JP5283813B2 - 銀、ニオブ及びタンタルを含有する誘電性セラミック材料 - Google Patents

銀、ニオブ及びタンタルを含有する誘電性セラミック材料 Download PDF

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Description

本発明は、Aサイトに銀を含有し、Bサイトにニオブ及びタンタルを含有する、ペロブスカイト構造を示すセラミック材料に関する。
セラミック材料は、今日では電気工業において誘電性共振器、マイクロ波フィルター、マイクロエレクトロニクススイッチ回路についての基板などとして広範囲に使用されている。前記の成分は無線電気通信用のシステム、衛生アンテナ、レーダーシステム又はマイクロ波オーブンに使用される。
セラミック材料の最も重要な特性は誘電率ε、その共振周波数の温度係数TKf並びに材料中での誘電損失についての尺度である品質係数Q×fである。前記の特性はマイクロ波デバイスでの使用にとって特に重要である。この品質係数が高くなればそれだけ、誘電損失は減少し、かつセラミックスを用いてマイクロ波デバイスは特別な周波数用により選択的に調整できる。
特に1〜2GHzまでの周波数領域中でセラミックデバイスの小型化を進める関係で、高い誘電率を有するセラミック材料を使用することが次第に重要となっている。このような材料は、例えば無線電気通信システム用に有利に使用できる、極めて小さな寸法を有するセラミックデバイスの製造を可能にする。
JP01234358Aの文献から、酸化チタン、酸化バリウム及び酸化ネオジムをベースとして製造され、酸化サマリウムの添加物を含有するセラミック材料は公知である。添加される酸化サマリウムの量によってセラミックスの共振周波数の温度特性が調整される。JP02239150Aの文献から、酸化バリウム、酸化チタン、酸化サマリウム、酸化セリウム及び酸化ネオジムをベースとして製造されるマイクロ波分野用のセラミック組成物は公知である。
これらの日本の文献に挙げられたセラミック材料は、誘電率εの比較的わずかな値85〜90を有することが欠点である。それにより、このセラミック材料を用いて極めて小型化されたマイクロ波デバイスは製造できない。
文献A. Kania著, Ag(Nb1−xTa)O3 Solid Solutions - Dielectric Properties and Phase Transitions, Phase Transitions, 1983, Volume 3, pp. 131 - 140から、銀、ニオブ及びタンタルをベースとして製造(以後ANTと記載する)されており、かつ2種の材料AgNbO及びAgTaOの「固溶体」の形で存在するセラミック材料は公知である。この文献に記載されたセラミックスは、組成Ag(Nb1-xTa)Oで表され(以後ANTと記載する)、その際、xは0〜0.7の間で可変である。組成に応じて、このセラミックは約300Kの温度で80〜400の間のεを有する
文献Matjaz Valant, Danilo Suvorov著, New High- Permittivity Ag(Nb1−xTa)O3 Microwave Ceramics; Part 2, Dielectric Characteristics, J. Am. Ceram. Soc. 82 [1], pp. 88-93 (1999)から、xのパラメータが0.46〜0.54であるANTからなる円盤状のセラミック体が、−20℃〜120℃の温度区間で誘電率εの著しい相対的変化を示すことは公知である。この場合、温度によるεの相対的変化の推移は、20℃〜70℃の間で最大値を示し、−0.07〜0.01の間の値をとる曲線を描くことが特に示された。
さらに、文献WO98/03446からは、ANTをリチウム、タングステン、マンガン又はビスマスでドープすることにより、誘電率の温度係数TKεを個々の温度で+/−70ppm/Kまでの極めて小さな値に減少できることは公知である。
この公知のANT材料は、高いεを有するが、しかしながら、TKεは使用のために重要な−20℃〜80℃の温度領域において比較的高い値を示すという欠点を有する。
本発明の課題は、高い誘電率εを示し並びに低い誘電損失でわずかな温度係数TKεを示すセラミック材料を提供することであった。
前記の課題は、本発明の場合に、請求項1記載のセラミック材料により達成される。本発明の他の実施態様は、2項以降の請求項に記載されている。
本発明は、少なくとも2つの異なる成分を含有し、これらの成分はそれぞれ相互に別個の相の形で存在するセラミック材料に関する。成分のそれぞれは、この場合に、Aサイトに銀を含有し、Bサイトにニオブ及びタンタルを含有する、ペロブスカイト構造を示す。一方の成分(成分A)の組成及び他方の成分(成分B)の組成は、それぞれ、これらの誘電率の温度係数TKε及びTKεが一定の温度区間において相互に異なる符号を有するように選択される。
このANT−材料は、>300の高いεを示すという利点を有する。さらに、本発明によるセラミック材料は、低い誘電損失を示すという利点を有する。それぞれTKεが異なる符号を有する2つの成分を混合することにより、誘電率の温度依存性の大部分を補償し、その結果、本発明によるセラミック材料がそれらの成分よりも小さなTKεを示すことが達成できる。この補償は、この場合、所定の温度で部分的に行われるのではなく、全温度区間にわたり行われ、この温度区間内では個々の成分が異なる符号を示す。この補償は、温度スケール上の一点に限定されない。
本発明によるセラミック材料中の成分は別個の相として存在しているため、セラミック材料のTKεは、これが単に2種の異なる成分からなる場合について、次に記載されたリヒテンエッカーの規則(Lichtenecker-Regel)により示すことができる。
TKε = V × TKε + (1−V) × TKε
この場合、Vは成分の全体積に対する成分Aの体積割合を意味し、TKεもしくはTKεは成分A及びBの温度係数を意味する。
このリヒテンエッカーの規則から、所定の温度に対する成分Aの体積割合の適当な選択によって、誘電率の温度係数の完全な補償を実施できることが明らかになる。このリヒテンエッカーの規則は、成分A及びBの全体積に対する成分Aの最適な体積割合を決定するために利用され、その結果、個々の成分が一定の温度区間において異なる符号を有する温度係数の最適な補償を達成できる。
このため、本発明の場合に成分A及びBの全体積に対する成分Aの体積割合は、次の式:
V × S + (1−V) × S = 0
により計算される体積割合Vの25%より少なく偏倚するように選択される。
この場合、S及びSは、一定の温度区間において成分Aもしくは成分Bの誘電率の相対的変化のそれぞれ温度に依存する推移に最も適合しているそれぞれ直線の傾斜を意味する。
個別の温度にとって通用するリヒテンエッカーの規則を本発明の場合に温度区間に転用することにより、異なる符号を用いた温度係数TKεの最適な補償が達成することができる。上記の計算式を用いて、温度係数TKεの体積割合で決定された平均値が適当な体積割合の算定のために利用される。
この算定の基礎となるリヒテンエッカーの規則がTKε−値を線状に加算するため、個々の成分の誘電率の相対的変化の温度依存性の推移が、線状の推移により良好に適合できればそれだけ、温度係数TKεの補償はより良好に関数化される。従って、成分の適当な組成によってこのような線状の推移にできる限り良好に近付けることが追求される。
線状の推移をこのように近付けることは、成分の一方においてニオブ/タンタルの量比を適当に選択することにより特に有利に行うことができる。
有利な方法でTKεの温度依存性の推移に影響を及ぼす他の方法は、成分に1種又は数種のドーパントをそれぞれ最大20%の濃度で添加することにある。
次に、本発明を実施例及びそれに対応する図面を用いて詳細に説明する。
本発明のセラミック材料の成分Aもしくは成分Bとして使用することができる多様なANT−セラミック材料を記載する。さらに、成分Aと成分Bとの混合によりそれぞれか焼された粉末として及び引き続き焼結体として製造される本発明によるセラミック材料を記載する。記載されたセラミック材料の中で、それぞれ、上部及び下部の電極を備えかつキャパシタに付け加えられた円盤状の試料を製造した。この円盤状の試料に関して、温度に依存して容量の相対的変化の推移(以後単に推移とする)並びに表中に記載した電気的パラメータを測定した。
図1は、本発明による、正のTKεを示す成分Aと負のTKεを示す成分Bの補償の原理を図式的に示す。
残りの図2〜19は、それぞれ、本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示す。
図11、14、15、16、17、18、19は付加的に成分Aと成分Bとの混合物の推移を示す。
これらの図中で、それぞれ温度に依存する円盤状の試料の容量ΔC/Cの相対的変化を記載する。この容量の変化は、C=ε×A/dに関して大きさΔε/εと直接関連付けられている。
次の例は、焼結助剤として酸化バナジウム(V)を使用した試料を示す。それにより、1140℃の焼結温度は1050℃〜1080℃の温度に低下させることができ、これは、ANTの多様な適用分野にとって望ましい。Vの添加はANT−相の組成を変化させない、それというのも、微細構造分析が示したように、粒界での酸化バナジウムはバナジウム濃度の高い独自の相の形で集中するためである。
図1は、相対的な容量変化ΔC/Cの温度依存性を示し、この場合に曲線3は、成分A(曲線1)と成分B(曲線2)との混合により混合されている本発明によるセラミック材料の推移に該当する。成分A及びBは別個の相の形で存在しているため、各温度で成分の混合物の温度係数は、個々の成分温度係数の、体積割合により決定された簡単な加法により表すことができる。図1からの例において、成分Bの体積割合は成分A及びBの全体積に対して70%である。体積割合の適当な選択により、温度係数の極めて良好な減少を達成することができる。図1からは、曲線3が横座標からほとんど偏倚しないことが明らかである。図1は単に理想化されたグラフであり、極端に線状に延びる温度係数を示す成分は実現可能ではないためである。
図2による次の例は組成(Ag1-x )(Nb1-xTa)O(式中、y=0.1及びx=0.5)の試料を示す。図2Aは、この場合、ΔC/Cの推移を表し、この場合、Mは曲線4の場合にリチウム、曲線6の場合にナトリウム、曲線7の場合にカリウムである。曲線5は前記の組成のドープされていないANT試料を示し、その際y=0である。図2Bは図2Aからの曲線を縦座標軸の尺度を拡大して示す。
次の表1は金属Mを有する図2からのANT試料の誘電特性を示す。
表1:図2によるANT試料の誘電特性及び焼結温度
Figure 0005283813
表1の第1列にはドープされていないANT試料についての特性が示されている。第2、第3及び第4列では、リチウム(曲線4)、ナトリウム(曲線6)もしくはカリウム(曲線7)でドープされたANT試料についてのデータが示されている。表1の最初の2行は、εについてもしくは損失角tanδについて高周波で測定した値を示す。第3行及び第4行では、誘電率ε′について並びに単位GHzの品質係数Q×fについて2GHzで測定した値を示す。表1の第5行には、試料を製造したそれぞれの焼結温度を示す。
記載した試料の全ては高い誘電率を特徴とする。
ナトリウムでドープすることにより(曲線6参照)、温度推移の最大値が広がり、同時に低温での依存性も著しくなる。カリウムを用いたドーピングは、温度推移を平坦にし、それにより−80℃〜120℃の試験した全ての範囲内の温度依存性は減少する。
他の一連の試験では、Aサイトに関するドーピングに対して付加的にニオブ/タンタル比を変化させた。
図3は、組成(Ag1-y )(Nb1-xTa)O(式中、M=カリウム及びy=0.1)の成分Aについての温度推移を示し、その際、曲線8ではx=0.46、曲線9ではx=0.48、曲線10ではx=0.52、曲線11ではx=0.54である。
図4は、組成(Ag1-yI )(Nb1-xTa)O(式中、y=0.1及びM=ナトリウム)の成分Aについての温度推移を示し、その際、曲線12ではx=0.46、曲線13ではx=0.5、曲線14ではx=0.54である。
図3及び4から推知できるように、ニオブ/タンタル−割合の変化が高温領域での曲線の勾配に影響を及ぼす。ニオブ濃度が高まると共に、曲線の勾配は著しく落下する推移から、わずかに上昇する推移へと変化する。図4から明らかなように、ニオブ/タンタル−割合の変化はナトリウムでドープしたANT試料の場合に曲線最大値の位置に影響を及ぼし、この曲線最大値は100℃から50℃にずらすことができる。他の誘電特性は、ニオブ/タンタル−割合の変化によりほとんど変化しないため、この値は表1に示した値から10%より少なく偏倚する。
ドーピングの他の方法は、(Ag1-xIII )((Nb1-xTa1-yIV )Oに従って、ドーパントとしてペロブスカイト構造のAサイトに金属MIIIを使用し、ペロブスカイト構造のBサイトに金属MIVを使用することにある。結晶格子の電子特性を変化させないために、この場合にそれぞれホスト金属と比べて+1だけ高い原子価を有する第1のドーパントを、ホスト金属に比べて−1だけ低い原子価を有する第2のドーパントと組み合わせなければならない。使用したドーパントのイオン半径はこの場合に一定の範囲内で重要ではない、それというのも2つのドーパントはそれぞれのホストイオンよりも大きくても小さくてもよいためである。
次の実施例(図5、6、7、8)では図2に示したそれぞれのドーパントはAサイトもしくはBサイトで使用され、その際、銀もしくはニオブ/タンタルのそれぞれ5%がドーパントに置き換えられており、同時にx=0.5である。
次の表2には、ANTの多様なドーパントの個々の例を、この試料に関して測定した、εについての値、tanδについての値並びに、1050℃の温度で5時間熱処理した後でのセラミック材料の収縮率S(%)についての値と共に示す。二重にドープされた全ての試料の誘電率は、この場合に275〜433の間の極めて高い値を示す。バリウム及びジルコニウムでドープされた試料は、590のεを示すが、高い誘電損失のためにマイクロ波成分には適していない。他の試料の誘電損失は1MHzで測定し、1.6×10-3より大きくない結果となった。従って、他の試料はマイクロ波分野に極めて適している。この関係で、元素のサマリウムは、他の代表的な希土類、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテニウムに置き換えることができることが考慮される。
表2:1050℃で5時間焼結させた後の二重にドープしたANT試料の誘電率、誘電損失及び収縮率
Figure 0005283813
図5は、Bサイトにスズがドープされている試料についての推移を示す。この場合、Aサイト及びBサイトにそれぞれANT−出発材料の5mol%がドーパントに置き換えられている(y=0.05)。曲線15は、ペロブスカイト構造のAサイトのドーパントとしてバリウムについての推移を示し、曲線16はストロンチウムについての推移を示し、曲線17はカルシウムについての推移を示し、曲線18は鉛についての推移を示す。
図6は、試料(y=0.05)の推移を示し、この場合にドーパントとしてBサイトにジルコニウムが使用される。この場合、ペロブスカイト構造のAサイトのドーパントとして曲線19はカルシウムについての推移を示し、曲線20はバリウムについての推移を示し、曲線21はストロンチウムについての推移を示し、曲線22は鉛についての推移を示す。
図5及び6は、この推移が非線形であり、使用したドーパントによって変化することを示す。全ての試料は室温(20℃)〜125℃の間の温度についての誘電率の負の温度係数を示した。室温より下でこの曲線の最大値を示す。最大値の位置は選択された組成並びに選択されたドーパントに依存する。
図7は、ドーパントとしてAサイトにビスマスを使用したそれぞれのANT試料についての推移を示す。この場合、Bサイトのドーパントとして、曲線23はスカンジウムについての推移を示し、曲線24はガリウムもしくはインジウムに対する推移を示し、これらの推移は選択されたスケールでは相互に差異はない。
図8は、ドーパントとしてAサイトにサマリウムが選択されたANT試料についての推移を示す。この場合、試料のBサイトのドーパントとして曲線26はスカンジウムについての推移を示し、曲線27はガリウムについての推移を示し、曲線25はインジウムについての推移を示す。
図7及び8に示された試料は、−20℃〜125℃の試験した全ての温度区間において誘電率の負の温度係数を示す。この場合、この依存性は、AサイトもしくはBサイトのドーパントの組み合わせとは十分に無関係な勾配を示し、ほぼ線形である。
温度依存性の線形推移のため、図7及び図8からのこの試料は、特に本発明によるセラミック材料の実現のために適している。
他の一連の試験では、ビスマス/ガリウムでドープしたANTの例に関して、誘電率の温度推移に関するドーパントの割合の影響を試験した。この場合、組成(Ag1-yBi)((Nb1-xTa1-yGa)O(式中、x=0.44)のANTセラミック材料から出発した。
y=0.01、0.02、0.03、0.04及び0.05の値に相当する試料を製造した。この場合、試料の製造は、Vと一緒に1220℃で20時間か焼した(Nb,Ta,Ga)−酸化物−前駆体により行った。
その間に、原子レベルでできる限り均質な混合を達成するために、前駆体を繰り返し冷却しかつスクリーンを通してプレスした。銀及びビスマスは引き続き粉末化された前駆体の形で添加し、950℃で10時間加熱した。引き続き、このセラミック材料を1070℃で5時間酸素雰囲気中で焼結させた。
1MHzで測定したこの試料の推移を図9に示した。この場合、曲線28はy=0についての推移を示し、曲線29はy=0.01についての推移を示し、曲線30はy=0.02についての推移を示し、曲線31はy=0.03についての推移を示し、曲線32はy=0.04についての推移を示し、曲線33はy=0.05についての推移を示す。
他の一連の試験において、さらに、ビスマス/ガリウムの代わりにドーパントとしてサマリウム/ガリウムのペアを測定し、ビスマスがサマリウムに置き換えられたことが温度推移に関してほとんど影響しない結果が示された。他の誘電特性に関しても、ビスマス/ガリウムのドーパントの組み合わせとサマリウム/ガリウムのドーパントの組み合わせとの間に明らかな差異は観察できない。全ての場合で、例えば5mol%のドーパント濃度は、2GHzで測定して、容易に誘電率を値ε>420のに高め、Q×f値を<350GHzに低下させた。
ほぼ線状の推移に基づき、2mol%よりも高いドーパント濃度を有する図9に示されたANT試料は、本発明によるセラミック材料において成分A又は成分Bとして使用するのに特に重要である。
他の一連の試験において、ニオブ/タンタルの割合の変化がANT試料の温度推移に影響を及ぼしたように、ドーパントなしで試験した。
このために、組成Ag(Nb1-xTa)Oを有する7個の試料を製造し、その際、パラメータxは0.35〜0.65の間で可変である。この場合に、二重にドープした場合と同様の製造方法を、図9において示した試料でも使用した。
図10は、1MHzの周波数で測定したこれらの試料の誘電率の温度依存性を示す。この場合、曲線34はx=0.35についての組成を記載し、曲線35はx=0.4についての組成を記載し、曲線36はx=0.42についての組成を記載し、曲線37はx=0.44についての組成を記載し、曲線38はx=0.5についての組成を記載し、曲線39はx=0.6についての組成を記載し、曲線40はx=0.65についての組成を記載する。
図10による結果は、単にニオブ/タンタルの割合の変化によって、温度係数について単調に上昇する特性並びに単調に下降する特性も製造できることを示す。この場合、上昇及び下降する特性の間の境界はほぼx=0.5にある。
ほぼ線状の推移に基づき、特に図10からの曲線34並びに39及び40に帰属するセラミック組成が、成分A又はBとして本発明によるセラミック材料に使用するために特に適している。
他の一連の試験において、今までの試験から得られた試験結果をベースとして成分A及び成分Bの混合物として多様なセラミック材料を製造した。この場合に、それぞれの成分は別個にか焼しかつ粉末に加工した。引き続き成分A及び成分Bのこれらの粉末を相互に混合して、その後に焼結させた。
反対の温度推移の補償が機能するため、成分A及びBは相互に別個の相の形で存在しなければならない。試験はこのために成分A及びBを>5μmの粒度を有する微細すぎない粉末として混合する必要があることを示す。より小さい粒度を使用した場合に、成分間で拡散による材料交換が生じ、「固溶」が形成されてしまい、この固溶は相応する新規の特性を示す新規材料を生じさせてしまう。リヒテンエッカーの規則により記載されたような成分A及びBの簡単な「線形の重ね合わせ」はもはや不可能となる。5μmよりも大きな粒子を使用する場合に、緩慢な拡散プロセスによって単に粒子の周辺領域が相互に混合するため、成分Aと成分Bとはほぼ別個の相の形で残留する。成分A及びBはそれぞれ5〜500μmの大きさの粒子の形で存在し、その際、成分Aの粒子と成分Bの粒子とが相互に混合されている。
異種相のセラミック材料にとって、成分Aとして組成Ag(Nb1-xTa)Oのセラミックを使用し、成分Bとして組成(Ag1-yBi)(Nb1-xTa1-yGa)O(式中y=0.05)のセラミックを使用した。この場合、パラメータxはそれぞれ0.4の値を選択した。
図11Aはこの試料についての推移を示し、この場合、成分A及びBの重量に関する比率が曲線43の場合には50/50であり、曲線44の場合には45/55であり、曲線45の場合には42.5/57.5であり、曲線46の場合には35/65であり、曲線47の場合には40/60である。曲線41は成分Aについての推移を示し、曲線48は成分Bについての推移を示す。図11Bは図11Aからの曲線を縦座標軸の尺度を拡大して示す。
この場合、成分A/成分Bが42.5/57.5である混合物が、誘電率の最も小さな温度依存性を有することを示す。−20℃〜80℃の温度区間の間で、誘電率の変化は±0.5より少ない。さらに、この試料は420の高い誘電率及び425GHzの十分に高いQ×f値を示す。
図11に示したものとはパラメータx=0.44を選択することが異なるが同様の成分A及びBを用いて、他の試料を製造した。
この試料について、混合比50/50(質量%で測定)について最小の温度依存性が生じることが見出された。A/B=50/50のこの試料について、428の誘電率及び483のQ×f値が測定された。−20℃〜80℃の温度区間で、誘電率の変化は±1より少ない。
他の一連の試験で、その一般式においてx値が0.38についての上記の成分A及びBから出発し、多様な混合比を試験した。この結果は、補償に関して誘電率の温度係数が混合比A/B=32.5/67.5で最適の値を提供し、その際、−20℃〜80℃の間の温度区間において誘電率の変化は±0.25%よりも小さかった。しかしながら、この試料は高い誘電損失を有する相に関して高い濃度を示し、それによりこの試料のQ×f値は335に低下した。
次の表3において、試験した異種相のセラミック材料の誘電特性をまとめた。第1列にはパラメータxについての値が記載されている。第2列には成分A及びBの重量に関する混合比が記載されている。第3、第4、第5及び第6列には、収縮率S(%で記載)、誘電率ε、−20℃〜80℃の温度区間内で誘電率の相対的な最大変化、Q×f値(GHzで測定)を示す。
表3:最適の混合比を示す試料の成分A/成分Bの重量比、収縮率及び誘電特性
Figure 0005283813
本発明によるセラミック材料をキャパシタ用の誘電体として使用するために、セラミックの絶縁抵抗が最も重要なパラメータである。さらに上記のセラミック組成を示す試験は、ドーパントを有するセラミックが最大で数百MΩの低い絶縁抵抗を有することを示した。それに対して、ニオブ/タンタル比50/50を示す純粋なANTは9×10MΩの高い絶縁抵抗を示す。このドーパントの他に、さらに焼結助剤の酸化バナジウムは、絶縁抵抗の低下の原因として挙げられる。
従って、次の試験の対象は、セラミックスの絶縁抵抗を著しくは低下させない焼結助剤を見出すことであった。ホウ酸(HBO)がこのような焼結助剤である。このホウ酸はANTに1〜5%の重量割合で添加することができる。セラミックの焼結の間に、分解の兆候は示さずにこのセラミックスは14%だけ収縮した。このことから、HBOは焼結助剤として特に適している。特に、HBOは、1220℃の焼結温度を1140℃に下げるために適している。
ANTx試料(x=0.42並びにHBO 1質量%を添加)に関する電気的測定は、焼結助剤としてのこのホウ酸が、誘電率にも誘電損失にも許容できないほど影響を及ぼさないことを示した。前記の試料について、1MHzの周波数で426のε及び0.4×10-3のtanδが測定された。さらに、この試料は交流で2×10MΩの絶縁抵抗を示した。このことから、ホウ酸は、キャパシタとしての使用のために適した本発明によるセラミック材料の製造のための焼結助剤として適していることが明らかである。
さらに、ホウ酸は焼結助剤として、Vと比較して誘電率の温度依存性に有利な影響を及ぼすことが示された。
図12には、HBO 2質量%を添加した(曲線50)もしくはV 2質量%を添加した(曲線49)ANTx試料(x=0.42)の温度推移が示されている。図12から、ホウ酸はVと比較して誘電率の温度特性に有利に影響することは明らかである。
従って、次の試験において、ドーパントの関与なしで単にANTxの使用下でニオブ−タンタル−割合を変化させることで本発明によるセラミック材料の実現をどの程度までなしえるかを試験した。さらに、焼結助剤として添加したHBOの多様な重量割合の影響を試験した。
次に記載した試料の場合に、HBOそれぞれ1及び1.5質量%を引き続き950℃でか焼する前にセラミック材料に添加した。引き続き、セラミックスを1070℃で5時間焼結した。その後、こうして製造した材料の誘電特性を1MH及び約2GHzの周波数で試験した。
本発明による複合材料−セラミックスについての成分Bとして、すでに上記した組成から公知の成分B(ANTx、x=0.65)を使用した。この成分を30.9μm(成分A)もしくは27.7μm(成分B)の平均粒度を有する顆粒として相互に混合し、引き続き一緒に焼結させた。
最初の一連の試験において、成分BはHBO 1質量%並びにタンタルに関してニオブの多様な過剰量を有する複数の可能な成分Aを試験した。この結果を図13に示した。この場合、曲線51〜54は、それぞれ変化するx含有量を示す成分Aに関し、曲線55はx=0.65を示す上記の成分Bに関する。曲線51は、この場合に、x=0.35を示す成分Bの組成を記載し、曲線52はx=0.38を示し、曲線53はx=0.40を示し、曲線54はx=0.42を示す。
図13は特に曲線51による組成が良好な線形の推移を示し、本発明による複合材料セラミックスにおいて成分Aとして使用するために特に適していることを示す。
図13に示した、多様な成分Aを用いて、次の表4に記載した多様な混合比の成分A/成分Bを有する本発明によるセラミック材料を製造した。表4の第1列には、成分Aのそれぞれ使用した過剰量のニオブがx値として記載されている。第2列には成分A/成分Bの重量に関する割合が記載されている。第3、第4、第5、第6及び第7列は、表2に対応する中心値もしくは試料の収縮率Sを示す。例4の最後の列には、成分A及び成分Bからなる推移に関してそれぞれ最適な混合物について、−20℃〜80℃の温度区間において誘電率のそれぞれ最大の相対的変化率が記載されている。
表4:1070℃で5時間焼結した、焼結助剤としてHBO 1質量%を有する複合材料−セラミックス(成分B=ANTx、x=0.65)の誘電率及び誘電損失
Figure 0005283813
表4は、それぞれ最適な混合比で成分A/成分Bから製造された、成分Aについて多様なx値を有する複合材料−セラミックが、マイクロ波デバイスの使用分野並びに多層キャパシタのために適していることを示す。
図14は、成分Aをx=0.42(8%のニオブ過剰量)で有し及び成分A/成分Bの多様な混合比を有する本発明による多様な複合材料−セラミックスの推移を示す。この場合、曲線56は混合比60/40についての推移を示し、曲線57は混合比70/30についての推移を示し、曲線58は混合比62.5/37.5についての推移を示し、曲線59は純粋な成分Aの推移を示し、曲線60は純粋な成分Bの推移を示す。
図15は、成分Aをx=0.40(10%のニオブ過剰量)で有し及び成分A/成分Bの多様な混合比を有する本発明による多様な複合材料−セラミックスの推移を示す。この場合、曲線62は混合比60/40についての推移を示し、曲線64は混合比40/60についての推移を示し、曲線63は混合比50/50についての推移を示し、曲線61は純粋な成分Aの推移を示し、曲線65は純粋な成分Bの推移を示す。
図16は、成分Aをx=0.38(12%のニオブ過剰量)で有し及び成分A/成分Bの多様な混合比を有する本発明による複合材料−セラミックスの推移を示す。この場合、曲線69は混合比35/65についての推移を示し、曲線68は混合比45/55についての推移を示し、曲線67は混合比55/45についての推移を示し、曲線70は純粋な成分Bの推移を示し、曲線66は純粋な成分Aの推移を示す。
図17は、成分Aをx=0.35(15%のニオブ過剰量)で有し及び成分A/成分Bの多様な混合比を有する本発明による複合材料−セラミックスの推移を示す。この場合、曲線75は混合比30/70についての推移を示し、曲線73は混合比40/60についての推移を示し、曲線72は混合比50/50についての推移を示し、曲線71は混合比45/55についての推移を示し、曲線76は純粋な成分Bの推移を示し、曲線71は純粋な成分Aの推移を示す。
他の実験の場合には、ホウ酸の割合が1質量%〜1.5質量%に上昇するように試験した。この場合、高めたホウ酸の割合はANT粉末の焼結を容易にすることが見出された。さらに、誘電率についていくらか高い値が得られた。この誘電損失は1MHzで測定して、この場合、HBO−濃度によって明らかな変化は示さなかったが、2GHzでのQ×f値は1%のHBOを添加した場合よりもいくらか悪化した。
図18は、HBO 1.5質量%を添加して製造したANTx系についての推移を示す。残りの製造パラメータはHBO 1質量%の試料の場合と同様であった。この場合、曲線77はx=0.42での成分Aについての推移を示し、曲線78は質量に対する混合比70/30での成分A及び成分Bからの混合物についての推移を示し、曲線79は混合比60/40の複合材料−セラミックスであり、最後に曲線80はx=0.65での成分Bについての推移を示す。
図19は、成分Aをx=0.35(15%のニオブ過剰量)で有し及び成分A/成分Bの多様な混合比を有する本発明による複合材料−セラミックス(HBO 1.5質量%)の温度推移を示す。曲線81はx=0.35での成分Aを示し、曲線82は混合比60/40の混合物を示し、曲線83は混合比55/45の混合物を示し、曲線84は混合比45/55の混合物を示し、曲線85はx=0.65での成分Bを示す。
次の表5の場合には、表4に相応して、それぞれ8%のニオブ過剰量(x=0.42)もしくは15%のニオブ過剰量(x=0.65)を示す成分Bを有する混合物についての誘電特性並びに収縮率が記載されている。成分A/成分Bのそれぞれの最適な混合比についての、−20℃〜80℃の間の温度区間での誘電率の最大の相対的変化が記載されている。
表5:1070℃で5時間焼結した、焼結助剤としてHBO 1.5質量%を有する複合材料−セラミックス(成分B=ANTx、x=0.65)の誘電率及び誘電損失
Figure 0005283813
本発明による、正のTKεを示す成分Aと負のTKεを示す成分Bの補償の原理を図式的に示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ 本発明によるセラミック材料のために成分Aもしくは成分Bとして使用できる多様なANT材料の推移を示すグラフ

Claims (15)

  1. 少なくとも2種の異なる、相互に別個の相の形で存在する成分A及びBを含有するセラミック材料において、
    これらの成分A及びBはそれぞれAサイトに銀を含有し、Bサイトにニオブ及びタンタルを含有するペロブスカイト構造を有し、
    及び前記成分Aの組成及び前記成分Bの組成は、それぞれこれらの誘電率の温度係数TKεA及びTKεB、−20℃〜80℃の範囲内にある温度区間において相互に異なる符号を有するように選択されている、セラミック材料。
  2. 成分A及びBの全体積に対して成分Aの体積割合は、次の式:
    V×SA+(1−V)×SB=0
    により計算された体積割合Vから25%より少なく偏倚し、その際、SA及びSBは、前記温度区間において成分A及びBの誘電率の相対的変化のそれぞれの温度に依存する推移に最も適合したそれぞれの直線の勾配を示す、請求項1記載のセラミック材料。
  3. 成分の少なくとも一方が1種以上のドーパントで、それぞれ最大20%の濃度でドープされている、請求項1又は2記載のセラミック材料。
  4. 成分の少なくとも一方が組成Ag(Nb1-xTax)O3で表され、その際、0.30≦1−x≦0.70が当てはまる、請求項1又は2記載のセラミック材料。
  5. Aサイトに関する成分の一方がドーパントとして金属MIを含有し、その際、MIはリチウム、ナトリウム又はカリウムであり、組成(Ag1-yI y)(Nb1-xTax)O3で表され、その際、0.45≦1−x≦0.55及び0<y≦0.15が当てはまる、請求項1から3までのいずれか1項記載のセラミック材料。
  6. Aサイトに関する成分は他のドーパントとしてMIとは異なる金属MIIを含有し、その際、MIIはリチウム、ナトリウム、カリウムの金属から選択され、組成(Ag1-y-zI yII z)(Nb1-xTax)O3で表され、その際、0.45≦1−x≦0.55、0≦y≦0.15及び0<z≦0.1が当てはまる、請求項5記載のセラミック材料。
  7. Aサイトに関する成分の一方がドーパントとして金属MIIIを含有し、Bサイトに関する成分の一方が金属MIVを含有し、その際、MIIIはビスマス又は希土類金属であり、MIVはインジウム、スカンジウム又はガリウムであり、この成分は組成(Ag1-yIII y)((Nb1-xTax1-yIV y)O3で表され、その際、0<y≦0.10及び0.35≦x≦0.5が当てはまる、請求項1から3までのいずれか1項記載のセラミック材料。
  8. Aサイトに関する成分の一方が金属MIIIを含有し、Bサイトに関する成分の一方が金属MIVを含有し、その際、MIIIはバリウム、カルシウム、鉛又はストロンチウムであり、MIVはスズ又はジルコニウムであり、この成分は組成(Ag1-yIII y)((Nb1-xTax1-yIV y)O3で表され、その際、0<y≦0.10及び0.35≦x≦0.5が当てはまる、請求項1から3までのいずれか1項記載のセラミック材料。
  9. 成分Aは組成Ag(Nb1-xTax)O3で表され、成分Bは組成(Ag1-ySmy)((Nb1-xTax1-yGay)O3で表され、その際、0.38≦x≦0.42及び0.04≦y≦0.06が当てはまり、その際、成分A/成分Bの体積に関する混合比は45/55〜40/60である、請求項1から7までのいずれか1項記載のセラミック材料。
  10. 成分A及びBはそれぞれ組成Ag(Nb1-xTax)O3で表され、その際、成分Aについては0.50<1−x≦0.70が当てはまり、成分Bについては0.30≦1−x≦0.50が当てはまる、請求項1記載のセラミック材料。
  11. 成分A及びBはそれぞれ組成Ag(Nb1-xTax)O3で表され、その際、成分Aについては0.64≦1−x≦0.66が当てはまり、成分Bについては0.34≦1−x≦0.36が当てはまり、その際、成分A/成分Bの体積に関する混合比は40/60〜50/50である、請求項10記載のセラミック材料。
  12. 成分A及びBはそれぞれ>5μmの大きさの粒子の形で存在し、その際、成分Aの粒子と成分Bの粒子とが相互に混合されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のセラミック材料。
  13. 成分A及びBはそれぞれ5〜500μmの大きさの粒子の形で存在する、請求項12記載のセラミック材料。
  14. 成分Aの粒子と成分Bの粒子との混合物を焼結させることにより製造されている、請求項12又は13記載のセラミック材料。
  15. 焼結助剤として、H3BO3又はV25を含有する、請求項1から14までのいずれか1項記載のセラミック材料。
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