JP6831128B2 - 高血圧症の予防又は治療用医薬 - Google Patents

高血圧症の予防又は治療用医薬 Download PDF

Info

Publication number
JP6831128B2
JP6831128B2 JP2019143759A JP2019143759A JP6831128B2 JP 6831128 B2 JP6831128 B2 JP 6831128B2 JP 2019143759 A JP2019143759 A JP 2019143759A JP 2019143759 A JP2019143759 A JP 2019143759A JP 6831128 B2 JP6831128 B2 JP 6831128B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angiotensin
dppiii
amino acid
protein
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2019143759A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020005642A (ja
Inventor
久和 扇田
久和 扇田
宗一 栗田
宗一 栗田
暁玲 逢
暁玲 逢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiga University of Medical Science NUC
Original Assignee
Shiga University of Medical Science NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiga University of Medical Science NUC filed Critical Shiga University of Medical Science NUC
Priority to JP2019143759A priority Critical patent/JP6831128B2/ja
Publication of JP2020005642A publication Critical patent/JP2020005642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6831128B2 publication Critical patent/JP6831128B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIII、並びにこれを含有する高血圧症の予防又
は治療用医薬、及び血圧降下用医薬に関する。
日本において、高血圧症の患者数は3000万人ともいわれており、その数は糖尿病(
1000万人)や脂質異常症(1500万人)等の患者数が比較的多い他の疾患と比べて
非常に多い。高血圧症治療用医薬としては、現在のところ、カルシウム拮抗薬、アンジオ
テンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬等、血圧調整に関
わる種々の経路を標的とする医薬が知られている。例えば、アンジオテンシンIIは、遠
位尿細管におけるNa、Cl、及び水の再吸収を促進し、且つ血管を収縮させること
によって血圧上昇を引き起こすところ、アンジオテンシン変換酵素阻害薬はアンジオテン
シンIIの生成を抑制することによって血圧降下作用を発揮する。また、アンジオテンシ
ンII受容体拮抗薬は、アンジオテンシンIIの受容体への結合をブロックすることによ
って血圧降下作用を発揮する。
しかし、現状では、異なる経路を標的とする複数の治療薬を投与しても、血圧のコント
ロールを十分にできない患者が存在する。このため、新たな経路を標的とする高血圧症治
療用医薬の開発の必要性がある。
一方、ジペプチジルペプチダーゼIII(Dipeptidyl peptidase III)は、分子量約8
0kDaのタンパク質である。このタンパク質は、エキソアミノペプチダーゼの一種で、
3〜10アミノ酸程度からなるペプチドを、N末端から2アミノ酸ずつ切断していく酵素
であり、その配列特異性は比較的低い。生体内においては、タンパク質ターンオーバー、
痛覚の調節、酸化ストレス等に関わっているといわれている(非特許文献1)。また、主
に細胞質に存在する酵素であり、このため生体内においては、血清中に存在するアンジオ
テンシンIIの制御に関わっている可能性は低いと考えられる。
Prajapati SC, Chauhan SS. Dipeptidyl peptidase III: a multifaceted oligopeptide N-end cutter. FEBS J. 2011; 278: 3256-3276.
本発明は、従来とは異なる経路を標的とする、高血圧症の予防又は治療用医薬を提供す
ることを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、ジペプチジルペプチダーゼIIIタ
ンパク質が血圧降下作用を有することを見出した。この血圧降下作用は、アンジオテンシ
ンIIの分解に依ると考えられる。このため、ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク
質は従来とは異なる経路を標的とするものである。さらに、ジペプチジルペプチダーゼI
IIの中でもC末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質は、より効率的に
製造可能であり、血圧降下作用がより高く、その作用がより長時間持続し、且つ生体内で
の安定性がより高いことを見出した。これらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、
本発明が完成した。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を含有する、高血圧症の予防又は
治療用医薬。
項2. 前記ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質が、下記(a)に記載するタ
ンパク質及び下記(b)に記載するタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種
である、項1に記載の予防又は治療用医薬:
(a)配列番号1〜8のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、及び
(b)配列番号1〜8のいずれかに示されるアミノ酸配列と85%以上の同一性を有
するアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク質。
項3. 前記ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質が、C末端欠失型ジペプチジ
ルペプチダーゼIIIタンパク質である、項1又は2に記載の予防又は治療用医薬。
項4. 前記C末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質が、下記(c)
に記載するタンパク質及び下記(d)に記載するタンパク質からなる群より選択される少
なくとも1種である、項3に記載の予防又は治療用医薬:
(c)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
、及び
(d)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列と85%以上の同一
性を有するアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク
質。
項5. ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を含有する、血圧降下用医薬。
項6. 下記(c)又は(d)に記載する、C末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼI
IIタンパク質:
(c)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
、及び
(d)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列と85%以上の同一
性を有するアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク
質。
本発明によれば、ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を有効成分として用いる
ことによって、高血圧症の予防又は治療用医薬を提供することができる。本発明の医薬は
従来とは異なる経路を標的としているので、これを用いれば、従来の治療薬では予防又は
治療効果が不十分であった高血圧症患者を、より有効に予防又は治療できる可能性がある
。また、C末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を用いれば、より高い
血圧降下作用を発揮することも可能である。
ジペプチジルペプチダーゼIIIの全長タンパク質(WT)又はC末端欠失型タンパク質(ΔC1)を発現させた大腸菌の粗抽出液(左側の2レーン)及びこれらのタンパク質の精製物(右側2レーン)をSDS-PAGEした結果を示す(実施例1)。矢印が目的のタンパク質のバンド位置を示す。 DPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1とアンジオテンシンIIの反応液の逆相クロマトグラフ分離(実施例2)における、溶出液のアセトニトリル濃度の変化を示す。縦軸は溶出液中のアセトニトリル濃度を示し、横軸は逆相クロマトグラフの経過時間を示す。 DPPIII-WTとアンジオテンシンIIの反応液の逆相クロマトグラフ分離(実施例2)結果を示す。各グラフ線左下の0、5、10、30 minは反応時間、縦軸は吸光度、横軸は逆相クロマトグラフの経過時間を示す(図4においても同様)。各ピークの横に、別実験でMass解析した結果から類推されたアミノ酸配列を示す。 DPPIII-ΔC1とアンジオテンシンIIの反応液の逆相クロマトグラフ分離(実施例2)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-WT又はPBSを投与したマウスの、収縮期血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。横軸中、PreはアンジオテンシンII投与前を示し、それ以外はDPPIII-WT又はPBS投与後の経過時間を示す(図6〜14においても同様)。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-ΔC1を投与したマウスの、収縮期血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-WT又はPBSを投与したマウスの、拡張期血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-ΔC1を投与したマウスの、拡張期血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-WT又はPBSを投与したマウスの、平均血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-ΔC1を投与したマウスの、平均血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-WT又はPBSを投与したマウスの、心拍数の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与後にDPPIII-ΔC1を投与したマウスの、心拍数の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与せずに、DPPIII-WT又はPBSを投与したマウスの、収縮期血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 アンジオテンシンII投与せずに、DPPIII-WT又はPBSを投与したマウスの、拡張期血圧の測定(実施例3-1)結果を示す。 PBS、DPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1投与から3時間経過後のマウス血清中のDPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1を、ウェスタンブロッティングで検出した結果を示す(実施例3-2)。
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質(本明細書において、「DPP
3」と略記することもある)を含有する、高血圧症の予防又は治療用医薬、或いは血圧降
下用医薬(本明細書において、これらを総称して「本発明の医薬」と示すこともある)、
及びDPP3の中でもより効率的に製造可能であり、血圧降下作用がより高く、その作用
がより長時間持続し、且つ生体内での安定性がより高いC末端欠失型DPP3に関する。
以下、これらについて説明する。
DPP3(eptidyl eptidase III)としては、例えばヒト
、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ等の種々の哺乳類由来のDPP3を採用す
ることができる。中でも、投与対象の生物種由来のDPP3が好ましい。
種々の生物種由来DPP3のアミノ酸配列は公知である。具体的には、例えば、ヒトD
PP3(アイソフォーム1)としては配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質(NCBI Reference Sequence:NP_005691.2)が挙げられ、マウスDPP3としては配
列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(NCBI Reference Sequence:NP_59
8564.2)が挙げられ、ラットDPP3としては配列番号3に示されるアミノ酸配列からな
るタンパク質(NCBI Reference Sequence:NP_446200.1)が挙げられ、ヒトDPP3(ア
イソフォーム2)としては配列番号7に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(NCBI
Reference Sequence:NP_001243599.1)等が挙げられる。
DPP3は、アンジオテンシンII分解活性を有する限りにおいて、アミノ酸の置換、
欠失、付加、挿入等の変異を有していてもよい。
変異の中でも、より効率的に製造可能であり、血圧降下作用がより高く、その作用がよ
り長時間持続し、且つ生体内での安定性がより高いという観点からは、C末端の欠失が好
ましい。この場合の欠失領域としては、C末端から1番目のアミノ酸から、例えばC末端
から5〜65番目のアミノ酸までの領域、好ましくは5〜50番目のアミノ酸までの領域
、より好ましくは5〜30番目のアミノ酸までの領域、さらに好ましくは5〜20番目の
アミノ酸までの領域、よりさらに好ましくは7〜15番目のアミノ酸までの領域、特に好
ましくは9〜12番目のアミノ酸までの領域が挙げられる。
C末端欠失型DPPとして、具体的には、例えばヒトDPP3(アイソフォーム1)の
C末端欠失型としては配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質が挙げられ
、マウスDPP3のC末端欠失型としては配列番号5に示されるアミノ酸配列からなるタ
ンパク質が挙げられ、ラットDPP3のC末端欠失型としては配列番号6に示されるアミ
ノ酸配列からなるタンパク質が挙げられ、ヒトDPP3(アイソフォーム2)のC末端欠
失型としては配列番号8に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質等が挙げられる。
DPP3において、変異は、アンジオテンシンII分解活性及び血圧降下作用がより損
なわれ難いという観点から、保存的置換であることが好ましい。保存的置換とは、アミノ
酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されることを意味する。例えば、リジン
、アルギニン、ヒスチジンといった塩基性側鎖を有するアミノ酸残基同士で置換されるこ
とが、保存的な置換技術にあたる。その他、アスパラギン酸、グルタミン酸といった酸性
側鎖を有するアミノ酸残基;グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン
、チロシン、システインといった非帯電性極性側鎖を有するアミノ酸残基;アラニン、バ
リン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトフ
ァンといった非極性側鎖を有するアミノ酸残基;スレオニン、バリン、イソロイシンとい
ったβ−分枝側鎖を有するアミノ酸残基、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン
、ヒスチジンといった芳香族側鎖を有するアミノ酸残基同士での置換も同様に、保存的な
置換にあたる。
DPP3の好ましい具体例としては、下記(a)に記載するタンパク質及び下記(b)
に記載するタンパク質:
(a)配列番号1〜8のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、及び
(b)配列番号1〜8のいずれかに示されるアミノ酸配列と85%以上の同一性を有す
るアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク質
からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
DPP3として、より効率的に製造可能であり、血圧降下作用がより高く、その作用が
より長時間持続し、且つ生体内での安定性がより高いという観点から、より好ましい具体
例としては、下記(c)に記載するタンパク質及び下記(d)に記載するタンパク質:
(c)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
及び
(d)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列と85%以上の同一性
を有するアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク質
からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
DPP3として、より効率的に製造可能であり、血圧降下作用がより高く、その作用が
より長時間持続し、且つ生体内での安定性がより高いという観点から、よりさらに好まし
い具体例としては、下記(e)に記載するタンパク質及び下記(f)に記載するタンパク
質:
(e)配列番号4〜6のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、及び
(f)配列番号4〜6のいずれかに示されるアミノ酸配列と85%以上の同一性を有す
るアミノ酸配列からなり、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク質
からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
アミノ酸配列の『同一性』とは、2以上の対比可能なアミノ酸配列の、お互いに対する
同一のアミノ酸配列の程度をいう。従って、ある2つのアミノ酸配列の同一性が高いほど
、それらの配列の同一性または類似性は高い。アミノ酸配列の同一性のレベルは、例えば
、配列分析用ツールであるFASTAを用い、デフォルトパラメータを用いて決定される
。若しくは、KarlinおよびAltschulによるアルゴリズムBLAST(Ka
rlinS, Altschul SF.“Methods for assessing
thestatisticalsignificance of molecular s
equence features by using general scorings
chemes”Proc.Natl Acad Sci USA.87:2264−226
8(1990)、KarlinS,Altschul SF.”Application
s and statisticsformultiple high−scorings
egments in molecular sequences.”NatlAcad S
ci USA.90:5873−7(1993))を用いて決定できる。このようなBL
ASTのアルゴリズムに基づいたBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている。
これらの解析方法の具体的な手法は公知であり、NationalCenter of B
iotechnologyInformation(NCBI)のウエブサイト(htt
p://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を参照すればよい。
上記(b)、(d)、及び(f)において、同一性は、好ましくは90%以上であり、
より好ましくは95%以上であり、よりさらに好ましくは98%以上である。
アンジオテンシンII分解活性の有無は、後述の実施例2に従って、例えばpH8.0
のリン酸緩衝液中で測定対象タンパク質とアンジオテンシンIIとを反応させ、反応後の
溶液中のアンジオテンシンII量を測定することによって判定することができる。測定の
結果、反応後のアンジオテンシンII量が反応前のアンジオテンシンII量よりも少ない
場合は、測定対象タンパク質がアンジオテンシンII分解活性を有すると判定することが
できる。この判定を行うための反応時間は、特に制限されないが、例えば10分以上、好
ましくは30分以上である。また、アンジオテンシンII量の測定は、特に制限されない
が、例えば逆相クロマトグラフにより反応液を分離し、アンジオテンシンIIのピークの
高さを測定することによって行うことが可能である。
上記(b)に記載するタンパク質の一例としては、例えば
(b’)配列番号1〜8のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1若しくは複数個の
アミノ酸が置換、欠失、付加、又は挿入されたアミノ酸配列からなり、且つアンジオテン
シンII分解活性を有するタンパク質が挙げられる。
上記(d)に記載するタンパク質の一例としては、例えば
(d’)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1若しくは複
数個のアミノ酸が置換、欠失、付加、又は挿入されたアミノ酸配列からなり、且つアンジ
オテンシンII分解活性を有するタンパク質が挙げられる。
上記(f)に記載するタンパク質の一例としては、例えば
(f’)配列番号4〜6のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して1若しくは複数個の
アミノ酸が置換、欠失、付加、又は挿入されたアミノ酸配列からなり、且つアンジオテン
シンII分解活性を有するタンパク質が挙げられる。
上記(b’)、(d’)、及び(f’)において、複数個とは、例えば2〜50個であ
り、好ましくは2〜30個であり、より好ましくは2〜15個であり、よりさらに好まし
くは2〜10個であり、よりさらに好ましくは2〜5個であり、よりさらに好ましくは2
又は3個である。
上記(b)、(d)、及び(f)に記載されるタンパク質において、変異がある場合、
その部位はDPP3のペプチダーゼ活性を担うドメイン以外であることが好ましい。この
ようなドメインは、例えばMEROPSデータベース(URL http://merops.sanger.ac.u
k/index.shtml)等のデータベース上で公知となっている。例えば、ラットDPP3にお
けるペプチダーゼ活性ドメインは、配列番号3のN末端から425番目のアミノ酸から6
63番目のアミノ酸である。他の生物種のDPP3においても、これに相当する部位がペ
プチダーゼ活性ドメインである。
DPP3は、アンジオテンシンII分解活性を有する限りにおいて、化学修飾されたも
のであってもよい。
DPP3は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO
)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチルなどのC1−6アルキル基;例えば、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどのC3−8シクロアルキル基;例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12
アリール基;例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基;α−
ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基
;ピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
DPP3は、C末端以外のカルボキシル基(またはカルボキシレート)が、アミド化ま
たはエステル化されていてもよい。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端
のエステルなどが用いられる。
さらに、DPP3には、N末端のアミノ酸残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル
基、アセチル基などのC1−6アルカノイルなどのC1−6アシル基など)で保護されて
いるもの、生体内で切断されて生成し得るN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化
したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミ
ダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、
アセチル基などのC1−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されてい
るもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども包含される。
DPP3は、アンジオテンシンII分解活性を有する限りにおいて、公知のタンパク質
タグが付加されたものであってもよい。タンパク質タグとしては、例えばヒスチジンタグ
、FLAGタグ、GSTタグ等が挙げられる。
DPP3は、酸または塩基との薬学的に許容される塩の形態であってもよい。塩は、薬
学的に許容される塩である限り特に限定されず、酸性塩、塩基性塩のいずれも採用するこ
とができる。例えば酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン
酸塩等の無機酸塩; 酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、
リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩
; アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩等が挙げられる。また、塩基性塩
の例として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩; カルシウム塩、マグネシ
ウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
DPP3は、溶媒和物の形態であってもよい。溶媒は、薬学的に許容されるものであれ
ば特に限定されず、例えば水、エタノール、グリセロール、酢酸等が挙げられる。
DPP3は、公知の方法に従って、例えば化学合成、哺乳動物の細胞又は組織(眼組織
等)からの精製、DPP3をコードするポリヌクレオチドを含有する形質転換体からの精
製等によって得ることができる。形質転換体からの精製により得る場合、形質転換体とし
ては、DPP3をコードするポリヌクレオチドからDPP3を発現させることができる細
胞である限り特に限定されず、大腸菌などの細菌、昆虫細胞、哺乳類細胞等の種々の細胞
を利用することができる。
昆虫細胞としては、例えば、Sf細胞、MG1細胞、High FiveTM細胞、BmN細胞な
どが用いられる。Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細
胞などが用いられる。
動物細胞としては、例えば、サルCOS−7細胞、サルVero細胞、チャイニーズハ
ムスター細胞CHO、マウスL細胞、マウスAtT−20細胞、マウスミエローマ細胞、
ラットGH3細胞、ヒトFL細胞などが用いられる。
本発明の医薬は、DPP3を有効成分として含有することにより、血圧降下作用を発揮
することができる。このため、高血圧症やその合併症に対して優れた予防又は治療効果を
発揮することができる。
本発明の医薬の適用対象である高血圧症としては、特に限定されず、本態性高血圧症、
二次性高血圧症等、種々の原因による高血圧症を挙げることができる。本発明の医薬の有
効成分であるDPP3は、アンジオテンシンIIの分解によって血圧降下作用を発揮する
と考えられるので、本発明の医薬はアンジオテンシンIIの上昇が認められる高血圧症に
対して好適に使用することができる。また、高血圧の合併症としては、血圧降下により予
防又は治療が可能な疾患であればとくに制限されず、例えば、脳卒中等の脳血管障害;
虚血性心疾患、心肥大、心不全等の心臓疾患; 腎臓疾患; 動脈瘤、閉塞性動脈硬化症
、高血圧性網膜症等の血管疾患等が挙げられる。
本発明の医薬は、DPP3そのものであることもできるし、DPP3以外の成分(以下
、単に「添加剤」と表記することもある)を含む組成物であってもよい。添加剤としては
、薬学的に許容される成分であれば特に限定されるものではないが、例えば基剤、担体、
溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保
湿剤、着色料、香料、及びキレート剤等が挙げられる。本発明の医薬が添加剤を含む場合
は、剤形に応じた慣用の方法に従って添加剤を用いることにより、本発明の医薬を製造す
ることができる。
本発明の医薬は、任意の剤形、例えば錠剤、丸剤、散剤、液剤、注射剤、懸濁剤、乳剤
、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤等であることができるが、好ましくは注射剤である。
本発明の医薬の投与対象は、高血圧症の患者、又は高血圧症を発症する可能性がある被
検体である。高血圧症を発症する可能性がある被検体とは、例えば高血圧症の危険因子(
例えば肥満、老化、塩分過摂取等)を保有している被検体である。
本発明の医薬の投与経路は、特に限定されない。例えば、経口投与、経管栄養、注腸投
与等の経腸投与; 経静脈投与、経動脈投与、筋肉内投与、心臓内投与、皮下投与、皮内
投与、腹腔内投与等の非経口投与等を採用することができる。これらの中でも、本発明の
効果をより確実に発揮できるという観点からは、好ましくは非経口投与が挙げられ、より
好ましくは経静脈投与、経動脈投与等が挙げられる。
本発明の医薬中の、DPP3の含有量としては、高血圧症に対する予防又は治療効果を
発揮できる限りにおいて特に限定されない。例えば0.001〜100重量%、好ましく
は0.01〜50重量%であることができる。
本発明の医薬の投与形態及び有効な投与量は、投与対象、投与経路、剤形、患者の状態
、及び医師の判断などに左右されるものであり、限定はされないが、例えば、体重60k
gの成人に対して、1回当たり、1μg〜1000mgを投与することができる。なお、
投与回数としては、例えば1日当たり1〜3回が挙げられる。
本発明の医薬は、高血圧症の他の予防又は治療薬と併用してもよい。他の予防又は治療
薬としては、例えば、サイアザイド系利尿薬、サイアザイド類似利尿薬、ループ利尿薬、
カリウム保持性利尿薬等の利尿薬; ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、非ジヒドロ
ピリジン系カルシウム拮抗薬等のカルシウム拮抗薬; アンジオテンシン変換酵素阻害薬
; アンジオテンシン受容体拮抗薬; 直接的レニン阻害薬; α受容体遮断薬、β受容
体遮断薬、αβ遮断薬等の交感神経遮断薬; α受容体刺激薬等が挙げられる。他の
予防又は治療用医薬は1種又は2種以上を組み併せて用いてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
実施例1:ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質の製造
ジペプチジルペプチダーゼIIIの全長タンパク質(配列番号3)とC末端欠失型タン
パク質(配列番号6)を製造した。具体的には次のように行った。
ジペプチジルペプチダーゼIIIの全長タンパク質(配列番号3)又はC末端欠失型タ
ンパク質(配列番号6)をコードするcDNAをPCRで増幅し、得られたDNA断片をpGEX-6P1ベ
クター(GEヘルスケア社製)に挿入した。大腸菌に該ベクターを導入し、LB培地(100μg
/mLアンピシリン入り) 5 mLに入れ、37℃で一晩、震盪培養した。培養液全量(5 mL)を
LB培地(100μg/mLアンピシリン入り) 10 mLに加え、37℃で5時間、震盪培養した。0.01
mMになるようにIPTGを培養液に加え、20℃で一晩、震盪培養した。培養液を遠心(5,900
×g、4℃、5分間)して、大腸菌体を回収した。大腸菌体に、細胞破砕用バッファー (50
mM Tris-HCl, pH 7.5, 150ml NaCl, 1% Triton X-100, 1 mM DTT, 1 mM PMSF, 10μg/ml
leupeptin) 1 mLを加え、該菌体を超音波破砕(Branson社製Sonifier450[製品番号: S-4
50A])(出力1で10秒×2)した。遠心(20,000×g、4℃、15分間)して上清を回収した
。該上清 100μL、細胞破砕用バッファー 400μL、及びGlutathione-Sepharose 4B(GEヘ
ルスケア社製)30μLを混合し、4℃で1時間、転倒混和した。Glutathione-Sepharose 4B
を洗浄用バッファー(50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 150 mM NaCl, 1 mM DTT)300μLで3回
洗浄した後、Glutathione-Sepharose 4Bに洗浄用バッファー 100μLとPreScission prote
ase(GEヘルスケア社製)3μLを加え、4℃で一晩、転倒混和した。遠心(5,900×g、4℃
、1分間)して上清を回収し、PBSで透析し、ジペプチジルペプチダーゼIIIの全長タン
パク質(以下、「DPPIII-WT」又は「WT」と示すこともある)及びC末端欠失型タンパク
質(以下、「DPPIII-ΔC1」又は「ΔC1」と示すこともある)の精製物を得た。この精製
物、及び粗抽出液(超音波破砕後に遠心して得られた上清)を、定法に従ってSDS-PAGEで
展開してCBB染色した。染色画像を図1に示す。
図1に示されるように、DPPIII-WT及びDPPIII-ΔC1共に、CBB染色でシングルバンドと
なる程度まで精製できた。また、精製物のバンドの濃さは、DPPIII-WT:DPPIII-ΔC1=1
:1.7であった。このことより、DPPIII-ΔC1の方が、DPPIII-WTよりも効率的に製造でき
ることが示唆された。
実施例2:ジペプチジルペプチダーゼIIIのアンジオテンシンII分解活性の測定
実施例1で製造したDPPIII-WT及びDPPIII-ΔC1のアンジオテンシンII分解活性を測定
した。具体的には次のように行った。
反応液(50 mM NaPO4 (pH 8.0), 10 μMアンジオテンシンII(和光純薬工業社製),
25 nM DPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1)200μLを氷上で調製した。なお、DPPは最後に添加し
た。DPP添加後、0分、5分、10分、又は30分経過後に、30%トリクロロ酢酸 20μLを加え
て反応を停止し、氷上で15分間以上静置した。遠心(20,000×g、4℃、10分間)して上清
を回収した。該上清を、COSMOSIL 5C18-AR-300 column(ナカライテスク社製)を用いた
逆相クロマトグラフ分離により解析した。溶出液としては、バッファーA(0.1%トリフル
オロ酢酸/超純水(MilliQ))及びバッファーB(0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリ
ル)の混合溶液を用いた。バッファーBの混合割合を徐々に増やして、アセトニトリル濃
度5%から35%で溶出した。各経過時間における溶出液のアセトニトリル濃度を図2に示
す。カラムから溶出されたペプチドはUVモニターで検出した。確認されたピークは定法に
従って別実験でMass解析した結果から、そのピークのペプチド配列を類推した。結果を図
3に示す。
図3及び4に示されるように、反応が進むにつれて、アンジオテンシンII(Ang II)
のピークは低くなり、その分解物(IHPF、及びVY)のピークは高くなっていった。このこ
とから、DPPIII-WT及びDPPIII-ΔC1は共に、アンジオテンシンIIの分解活性を有するこ
とが示された。また、反応時間10分における、アンジオテンシンII分解物であるIHPFの
ピーク高さを測定したところ、DPPIII-WTの場合は0.15であるのに対して、DPPIII-ΔC1の
場合は0.20であった。このことから、DPPIII-ΔC1の方が、DPPIII-WTよりもアンジオテン
シンII分解活性が高いことが示唆された。
実施例3:ジペプチジルペプチダーゼIIIの高血圧症に対する効果
実施例1で製造したDPPIII-WT及びDPPIII-ΔC1の、高血圧症に対する効果を調べた。具
体的には次のように行った。
<3-1.血圧及び心拍数の測定>
8〜10週齢のC57BL/6J系統マウスの血圧及び心拍数を測定後、該マウスにアンジオテン
シンII(和光純薬工業社製)を満たした浸透圧ポンプ(Alzet model 1004、Durect社製
)を皮下植込みした。これにより、アンジオテンシンIIが、1分間、体重1 kgあたり400
ng(400 ng/kg/min)投与される。マウスを、2週間以上、収縮期血圧が130 mmHg以上に
なるまで飼育した。マウスの血圧及び心拍数を測定し、マウスに、DPPIII-WT又はDPPIII-
ΔC1 200μg、或いはPBSを尾静脈から静注投与した。該投与から1時間、及び3時間経過後
に血圧及び心拍数を測定した。血圧の測定結果を図5〜10に示し、心拍数の測定結果を
図11〜12に示す。また、浸透圧ポンプの埋め込みを行っていない通常血圧のマウスに
対しても、上記と同様にDPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1 200μg、或いはPBSを投与し、血圧を
測定した。この結果を図13〜14に示す。
図5〜10に示されるように、DPPIII-WT及びDPPIII-ΔC1の投与により、収縮期血圧、
拡張期血圧、及び平均血圧が有意に低下した。このことから、DPPIII-WT及びDPPIII-ΔC1
は共に、抗高血圧作用(血圧降下作用)を有することが示された。また、DPPIII-WTを投
与した場合、投与後3時間経過後の血圧が、投与後1時間経過後の血圧よりもやや上昇して
いるのに対して、DPPIII-ΔC1を投与した場合はこのような上昇は見られなかった。この
ことから、DPPIII-ΔC1の方が、DPPIII-WTよりも抗高血圧作用(血圧降下作用)がより高
い(より長時間持続する)ことが示された。また、図11〜12に示されるように、DPPI
II-WT又はDPPIII-ΔC1共に心拍数への影響はなかった。さらに、図13〜14に示される
ように、DPPIII-WTは、アンジオテンシンIIを投与していないマウスの血圧への影響は
なかった。このことから、DPPIII-WTの抗高血圧作用(血圧降下作用)はアンジオテンシ
ンII特異的であることが示唆された。
<3-2.血清中のDPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1量の測定>
投与から3時間経過後の血清中に存在するDPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1量を、ウェスタン
ブロッティング法で調べた。具体的には次のように行った。
上記実施例3-1において、PBS、DPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1投与から3時間経過後のマウ
スの尾部から血清を採取し、該血清を4℃で一晩静置した。遠心(5000×g、4℃、5分間)
して、上清を血清サンプルとして回収した。血清サンプル中のDPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1
量を、定法に従ったウェスタンブロッティング法により検出した。一次抗体反応は、抗ラ
ットDPPIIIウサギポリクローナル抗体の希釈溶液(1/500希釈 in 1%スキムミルク/PBS/0
.05%Tween-20)を用いて、4℃で一晩行った。二次抗体反応は、HRP標識抗ウサギIgG抗体
(GEヘルスケア社製、製品番号: NA-934)の希釈液(1/2000希釈 in 1%スキムミルク/PB
S/0.05%Tween-20)を用いて、室温で1時間行った。検出結果を図15に示す。
図15に示されるように、DPPIII-WT又はDPPIII-ΔC1を投与した場合、投与から3時間
経過後であっても、これらのタンパク質が血清中に残っていた。このことから、投与から
3時間以上経過した後であっても、血圧降下作用が発揮されることが予想された。また、
バンドの濃さの比較より、DPPIII-ΔC1の方がDPPIII-WTよりも多く残っていることが示さ
れた。このことから、DPPIII-ΔC1の方がDPPIII-WTよりも、生体内での安定性がより高い
ことが示唆された。

Claims (3)

  1. 下記(c)に記載するタンパク質及び下記(d)に記載するタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のC末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を含有する、アンジオテンシンII分解剤
    (c)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
    及び
    (d)配列番号4〜6及び8のいずれかに示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列Aにおいて配列番号1〜3及び7の何れかに示されるアミノ酸配列のC末端から11〜15番目のアミノ酸までの領域を欠失しており、且つアンジオテンシンII分解活性を有するタンパク質。
  2. 前記(d)における同一性が95%以上である、請求項1に記載のC末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を含有する、アンジオテンシンII分解剤
  3. 前記(d)における同一性が98%以上である、請求項1又は2に記載のC末端欠失型ジペプチジルペプチダーゼIIIタンパク質を含有する、アンジオテンシンII分解剤
JP2019143759A 2019-08-05 2019-08-05 高血圧症の予防又は治療用医薬 Expired - Fee Related JP6831128B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019143759A JP6831128B2 (ja) 2019-08-05 2019-08-05 高血圧症の予防又は治療用医薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019143759A JP6831128B2 (ja) 2019-08-05 2019-08-05 高血圧症の予防又は治療用医薬

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015121371A Division JP6615504B2 (ja) 2015-06-16 2015-06-16 高血圧症の予防又は治療用医薬

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020005642A JP2020005642A (ja) 2020-01-16
JP6831128B2 true JP6831128B2 (ja) 2021-02-17

Family

ID=69149320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019143759A Expired - Fee Related JP6831128B2 (ja) 2019-08-05 2019-08-05 高血圧症の予防又は治療用医薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6831128B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020005642A (ja) 2020-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2716985C2 (ru) Соединения-агонисты gip и способы
JP6921006B2 (ja) 老化関連症状を治療するための方法および組成物
JP7035033B2 (ja) 治療用MOTS-c関連ペプチド
KR20160079875A (ko) Gip-glp-1 이원 효능제 화합물 및 방법
AU2017294551B2 (en) Soluble fibroblast growth factor receptor 3 (sFGFR3) polypeptides and uses thereof
TWI708790B (zh) 芋螺毒素(conotoxin)肽之修飾及用途
KR20150022799A (ko) 류마티즘 관절염 예방 또는 치료 조성물
US12018060B2 (en) Glucagon derivatives
JP2023053978A (ja) 環状プロサポシンペプチドおよびその使用
JP6615504B2 (ja) 高血圧症の予防又は治療用医薬
JP6598036B2 (ja) 炎症性サイトカイン分泌抑制活性を有するオリゴペプチド
JP6831128B2 (ja) 高血圧症の予防又は治療用医薬
JP2021536499A (ja) 血液脳関門を通過することができるポリペプチド
JP6758022B2 (ja) 血管内皮細胞増殖因子受容体阻害ペプチド
JP7464310B2 (ja) Wntシグナル伝達経路の抑制剤
JP2022515447A (ja) アセチルコリン受容体阻害ペプチド及びその用途
JP2021017421A (ja) ペプチド
AU2013204309A1 (en) Therapeutic Compounds and Uses Thereof
JPH10330249A (ja) レチノール化合物含有hsp47合成抑制剤
NZ790135A (en) Soluble fibroblast growth factor receptor 3 (SFGFR3) polypeptides and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190805

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6831128

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees