JPH09110526A - 誘電体磁器製造用組成物 - Google Patents

誘電体磁器製造用組成物

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JPH09110526A
JPH09110526A JP7300393A JP30039395A JPH09110526A JP H09110526 A JPH09110526 A JP H09110526A JP 7300393 A JP7300393 A JP 7300393A JP 30039395 A JP30039395 A JP 30039395A JP H09110526 A JPH09110526 A JP H09110526A
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JP
Japan
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composition
pbo
change
temperature
dielectric
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Pending
Application number
JP7300393A
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English (en)
Inventor
Masashi Aoki
昌史 青木
Kazuhisa Hidaka
一久 日高
Masami Kuwai
雅巳 桑井
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】低温で焼結可能な誘電体磁器製造用組成物を
提供することを目的とする。 【解決手段】組成式が(SrBaCa)(Zr
Ti)Oで表わされるペロブスカイト化合物100
重量%に対しBiを0.5〜30重量%、PbO
を0〜30重量%含有させた誘電体磁器製造用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主としてマイクロ波
領域で使用する誘電体磁器製造用組成物。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話、携帯電話等、高周波
を利用する移動体通信システムの急激な普及に伴い、通
信端末機の小型化に対する要求は強くなってきている。
これら通信機器に用いられる共振器、フィルター等に高
周波用誘電体磁器が使用されているが、端末機のより一
層の小型化を実現させるため、フィルター等の共振素子
の小型化が必要となってきている。この高周波用誘電体
磁器に望まれる特性としては、共振器の寸法が比誘電率
の平方根に反比例するため、比誘電率はできるだけ大き
いこと、又、高周波帯で低損失、すなわちQ値が大きい
事。さらに、共振周波数の温度変化に対する変化率が少
ない事が挙げられる。一方、共振素子の小型高機能化を
実現させるため、積層磁器コンデンサーに見られる様
に、誘電体グリーンシートに内部電極を印刷してそれら
を積層構造にし、同時焼成する技術が考えられている。
しかし、高周波帯で使用する電極は、導電率が高いこと
が要求されるため、一般にはAu,Ag,Cuの金属が
使用される。積層構造体を同時焼成させるためそれらの
電極金属の融点よりも低い温度で焼結させる必要があ
る。例えば、Agを電極として使用する場合、960℃
以下で焼結する高周波用誘電体磁器製造用組成物が必要
となる。
【0003】しかしながら、従来の高周波用誘電体磁器
は例えば(ZrSn)TiO系、BaO−Nd
−TiO系で見られるように、一般には1,300℃
以上の高温で焼成する必要があった。そこで低温焼結を
可能にする材料として特開平3−55170にZrO
−TiO−CuO系材料が開示されているが、Qが低
く高周波には不向きである。又、一方、ケイ酸塩材料を
用いて導電率の高い電極の融点以下で焼結可能な高周波
用誘電体磁器が提案されているが(例えば、萬代、エレ
クトロニクセラミクス、23(5),P24(199
2))、比誘電率が低く、共振素子の小型化には不利で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる現
状に鑑みなされたものであって、比誘電率が高く、高い
Q値を有し、共振周波数の温度変化に対する変化率が小
さくかつ、Ag,Au,Cuを内部電極として使用でき
る1,000℃以下の低温で焼結可能な誘電体磁器製造
用組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、組成式
が(SrBaCa)(ZrTi)Oで表わ
されるペロブスカイト化合物100重量%に対しBi
を0.5〜30重量%、PbOを0〜30重量%含
有させた誘電体用組成物。 ただし、a+b+c=1 d+e=1 0≦a,b,c≦1 0<d<1,0≦e<0.5 である。
【0006】本発明の誘電体磁器製造用組成物は、Sr
ZrO,BaZrO,CaZrOを基本とし、共
振周波数の温度変化に対する変化率を小さくするため
に、それぞれSr,Ca,Baの部分をCa,Sr,B
a(の1種又は2種)で置換し、又、Zrの部分をTi
で置換された組成物とした。Zrを置換するTiが50
モル%以上になると、共振周波数の温度変化率を小さく
する事ができなくなる。又、1,000℃以下の低温で
焼結させるため、副成分としてガラス成分としてのBi
及びPbOを含有させたものが有効であることを
見出したのである。ガラス成分であっても他のガラス成
分ではさほどの効果はなく、PbO単独でも効果は小さ
い。Bi及びPbOの添加量はそれぞれが、30
重量%を越えると比誘電率の低下を招くと共に共振周波
数の温度変化に対する変化率が大きくなる。又、Bi
の添加量が0.5重量%以下では低温焼結の効果は
小さい。
【0007】一般に、誘電体磁器製造用組成物を焼結す
る際に、添加物の作用によって粒子成長や磁器の誘電特
性を制御し得ることが知られているが、本発明において
も従来より知られている種々の添加剤、例えばMn,F
e,Co,Nb,Ni等の遷移金属、Y,Dy,Nd,
Sm等の希土類元素、更にはAl,Si等の元素の化合
物を上記Bi及びPbOに加えて適宜適量含有さ
せることは差し仕えない。このような添加剤は、誘電体
磁器製造用組成物の調製及びその焼成の任意の段階で添
加されてよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器製造用組成物
の製造法は特に限定されることなく公知の方法のいずれ
も適用できる。例えば、固相法、共沈法、水熱法、ゾル
ゲル法やアルコキシド法等が挙げられる。副成分として
はBiやPbOの化合物以外で本組成物の磁器化
への一連の製造工程中でBiやPbOに変化する
化合物(例えば炭酸塩や水酸化物等)であってもよい。
【0009】
【実施例】以下具体的に実施例により説明する。 実施例1 出発原料として市販の高純度CaCO(カルシード
製)及びZrO(東ソー製)を用いた。それぞれの原
料を、Ca/Zr原子比が1,000になる様に秤量し
配合した。(ZrO中に通常不純物として2wt%程
度のHが存在するが、ZrOと同様の挙動をす
るために換算した。) 秤量配合粉体を3mmφZrOボールをメディアとし
て、又、媒体として純水を用い、ナイロンポット中で遊
星ボールミルにより30分間湿式混合した。このスラリ
ーを乾燥後、大気中1,100℃、2時間仮焼した。得
られた仮焼粉を、混合時と同様にナイロンポット中、メ
ディア及び媒体にそれぞれ3φZrOボール、純水を
用い遊星ボールミルにより30分間湿式粉砕した。得ら
れた粉末をX線回折及びケイ光X線で分析したところ、
Ca/Zr原子比が1,000の組成を有し、CaZr
単相であることが分かった。次いでBi(試
薬特級)及びPbO(試薬特級)をPbO/Bi
比=1/2の組成になるように秤量後、800℃で溶融
させた後急冷し、湿式粉砕してPbO・2Bi
末を得た。次に別表1に示す組成になるように秤量後先
に得られたCaZrO粉末と上記同様の方法で湿式混
合した。得られた混合スラリーを乾燥後、8wt%PV
A水溶液を粉体に対し10wt%加えて造粒した。造粒
粉末を更に圧力1,000kg/cmで加圧成形して
直径10mmのグリーンペレットを得た。このグリーン
ペレットを400℃の温度で加熱脱脂した後、所定の温
度で3時間焼成して誘電体磁器を得た。次に、厚みが直
径の1/2程度になる様に両面を平行に研磨し、アセト
ン中で超音波洗浄した後、乾燥後マイクロ波帯域での誘
電特性測定に供した。マイクロ波帯域での誘電特性は、
横河ヒューレットパッカード社製ネットワークアナライ
ザー(HP8510C)を用い、誘電体共振器法により
求めた。共振周波数は7〜10GHZであり、共振周波
数の温度変化率は、25〜80℃間で測定した。結果を
表1に示す。試料No.1〜4はいずれも1,000℃
以下で焼結し、比誘電率が高く、高いQ値有し、共振周
波数の温度変化率(τf)が小さい事がわかる。
【0010】比較例1 実施例1で得たCaZrO粉末に対し、Bi
(試薬特級)及びPbO(試薬特級)を表1に示す組
成になる様に秤量後、実施例1と同様の方法で湿式混合
した。得られた混合物を乾燥後、実施例1と同様の方法
で誘電体磁器を得ようとしたが、1,000℃では全く
焼結しなかった。これら(試料番号20,21)は、い
ずれも本発明の範囲外であり、PbO単独及びBi
添加量が0.5wt%以下では1,000℃では焼結
しない。結果を表1に示す。
【0011】実施例2 ZrOCl水溶液をアンモニア水にてpH7で中和
し、Zrの水酸化物を得、水洗後、ろ別した。別にCa
CO(カルシード製)を上記水酸物に対し等モル秤量
した後、上記水酸化物と湿式混合し、乾燥後、大気中
1,100℃で2時間仮焼した後、湿式粉砕した。得ら
れた粉末をX線回折及びケイ光X線で分析したところC
aZrOの組成を有することがわかった。次に実施例
1と同様の方法でBi,PbOを添加し、焼結セ
ラミックスを得、マイクロ波帯域での誘電特性を測定し
た。得られた結果を表1に示す。
【0012】実施例3 出発原料として市販の高純度SrCO(堺化学工業
製)、TiO(堺化学工業製)、ZrO(東ソー
製)を用いる事以外は実施例1と同様の方法で誘電体磁
器を得、マイクロ波帯域での誘電特性を測定した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0013】実施例4 出発原料として市販の高純度BaCO(堺化学工業
製)、SrCO(堺化学工業製)、ZrO(東ソー
製)を用いる事以外は実施例1と同様の方法で誘電体磁
器を得、マイクロ波帯域での誘電特性を測定した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0014】実施例5 出発原料として市販の高純度CaCO(カルシード
製)、TiO(堺化学工業製)、ZrO(東ソー
製)を用いる事以外は実施例1と同様の方法で誘電体磁
器を得、マイクロ波帯域での誘電特性を測定した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0015】実施例6 出発原料として市販の高純度SrCO,TiO(共
に堺化学工業製)、CaCO(カルシード製)、Zr
(東ソー製)を用いる事以外は実施例1と同様の方
法で誘電体磁器を得、マイクロ波帯域での誘電特性を測
定した。得られた結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】上記の如く本発明による誘電体磁器製造
用組成物は低温で焼結可能な組成物であり、高周波帯域
での比誘電率が高く、又高いQ値を有し共振周波数の温
度変化率が小さい。従って本発明は共振素子の小型化が
可能になりその有用性は極めて大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式が(SrBaCa)(Zr
    Ti)Oで表わされるペロブスカイト化合物100
    重量%に対しBiを0.5〜30重量%、PbO
    を0〜30重量%含有させた誘電体磁器製造用組成物。 ただし、a+b+c=1 d+e=1 0≦a,b,c≦1 0<d<1,0≦e<0.5
JP7300393A 1995-10-11 1995-10-11 誘電体磁器製造用組成物 Pending JPH09110526A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1179834A (ja) * 1997-08-27 1999-03-23 Hitachi Metals Ltd 積層電子部品の識別表示用誘電体磁器組成物
JP2016175781A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物および電子部品
AT17569U1 (de) * 2019-09-30 2022-07-15 Tdk Electronics Ag Polykristalliner keramischer Festkörper, dielektrische Elektrode mit dem Festkörper, Vorrichtung mit der Elektrode und Verfahren zur Herstellung

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016175781A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物および電子部品
AT17569U1 (de) * 2019-09-30 2022-07-15 Tdk Electronics Ag Polykristalliner keramischer Festkörper, dielektrische Elektrode mit dem Festkörper, Vorrichtung mit der Elektrode und Verfahren zur Herstellung

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