JP2624195B2 - 磁器組成物及びそれを用いた誘電体部品 - Google Patents
磁器組成物及びそれを用いた誘電体部品Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁器組成物に関し,特に
高周波領域において誘電体共振器やマイクロ波集積回路
基板等に用いられる磁器組成物に関する。
高周波領域において誘電体共振器やマイクロ波集積回路
基板等に用いられる磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体共振器やマイクロ波集積回路基板
に用いられる誘電体材料としてその素子や回路を小型化
するためには比誘電率(以下,εr と呼ぶ)が高いこと
が必要であり,また上記の素子や回路での損失を小さく
するためには,誘電損失(tanδ)の逆数であるQ値
が高いことが必要である。これらの条件を満たすものと
して従来,高い比誘電率εr および高いQ値を有する誘
電体磁器組成物であるBaO−TiO2 系が広く用いら
れていた。
に用いられる誘電体材料としてその素子や回路を小型化
するためには比誘電率(以下,εr と呼ぶ)が高いこと
が必要であり,また上記の素子や回路での損失を小さく
するためには,誘電損失(tanδ)の逆数であるQ値
が高いことが必要である。これらの条件を満たすものと
して従来,高い比誘電率εr および高いQ値を有する誘
電体磁器組成物であるBaO−TiO2 系が広く用いら
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,従来の材料で
は比誘電率は高いものの周波数が10GHzと高周波領
域ではQ値が5000以下と非常に低くなったり,共振
周波数の温度変化率(以下,τf と呼ぶ)を任意に調整
することが難しかった。そのために,マイクロ波回路に
おいてこれらの材料を誘電体素子として使用した場合,
損失が大きくなったり回路自体が有する温度特性を補償
し,回路全体の温度変化を零にすることができなかっ
た。
は比誘電率は高いものの周波数が10GHzと高周波領
域ではQ値が5000以下と非常に低くなったり,共振
周波数の温度変化率(以下,τf と呼ぶ)を任意に調整
することが難しかった。そのために,マイクロ波回路に
おいてこれらの材料を誘電体素子として使用した場合,
損失が大きくなったり回路自体が有する温度特性を補償
し,回路全体の温度変化を零にすることができなかっ
た。
【0004】そこで,本発明の技術的課題は,以上述べ
たような従来の課題を解決するためになされたもので,
比較的高い誘電率およびQ値を保持し,正及び負の値の
所定の共振周波数の温度変化率(τf )を有する磁器組
成物を提供することにある。
たような従来の課題を解決するためになされたもので,
比較的高い誘電率およびQ値を保持し,正及び負の値の
所定の共振周波数の温度変化率(τf )を有する磁器組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の磁器組成物,前
記課題を解決するためのものであり,アルカリ土類元素
及びZnの内の少なくとも一種並びに高融点金属とを含
む酸化物からなる互いに異なる複合化合物A,B及びC
の内の少なくとも2種を含む磁器組成物であって,前記
複合化合物Aはペロブスカイト型化合物であり,Ba
(Zn 1/3 Ta 2/3 )O 3 で示され,前記化合物BはB
a(Mg 1/2 W 1/2 )O 3 で示され,前記化合物CはS
r(Mg 1/2 W 1/2 )O 3 で示され,前記磁器組成物
は,少なくとも26の比誘電率と少なくとも5000の
高周波におけるQ値とを有することを特徴としている。
記課題を解決するためのものであり,アルカリ土類元素
及びZnの内の少なくとも一種並びに高融点金属とを含
む酸化物からなる互いに異なる複合化合物A,B及びC
の内の少なくとも2種を含む磁器組成物であって,前記
複合化合物Aはペロブスカイト型化合物であり,Ba
(Zn 1/3 Ta 2/3 )O 3 で示され,前記化合物BはB
a(Mg 1/2 W 1/2 )O 3 で示され,前記化合物CはS
r(Mg 1/2 W 1/2 )O 3 で示され,前記磁器組成物
は,少なくとも26の比誘電率と少なくとも5000の
高周波におけるQ値とを有することを特徴としている。
【0006】
【0007】また,本発明の磁器組成物では,アルカリ
土類元素及びZnの内の少なくとも一種並びに高融点金
属とを含む酸化物からなる互いに異なる複合化合物A,
B及びCの内の少なくとも2種を含む磁器組成物であっ
て,前記複合化合物Aはペロブスカイト型化合物であ
り,前記磁器組成物は,一般式,xA−yB−zC(た
だし,x+y+z=1)で表される磁器組成物であっ
て,三成分組成図において以下の表2で示される組成
点,D,E,F,Gの各点を結ぶ線上およびその境界線
に囲まれる組成範囲内にあり,少なくとも26の比誘電
率と少なくとも5000の高周波におけるQ値とを有す
ることを特徴としている。
土類元素及びZnの内の少なくとも一種並びに高融点金
属とを含む酸化物からなる互いに異なる複合化合物A,
B及びCの内の少なくとも2種を含む磁器組成物であっ
て,前記複合化合物Aはペロブスカイト型化合物であ
り,前記磁器組成物は,一般式,xA−yB−zC(た
だし,x+y+z=1)で表される磁器組成物であっ
て,三成分組成図において以下の表2で示される組成
点,D,E,F,Gの各点を結ぶ線上およびその境界線
に囲まれる組成範囲内にあり,少なくとも26の比誘電
率と少なくとも5000の高周波におけるQ値とを有す
ることを特徴としている。
【0008】
【表2】
【0009】また,本発明によれば,前記したいずれか
の磁器組成物を用いたことを特徴とする誘電体共振器が
得られる。
の磁器組成物を用いたことを特徴とする誘電体共振器が
得られる。
【0010】また,本発明によれば,前記したいずれか
の磁器組成物を用いたことを特徴とするマイクロ波集積
回路基板が得られる。
の磁器組成物を用いたことを特徴とするマイクロ波集積
回路基板が得られる。
【0011】
【実施例】以下,本発明の実施例について詳細に説明す
る。
る。
【0012】出発原料として炭酸バリウム(BaC
O3 ),炭酸ストロンチウム(SrCO3 ),酸化亜鉛
(ZnO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タンタ
ル(Ta2 O5 ),酸化タングステン(WO3 )を使用
し,下記表1に示した配合比となるように各々秤量し
た。次に秤量した各材料をボールミル中で湿式混合した
のち1100℃で仮焼を行い,この粉末をボールミルで
粉砕し,濾過,乾燥後,有機バインダをいれて整粒後プ
レスし,直径約16mm,厚さ約10mmの円柱を作製
した。次にこれらの組成物範囲の試料を1400〜16
00℃の温度で焼成を行った。
O3 ),炭酸ストロンチウム(SrCO3 ),酸化亜鉛
(ZnO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タンタ
ル(Ta2 O5 ),酸化タングステン(WO3 )を使用
し,下記表1に示した配合比となるように各々秤量し
た。次に秤量した各材料をボールミル中で湿式混合した
のち1100℃で仮焼を行い,この粉末をボールミルで
粉砕し,濾過,乾燥後,有機バインダをいれて整粒後プ
レスし,直径約16mm,厚さ約10mmの円柱を作製
した。次にこれらの組成物範囲の試料を1400〜16
00℃の温度で焼成を行った。
【0013】得られた試料を所定の寸法に加工し10G
HzでTE01δモードを利用して比誘電率εr ,Q値お
よび共振周波数の温度変化率を測定した。配合比x,
y,zと,比誘電率εr ,Q値および共振周波数の温度
変化率τf (25℃を基準)の関係を下記表3に示す。
試料番号に*を付した組成物は本発明の範囲外のもので
あり,それ以外は本発明の範囲内のものである。また,
図1に下記表3に示された組成を示した。図1におい
て,丸い数字は各試料番号に該当し,D,E,F,G点
即ち,試料1,2,4,5点で囲まれた斜線部分が本発
明の範囲に該当する。
HzでTE01δモードを利用して比誘電率εr ,Q値お
よび共振周波数の温度変化率を測定した。配合比x,
y,zと,比誘電率εr ,Q値および共振周波数の温度
変化率τf (25℃を基準)の関係を下記表3に示す。
試料番号に*を付した組成物は本発明の範囲外のもので
あり,それ以外は本発明の範囲内のものである。また,
図1に下記表3に示された組成を示した。図1におい
て,丸い数字は各試料番号に該当し,D,E,F,G点
即ち,試料1,2,4,5点で囲まれた斜線部分が本発
明の範囲に該当する。
【0014】
【表3】 上記表3からも明らかなように本発明の磁器組成物は,
比較的高い比誘電率εr およびQ値を保持し,所定の共
振周波数の温度変化率τf を有する優れた材料を提供す
るものである。
比較的高い比誘電率εr およびQ値を保持し,所定の共
振周波数の温度変化率τf を有する優れた材料を提供す
るものである。
【0015】なお,本発明の範囲以外では,Q値が著し
く低下あるいは共振周波数温度変化率の絶対値が著しく
増大し実用的でないため,前述のように限定される。
く低下あるいは共振周波数温度変化率の絶対値が著しく
増大し実用的でないため,前述のように限定される。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の磁器組成
物を用いれば比較的高い比誘電率およびQ値を保持した
まま,正および負の値の所定の共振周波数の温度変化率
を有する誘電体材料が得られる。このため,本発明の磁
器組成物を用いれば小型で損失が少なくかつ温度変化率
が小さいマイクロ波回路を設計することができる等の効
果を有する。
物を用いれば比較的高い比誘電率およびQ値を保持した
まま,正および負の値の所定の共振周波数の温度変化率
を有する誘電体材料が得られる。このため,本発明の磁
器組成物を用いれば小型で損失が少なくかつ温度変化率
が小さいマイクロ波回路を設計することができる等の効
果を有する。
【図1】本発明の磁器組成物の組成物範囲を表す三成分
組成図である。
組成図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 アルカリ土類元素及びZnの内の少なく
とも一種並びに高融点金属とを含む酸化物からなる互い
に異なる複合化合物A,B及びCの内の少なくとも2種
を含む磁器組成物であって,前記複合化合物Aはペロブ
スカイト型化合物であり,Ba(Zn 1/3 Ta 2/3 )O
3 で示され,前記化合物BはBa(Mg 1/2 W 1/2 )O
3 で示され,前記化合物CはSr(Mg 1/2 W 1/2 )O
3 で示され, 前記磁器組成物は,少なくとも26の比誘電率と少なく
とも5000の高周波におけるQ値とを有することを特
徴とする磁器組成物。 - 【請求項2】 アルカリ土類元素及びZnの内の少なく
とも一種並びに高融点金属とを含む酸化物からなる互い
に異なる複合化合物A,B及びCの内の少なくとも2種
を含む磁器組成物であって,前記複合化合物Aはペロブ
スカイト型化合物であり, 前記磁器組成物は,一般式,xA−yB−zC(ただ
し,x+y+z=1)で表される磁器組成物であって,
三成分組成図において以下の表1で示される組成点,
D,E,F,Gの各点を結ぶ線上およびその境界線に囲
まれる組成範囲内にあり,少なくとも26の比誘電率と
少なくとも5000の高周波におけるQ値とを有するこ
とを特徴とする磁器組成物。 【表1】 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の磁器組成物を用
いたことを特徴とする誘電体共振器。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の磁器組成物を用
いたことを特徴とするマイクロ波集積回路基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6260581A JP2624195B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 磁器組成物及びそれを用いた誘電体部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6260581A JP2624195B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 磁器組成物及びそれを用いた誘電体部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08124422A JPH08124422A (ja) | 1996-05-17 |
JP2624195B2 true JP2624195B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=17349939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6260581A Expired - Fee Related JP2624195B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 磁器組成物及びそれを用いた誘電体部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2624195B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61122153A (ja) * | 1984-11-19 | 1986-06-10 | 松下電器産業株式会社 | 誘電体磁器組成物 |
US4889579A (en) * | 1988-07-06 | 1989-12-26 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for adhering aramid polymers |
JPH0532891A (ja) * | 1991-08-02 | 1993-02-09 | Mitsubishi Electric Corp | 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いたプリント配線板 |
-
1994
- 1994-10-25 JP JP6260581A patent/JP2624195B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08124422A (ja) | 1996-05-17 |
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Legal Events
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