JPH10331167A - 法枠付階段金網植生工法およびこれに用いる階段金網ユニット - Google Patents
法枠付階段金網植生工法およびこれに用いる階段金網ユニットInfo
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- JPH10331167A JPH10331167A JP16051197A JP16051197A JPH10331167A JP H10331167 A JPH10331167 A JP H10331167A JP 16051197 A JP16051197 A JP 16051197A JP 16051197 A JP16051197 A JP 16051197A JP H10331167 A JPH10331167 A JP H10331167A
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- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】階段金網ユニットを用いて法面を緑化するとと
もに、その周囲に法枠を構築し法面の安定を図るに当た
り、法枠用型枠の設置・固定を容易化し効率的な法枠施
工を実現する。 【解決手段】階段状に折り曲げた金網の上下端部にそれ
ぞれ法枠用型枠8、8…を固定するための折曲げ係止部
2a,2gを有する階段金網ユニット1を用い、これを
法枠構築範囲分の離間を空けた状態で法面上に固定し、
次いで前記階段金網ユニット1の折曲げ係止部2a,2
gに対して横方向配置の法枠用型枠8を取り付けるとと
もに、前記階段金網ユニット1の側端部に対して縦方向
配置の法枠用型枠8を取り付け、かつ法枠構築範囲内の
所定位置に鉄筋を配置し、前記法枠構築範囲にモルタル
またはコンクリートを吹き付けて法枠を構築する。
もに、その周囲に法枠を構築し法面の安定を図るに当た
り、法枠用型枠の設置・固定を容易化し効率的な法枠施
工を実現する。 【解決手段】階段状に折り曲げた金網の上下端部にそれ
ぞれ法枠用型枠8、8…を固定するための折曲げ係止部
2a,2gを有する階段金網ユニット1を用い、これを
法枠構築範囲分の離間を空けた状態で法面上に固定し、
次いで前記階段金網ユニット1の折曲げ係止部2a,2
gに対して横方向配置の法枠用型枠8を取り付けるとと
もに、前記階段金網ユニット1の側端部に対して縦方向
配置の法枠用型枠8を取り付け、かつ法枠構築範囲内の
所定位置に鉄筋を配置し、前記法枠構築範囲にモルタル
またはコンクリートを吹き付けて法枠を構築する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法枠を一体的に施
工可能とした法枠付階段金網植生工法およびこれに用い
る階段金網ユニットに関する。
工可能とした法枠付階段金網植生工法およびこれに用い
る階段金網ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、切土、盛土法面や地山面を対
象とした緑化工法は、数多く提案されその成果を挙げて
きた。具体的に、現在採用されている緑化工法として
は、植生マット工、張芝工、植生筋工、種子散布工、客
土種子散布工などの方法があるが、これらの緑化工法は
専ら法面勾配が6分以下の土壌面を対象としてその緑化
を行うものがほとんどである。
象とした緑化工法は、数多く提案されその成果を挙げて
きた。具体的に、現在採用されている緑化工法として
は、植生マット工、張芝工、植生筋工、種子散布工、客
土種子散布工などの方法があるが、これらの緑化工法は
専ら法面勾配が6分以下の土壌面を対象としてその緑化
を行うものがほとんどである。
【0003】近年、自然生態系の保全、環境保全、景観
保全等の要求から急峻斜面や岩盤斜面を対象として緑化
を行うことが望まれている。このような要求に応えるも
のとして提案されているのが、階段金網を用いた植生工
である。この工法は、図9に示されるように、アルミニ
ウム合金溶融亜鉛メッキにより防食加工した階段状溶接
金網50と、乾燥防止用断熱材51およびポケット状の
土留めネット52からなる3段の階段状の階段ユニット
を主要部材として、これをアンカーピンによって法面に
固定し、その後に前記土留めネット内に成育基盤材(客
土)を充填し、草本、木本の植裁あるいは播種を行うも
のである。
保全等の要求から急峻斜面や岩盤斜面を対象として緑化
を行うことが望まれている。このような要求に応えるも
のとして提案されているのが、階段金網を用いた植生工
である。この工法は、図9に示されるように、アルミニ
ウム合金溶融亜鉛メッキにより防食加工した階段状溶接
金網50と、乾燥防止用断熱材51およびポケット状の
土留めネット52からなる3段の階段状の階段ユニット
を主要部材として、これをアンカーピンによって法面に
固定し、その後に前記土留めネット内に成育基盤材(客
土)を充填し、草本、木本の植裁あるいは播種を行うも
のである。
【0004】他方、近年、法面など傾斜面の安定化のた
めに法面に法枠を構築する、所謂フリーフレーム工法な
どの法枠工法も盛んに行われるようになってきた。この
フリーフレーム工法は、工場生産で予め組み立てた折り
畳み可能な金網ユニットを現場に搬入してこれをアンカ
ーピンによって法面上に敷設・固定し、鉄筋類を内部に
配置した後、これら両側の金網を型枠としながら吹き付
けモルタルまたはコンクリートを上部から吹き付けて法
枠を構築するものである。
めに法面に法枠を構築する、所謂フリーフレーム工法な
どの法枠工法も盛んに行われるようになってきた。この
フリーフレーム工法は、工場生産で予め組み立てた折り
畳み可能な金網ユニットを現場に搬入してこれをアンカ
ーピンによって法面上に敷設・固定し、鉄筋類を内部に
配置した後、これら両側の金網を型枠としながら吹き付
けモルタルまたはコンクリートを上部から吹き付けて法
枠を構築するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記フリーフレーム工
法は、地山の形状に沿って法枠を構築でき、確実に地山
の安定を図り得る点で他の工法より優れている。しかし
ながら、前記金網ユニットは作業員がアンカーピンによ
って法面に対して固定し、かつ作業員による人力によっ
てモルタルまたはコンクリートを吹き付けするものであ
り、急峻な法面を対象としては施工が非常に困難であ
る。また、法枠を構築し得たとしても、植生のために法
枠内に吹き付けられた育成基盤材が降雨や流下水によっ
て流亡してしまい、長期に亘って植生を維持することは
困難であった。一方で、育成基盤材の流亡防止のために
法枠内に土嚢を積んで植生を図る方法も行われている
が、土嚢が破けたり、沈下したり、養分が流出したりす
るため依然として植物の衰退は避けられなかった。
法は、地山の形状に沿って法枠を構築でき、確実に地山
の安定を図り得る点で他の工法より優れている。しかし
ながら、前記金網ユニットは作業員がアンカーピンによ
って法面に対して固定し、かつ作業員による人力によっ
てモルタルまたはコンクリートを吹き付けするものであ
り、急峻な法面を対象としては施工が非常に困難であ
る。また、法枠を構築し得たとしても、植生のために法
枠内に吹き付けられた育成基盤材が降雨や流下水によっ
て流亡してしまい、長期に亘って植生を維持することは
困難であった。一方で、育成基盤材の流亡防止のために
法枠内に土嚢を積んで植生を図る方法も行われている
が、土嚢が破けたり、沈下したり、養分が流出したりす
るため依然として植物の衰退は避けられなかった。
【0006】ところで、本出願人は、先の特開平5−3
02331号公報において、階段状に形成した植生ポケ
ットの周囲にコンクリートを吹き付けて法枠を形成する
ことにより、法面の植生と同時に法面の安定を図るよう
にした発明を提案した。階段植生工の他に周囲に法枠を
形成すれば、緑化と同時に法面の安定を図ることがで
き、より好ましいものとなるが、前記公報にて提案して
いる法枠構築方法は、法枠用型枠を使用しないでモルタ
ルまたはコンクリートの吹き付けのみで法枠を形成する
簡易なものに留まる。通常、所定の嵩高を有する法枠を
構築する場合には、金網を左右対で立設し、これを型枠
としてモルタル/コンクリートを吹き付けて法枠を構築
する必要がある。しかし、かかる場合において、前記法
枠用型枠をを別途アンカーピンで法面に固定していたの
では作業が非常に非効率となり作業の効率化が望めな
い。
02331号公報において、階段状に形成した植生ポケ
ットの周囲にコンクリートを吹き付けて法枠を形成する
ことにより、法面の植生と同時に法面の安定を図るよう
にした発明を提案した。階段植生工の他に周囲に法枠を
形成すれば、緑化と同時に法面の安定を図ることがで
き、より好ましいものとなるが、前記公報にて提案して
いる法枠構築方法は、法枠用型枠を使用しないでモルタ
ルまたはコンクリートの吹き付けのみで法枠を形成する
簡易なものに留まる。通常、所定の嵩高を有する法枠を
構築する場合には、金網を左右対で立設し、これを型枠
としてモルタル/コンクリートを吹き付けて法枠を構築
する必要がある。しかし、かかる場合において、前記法
枠用型枠をを別途アンカーピンで法面に固定していたの
では作業が非常に非効率となり作業の効率化が望めな
い。
【0007】そこで、本発明の主たる課題は、階段金網
ユニットを用いて法面を緑化するとともに、その周囲に
法枠を構築し法面の安定を図るに当たり、第1に法枠用
型枠の設置・固定を容易化し効率的な法枠施工を実現す
ること、第2に階段金網ユニットの形状に工夫を凝らす
ことによって植物によって法枠コンクリートが早い時期
に覆い隠されるようにすること等にある。
ユニットを用いて法面を緑化するとともに、その周囲に
法枠を構築し法面の安定を図るに当たり、第1に法枠用
型枠の設置・固定を容易化し効率的な法枠施工を実現す
ること、第2に階段金網ユニットの形状に工夫を凝らす
ことによって植物によって法枠コンクリートが早い時期
に覆い隠されるようにすること等にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の法枠付階段金網植生工法は、階段状に折り曲
げた金網の上下端部にそれぞれ法枠用型枠を固定するた
めの折曲げ係止部を有する階段金網ユニットを用い、こ
れを法枠構築範囲分の離間を空けた状態で法面上に固定
し、次いで、前記階段金網ユニットの折曲げ係止部に対
して横方向配置の法枠用型枠を取り付けるとともに、前
記階段金網ユニットの側端部に対して縦方向配置の法枠
用型枠を取り付け、かつ法枠構築範囲内の所定位置に鉄
筋を配置し、前記法枠構築範囲にモルタルまたはコンク
リートを吹き付けて法枠を構築することを特徴とするも
のである。
に本発明の法枠付階段金網植生工法は、階段状に折り曲
げた金網の上下端部にそれぞれ法枠用型枠を固定するた
めの折曲げ係止部を有する階段金網ユニットを用い、こ
れを法枠構築範囲分の離間を空けた状態で法面上に固定
し、次いで、前記階段金網ユニットの折曲げ係止部に対
して横方向配置の法枠用型枠を取り付けるとともに、前
記階段金網ユニットの側端部に対して縦方向配置の法枠
用型枠を取り付け、かつ法枠構築範囲内の所定位置に鉄
筋を配置し、前記法枠構築範囲にモルタルまたはコンク
リートを吹き付けて法枠を構築することを特徴とするも
のである。
【0009】また、縦方向配置の法枠用型枠を設置する
に当たっては、前記階段金網ユニットにおいて、水平方
向筋の一部または全部を最外端部の縦方向筋よりも外方
に突出させておき、縦方向配置の法枠用型枠および鉄筋
を前記突出筋を利用して固定するようにするのが望まし
い。さらに、塩害の影響を受けそうな地理的条件の場合
には、前記階段金網ユニットの蹴込み面にモルタルまた
はコンクリートを吹き付けて補強を行うこともできる。
に当たっては、前記階段金網ユニットにおいて、水平方
向筋の一部または全部を最外端部の縦方向筋よりも外方
に突出させておき、縦方向配置の法枠用型枠および鉄筋
を前記突出筋を利用して固定するようにするのが望まし
い。さらに、塩害の影響を受けそうな地理的条件の場合
には、前記階段金網ユニットの蹴込み面にモルタルまた
はコンクリートを吹き付けて補強を行うこともできる。
【0010】他方で、前記法枠付階段金網植生工法に用
いられる、本階段金網ユニットは、階段状に折り曲げた
金網の上下端部にそれぞれ法枠用型枠を固定するための
折曲げ係止部を有することを特徴とするものであり、ま
た好ましくは、水平方向筋の一部または全部を最外端部
の縦方向筋よりも外方に突出させて構成したものであ
る。
いられる、本階段金網ユニットは、階段状に折り曲げた
金網の上下端部にそれぞれ法枠用型枠を固定するための
折曲げ係止部を有することを特徴とするものであり、ま
た好ましくは、水平方向筋の一部または全部を最外端部
の縦方向筋よりも外方に突出させて構成したものであ
る。
【0011】さらに、水平配置の法枠の直下に植生面が
形成されるようにするために、前記階段金網ユニット
は、少なくとも上端部側において、上段階段の踏面奥端
部から略法面傾斜方向に沿って縦方向筋を延長してあ
り、かつこの縦方向筋の最上端部において外方に曲げ加
工して前記折曲げ係止部を形成してあることを特徴とす
るものである。
形成されるようにするために、前記階段金網ユニット
は、少なくとも上端部側において、上段階段の踏面奥端
部から略法面傾斜方向に沿って縦方向筋を延長してあ
り、かつこの縦方向筋の最上端部において外方に曲げ加
工して前記折曲げ係止部を形成してあることを特徴とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳述する。図1は本発明にかかる法枠
付階段金網植生工による法面横断面図であり、図2には
これに用いられる階段金網ユニットの側面図である。
て図面に基づいて詳述する。図1は本発明にかかる法枠
付階段金網植生工による法面横断面図であり、図2には
これに用いられる階段金網ユニットの側面図である。
【0013】本発明において使用される階段金網ユニッ
ト1は、図2に示されるように、縦方向筋2と横方向筋
3とを縦横格子状に組み合わせると同時に、縦方向に階
段状に折り曲げたもので、断面的に視ると、下側から順
に法枠用型枠を固定するための下部折曲げ係止部2a
と、第1蹴込み面2bと、第1踏面2cと、第2蹴込み
面2dと、第2踏面2eと、この第2踏面2eの奥端部
から略法面傾斜方向に沿って延在している斜方向延在部
2fと、法枠用型枠を固定するための上部折曲げ係止部
2gとを有する。
ト1は、図2に示されるように、縦方向筋2と横方向筋
3とを縦横格子状に組み合わせると同時に、縦方向に階
段状に折り曲げたもので、断面的に視ると、下側から順
に法枠用型枠を固定するための下部折曲げ係止部2a
と、第1蹴込み面2bと、第1踏面2cと、第2蹴込み
面2dと、第2踏面2eと、この第2踏面2eの奥端部
から略法面傾斜方向に沿って延在している斜方向延在部
2fと、法枠用型枠を固定するための上部折曲げ係止部
2gとを有する。
【0014】前記第1蹴上げ面2bと第2蹴上げ面2d
の内側には、それぞれポリエチレンシートなどからなる
断熱シート4および緑化基盤材あるいは客土を充填する
ためのポケット状の土留めネット5が予め、あるいは現
場で取り付けられる。なお、前記蹴込み段数や踏面段数
については任意であり、施工性や法枠寸法等の要素を適
宜考慮して決定すればよい。また、前記例では下部折曲
げ係止部2aの向きを内側方向に折り曲げるようにして
緑化基盤材の充填量をなるべく多くしているが、折曲げ
方向については、たとえば図8に示されるように外側方
向に折り曲げるようにしてもよい。なお、上側折曲げ係
止部2gについても同様に、図1の例とは反対の方向に
折り曲げるようにしてもよい。
の内側には、それぞれポリエチレンシートなどからなる
断熱シート4および緑化基盤材あるいは客土を充填する
ためのポケット状の土留めネット5が予め、あるいは現
場で取り付けられる。なお、前記蹴込み段数や踏面段数
については任意であり、施工性や法枠寸法等の要素を適
宜考慮して決定すればよい。また、前記例では下部折曲
げ係止部2aの向きを内側方向に折り曲げるようにして
緑化基盤材の充填量をなるべく多くしているが、折曲げ
方向については、たとえば図8に示されるように外側方
向に折り曲げるようにしてもよい。なお、上側折曲げ係
止部2gについても同様に、図1の例とは反対の方向に
折り曲げるようにしてもよい。
【0015】施工に当たっては、図1に示されるよう
に、法面hに対して前記階段金網ユニット1を、中間に
配置されるやや長めの主アンカー6と、上下端部側に配
置されるやや短めの補助アンカー7、7とにより設置・
固定する。前記階段金網ユニット1の配置は、図3に示
されるように、法枠構築範囲分の格子状離間20、21
…を空けた状態で法面上にたとえば桝配列で固定する。
前記格子状離間20、21…の離間幅は、通常の法枠幅
寸法に従い、概ね150〜400mmの幅内とされる。
に、法面hに対して前記階段金網ユニット1を、中間に
配置されるやや長めの主アンカー6と、上下端部側に配
置されるやや短めの補助アンカー7、7とにより設置・
固定する。前記階段金網ユニット1の配置は、図3に示
されるように、法枠構築範囲分の格子状離間20、21
…を空けた状態で法面上にたとえば桝配列で固定する。
前記格子状離間20、21…の離間幅は、通常の法枠幅
寸法に従い、概ね150〜400mmの幅内とされる。
【0016】階段金網ユニット1、1…の設置が完了し
たならば、次いで前記階段金網ユニット1を利用して、
すなわち階段金網ユニット1の上下端部に夫々形成され
た折曲げ係止部2a、2gに対して横方向配置の法枠用
型枠を固定する。
たならば、次いで前記階段金網ユニット1を利用して、
すなわち階段金網ユニット1の上下端部に夫々形成され
た折曲げ係止部2a、2gに対して横方向配置の法枠用
型枠を固定する。
【0017】法枠用型枠としては、図1に示されるよう
に、一般的なクリンプ金網、エキスパンドメタル、パン
チングメタル等の有孔板8、8を用いることもできる
し、設置や鉄筋の配置等が容易となるように加工された
溶接金網類を用いることもできる。たとえば、図4に示
される例は、上下2段に配筋用段部を形成するために縦
方向筋をF字状筋9a、9bとした法枠用型枠9、9の
例である。図示の例では、法枠用型枠9、9を法面hに
差し込むようにして固定しているが、固定方法について
は任意である。差し込みしない場合には、モルタル/コ
ンクリート吹付け時に少なくとも吹付け圧力に抵抗し得
る程度に堅固に固定するために、前記折曲げ係止部2
a,2bを長くして、少なくとも2箇所で括り固定する
ようにする。
に、一般的なクリンプ金網、エキスパンドメタル、パン
チングメタル等の有孔板8、8を用いることもできる
し、設置や鉄筋の配置等が容易となるように加工された
溶接金網類を用いることもできる。たとえば、図4に示
される例は、上下2段に配筋用段部を形成するために縦
方向筋をF字状筋9a、9bとした法枠用型枠9、9の
例である。図示の例では、法枠用型枠9、9を法面hに
差し込むようにして固定しているが、固定方法について
は任意である。差し込みしない場合には、モルタル/コ
ンクリート吹付け時に少なくとも吹付け圧力に抵抗し得
る程度に堅固に固定するために、前記折曲げ係止部2
a,2bを長くして、少なくとも2箇所で括り固定する
ようにする。
【0018】また、図5に示されるように、左右一対の
側枠11a,11aと、端部でヒンジ状に括止して連結
された上下2段のスペーサ部材11b,11cとからな
る、折り畳み可能な法枠用型枠ユニット11を用いるこ
とでもよい。かかる場合であっても、前記折曲げ係止部
2a,2bに対して番線等で括り付けるだけで堅固に固
定できるため作業の省力化が図れるようになる。
側枠11a,11aと、端部でヒンジ状に括止して連結
された上下2段のスペーサ部材11b,11cとからな
る、折り畳み可能な法枠用型枠ユニット11を用いるこ
とでもよい。かかる場合であっても、前記折曲げ係止部
2a,2bに対して番線等で括り付けるだけで堅固に固
定できるため作業の省力化が図れるようになる。
【0019】他方、縦方向配置の法枠用型枠の固定方法
は、図3に示されるように、階段金網ユニット1の水平
方向筋3の一部または全部を最外端部の縦方向筋よりも
外方に突出させておき(突出筋3a,3a…)、法枠用
型枠8・9・11を所定位置に沿わせた後、前記突出筋
3a,3a…を折り曲げて固定するようにする。
は、図3に示されるように、階段金網ユニット1の水平
方向筋3の一部または全部を最外端部の縦方向筋よりも
外方に突出させておき(突出筋3a,3a…)、法枠用
型枠8・9・11を所定位置に沿わせた後、前記突出筋
3a,3a…を折り曲げて固定するようにする。
【0020】法枠用型枠8、9、11の取付が完了した
ならば、次いで鉄筋10を法枠構築範囲内の所定の位置
に鉄筋10を配置する。配筋は、図6に示されるよう
に、補助アンカー13、13を用いて固定するようにし
てもよいし、あるいは図4に示される法枠用型枠9の場
合には、前記F字状筋9a、9bの段部に対して鉄筋1
0、10を括り付け固定することができる。さらに、図
5に示される法枠用型枠11の場合には、スペーサ部材
11b,11cの上に載置して番線等で括り付けるよう
にして固定する。一方、縦方向配置の鉄筋については、
前記突出筋3a,3aを利用して固定することができ
る。具体的には、所定位置の突出筋3a,3aを利用し
てその上に鉄筋を載置し番線等で括り付けて固定する。
また、法枠の交点位置にはたとえば長さ1〜2m程度の
主アンカー12を挿入して構築された法枠の固定を図る
ようにする。
ならば、次いで鉄筋10を法枠構築範囲内の所定の位置
に鉄筋10を配置する。配筋は、図6に示されるよう
に、補助アンカー13、13を用いて固定するようにし
てもよいし、あるいは図4に示される法枠用型枠9の場
合には、前記F字状筋9a、9bの段部に対して鉄筋1
0、10を括り付け固定することができる。さらに、図
5に示される法枠用型枠11の場合には、スペーサ部材
11b,11cの上に載置して番線等で括り付けるよう
にして固定する。一方、縦方向配置の鉄筋については、
前記突出筋3a,3aを利用して固定することができ
る。具体的には、所定位置の突出筋3a,3aを利用し
てその上に鉄筋を載置し番線等で括り付けて固定する。
また、法枠の交点位置にはたとえば長さ1〜2m程度の
主アンカー12を挿入して構築された法枠の固定を図る
ようにする。
【0021】他方、階段金網ユニット1の土留めシート
5に対しては、バーク堆肥等の堆肥系と木本ないし草本
植物の種子を配合した緑化基盤材を充填したり、あるい
は客土を行って木本ないし草本植物などの播種ないし苗
木の植裁を行う。なお、この作業はモルタル/コンクリ
ートの吹付けの前後のいづれに行ってもよいが、吹付け
のリバウンドによって緑化基盤材にモルタル/コンクリ
ートが混入しないように、あるいは土留めシート5内に
モルタル/コンクリートを溜め込まないように踏面2
c,2eには一時的に段ボールなどを被せて保護するよ
うにする。
5に対しては、バーク堆肥等の堆肥系と木本ないし草本
植物の種子を配合した緑化基盤材を充填したり、あるい
は客土を行って木本ないし草本植物などの播種ないし苗
木の植裁を行う。なお、この作業はモルタル/コンクリ
ートの吹付けの前後のいづれに行ってもよいが、吹付け
のリバウンドによって緑化基盤材にモルタル/コンクリ
ートが混入しないように、あるいは土留めシート5内に
モルタル/コンクリートを溜め込まないように踏面2
c,2eには一時的に段ボールなどを被せて保護するよ
うにする。
【0022】以上の作業がすべて完了したならば、法枠
用型枠8、9、11を成形用のガイドとしながらモルタ
ルまたはコンクリートを吹き付けて、図7に示されるよ
うに法枠N,N…を構築する。なお、潮風を受ける斜面
等の場合には、蹴込み面2b、2dの表面に対してもモ
ルタルまたはコンクリートを吹付けて金網の錆を防止す
るようにしてもよい。
用型枠8、9、11を成形用のガイドとしながらモルタ
ルまたはコンクリートを吹き付けて、図7に示されるよ
うに法枠N,N…を構築する。なお、潮風を受ける斜面
等の場合には、蹴込み面2b、2dの表面に対してもモ
ルタルまたはコンクリートを吹付けて金網の錆を防止す
るようにしてもよい。
【0023】他方、法枠構築状態の横断面図(図1)を
視れば判るように、本階段金網ユニット1は、上端部側
において、上段階段の踏面奥端部から略法面傾斜方向に
沿って縦方向筋(斜方向延在部)2fを延長してあり、
かつこの縦方向筋2fの最上端部において外方に曲げ加
工して前記折曲げ係止部2gを形成するようにしている
ため、法枠構築状態において、水平配置の法枠Nの直下
に植生面が形成されるようになり、比較的早い時期に法
枠が植物によって覆い隠されるように配慮されている。
さらに、水平法枠N,N…の上面は雨水等が円滑に流下
できるようにレベルまたは若干の垂れ勾配で形成されて
いる。
視れば判るように、本階段金網ユニット1は、上端部側
において、上段階段の踏面奥端部から略法面傾斜方向に
沿って縦方向筋(斜方向延在部)2fを延長してあり、
かつこの縦方向筋2fの最上端部において外方に曲げ加
工して前記折曲げ係止部2gを形成するようにしている
ため、法枠構築状態において、水平配置の法枠Nの直下
に植生面が形成されるようになり、比較的早い時期に法
枠が植物によって覆い隠されるように配慮されている。
さらに、水平法枠N,N…の上面は雨水等が円滑に流下
できるようにレベルまたは若干の垂れ勾配で形成されて
いる。
【0024】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、階段
金網ユニットの上下端部にそれぞれ型枠用金網を固定す
るための折曲げ係止部を有し、法枠用型枠が簡単に取付
けられるように配慮されているので取付け作業が容易で
済むようになる。また、階段金網ユニットの断面形状に
係り、特に上段階段の踏面奥端部から略法面傾斜方向に
沿って縦方向筋を延長し、かつこの縦方向筋の最上端部
において外方に曲げ加工して前記折曲げ係止部を形成し
てあるため、換言すれば、法枠構築状態において、水平
法枠の直下に植物が根付けされる踏面がくるように配慮
されているため無機的な法枠が比較的早い時期に覆い隠
されるようになる。
金網ユニットの上下端部にそれぞれ型枠用金網を固定す
るための折曲げ係止部を有し、法枠用型枠が簡単に取付
けられるように配慮されているので取付け作業が容易で
済むようになる。また、階段金網ユニットの断面形状に
係り、特に上段階段の踏面奥端部から略法面傾斜方向に
沿って縦方向筋を延長し、かつこの縦方向筋の最上端部
において外方に曲げ加工して前記折曲げ係止部を形成し
てあるため、換言すれば、法枠構築状態において、水平
法枠の直下に植物が根付けされる踏面がくるように配慮
されているため無機的な法枠が比較的早い時期に覆い隠
されるようになる。
【0025】他方、本法枠は階段金網ユニットとの組み
合わせにて施工されるものであるため、法枠用金網の設
置、アンカー設置やモルタル/コンクリート吹付けは、
階段金網ユニットの階段部分を足場として作業が行える
ため作業効率が良いとともに、安全かつ確実に作業を行
うことができる。また、法枠内の緑化基盤材や客土は階
段金網ユニット内に封入されているため降雨等による流
亡が防止されるようになる。
合わせにて施工されるものであるため、法枠用金網の設
置、アンカー設置やモルタル/コンクリート吹付けは、
階段金網ユニットの階段部分を足場として作業が行える
ため作業効率が良いとともに、安全かつ確実に作業を行
うことができる。また、法枠内の緑化基盤材や客土は階
段金網ユニット内に封入されているため降雨等による流
亡が防止されるようになる。
【図1】本発明にかかる法枠付階段金網植生工による法
面横断面図である。
面横断面図である。
【図2】階段金網ユニット1の側面図である。
【図3】法面に対する階段金網ユニット1、1…の配設
要領図である。
要領図である。
【図4】法枠用型枠の取付要領例図である。
【図5】他の法枠用型枠取付要領例図である。
【図6】吹付け前状態での法面平面図である。
【図7】法枠構築後の斜視図である。
【図8】階段金網ユニットの他例を示す側面図である。
【図9】従来の階段金網ユニットの斜視図である。
1…階段金網ユニット、2…縦方向筋、2a…下部折曲
げ係止部、2b…第1蹴込み面、2c…第1踏面、2d
…第2蹴込み面、2e…第2踏面、2f…斜方向延在
部、2g…上部折曲げ係止部、3…横方向筋、3a…突
出筋、4…断熱シート、5…土留めネット、6…主アン
カー、7…補助アンカー、8・9・11…法枠用型枠、
20・21…格子状離間,N…法枠
げ係止部、2b…第1蹴込み面、2c…第1踏面、2d
…第2蹴込み面、2e…第2踏面、2f…斜方向延在
部、2g…上部折曲げ係止部、3…横方向筋、3a…突
出筋、4…断熱シート、5…土留めネット、6…主アン
カー、7…補助アンカー、8・9・11…法枠用型枠、
20・21…格子状離間,N…法枠
Claims (6)
- 【請求項1】階段状に折り曲げた金網の上下端部にそれ
ぞれ法枠用型枠を固定するための折曲げ係止部を有する
階段金網ユニットを用い、これを法枠構築範囲分の離間
を空けた状態で法面上に固定し、 次いで、前記階段金網ユニットの折曲げ係止部に対して
横方向配置の法枠用型枠を取り付けるとともに、前記階
段金網ユニットの側端部に対して縦方向配置の法枠用型
枠を取り付け、かつ法枠構築範囲内の所定位置に鉄筋を
配置し、 前記法枠構築範囲にモルタルまたはコンクリートを吹き
付けて法枠を構築することを特徴とする法枠付階段金網
植生工法。 - 【請求項2】前記階段金網ユニットにおいて、水平方向
筋の一部または全部を最外端部の縦方向筋よりも外方に
突出させておき、縦方向配置の法枠用型枠および鉄筋を
前記突出筋を利用して固定するようにした請求項1記載
の法枠付階段金網植生工法。 - 【請求項3】前記階段金網ユニットの蹴込み面にモルタ
ルまたはコンクリートを吹き付けて補強を行う請求項
1、2記載の法枠付階段金網植生工法。 - 【請求項4】階段状に折り曲げた金網の上下端部にそれ
ぞれ法枠用型枠を固定するための折曲げ係止部を有する
ことを特徴とする請求項1〜3記載の法枠付階段金網植
生工法に用いられる階段金網ユニット - 【請求項5】水平方向筋の一部または全部を最外端部の
縦方向筋よりも外方に突出させてある請求項4記載の階
段金網ユニット。 - 【請求項6】前記階段金網ユニットは、少なくとも上端
部側において、上段階段の踏面奥端部から略法面傾斜方
向に沿って縦方向筋を延長し、かつこの縦方向筋の最上
端部において外方に曲げ加工して前記折曲げ係止部を形
成してある請求項4、5記載の階段金網ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16051197A JPH10331167A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 法枠付階段金網植生工法およびこれに用いる階段金網ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16051197A JPH10331167A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 法枠付階段金網植生工法およびこれに用いる階段金網ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331167A true JPH10331167A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15716537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16051197A Pending JPH10331167A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 法枠付階段金網植生工法およびこれに用いる階段金網ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10331167A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009040081A1 (de) * | 2007-09-24 | 2009-04-02 | Solarworld Ag | Stapelbares flachdach-/bodengestell für solarpaneele |
CN104314086A (zh) * | 2014-10-23 | 2015-01-28 | 深圳市东华园林绿化有限公司 | 高陡岩质边坡生态恢复结构及实施方法 |
-
1997
- 1997-06-03 JP JP16051197A patent/JPH10331167A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009040081A1 (de) * | 2007-09-24 | 2009-04-02 | Solarworld Ag | Stapelbares flachdach-/bodengestell für solarpaneele |
US8281524B2 (en) | 2007-09-24 | 2012-10-09 | Solarworld Ag | Stackable flat-roof/ground framework for solar panels |
CN104314086A (zh) * | 2014-10-23 | 2015-01-28 | 深圳市东华园林绿化有限公司 | 高陡岩质边坡生态恢复结构及实施方法 |
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