JPH10330157A - セラミックス誘電体材料およびその製造方法 - Google Patents
セラミックス誘電体材料およびその製造方法Info
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- JPH10330157A JPH10330157A JP9141307A JP14130797A JPH10330157A JP H10330157 A JPH10330157 A JP H10330157A JP 9141307 A JP9141307 A JP 9141307A JP 14130797 A JP14130797 A JP 14130797A JP H10330157 A JPH10330157 A JP H10330157A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高価な希土類元素を含まず、高誘電率を有し、
かつQ値が高いセラミックス誘電体材料、およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】(1)組成が(Sr1-x Cax )4 Ti3
O10(ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr
4 Ti3 O10型結晶構造を有するセラミックス誘電体材
料。(2)組成が(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 (た
だし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr3 Ti2
O7 型結晶構造を有するセラミックス誘電体材料。
(3)これらの材料は、Ca、SrおよびTiのそれぞ
れについて、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩
および炭酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を(1)
または(2)の組成物が得られるように混合し、120
0℃以上の温度域で1時間以上保持することにより製造
することができる。
かつQ値が高いセラミックス誘電体材料、およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】(1)組成が(Sr1-x Cax )4 Ti3
O10(ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr
4 Ti3 O10型結晶構造を有するセラミックス誘電体材
料。(2)組成が(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 (た
だし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr3 Ti2
O7 型結晶構造を有するセラミックス誘電体材料。
(3)これらの材料は、Ca、SrおよびTiのそれぞ
れについて、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩
および炭酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を(1)
または(2)の組成物が得られるように混合し、120
0℃以上の温度域で1時間以上保持することにより製造
することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波を利用
する通信に用いられる誘電体共振器フィルター等に使用
される誘電体材料、あるいは、マイクロストリップ構造
やストリップ構造のフィルターの基板として使用される
誘電体材料、およびその製造方法に関する。
する通信に用いられる誘電体共振器フィルター等に使用
される誘電体材料、あるいは、マイクロストリップ構造
やストリップ構造のフィルターの基板として使用される
誘電体材料、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波を利用する通信に使用される
誘電体共振器フィルター等、あるいはマイクロストリッ
プ構造やストリップ構造のフィルターの基板など、電子
部品用の材料として、磁器(セラミックス)製の誘電体
材料がよく用いられている。これら誘電体材料において
は、誘電率が大きく、誘電損失(1/Q)が小さいこと
(すなわち、Q値が大きいこと)が要求される。誘電率
が大きければ、フィルター等、電子部品の小型化が容易
になるからである。
誘電体共振器フィルター等、あるいはマイクロストリッ
プ構造やストリップ構造のフィルターの基板など、電子
部品用の材料として、磁器(セラミックス)製の誘電体
材料がよく用いられている。これら誘電体材料において
は、誘電率が大きく、誘電損失(1/Q)が小さいこと
(すなわち、Q値が大きいこと)が要求される。誘電率
が大きければ、フィルター等、電子部品の小型化が容易
になるからである。
【0003】比誘電率が60以上で、fQ値が6000
GHz以上の誘電体材料として、(Ca1-x Ndx )
2/(x+2) TiO3 が知られている。しかし、この誘電体
材料は、高価な希土類元素を用いるのでコスト高になる
という欠点がある。
GHz以上の誘電体材料として、(Ca1-x Ndx )
2/(x+2) TiO3 が知られている。しかし、この誘電体
材料は、高価な希土類元素を用いるのでコスト高になる
という欠点がある。
【0004】一方、希土類元素を用いない高誘電率の材
料としてはSrTiO3 やCaTiO3 が知られている
が、fQ値はそれぞれ2000GHzおよび5000G
Hz程度と小さい。
料としてはSrTiO3 やCaTiO3 が知られている
が、fQ値はそれぞれ2000GHzおよび5000G
Hz程度と小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、高価な希土類元素を用いず、
高誘電率を有し、かつfQ値が高いセラミックス誘電体
材料、およびその製造方法を提供することを目的として
いる。
況に鑑みなされたもので、高価な希土類元素を用いず、
高誘電率を有し、かつfQ値が高いセラミックス誘電体
材料、およびその製造方法を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するため検討を重ねた結果、Sr、Ca、Tiお
よびO(酸素)の4元素からなる化合物であって、Sr
とCaの比が所定の条件を満たすものが高誘電率、およ
び高Q値を有することを知見し、本発明をなすに至っ
た。
を達成するため検討を重ねた結果、Sr、Ca、Tiお
よびO(酸素)の4元素からなる化合物であって、Sr
とCaの比が所定の条件を満たすものが高誘電率、およ
び高Q値を有することを知見し、本発明をなすに至っ
た。
【0007】本発明の要旨は、下記のセラミックス誘電
体材料((1)および(2)の発明)、ならびにそれら
の製造方法((3)および(4)の発明)にある。
体材料((1)および(2)の発明)、ならびにそれら
の製造方法((3)および(4)の発明)にある。
【0008】(1)組成が(Sr1-x Cax )4 Ti3
O10(ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr
4 Ti3 O10型結晶構造を有することを特徴とするセラ
ミックス誘電体材料。
O10(ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr
4 Ti3 O10型結晶構造を有することを特徴とするセラ
ミックス誘電体材料。
【0009】(2)組成が(Sr1-x Cax )3 Ti2
O7 (ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr
3 Ti2 O7 型結晶構造を有することを特徴とするセラ
ミックス誘電体材料。
O7 (ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr
3 Ti2 O7 型結晶構造を有することを特徴とするセラ
ミックス誘電体材料。
【0010】(3)Ca、SrおよびTiのそれぞれに
ついて、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩およ
び炭酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を、前記金属
元素の比が上記(1)に記載される組成におけるこれら
金属元素の比の範囲内に入るように混合し、1200℃
以上の温度域で1時間以上保持することを特徴とする上
記(1)に記載のセラミックス誘電体材料の製造方法。
ついて、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩およ
び炭酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を、前記金属
元素の比が上記(1)に記載される組成におけるこれら
金属元素の比の範囲内に入るように混合し、1200℃
以上の温度域で1時間以上保持することを特徴とする上
記(1)に記載のセラミックス誘電体材料の製造方法。
【0011】(4)Ca、SrおよびTiのそれぞれに
ついて、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩およ
び炭酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を、前記金属
元素の比が上記(2)に記載される組成におけるこれら
金属元素の比の範囲内に入るように混合し、1200℃
以上の温度域で1時間以上保持することを特徴とする上
記(2)に記載のセラミックス誘電体材料の製造方法。
ついて、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩およ
び炭酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を、前記金属
元素の比が上記(2)に記載される組成におけるこれら
金属元素の比の範囲内に入るように混合し、1200℃
以上の温度域で1時間以上保持することを特徴とする上
記(2)に記載のセラミックス誘電体材料の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明(上記(1)〜
(4)の発明)を詳しく説明する。
(4)の発明)を詳しく説明する。
【0013】上記(1)の発明は、組成が(Sr1-x C
ax )4 Ti3 O10(ただし、0≦x≦0.5)で表さ
れ、Sr4 Ti3 O10型結晶構造を有するセラミックス
誘電体材料である。xを0.5以下(0を含む)に限定
する理由は、xが0.5を超えると、fQ値が6000
GHzより小さく、したがって、誘電損失が大きくな
り、マイクロ波フィルター材料として適さないからであ
る。なお、Sr4 Ti3O10型結晶構造以外のものが含
まれる場合は、(Sr1-x Cax )4 Ti3 O10(ただ
し、0≦x≦0.5)のみではなく、多種の化合物の混
合物となり、誘電特性のよいものは得られない。
ax )4 Ti3 O10(ただし、0≦x≦0.5)で表さ
れ、Sr4 Ti3 O10型結晶構造を有するセラミックス
誘電体材料である。xを0.5以下(0を含む)に限定
する理由は、xが0.5を超えると、fQ値が6000
GHzより小さく、したがって、誘電損失が大きくな
り、マイクロ波フィルター材料として適さないからであ
る。なお、Sr4 Ti3O10型結晶構造以外のものが含
まれる場合は、(Sr1-x Cax )4 Ti3 O10(ただ
し、0≦x≦0.5)のみではなく、多種の化合物の混
合物となり、誘電特性のよいものは得られない。
【0014】上記(2)の発明は、組成が(Sr1-x C
ax )3 Ti2 O7 (ただし、0≦x≦0.5)で表さ
れ、Sr3 Ti2 O7 型結晶構造を有するセラミックス
誘電体材料である。xを0.5以下(0を含む)に限定
するのは、(1)の発明におけると同様、xが0.5を
超えると、fQ値が6000GHzより小さく、誘電損
失が大きくなり、マイクロ波フィルター材料としては不
適当だからである。なお、(1)の発明におけると同
様、Sr3 Ti2 O7 型結晶構造以外のものが含まれる
場合は、(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 (ただし、0
≦x≦0.5)のみではなく、多種の化合物の混合物と
なり、やはり誘電特性のよいものは得られない。
ax )3 Ti2 O7 (ただし、0≦x≦0.5)で表さ
れ、Sr3 Ti2 O7 型結晶構造を有するセラミックス
誘電体材料である。xを0.5以下(0を含む)に限定
するのは、(1)の発明におけると同様、xが0.5を
超えると、fQ値が6000GHzより小さく、誘電損
失が大きくなり、マイクロ波フィルター材料としては不
適当だからである。なお、(1)の発明におけると同
様、Sr3 Ti2 O7 型結晶構造以外のものが含まれる
場合は、(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 (ただし、0
≦x≦0.5)のみではなく、多種の化合物の混合物と
なり、やはり誘電特性のよいものは得られない。
【0015】上記(1)および(2)のセラミックス誘
電体材料は、高誘電率を有し、かつfQ値も高く、マイ
クロ波フィルター材料として好適である。
電体材料は、高誘電率を有し、かつfQ値も高く、マイ
クロ波フィルター材料として好適である。
【0016】上記(3)および(4)の発明は、それぞ
れ(1)の誘電体材料の製造方法、および(2)の誘電
体材料の製造方法である。
れ(1)の誘電体材料の製造方法、および(2)の誘電
体材料の製造方法である。
【0017】(3)の方法においては、Ca、Srおよ
びTiの化合物の粉末を、これら金属元素の比が上記
(1)に記載される組成、すなわち(Sr1-x Cax )
4 Ti3 O10(ただし、0≦x≦0.5)におけるこれ
ら金属元素の比の範囲内に入るように混合し、1200
℃以上の温度域で1時間以上保持して反応させ、焼結体
とする。
びTiの化合物の粉末を、これら金属元素の比が上記
(1)に記載される組成、すなわち(Sr1-x Cax )
4 Ti3 O10(ただし、0≦x≦0.5)におけるこれ
ら金属元素の比の範囲内に入るように混合し、1200
℃以上の温度域で1時間以上保持して反応させ、焼結体
とする。
【0018】焼結温度を1200℃以上に限定するの
は、後述する実施例に示すように、1200℃より低い
温度ではfQ値が小さい材料しか得られないからであ
る。上限は特に限定しないが、1400℃を超えてもf
Q値はほとんど変化せず、製造コストが嵩むだけなの
で、1400℃とするのが好ましい。
は、後述する実施例に示すように、1200℃より低い
温度ではfQ値が小さい材料しか得られないからであ
る。上限は特に限定しないが、1400℃を超えてもf
Q値はほとんど変化せず、製造コストが嵩むだけなの
で、1400℃とするのが好ましい。
【0019】焼結時間は、1時間に満たないと焼結が十
分に進行せず、緻密な材料が得られないため誘電率が小
さくなるので、1時間以上とする。上限は特に限定しな
いが、10時間以上加熱しても特性の向上はほとんどみ
られないので、10時間とするのが好ましい。
分に進行せず、緻密な材料が得られないため誘電率が小
さくなるので、1時間以上とする。上限は特に限定しな
いが、10時間以上加熱しても特性の向上はほとんどみ
られないので、10時間とするのが好ましい。
【0020】Ca、SrおよびTiの化合物としては、
これらそれぞれの金属の酸化物、塩化物、硝酸塩、シュ
ウ酸塩または炭酸化物を用いることができる。いずれの
金属についても、これらの化合物の1種または2種以上
を使用すればよい。
これらそれぞれの金属の酸化物、塩化物、硝酸塩、シュ
ウ酸塩または炭酸化物を用いることができる。いずれの
金属についても、これらの化合物の1種または2種以上
を使用すればよい。
【0021】なお、使用に際しては、粉末状とする。粉
末の粒径は特に限定しないが、後の工程で焼結処理を行
ったときに、少なくとも1時間で焼結反応が十分に進行
する程度の粒径であればよい。望ましい粒径は3μm以
下である。
末の粒径は特に限定しないが、後の工程で焼結処理を行
ったときに、少なくとも1時間で焼結反応が十分に進行
する程度の粒径であればよい。望ましい粒径は3μm以
下である。
【0022】(4)の方法においては、(3)の方法に
おけると同様に、Ca、SrおよびTiの化合物の粉末
を、これら金属元素の比が上記(2)に記載される組
成、すなわち(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 (ただ
し、0≦x≦0.5)におけるこれら金属元素の比の範
囲内に入るように混合し、1200℃以上の温度域で1
時間以上保持して反応させ、焼結体とする。
おけると同様に、Ca、SrおよびTiの化合物の粉末
を、これら金属元素の比が上記(2)に記載される組
成、すなわち(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 (ただ
し、0≦x≦0.5)におけるこれら金属元素の比の範
囲内に入るように混合し、1200℃以上の温度域で1
時間以上保持して反応させ、焼結体とする。
【0023】(4)の方法において、焼結温度を120
0℃以上とし、焼結時間を1時間以上とする理由、なら
びに、焼結温度と焼結時間の好ましい上限値および理由
は、上述した(3)の方法の場合と同じである。
0℃以上とし、焼結時間を1時間以上とする理由、なら
びに、焼結温度と焼結時間の好ましい上限値および理由
は、上述した(3)の方法の場合と同じである。
【0024】また、Ca、SrおよびTiの化合物とし
ては、(3)の方法におけると同様、これらそれぞれの
金属の酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩または炭酸
化物を用いることができる。いずれの金属についても、
これらの化合物の1種または2種以上を使用すればよ
い。なお、使用に際して粉末状とするのは、(3)の方
法の場合と同じである。
ては、(3)の方法におけると同様、これらそれぞれの
金属の酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩または炭酸
化物を用いることができる。いずれの金属についても、
これらの化合物の1種または2種以上を使用すればよ
い。なお、使用に際して粉末状とするのは、(3)の方
法の場合と同じである。
【0025】これら(3)および(4)の方法によれ
ば、前記の(1)および(2)の高誘電率で、かつ高Q
値のセラミックス誘電体材料を容易に製造することがで
きる。
ば、前記の(1)および(2)の高誘電率で、かつ高Q
値のセラミックス誘電体材料を容易に製造することがで
きる。
【0026】
(実施例1)SrCO3 、TiO2 およびCaCO3 を
金属元素の比が(Sr1-x Cax )4 Ti3 O10におけ
るこれら金属元素の比(ただし、xは0〜0.7の範囲
内で変化させた)になるように混合し、電気炉で100
0℃に1時間保持した後、粉砕、混合し、直径が30m
mで、高さが20mmの円筒状のペレットに整形し、電
気炉で1400℃に1時間保持して焼結した。
金属元素の比が(Sr1-x Cax )4 Ti3 O10におけ
るこれら金属元素の比(ただし、xは0〜0.7の範囲
内で変化させた)になるように混合し、電気炉で100
0℃に1時間保持した後、粉砕、混合し、直径が30m
mで、高さが20mmの円筒状のペレットに整形し、電
気炉で1400℃に1時間保持して焼結した。
【0027】得られた焼結体(試料)の誘電率およびQ
値をネットワークアナライザーHP8510を用いて測
定した。
値をネットワークアナライザーHP8510を用いて測
定した。
【0028】結果を表1に示す。
【0029】この結果から明らかなように、比誘電率は
xが増すにつれて多少減少したが、xが0.5以下のと
きには、90を超える高い値が得られた。また、fQ値
は、xが0.2のとき最高で、0≦x≦0.5の範囲で
は6000GHz以上の高い値が得られた。
xが増すにつれて多少減少したが、xが0.5以下のと
きには、90を超える高い値が得られた。また、fQ値
は、xが0.2のとき最高で、0≦x≦0.5の範囲で
は6000GHz以上の高い値が得られた。
【0030】図1は、(Sr1-x Cax )4 Ti3 O10
についての焼結温度とQ値(fQ値で表示)の関係を示
す図である。すなわち、SrCO3 、TiO2 およびC
aCO3 を金属元素の比が(Sr1-x Cax )4 Ti3
O10におけるこれら金属元素の比(ただし、x=0.
4、またはx=0.1)になるように混合し、1100
℃で1時間仮焼した後、粉砕、混合し、上記と同様に整
形し、その後、焼結温度を1100〜1600℃の範囲
で変えて焼結し、得られた焼結体のQ値を測定した結果
である。なお、図中の●印はx=0.4の場合、○印は
x=0.1の場合である。
についての焼結温度とQ値(fQ値で表示)の関係を示
す図である。すなわち、SrCO3 、TiO2 およびC
aCO3 を金属元素の比が(Sr1-x Cax )4 Ti3
O10におけるこれら金属元素の比(ただし、x=0.
4、またはx=0.1)になるように混合し、1100
℃で1時間仮焼した後、粉砕、混合し、上記と同様に整
形し、その後、焼結温度を1100〜1600℃の範囲
で変えて焼結し、得られた焼結体のQ値を測定した結果
である。なお、図中の●印はx=0.4の場合、○印は
x=0.1の場合である。
【0031】この図に示されるように、x=0.4、x
=0.1のいずれの場合も、1200℃以上の温度域
で、fQ値が6000GHz以上の高い値が得られた。
なお、焼結温度が1400℃を超えてもfQ値はほとん
ど変化しない。したがって、焼結温度の上限は1400
℃とするのが好ましい。
=0.1のいずれの場合も、1200℃以上の温度域
で、fQ値が6000GHz以上の高い値が得られた。
なお、焼結温度が1400℃を超えてもfQ値はほとん
ど変化しない。したがって、焼結温度の上限は1400
℃とするのが好ましい。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2)SrCO3 、TiO2 および
CaCO3 を金属元素の比が(Sr1-x Cax )3 Ti
2 O7 におけるこれら金属元素の比(ただし、xは0〜
0.7の範囲内で変化させた)になるように混合し、電
気炉で1000℃に1時間保持した後、粉砕、混合し、
直径が30mmで、高さが20mmの円筒状のペレット
に整形し、電気炉で1400℃に1時間保持して反応さ
せ、焼結した。
CaCO3 を金属元素の比が(Sr1-x Cax )3 Ti
2 O7 におけるこれら金属元素の比(ただし、xは0〜
0.7の範囲内で変化させた)になるように混合し、電
気炉で1000℃に1時間保持した後、粉砕、混合し、
直径が30mmで、高さが20mmの円筒状のペレット
に整形し、電気炉で1400℃に1時間保持して反応さ
せ、焼結した。
【0034】得られた焼結体(試料)の誘電率およびQ
値をネットワークアナライザーHP8510を用いて測
定した。
値をネットワークアナライザーHP8510を用いて測
定した。
【0035】結果を表2に示す。
【0036】この結果から明らかなように、誘電率はx
が増すにつれて多少減少したが、xが0.5以下のとき
には、60を超える高い値が得られた。また、fQ値
は、xが0.2のとき最高で、0≦x≦0.5の範囲で
は6000GHz以上の高い値が得られた。
が増すにつれて多少減少したが、xが0.5以下のとき
には、60を超える高い値が得られた。また、fQ値
は、xが0.2のとき最高で、0≦x≦0.5の範囲で
は6000GHz以上の高い値が得られた。
【0037】図2は、(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7
についての焼結温度とQ値(fQ値で表示)の関係を示
す図である。すなわち、SrCO3 、TiO2 およびC
aCO3 を金属元素の比が(Sr1-x Cax )3 Ti2
O7 におけるこれら金属元素の比(ただし、x=0.
4、またはx=0.1)になるように混合し、1100
℃で1時間仮焼した後、粉砕、混合し、上記と同様に整
形し、その後、焼結温度を1100〜1600℃の範囲
で変えて焼結し、得られた焼結体のQ値を測定した結果
である。なお、図中の●印はx=0.4の場合、○印は
x=0.1の場合である。
についての焼結温度とQ値(fQ値で表示)の関係を示
す図である。すなわち、SrCO3 、TiO2 およびC
aCO3 を金属元素の比が(Sr1-x Cax )3 Ti2
O7 におけるこれら金属元素の比(ただし、x=0.
4、またはx=0.1)になるように混合し、1100
℃で1時間仮焼した後、粉砕、混合し、上記と同様に整
形し、その後、焼結温度を1100〜1600℃の範囲
で変えて焼結し、得られた焼結体のQ値を測定した結果
である。なお、図中の●印はx=0.4の場合、○印は
x=0.1の場合である。
【0038】この図に示されるように、x=0.4、x
=0.1のいずれの場合も、1200℃以上の温度域
で、fQ値が6000GHz以上の高い値が得られた。
なお、焼結温度が1400℃を超えてもfQ値はほとん
ど変化しない。したがって、焼結温度の上限は1400
℃とするのが好ましい。
=0.1のいずれの場合も、1200℃以上の温度域
で、fQ値が6000GHz以上の高い値が得られた。
なお、焼結温度が1400℃を超えてもfQ値はほとん
ど変化しない。したがって、焼結温度の上限は1400
℃とするのが好ましい。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明のセラミックス誘電体材料は、高
価な希土類元素が含まれておらず、高誘電率を有し、か
つQ値が高く、フィルター等の電子部品用材料として好
適である。この材料は本発明方法により容易に製造する
ことができる。
価な希土類元素が含まれておらず、高誘電率を有し、か
つQ値が高く、フィルター等の電子部品用材料として好
適である。この材料は本発明方法により容易に製造する
ことができる。
【図1】(Sr1-x Cax )4 Ti3 O10についての焼
結温度とfQ値の関係を示す図である。
結温度とfQ値の関係を示す図である。
【図2】(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7 についての焼
結温度とfQ値の関係を示す図である。
結温度とfQ値の関係を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】組成が(Sr1-x Cax )4 Ti3 O
10(ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr4
Ti3 O10型結晶構造を有することを特徴とするセラミ
ックス誘電体材料。 - 【請求項2】組成が(Sr1-x Cax )3 Ti2 O7
(ただし、0≦x≦0.5)で表され、正方晶Sr3 T
i2 O7 型結晶構造を有することを特徴とするセラミッ
クス誘電体材料。 - 【請求項3】Ca、SrおよびTiのそれぞれについ
て、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩および炭
酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を、前記金属元素
の比が請求項1に記載される組成におけるこれら金属元
素の比の範囲内に入るように混合し、1200℃以上の
温度域で1時間以上保持することを特徴とする請求項1
に記載のセラミックス誘電体材料の製造方法。 - 【請求項4】Ca、SrおよびTiのそれぞれについ
て、その酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩および炭
酸化物のうちの少なくとも1種の粉末を、前記金属元素
の比が請求項2に記載される組成におけるこれら金属元
素の比の範囲内に入るように混合し、1200℃以上の
温度域で1時間以上保持することを特徴とする請求項2
に記載のセラミックス誘電体材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9141307A JPH10330157A (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | セラミックス誘電体材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9141307A JPH10330157A (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | セラミックス誘電体材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330157A true JPH10330157A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15288855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9141307A Pending JPH10330157A (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | セラミックス誘電体材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330157A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7622411B2 (en) * | 2003-03-26 | 2009-11-24 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Thermal barrier coating material |
-
1997
- 1997-05-30 JP JP9141307A patent/JPH10330157A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7622411B2 (en) * | 2003-03-26 | 2009-11-24 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Thermal barrier coating material |
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