JPH0597508A - 高周波用誘電体磁器組成物 - Google Patents

高周波用誘電体磁器組成物

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JPH0597508A
JPH0597508A JP3262212A JP26221291A JPH0597508A JP H0597508 A JPH0597508 A JP H0597508A JP 3262212 A JP3262212 A JP 3262212A JP 26221291 A JP26221291 A JP 26221291A JP H0597508 A JPH0597508 A JP H0597508A
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JP3262212A
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English (en)
Inventor
Shinichi Okubo
慎一 大久保
Yoshihiro Yoshimoto
義弘 吉本
Harufumi Bandai
治文 萬代
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1000℃未満の温度で焼成することがで
き、かつ高Q値、高い比誘電率εr を有し、さらに誘電
体共振器を構成した場合の共振周波数の温度依存性の小
さな磁器を得ることを可能とする誘電体磁器組成物を提
供する。 【構成】 主成分としてのxBaO−yTiO2 −zL
nO3/2 −aPbO−bBi2 3 (但し、Lnはラン
タニド系元素のうち少なくとも1種)を100重量部、
2 3 及びSiO2 のうち少なくとも1種からなる添
加剤を3〜50重量部配合してなり、(xBaO−yT
iO2 −zLnO3/2 )を100重量%としたときに、
前記a及びbが、それぞれ、17重量%以下の割合であ
り、上記x、y及びzが下記の関係を満たす高周波用誘
電体磁器組成物。 0.02≦x≦0.2、 0.4≦y≦0.7及び 0.1≦z≦0.58 x+y+z=1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波帯用の誘電
体共振器やフィルタ等に用いられる誘電体磁器組成物に
関し、特に、Q値が高く、温度特性が安定しており、さ
らに誘電率の高い磁器を得ることを可能とする低温焼成
可能な高周波用誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波帯用の共振器やフィル
タ等の電子部品においても、小型化を図るために、高い
比誘電率(εr)を有するセラミック誘電体を用いた空
洞共振器が用いられている。この空洞共振器は、誘電体
内では電磁波の波長が自由空間における電磁波の波長の
1/εr1/2 に短縮される効果を利用したものである。
しかしながら、誘電体共振器として使用し得るゼロ温度
係数を有する材料のεrは、これまでのところ100以
下のものに限られており、より一層の小型化に対する要
求に応えることができなくなってきた。より一層の小型
化を進めるには、従来よりマイクロ波回路で知られてい
るLC共振器を用いる方法が有効である。そして、LC
共振器を組み合わせた回路を構成する場合、積層コンデ
ンサやセラミック多層基板等で実用化されているセラミ
ック積層技術を適用すれば、より一層小型化及び高信頼
性の高周波用電子部品を製作することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロ波帯用の高いQ値を有する積層型のLC共振器を得る
には、使用する電極の導電率の高いことが必要である。
すなわち、誘電体と同時に焼成される内部電極材料とし
ては、高導電率の金属材料、例えば金、銀または銅を使
用する必要がある。従って、上記マイクロ帯用LC共振
器を得るには、誘電体材料についても、高誘電率、高Q
特性及び高温における安定性に加えて、融点が比較的低
い上記のような電極材料と同時に焼成し得る、低温焼結
性に優れた材料であることが要求される。しかしなが
ら、従来、低温で焼成することができ、かつ上記のよう
な特性を満たす高周波用誘電体磁器組成物は未だ存在し
なかった。
【0004】本発明の目的は、約1000℃以下の低温
で焼成することができ、しかもQ値及び誘電率が高く、
かつ温度特性も安定な誘電体磁器を得ることを可能とす
る高周波用誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成すべくなされたものであり、主成分として、xBaO
−yTiO2 −zLnO3/2 −aPbO−bBi2 3
を100重量部に対し、後述の添加剤3〜50重量部を
配合してなる高周波用誘電体磁器組成物である。主成分 上記主成分において、Lnは、La、Ce、Pr、N
d、Pm、SmまたはEu等のランタニド系元素のうち
少なくとも1種を示す。また、上記主成分の組成式にお
いて、x、y及びzは、それぞれ、下記の関係を満たす
ことが必要である。 0.02≦x≦0.2、 0.4≦y≦0.7及び 0.1≦z≦0.58 x+y+z=1
【0006】上記のようにx、y及びzの範囲を限定し
た理由を、図1の三成分系組成図を参照して説明する。
図1は、BaO、TiO2 及びLnO3/2 についての三
成分系組成図(単位はモル%)であり、上記x、y及び
zを限定した組成範囲は、図1中の点j、k、l及びm
を結ぶ直線nで囲まれた領域に相当する。上記直線nで
囲まれた領域の外側の領域のうち、領域oでは、焼結が
困難であり、かつ焼結し得たとしても、得られた磁器が
ポーラスとなり上記課題を達成し得る磁器を得ることが
できない。また、領域pでは、誘電体共振器を作製した
場合の共振周波数が周囲温度の上昇に伴ってかなり高く
なり、すなわち共振周波数の温度依存性がかなり高くな
る。また、焼結状態が不安定となりがちである。さら
に、領域qでは、誘電体共振器を構成した場合の共振周
波数が温度の上昇に伴って著しく高くなり、やはり共振
周波数の温度依存性が高くなる。また、領域rでは、誘
電体共振器を構成した場合の共振周波数が温度の上昇に
伴って著しく低下し、やはり共振周波数の温度依存性が
高くなり過ぎると共に、場合によっては焼結が完全に進
行しない場合もある。以上の理由により、本発明では、
上記x、y及びzが、図1の実線nで囲まれた領域に限
定されている。
【0007】また、上記主成分の組成式中、PbO及び
Bi2 3 の含有割合を示すa、bは、それぞれ、上記
(xBaO−yTiO2 −zLnO3/2 )の含有量を1
00重量%としたときに、a及びbは、いずれも17重
量%以下となる割合とされる。これは、PbOの含有割
合が増加すると比誘電率εr が高くなり、かつ誘電体共
振器を構成した場合の共振周波数が低くなる傾向がある
が、上記範囲を超えてPbOを含有させると、1000
℃以下で焼成した場合には焼結状態が不安定となり、所
望とする特性の誘電体磁器を得ることができないからで
ある。他方、Bi2 3 の含有割合が高くなると比誘電
率εr が高くなる傾向があるが、Bi2 3 が上記範囲
より多く含有されると、焼成に際して溶融し、所望とす
る磁器を得ることができないからである。
【0008】添加剤 本発明では、上述した主成分100重量部に対し、下記
の添加剤3〜50重量部が配合される。請求項1に記載
の発明では、上記添加剤として、B2 3 及びSiO2
のうち少なくとも1種を含むものが用いられる。また、
請求項2に記載の発明では、上記添加剤として、dB2
3 −eSiO 2 −fPbOにおいて、d、e及びfが
下記の関係を満たすものが用いられる。 0≦d≦0.70、 0≦e≦0.70及び 0.3≦f≦0.75 d+e+f=1 上記d、e及びfを上記特定の範囲とした組成は、図2
の太線sで囲まれた領域に相当する。図2の添加剤につ
いての三成分系組成図(単位はモル%)において、太線
sで囲まれた領域外の領域のうち、領域tにおいては、
Q値が400以下と低下するため、高いQ値を実現する
ことができない。また、領域uでは、焼結温度が100
0℃以上に高くなり、低温焼成可能な誘電体磁器組成物
を得ることができない。
【0009】請求項3に記載の発明では、上記添加剤と
して、gB2 3 −hSiO2 −iZnOが用いられ、
上記g、h及びiは、下記の関係を満たす範囲とされて
いる。 0.05≦g≦0.7、 0≦h≦0.25及び 0.3≦i≦0.7 g+h+i=1 g〜iを、上記特定の範囲とした理由を、添付の図3を
参照して説明する。図3は、上記添加剤の三成分系組成
図(単位はモル%)を示し、上記g〜iの限定範囲は、
図3における太線vで囲まれた領域に相当する。vで囲
まれた領域の外側である領域w1 では、Q値が低下し、
高Q値の磁器を得ることができない。また、領域w2
は、焼結温度が1000℃以上と高くなり、低温焼成可
能な誘電体磁器組成物を得ることができない。さらに、
領域w3では、同じく焼成温度が1000℃を超え、低
温焼成可能な誘電体磁器組成物を得ることができない。
【0010】上記のようにして請求項1〜3に記載の各
発明では、上述した各添加剤が主成分100重量部に対
して3〜50重量部配合される。これは、添加剤の配合
量が3重量%より少ないと、焼結温度が1000℃以上
に高くなるからであり、他方、50重量%を超えると得
られる磁器の比誘電率εr 及びQ値が低下し、かつガラ
ス成分の溶出が生じるからである。なお、上記添加剤に
は、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じてその
他の成分、例えばSrCO3 、Li2 CO3 等が配合さ
れてもよい。また、本発明の誘電体磁器組成物は、空気
中のような酸化性雰囲気だけでなく、還元性雰囲気で焼
成してもよく、何れの場合でも所望の特性の磁器を与え
得る。
【0011】
【作用及び発明の効果】請求項1〜3に記載の発明で
は、上記特定の主成分に対し、それぞれ、上記特定の添
加剤が上記特定の割合で配合されているため、1000
℃以下で焼成することができ、しかも高Q値、高い比誘
電率εr を有し、かつ誘電体共振器を構成した場合の共
振周波数の温度依存性が小さく、すなわち温度安定性に
優れた磁器を得ることを可能とする誘電体磁器組成物が
提供される。
【0012】
【実施例の説明】以下、本発明の非限定的な実施例を説
明することにより、本発明を明らかにする。実施例1 実施例1は、請求項1に記載の発明の実施例に相当す
る。まず、主成分を構成する原料として、BaCO3
TiO2 、Nd2 3 、CeO2 、Sm2 3 、La2
3 、Pr6 11、PbO、及びBi2 3 の各粉末を
用意した。次に、これらの原料粉末を用い、下記の表1
及び表2に、試料番号1〜28で示す組み合わせとなる
ように各原料を秤量し、ボールミルで16時間湿式混合
した後、蒸発・乾燥し、空気中で1000℃の温度で2
時間仮焼・粉砕することにより、試料番号1〜28の各
主成分の仮焼粉末を得た。他方、添加剤を構成する原料
として、B2 3 、SiO2 、PbO、ZnO、CaC
3 、BaCO3 、SrCO3 、及びLi2 CO3 を用
意した。次に、これらの添加剤原料を秤量し、ボールミ
ルで16時間湿式混合した後、蒸発乾燥した後、100
0℃で溶融し、湿式粉砕し、しかる後乾燥することによ
り、下記の表3に示す添加剤A〜Dをそれぞれ調製し
た。
【0013】次に、表1,2に示す試料番号1〜28の
主成分の仮焼粉末100重量部と、表1,表2に示した
量の添加剤A、B、CまたはDと、バインダとして酢酸
ビニル5重量%と仮焼粉末と同重量の純水とをボールミ
ルにより16時間湿式混合した後、蒸発乾燥し、整粒す
ることにより顆粒状の粉末を得た。次に、得られた顆粒
状の各粉末を、乾燥プレス機により2ton/cm2
圧力で加圧することにより、直径30mm及び厚さ15
mmの円柱状成形体を得た。得られた成形体を空気中で
800〜1000℃で2時間焼成することにより試料番
号1〜28の焼結体を得た。
【0014】上記のようにして得た試料番号1〜28の
各焼結体につき、電気的特性を下記の要領で測定した。
結果を、下記の表4及び表5に示す。 (1)誘電率ε:誘電体共振器法にて、25℃の温度で
かつ2GHzにて測定した。 (2)Q値:誘電体共振法(?)にて、25℃、2GH
zの条件で測定した。 (3)Tcf0 (共振周波数の温度係数):上記各焼結
体を用いて誘電体共振器を構成し、25℃における共振
周波数f25及び85℃における共振周波数f85を測定
し、以下の式に基づいて、Tcf0 (単位:ppm/
℃)を計算した。 Tcf0 =(1/f25)・(f85−f25)×106 ×(85−25)-1 なお、下記の表1,表2におけるa,bで示すPbO及
びBi2 3 の含有割合は(重量%)は、(xBaO−
yTiO2 −zLnO3/2 )100重量%に対する割合
である。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】表4から明らかなように、試料番号1で
は、添加剤が配合されていないため、1000℃の温度
で焼結しなかった。また、試料番号5では、添加剤Aの
配合量が60重量部と、本発明外であるため、比誘電率
εr が30と小さく、かつガラスが溶出し、Tcf0
測定することができなかった。これに対して、試料番号
2〜4の焼結体では、請求項1に記載の発明の組成を有
するためか、1000℃以下で焼結することができ、得
られた焼結体は高い比誘電率εr 及び高いQ値を示し、
かつTcf0 も比較的小さいことがわかる。また、添加
剤の種類を添加剤Cに変更した試料番号6〜8の焼結体
においては、上述した試料番号2〜4の焼結体と同様
に、組成が本発明の範囲内にあるため、良好な特性を示
すことがわかる。試料番号9〜12においては、本発明
の範囲内にある組成を有する試料番号9〜11の焼結体
では良好な特性を有し、しかも1000℃未満の温度で
焼結を行うことができたのに対し、試料番号12では、
Bi2 3 の含有割合bが20重量%と本発明外の組成
であるためか、825℃で焼成した場合に溶融してしま
い、電気的特性を測定することができなかった。
【0021】また、試料番号13〜21では、ランタニ
ド系元素の種類を種々変更したが、いずれも本発明内の
組成であるため、良好な比誘電率、高いQ値及び小さな
Tcf0 を示し、さらに900℃の温度で焼結が確実に
行われた。これに対して、試料番号22の焼結体では、
yが0.37と本発明の範囲外であるためか、Tcf 0
が−116と大きく、温度上昇に伴って共振周波数が著
しく低下し、温度安定性が十分でなかった。試料番号2
3〜26は、本発明の範囲内の組成を有するため、十分
な電気的特性を示し、かつ1000℃以下の温度で焼成
することができた。これに対して、試料番号27では、
主成分における上記PbOの含有割合aが20重量%
と、本発明の範囲外の組成であるため、焼結が不安定で
あり、得られた磁器の電気的特性を測定することができ
なかった。また、試料番号28では、yが0.30と本
発明外の組成のため、1000℃で焼結することができ
なかった。
【0022】実施例2 実施例2は、請求項2に記載の発明にかかる実施例に相
当する。 まず、実施例1で用いたのと同一の主成分原料を用い
て、実施例1と同様にして下記の表6〜8に示す各主成
分の仮焼粉末を得た。他方、実施例1で用いたのと同一
の添加剤原料を用意し、実施例1と同様にして下記の表
9に示す添加剤E〜Qをそれぞれ調製した。次に、表6
〜8に示す試料番号1〜40の主成分の仮焼粉末100
重量部と、表6〜8に示した量及び種類の添加剤と、バ
インダとして酢酸ビニル5重量%と仮焼粉末と同重量の
純水とをボールミルに16時間湿式混合した後、蒸発乾
燥し、整粒することにより顆粒状の粉末を得た。得られ
た顆粒状の粉末を用い、実施例1と同様にして、試料番
号1〜40の焼結体を得た。得られた試料番号1〜40
の各焼結体につき、実施例1と同様にして電気的特性を
測定した。結果を、下記の表10〜12に示す。
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【表8】
【0026】
【表9】
【0027】
【表10】
【0028】
【表11】
【0029】
【表12】
【0030】表10から明らかなように、試料番号1で
は、添加剤が配合されていないため、1000℃の温度
で焼結しなかった。また、試料番号5では、添加剤Kの
配合比が60重量%と本発明外であるため、溶融してし
まい、電気特性を測定できなかった。これに対して、請
求項2に記載の発明の範囲にはいる試料番号2〜4の焼
結体では、1000℃以下で焼結することができ、得ら
れた焼結体が高い比誘電率ε及び高いQ値を示し、かつ
Tcf0 も比較的小さいことがわかる。試料番号6〜1
1では、請求項2に記載の発明の範囲内にあるため、1
000℃未満の温度で焼結し、かつ良好な電気的特性が
得られている。これに対して、試料番号12の焼結体で
は、a=20と、PbOの含有割合aが本発明外の組成
であるためか、800℃で焼成した場合、溶融してしま
い、電気的特性を測定することができなかった。
【0031】また、試料番号13では、主成分の組成式
中のyが0.75と、請求項2に記載の発明の範囲外で
あるため、Tcf0 が+170とかなり大きく、共振周
波数の温度依存性が著しく大きかった。試料番号14〜
21は、ランタニド系元素の種類を種々変更した例に相
当するが、いずれも請求項2に記載の発明の範囲内にあ
るため、高誘電率、高Q値であり、かつ共振周波数の温
度依存性が小さな焼結体の得られていることがわかる。
これに対して、試料番号22の焼結体では、主成分の組
成式中のyが0.37と、請求項2に記載の発明の範囲
外であるため、Tcf0 が−122と大きく、温度安定
性が十分でなかった。
【0032】試料番号23〜26の各焼結体では、請求
項2に記載の発明の範囲内にある組成を有するため、1
000℃未満で焼結し、良好な電気的特性を示した。ま
た、試料番号27では、PbOの組成分中の含有割合が
20重量%と本発明の範囲外であるため、焼結状態が不
安定であった。試料番号28の焼結体では、主成分の組
成式中のyが0.30と本発明の範囲外であるため、1
000℃の温度で焼結しなかった。試料番号29〜32
の各焼結体では、添加剤の種類が変更されているが、い
ずれも本発明の範囲内に入る組成を有するため、100
0℃未満で焼結し、良好な電気的特性を示した。
【0033】これに対して、試料番号33及び34の焼
結体では、添加剤I及び添加剤Jを用いており、添加剤
I,Jがいずれも請求項2に記載の発明の範囲外の組成
を有するものであるため、1000℃の温度で焼結しな
かった。試料番号35〜37は、添加剤として、添加剤
L〜Nをそれぞれ用いた例に相当するが、いずれも良好
な電気的特性を示し、かつ1000℃未満の温度で焼結
した。これに対して、試料番号38〜40は、本発明の
範囲外の組成の添加剤O〜Qを用いたものであるため
か、1000℃未満の温度で焼結は進行したものの、比
誘電率εが55未満と低く、Q値も380以下とかなり
低く、さらに共振周波数の温度依存性がかなり大きかっ
た。
【0034】実施例3 実施例3は、請求項3に記載の発明についての実施例で
ある。まず、実施例1で用いたのと同一の主成分原料を
用い、実施例1の場合と同様にして下記の表13〜15
に示す試料番号1〜36の各主成分の仮焼粉末を得た。
他方、実施例1で用いたのと同一の添加剤原料を用い、
実施例1と同様にして処理することにより、下記の表1
6に示す添加剤R〜Zを調製した。表13〜15の試料
番号1〜36の主成分の仮焼粉末と、表13〜15に示
した割合及び種類の添加剤R〜Zを用い、実施例1と同
様にして試料番号1〜36の焼結体を得た。次に、得ら
れた試料番号1〜36の焼結体の電気的特性を、実施例
1と同様にして測定した。結果を、表17〜19に示
す。
【0035】
【表13】
【0036】
【表14】
【0037】
【表15】
【0038】
【表16】
【0039】
【表17】
【0040】
【表18】
【0041】
【表19】
【0042】表13から明らかなように、試料番号1の
焼結体では添加剤が含有されていないため、1000℃
の温度で焼結しなかった。また、試料番号5の焼結体で
は、添加剤の配合割合が60重量%と請求項3に記載の
発明の範囲外であるためか、ガラスが溶出し、共振周波
数の温度変化率を測定することができなかった。これに
対して、試料番号2〜4の本発明の範囲内にある焼結体
では、1000℃未満で焼結が進行し、高誘電率、高Q
値及び小さなTcf0 を示した。同様に、試料番号6〜
11の焼結体においても、本発明の範囲内に入る組成を
有するため、1000℃未満の温度で焼結され、かつ良
好な電気的特性を示した。これに対して、試料番号12
の焼結体では、b=20重量%と、主成分中のTi2
3 の含有割合が高いためか、800℃の温度で溶融し、
電気的特性を測定することができなかった。また、試料
番号13の焼結体では、y=0.75と本発明の範囲外
の組成であるためか、共振周波数の温度依存性がTcf
0 =214と非常に大きかった。
【0043】試料番号14〜21は、主成分中のランタ
ニド系元素の種類を種々変更した例に相当するが、いず
れも本発明の範囲内の組成を有するため、1000℃未
満で焼結が進行し、良好な電気的特性を示した。試料番
号22の焼結体は、主成分の組成式中y=0.37と本
発明の範囲外の組成であるためか、Tcf0 が−118
と大きく温度安定性が十分でなかった。また、試料番号
23〜26の焼結体は、いずれも、本発明の範囲内の組
成を有するため、1000℃未満の温度で焼結され、高
誘電率、高Q値を示し、かつ共振周波数の温度依存性の
小さいことがわかる。これに対して、試料番号27の焼
結体では、a=20重量%と、PbOの含有割合が本発
明の範囲外であるため、800℃の温度で焼結したもの
の、焼結状態が不安定であった。
【0044】同様に、試料番号28の焼結体では、y=
0.30と主成分が本発明の範囲外の組成であるため
か、1000℃の温度で焼結しなかった。試料番号29
〜36は、種々の添加剤を使用した例に相当する。試料
番号33、35及び36は、いずれも、請求項3に記載
の発明の範囲外の組成の添加剤である添加剤V、Xまた
はZを用いているため、試料番号33ではQ値が350
と非常に低く、試料番号35,36の焼結体では100
0℃の温度で焼結しなかった。これに対して、試料番号
29〜32及び試料番号34の焼結体は、いずれも10
00℃未満の温度で焼結し、しかも良好な電気的特性を
示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】主成分の三成分系組成図。
【図2】請求項2の発明における添加剤の三成分系組成
図。
【図3】請求項3の発明における添加剤の三成分系組成
図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分としてのxBaO−yTiO2
    zLnO3/2 −aPbO−bBi2 3 (但し、Lnは
    ランタニド系元素のうち少なくとも1種を示す。)を1
    00重量部に対して、添加剤3〜50重量部を配合して
    なり、 前記x、y及びzが、 0.02≦x≦0.2、 0.4≦y≦0.7及び 0.1≦z≦0.58 x+y+z=1 の関係を満たし、前記主成分中において、(xBaO−
    yTiO2 −zLnO 3/2 )を100重量%としたとき
    に、前記a及びbが、それぞれ、17重量%以下の割合
    で、前記PbO及びBi2 3 が含有されており、 前記添加剤が、B2 3 及びSiO2 のうち少なくとも
    1種を含むことを特徴とする、高周波用誘電体磁器組成
    物。
  2. 【請求項2】 主成分としてのxBaO−yTiO2
    zLnO3/2 −aPbO−bBi2 3 (但し、Lnは
    ランタニド系元素のうち少なくとも1種を示す。)を1
    00重量部に対して、添加剤3〜50重量部を配合して
    なり、 前記x、y及びzが、 0.02≦x≦0.2、 0.4≦y≦0.7及び 0.1≦z≦0.58 x+y+z=1 の関係を満たし、前記主成分中において、(xBaO−
    yTiO2 −zLnO 3/2 )を100重量%としたとき
    に、前記a及びbが、それぞれ、17重量%以下の割合
    で、前記PbO及びBi2 3 が含有されており、 前記添加剤が、dB2 3 −eSiO2 −fPbOであ
    り、d、e及びfが、下記の関係を満たすものであるこ
    とを特徴とする、高周波用誘電体磁器組成物。 0≦d≦0.70、 0≦e≦0.70及び 0.3≦f≦0.75 d+e+f=1
  3. 【請求項3】 主成分としてのxBaO−yTiO2
    zLnO3/2 −aPbO−bBi2 3 (但し、Lnは
    ランタニド系元素のうち少なくとも1種を示す。)を1
    00重量部に対して、添加剤3〜50重量部を配合して
    なり、 前記x、y及びzが、 0.02≦x≦0.2、 0.4≦y≦0.7及び 0.1≦z≦0.58 x+y+z=1の関係を満たし、前記主成分中におい
    て、(xBaO−yTiO2 −zLnO 3/2 )を100
    重量%としたときに、前記a及びbが、それぞれ、17
    重量%以下の割合で、前記PbO及びBi2 3 が含有
    されており、 前記添加剤が、gB2 3 −hSiO2 −iZnOであ
    り、前記g、h及びiが、下記の関係を満たすものであ
    ることを特徴とする、高周波用誘電体磁器組成物。 0.05≦g≦0.7、 0≦h≦0.25及び 0.3≦i≦0.7 g+h+i=1
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