JPH10327794A - 野菜類の軟化防止方法 - Google Patents
野菜類の軟化防止方法Info
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- JPH10327794A JPH10327794A JP13951197A JP13951197A JPH10327794A JP H10327794 A JPH10327794 A JP H10327794A JP 13951197 A JP13951197 A JP 13951197A JP 13951197 A JP13951197 A JP 13951197A JP H10327794 A JPH10327794 A JP H10327794A
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Abstract
ム塩を使用した場合においても、野菜類のもつ自然な食
感を損なわずに加熱殺菌処理等により生じる野菜類の軟
化を防止することができる野菜類の軟化防止方法を提供
する。 【解決手段】 野菜類を加熱処理または凍結処理するに
当たり、予め野菜類に少なくとも食塩水、糖液、糖アル
コール液のいずれかを含浸させ、次いでカルシウム塩水
溶液および/またはマグネシウム塩水溶液を含浸させる
ことを特徴とする野菜類の軟化防止方法。
Description
方法に関し、さらに詳しくはレトルト殺菌等の加熱処理
後あるいは凍結野菜を解凍処理した後における野菜類の
軟化防止方法に関するものである。
ネギ、マッシュルーム、コーンなどの野菜を具材として
含むカレーやシチュー等の多種多様の保存製品が上市さ
れており、かかる保存製品は、その保存性を十分に維持
させるために、例えば、レトルト殺菌のような高温高圧
処理が施されている。その結果、かかる製品に具材とし
て含まれている野菜類は、過度に軟化し、なかには形く
ずれしているものもある。そのため、このような野菜類
の軟化を防止するための方法が種々開発されており、例
えば、根菜類又は果菜類をレトルト処理するに際し、該
根菜類又は果菜類をあらかじめ0.1〜0.7重量%の
カルシウム塩水溶液に浸漬する根菜類又は果菜類の煮崩
れ防止法(特公平3−71102号)、加熱にあたり野
菜類をカルシウム塩および/またはマグネシウム塩の水
溶液あるいは当該水溶液に糖および/または糖アルコー
ルを溶解させた水溶液に浸漬する方法(特開平4−19
0756号)、野菜又は果実を調理又は高温殺菌とは別
に、水、希酸性水、糖液のいずれかで少なくとも表面の
品温を45〜75°C、10〜180分予備加熱する方
法(特公昭62−47508号)などが知られている。
めに様々な物質が使用されているが、なかでもカルシウ
ム塩あるいはマグネシウム塩を使用した場合には、当該
防止効果が高いことが一般に知られている。
めにカルシウム塩あるいはマグネシウム塩を使用した場
合には、野菜類の表面部分のみが硬くなり、不均一な食
感となる。そのため、野菜類のもつ食感とは異質なもの
となり、野菜類の自然な食感を十分に感じることができ
なかった。
塩あるいはマグネシウム塩を使用した場合においても、
野菜類のもつ自然な食感を損なわずに加熱殺菌処理等に
より生じる野菜類の軟化を防止することができる野菜類
の軟化防止方法を提供することを目的とする。
カルシウム塩水溶液あるいはマグネシウム塩水溶液を含
浸させる前に、予め当該野菜類に少なくとも食塩水、糖
液、糖アルコール液のいずれかを含浸させることによ
り、野菜類を加熱または解凍した後においても、野菜類
が有する本来の食感を損なうことなく、野菜類の軟化を
防止することができること、さらにカルシウム塩あるい
はマグネシウム塩のみを使用した場合よりもその軟化防
止効果を高めることができることを見い出し、本発明を
完成させた。
たは凍結処理するに当たり、予め野菜類に少なくとも食
塩水、糖液、糖アルコール液のいずれかを含浸させ、次
いでカルシウム塩水溶液および/またはマグネシウム塩
水溶液を含浸させることにより、上記本発明の目的を達
成することができる。
としては、加熱処理後あるいは解凍処理後に軟化するも
のであれば、いずれのものも対象とすることができる。
例えば、根菜類としてニンジン、ジャガイモ、ダイコ
ン、ゴボウ、果菜類としてカボチャ、トマト、その他ブ
ロッコリー、白菜、タマネギ、カリフラワーなどを挙げ
ることができる。上記野菜類については、食塩水、糖
液、糖アルコール液、さらにはカルシウム塩水溶液ある
いはマグネシウム塩水溶液の含浸処理に際し、その処理
効率を向上させること、あるいは製品に含有させる具材
の大きさなどを考慮して、任意形状にカット処理してお
くことが好ましい。
あるいは凍結処理するにあたり、予めかかる野菜類に少
なくとも食塩水、糖液、糖アルコール液のいずれかを含
浸させる。この場合、これらを併用して用いてもよい。
度は、少なくとも10重量%以上であることが望まし
く、飽和濃度とするのが最も好ましい。
液を使用する場合、その種類として、例えば、ショ糖、
グルコース、トレハロース、フラクトース、キシロー
ス、ソルビトールなどを挙げることができる。なかで
も、グルコース、ソルビトールは、野菜類の味覚に大き
な影響を及ぼさない点において、またグルコース、トレ
ハロースは、野菜類の軟化を十分に防止し得る点におい
て好ましい。
度は、特に限定されるものではないが、50重量%以上
であることが好ましい。これにより、加熱処理後あるい
は解凍処理後における野菜類の軟化を防止する効果を高
めることができる。
糖アルコール液を野菜類に含浸させる場合、浸漬処理に
より行うことが好ましい。また、浸漬処理を行うに当た
っては、40°C以下で行うことが好ましく、これによ
り野菜の細胞組織の破壊を防止でき、加熱処理後あるい
は解凍処理後の野菜類の軟化を防止する効果を高めるこ
とができる。
野菜類の種類、塩濃度あるいは糖濃度、浸漬液のpH等
に基づき任意に調整すればよく、特に高糖濃度の糖液ま
たは糖アルコール液を用いた場合には、上記浸漬処理時
間を短縮させることができる。また、かかる処理時間を
短縮させる他の方法として、例えば減圧処理を施した
後、あるいはかかる減圧処理と復圧処理を繰り返した
後、上記浸漬処理を施す方法がある。例えば、上辺15
mm、下辺25mm、高さ30mmの台形状のタマネギ
片(厚さ3〜6mm程度)の場合、処理温度25°C、
糖濃度50重量%、浸漬液pH7.0、減圧処理と復圧
処理を2〜3回繰り返す条件で浸漬処理する場合には、
当該減圧処理と復圧処理の1サイクルを約7〜8分間程
度で行えばよい。
水、糖液、糖アルコール液のいずれかを含浸させた後、
カルシウム塩水溶液および/またはマグネシウム塩水溶
液を含浸させる。本発明は、この工程順に特徴があり、
これによりはじめて野菜類のもつ自然な食感を損なわず
に加熱殺菌処理等により生じる野菜類の軟化を防止する
ことができる。したがって、上記工程が逆の場合、すな
わち野菜類にカルシウム塩水溶液および/またはマグネ
シウム塩水溶液を含浸させ後、食塩水、糖液、糖アルコ
ール液のいずれかを含浸させた場合、あるいはこれら溶
液を混合したものを含浸させた場合には、野菜類のもつ
自然な食感を損なわずに野菜類の軟化を防止することは
できない。
溶液としては、乳酸カルシウム水溶液、塩化カルシウム
水溶液、炭酸カルシウム水溶液、リン酸カルシウム水溶
液、硫酸カルシウム水溶液等が例示できる。また、マグ
ネシウム塩水溶液としては、塩化マグネシウム水溶液、
炭酸マグネシウム水溶液、硫酸マグネシウム水溶液等を
例示することができる。なかでも、味覚への影響が最も
少ない点において、乳酸カルシウム水溶液が最も好まし
い。上記カルシウム塩および/またはマグネシウム塩の
濃度は、1〜3重量%が好ましい。当該濃度が低い場合
には、野菜類の軟化防止効果を得ることができず、一方
当該濃度が高い場合には、食品の味覚が苦くなり好まし
くない。上記カルシウム塩水溶液またはマグネシウム塩
水溶液を野菜類に含浸させる方法としては、浸漬処理に
より行うことが好ましい。また、浸漬処理を行うに当た
っては、4〜80°C、16時間〜10分で行うことが
好ましく、これにより野菜の細胞組織の破壊を防止で
き、加熱処理後あるいは解凍処理後の野菜類の軟化を防
止する効果を高めることができる。
さらにカルシウム塩水溶液あるいはマグネシウム塩水溶
液による浸漬処理を施した野菜類については、加熱処理
または凍結処理するにあたり水戻し処理を施すことが望
ましい。これは、高濃度の食塩水、糖液、糖アルコール
液が野菜類中に浸透していくと、野菜類が収縮する傾向
があることから、かかる野菜類の収縮を復元させるため
に行う。また、かかる水戻し処理により、野菜類に付与
された余分な、塩味、甘味、カルシウム塩、あるいはマ
グネシウム塩のもつ苦味を取り除くことができる。上記
水戻し処理としては、例えば、20°Cで約8時間の条
件で水浸漬処理あるいは流水処理する方法等により行え
ばよい。あるいは、野菜類を、液体原料とともに加熱処
理することによっても行うことができる。
ル液、さらにカルシウム塩水溶液あるいはマグネシウム
塩水溶液による含浸処理を施した野菜類は、かかる野菜
類のみを容器に充填し凍結処理あるいは加熱殺菌処理を
施し、レストランあるいは家庭において使用できる保存
性のある食材として供することができる。また、カレ
ー、シチューなどとともに具材として容器に充填密封さ
れ、凍結処理あるいは加熱殺菌処理を施して保存性のあ
る食品、例えば冷凍食品あるいはレトルト食品として供
される。
mの台形状のタマネギ片を、糖濃度60重量%のソルビ
トール溶液中に投入し、20°C で16時間の浸漬処
理を行った後、引き続きカルシウム塩濃度2重量%の乳
酸カルシウム水溶液中に投入し、60°C で1時間の
浸漬処理を行った。
0重量%の糖(種類:グルコース)溶液中に投入し、2
0°C で16時間の浸漬処理を行った後、引き続きカ
ルシウム塩濃度2重量%の乳酸カルシウム水溶液中に投
入し、60°C で1時間の浸漬処理を行った。
5重量%の食塩水中に投入し、20°C で16時間の
浸漬処理を行った後、引き続きカルシウム塩濃度2重量
%の乳酸カルシウム水溶液中に投入し、60°C で1
時間の浸漬処理を行った。
0重量%のソルビトール溶液中に投入し、20°C で
16時間の浸漬処理を行った後、引き続きマグネシウム
塩濃度2重量%の塩化マグネシウム水溶液中に投入し、
60°C で1時間の浸漬処理を行った。
ム塩濃度2重量%の乳酸カルシウム水溶液中に投入し、
60°C で1時間の浸漬処理を行った。
0重量%のソルビトール溶液とカルシウム塩濃度2重量
%の乳酸カルシウム水溶液の混合液中に投入し、20°
Cで16時間の浸漬処理を行った。
ム塩濃度2重量%の乳酸カルシウム水溶液中に投入し、
60°C で1時間の浸漬処理を行った後、引き続き糖
濃度60重量%のソルビトール溶液中に投入し、20°
C で16時間の浸漬処理を行った。
られた各タマネギ原料を凍結処理し、7日後、20°C
の水で8時間程度、解凍処理とともに水戻し処理した
後、カレーソースとともにレトルト容器に充填密封し、
121°C、30分間の条件により加圧加熱処理を施し
た。
硬さ、および野菜類に加圧加熱処理を施した後の外観お
よび食感について、10名のパネルによる官能評価を行
った。その結果を表1に示す。 (評価基準) 5…非常に良好、4…良好、3…普通、2…悪い、1…
非常に悪い
ば、凍結処理あるいは加熱処理後の野菜類の軟化防止の
ためにカルシウム塩あるいはマグネシウム塩を用いた場
合においても、野菜のもつ自然な食感および味覚を十分
呈することができ、かつカルシウム塩あるいはマグネシ
ウム塩のみを使用した場合よりも野菜類の軟化防止効果
をさらに高めることができる。
部、実施例1と同様の方法により得られたジャガイモ2
0重量部およびニンジン15重量部を、カレーソース1
60重量部ともにレトルト容器に充填密封し、121°
C、30分間という条件により加圧加熱殺菌処理を施
し、レトルトカレー食品を得た。得られたレトルトカレ
ー食品を容器のまま加温した後、容器を開封し、カレー
皿にのせられたご飯の上に注いだカレー料理を作った。
かかるカレー料理の具材は、煮くずれはなく、その食感
も均一で野菜のもつ自然な歯ごたえを味わうことができ
た。
感を損なわずに加熱処理あるいは解凍処理により生じる
野菜類の軟化を防止することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 野菜類を加熱処理または凍結処理するに
当たり、予め野菜類に少なくとも食塩水、糖液、糖アル
コール液のいずれかを含浸させ、次いでカルシウム塩水
溶液および/またはマグネシウム塩水溶液を含浸させる
ことを特徴とする野菜類の軟化防止方法。 - 【請求項2】 上記含浸を浸漬処理により行うことを特
徴とする請求項1に記載の野菜類の軟化防止方法。
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JP13951197A JP3135520B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 野菜類の軟化防止方法 |
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JP2016158629A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 宜蘭食品工業股▲フン▼有限公司 | 一種の無糖砂糖漬け及びその製造方法 |
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WO2023120684A1 (ja) * | 2021-12-24 | 2023-06-29 | 味の素株式会社 | 野菜の食感改良剤およびそれを用いる野菜の食感の改良方法 |
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-
1997
- 1997-05-29 JP JP13951197A patent/JP3135520B2/ja not_active Expired - Fee Related
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