JPH10328705A - アルミニウム板若しくはアルミニウム合金板の冷間圧延方法 - Google Patents

アルミニウム板若しくはアルミニウム合金板の冷間圧延方法

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JPH10328705A
JPH10328705A JP14532197A JP14532197A JPH10328705A JP H10328705 A JPH10328705 A JP H10328705A JP 14532197 A JP14532197 A JP 14532197A JP 14532197 A JP14532197 A JP 14532197A JP H10328705 A JPH10328705 A JP H10328705A
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rolling
plating film
roll
chromium plating
cold rolling
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JP14532197A
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Yasushi Funato
寧 船戸
Motoya Kandori
基哉 神鳥
Yoshiyuki Imanishi
由幸 今西
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム板若しくはアルミニウム合金板
の冷間圧延において、硬質クロムめっき皮膜を設けてな
るワークロールにおける微小剥離を防止乃至は抑制し
て、圧延荷重条件の如何に拘わらず、そのような硬質ク
ロムめっき皮膜を設けたワークロールを用いて冷間圧延
操作を実施し得るようにすること。 【解決手段】 アルミニウム板若しくはアルミニウム合
金板の冷間圧延に際して、その冷間圧延操作を、表面に
3〜12μmの厚さの硬質クロムめっき皮膜が設けられ
てなると共に、かかるクロムめっき皮膜上に形成された
表面突起が、h/D≦0.2及びh≦1.5−(2.5
h/D)〔但し、hは表面突起の高さを示し、Dは表面
突起の平面形状における外接円の直径を示す〕なる条件
を満足し、且つロール軸方向における表面の中心線平均
粗さ:Raが0.2〜0.7μmである圧延用ワークロ
ールを用いて、行なうことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、アルミニウム板若しくはアルミ
ニウム合金板の冷間圧延方法の改良に係り、特に、その
ような冷間圧延操作に用いられるワークロールに関する
ものである。
【0002】
【背景技術】従来から、各種厚さのアルミニウム板また
はアルミニウム合金板が、それらを与えるアルミニウム
鋳塊またはアルミニウム合金鋳塊を用いて、それを熱間
圧延した後、用途によっては更に中間焼鈍をはさんで、
冷間圧延することによって、製造されている。そして、
このようにして得られた板材は、それぞれの用途に応じ
て、更に各種の加工や処理等が施されて、目的とするア
ルミニウム製品とされているのである。
【0003】ところで、上述の如き圧延操作における冷
間圧延に用いられる圧延ロールたるワークロールには、
その表面性状を調整して、耐摩耗性を向上せしめるべ
く、硬質クロムめっき皮膜が設けられているが、そのよ
うなワークロールに硬質クロムめっき処理を施す場合に
あっては、通常、先ず、所定の軸方向粗さにロール研磨
を行ない、その後めっき処理を行なう手法が採用され、
それによって、めっき処理後のロール表面には、目的と
する硬質クロムめっき皮膜が所定厚さで形成されると共
に、ロール研磨筋上に位置するように、そのめっき皮膜
表面に、めっき特有の切り立った表面突起が形成される
こととなる。
【0004】しかしながら、そのような切り立った表面
突起を有する硬質クロムめっき皮膜が設けられてなるワ
ークロールを用い、アルミニウム板若しくはアルミニウ
ム合金板の冷間圧延を行なうと、中間ロール或いはバッ
クアップロールとの接触部において、かかる表面突起部
に局部的に応力が集中して、この突起部で、めっき皮膜
の微小剥離が生じてしまい、そしてその剥離した微細な
破片が異物となって、製品表面に付着したり、或いはロ
ール表面に生じた凹凸に対応して、製品の表面性状を悪
化せしめる等の問題を惹起するようになる。特に、圧延
荷重が高くなるような圧延条件下では、そのような微小
剥離が圧延の初期段階で生じるところから、圧延荷重が
低い場合にしか、硬質クロムめっき皮膜を設けたワーク
ロールを使用することが出来なかったのである。
【0005】このように、硬質クロムめっき皮膜を設け
たワークロールの使用は、微小剥離が発生しないよう
に、圧延荷重が低い条件下に限定されていたのであり、
このため、用途によってはワークロールを変更しなくて
はならず、例えば圧延荷重が低い条件下では硬質クロム
めっき皮膜を設けたワークロールを使用し、逆に、圧延
荷重が高い条件下での冷間圧延にあっては、硬質クロム
めっき処理を施していない(めっき皮膜を設けていな
い)ワークロールに交換することが行なわれているので
あり、その結果、圧延機のロール交換頻度が増加すると
共に、ロールの保有数も増大し、硬質クロムめっき皮膜
を設けたワークロールを使用する本来の目的である、耐
摩耗性向上によるロール交換頻度の低減を実現すること
が困難となっているのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、アルミニウム板若しくはアルミニウム合金板の冷間
圧延において、硬質クロムめっき皮膜を設けてなるワー
クロールにおける微小剥離を防止乃至は抑制して、圧延
荷重条件の如何に拘わらず、そのような硬質クロムめっ
き皮膜を設けたワークロールを用いて、冷間圧延操作を
実施し得るようにすることにある。
【0007】
【解決手段】そして、そのような課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討した結果、硬質クロムめっき
処理後の表面突起は、その高さが高い方が、またその平
面形状におけるサイズが小さい方が応力集中し易く、微
小剥離が発生し易い傾向となる事実が見出され、更に検
討を進めた結果、そのような硬質クロムめっき処理にて
ワークロールの表面に形成される所定厚さのめっき皮膜
表面に存在する表面突起の高さを低くし、更にその平面
形状における外接円の直径を大きくした、所定の表面性
状の硬質クロムめっき皮膜を設けることにより、アルミ
ニウム板若しくはアルミニウム合金板の冷間圧延におい
て、圧延荷重が高い条件下でも、微小剥離を効果的に阻
止乃至は抑制し得ることが明らかとなったのである。
【0008】かくの如き知見に基づいて、本発明は完成
されたものであって、その要旨とするところは、アルミ
ニウム板若しくはアルミニウム合金板の冷間圧延に際し
て、その冷間圧延操作を、表面に3〜12μmの厚さの
硬質クロムめっき皮膜が設けられてなると共に、かかる
クロムめっき皮膜上に形成された表面突起が、h/D≦
0.2及びh≦1.5−(2.5h/D)〔但し、hは
表面突起の高さを示し、Dは表面突起の平面形状におけ
る外接円の直径を示す〕なる条件を満足し、且つロール
軸方向における表面の中心線平均粗さ:Raが0.2〜
0.7μmである圧延用ワークロールを用いて、行なう
ことを特徴とするアルミニウム板若しくはアルミニウム
合金板の冷間圧延方法にある。
【0009】このように、ワークロール表面の硬質クロ
ムめっき皮膜の厚み並びにその軸方向粗さ:Raを所定
範囲内に維持しつつ、そのようなめっき皮膜の表面に形
成される突起の平面形状における外接円の直径を大き
く、またその高さを低くすることによって、応力集中が
効果的に抑制され、以て微小剥離が惹起され難くなるの
であり、このため、圧延荷重が高い条件下においても、
微小剥離の発生を有利に防止乃至は抑制することが出来
るのである。
【0010】また、かかる本発明に従う冷間圧延方法に
あっては、その冷間圧延における、少なくとも最終パス
圧延操作が、前記圧延用ワークロールを用いて、有利に
行なわれることとなる。けだし、アルミニウム板または
アルミニウム合金板の製造工程において得られる板材の
表面性状が、冷間圧延の、特に最終パス圧延の影響を大
きく受けるものであるところ、本発明の如きロール表面
性状のワークロールを用いて、そのような最終パス圧延
工程を経由せしめることにより、スリップ防止等のため
の、ある程度の板面粗度を確保しつつ、研削筋の高周波
成分、即ち微小凹凸を少なく為し、以てそれが板面に転
写されて生じる、圧延方向に直角な方向の研削筋を有利
に弱く為し得たのであり、このため、圧延方向とこれに
直角な方向の板表面の光の反射特性の差、即ち光学的異
方性を効果的に小さく為し得るからである。
【0011】
【発明の実施の形態】ところで、本発明に従って、アル
ミニウム板若しくはアルミニウム合金板を冷間圧延し
て、目的とする板厚の製品と為すに際しては、対応する
アルミニウム鋳塊若しくはアルミニウム合金鋳塊を用
い、それを常法に従って熱間圧延せしめ、更にその後、
冷間圧延が実施されるのであるが、本発明にあっては、
この冷間圧延における圧延ロールたるワークロールとし
て、特定の表面性状を有する硬質クロムめっき皮膜を設
けた圧延用ロールを用いることとしたのであり、これに
よって、微小剥離を効果的に阻止乃至は抑制せしめ得た
のである。
【0012】すなわち、そのような本発明において用い
られるワークロールの表面に形成される硬質クロムめっ
き皮膜は、ロールの耐摩耗性を向上せしめて、ロール交
換頻度を低減し、以て生産能率の向上及びコストの低減
を図るものであるが、そのようなめっき皮膜の厚さとし
ては、3〜12μm、好ましくは4〜7μmの範囲内で
選択されることとなる。このめっき皮膜の厚さが3μm
よりも薄くなると、摩耗によりロール素地が出てしまう
ところから、本来の目的である耐摩耗性の向上に効果が
得られないからであり、また12μmを越えるような厚
さとなると、目視においても確認し得るような大きさの
大きなめっき皮膜剥離が、ロール表面素地とめっき皮膜
との境界から生じるようになるからである。
【0013】また、硬質クロムめっき処理にて生成する
めっき皮膜上に形成される表面突起は、そのような表面
突起の高さをhとし、また表面突起の平面形状における
外接円の直径をDとしたときに、h/D≦0.2及びh
≦1.5−(2.5h/D)なる条件を満足するような
形態において、存在せしめられている必要があるのであ
る。即ち、かかる条件を満足するように、硬質クロムめ
っき皮膜の表面の突起における平面形状のサイズ(D)
を大きく為し、またその高さ(h)を低くすることによ
って、圧延荷重が高い条件下においても、微小剥離の防
止が有効に為され得るのである。
【0014】さらに、硬質クロムめっき処理の施されて
なるワークロール表面、即ち硬質クロムめっき皮膜のロ
ール軸方向における表面の中心線平均粗さ:Raは、
0.2〜0.7μm、好ましくは0.3〜0.6μmと
する必要があるのであり、そのような軸方向粗さ:Ra
が0.7μmよりも大きくなると、研削筋が強く現れ、
そして、そのような研削筋部に対する応力集中にて、め
っき皮膜の剥離が惹起され易くなるのであり、また0.
2μmよりも小さいと、バックアップロールとの間でス
リップが惹起され易く、ワークロール自体に傷を付けて
しまう恐れがあるからである。
【0015】なお、上述の如き硬質クロムめっき皮膜
は、従来から工業用クロムめっき手法として周知の、C
rO3 −SO4 浴やCrO3 −SO4 −フッ化物浴等を
用いた電気めっきによる方法にて、研削(研磨)の施さ
れたロール素地表面に対して容易に形成され得るもので
あり、一般に、そのめっき処理時間を調整することによ
って、形成されるめっき皮膜の厚さが調節されることと
なる。
【0016】また、そのようなめっき処理後のワークロ
ール表面のロール軸方向における表面の中心線平均粗
さ:Raを0.2〜0.7μmとするには、ロール素地
表面のRaが、その上に形成される硬質クロムめっき皮
膜のRaに対応するものであるところから、ロール素地
表面が、研削(研磨)加工にて、ロール軸方向における
表面の中心線平均粗さ:Raが0.2〜0.7μmとな
るように、表面調整された後、その上に、所定厚さの硬
質クロムめっき皮膜を形成せしめる手法が、採用される
のである。
【0017】さらに、硬質クロムめっき皮膜の表面に形
成される突起にあっても、ロール素地表面の性状に影響
を受けることとなるところから、前述の如き条件を満足
するような表面突起を形成する一つの方法として、めっ
き処理に先立って、研磨後のロール表面に対してバフ研
磨を施し、そのようなロール表面に存在する切り立った
表面形状を除去せしめる手法が採用され、これにより、
めっき処理時の局部的な電流の集中を防いで、切り立っ
た表面突起の形成を阻止し、以て平面形状の大きな、ま
た高さの低い表面突起と為し得るのである。また、この
ようなバフ研磨による方法と共に、或いはそれに代え
て、めっき処理前の電解エッチング操作における条件を
変更せしめ、例えば、その時間を長くすること等によっ
ても、目的とする形状の表面突起が形成されるようにす
ることが可能である。
【0018】そして、本発明に従うアルミニウム板若し
くはアルミニウム合金板の冷間圧延方法においては、上
述の如き表面性状を有する硬質クロムめっき皮膜が設け
られてなるロールをワークロール(圧延ロール)とし
て、冷間圧延を行なうものであるが、その冷間圧延操作
は、一般に多段にて行なわれるものであるところから、
そのような多段の工程のうちの少なくとも一つの冷間圧
延工程における圧延ロールとして、本発明に従うワーク
ロールが用いられ、本発明が実施されることとなる。
【0019】尤も、そのような多段の冷間圧延工程から
なる冷間圧延操作において、少なくともその最終パス圧
延操作を、上記した本発明に従う圧延用ワークロールを
用いて行なうようにすれば、本発明の目的とするところ
の微小剥離の防止に加えて、光学的異方性の少ないアル
ミニウム板またはアルミニウム合金板を安定して得るこ
とが出来る利点がある。即ち、得られる板材の表面性状
が、最終パス圧延の影響を大きく受けるために、本発明
の如き表面性状のワークロールを用いるようにすれば、
最終パス圧延の施されてなる所定厚さのアルミニウム板
若しくはアルミニウム合金板は、その圧延方向とそれに
直角な幅方向の光の反射特性の異方性が効果的に低減さ
れたものとなるのであり、以て、そのような板材の後の
加工工程等における、光学式の検査装置の誤動作も、有
効に回避し得ることとなるのである。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱
しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々な
る変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理
解されるべきである。
【0021】先ず、板厚が2mmの各種のアルミニウム
合金圧延材を、それぞれ対応するアルミニウム合金鋳塊
から、通常の熱間圧延操作にて準備した。一方、研削後
のバフ研磨にて表面性状を種々異ならしめたロール素地
表面に対して、無水クロム酸と珪フッ化ソーダを含むめ
っき浴を用いて、50〜60℃の温度下に、通常の工業
用クロムめっき手法にて電気めっきを施し、めっき処理
時間に対応した厚さにおいて、各種表面性状の硬質クロ
ムめっき皮膜が形成されてなるワークロール(圧延ロー
ル)を作製した。そして、このワークロールを用いて、
上記で準備した圧延材に対して、下記の如き条件下の冷
間圧延操作を実施し、それぞれ、板厚が0.3mmの各
種のアルミニウム合金板を製造した。 −冷間圧延条件− ワークロール直径 : 200mmφ及び470mmφ パススケジュール : 0.3mmまで3〜5パスで圧延 ヘルツ応力(Max): 200kg/mm2 圧延速度 : 100〜1000m/min 圧延油粘度 : 4センチストークス
【0022】かくの如き各種の冷間圧延操作において用
いられたワークロールについて、その表面状態を観察
し、その結果を、硬質クロムめっき皮膜の厚さ、ロール
軸方向における表面の中心線平均粗さ:Ra、表面突起
の高さ(h)及び表面突起の平面形状における外接円の
直径(D)と共に、下記表1に示した。なお、ロール表
面におけるめっき皮膜の膜厚の測定は、電磁膜厚計:N
EO−DERM,179−701(ミツトヨ製)を用い
て行ない、また中心線平均粗さ:Raは、JIS−B−
0601−1994に従って測定して得られたものであ
り、ここでは、表面粗さ計:SURFTEST301
(ミツトヨ製)を用いて測定されたものである。更に、
表面突起の平面形状における外接円の直径:Dは、先
ず、めっき処理後のロール表面をレプリカフィルムに転
写せしめた後、走査型電子顕微鏡や光学式顕微鏡等にて
観察し、その外接円の直径を測定することにより、求め
られ得るものであり、ここでは、表面形状測定顕微鏡:
VF7500(KEYENCE製)で測定して得られた
ものであり、また、この表面形状測定顕微鏡にて、表面
突起の高さ:hも測定されている。
【0023】
【表1】
【0024】かかる表1の結果から明らかな如く、本発
明に従うNo.1〜No.7の例においては、ワークロール
の硬質クロムめっき皮膜の厚さが3〜12μmとされ、
且つロール軸方向における表面の中心線平均粗さ:Ra
が0.2〜0.7μmの範囲内とされると共に、表面突
起の高さ(h)やサイズ(D)が、h/D≦0.2及び
h≦1.5−(2.5h/D)の範囲内とされているこ
とによって、めっき皮膜の部分的な剥離や摩耗を惹起す
ることなく、またロール自体にスリップ傷も発生するこ
となく、更には圧延荷重の如何に拘わらず、微小剥離の
発生も認められない、寿命の長い圧延ロールであること
を認めた。また、得られたアルミニウム合金板材製品
は、何れも、板表面での圧延方向とそれに直角な幅方向
の光の反射特性の異方性の少ないものであって、板の送
り不良の問題等を惹起させないものであることを認め
た。
【0025】これに対して、No.8〜No.10の比較例
において用いられたワークロールにあっては、その表面
突起の高さ(h)や平面形状のサイズ(D)の関係が、
本発明にて規定する範囲外のものであるために、その表
面突起部位において、微小剥離の発生が認められ、ロー
ル寿命に欠ける問題があり、またNo.11〜No.14の
比較例においては、硬質クロムめっき皮膜の膜厚やロー
ル軸方向におけるRaが、何れも、本発明の範囲外とな
るために、圧延後において部分的にめっき皮膜が摩耗し
たり、或いはめっき皮膜の剥離を惹起する問題があり、
また板の送り不良(スリップ)を惹起して、ロールにス
リップ傷を発生せしめたりする問題が惹起されるように
なるのである。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
手法によれば、アルミニウム板若しくはアルミニウム合
金板の冷間圧延において、硬質クロムめっき皮膜を設け
てなるワークロールにおける微小剥離を効果的に阻止乃
至は抑制せしめ得て、圧延荷重条件の如何に拘わらず、
そのような硬質クロムめっき皮膜を有するワークロール
の使用を可能ならしめ、以てロール交換頻度の低減やロ
ール研削頻度の低減を図り、生産能率の向上やコスト低
減に大きく寄与し得たのであり、そこに、本発明の大き
な技術的意義が存するのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板若しくはアルミニウム合
    金板の冷間圧延に際して、その冷間圧延操作を、表面に
    3〜12μmの厚さの硬質クロムめっき皮膜が設けられ
    てなると共に、かかるクロムめっき皮膜上に形成された
    表面突起が、h/D≦0.2及びh≦1.5−(2.5
    h/D)〔但し、hは表面突起の高さを示し、Dは表面
    突起の平面形状における外接円の直径を示す〕なる条件
    を満足し、且つロール軸方向における表面の中心線平均
    粗さ:Raが0.2〜0.7μmである圧延用ワークロ
    ールを用いて、行なうことを特徴とするアルミニウム板
    若しくはアルミニウム合金板の冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記冷間圧延における少なくとも最終パ
    ス圧延操作が、前記圧延用ワークロールを用いて行なわ
    れる請求項1記載の冷間圧延方法。
JP14532197A 1997-06-03 1997-06-03 アルミニウム板若しくはアルミニウム合金板の冷間圧延方法 Pending JPH10328705A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1598138A1 (en) * 2004-05-21 2005-11-23 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for providing surface texturing of aluminium sheet, substrate for lithographic plate and lithographic plate

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1598138A1 (en) * 2004-05-21 2005-11-23 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for providing surface texturing of aluminium sheet, substrate for lithographic plate and lithographic plate
US7201850B2 (en) 2004-05-21 2007-04-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for providing surface texturing of aluminum sheet, substrate for lithographic plate and lithographic plate

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