条を使用することが
望ましい。
さらに、経緯糸条より破断伸度が、好ましくは
5%以上大なるからみ糸を編組結合に使用するこ
ともできる。ポリエステルフイラメントヤーンを
使用する場合、経緯糸条の破断伸度は15%以下特
に8〜12%が好ましいが、一方、からみ糸の破断
伸度は、15%以上特に20%以上で、両者間に少く
とも5%以上の差を有するものが良い結果を与え
る。からみ糸が合成繊維である場合には、製造
時、重合体材料の重合度を調節して所定の強度を
保持しつつ、所望の大なる破断伸度を有せしめる
か、又は、製造時の、フイラメントの延伸倍率を
小さくしたもの、例えば、未延伸糸、又は、二次
加工時に捲縮を付与することにより所望の破断伸
度を有するからみ糸を得ることができる。
さらに、経緯糸条より、被覆樹脂材料に対する
接着力が小さなからみ糸を使用することもでき
る。この場合、からみ糸は、その表面にシリコン
加工等が施されたものであつてもよい。この場合
は、経緯糸条は、被覆樹脂材料との接着により、
その変位、変形の自由度が減少するが、からみ糸
の自由度は経緯糸条よりも大であつて、引裂力が
基布に作用したとき、からみ糸はスリツプして変
位、変形することができ、従つて基布の引裂きを
阻止しうるものである。
接着力を小にするためには、からみ糸の表面
に、シリコン処理、油剤処理の如き非接着処理を
施すか、又は、ポリエチレン糸およびポリプロピ
レン糸の如く、本質的に、接着性の小さな糸条を
用いれば良い。
以上の如く、本発明に係る基布においては、好
ましくは、経緯方向に並列に配列された経緯糸条
を結合するためのからみ糸が、実質的に経緯糸よ
り長く、しかも、からみ糸が経緯糸条が切断又は
変位した状態にあつても、少くともその一部が切
断しない程度に長尺であるか、強力、破断仕事
量、および/又は破断伸度が大であるか、又は接
着力が小であるなどの物理的性状を備えて構成さ
れており、その引張力は経緯糸条により高強力が
保持され、からみ糸をもつて、引裂時の衝撃力に
対抗し、又は引裂エネルギーを吸収し、さらに、
からみ糸を切断せずに残存することにより、引裂
きに伴う樹脂被覆とシートとの層間剥離を防止し
得るものである。
本発明に係る特殊構造織物については、更に、
本出願人の先の出願に係る 実公昭52−50234号(実開昭50−1668号)、 特公昭57−30381号(特開昭57−67446号)、 特公昭55−24415号(特開昭54−139688号)、 実開昭55−134242号、 特開昭56−159165号、 特開昭57−14031号、及び 特開昭57−14032号 等に記載の織物が好適に使用出来る。そして、こ
れらの織物は、典型的には第1図に示す如き構成
を有する。図において、1は経糸、2は緯糸、そ
して3はからみ糸である。
即ち、本発明に用いられる基布は、得られる積
層体の機械的強度を高いレベルに維持するために
有用である。
本発明の積層体において、特殊構造織物基布の
片面、又は両面にポリウレタン樹脂からなる中間
層が被覆されている。
本発明に使用するポリウレタン樹脂は、その使
用形状としては自由に選択され、可塑剤、安定剤
着色剤、滑剤その他各種の付性剤が公知の範囲で
自由に添加可能である。
以下ポリウレタン樹脂、特に熱可塑性ポリウレ
タンエラストマー樹脂についてその一例を示す。
ポリウレタンエラストマーとしては、有機ポリ
イソシアネートと高分子ポリオールおよび必要に
より鎖伸長剤を反応させて得られるものが使用さ
れる。
有機ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂
環式または芳香族ポリイソシアネート、たとえ
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フ
エニレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、ビフエニレンジイソシ
アネート、ナフチレンジイソシアネートが挙げら
れる。MDIまたはこれを主体とする有機ジイソ
シアネートが好ましい。
高分子ポリオールとしては、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
エステルポリオール、重合体ポリオールおよびこ
れらの2種以上の混合物を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオ
キサイド(エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド等)、複素環式エーテル
(テトラヒドロフラン等)を重合または共重合
(ブロツクまたはランダム)させて得られるもの、
たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリエチレン−プロピレン(ブ
ロツクまたはランダム)グリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレ
ンエーテルグリコール、ポリオクタメチレンエー
テルグリコールおよびそれらの2以上の混合物が
挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、
ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、セバシン
酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸等)とグリコール(エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチ
レンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスヒ
ドロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒドロキシ
エチルベンゼン、アルキルジアルカノールアミン
等)とを縮重合させて得られたもの、たとえばポ
リエチレンアジペート、ポリブチレンアドペー
ト、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレ
ン/プロピレンアジペート:ポリラクトンジオー
ルたとえばポリカプロラクトンジオール:および
これらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエ
ーテルエステルポリオールとしては、エーテル基
含有ジオール(前記ポリエーテルジオール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール等)もしくはこれらと他の
グリコールとの混合物を前記ジカルボン酸とまた
はジカルボン酸無水物(無水フタル酸、無水マレ
イン酸等)ならびにアルキレンオキシドとを反応
させることによつて得られるもの、たとえば、ポ
リ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートが
挙げられる。
また、重合体ポリオールとしては、高分子ポリ
オール(前記ポリエーテルポリオール、ポリエス
テルポリオール、および/またはポリエーテルエ
ステルポリオール)あるいはこれらの中〜低分子
ジオールとの混合物中でエチレン性不飽和モノマ
ー(アクリルニトリル、スチレン等)を重合させ
て得たものが挙げられる。
高分子ポリオールの平均分子量(水酸基価滴定
による)は通常500〜5000、好ましくは700〜
4000、とくに好ましくは2000〜3500である。
鎖伸長剤としては、分子量500未満の低分子ポ
リオール、たとえば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、チオジグリコール
(チオジエタノール等):ポリアミン、たとえば、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレ
ンジアミン、ヘキサメレンジアミンなどの脂肪族
ジアミン、ピペラジン、1,4−ジアミノピペラ
ジン、1,3−シクロヘキシレンジアミン、ジシ
クロヘキシルメタンジアミンなどの脂環式ポリア
ミン、ジフエニルメタンジアミン、トリレンジア
ミン、フエニレンジアミンなどの芳香族ポリアミ
ン、キシリレンジアミンなどの芳香−脂肪族ポリ
アミン、ヒドラジンおよびモノアルキルヒドラジ
ン:アルカノールアミン、たとえば、エタノール
アミン、プロパノールアミン:およびこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。好ましいのは低分
子ジオール(とくにエチレングリコール)であ
る。
しかし、以上の例示に拘わることなく他のいず
れの熱可塑性ポリウレタン樹脂でも使用可能であ
る。この中間層は、積層体に所望の耐油性や防水
性や機械的強度を与えるために十分な厚さ、例え
ば0.05mm以上の、好ましくは0.05〜1.0mmの厚さを
有しているものである。
次にかかる基布の表面又は表裏面に形成される
ポリウレタン樹脂は単なる接着剤としてではな
く、耐油性、耐摩耗性その他必要物性を保持する
ため、十分な厚み、例えば、0.05〜1.0mmの厚み
を有するものであることが必要である。経済的に
許せばもつと厚くてもよい。ポリウレタン樹脂層
の形成は、トツピング、カレンダリング、コーテ
イングその他の方法で行われる。ポリウレタン樹
脂は使用に際しての樹脂形状は自由に選択され、
樹脂には可塑剤、安定剤、着色剤、滑剤その他各
種の付性剤が公知の範囲で自由に添加できること
は勿論である。ポリウレタン樹脂は気泡を含んで
もよい。
また、用途によつては、上記の基布及びポリウ
レタン樹脂中間層はそれぞれ複数で構成されてい
てもよい。
中間層の少くとも1つの上に弗素系樹脂フイル
ム表面層が形成されるが、次に、本発明における
最も重要な特徴部分であるこの弗素系樹脂フイル
ムについて説明する。
一般に弗素系樹脂は、不燃性で、かつ、耐薬品
性に優れているため、パツキング、チユーブ、シ
ート等の機械部品のほか、電気機器部品、ライニ
ング等に賞用されている。しかし、この樹脂は結
晶化度が高く、通常のプラスチツク接着剤になじ
まないためそのままでは合成樹脂表面に貼着する
ことは著しく困難である。
本発明では、弗素系樹脂フイルムを表面コロナ
放電処理等して、できるだけ粗面活性化すること
により、例えば塩化ビニル、エポキシ、アクリ
ル、ポリエステル等の樹脂系接着剤又はこれらの
樹脂を混用してなる接着剤との親和性を増加せし
めてもよい。通常上記の処理によつて、弗素系樹
脂フイルムの2〜10μの厚みの表面部分について
粗面化が行われることとなる。このためには、直
流100〜200V、40〜100μF、短絡電流1〜2Aの条
件で放電処理が行われる。かかる放電処理によ
り、弗素系樹脂フイルムは所望の接着能が得られ
るが、本発明に用いられる弗素系樹脂フイルムの
表面処理はこれに限定されるものではなく他の表
面処理等により同等以上の効果を奏するものであ
ればよい。
弗素系樹脂フイルムを構成する弗素系樹脂はエ
チレンの水素原子の1個以上が弗素原子と置換さ
れてなる単量体から合成される各種のポリフルオ
ルエチレン、例えば、ポリテトラフルオルエチレ
ン、又は一部塩素を含む各種のポリフルオルクロ
ルエチレン、例えば、ポリトリフルオルクロルエ
チレン等があるが、このほかポリ弗化ビニル、ポ
リ弗化ビニリデン、ポリジクロルジフルオルエチ
レン、その他を包含される。これらの弗素系樹脂
はいずれも溶融点が高いので、通常のカレンダー
加工等は実施できないので一旦溶融して押出加工
するか又は粉末状態の樹脂を加圧加熱してシート
状に成型するのが一般的であるが、フイルム形成
方法に特に限定はない。弗素系樹脂フイルム層の
厚みは50μ以下であるのが好ましいが、耐候性、
防炎性、防汚性並びに耐久性向上の目的を達成し
得るものであれば、上記よりもより厚く、又は、
より薄くすることができる。
本発明においては、また、表面が実質的に平滑
なフイルム状の弗素系樹脂が、ポリウレタン樹脂
層の上面に貼着されてもよいが、弗素系樹脂溶
液、例えば、エマルジヨン、ソリユーシヨン等を
塗布する方法もある。この方法では塗膜が薄く、
かつ、厚さを均一に塗布することが難かしく、多
くの場合塗布むらを生じ、また、部分的に不塗布
個所を生じて完全な効果が期待できず、汚れも付
着し易い。さらに、塗布膜の強度が弱いため使用
時に、弗素系樹脂フイルムが引掻き等により部分
的に欠損し耐久性の点で問題となる。本発明に拘
る弗素系樹脂フイルムの膜強度は、通常100Kg/
cm2以上であることが好ましい。
弗素系樹脂表面層は従来既知の方法によつて少
くとも1つの中間層上に形成される。本発明では
前述の如き特殊構造織物基布が使用されることと
ポリウレタン樹脂層の上面に弗素系樹脂フイルム
層が形成されることを重要な特徴としている。
弗素系樹脂フイルム層は、また、積層体に耐候
性と防汚性とを付与する。特に、ポリウレタン樹
脂層に含まれる可塑剤のブリードを抑止し、ま
た、該層の表面分解物生起や前記ブリードに基づ
く表面粘着性を招来せしめることがない。弗素系
樹脂フイルムは、また、Tダイ法又はインフレー
シヨン法その他のいずれに基づくものでもよい。
また、延伸、未延伸のいずれでもよい、通常その
厚みは3μ〜50μ程度である。
かかるフイルムは、前述したように、接着剤を
用いて貼着することもできるが、表面が加熱によ
り溶融しているポリウレタン樹脂層の表面に、例
えば、200℃程度に加熱された状態で溶融タツク
させて貼着してもよい。
第2図は本発明に係る積層体の具体例を示すも
ので起布4の両面にはポリウレタン樹脂層5,
5′が形成されるが、少くとも表面にあらわれる
ポリウレタン樹脂層5には、その上面に弗素系樹
脂フイルム層6が設けられている。裏面のポリウ
レタン樹脂層5′を省略したり、または、裏面樹
脂層5′にも弗素系樹脂フイルム層6を設けるこ
とは差支えない。このようにして得られた積層体
は、従来の織物、例えば、平織物を基布として作
られた積層体よりも、寒冷時の亀裂生成が少な
い。即ち、従来品であれば、約5〜−5℃が使用
条件の目安であるのに、本発明品であれば、−20
℃〜−25℃に於いても使用可能である。更に、場
合によつては、それ以下の温度においても使用可
能となる。これは、本発明品においては、基布構
造から来る折り曲げの方向性が特に限定されずに
全方位に可能であり、かつ柔軟であることに基因
するものと思われる。またスコツト型屈曲テスト
(JIS−K−6328−1981、5.3.8もみ試験)の結果
も亀裂の入る回数はほぼ5〜10倍と好ましい結果
である。特に弗素系樹脂フイルムが実用上薄い方
が好ましく、5〜20μの範囲に於いてこの効果が
顕著であることが従来品に較べた画期的な効果で
ある。
この結果、弗素系樹脂フイルムを貼つても特に
積層体が必要以上に硬くならないことも良い結果
を与える一因であるものと思われる。
〔発明の効果〕
本発明は積層体において、弗素系樹脂表面層
は、特殊構造織物基布およびポリウレタン樹脂中
間層を被覆して積層体の耐候性を向上させ、か
つ、ポリウレタン樹脂中間層から積層体表面への
可塑剤のブリードを防止し、それによつて積層体
の防汚性を向上させる。
本発明は、以上の構成に基づくものであるか
ら、従来のポリウレタンシートの長所を損うこと
なく、さらに、ポリウレタン樹脂が基布上に形成
され、さらにその上面に弗素系樹脂フイルムが形
成される場合には可撓性、耐久強力が格段に優れ
た積層体が構成されることになる。本発明の積層
体はテント、幌、シート、フレキシブルコンテ
ナ、広幅ベルト、食品搬送ベルト、エプロン、合
羽、レザー、オイルフエンスその他の産業資材に
使用するときには特に顕著な効果を有するもので
ある。特に、強風下において烈しい屈曲作用を受
ける幌、シートや、屈折作用を多く受けるベルト
等において、その効果を顕著に発揮することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に有用な基布の一実施態様を示
す模式図であり、第2図は本発明の積層体の一実
施態様の断面説明図である。 1……経糸、2……緯糸、3……からみ糸、4
……基布、5,5′……ポリウレタン中間層、6
……弗素系樹脂表面層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 互いに平行に配列された多数の経糸からなる
    経糸層と、前記経糸と直交するように、互いに平
    行に配列された多数の緯糸よりなる緯糸層と、前
    記経糸と緯糸とを、それらの交差点でからみ結合
    するからみ糸とからなる特殊構造織物基布の表面
    又は表裏面にポリウレタン樹脂の十分厚みを有す
    る層と、少くとも前記表面側に形成されたポリウ
    レタン樹脂層の表面上に形成されている弗素系樹
    脂フイルム層とを有する可撓性積層体。 2 弗素系樹脂フイルム層の厚さが50ミクロン以
    下である特許請求の範囲第1項記載の積層体。 3 前記弗素系樹脂フイルムが、ポリ弗化ビニ
    ル、ポリ弗化ビニリデンまたはポリテトラフルオ
    ルエチレンよりなる弗素系樹脂フイルムである特
    許請求の範囲第1項記載の積層体。
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