JPH10332710A - 物品受渡し機構 - Google Patents

物品受渡し機構

Info

Publication number
JPH10332710A
JPH10332710A JP14228597A JP14228597A JPH10332710A JP H10332710 A JPH10332710 A JP H10332710A JP 14228597 A JP14228597 A JP 14228597A JP 14228597 A JP14228597 A JP 14228597A JP H10332710 A JPH10332710 A JP H10332710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
article
pipette
base
holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14228597A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Okada
悟 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Priority to JP14228597A priority Critical patent/JPH10332710A/ja
Publication of JPH10332710A publication Critical patent/JPH10332710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 少なくとも2つの場所の間を移動してそれぞ
れの場所で所定の動作を行うピペット等の物品の移動及
びその受渡しにおいて、制御を含む構造全体を簡略化す
る。 【解決手段】 物品受渡し機構10は、複数のアーム取
り付け台14、15(基部)と、これらのアーム取り付
け台14、15のそれぞれに設けられ自由端側が開閉可
能なアーム1、2と、これらのアーム1、2とアーム取
り付け台14、15との間でピペット5(物品)を挟持
すべくアーム1、2に設けられた機構体11、112
(挟持機構部)とからなり、機構体11、112どうし
を対向して接近させると、ピペット5を挟持していない
アーム1の自由端がピペット5を挟持しているアーム2
の摺動面2bに接しながら内側に入り込み、ピペット5
を挟持していないアーム1にピペット5を受渡し可能に
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は物品受渡し機構に
関し、より詳しくは、自動分析装置等に使用されるピペ
ット等の物品を、少なくとも2つの場所に移動させそれ
ぞれの場所で所定の動作を行わせるための物品受渡し機
構に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】物品受
渡し機構を備えた装置、例えば、分注用ピペットの受渡
し機構を備えた血液自動分析装置においては、検体載置
部、試薬載置部、洗浄部及びこれらの検体及び試薬を収
容して反応を生ぜしめる反応部が配置されたテーブル上
で、ピペットが相対移動されて所定の分注、すなわち、
吸引及び吐出が行われる。このような装置では、試料及
び試薬に接触したピペットはキャリーオーバー防止のた
めに、検体毎に洗浄部で洗浄される。特に血清等を扱う
場合には十分な洗浄時間を設定することが必要であり、
これが分析処理を高速化する上での障害となっている。
そこで、ピペット及びその移動機構体をテーブル上に複
数配置し、一方のピペットを洗浄しつつ並行して他方の
ピペットに移動あるいは分注の動作を行わせることによ
り処理の高速化を図っている。
【0003】しかし、上記構成ではピペットに対応する
数量の移動機構体が必要になり装置が大型化するととも
に、個々の移動機構の制御系が複雑になる。そこで、ピ
ペットの受渡し手段としてアクチュエータで開閉操作可
能なピペット把持用ハンドを備えた機構体を準備し、例
えば試料の分注位置に1基の固定機構体を、洗浄槽に分
注後のピペットを洗浄する複数の固定機構体をそれぞれ
配置し、それぞれの洗浄槽側固定機構体から分注側固定
機構体に通じる移動路を設けるとともにこの移動路に沿
って移動可能な1基の移動機構体を配置する構成が用い
られる。
【0004】この場合、移動機構体が、分注位置で使用
した1つのピペットを洗浄側固定機構体の1つに渡して
洗浄させている間に、他の洗浄側固定機構体で洗浄を終
えた他のピペットをこの洗浄側固定機構体から受け取っ
て分注側固定機構体に引き渡すことができる。したがっ
て、洗浄時間が十分に確保され、1基の移動機構体で複
数のピペットを扱うことができる。
【0005】しかし、上記の受渡し手段を備えた移動機
構体では、ピペットの受渡しの際に、対向した双方のピ
ペット把持用ハンドのアクチュエータに対して開閉動作
の制御信号を送る必要があり、制御を含む構造が複雑に
なる。一方、洗浄が不要な使い捨てのピペットの使用も
知られているが、これらにはピペットの供給機構及び廃
棄機構が別途必要になり、さらにピペットによってラン
ニングコストが増大する。
【0006】この発明の目的の1つは、少なくとも2つ
の場所の間を移動してそれぞれの場所で所定の動作を行
うピペット等の物品の移動及びその受渡しにおいて、制
御を含む構造全体を簡略化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、複数
の基部と、これらの基部のそれぞれに設けられ自由端側
が開閉可能なアームと、これらのアームと基部との間で
物品を挟持すべくアームに設けられた挟持機構部とから
なり、各挟持機構部は、アームの自由端の基部側の面に
形成され自由端の先端との間に傾斜面を有する突出部を
備え、前記挟持機構部どうしを対向して接近させると、
物品を挟持していないアームの自由端が物品を挟持して
いるアームの傾斜面に接しながら内側に入り込み、物品
を挟持していないアームに前記物品を受渡し可能に構成
された物品受渡し機構が提供される。
【0008】すなわち、この発明では、2つの挟持機構
部の一方に物品を挟持させ対向して接近させると、物品
を挟持していないアームの自由端が物品を挟持している
アームの傾斜面に接しながら内側に入り込み、前記物品
が他方の挟持機構部の突出部と基部との間に挟持されて
受渡される。したがって、この発明は、物品を挟持した
状態と、物品を挟持しない状態とにおけるアームの基部
に対する姿勢の変化を利用して、他方側の自由端を一方
側の傾斜面に接触できるようにするものであり、それに
よって挟持機構部を対応する基部とともに移動させるだ
けで物品の受渡しが可能となる。
【0009】この発明における基部は、アームを回動可
能に支持し、かつアームとの間に挟持機構部を形成する
ものであり、基部側の挟持機構部として挟持物品に当接
する受け面を有することが好ましい。基部は、少なくと
も2つが配設され、所定の軌道上を少なくとも一方が他
方に対して移動可能な移動体が好ましい。基部の移動
は、単一の軌道を直線移動または曲線移動するものであ
ってもよく、さらに複数の軌道を乗り換えて、例えば、
X軸軌道とY軸軌道に乗り換えて、移動するものであっ
てもよい。
【0010】この発明におけるアームとは、一端が基部
との枢支部を形成し、他端が回動可能な自由端を有す
る、板状あるいは棒状の部材を意味し、その形状は直線
あるいは曲線で形成されていてもよい。アームは、自由
端側が枢支部周りに回動して開いたとき、自由端と基部
との間に形成される口部の幅が挟持する物品の胴径より
大きくなり、閉じたときに前記口部の幅が挟持する物品
の胴径より小さくなるよう開閉するものが好ましい。
【0011】さらに、このアームは、基部との間で物品
を挟持するのに必要な押圧力を発生する押圧手段を有す
ることが好ましい。この押圧手段としては、アームと基
部との間に張架されたばね部材が好ましい。このばね部
材として、引っ張りコイルばね、板ばね、渦巻きばねが
挙げられる。なお、アーム自身を板ばねで形成すれば、
アームを含んだ全体の構造が簡略化される。アームは、
物品を挟持していないときに、自由端側が閉じるように
構成することにより、挟持機構部どうしを対向して接近
させるときに、自由端側を外部から開くように動作させ
るための外部機構、例えばアクチュエータ、センサー及
び制御系が不要となる。
【0012】この発明における挟持機構部とは、物品の
受渡しを可能にするとともに、挟持された物品を容易に
アームと基部との間から抜け出ることなく確実に保持す
るための機構部を意味する。この挟持機構部は、少なく
とも物品の胴部を押圧可能な2面、すなわち、アームの
基部側面に形成された挟持面と、基部のアーム側面に形
成された受け面と、アームの自由端の基部側面に形成さ
れ自由端の先端との間に傾斜面を有する突出部とからな
る。この傾斜面は、対向して接近した他のアームの自由
端の先端を摺動させるための摺動面であって、他方側に
挟持された物品とアームとの間に割り込ませることによ
って、前記自由端の先端が挟持された物品の胴部に直接
接触してこの物品を破損するのを防止する。挟持機構部
は、少なくとも1つが対応する基部とともに移動可能に
配設することにより、移動可能な基部を、固定された基
部に対して、あるいは、他方の移動可能な基部に対して
接近させ、1つの位置あるいは複数の位置の間で1つあ
るいは複数の物品の受渡しを行うことができる。
【0013】この発明における突出部とは、2つの挟持
機構部の一方に物品を挟持させ対向して接近させること
によって物品を挟持していないアームの自由端が物品を
挟持しているアームの傾斜面に接しながら内側に入り込
ませた後、これら挟持機構部を互いに離反させたとき、
他方側へ受渡された物品が突出部の後端側、すなわち、
傾斜面と反対側に、静止するよう位置決めする手段を意
味する。アームの突出部が、傾斜面と反対側に形成され
物品を挟持可能な挟持面と、その先端側に形成され2つ
の基部を一方に物品を挟持させて相対的に接近させる
と、物品を挟持していないアームの自由端が当接して他
方のアームの内側に入り込ませる傾斜面とを備えること
により、物品を挟持したアームから容易にこの物品を受
け取ることができる。
【0014】アームが、基部との間に張架されたばねで
基部に向かって付勢され、このばねの付勢により、基部
との間に物品を押圧挟持せずに自由端側を閉じた閉塞位
置と、基部との間に物品を押圧挟持した挟持位置と、閉
塞位置にあるアームにより挟持位置にあるアームが前記
ばねの付勢に抗して押し開かれ押圧挟持した物品を開放
する開放位置とをとり得るよう構成することにより、閉
塞位置にある第1アームを第2アームに接近させ、保持
閉塞位置にある第2アームを開放位置まで押し開いて物
品を開放させつつ第2アームからこの物品を受け取り、
これによって第1アームを挟持位置として第2アームに
この物品を受け取らせることができる。したがって、物
品の大きさ(直径)に多少の大小がある場合でも物品の
受渡しができる。
【0015】この発明における物品とは、基部をアーム
との間で挟持可能な外側面を有する立体を意味し、挟持
される部分の外側面が例えば、円柱あるいは断面が多角
形の角柱が挙げられる。この物品は中実であってもよい
し中空であってもよい。より具体的には、自動分析装置
等において試料及び試薬を扱うピペットあるいは反応容
器が挙げられる。物品が挟持機構部により吊り下げられ
る場合には、その物品には落下防止用の膨出部が形成さ
れていることが好ましい。物品が、液体分注用のピペッ
トであれば、基部を任意の位置に移動して所定の分注を
行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施の形態に基づ
いてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明
が限定されるものではない。図1は、この発明の実施の
一形態による物品の受渡し機構を備えた免疫凝集測定装
置100の斜視図である。図1において、免疫凝集測定
装置100は、測定テーブル105と、測定テーブル1
05上に配設され、物品としてのピペット5を受渡しす
るピペット受渡し機構10とを備える。測定テーブル1
05は、検体が設置される検体設置部101と、試薬が
設置される試薬設置部102と、検体及び試薬を収容し
反応を生じせしめるための反応部103と、ピペット5
を洗浄可能な洗浄部104とが1つのユニットとなって
複数配列されている。
【0017】ピペット受渡し機構10は、測定テーブル
105と同一平面上にあって互いに直交して配設された
固定部110及び可動部120からなる。固定部110
は、洗浄部104の上方に架け渡された支持板111
と、支持板111に対して図示しない昇降手段により昇
降可能に取り付けられX軸方向に並んで配列された複数
の固定機構体(挟持機構部)112、113とからな
る。第1固定機構体112及び第2固定機構体113は
同一の機構体であり、昇降手段を駆動すると洗浄部10
4の上方で上下に移動する。
【0018】一方、可動部120は、固定部110と交
差して互いに平行にY軸方向にのびた1対のボールねじ
32と、これらのボールねじ32を回転可能に支持する
両端の軸受け部121と、各軸受け部121をX軸方向
に移動させる移動路122と、ボールねじ32に取り付
けられた可動機構体(挟持機構部)11と、ボールねじ
32を正逆方向に回転駆動させるステッピングモータ
(図示せず)とからなる。可動部120は、1対のボー
ルねじ32の間に固定部110を挟んで支持板111の
方向(X軸方向)に移動可能である。
【0019】図2及び図3は、第1固定機構体112が
ピペット5をアームの内側に挟持するとともに、可動機
構体11がこの固定機構体112に対向した、ピペット
5の受渡しの過程における1つの状態を示す平面図及び
正面図である。図2及び図3において、可動機構体11
は、アーム1と、このアーム1を回動可能に軸支するア
ーム取り付け台14と、面板21と、ボールねじ32、
32に螺合され、これらを一体的にY軸方向に移動可能
な移動子13とからなる。アーム取り付け台14は、移
動子13に対して図示しない昇降手段により昇降可能に
取り付けられている。一方、第1固定機構体112及び
第2固定機構体113は、アーム2と、このアーム2を
回動可能に軸支するアーム取り付け台15と、面板22
と、これらを支持板111に取り付ける基部本体16と
からなる。
【0020】アーム1及びアーム2は、実質的に同形で
あって、長体部と短体部とからなる概略L字状の角棒状
片で、それらの屈曲部分には回動用軸孔25が穿設され
ている。それぞれの長体部は、各アーム取り付け台1
4、15に平行な線状に形成された先端(自由端)1
a、2aと、その内側にあって先端1a、2aから近位
の摺動面(傾斜面)1b、2b及び先端1a、2aから
遠位の挟持面1c、2cとを有する。
【0021】摺動面1b、2bは先端1a、2aから各
基部に向かって拡大傾斜した平坦な平面からなり、挟持
面1c、2cは摺動面1b、2bのそれぞれの後端から
漸次縮小した湾曲面により形成されている。したがって
摺動面1b、2bと挟持面1c、2cとの境界には、先
端1a、2aと平行な線状に形成され内側へ突出した角
部1d、2d(突出部)が形成される。挟持面1c、2
cは、それぞれのアーム1、2が押圧挟持するピペット
5の外周面の形状に適合して形成され、挟持されたピペ
ット5の外周面に密接する。挟持面1c、2cは、アー
ム取り付け台14、15に平行な平坦面となって短体部
との屈曲部分まで延びている。それぞれの短体部は、長
体部から略直角に基部方向に延び、それらの上面の基部
側端部にはばね係止用の突出ピン26がそれぞれ配設さ
れている。
【0022】各面板21、22は対向配置された各アー
ム1、2との間に後述するピペット5を押圧挟持するた
めのそれぞれの受け面が各アーム1、2に対向する面に
形成された板状部材である。面板21の高さ及び厚み
は、面板22のそれらより大きく形成され、面板21の
受け面の略中央には一定の幅及び深さで可動機構体11
の移動方向と平行に穿設された溝21aを有する。この
溝21aは、可動機構体11を固定機構体112、11
3に接近させたとき、面板22をその先端から受け入
れ、摺動により嵌合されて双方のアーム1、2が所定の
誤差範囲内で接触するようアーム1、2を位置決めする
ものである。
【0023】それぞれのアーム取り付け台14、15
は、上部水平面14a、15aと、これらの上部水平面
14a、15aから段落して略水平な平面で形成されア
ーム取り付け台の前側に延出したアーム支持用の段部1
4b、15bとからなるブロック体であり、さらにこれ
らが対向するそれぞれの前面側には、アーム当たり面1
4c、15c及び筒状体当たり面14d、15dが形成
されている。アーム当たり面14c、15cは、段部1
4b、15bの後端から立ち上がった垂直面からなり、
アーム1、2の短体部の側端に当接してアーム1、2の
回動を規制する。筒状体当たり面14d、15dは、段
部14b、15bの前端から下方に延びた垂直面からな
り、アーム1、2により挟持されたピペット5の外周面
に当接してピペット5の受渡し位置を位置決めする。こ
れらの段部14b、15bには、軸孔25を貫通したア
ーム回動軸27が固着されている。
【0024】さらに、上部水平面14a、15aにはば
ね係止用の突出ピン28がそれぞれ配設されており、こ
れらの突出ピン28とアーム1、2の突出ピン26に
は、コイルばね6がそれぞれ架け渡されている。コイル
ばね6は、アーム回動軸27を中心にしてアーム1、2
を面板21、22に向かって付勢する。これにより、ア
ーム1、2は、ばね6でアーム取り付け台14、15に
向かって付勢され、アーム取り付け台14、15との間
にピペット5を押圧挟持せずにその先端1a、2aを閉
じた閉塞位置と、アーム取り付け台14、15との間に
ピペット5を挟持した挟持位置と、閉塞位置にあるアー
ム1、2により挟持位置にあるアーム1、2がばね6の
付勢力に抗して押し開かれ挟持したピペット5を開放す
る開放位置とをとり得る。
【0025】ピペット5は、軸線方向において略同径の
円柱体からなるピペット本体51と、ピペット本体51
から下方に延出した分注管52と、ピペット本体51の
頭部を形成する大径の吊り下げ用膨出部53と、この膨
出部53から上方に延出したチューブ54とからなり、
チューブ54は図示しないピストンに接続されている。
【0026】物品受渡し機構10によるピペット5の受
渡しの動作を図1及び図4〜14により説明する。ここ
では、図示しない制御部の指令により測定テーブル10
5上で所定の分注動作を行う2つのピペット5a、5b
を、洗浄部104で交互に洗浄する構成を例示する。図
4〜9は、第1固定機構体112が挟持し、洗浄部10
4において洗浄液の通液により洗浄されたピペット5b
を可動機構体11が受け取って新たな検体を分注に向か
うまでの各部の動作を示す。
【0027】まず、可動機構体11が第1固定機構体1
12に対向する位置において、制御プログラムに基づい
てボールねじ32を正回転させピペット5を挟持しない
可動機構体11を前進させる(図4)。コイルばね6に
付勢された閉塞位置にあるアーム1の先端1aは、挟持
位置にあるアーム2の摺動面2bに浅い角度で接触し、
アーム2の位置を変えずに摺動面2bを摺動する(図
5)。アーム2の角部2dを通過すると、先端1aが角
部2dとピペット5bとの間に割り込み、アーム2をア
ーム1の外側に押し出しながらアーム1の摺動面1bが
アーム2の挟持面2cに代わってこのピペット5bを押
圧する(図6)。ピペット5bは当たり面15dと面板
22に当接して静止する。このとき、アーム2の角部2
dはアーム1の外面を摺動しながらアーム1を内側に押
圧するので、摺動面1bとピペット5bとは線接触であ
っても双方のばね6の付勢力でピペット5bを押圧でき
る。
【0028】さらに、可動機構体11が前進すると、ア
ーム1は、先端1aがアーム2の挟持面2cに当接して
さらにアーム2を押し開きながら、摺動面1bを介して
ピペット5bの外周面上を移動しつつピペット5bの押
圧を続ける。摺動面1bがピペット5bを乗り越える
と、アーム1の挟持面1cがピペット5bの外周面に密
接した状態で面板21との間にピペット5bを押圧挟持
する(図7)。
【0029】次に、制御プログラムに基づいてボールね
じ32を逆回転させ、可動機構体11を後退させる(図
8)。アーム2は、その角部2dがアーム1の外面を摺
動して先端1aから離れ、コイルばね26の付勢力によ
り閉塞位置に戻る(図9)。ピペット5bを受け取った
可動機構体11は、試薬設置部102で所定量の試薬が
吸引され、検体設置部101で所定量の検体が吸引さ
れ、反応部103でこれらの検体及び試薬を吐出させ
る。
【0030】図10〜14は、反応部103での吐出動
作を行った後、可動機構体11が挟持するこの汚染され
たピペット5bを第1固定機構体112に受け取らせる
までの各部の動作を示す。まず、制御プログラムに基づ
いてボールねじ32を正回転させてピペット5bを挟持
した可動機構体本体11を前進させる。
【0031】コイルばね6の付勢により挟持位置にある
アーム1の摺動面1bは、閉塞位置にあるアーム2の先
端2aに対して浅い角度で接触し、先端2aはアーム1
の位置を変えずに摺動面1bを摺動する(図10)。ア
ーム1の角部1dが先端2aを通過すると、先端2aが
角部1dとピペット5bとの間に割り込み、アーム1を
アーム2の外側に押し出しながらアーム2の摺動面2b
がアーム1の挟持面1cに代わってこのピペット5bを
押圧する(図11)。このとき、アーム1の角部1dは
アーム2の外面を摺動しながらアーム2を内側に押圧す
るので、摺動面2bとピペット5bとは線接触であって
も双方のばね6の付勢力でピペット5bを押圧できる。
【0032】さらに、アーム1が接近すると、アーム2
は、その外面がアーム1を押し開き、続いて先端2aが
アーム1の挟持面1cに当接してさらにアーム1を押し
開きながら、摺動面2bを介してピペット5bの外周面
上を移動しつつピペット5bの押圧を続ける。摺動面2
bがピペット5bを乗り越えると、アーム2の挟持面2
cがピペット5bの外周面に密接した状態で面板22と
の間にピペット5bを押圧挟持する(図12)。
【0033】次に、制御プログラムに基づいてボールね
じ32を逆回転させ、可動機構体11を後退させる。こ
のとき、アーム1は、その角部1dがアーム2の外面を
摺動して先端2aから離れ、コイルばね26の付勢力に
より閉塞位置に戻る(図13及び14)。第1固定機構
体112がピペット5bを受け取ると、洗浄部104に
おいてピペット5bに洗浄液が所定時間通液されピペッ
ト5bが洗浄される。
【0034】可動機構体11がピペット5bを受け渡す
と、移動路122を駆動して可動機構体11が図1の矢
印a方向に移動し、可動機構体11が第2固定機構体1
13に対向する位置で停止される。次に、洗浄部104
において洗浄液の通液により予め洗浄されたピペット5
aを挟持した第2固定機構体113に向かって可動機構
体11を移動させる。可動機構体11が第2固定機構体
113に接近すると、前記同様に、可動機構体11が第
2固定機構体113からピペット5aを受け取って新た
な検体の分注に向かう。
【0035】上記のように、第2固定機構体113でピ
ペット5aを洗浄する間に、第1固定機構体112から
洗浄されたピペット5bを受け取り、所定の分注を行っ
た後、第1固定機構体112に使用後のピペット5bを
引き渡し、次に、第2固定機構体113で洗浄されたピ
ペットaを受け取り、所定の分注を行った後、第2固定
機構体113に使用後のピペット5aを引き渡し、再び
第1固定機構体112に移動することができる。したが
って、ピペット5a、5bの洗浄と、分注動作を並行し
て行えるので、ピペット5a、5bの洗浄によって分析
処理の効率が低下することがなく、ピペット5a、5b
の洗浄時間を充分に設定できる。
【0036】受渡し機構10は、コイルばね6で付勢さ
れ、閉塞位置、挟持位置及び開放位置とを取り得るそれ
ぞれのアーム1、2が、可動機構体11の進退動作のみ
に基づいてピペット5の着脱を行うので、アームを開閉
操作するためのアクチュエータを別途に設ける必要がな
く、制御系を含む構成全体を簡略化できる。
【0037】図15は、ピペット5の受渡し機構の他の
実施形態を示す。受渡し機構60では、各機構体のアー
ム61及びアーム62は、実質的に同形であって、概略
L字状の板ばね片で構成され、長体部の先端61a、6
2aは鋭角で折り曲げられて末端61d、62dがそれ
ぞれのアーム取り付け台14、15に向かって突出し、
短体部はそれぞれのアーム取り付け台14、15に固着
されている。これにより、先端61a、62a及び末端
61d、62dの間の摺動面61b、62bと、末端6
1d、62dによってピペット5が挟持される挟持面6
1c、62cとが形成される。
【0038】アーム61及びアーム62を有する機構体
どうしを対向して接近させると、ピペット5を挟持して
いないアーム61の先端61aがピペット5を挟持して
いるアーム62の摺動面62bに接しながら内側に入り
込み、アーム61にピペット5を受渡すことができる。
上記構成では、アーム61、62が板ばねからなるの
で、アーム自体の弾性力で基部11、112との間に物
品5を保持でき、前述の実施形態で示したようなコイル
ばね6を機構体との間に架け渡す構成が簡略化される。
【0039】
【発明の効果】この発明では、2つの挟持機構部の一方
に物品を挟持させ対向して接近させると、物品を挟持し
ていないアームの自由端が物品を挟持しているアームの
傾斜面に接しながら内側に入り込み、前記物品が他方の
挟持機構部の突出部と基部との間に挟持されて受渡され
る。したがって、この発明は、物品を挟持した状態と、
物品を挟持しない状態とにおけるアームの基部に対する
姿勢の変化を利用して、他方側の自由端を一方側の傾斜
面に接触できるようにするものであり、それによって挟
持機構部を対応する基部とともに移動させるだけで物品
の受渡しが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による物品受渡し機構
を備えた免疫凝集測定装置の斜視図。
【図2】図1の物品受渡し機構の平面図。
【図3】図2の正面図。
【図4】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部の
物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した図。
【図5】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部の
物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した図。
【図6】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部の
物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した図。
【図7】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部の
物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した図。
【図8】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部の
物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した図。
【図9】図1の物品受渡し機構により物品が他方の基部
に受け渡された状態を説明した図。
【図10】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部
の物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した
図。
【図11】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部
の物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した
図。
【図12】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部
の物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した
図。
【図13】図1の物品受渡し機構を駆動して一方の基部
の物品を他方の基部に受け渡す一連の工程を説明した
図。
【図14】図1の物品受渡し機構により物品が一方の基
部に受け渡された状態を説明した図。
【図15】この発明の物品受渡し機構におけるアームの
他の実施形態を示す、図2に対応する図。
【符号の説明】
1、2 アーム 1a、2a 先端 1b、2b 摺動面(傾斜面) 1d、2d 突出部 5 ピペット(物品) 10 物品受渡し機構 11 可動機構体(挟持機構部) 14、15 アーム取り付け台(基部) 112 第1固定機構体(挟持機構部) 113 第2固定機構体(挟持機構部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の基部と、これらの基部のそれぞれ
    に設けられ自由端側が開閉可能なアームと、これらのア
    ームと基部との間で物品を挟持すべくアームに設けられ
    た挟持機構部とからなり、 各挟持機構部は、アームの自由端の基部側の面に形成さ
    れ自由端の先端との間に傾斜面を有する突出部を備え、 前記挟持機構部どうしを対向して接近させると、物品を
    挟持していないアームの自由端が物品を挟持しているア
    ームの傾斜面に接しながら内側に入り込み、物品を挟持
    していないアームに前記物品を受渡し可能に構成された
    物品受渡し機構。
  2. 【請求項2】 アームは、物品を挟持していないとき
    に、自由端側が閉じるように構成されてなる請求項1に
    記載した物品受渡し機構。
  3. 【請求項3】 挟持機構部は、少なくとも1つが対応す
    る基部とともに移動可能に配設されてなる請求項1に記
    載した物品受渡し機構。
  4. 【請求項4】 物品が、液体分注用のピペットである請
    求項1に記載した物品受渡し機構。
JP14228597A 1997-05-30 1997-05-30 物品受渡し機構 Pending JPH10332710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14228597A JPH10332710A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 物品受渡し機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14228597A JPH10332710A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 物品受渡し機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10332710A true JPH10332710A (ja) 1998-12-18

Family

ID=15311823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14228597A Pending JPH10332710A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 物品受渡し機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10332710A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323507A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Thk Co Ltd マイクロアレイ作製装置及び方法
JP2008502907A (ja) * 2004-06-14 2008-01-31 パーカー・ハニフィン・コーポレーション 独立的に作動可能な取り外し型ツールを有するロボット式ハンドリングシステム及び方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323507A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Thk Co Ltd マイクロアレイ作製装置及び方法
JP2008502907A (ja) * 2004-06-14 2008-01-31 パーカー・ハニフィン・コーポレーション 独立的に作動可能な取り外し型ツールを有するロボット式ハンドリングシステム及び方法
JP4662987B2 (ja) * 2004-06-14 2011-03-30 パーカー・ハニフィン・コーポレーション 独立的に作動可能な取り外し型ツールを有するロボット式ハンドリングシステム及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6013124B2 (ja) 診断カセットを把持及び保持するための装置
JP3880658B2 (ja) 試料ラックおよびそれを移動させる装置並びに方法
JP2616360B2 (ja) 血液凝固分析装置
CN107045069A (zh) 一种特定蛋白分析仪反应杯装卸系统及其使用方法
CN105642386A (zh) 将试管重新定位在试管架中的装置
CN110646628A (zh) 用于免疫分析仪的反应杯抓放装置
CN111077331A (zh) 一种血栓弹力图仪样本盘
JPH10332710A (ja) 物品受渡し機構
CN112557395B (zh) 显示屏检测治具
JP2000061875A (ja) ロボットハンド
JPH11106018A (ja) 搬送機構
JP3331255B2 (ja) 自動分析装置の試験片反転機構
JP2731729B2 (ja) 剥離式キャップのつまみ部矯正装置と開栓システム
US20210278425A1 (en) Centering unit for diagnostic laboratory transporting compartment
JP2944580B2 (ja) 分注装置
JP2003028884A (ja) 保持装置及び吸引注入装置
JPH0989904A (ja) マイクロプレート移送機構
JP2000042969A (ja) 部品把持装置
JP3284196B2 (ja) 試料着脱装置およびそれを有する蛍光x線分析装置
JP2002368058A (ja) 表示用基板の搬送装置
JPS63286769A (ja) ラックを用いる連続自動分析装置及びラック移送装置
JPH0378583B2 (ja)
JPH078769U (ja) カセットサンプラー装置
JPH03245059A (ja) 多試料用自動試料注入装置
CN211877999U (zh) 用于免疫分析仪的反应杯抓放装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050809

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02