JPH10330249A - レチノール化合物含有hsp47合成抑制剤 - Google Patents

レチノール化合物含有hsp47合成抑制剤

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JPH10330249A
JPH10330249A JP9157890A JP15789097A JPH10330249A JP H10330249 A JPH10330249 A JP H10330249A JP 9157890 A JP9157890 A JP 9157890A JP 15789097 A JP15789097 A JP 15789097A JP H10330249 A JPH10330249 A JP H10330249A
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JP9157890A
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Masayoshi Morino
眞嘉 森野
Tomoko Tsuzuki
智子 都築
Yoichi Shobu
洋一 清輔
Chikao Yoshikumi
親雄 吉汲
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Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コラーゲン合成を抑制することによって、細
胞外マトリックス産生の亢進の病態を示す病気を治療す
ることができる、分子量47キロダルトンの熱ショック
タンパク質の合成抑制剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)又は式(II)で表され
る化合物(具体的には、例えば、ビタミンA)を有効成
分として含有する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レチノール化合物
を有効成分として含有する、分子量が47キロダルトン
(kD)の熱ショックタンパク質(以下、HSP47と
称する)の合成抑制剤に関する。本発明のHSP47合
成抑制剤は、特に、臓器内のコラーゲンの合成を抑制す
ることにより肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は
慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術後の瘢痕や熱傷
性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢
痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外
マトリックス(細胞外基質)産生亢進の病態を示す病気
の患者の生理学的状態を有効に改善させ、肝硬変、間質
性肺疾患、慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾
患)、心肥大、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の
後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、
又は関節リウマチなどの細胞外マトリックス産生亢進の
病態を示す病気を効果的に治療することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、コラーゲンなどの細胞外マトリッ
クスの産生の亢進の病態を示す病気が大きな問題となっ
ている。ここでいう細胞外マトリックス産生の亢進の病
態を示す病気とは、例えば肝硬変、間質性肺疾患、慢性
腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術後
の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイド
や肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチな
どを含む。
【0003】例えば、死亡者がわが国だけでも年間約2
万人にものぼるといわれている肝硬変は、肝臓が結合組
織の増殖のため固くなる病気の総称で、種々の慢性肝疾
患の終末像であるといわれ、肝全体にわたるびまん性の
肝線維症である。すなわち、炎症などの肝傷害が長期に
及ぶ慢性肝炎においては、線維芽細胞や伊東細胞などの
細胞外マトリックス(特にI型コラーゲン)産生の著し
い亢進を伴い肝臓は線維化する。肝の線維化が慢性的に
進行すると、ますます正常な肝再生は妨害され、肝細胞
に置き換わり、線維芽細胞とI型コラーゲンを主体とす
る細胞外マトリックスが肝組織のかなりの部分を占め、
多くの凝小葉からなる肝硬変に至る。肝硬変の進行に伴
い、線維隔壁が肝全体に進展し、その結果生じる血流の
異常は、肝実質細胞の変性を更に押し進める一因にもな
り、肝硬変における悪循環が続くことになり、更にはア
ルコール、ウイルス、自己免疫等種々の原因によって、
肝臓中に多量の膠質線維が生成され、肝細胞の壊死と機
能消失とが生じ、肝硬変患者は遂には死に至る。I型コ
ラーゲンは正常肝では全タンパク質量の約2%を占める
が、肝硬変となると10〜30%を占めるようになる。
【0004】また、間質性肺疾患は、肺胞及び肺胞管の
みならず、しばしば呼吸細気管支や終末気管支も巻き込
む下部気道の慢性炎症(肺胞炎 alveolitis)とその結果
である間質の線維化と肺胞内線維化を特徴とする疾患群
である。ここでいう間質性肺疾患とは、例えば、間質性
肺炎、肺線維症などのびまん性間質性肺疾患、特発性肺
線維症、透過性肺水腫、膠原病肺、サルコイドーシスな
どを含む。間質性肺疾患においては、線維化組織では細
胞外マトリックスの過剰な産生と蓄積が認められてい
る。すなわち、間質性肺疾患の肺線維化組織では、肥大
した間質に著明なI型及び III型コラーゲンの集積がみ
られており、特に III型コラーゲンは、線維化の早期に
肥厚した肺胞中隔に集積し、病期が進行し、後期にはI
型コラーゲンが増加し、主要なコラーゲンとなる。基底
膜は早期に破壊されており、肺胞腔側へのコラーゲン線
維の侵入が観察される。
【0005】また、慢性腎不全とは慢性腎炎症候群の結
果、腎機能の荒廃により体内の恒常性が維持できなくな
った状態である。慢性腎不全の進行を病理学的にみると
糸球体硬化と間質線維化の進行である。糸球体硬化症
は、メサンギウム領域を中心とした細胞外マトリックス
の増生である。メサンギウム硬化症の成分は正常と比較
し、著明にIV型コラーゲンなどの糸球体基底膜の成分が
増加し、また間質成分であるI型コラーゲンも硬化症部
位に一致して増生している。すなわち、慢性に経過する
糸球体硬化に対しては、細胞外マトリックスの産生亢進
が大きな要因である。ここで慢性腎不全に陥いる疾患と
は、例えばIgA腎症、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性
腎炎、糖尿病性腎症、慢性間質性腎炎、慢性糸球体腎炎
などを含む。
【0006】また、心筋細胞は高度に分化した細胞で、
分裂して増殖する能力を持ち合わせていない。したがっ
て、心臓に何らかの負荷が加わると、心筋細胞はその一
つ一つが肥大して収縮力を増大させ、心機能を保とうと
する。更に、負荷が長時間持続すると、虚血の要因を中
心に多彩な障害が蓄積され、負荷に対する代償機構に破
綻をきたし、心筋の収縮力は急激に低下し、心臓のポン
プ機能は損なわれて、心不全に陥いることが知られてお
り、心肥大は我が国における心不全の成因として最も大
きな部分を占めている。また、心肥大の形成は、心不全
発症の最大の危険因子になるばかりでなく、虚血性心疾
患や重篤な心室性不整脈の合併率が有意に高くなり、生
命予後を独立に規定する要因になっている。心肥大進展
時には個々の心筋細胞が著しく肥大するだけでなく、そ
の心筋細胞をしっかり束ねるために、間質の線維化が促
進され、細胞外マトリックスであるコラーゲンが増加す
る。また、心筋炎・心筋虚血などにより心筋細胞を失う
と、コラーゲンが生合成され間隙を置換する。間質の線
維化が過剰に進展すると、その結果、心筋は固くなり、
拡張が障害される。更に、筋小体機能も低下して心筋の
拡張期の弛緩も障害される。その他、術後の瘢痕や熱傷
性瘢痕、あるいは強皮症、動脈硬化等の細胞外マトリッ
クス産生亢進の病態を示す病気は、何らかの原因により
コラーゲン合成の異常亢進が起こり、線維化が進んで組
織の硬化変化を生ずることが主要な成因と考えられてい
る。
【0007】また、血管新生においても基底膜及び基底
膜中のコラーゲン合成が、重要な役割をはたすことが指
摘されている(Maragoudakis, E., Sarmonika, M., and
Panoutsacopoulous, M., "J. Pharmacol. Exp. The
r.", 244 : 729, 1988 ; Ingber, D. E., Madri, J.
A., and Folkman, J., "Endocrinology", 119 : 1768,
1986)。血管新生による疾患としては、例えば、糖尿病
性網膜症、後水晶体線維増殖症、角膜移植に伴う血管新
生、緑内症、眼腫瘍、トラコーマ、幹せん、化膿性肉芽
腫、血管腫、線維性血管腫、肥大性はん痕、肉芽、リュ
ーマチ性関節炎、浮腫性硬化症、アテローム性動脈硬化
症、各種腫瘍などが知られている。このようにコラーゲ
ンなどの細胞外マトリックスの産生の亢進の病態を示す
病気が大きな問題となっているにもかかわらず、従来で
は副作用や薬理効果等の種々の面で満足すべき細胞外マ
トリックス合成抑制剤(例えば、コラーゲン合成抑制
剤)は未だ開発されていなかったのである。
【0008】一方、熱ショックタンパク質(heat shock
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞を何らかのストレス、例えば熱、重金属、薬剤、ア
ミノ酸類似体、又は低酸素(低濃度酸素)などで刺激す
ることにより、細胞に発現される一群のタンパク質であ
る。熱ショックタンパク質は、自然界に普遍的に存在し
ており、細菌、酵母、植物、昆虫、及びヒトを含む高等
動物により産生される。HSPは、その種類は多種多様
であるが、分子量の大きさからHSP90ファミリー
(例えば、90kD又は110kDのHSPなど)、H
SP70ファミリー(例えば、70〜73kDのHSP
など)、HSP60ファミリー(例えば、57〜68k
DのHSPなど)、低分子HSPファミリー(例えば、
20kD、25〜28kD、又は47kDのHSPな
ど)の4ファミリーに大別することができる。なお、本
明細書においては、特定分子量を有するHSPを、HS
Pとその直後に記載する数字とによって示すものとし、
例えば、分子量47kDのHSPを『HSP47』と称
するものとする。以上のように、HSPには多くの種類
が存在するが、これらは分子量だけでなく、構造、機
能、又は性質などもそれぞれ異なるものである。ストレ
スへの応答に加えて、これらのタンパク質の中には構成
的に合成されるものがあり、正常な環境の下で、タンパ
ク質のフォールディング、アンフォールディング、タン
パク質サブユニットの会合、タンパク質の膜輸送のよう
な、必須の生理的な役割を演じていることが示されてい
る。熱ショックタンパク質としてのこれらの機能は、分
子シャペロンと称される。
【0009】HSP47は、永田等によって1986年
に発見されたタンパク質で、分子量47キロダルトンの
塩基性タンパク質(pI=9.0)である。HSP47
の発現が増大するにつれて、コラーゲンの合成も増加す
ることが様々な細胞で示されている("J. Biol. Che
m.", 261 : 7531, 1986 ; "Eur. J. Biochem.", 206 :
323, 1992 ; "J. Biol. Chem.", 265 : 992, 1990 ; "
J. Clin. Invest.", 94 :2481, 1994)。すなわち、H
SP47は、細胞内で小胞体内でのプロコラーゲンのプ
ロセシング、三重鎖ヘリックス形成、あるいは小胞体か
らゴルジ装置へのプロコラーゲン輸送・分泌という局面
で、コラーゲンの特異的分子シャペロンとして機能して
いるとされているので、増大したHSP47発現は、細
胞外マトリックスにおけるコラーゲン分子の蓄積を刺激
する。このようにコラーゲン結合熱ショックタンパク質
であるHSP47は、発現と同様に機能においても、細
胞外マトリックスタンパク質であるコラーゲンに密接に
関連した熱ショックタンパク質である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は慢
性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術後の瘢痕や熱傷性
瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、
強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外マト
リックス産生亢進の病態を示す病気の患者の生理学的状
態を有効に改善させ、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不
全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術後の瘢
痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥
厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの
細胞外マトリックス産生亢進の病態を示す病気を効果的
に治療することのできる、細胞外マトリックス合成抑制
剤を提供するために、種々検討を重ねてきた。
【0011】上記したように、肝硬変、間質性肺疾患、
慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、
術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロ
イドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマ
チなどの線維症は臓器内の細胞外マトリックスの著しく
増加した病態が主病変と理解されている。肝硬変、間質
性肺疾患、慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾
患)、心肥大、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の
後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、
又は関節リウマチなどの細胞外マトリックス産生亢進の
病態を示す病気に伴う線維化は、コラーゲン生合成増加
やコラーゲン分解能の低下により生ずると考えられてい
る。例えば、肝の線維化において、I型、 III型、IV型
コラーゲンの合成活性化が起こるが、特に主要成分であ
るI型コラーゲンの合成活性化が重要な意味をもつ。
【0012】こうした状況下で、本発明者らは、意外に
も、前記式(I)若しくは前記式(II)で表されるレチ
ノール化合物、又はその薬剤学的に許容される塩が、病
態を示す組織の細胞におけるHSP47の合成を特異的
に抑制することを見出した。すなわち、前記式(I)若
しくは前記式(II)で表されるレチノール化合物、又は
その薬剤学的に許容される塩を投与することにより、細
胞内でのHSP47の合成を抑制し、臓器内でのコラー
ゲン合成を抑制し、ひいては肝硬変、間質性肺疾患、慢
性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術
後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイ
ドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチ
などの細胞外マトリックス産生亢進の病態を示す病気の
治療が可能であることを見出したのである。本発明はこ
うした知見に基づくものであり、肝硬変、間質性肺疾
患、慢性腎不全(又は慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥
大、術後の瘢痕や熱傷性瘢痕、交通事故等の後に生じる
ケロイドや肥厚性瘢痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リ
ウマチなどの細胞外マトリックス産生の亢進の病態を示
す病気を効果的に治療することのできるHSP47合成
抑制剤であって、細胞内でのコラーゲンの成熟及び輸送
過程に重要な役割を果たしているコラーゲン特異的な分
子シャペロンであるHSP47の合成抑制剤を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式
(I):
【化36】 [式中、A1 及びA2 は、共に水素原子であるか、ある
いは、一緒になってC−C結合を形成するものとし、R
1 は、アルデヒド基、カルボキシル基、又は−CH2
a であり、Ra は、炭素数2〜100の飽和脂肪族ア
シル基、炭素数3〜100の不飽和脂肪族アシル基、式
(a):
【化37】 で表される基、又は水素原子であり、Rb は、水素原
子、又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキ
ル基であるか、あるいは、置換基として水酸基、カルボ
キシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メチルチオ
基、アミノ基、グアニジノ基、イミダゾリル基、フェニ
ル基、ヒドロキシフェニル基、インドリル基、式
(b):
【化38】 で表される基、及び式(c):
【化39】 で表される基からなる群から選んだ基1又はそれ以上で
置換されている直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4の
アルキル基であり、Rc 及びRd は、それぞれ独立し
て、水素原子又はアミノ保護基であるか、あるいは、R
b とRc とが一緒になって、トリメチレン基、又は水酸
基で置換されているトリメチレン基であって、Rd は水
素原子又はアミノ保護基であるものとする]で表される
化合物、若しくは式(II):
【化40】 [式中、A3 又はA5 のいずれか一方は、A4 と一緒に
なってC−C結合を形成し、残る一方は水素原子であ
り、R2 は、式(III):
【化41】 で表される基、又は式(IV):
【化42】 で表される基であり、A6 若しくはA8 のいずれか一方
は、A7 と一緒になってC−C結合を形成し、残る一方
は水素原子であり、R3 は水素原子若しくは水酸基であ
る]で表される化合物、又はその薬剤学的に許容するこ
とのできる塩を有効成分として含有することを特徴とす
る、分子量47キロダルトンの熱ショックタンパク質の
合成抑制剤に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の合成抑制剤は、有効成分として前記式
(I)若しくは前記式(II)で表されるレチノール化合
物、又はその薬剤学的に許容される塩を含有する。前記
式(I)において、Ra は、炭素数2〜100、好まし
くは炭素数2〜20の直鎖状若しくは分枝状の飽和脂肪
族アシル基、炭素数3〜100、好ましくは炭素数3〜
20の直鎖状若しくは分枝状の不飽和脂肪族アシル基、
前記式(a)で表される基、又は水素原子である。前記
不飽和脂肪族アシル基は、不飽和結合として二重結合又
は三重結合(特には二重結合)を含み、不飽和結合の数
は、好ましくは1〜50個、より好ましくは1〜10個
である。
【0015】前記式(a)で表されるアミノ酸残基に
は、L体及びD体の両方が含まれる。前記式(a)で表
されるアミノ酸残基は、好ましくはアラニン、バリン、
ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニ
ン、トリプトファン、プロリン、グリシン、セリン、ト
レオニン、システイン、シスチン、チロシン、アスパラ
ギン、グルタミン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリシン、ヒ
ドロキシプロリン、ノルロイシン、チロキシン、ヒドロ
キシグルタミン酸、若しくはオルニチン、又はそのα−
アミノ基がアミノ保護基で保護されているこれらのアミ
ノ酸から誘導することができ、より好ましくはタンパク
質構成アミノ酸、例えば、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、ト
リプトファン、プロリン、グリシン、セリン、トレオニ
ン、システイン、シスチン、チロシン、アスパラギン、
グルタミン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリシン、若しくは
ヒドロキシプロリン、又はそのα−アミノ基がアミノ保
護基で保護されているこれらのアミノ酸から誘導するこ
とができ、特に好ましくは疎水性アミノ酸、例えば、ア
ラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニ
ン、フェニルアラニン、若しくはトリプトファン、また
はそのα−アミノ基がアミノ保護基で保護されているこ
れらのアミノ酸から誘導することができる。前記アミノ
保護基は特に限定されるものではなく、公知のアミノ保
護基、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブト
キシカルボニル基、又はフタルイミド基などを挙げるこ
とができる。
【0016】前記式(I)で表されるレチノール化合物
としては、例えば、ビタミンA化合物群を挙げることが
でき、ビタミンA化合物群としては、例えば、ビタミン
A(vitamin A)[すなわち、レチノール(r
etinol)又は3,7−ジメチル−9−(2,6,
6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−
2,4,6,8−ノナテトラエン−1−オール[3,7
−dimethyl−9−(2,6,6−trimet
hyl−1−cyclohexen−1−yl)−2,
4,6,8−nonatetraen−1−ol]]
[なお、ビタミンAは、ビタミンA1 (vitamin
1 )又はビタミンAアルコール(vitamin
A alcohol)とも称されている]、ビタミンA
2 (vitamin A2 )[すなわち、3−デヒドロ
レチノール(3−dehydroretinol)又は
3,4−ジデヒドロレチノール(3,4−didehy
droretinol)]、ビタミンAアルデヒド(v
itamin A aldehyde)[すなわち、ビ
タミンA1 アルデヒド(vitamin A1 ald
ehyde)、レチナール(retinal)、又はレ
チネン(retinene)]、3−デヒドロレチナー
ル(3−dehydroretinal)、若しくはビ
タミンA酸(vitamin A acid)[すなわ
ち、レチノイン酸(retinoic acid)、
3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメチル−1
−シクロヘキセン−1−イル)−2,4,6,8−ノナ
テトラエン酸[3,7−dimethyl−9−(2,
6,6−trimethyl−1−cyclohexe
n−1−yl)−2,4,6,8−nonatetra
enoic acid]]、又はこれらの飽和若しくは
不飽和脂肪酸エステル、例えば、酢酸レチノール(re
tinol acetate)[すなわち、ビタミンA
酢酸エステル(vitamin A acetat
e)]若しくはパルミチン酸レチノール(retino
l palmitate)[すなわち、ビタミンAパル
ミチン酸エステル(vitamin A palmit
ate)]などを挙げることができる。
【0017】前記式(II)で表されるレチノール化合物
としては、例えば、カロチン化合物、例えば、α−カロ
チン[すなわち、α−カロテン(α−caroten
e)]、β−カロチン[すなわち、β−カロテン(β−
carotene)]、γ−カロチン[すなわち、γ−
カロテン(γ−carotene)]、δ−カロチン
[すなわち、δ−カロテン(δ−caroten
e)]、又はクリプトキサンチン(cryptoxan
thin)[すなわち、(3R)−β,β−carot
en−3−ol]などを挙げることができる。本発明の
合成抑制剤の有効成分としては、ビタミンA化合物群が
好ましく、ビタミンAがより好ましい。
【0018】前記式(I)又は前記式(II)で表される
レチノール化合物には、各種の立体異性体が含まれ、そ
れらの任意の純粋の立体異性体又はそれらの混合物を、
本発明の合成抑制剤の有効成分として用いることができ
る。
【0019】前記式(I)で表されるレチノール化合物
[例えば、R1 がカルボキシル基である前記式(I)で
表されるレチノール化合物]には塩が存在することがあ
り、前記式(I)で表されるレチノール化合物の薬剤学
的に許容される塩も、本発明の合成抑制剤の有効成分と
して使用することができる。前記の薬剤学的に許容され
る塩には、例えば、無機塩基又は有機塩基との塩が含ま
れる。前記無機塩基としては、例えば、アンモニア、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシ
ウム、アルミニウム等の水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸
塩等である。前記有機塩基との塩としては、例えば、モ
ノ−、ジ−、若しくはトリ−アルキルアミン塩(例え
ば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン
など)、ヒドロキシルアミン塩、グアニジン塩、N−メ
チルグルコサミン塩、又はアミノ酸塩等を挙げることが
できる。
【0020】生体内で、前記式(I)又は前記式(II)
で表されるレチノール化合物に容易に変換することので
きる誘導体、すなわち、プロドラッグも本発明の有効成
分として使用することができる。適当なプロドラッグの
選択及び製造に一般に用いられる方法は、例えば、「デ
ザインオブプロドラッグス」(H.バンガード編集、エ
ルセビア、1985年:”Design of Pro
drugs”,ed.H.Bundgaard,Els
evier,1985)に記載されている。
【0021】本発明の合成抑制剤に含有される前記式
(I)若しくは前記式(II)で表されるレチノール化合
物、又はその薬剤学的に許容される塩は、化学合成によ
って、又は天然物から抽出して精製することによって、
調製することができる。あるいは、市販品を用いてもよ
い。
【0022】本発明の合成抑制剤は、前記式(I)若し
くは前記式(II)で表されるレチノール化合物又はその
薬剤学的に許容される塩を、それ単独で、又は好ましく
は製剤学的若しくは獣医学的に許容することのできる通
常の担体と共に、動物、好ましくは哺乳動物(特にはヒ
ト)に投与することができる。投与剤型としては、特に
限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カ
プセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキ
ス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射剤、外用液
剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム、若しくは点眼
薬などの非経口剤を挙げることができる。これらの経口
剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱
粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニッ
ト、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリ
ビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、シ
ョ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシ
ウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、
無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形
剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進
剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化
剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、常法
に従って製造することができる。
【0023】例えば、ビタミンAを含有する軟カプセル
剤を製造する場合には、植物油又は合成油等にビタミン
Aを、必要に応じて加温しながら溶解し、常法に従って
製造したゼラチン、グリセリン、及び/又は防バイ剤等
を混合・溶融した皮膜用組成物を用いて、軟カプセル充
填機により軟カプセル剤を製造することができる。ま
た、硬カプセル剤を製造する場合には、例えば、ビタミ
ンAを加温し、軟質無水ケイ酸等の賦形剤に吸着し、必
要であれば更に結晶セルロース及び/又はコーンスター
チ等を加えて、混合・造粒の後に、篩過したものを、カ
プセル充填機を使用して、硬カプセルに充填することに
よって製造することができる。また、内服液剤を製造す
る場合には、例えば、ポリエチレン硬化ヒマシ油等の合
成界面活性剤、又はレシチン等の天然界面活性剤等を用
いて、常法により乳化又は可溶化することによって製造
することができる。
【0024】非経口投与方法としては、注射(皮下、静
脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなか
で、注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の
調製においては、有効成分としての前記式(I)若しく
は前記式(II)で表されるレチノール化合物又はその薬
剤学的に許容される塩の他に、例えば、生理食塩水若し
くはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸
エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナト
リウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、
懸濁化剤、又は乳化剤などを任意に用いることができ
る。また、本発明の合成抑制剤は、徐放性ポリマーなど
を用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例
えば、本発明の合成抑制剤をエチレンビニル酢酸ポリマ
ーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療すべ
き組織中に外科的に移植することができる。
【0025】本発明の合成抑制剤は、これに限定される
ものではないが、前記式(I)若しくは前記式(II)で
表されるレチノール化合物又はその薬剤学的に許容され
る塩を、0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜8
0重量%の量で含有することができる。本発明の合成抑
制剤を用いる場合の投与量は、病気の種類、患者の年
齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などにより
異なり、特に制限はないが、前記式(I)又は前記式
(II)で表されるレチノール化合物量として通常成人1
人当り1mg〜10g程度を、1日1〜4回程度にわけ
て、経口的に又は非経口的に投与する。更に、形態も医
薬品に限定されるものではなく、種々の形態、例えば、
機能性食品や健康食品として飲食物の形で与えることも
可能である。
【0026】
【作用】上記したように、本発明の合成抑制剤に含有さ
れる前記式(I)若しくは前記式(II)で表されるレチ
ノール化合物又はその薬剤学的に許容される塩は、細胞
内のHSP47合成を特異的に抑制する作用があるの
で、前記式(I)若しくは前記式(II)で表されるレチ
ノール化合物又はその薬剤学的に許容される塩を投与す
ると細胞内でのHSP47生合成が特異的に減少し、コ
ラーゲンの生合成が抑制される。その結果、細胞外マト
リックス産生も抑制されることになる。従って、前記式
(I)若しくは前記式(II)で表されるレチノール化合
物又はその薬剤学的に許容される塩は、コラーゲンの増
加を伴う細胞外マトリックス産生亢進の病態を示す病
気、例えば肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又は慢
性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術後の瘢痕や熱傷性
瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢痕、
強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの予防及び治
療に使用することができる。すなわち、本発明の合成抑
制剤は、コラーゲン特異的シャペロンであるHSP47
の合成を抑制することによりコラーゲンの合成を抑制す
る。
【0027】また、前記のように、血管新生において
も、基底膜及び基底膜中のコラーゲン合成が重要な役割
をはたすことが指摘されているので、本発明の合成抑制
剤は、血管新生の異常増殖に基づく多くの疾患の予防治
療薬として極めて有用であり、先に述べたような各疾
患、すなわち糖尿病性網膜症、後水晶体線維増殖症、角
膜移植に伴う血管新生、緑内症、眼腫瘍、トラコーマ、
乾せん、化膿性肉芽腫、血管腫、線維性血管腫、肥大性
はん痕、肉芽、リューマチ性関節炎、浮腫性硬化症、ア
テローム性動脈硬化症及び各種腫瘍などに用いることが
できる。更に、I型コラーゲンとフィブロネクチンを基
本骨格とする間質(interstitial stroma)が癌の転移に
おいて、離脱した癌細胞が近傍の脈管に侵入するまでの
ガイド役を果たすことが、明らかとなっているので〔"B
IOTHERAPY", 7 (8) : 1181, 1993〕、本発明の合成抑制
剤を投与することにより、癌の転移を抑制することも可
能である。
【0028】すなわち、本発明は、前記式(I)若しく
は前記式(II)で表されるレチノール化合物又はその薬
剤学的に許容される塩を有効成分として含有することを
特徴とする、肝硬変治療剤、間質性肺疾患治療剤、慢性
腎不全(又は慢性腎不全に陥る疾患)治療剤、心肥大治
療剤、又は癌転移抑制剤などにも関する。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:抗HSP47ポリクローナル抗体の作製 (1)抗HSP47ポリクローナル抗体の調製 ヒトHSP47のN末端から2〜16番目のアミノ酸配
列に対応するアミノ酸15個からなるペプチド〔以下、
ヒトHSP47ペプチド(2−16)と称する〕を自動
ペプチド合成装置(PSSM−8システム,島津製作
所)を用いて作製し、スクシニミジル4−(p−マレイ
ミドフェニル)ブチレート〔SMPB:Succinimidyl 4
-(p-maleimidophenyl)butyrate〕を架橋剤として用い、
常法("Biochemistry", 18:690, 1979)によりラクトグ
ロブリンと結合させ、感作抗原を作製した。この感作抗
原150μgを含むリン酸緩衝生理食塩水〔組成:KC
l=0.2g/l,KH2 PO4 =0.2g/l,Na
Cl=8g/l,Na2 HPO4 (無水)=1.15g
/l:以下PBS(−)と称する:コスモバイオ,カタ
ログ番号320-01〕0.2mlと、等量のフロイント完全
アジュバント(ヤトロン,カタログ番号RM606-1)とを混
和し、得られた混合液0.2mlを、ルーラット(6週
齢,雌性:日本クレア)の皮下に投与し、免疫した。同
様の方法で第2次及び第3次免疫を繰り返した後、アジ
ュバント(Hunter's TiterMax ; CytRx Corporation,米
国ジョージア州)を用いて6回免疫感作を行った。感作
動物より採血し、常法により血清を分離して採取し、以
下に示す酵素抗体法(ELISA法)及びウェスタンブ
ロット法によって血清中の抗体価を測定した。
【0030】(2)酵素抗体法(ELISA法)による
抗HSP47ポリクローナル抗体特性の評価 前項(1)で調製したヒトHSP47ペプチド(2−1
6)をPBS(−)に溶解し、10μg/mlの濃度の
ペプチド溶液を調製し、リジットアセイプレート(ファ
ルコン,カタログ番号3910)の各ウェルに前記ペプチド
溶液を50μlずつ滴下した。最も外側のウェルにはP
BS(−)50μlのみを入れ、湿潤下で4℃にて一晩
放置した後、前記ペプチド溶液を捨て、PBS(−)を
用いて各ウェルを洗浄した後、1%ウシ血清アルブミン
(以下、BSAと略称する)を含むPBS(−)100
μlを各ウェルに入れ、室温下で1時間放置した。PB
S(−)で3回洗浄した後、前項(1)で取得したルー
ラット血清50μlを各ウェルに入れ、1時間室温にて
放置した。PBS(−)で3回洗浄した後、各ウェルに
2次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗ラットIgG5
0μlを入れ、室温下で1時間放置した。PBS(−)
で2回洗浄した後、過酸化水素水4μlを加えた0.1
Mクエン酸バッファー(pH4.5)10mlにo−フ
ェニレンジアミン(OPD)タブレット(シグマ,カタ
ログ番号P8287)1個(10mg)を溶解して調製した基
質液100μlずつを各ウェルに滴下し、室温にて遮光
下で30分間放置した後、各ウェルの492nmの吸光
度をマイクロプレートリーダー(東ソー,MPR−A4
i型)にて測定した。抗体価の上昇が確認された血清を
抗ヒトHSP47ポリクローナル抗体として以下の実施
例に用いた。
【0031】(3)ウェスタンブロット法による抗HS
P47ポリクローナル抗体特性の評価 Laemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Nat
ure", 283 : pp. 249-256, 1970)を用いて、HeLa細
胞のライセートのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を、以下の方法に従って
行った。濃縮ゲルの調製は次のように行った。蒸留水
6.1ml、0.5Mトリス(バイオ・ラッド,カタロ
グ番号161-0716)−HCl(pH6.8)2.5ml、
10%SDS(バイオ・ラッド,カタログ番号161-030
1)100μl、及び30%アクリルアミド(バイオ・
ラッド,カタログ番号161-0101)/N,N’−メチレン
ビスアクリルアミド(バイオ・ラッド,カタログ番号16
1-0201)1.3mlを混合して、15分間脱気し、10
%過硫酸アンモニウム(バイオ・ラッド,カタログ番号
161-0700)50μl及びN,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミン(以下、TEMEDと略称する)
(バイオ・ラッド,カタログ番号161-0800)10μlを
加えて、濃縮ゲルを調製した。また、分離ゲルの調製は
次のように行った。蒸留水4.045ml、1.5Mト
リス−HCl(pH8.8)2.5ml、10%SDS
100μl、及び30%アクリルアミド/N,N’−メ
チレンビスアクリルアミド3.3mlをゆっくり混合し
て、15分間アスピレータで脱気し、10%過硫酸アン
モニウム50μl、及びTEMED5μlを加えた。泳
動バッファーとしては、トリス9.0g、グリシン(バ
イオ・ラッド,カタログ番号161-0717)43.2g、及
びSDS3.0gに蒸留水を加えて600mlにし、こ
れを蒸留水で5倍希釈したものを用いた。サンプルバッ
ファーは、蒸留水2ml、2Mトリス−HCl(pH
6.8)500μl、SDS0.32g、β−メルカプ
トエタノール800μl、及び0.05%(w/v)ブ
ロモフェノールブルー(バイオ・ラッド,カタログ番号
161-0404)400μlを混合したものを用いた。
【0032】5%二酸化炭素条件下で、37℃で、10
%非働化ウシ胎児血清(以下、FBSと略称する)を含
むMEM培地中でHeLa細胞を培養し、そのライセー
トを調製した。得られたHeLa細胞ライセートのSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、0.
45μmニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell,
カタログ番号401196)にゲルを密着させ、タンパク質転
写装置(Trans-Blot Electrophoretic Transfer Cell:
バイオ・ラッド)を用いて、室温にて100Vで、3時
間ブロッティングを行った。ブロッティングバッファー
としては0.025Mトリス及び0.192Mグリシン
よりなりpH8.5に調整されたトリスグリシンバッフ
ァー(Tris Gly Running and Blotting Buffer;Enprot
ech,米国マサチューセッツ州,カタログ番号SA100034)
にメチルアルコールを20%になるように加えて調製し
たバッファーを用いた。ブロッティング後、5%スキム
ミルク(雪印乳業)を含むPBS(−)溶液にニトロセ
ルロース膜を室温にて30分間浸し、ブロッキングを行
った。ブロッキング後、スクリーナーブロッター(サン
プラテック)を用いて、前項(1)で取得したルーラッ
ト血清を1次抗体として、1次抗体反応を行った。1次
抗体反応は、2%スキムミルク(雪印乳業)を含むPB
S(−)にて10倍希釈した前記ルーラット血清200
μlで、室温にて120分間行った。1次抗体反応終了
後、スロー・ロッキング・シェイカーを用いて、PBS
(−)で5分間の振盪を2回、0.1%Tween20
(バイオ・ラッド,カタログ番号170-6531)を含むPB
S(−)溶液で15分間の振盪を4回、更にPBS
(−)で5分間の振盪を2回行うことにより、ニトロセ
ルロース膜を洗浄した。洗浄終了後、ペルオキシダーゼ
標識ヤギ抗ラットIgG抗体(Southern Biotechnolog
y,カタログ番号3030-05)を、2%スキムミルクを含む
PBS(−)溶液で5000倍に希釈した溶液5mlを
用いて、2次抗体反応を2時間行った。反応終了後、P
BS(−)溶液、及び0.1%Tween20を含むP
BS(−)溶液で、1次抗体反応後の洗浄と同じ条件下
にてニトロセルロース膜の洗浄を行った。
【0033】余分なPBS(−)溶液を除去した後、ウ
ェスタンブロッティング検出試薬(ECL Western blotti
ng detection reagent;アマーシャム,カタログ番号RP
N2106)をニトロセルロース膜上に振りかけ、1分間室温
にて静置した後、余分な検出試薬を除去し、ニトロセル
ロース膜をラップに包み、反応面をX線フィルム(コダ
ック X-OMAT, AR,カタログ番号165 1454)に密着させて
露光させた。現像後、HSP47に相当する分子量47
キロダルトン付近のバンドを測定することによって、抗
HSP47ポリクローナル抗体の反応性の検討を行っ
た。抗体価の上昇が確認された血清を、抗ヒトHSP4
7ポリクローナル抗体として、以下の実施例に用いた。
【0034】実施例2:ヒト培養癌細胞のHSP発現量
の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 ヒト肺癌細胞株H69(ATCC HTB 119)、
ヒト胃癌細胞株KATO III (ATCC HTB 1
03)、及びヒト大腸癌細胞株COLO 205(AT
CC CCL 222)を、10%非働化FBSを含む
RPMI1640培地中で、5%二酸化炭素条件下で、
熱ショック処理時以外は、37℃で培養した。
【0035】(2)ビタミンA処理及び熱ショック処理 播種2日後の前記各種ヒト培養細胞の培地中に、最終濃
度20μMになるようにビタミンA(全トランスレチノ
ール;all trans retinol;シグマ,
カタログ番号R−7632)を添加し、24時間培養し
た。その後、45℃にて15分間熱ショック処理をして
から、37℃にて終夜培養した。対照試験は、ビタミン
Aを添加しないこと以外は前記と同様に実施した。
【0036】(3)ヒト培養癌細胞でのHSP発現量の
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞を
PBS(−)で洗浄した後、ライシスバッファー(ly
sis buffer)〔1.0%NP−40、0.1
5M塩化ナトリウム、50mMトリス−HCl(pH
8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エチルマレ
イミド、2mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、
2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペプスタチ
ン〕1mlを加え、氷上で20分間静置した。その後、
4℃で12000rpmにて、20分間、遠心を行っ
た。遠心後の上清10μlをPBS(−)790μlに
加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reagent Co
ncentrate : バイオラッド,カタログ番号500-0006)2
00μlを加えた。5分間、室温にて静置した後、59
5nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行った。タ
ンパク質定量を行った試料を用いて、Laemmliの
バッファー系にて、等量のタンパク質を含むライセート
のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。電
気泳動後、実施例1で述べた方法に従って、ブロッティ
ング及びそれに続くブロッキングを行った。すなわち、
タンパク質転写装置(Trans-Blot Electrophoretic Tra
nsfer Cell:バイオ・ラッド)を用いて、室温にて10
0Vにて、0.45μmニトロセルロース膜(Schleich
er & Schuell,カタログ番号401196)にゲルを密着さ
せ、3時間ブロッティングを行った。ブロッティングバ
ッファーとしては、前記実施例1(3)で用いたバッフ
ァーと同じものを用いた。ブロッティング後、ニトロセ
ルロース膜を10%スキムミルク(雪印乳業)−PBS
(−)溶液に室温にて30分間、インキュベートし非特
異的結合をブロックした。
【0037】ブロッキング後、ニトロセルロース膜の上
で、実施例1で製造した抗ヒトHSP47ラットポリク
ローナル抗体により、1次抗体反応を行った。その後、
PBS(−)で5分間ずつ、溶液を取り替えて2回の洗
浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって行い、更
にPBS(−)−0.1%Tween20(バイオ・ラ
ッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間ずつ、溶
液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的に、PBS
(−)で5分間ずつ、2回の洗浄を行った。洗浄終了
後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ラットIgG抗体(So
uthern Biotechnology,カタログ番号3030-05)を、2%
スキムミルクを含むPBS(−)溶液で5000倍に希
釈して調製した抗体溶液5mlを用いて、2時間、2次
抗体反応を行った。反応終了後、ニトロセルロース膜に
関して、PBS(−)溶液で5分間ずつ溶液を変えて2
回、更にPBS(−)−0.1%Tween20溶液で
15分間ずつ溶液を変えて5回の洗浄をスロー・ロッキ
ング・シェイカーにより行った。最後にPBS(−)溶
液で5分間ずつ2回の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Westernblotting detection reagent;Ame
rsham,カタログ番号RPN2106)をニトロセルロース膜上
に振りかけ、1分間インキュベートした後、余分な検出
試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包み、反
応面をX線フィルム(コダック X-OMAT,AR,カタログ番
号165 1454)に密着させて露光し、現像してHSP47
の有無の検討を行った。結果を表1に示す。表中、
「↓」は、対照に比べて、ビタミンA処理によりHSP
47発現量が有意に減少したことを意味する。
【0038】
【表1】癌種 癌細胞 HSP47発現量 肺癌 H69 ↓ 胃癌 KATO III ↓大腸癌 COLO 205 ↓
【0039】対照試験、すなわち、ビタミンAを添加し
なかった細胞では、ヒト肺癌細胞株H69、ヒト胃癌細
胞株KATO III 、及びヒト大腸癌細胞株COLO
205において、分子量約47kDのバンドが一本検出
された。なお、分子量は、分子量マーカー(ウシカーボ
ニックアンヒドラーゼ、卵白オバルブミン、及びウシ血
清アルブミン)により決定した。表1に示すように、ビ
タミンAを添加したヒト肺癌細胞株H69、ヒト胃癌細
胞株KATO III 、及びヒト大腸癌細胞株COLO
205では、対照試験に比べて分子量約47kDのバン
ドの濃度が有意に薄くなった。すなわち、ビタミンA
は、HSP47の発現を抑制する合成抑制剤の活性を有
するものと結論づけられ、この事実は、ビタミンAが細
胞外マトリックス産生の亢進に抑制的に働くことを示し
ている。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の合成抑制
剤は、例えば、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全(又
は慢性腎不全に陥いる疾患)、心肥大、術後の瘢痕や熱
傷性瘢痕、交通事故等の後に生じるケロイドや肥厚性瘢
痕、強皮症、動脈硬化、又は関節リウマチなどの細胞外
マトリックス産生の亢進の病態を示す病気に罹患した細
胞にみられるコラーゲン合成亢進を改善する作用を有す
る。従って、本発明による合成抑制剤を投与することに
より、臓器、組織の線維化、硬化が阻止され、その結
果、前記病気の患者の生理学的状態を有効に改善させ、
前記病気を効果的に治療することができる。また、本発
明の合成抑制剤は、血管新生の異常増殖を伴う各種疾患
の予防治療にも有用である。更に、I型コラーゲンとフ
ィブロネクチンを基本骨格とする間質が、癌の転移にお
いて離脱した癌細胞が近傍の脈管に侵入するまでのガイ
ド役を果たすことが、明らかとなっているので、本発明
の合成抑制剤を投与することにより、癌の転移を抑制す
ることも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/20 AGZ A61K 31/20 AGZ 31/23 ADF 31/23 ADF

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、A1 及びA2 は、共に水素原子であるか、ある
    いは、一緒になってC−C結合を形成するものとし、R
    1 は、アルデヒド基、カルボキシル基、又は−CH2
    a であり、Ra は、炭素数2〜100の飽和脂肪族ア
    シル基、炭素数3〜100の不飽和脂肪族アシル基、式
    (a): 【化2】 で表される基、又は水素原子であり、Rb は、水素原
    子、又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキ
    ル基であるか、あるいは、置換基として水酸基、カルボ
    キシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メチルチオ
    基、アミノ基、グアニジノ基、イミダゾリル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシフェニル基、インドリル基、式
    (b): 【化3】 で表される基、及び式(c): 【化4】 で表される基からなる群から選んだ基1又はそれ以上で
    置換されている直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4の
    アルキル基であり、Rc 及びRd は、それぞれ独立し
    て、水素原子又はアミノ保護基であるか、あるいは、R
    b とRc とが一緒になって、トリメチレン基、又は水酸
    基で置換されているトリメチレン基であって、Rd は水
    素原子又はアミノ保護基であるものとする]で表される
    化合物、若しくは式(II): 【化5】 [式中、A3 又はA5 のいずれか一方は、A4 と一緒に
    なってC−C結合を形成し、残る一方は水素原子であ
    り、R2 は、式(III): 【化6】 で表される基、又は式(IV): 【化7】 で表される基であり、A6 若しくはA8 のいずれか一方
    は、A7 と一緒になってC−C結合を形成し、残る一方
    は水素原子であり、R3 は水素原子若しくは水酸基であ
    る]で表される化合物、又はその薬剤学的に許容するこ
    とのできる塩を有効成分として含有することを特徴とす
    る、分子量47キロダルトンの熱ショックタンパク質の
    合成抑制剤。
  2. 【請求項2】 式(I)で表される化合物がビタミンA
    化合物群である、請求項1に記載の分子量47キロダル
    トンの熱ショックタンパク質の合成抑制剤。
  3. 【請求項3】 前記ビタミンA化合物群がビタミンAで
    ある、請求項2に記載の分子量47キロダルトンの熱シ
    ョックタンパク質の合成抑制剤。
  4. 【請求項4】 式(I): 【化8】 [式中、A1 及びA2 は、共に水素原子であるか、ある
    いは、一緒になってC−C結合を形成するものとし、R
    1 は、アルデヒド基、カルボキシル基、又は−CH2
    a であり、Ra は、炭素数2〜100の飽和脂肪族ア
    シル基、炭素数3〜100の不飽和脂肪族アシル基、式
    (a): 【化9】 で表される基、又は水素原子であり、Rb は、水素原
    子、又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキ
    ル基であるか、あるいは、置換基として水酸基、カルボ
    キシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メチルチオ
    基、アミノ基、グアニジノ基、イミダゾリル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシフェニル基、インドリル基、式
    (b): 【化10】 で表される基、及び式(c): 【化11】 で表される基からなる群から選んだ基1又はそれ以上で
    置換されている直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4の
    アルキル基であり、Rc 及びRd は、それぞれ独立し
    て、水素原子又はアミノ保護基であるか、あるいは、R
    b とRc とが一緒になって、トリメチレン基、又は水酸
    基で置換されているトリメチレン基であって、Rd は水
    素原子又はアミノ保護基であるものとする]で表される
    化合物、若しくは式(II): 【化12】 [式中、A3 又はA5 のいずれか一方は、A4 と一緒に
    なってC−C結合を形成し、残る一方は水素原子であ
    り、R2 は、式(III): 【化13】 で表される基、又は式(IV): 【化14】 で表される基であり、A6 若しくはA8 のいずれか一方
    は、A7 と一緒になってC−C結合を形成し、残る一方
    は水素原子であり、R3 は水素原子若しくは水酸基であ
    る]で表される化合物、又はその薬剤学的に許容される
    塩を有効成分として含有することを特徴とする、細胞外
    マトリックス産生の亢進の病態を示す病気の治療又は予
    防剤。
  5. 【請求項5】細胞外マトリックス産生の亢進の病態を示
    す病気が、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全、又は心
    肥大である、請求項4に記載の治療又は予防剤。
  6. 【請求項6】 式(I): 【化15】 [式中、A1 及びA2 は、共に水素原子であるか、ある
    いは、一緒になってC−C結合を形成するものとし、R
    1 は、アルデヒド基、カルボキシル基、又は−CH2
    a であり、Ra は、炭素数2〜100の飽和脂肪族ア
    シル基、炭素数3〜100の不飽和脂肪族アシル基、式
    (a): 【化16】 で表される基、又は水素原子であり、Rb は、水素原
    子、又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキ
    ル基であるか、あるいは、置換基として水酸基、カルボ
    キシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メチルチオ
    基、アミノ基、グアニジノ基、イミダゾリル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシフェニル基、インドリル基、式
    (b): 【化17】 で表される基、及び式(c): 【化18】 で表される基からなる群から選んだ基1又はそれ以上で
    置換されている直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4の
    アルキル基であり、Rc 及びRd は、それぞれ独立し
    て、水素原子又はアミノ保護基であるか、あるいは、R
    b とRc とが一緒になって、トリメチレン基、又は水酸
    基で置換されているトリメチレン基であって、Rd は水
    素原子又はアミノ保護基であるものとする]で表される
    化合物、若しくは式(II): 【化19】 [式中、A3 又はA5 のいずれか一方は、A4 と一緒に
    なってC−C結合を形成し、残る一方は水素原子であ
    り、R2 は、式(III): 【化20】 で表される基、又は式(IV): 【化21】 で表される基であり、A6 若しくはA8 のいずれか一方
    は、A7 と一緒になってC−C結合を形成し、残る一方
    は水素原子であり、R3 は水素原子若しくは水酸基であ
    る]で表される化合物、又はその薬剤学的に許容される
    塩を有効成分として含有することを特徴とする、細胞外
    マトリックス産生の亢進の病態を示す病気の治療又は予
    防用機能性食品。
  7. 【請求項7】細胞外マトリックス産生の亢進の病態を示
    す病気が、肝硬変、間質性肺疾患、慢性腎不全、又は心
    肥大である、請求項6に記載の治療又は予防用機能性食
    品。
  8. 【請求項8】 式(I): 【化22】 [式中、A1 及びA2 は、共に水素原子であるか、ある
    いは、一緒になってC−C結合を形成するものとし、R
    1 は、アルデヒド基、カルボキシル基、又は−CH2
    a であり、Ra は、炭素数2〜100の飽和脂肪族ア
    シル基、炭素数3〜100の不飽和脂肪族アシル基、式
    (a): 【化23】 で表される基、又は水素原子であり、Rb は、水素原
    子、又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキ
    ル基であるか、あるいは、置換基として水酸基、カルボ
    キシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メチルチオ
    基、アミノ基、グアニジノ基、イミダゾリル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシフェニル基、インドリル基、式
    (b): 【化24】 で表される基、及び式(c): 【化25】 で表される基からなる群から選んだ基1又はそれ以上で
    置換されている直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4の
    アルキル基であり、Rc 及びRd は、それぞれ独立し
    て、水素原子又はアミノ保護基であるか、あるいは、R
    b とRc とが一緒になって、トリメチレン基、又は水酸
    基で置換されているトリメチレン基であって、Rd は水
    素原子又はアミノ保護基であるものとする]で表される
    化合物、若しくは式(II): 【化26】 [式中、A3 又はA5 のいずれか一方は、A4 と一緒に
    なってC−C結合を形成し、残る一方は水素原子であ
    り、R2 は、式(III): 【化27】 で表される基、又は式(IV): 【化28】 で表される基であり、A6 若しくはA8 のいずれか一方
    は、A7 と一緒になってC−C結合を形成し、残る一方
    は水素原子であり、R3 は水素原子若しくは水酸基であ
    る]で表される化合物、又はその薬剤学的に許容される
    塩を有効成分として含有することを特徴とする、癌転移
    の抑制剤。
  9. 【請求項9】 式(I): 【化29】 [式中、A1 及びA2 は、共に水素原子であるか、ある
    いは、一緒になってC−C結合を形成するものとし、R
    1 は、アルデヒド基、カルボキシル基、又は−CH2
    a であり、Ra は、炭素数2〜100の飽和脂肪族ア
    シル基、炭素数3〜100の不飽和脂肪族アシル基、式
    (a): 【化30】 で表される基、又は水素原子であり、Rb は、水素原
    子、又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキ
    ル基であるか、あるいは、置換基として水酸基、カルボ
    キシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メチルチオ
    基、アミノ基、グアニジノ基、イミダゾリル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシフェニル基、インドリル基、式
    (b): 【化31】 で表される基、及び式(c): 【化32】 で表される基からなる群から選んだ基1又はそれ以上で
    置換されている直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4の
    アルキル基であり、Rc 及びRd は、それぞれ独立し
    て、水素原子又はアミノ保護基であるか、あるいは、R
    b とRc とが一緒になって、トリメチレン基、又は水酸
    基で置換されているトリメチレン基であって、Rd は水
    素原子又はアミノ保護基であるものとする]で表される
    化合物、若しくは式(II): 【化33】 [式中、A3 又はA5 のいずれか一方は、A4 と一緒に
    なってC−C結合を形成し、残る一方は水素原子であ
    り、R2 は、式(III): 【化34】 で表される基、又は式(IV): 【化35】 で表される基であり、A6 若しくはA8 のいずれか一方
    は、A7 と一緒になってC−C結合を形成し、残る一方
    は水素原子であり、R3 は水素原子若しくは水酸基であ
    る]で表される化合物、又はその薬剤学的に許容される
    塩を有効成分として含有することを特徴とする、癌転移
    の抑制用機能性食品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002098405A1 (fr) * 2001-06-05 2002-12-12 Ajinomoto Co., Inc. Inhibiteurs de fibrose du foie
WO2003007927A1 (fr) * 2001-07-12 2003-01-30 Yamatsu, Isao Inhibiteurs de synthese et de fonction pour proteines de choc thermique

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