JPH10326322A - 複合トランジスタおよびコンプリメンタリ型複合トランジスタ対ならびにそれらを用いた電流二乗回路およびマルチプライヤ - Google Patents

複合トランジスタおよびコンプリメンタリ型複合トランジスタ対ならびにそれらを用いた電流二乗回路およびマルチプライヤ

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JPH10326322A
JPH10326322A JP10082190A JP8219098A JPH10326322A JP H10326322 A JPH10326322 A JP H10326322A JP 10082190 A JP10082190 A JP 10082190A JP 8219098 A JP8219098 A JP 8219098A JP H10326322 A JPH10326322 A JP H10326322A
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composite transistor
complementary
gate
drain
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JP10082190A
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Katsuharu Kimura
克治 木村
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体集積回路上に実現でき、理想的な線形
動作をするマルチプライヤを提供する。 【解決手段】MOSトランジスタM5、M6のソースを
接続し、MOSトランジスタM7、M8のソースを接続
して、第1および第2の複合トランジスタを形成する。
MOSトランジスタM6、M7のドレインを接続して第
1入力電流(IIN−IS)を入力する。MOSトランジ
スタM5、M8のドレイン電流を加算して二乗電流I1
を得る。MOSトランジスタM9、M10のソースを接
続し、MOSトランジスタM11、M12のソースを接
続して、第3および第4の複合トランジスタを形成す
る。MOSトランジスタM10、M11のドレインを接
続して第2入力電流(IIN+IS)を入力する。MOS
トランジスタM9、M12のドレイン電流を加算して二
乗電流I2を得る。二乗電流I1、I2の差を出力電流I
OUTとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合トランジスタ
およびコンプリメンタリ複合トランジスタ対ならびにそ
れらを用いた電流二乗回路およびマルチプライヤに関
し、さらに言えば、半導体集積回路上に好適に実現でき
る複合トランジスタおよびコンプリメンタリ複合トラン
ジスタ対ならびにそれらを用いた電流二乗回路およびマ
ルチプライヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の例としては、K. Wawryn, "
AB class current-mode multiplier for programable n
eural networks", IEE Electronics Letters 26th Sep
t. 1996vol. 32, No. 20, pp. 1902-1903.に記載された
CMOSマルチプライヤがある。
【0003】図8は、従来例におけるCMOSマルチプ
ライヤの回路構成を示す図であり、上記文献に記載され
ているものを示している。
【0004】図8において、3つのNチャンネル電解効
果型トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-
Effect Transistor、MOSFET)(以下、MOSト
ランジスタという)M101、M103、M105、M
n1、Mn2、Mn3、Mn4、Mn5と、8つのPチ
ャンネルMOSトランジスタM102、M104、M1
06、Mp1、Mp2、Mp3、Mp4、Mp5と、2
つの定電流源101、102(電流値:I)とを備えて
いる。
【0005】MOSトランジスタ101のソースはMO
SトランジスタM102のソースと接続され、さらに接
地されている。MOSトランジスタM101ゲートは、
MOSトランジスタM103、M105のゲートに共通
接続されている。MOSトランジスタM101のドレイ
ンはゲートに接続され、さらに定電流源101を介して
電源電圧線(電圧値:VDD)に接続されている。MOS
トランジスタM102のゲートは、MOSトランジスタ
M104、M106のゲートに共通接続されている。M
OSトランジスタM102のドレインはゲートに接続さ
れ、さらに定電圧源102を介して電源電圧線(電圧
値:VSS)に接続されている。MOSトランジスタM1
01とM102は、コンプリメンタリトランジスタ対を
構成する。
【0006】MOSトランジスタM101は定電流源1
01の生成する定電流Iによって駆動され、M102は
定電流源102の生成する定電流Iによって駆動され
る。
【0007】MOSトランジスタ103のソースはMO
SトランジスタM104のソースに接続され、当該CM
OSマルチプライヤの第1入力端子を形成している。ド
レインは、MOSトランジスタMp1のドレインに接続
されている。MOSトランジスタM104のドレインは
MOSトランジスタMn1のドレインに接続されてい
る。MOSトランジスタM103とM104は、コンプ
リメンタリトランジスタ対を形成している。
【0008】MOSトランジスタ105のソースはMO
SトランジスタM106のソースに接続され、当該CM
OSマルチプライヤの第2入力端子を形成している。ド
レインは、MOSトランジスタMp3のドレインに接続
されている。MOSトランジスタM106のドレインは
MOSトランジスタMn3のドレインに接続されてい
る。MOSトランジスタM105とM106は、コンプ
リメンタリトランジスタ対を形成している。
【0009】MOSトランジスタMp1のソースは電源
電圧線(電圧値VDD)に接続され、ゲートとドレインは
互いに接続されている。ゲートはさらにMOSトランジ
スタMp2のゲートに接続されている。MOSトランジ
スタMp2のソースは、電源電圧線(電圧値VDD)に接
続されている。MOSトランジスタMp1とMp2は、
カレントミラー回路を形成している。
【0010】MOSトランジスタMp3のソースは電源
電圧線(電圧値VDD)に接続され、ゲートとドレインは
互いに接続されている。ゲートはさらにMOSトランジ
スタMp4のゲートに接続されている。MOSトランジ
スタMp4のソースは、電源電圧線(電圧値VDD)に接
続されている。MOSトランジスタMp3とMp4は、
カレントミラー回路を形成している。
【0011】MOSトランジスタMp5のソースは電源
電圧線(電圧値VDD)に接続され、ゲートとドレインは
互いに接続されている。ゲートはさらにMOSトランジ
スタMp6のゲートに接続されている。MOSトランジ
スタMp6のソースは、電源電圧線(電圧値VDD)に接
続されている。MOSトランジスタMp5とMp6は、
カレントミラー回路を形成している。
【0012】MOSトランジスタMn1のソースは電源
電圧線(電圧値VDD)に接続され、ゲートとドレインは
互いに接続されている。ゲートはさらにMOSトランジ
スタMn2のゲートに接続されている。MOSトランジ
スタMn2のソースは、電源電圧線(電圧値VDD)に接
続されている。MOSトランジスタMn1とMn2は、
カレントミラー回路を形成している。
【0013】MOSトランジスタMn3のソースは電源
電圧線(電圧値VDD)に接続され、ゲートとドレインは
互いに接続されている。ゲートはさらにMOSトランジ
スタMn4のゲートに接続されている。MOSトランジ
スタMn4のソースは、電源電圧線(電圧値VDD)に接
続されている。MOSトランジスタMn3とMn4は、
カレントミラー回路を形成している。
【0014】MOSトランジスタMn5のソースは電源
電圧線(電圧値VDD)に接続され、ゲートとドレインは
互いに接続されている。ゲートはさらにMOSトランジ
スタMn6のゲートに接続されている。MOSトランジ
スタMn6のソースは、電源電圧線(電圧値VDD)に接
続されている。MOSトランジスタMn5とMn6は、
カレントミラー回路を形成している。
【0015】MOSトランジスタMp4のドレインは、
MOSトランジスタMn5のドレインに接続されてい
る。MOSトランジスタMp5のドレインは、MOSト
ランジスタMn5のドレインに接続されている。MOS
トランジスタMp2、Mp6、Mn4、Mn6のドレイ
ンは、共通接続されてCMOSマルチプライヤの出力端
子を形成している。
【0016】CMOSマルチプライヤの第1入力端子に
第1入力電流(IIN−IS)が入力され、第2の入力端
子に第2入力電流(IIN+IS)が入力される。MOS
トランジスタM103,M104,M105,M106
のドレイン電流を加算した出力電流IOUTが出力端子か
ら出力される。
【0017】次に、図8の従来のCMOSマルチプライ
ヤの動作について説明する。ただし、上記文献に記載さ
れた回路解析式は、コンプリメンタリトランジスタ対の
コンプリメンタリ特性が正確に保たれているとするなら
ば有効である。すなわち、NチャネルMOSトランジス
タのトランスコンダクタンス・パラメータβNとPチャ
ネルMOSトランジスタのトランスコンダクタンス・パ
ラメータβPとが等しく(βN=βP=β)、且つ、Nチ
ャネルMOSトランジスタのスレッショルド電圧VTH N
とPチャネルMOSトランジスタのスレッショルド電圧
THPとが等しい(VTH N=VTHP=VTH)とすれば良
い。
【0018】素子の整合性は良いものとし、チャネル長
変調と基板効果を無視し、MOSトランジスタのドレイ
ン電流とゲート−ソース間電圧VGSとの関係は2乗則に
従うものとすると、飽和領域でのMOSトランジスタの
ドレイン電流IDは、数式(1)で表される。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、βはトランスコンダクタンス・パ
ラメータであり、β=μ(COX/2)(W/L)と表さ
れる。ただし、μはキャリアの実効モビリティであり、
OXは単位面積当たりのゲート酸化膜容量であり、W,
Lはそれぞれゲート幅,ゲート長である。
【0021】図8において、MOSトランジスタM10
1、M102には等しい電流Iが流れているので、MO
SトランジスタM101、M102のゲート−ソース間
電圧VGS101,VGS102の間に、数式(2)の関係が成立
する。
【0022】
【数2】
【0023】また、図8において、MOSトランジスタ
M104のソースへの入力電流は、上記文献では(IIN
+IS)と記載されているが、正しくは(IIN−IS)で
あるので、MOSトランジスタM103、M104のゲ
ート−ソース間電圧VGS103,VGS104およびドレイン電
流ID103,ID104の間に、数式(3a)、(3b)の関
係が成立する。
【0024】
【数3】
【0025】同様に、MOSトランジスタM106のソ
ースへの入力電流は(IIN+IS)であるので、MOS
トランジスタM105、M106のゲート−ソース間電
圧VGS 105,VGS106およびID105,ID106の間に、数式
(4a)、(4b)の関係が成立する。
【0026】
【数4】
【0027】ここで、数式(3a)〜数式(4b)を解
くと、数式(5a)〜数式(5d)の関係が得られる。
【0028】
【数5】
【0029】上記数式(5a)〜(5d)よりドレイン
電流ID103、ID104、ID105、ID1 06が第1入力電流
(IIN−IS)または第2入力電流(IIN+IS)の二乗
成分を含むことが分かる。これは、コンプリメンタリト
ランジスタ対103,104が二乗回路としての機能を
持つことを意味する。
【0030】上記数式(5a)〜(5d)より、出力電
流IOUTは数式(6)で表される。
【0031】
【数6】
【0032】このように、βN=βP=β、かつVTHN
THP=VTHの場合には、第1および第2入力電流が含
む2つの電流成分IINとISの積が得られ、4象限マル
チプライヤが実現される。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のCMOSマ
ルチプライヤにおいては、次の問題がある。
【0034】一般に、通常のプロセスでは、Nチャネル
MOSトランジスタのトランスコンダクタンス・パラメ
ータβNとPチャネルMOSトランジスタのトランスコ
ンダクタンス・パラメータβPとを等しくすることも、
NチャネルMOSトランジスタのスレッショルド電圧V
THNとPチャネルMOSトランジスタのスレッショルド
電圧VTHPとを等しくすることも甚だ困難を伴う。すな
わち、βN≠βPであり、且つ、VTHN≠VTHPである。
【0035】上述したように、上記従来のCMOSマル
チプライヤが線形動作するためには、ソース結合された
PチャンネルMOSトランジスタとNチャンネルMOS
トランジスタのスレショルド電圧とトランスコンダクタ
ンス・パラメータが等しくなければならない(すなわ
ち、βN=βP、且つ、VTHN=VTHP)。よって、上記従
来のCMOSマルチプライヤでは、理想的な線形動作を
実現することができないという問題がある。
【0036】同様に、従来の電流二乗回路においても、
理想的な二乗特性が得られないという問題がある。
【0037】換言すると、理想的な線形動作を実現する
ためには、スレショルド電圧とトランスコンダクタンス
・パラメータが等しいNチャンネルおよびPチャンネル
MOSトランジスタを備えた理想的なコンプリメンタリ
特性を持つコンプリメンタリトランジスタ対が必要であ
るという問題がある。
【0038】そこで、本発明の目的は、スレショルド電
圧とトランスコンダクタンス・パラメータが等しい複合
トランジスタを提供することにある。
【0039】本発明の他の目的は、理想的なコンプリメ
ンタリ特性を持つコンプリメンタリ型複合トランジスタ
対を提供することにある。
【0040】本発明の他の目的は、理想的なコンプリメ
ンタリ特性を持つCMOS電流二乗回路を提供すること
にある。
【0041】本発明のさらに他の目的は、理想的な乗算
特性を持つCMOSマルチプライヤを提供することにあ
る。
【0042】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の複合トランジスタは、第1導電型の第
1MOSFETと、前記第1導電型とは逆の極性を持つ
第2導電型の第2MOSFETとを備えて構成され、全
体として前記第1導電型の一つのMOSFETとして動
作する複合トランジスタであって、前記第1および第2
のMOSFETのソースが互いに接続されており、前記
第1MOSFETのゲートおよびドレインが当該複合ト
ランジスタのゲートおよびドレインをそれぞれ形成し、
且つ前記第2MOSFETのゲートとドレインが互いに
接続されて当該複合トランジスタのソースを形成してい
ることを特徴とする。
【0043】(2) 本発明の複合トランジスタでは、
第1導電型を持つ第1MOSFETと第2導電型を持つ
第2MOSFETとを含んでおり、第1および第2のM
OSFETのソースのそれぞれが互いに接続され、第2
MOSFETのゲートとドレインが互いに接続されて構
成されている。
【0044】複合トランジスタの持つスレッショルド電
圧値は、第1MOSFETの持つスレッショルド電圧値
と第2MOSFETの持つスレッショルド電圧値の和と
等しい。同時に、複合トランジスタの持つトランスコン
ダクタンス・パラメータ値は、第1MOSFETの持つ
トランスコンダクタンス・パラメータ値と第2MOSF
ETの持つトランスコンダクタンス・パラメータ値とが
均衡する形態で含んでいる。
【0045】第1MOSFETがPチャネルMOSFE
Tであり、第2MOSFETがNチャネルMOSFET
である場合、複合トランジスタはPチャネルMOSFE
Tとして動作する。他方、第1MOSFETがNチャネ
ルMOSFETであり、第2MOSFETがPチャネル
MOSFETである場合、複合トランジスタはNチャネ
ルMOSFETとして動作する。
【0046】よって、複合トランジスタがPチャネルM
OSFETとして動作する場合のスレッショルド電圧値
とNチャネルMOSFETとして動作する場合のスレッ
ショルド電圧値は等しくなる。同時に、複合トランジス
タがPチャネルMOSFETとして動作する場合のトラ
ンスコンダクタンス・パラメータ値とNチャネルMOS
FETとして動作する場合のトランスコンダクタンス・
パラメータ値は、等しくなる。
【0047】すなわち、トランスコンダクタンス・パラ
メータとスレッショルド電圧がともに等しいPチャネル
またはNチャネルのMOSFETとして動作する。
【0048】(3) 本発明のコンプリメンタリ複合ト
ランジスタ対は、第1導電型の第1MOSFETと、前
記第1導電型とは逆の極性を持つ第2導電型の第2MO
SFETと、前記第1導電型の第3MOSFETと、前
記第2導電型の第4MOSFETとを備えて構成され、
全体として一対のコンプリメンタリ型トランジスタ対と
して動作するコンプリメンタリ型複合トランジスタ対で
あって、前記第1および第2のMOSFETのソースは
互いに接続されていると共に、前記第1MOSFETの
ゲートおよびドレインが当該複合トランジスタ対の第1
ゲートおよび第1ドレインをそれぞれ形成し、前記第3
および第4のMOSFETのソースは互いに接続されて
いると共に、前記第4MOSFETのゲートおよびドレ
インが当該複合トランジスタ対の第2ゲートおよび第2
ドレインをそれぞれ形成し、前記第2MOSFETのゲ
ートおよびドレインと前記第3MOSFETのゲートお
よびドレインとが共通に接続されて当該複合トランジス
タ対の共通ソースを形成していることを特徴とする。
【0049】(4)本発明のコンプリメンタリ複合トラ
ンジスタ対では、第1導電型を持つMOSFETとして
動作する第1複合トランジスタと第2導電型を持つMO
SFETとして動作する第2複合トランジスタとを含ん
で構成される。
【0050】よって、(1)で述べたのと同じ理由によ
り、第1および第2の複合トランジスタのトランスコン
ダクタンス・パラメータおよびスレショルド電圧は互い
に等しくなるので、理想的なコンプリメンタリ特性が得
られる。
【0051】(5) 本発明の第1の電流二乗回路は、
上記(3)の構成を持つ第1コンプリメンタリ型複合ト
ランジスタ対と、カレントミラー回路と、電流加算器と
を備えてなる電流二乗回路であって、前記コンプリメン
タリ型複合トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲー
トに第1および第2の定電圧がそれぞれ印加され、前記
コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通ソースに
入力電流が供給され、前記コンプリメンタリ型複合トラ
ンジスタ対の第1ドレインは前記電流加算器の第1入力
端子に接続され、前記コンプリメンタリ型複合トランジ
スタ対の第2ドレインは前記カレントミラー回路の入力
端子に接続され、前記カレントミラー回路の出力端子は
前記電流加算器の第2入力端子に接続され、前記入力電
流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路の出力電流
は、前記加算器の出力端子から取り出されることを特徴
とする。
【0052】(6)本発明の第1の電流二乗回路では、
第1導電型を持つ第1複合トランジスタと第2導電型を
持つ第2複合トランジスタを含んで構成されるコンプリ
メンタリ型複合トランジスタ対を備えている。そのコン
プリメンタリ型複合トランジスタ対の共通ソースに入力
電流を入力すると、第1および第2の複合トランジスタ
には入力電流の二乗成分を含む電流が流れる。これらの
電流は加算器で加算されるので、入力電流に対して二乗
特性を持つ電流が得られる。
【0053】この際、(1)で述べたと同じ理由によ
り、第1および第2の複合トランジスタのトランスコン
ダクタンス・パラメータおよびスレショルド電圧は互い
に等しくできるので、コンプリメンタリ複合トランジス
タ対が理想的なコンプリメンタリ特性を持つ。この結
果、理想的なコンプリメンタリ特性を持つCMOS電流
二乗回路が得られる。
【0054】(7) 本発明の第1の二乗回路の好まし
い例では、前記第1および第2の定電圧を供給するバイ
アス回路として、上記(3)の構成を持つ第2コンプリ
メンタリ型複合トランジスタ対と、その第2コンプリメ
ンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するための
少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、前記
第2コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲー
トおよび第2ゲートは前記第1コンプリメンタリ型複合
トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲートにそれぞ
れ接続される。
【0055】(8) 本発明の第2の電流二乗回路は、
上記(1)に記載の複合トランジスタを形成する導電型
の異なる第1および第2のMOSFETと、互いに導電
型が異なり且つダイオード接続された第3および第4の
MOSFETをカスコード接続してなる第1MOSダイ
オード対と、前記第3および第4のMOSFETのいず
れか一方と共にカレントミラー回路を形成する第5MO
SFETと、電流加算器とを備え、前記複合トランジス
タのソースまたはドレインのいずれか一方は前記電流加
算器の第1入力端子に接続され、且つ前記複合トランジ
スタのソースまたはドレインの他方は前記第1MOSダ
イオード対の一端にカスコード接続され、前記複合トラ
ンジスタのゲートには定電圧が印加され、前記カレント
ミラー回路の出力端子は前記電流加算器の第2入力端子
に接続され、前記複合トランジスタと前記第1MOSダ
イオード対の接続点に入力電流が供給され、前記入力電
流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路の出力電流
は、前記加算器の出力端子から取り出されることを特徴
とする。
【0056】(9) 本発明の第2の電流二乗回路で
は、複合トランジスタにカスコード接続された第1MO
Sダイオード対を含んでいる。複合トランジスタと第1
MOSダイオード対の接続点に入力電流を供給すると、
その複合トランジスタと第1ダイオード対には、入力電
流の二乗成分を含む電流がそれぞれ流れる。これら二つ
の電流を加算すると、入力電流に対して二乗特性を持つ
電流が得られる。
【0057】第1ダイオード対を構成する第3および第
4のMOSFETは、1つの複合ダイオードとして考え
ることができる。この複合ダイオードと複合トランジス
タのトランスコンダクタンス・パラメータおよびスレシ
ョルド電圧は、互いに等しくできるので、理想的なコン
プリメンタリ特性を持つCMOS電流二乗回路が得られ
る。
【0058】本発明の第2の電流二乗回路は、本発明の
第1の電流二乗回路よりも低電圧で動作するという利点
がある。
【0059】(10) 本発明の第2の電流二乗回路の
好ましい例では、前記定電圧を供給するバイアス回路を
さらに備えており、そのバイアス回路は、請求項1に記
載の複合トランジスタを形成する導電型の異なる第6お
よび第7のMOSFETと、互いに導電型が異なり且つ
ダイオード接続された第8および第9のMOSFETを
カスコード接続してなる第2MOSダイオード対と、前
記複合トランジスタと前記第2MOSダイオード対に定
電流を供給するための少なくとも一つの定電流源とを備
えており、前記複合トランジスタのゲートは前記複合ト
ランジスタのゲートに接続されている。
【0060】(11) 本発明の第3の電流二乗回路
は、上記(3)の構成を持つ第1および第2のコンプリ
メンタリ型複合トランジスタ対を備えてなる電流二乗回
路であって、前記第1および第2のコンプリメンタリ型
複合トランジスタ対の第1ドレインは互いに接続されて
当該電流二乗回路の出力端子を形成し、前記第1および
第2のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2ド
レインは互いに接続され、前記第1および第2のコンプ
リメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲートには第1
定電圧が共通に印加され、前記第1および第2のコンプ
リメンタリ型複合トランジスタ対の第2ゲートには第2
定電圧が共通に印加され、前記第2コンプリメンタリ型
複合トランジスタ対の共通ソースに入力電流が供給さ
れ、前記入力電流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗
回路の出力電流は、前記出力端子から取り出されること
を特徴とする。
【0061】(12) 本発明の第3の電流二乗回路で
は、本発明の第1の電流二乗回路においてカレントミラ
ー回路に代えてコンプリメンタリ型複合トランジスタ対
が設けられている。このため、本発明の第1の電流二乗
回路におけると同様の理由により、理想的なコンプリメ
ンタリ特性を持つCMOS電流二乗回路が得られる。
【0062】(13) 本発明の第3の電流二乗回路の
好ましい例では、前記第1および第2の定電圧を供給す
るバイアス回路として、請求項3の構成を持つ第3コン
プリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第3コンプ
リメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するた
めの少なくとも一つの定電流源とをさらに備え、前記第
3コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲート
および第2ゲートは、前記第1コンプリメンタリ型複合
トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲートにそれぞ
れ接続される。
【0063】(14) 本発明の第4の電流二乗回路
は、上記(3)の構成を持つ第1コンプリメンタリ型複
合トランジスタ対と、第1定電流源とを備えてなる電流
二乗回路であって、前記第1コンプリメンタリ型複合ト
ランジスタ対の第1ドレインは前記第1定電流源の一方
の端子に接続されて当該電流二乗回路の出力端子を形成
し、前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の
第2ドレインは前記第1定電流源の他方の端子に接続さ
れ、前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の
第1および第2のゲートには第1および第2の定電圧が
それぞれ印加され、前記第1コンプリメンタリ型複合ト
ランジスタ対の共通ソースに入力電流が供給され、前記
入力電流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路の出
力電流は、前記出力端子から取り出されることを特徴と
する。
【0064】(15) 本発明の第4の電流二乗回路で
は、本発明の第3の電流二乗回路において、一方のコン
プリメンタリ型複合トランジスタ対に代えて定電流源が
設けられている。このため、本発明の第3の電流二乗回
路におけると同様の理由により、理想的なコンプリメン
タリ特性を持つCMOS電流二乗回路が得られる。
【0065】(16) 本発明の第4の電流二乗回路の
好ましい例では、前記第1および第2の定電圧を供給す
るバイアス回路として、上記(3)の構成を持つ第2コ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第2コン
プリメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給する
ための少なくとも一つの定電流源とをさらに備え、前記
第2コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲー
トおよび第2ゲートは、前記第1コンプリメンタリ型複
合トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲートにそれ
ぞれ接続される。
【0066】(17) 本発明の第1のマルチプライヤ
は、上記(3)の構成を持つ第1および第2のコンプリ
メンタリ型複合トランジスタ対と、第1および第2のカ
レントミラー回路と、第1および第2の電流加算器と、
電流減算器とを備えてなるマルチプライヤであって、前
記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジス
タ対の第1ゲートに第1定電圧が共通に印加され、前記
第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジスタ
対の第2ゲートに第2定電圧が共通に印加され、前記第
1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対
の共通ソースに第1および第2の入力電流がそれぞれ供
給され、前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合
トランジスタ対の第1ドレインは前記第1および第2の
電流加算器の第1入力端子にそれぞれ接続され、前記第
1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対
の第2ドレインは前記第1および第2のカレントミラー
回路の入力端子にそれぞれ接続され、前記第1および第
2のカレントミラー回路の出力端子は前記第1および第
2の電流加算器の第2入力端子にそれぞれ接続され、前
記第1入力電流に対して二乗特性を持つ第1出力電流
は、前記第1電流加算器の出力端子から取り出され、前
記第2入力電流に対して二乗特性を持つ第2出力電流
は、前記第2電流加算器の出力端子から取り出され、前
記電流減算器は前記第1および第2の出力電流の間で減
算を行って当該マルチプライヤの出力電流を出力するこ
とを特徴とする。
【0067】(18) 本発明の第1のマルチプライヤ
では、本発明の第1の電流二乗回路を二つ組み合わせ、
それら電流二乗回路の出力電流の間で減算を行ってい
る。よって、理想的な乗算特性を持つCMOSマルチプ
ライヤが得られる。
【0068】(19) 本発明の第2のマルチプライヤ
の好ましい例では、前記第1および第2の定電圧を供給
するバイアス回路として、請求項3の構成を持つ第3コ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第3コン
プリメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給する
ための少なくとも一つの定電流源とをさらに備え、前記
第3コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲー
トは、前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合ト
ランジスタ対の第1ゲートに共通に接続され、前記第3
コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2ゲート
は、前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トラ
ンジスタ対の第2ゲートに共通に接続される。
【0069】(20) 本発明の第2のマルチプライヤ
は、上記(1)に記載の構成を持つ第1複合トランジス
タを形成する導電型の異なる第1および第2のMOSF
ETと、互いに導電型が異なり且つダイオード接続され
た第3および第4のMOSFETをカスコード接続して
なる第1MOSダイオード対と、前記第3および第4の
MOSFETのいずれか一方と共に第1カレントミラー
回路を形成する第5MOSFETと第1電流加算器と、
請求項1に記載の構成を持つ第2複合トランジスタを形
成する導電型の異なる第6および第7のMOSFET
と、互いに導電型が異なり且つダイオード接続された第
8および第9のMOSFETをカスコード接続してなる
第2MOSダイオード対と、前記第8および第9のMO
SFETのいずれか一方と共に第2カレントミラー回路
を形成する第10MOSFETと、第2電流加算器と、
電流減算器とを備え、前記第1複合トランジスタのソー
スまたはドレインのいずれか一方は前記第1電流加算器
の第1入力端子に接続され、且つ前記第1複合トランジ
スタのソースまたはドレインの他方は前記第1MOSダ
イオード対の一端にカスコード接続され、前記第1複合
トランジスタのゲートには定電圧が印加され、前記第1
カレントミラー回路の出力端子は前記第1電流加算器の
第2入力端子に接続され、前記第2複合トランジスタと
前記第1MOSダイオード対の接続点に第1入力電流が
供給され、前記第1入力電流に対して二乗特性を持つ第
1出力電流は、前記第1加算器の出力端子から取り出さ
れ、前記第2複合トランジスタのソースまたはドレイン
のいずれか一方は前記第2電流加算器の第1入力端子に
接続され、且つ前記第2複合トランジスタのソースまた
はドレインの他方は前記第2MOSダイオード対の一端
にカスコード接続され、前記第2複合トランジスタのゲ
ートには前記定電圧が印加され、前記第2カレントミラ
ー回路の出力端子は前記第2電流加算器の第2入力端子
に接続され、前記第2複合トランジスタと前記第2MO
Sダイオード対の接続点に第2入力電流が供給され、前
記第2入力電流に対して二乗特性を持つ第2出力電流
は、前記第2加算器の出力端子から取り出され、前記電
流減算器は、前記第1および第2の出力電流の間で減算
を行って当該マルチプライヤの出力電流を出力すること
を特徴とする。
【0070】(21) 本発明の第2のマルチプライヤ
では、本発明の第2の電流二乗回路を二つ組み合わせ、
それら電流二乗回路の出力電流の間で減算を行ってい
る。よって、理想的な乗算特性を持つCMOSマルチプ
ライヤが得られる。
【0071】(22) 本発明の第2のマルチプライヤ
の好ましい例では、前記定電圧を供給するバイアス回路
をさらに備えており、そのバイアス回路は、上記(1)
に記載の構成を持つ第3複合トランジスタを形成する導
電型の異なる第11および第12のMOSFETと、互
いに導電型が異なり且つダイオード接続された第13お
よび第14のMOSFETをカスコード接続してなる第
3MOSダイオード対と、前記第3複合トランジスタと
前記第3MOSダイオード対に定電流を供給するための
少なくとも一つの定電流源とを備えており、前記第3複
合トランジスタのゲートは前記第1および第2の複合ト
ランジスタのゲートに共通に接続される。
【0072】(23) 本発明の第3のマルチプライヤ
は、上記(3)の構成を持つ第1および第2のコンプリ
メンタリ型複合トランジスタ対を備えてなる第1電流二
乗回路と、上記(3)の構成を持つ第4および第4のコ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対を備えてなる第2
電流二乗回路と、電流減算器とを備えてなり、第1およ
び第2の入力電流を乗算するマルチプライヤであって、
前記第1電流二乗回路では、前記第1および第2のコン
プリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ドレインは互
いに接続されて当該第1電流二乗回路の出力端子を形成
し、前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トラ
ンジスタ対の第2ドレインは互いに接続され、前記第1
および第2のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対の
第1ゲートには第1定電圧が共通に印加され、前記第1
および第2のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対の
第2ゲートには第2定電圧が共通に印加され、前記第2
コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通ソースに
前記第1および第2の入力電流の和電流が供給され、前
記第1および第2の入力電流の和電流に対して二乗特性
を持つ当該第1電流二乗回路の出力電流は、前記電流減
算器の第1入力端子に印加され、前記第2電流二乗回路
では、前記第3および第4のコンプリメンタリ型複合ト
ランジスタ対の第1ドレインは互いに接続されて当該第
2電流二乗回路の出力端子を形成し、前記第3および第
4のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2ドレ
インは互いに接続され、前記第3および第4のコンプリ
メンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲートには前記第
1定電圧が共通に印加され、前記第3および第4のコン
プリメンタリ型複合トランジスタ対の第2ゲートには前
記第2定電圧が共通に印加され、前記第3および第4の
コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通ソースに
前記第1および第2の入力電流がそれぞれ供給され、前
記第1入力電流と前記第2入力電流の差に対して二乗特
性を持つ当該第2電流二乗回路の出力電流は、前記電流
減算器の第2入力端子に印加され、前記第1および第2
の入力電流の積に対応する当該マルチプライヤの出力電
流は前記電流減算器の出力端子から取り出されることを
特徴とする。
【0073】(24) 本発明の第3のマルチプライヤ
では、本発明の第3の電流二乗回路を二つ組み合わせ、
それら電流二乗回路の出力電流の間で減算を行ってい
る。よって、理想的な乗算特性を持つCMOSマルチプ
ライヤが得られる。
【0074】(25) 本発明の第3のマルチプライヤ
の好ましい例では、前記第1および第2の定電圧を供給
するバイアス回路として、上記(3)の構成を持つ第5
コンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第5コ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給す
るための少なくとも一つの定電流源とをさらに備えてお
り、前記第5コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の
第1ゲートは、前記第1、第2、第3および第4のコン
プリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲートに共通
に接続され、前記第5コンプリメンタリ型複合トランジ
スタ対の第2ゲートは、前記第1、第2、第3および第
4のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2ゲー
トに共通に接続されている。
【0075】(26) 本発明の第4のマルチプライヤ
は、上記(3)の構成を持つ第1、第2および第3のコ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、第1定電流源
と、電流減算器とを備えてなり、第1および第2の入力
電流を乗算するマルチプライヤであって、前記第1コン
プリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ドレインと前
記第1定電流源の一方の端子は、前記電流減算器の第1
入力端子に共通に接続され、前記第1コンプリメンタリ
型複合トランジスタ対の第2ドレインと前記第1定電流
源の他方の端子は互いに接続され、前記第2および第3
のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ドレイ
ンは、前記電流減算器の第2入力端子に共通に接続さ
れ、前記第2および第3のコンプリメンタリ型複合トラ
ンジスタ対の第2ドレインは互いに接続され、前記第
1、第2および第3のコンプリメンタリ型複合トランジ
スタ対の第1ゲートには第1定電圧がそれぞれ印加さ
れ、前記第1、第2および第3のコンプリメンタリ型複
合トランジスタ対の第2ゲートには第2の定電圧がそれ
ぞれ印加され、前記第1コンプリメンタリ型複合トラン
ジスタ対の共通ソースに前記第1および第2の入力電流
の和電流が供給され、前記第2および第3のコンプリメ
ンタリ型複合トランジスタ対の共通ソースに前記第1お
よび第2の入力電流がそれぞれ供給され、前記第1およ
び第2の入力電流の積に対応する当該マルチプライヤの
出力電流は前記電流減算器の出力端子から取り出される
ことを特徴とする。
【0076】(27) 本発明の第4のマルチプライヤ
は、本発明の第3のマルチプライヤにおいて、一つのコ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対を定電流源に置き
換えたものに相当する。よって、理想的な乗算特性を持
つCMOSマルチプライヤが得られる。
【0077】(28) 本発明の第4のマルチプライヤ
の好ましい例では、前記第1および第2の定電圧を供給
するバイアス回路として、請求項3の構成を持つ第4コ
ンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第4コン
プリメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給する
ための少なくとも一つの定電流源とをさらに備えてお
り、前記第4コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の
第1ゲートは、前記第1、第2および第3のコンプリメ
ンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲートにそれぞれ接
続され、前記第4コンプリメンタリ型複合トランジスタ
対の第2ゲートは、前記第1、第2および第3のコンプ
リメンタリ型複合トランジスタ対の第2ゲートにそれぞ
れ接続されている。
【0078】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明の第1実施形態の複
合トランジスタの回路構成を示す。図1(a)はNチャ
ネル複合トランジスタを示し、図1(b)はPチャネル
複合トランジスタを示す。
【0079】図1(a)の複合トランジスタ1は、Nチ
ャンネルMOSトランジスタMaとPチャンネルMOS
トランジスタMbとを備えている。MOSトランジスタ
MaのソースはMOSトランジスタMbのソースと接続
されている。MOSトランジスタMbのゲートとドレイ
ンは互いに接続され、さらに複合トランジスタ1の入力
端子(すなわち、ソース端子)SNを形成している。M
OSトランジスタMaのゲートとドレインは、複合トラ
ンジスタ1の制御端子(すなわち、ゲート端子)GN
出力端子(すまわち、ドレイン端子)DNを形成してい
る。
【0080】この複合トランジスタ1において、等価的
スレッショルド電圧VTHは、数式(7)に示すように、
Nチャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHN
Pチャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHP
の和となる。
【0081】
【数7】
【0082】複合トランジスタ1のドレイン電流ID
よび等価的トランスコンダクタンス・パラメータβの関
係は、数式(8)で表される。
【0083】
【数8】
【0084】ここで、Nチャネルトランジスタのトラン
スコンダクタンス・パラメータをβNとし、Pチャネル
トランジスタのトランスコンダクタンス・パラメータを
βPとすると、数式(8)は数式(9)のように表され
る。
【0085】
【数9】
【0086】また、ゲート−ソース間電圧VGSは、数式
(10)で表される。
【0087】
【数10】
【0088】上記数式(7)〜数式(10)を解くと、
数式(11)が得られる。
【0089】
【数11】
【0090】上記数式(11)は、複合トランジスタ1
の等価コンダクタンス・パラメータβとMOSトランジ
スタMa、Mbのトランスコンダクタンス・パラメータ
βN、βPの関係を示している。
【0091】図1(b)の複合トランジスタ2は、Nチ
ャンネルMOSトランジスタMcとPチャンネルMOS
トランジスタMdとを備えている。MOSトランジスタ
McのソースはMOSトランジスタMdのソースと接続
されている。MOSトランジスタMcのゲートとドレイ
ンは互いに接続され、さらに複合トランジスタ2の入力
端子(すなわち、ソース端子)SNを形成している。M
OSトランジスタMdのゲートとドレインは、複合トラ
ンジスタ2の制御端子(すなわち、ゲート端子)GP
出力端子(すなわち、ドレイン端子)DPを形成してい
る。
【0092】複合トランジスタ2においても、上記数式
(11)が成立する。したがって、複合トランジスタ1
と複合トランジスタ2のトランスコンダクタンス・パラ
メータとは等しくなる。
【0093】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実
施形態のコンプリメンタリ複合トランジスタ対を示す。
【0094】図2のコンプリメンタリ複合トランジスタ
対3は、図1のNチャネル複合トランジスタ1のソース
端子SNとPチャネル複合トランジスタ2のソース端子
Pとを接続したものである。コンプリメンタリ複合ト
ランジスタ対3は、理想的なコンプリメンタリ・トラン
ジスタ対として動作する。こうして得られる理想的なコ
ンプリメンタリ複合トランジスタ対3は利用価値が高
い。
【0095】(第3実施形態)次に図2のコンプリメン
タリ複合トランジスタ対3を応用した一例として、電流
二乗回路を備えたCMOSマルチプライヤについて説明
する。
【0096】図3は、本発明の第3実施形態のCMOS
マルチプライヤを示す 図3のマルチプライヤは、バイアス回路5と第1および
第2の電流二乗回路6,7と電流減算器8により構成さ
れる。
【0097】バイアス回路5は、NチャネルMOSトラ
ンジスタM1,M3と、PチャネルMOSトランジスタ
M2,M4と電流源11,12(電流値:I)とを備え
ている。
【0098】MOSトランジスタM1のソースはMOS
トランジスタM2のソースに接続され、ドレインとゲー
トは互いに接続されれている。ドレインは、さらに定電
流源11を介して電源電圧VDDの電源線に接続されてい
る。MOSトランジスタM2のドレインとゲートは互い
に接続されている。MOSトランジスタM1とM2は、
Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0099】MOSトランジスタM3のドレインとゲー
トは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM4
のソースに接続されている。MOSトランジスタM4の
ドレインとゲートは互いに接続され、ドレインはさらに
定電流源12を介して接地されている。MOSトランジ
スタM3とM4は、Pチャネル複合トランジスタを形成
する。
【0100】さらに、MOSトランジスタM2、M3の
ドレインが互いに接続されて、MOSトランジスタM
1,M2,M3,M4はコンプリメンタリ複合トランジ
スタ対を形成する。
【0101】MOSトランジスタM1、M2は定電流源
11の生成する定電流Iによって駆動され、MOSトラ
ンジスタM3、M4は定電流源12の生成する定電流I
によって駆動される。MOSトランジスタM1のゲート
にバイアス電圧VB1が生成され、MOSトランジスタM
4のゲートにバイアス電圧VB2が生成される。
【0102】他方、第1電流二乗回路6は、Nチャネル
MOSトランジスタM5,M7,M13,M14と、P
チャネルMOSトランジスタM6,M8と電流加算器1
3とを備えている。
【0103】MOSトランジスタM5のソースはMOS
トランジスタM6のソースに接続され、ドレインは、さ
らに電流加算器13の一方の入力端子に接続されてい
る。MOSトランジスタM1のゲートに接続されたMO
SトランジスタM5のゲートには、バイアス電圧VB1
印加される。MOSトランジスタM6のドレインとゲー
トは互いに接続されている。MOSトランジスタM5と
M6は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0104】MOSトランジスタM7のドレインとゲー
トは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM8
のソースに接続されている。MOSトランジスタM8の
ドレインは、MOSトランジスタM13のソースに接続
されている。MOSトランジスタM4のゲートに接続さ
れたMOSトランジスタM8のゲートには、バイアス電
圧VB2が印加される。MOSトランジスタM7とM8
は、Pチャネル複合トランジスタを形成する。
【0105】MOSトランジスタM6,M7のドレイン
が互いに接続されて、MOSトランジスタM5,M6,
M7,M8はコンプリメンタリ複合トランジスタ対を形
成する。MOSトランジスタM6,M7の共通接続され
たドレインは、第1電流二乗回路6の入力端子を形成す
る。この入力端子には、第1入力電流(IIN−IS)が
入力される。
【0106】MOSトランジスタM13のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ゲートはさらにMOSトランジ
スタM14のゲートに接続され、ソースは接地されてい
る。MOSトランジスタM14のドレインは電流加算器
13の他方の入力端子に接続され、ソースは接地されて
いる。MOSトランジスタM13とM14は、カレント
ミラー回路15を形成する。
【0107】電流加算器13の出力端子は、電流減算器
8の一方の入力端子に接続されている。
【0108】また、第2電流二乗回路7は、Nチャネル
MOSトランジスタM9,M11と、PチャネルMOS
トランジスタM10,M12,M15,M16と電流加
算器14とを備えている。
【0109】MOSトランジスタM9のソースはMOS
トランジスタM10のソースに接続され、ドレインは、
さらに電流加算器14の一方の入力端子に接続されてい
る。MOSトランジスタM1のゲートに接続されたMO
SトランジスタM9のゲートには、バイアス電圧VB1
印加される。MOSトランジスタM10のドレインとゲ
ートは互いに接続されている。MOSトランジスタM9
とM10は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0110】MOSトランジスタM11のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM
12のソースに接続されている。MOSトランジスタM
12のドレインは、MOSトランジスタM15のソース
に接続されている。MOSトランジスタM4のゲートに
接続されたMOSトランジスタM12のゲートには、バ
イアス電圧VB2が印加される。MOSトランジスタM1
1とM12は、Pチャネル複合トランジスタを形成す
る。
【0111】MOSトランジスタM10,M11のドレ
インが互いに接続されて、MOSトランジスタM9,M
10,M11,M12はコンプリメンタリ複合トランジ
スタ対を形成する。MOSトランジスタM10,M11
の共通接続されたドレインは、第2電流二乗回路7の入
力端子を形成する。この入力端子には、第2入力電流
(IIN+IS)が入力される。
【0112】MOSトランジスタM15のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ゲートはさらにMOSトランジ
スタM16のゲートに接続され、ソースは接地されてい
る。MOSトランジスタM14のドレインは電流加算器
14の他方の入力端子に接続され、ソースは接地されて
いる。MOSトランジスタM15とM16は、カレント
ミラー回路16を形成する。
【0113】電流加算器14の出力端子は、電流減算器
8の他方の入力端子に接続されている。
【0114】電流加算器14の一方の入力端子にはMO
SトランジスタM9のドレイン電流ID9が入力され、他
方の入力端子にはMOSトランジスタM16のドレイン
電流ID16が入力される。電流加算器14の出力端子
は、電流減算器8の他方の入力端子に接続されている。
電流ID9とID16の加算電流I2がその出力端子から出力
される。
【0115】電流減算器8は、入力電流I1とI2を減算
して出力電流IOUTを出力する。
【0116】次に、図3のマルチプライヤの動作につい
て説明する。
【0117】図3のマルチプライヤにおいては、Nチャ
ネルトランジスタのトランスコンダクタンス・パラメー
タβNとPチャネルトランジスタのトランスコンダクタ
ンス・パラメータβPが異なり(βN≠βP)、かつN
チャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHNとP
チャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHPが異
なる(VTHN≠VTHP)ものとする。この条件は、一般的
なCMOSプロセスのトランジスタの製造条件に合致し
ている。
【0118】また、ここでは素子の整合性は良いものと
し、チャネル長変調と基板効果を無視し、MOSトラン
ジスタのドレイン電流とゲート−ソース間電圧との関係
は2乗則に従うものとする。
【0119】バイアス回路5において、MOSトランジ
スタM1、M2は定電流源11で駆動され、MOSトラ
ンジスタM3、M4は定電流源12で駆動されるので、
MOSトランジスタM1〜M4のそれぞれに等しい電流
Iが流れる。MOSトランジスタM1〜M4のドレイン
電流をそれぞれID1〜ID4とし、MOSトランジスタM
1,M3のゲート−ソース間電圧をVGSNとし、MOS
トランジスタM2,M4のゲート−ソース間電圧をV
GSPとすると、それらの間に数式(12a)、(12
b)の関係が成立する。
【0120】
【数12】
【0121】第1電流二乗回路6において、MOSトラ
ンジスタM5、M6には等しい電流が流れ、MOSトラ
ンジスタM7、M8にも等しい電流が流れ、それらの電
流差は(IIN−IS)である。MOSトランジスタM5
〜M8のドレイン電流をそれぞれID5〜ID8とし、ゲー
ト−ソース間電圧をVGS5〜VGS8とすると、それらの間
に数式(13a)、(13b)の関係が成立する。
【0122】
【数13】
【0123】また、MOSトランジスタM5のゲートに
はMOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイア
ス電圧VB1が印加され、MOSトランジスタM8のゲー
トにはMOSトランジスタM4のゲートに生成されるバ
イアス電圧VB2が印加されるので、MOSトランジスタ
M1〜M8のゲート−ソース間電圧の間には、数式(1
4)の関係が成立する。
【0124】
【数14】
【0125】ここで、数式(8)を適用して、数式(1
2a)、(12b)、(13a)、(13b)、(1
4)を解いてドレイン電流ID5,ID8を求めると、数式
(15a)、(15b)に示す関係が得られる。
【0126】
【数15】
【0127】MOSトランジスタM5のドレイン電流I
D5は、電流加算器13の一方の入力端子に入力される。
MOSトランジスタM8のドレイン電流ID8は、MOS
トランジスタM13のドレインに入力される。MOSト
ランジスタM13とM14はカレントミラー回路15を
構成するので、MOSトランジスタM14のドレイン電
流ID14はMOSトランジスタM8のドレイン電流ID8
と等しい。電流加算器13の他方の入力端子には、MO
SトランジスタM14のドレイン電流ID14(=ID8
が入力される。電流加算器13の出力端子から電流ID5
とID14(=ID8)を加算した電流が第1電流二乗回路
6の出力電流I1として出力される。
【0128】上記数式(15a)、(15b)から、電
流加算器13の出力電流I1は数式(16)で表され
る。
【0129】
【数16】
【0130】上記数式(16)より、第1電流二乗回路
6の出力電流I1が第1入力電流(IIN−IS)の二乗に
比例することが分かる。これは、βN≠βP,VTHN≠V
THPの場合に、電流二乗回路6が理想的な二乗特性を持
つことを意味する。
【0131】第2電流二乗回路においても、同様に、M
OSトランジスタM9、M10には等しい電流が流れ、
MOSトランジスタM11、M12にも等しい電流が流
れ、その電流差は(IIN+IS)である。MOSトラン
ジスタM9〜M12のドレイン電流ID9〜ID12の関係
は、数式(17a)、(17b)で表される。
【0132】
【数17】
【0133】また、MOSトランジスタM9のゲートに
はMOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイア
ス電圧VB1が印加され、MOSトランジスタM12のゲ
ートにはMOSトランジスタM4のゲートに生成される
バイアス電圧VB2が印加されるので、MOSトランジス
タM1〜M4およびM9〜M12のゲート−ソース間電
圧の間には、数式(18)の関係が成立する。
【0134】
【数18】
【0135】ここで、数式(8)を適用して、数式(1
2a)、(12b)、(17a)、(17b)、(1
8)を解いてドレイン電流ID9,ID12を求めると、数
式(19a)、(19b)に示す関係が得られる。
【0136】
【数19】
【0137】MOSトランジスタM9のドレイン電流I
D9は、電流加算器14の一方の入力端子に入力される。
MOSトランジスタM12のドレイン電流ID12は、M
OSトランジスタM15のドレインに入力される。MO
SトランジスタM15とM16はカレントミラー回路1
6を構成するので、MOSトランジスタM16のドレイ
ン電流ID16はMOSトランジスタM12のドレイン電
流ID12と等しい。電流加算器14の他方の入力端子に
は、MOSトランジスタM16のドレイン電流I
D1 6(=ID12)が入力される。電流加算器14の出力端
子から電流ID9とID16(=ID12)を加算した電流が第
2電流二乗回路7の出力電流I2として出力される。
【0138】上記数式(19a)、(19b)から、電
流二乗回路14の出力電流I2は数式(20)で表され
る。
【0139】
【数20】
【0140】上記数式(20)より、電流二乗回路7の
出力電流I2が第2入力電流(IIN+IS)の二乗に比例
することが分かる。これは、βN≠βP,VTHN≠VTHP
場合に、電流二乗回路7が理想的な二乗特性を持つこと
を意味する。
【0141】電流二乗回路6、7の出力電流I1,I2
電流減算器8に入力されて、当該マルチプライヤの出力
電流IOUTが生成される。
【0142】したがって、数式(16)、(20)より
出力電流IOUTが求められ、それは数式(21)で表さ
れる。
【0143】
【数21】
【0144】上記数式(21)より、βN≠βP,VTHN
≠VTHPの場合に、第1および第2入力電流(IIN
S)、(IIN+IS)に含まれる電流成分IINとIS
の積が得られ、4象限マルチプライヤが実現されること
が分かる。
【0145】上記の通り、Nチャンネル複合トランジス
タとPチャネル複合トランジスタを含むコンプリメンタ
リ複合トランジスタ対を用いることにより、Pチャネル
MOSFETとNチャネルMOSFETのトランスコン
ダクタンス・パラメータβN、βPやスレッショルド電圧
THN、VTHPの影響を受けることなく、理想的な二乗特
性を持つ電流二乗回路を実現でき、理想的な線形性を持
つマルチプライヤを実現できる。
【0146】なお、図2のマルチプライヤのバイアス回
路5において、2つの定電流源11,12を用いている
が、どちらか1つの定電流源のみを用いる構成とするこ
とができる。この場合にも上述した回路動作は変わらな
い。例えば、定電流源11を省略する場合には、MOS
トランジスタM1のドレインをダイオード接続したMO
SFETを介して電源電圧線に接続すればよい。定電流
源12を省略する場合には、MOSFET4のドレイン
をダイオード接続したMOSFETを介して接地すれば
よい。
【0147】(第4の実施形態)図4は、本発明の第4
実施形態のCMOSマルチプライヤを示す。図4のCM
OSマルチプライヤは、図3の第3実施形態のCMOS
マルチプライヤを低電圧化したものである。
【0148】図4のマルチプライヤは、バイアス回路
5’と第1および第2の電流二乗回路6’,7’と電流
減算器8’により構成される。
【0149】バイアス回路5’は、NチャネルMOSト
ランジスタM21,M24と、PチャネルMOSトラン
ジスタM22,M23と電流源11,12(電流値:
I)とを備えている。
【0150】MOSトランジスタM21のソースはMO
SトランジスタM22のソースに接続され、ドレインと
ゲートは互いに接続されれている。ドレインは、さらに
定電流源11を介して電源電圧VDDの電源線に接続され
ている。MOSトランジスタM22のドレインとゲート
は互いに接続され、ドレインはさらにMOSトランジス
タM23のソースに接続されている。MOSトランジス
タM21とM22は、Nチャネル複合トランジスタを形
成する。
【0151】MOSトランジスタM23のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ドレインはさらにMOSトラン
ジスタM24のドレインに接続されている。MOSトラ
ンジスタM24のドレインとゲートは互いに接続され、
ソースは接地されている。MOSトランジスタM23と
M24はダイオード対を形成して、MOSトランジスタ
M21,M22により構成される複合トランジスタをバ
イアスする。
【0152】MOSトランジスタM21、M22、M2
3、M24は定電流源11の生成する定電流Iによって
駆動される。そして、MOSトランジスタM21のゲー
トにバイアス電圧VBが生成される。
【0153】他方、第1電流二乗回路6’は、Nチャネ
ルMOSトランジスタM25,M28,M33と、Pチ
ャネルMOSトランジスタM26,M27と電流加算器
13とを備えている。
【0154】MOSトランジスタM25のソースはMO
SトランジスタM26のソースに接続され、ドレインは
電流加算器13の一方の入力端子に接続されている。M
OSトランジスタM21のゲートに接続されたMOSト
ランジスタM25のゲートには、バイアス電圧VBが印
加される。MOSトランジスタM26のドレインとゲー
トは互いに接続され、ドレインはさらにMOSトランジ
スタM27のソースに接続されいる。MOSトランジス
タ26のドレインは、MOSトランジスタM25とM2
6は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。電流二
乗回路6の入力端子を形成する。この入力端子には、第
1入力電流(IIN−IS)が入力される。
【0155】MOSトランジスタM27のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ドレインはさらにMOSトラン
ジスタM28のドレインに接続されている。MOSトラ
ンジスタM28のドレインとゲートは互いに接続され、
ソースは接地されている。MOSトランジスタM27と
M28は、ダイオード対を形成して、MOSトランジス
タM25,M26により構成される複合トランジスタを
バイアスする。
【0156】MOSトランジスタM28のドレインはさ
らにMOSトランジスタM33のゲートに接続されてい
る。MOSトランジスタM33のドレインは電流加算器
13の他方の入力端子に接続され、ソースは接地されて
いる。MOSトランジスタM28とM33はカレントミ
ラー回路15’を形成する。
【0157】電流加算器13の出力端子は、電流減算器
8の一方の入力端子に接続されている。
【0158】また、第2電流二乗回路7’は、Nチャネ
ルMOSトランジスタM29,M32,34と、Pチャ
ネルMOSトランジスタM30,M31と電流加算器1
3とを備えている。
【0159】MOSトランジスタM29のソースはMO
SトランジスタM30のソースに接続され、ドレインは
電流加算器13の一方の入力端子に接続されている。M
OSトランジスタM21のゲートに接続されたMOSト
ランジスタM29のゲートには、バイアス電圧VBが印
加される。MOSトランジスタM30のドレインとゲー
トは互いに接続され、ドレインはさらにMOSトランジ
スタM31のソースに接続されいる。MOSトランジス
タ40のドレインは、MOSトランジスタM29とM3
0は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。第2電
流二乗回路7’の入力端子を形成する。この入力端子に
は、第2入力電流(IIN+IS)が入力される。
【0160】MOSトランジスタM31のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ドレインはさらにMOSトラン
ジスタM32のドレインに接続されている。MOSトラ
ンジスタM32のドレインとゲートは互いに接続され、
ソースは接地されている。MOSトランジスタM31と
M32は、ダイオード対を形成して、MOSトランジス
タM29,M30により構成される複合トランジスタを
バイアスする。
【0161】MOSトランジスタM32のドレインはさ
らにMOSトランジスタM34のゲートに接続されてい
る。MOSトランジスタM33のドレインは電流加算器
13の他方の入力端子に接続され、ソースは接地されて
いる。MOSトランジスタM32とM34はカレントミ
ラー回路16’を形成する。
【0162】電流加算器14の出力端子は、電流減算器
8の一方の入力端子に接続されている。
【0163】電流減算器8は、入力電流I1とI2を減算
して出力電流IOUTを出力する。
【0164】次に、図4のマルチプライヤの動作につい
て説明する。
【0165】図4のマルチプライヤにおいても、Nチャ
ネルトランジスタのトランスコンダクタンス・パラメー
タβNとPチャネルトランジスタのトランスコンダクタ
ンス・パラメータβPが異なり(βN≠βP)、かつNチ
ャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHNとPチ
ャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHPが異な
る(VTHN≠VTHP)ものとする。
【0166】また、素子の整合性は良いものとし、チャ
ネル長変調と基板効果を無視し、MOSトランジスタの
ドレイン電流とゲート−ソース間電圧との関係は2乗則
に従うものとする。
【0167】バイアス回路5’において、MOSトラン
ジスタM21、M22、M23、M24は定電流源11
で駆動されるので、MOSトランジスタM21〜M24
のそれぞれに等しい電流Iが流れる。MOSトランジス
タM21〜M24のドレイン電流をそれぞれID21〜I
D24とし、MOSトランジスタM21,M23のゲート
−ソース間電圧をVGSNとし、MOSトランジスタM2
2,M24のゲート−ソース間電圧をVGSPとすると、
それらの間に数式(22a)、(22b)の関係が成立
する。
【0168】
【数22】
【0169】第1電流二乗回路6’において、MOSト
ランジスタM25、M26には等しい電流が流れ、MO
SトランジスタM27、M28にも等しい電流が流れ、
それらの電流差は(IIN−IS)である。MOSトラン
ジスタM25〜M28のドレイン電流をそれぞれID25
〜ID28とし、ゲート−ソース間電圧をVGS25〜VGS28
とすると、それらの間に数式(23a)、(23b)の
関係が成立する。
【0170】
【数23】
【0171】また、MOSトランジスタM25のゲート
にはMOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイ
アス電圧VBが印加されるので、MOSトランジスタM
21〜M28のゲート−ソース間電圧の間には、数式
(24)の関係が成立する。
【0172】
【数24】
【0173】ここで、数式(8)を適用して、数式(2
2a)、(22b)、(23a)、(23b)、(2
4)を解いてドレイン電流ID25,ID28を求めると、数
式(25a)、(25b)に示す関係が得られる。
【0174】
【数25】
【0175】MOSトランジスタM5のドレイン電流I
D25は、電流加算器13の一方の入力端子に入力され
る。MOSトランジスタM28とM33はカレントミラ
ー回路15’を構成するので、MOSトランジスタM3
3のドレイン電流ID33はMOSトランジスタM28の
ドレイン電流ID28と等しい。電流加算器13の他方の
入力端子には、MOSトランジスタM33のドレイン電
流ID33(=ID28)が入力される。電流加算器13の出
力端子から電流ID25とID33(=ID28)を加算した電
流が第1二乗回路6’の出力電流I1として出力され
る。
【0176】上記数式(25a)、(25b)から、第
1電流二乗回路13の出力電流I1は数式(26)で表
される。
【0177】
【数26】
【0178】上記数式(26)より、第1電流二乗回路
6’の出力電流I1が第1入力電流(IIN−IS)の二乗
に比例することが分かる。これは、βN≠βP,VTHN
TH Pの場合に、第1電流二乗回路6’が理想的な二乗
特性を持つことを意味する。
【0179】第2電流二乗回路7’においても、同様
に、MOSトランジスタM29、M30には等しい電流
が流れ、MOSトランジスタM31、M32にも等しい
電流が流れ、その電流差は(IIN+IS)である。MO
SトランジスタM29〜M32のドレイン電流ID29
D32の関係は、数式(27a)、(27b)で表され
る。
【0180】
【数27】
【0181】また、MOSトランジスタM29のゲート
にはMOSトランジスタM21のゲートに生成されるバ
イアス電圧VBが印加されるので、MOSトランジスタ
M21〜M24およびM29〜M32のゲート−ソース
間電圧の間には、数式(28)の関係が成立する。
【0182】
【数28】
【0183】ここで、数式(8)を適用して、数式(2
2a)、(22b)、(27a)、(27b)、(2
8)を解いてドレイン電流ID29,ID32を求めると、数
式(29a)、(29b)に示す関係が得られる。
【0184】
【数29】
【0185】MOSトランジスタM29のドレイン電流
D29は、電流加算器14の一方の入力端子に入力され
る。MOSトランジスタM32とM34はカレントミラ
ー回路16’を構成するので、MOSトランジスタM3
4のドレイン電流ID34はMOSトランジスタM32の
ドレイン電流ID32と等しい。電流加算器14の他方の
入力端子には、MOSトランジスタM34のドレイン電
流ID34(=ID32)が入力される。電流加算器14の出
力端子から電流ID29とID34(=ID32)を加算した電
流が第2電流二乗回路の出力電流I2として出力され
る。
【0186】上記数式(29a)、(29b)から、第
2電流二乗回路7’の出力電流I2は数式(30)で表
される。
【0187】
【数30】
【0188】上記数式(30)より、電流二乗回路7’
の出力電流I2が第2入力電流(IIN+IS)の二乗に比
例することが分かる。これは、βN≠βP,VTHN≠VTHP
の場合に、電流二乗回路7’が理想的な二乗特性を持つ
ことを意味する。
【0189】第1および第2の電流二乗回路6’、7’
の出力電流I1,I2が電流減算器8に入力されて、当該
マルチプライヤの出力電流IOUTが生成される。
【0190】したがって、数式(26)、(30)より
出力電流IOUTが求められ、それは数式(31)で表さ
れる。
【0191】
【数31】
【0192】上記数式(31)より、βN≠βP,VTHN
≠VTHPの場合に、第1および第2入力電流(IIN
S)、(IIN+IS)に含まれる電流成分IINとIS
の積が得られ、4象限マルチプライヤが実現されること
が分かる。
【0193】上記の通り、Nチャンネル複合トランジス
タとダイオード接続されたPチャネルおよびNチャネル
MOSFETからなるダイオード対を用いることによ
り、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFET
のトランスコンダクタンス・パラメータβN、βPやスレ
ッショルド電圧VTHN、VTHPの影響を受けることなく、
理想的な二乗特性を持つ電流二乗回路を実現でき、理想
的な線形性を持つマルチプライヤを実現できる。
【0194】図4のマルチプライヤでは、トランジスタ
M24、M28、M32をダイオード接続としてソース
を接地しているので、図3の第1実施形態のマルチプラ
イヤに比べ低電圧駆動できる利点がある。
【0195】なお、上記第3および第4の実施形態のマ
ルチプライヤに用いられるカレントミラー回路は、図示
された構成に限られるものではなく、同様の機能が得ら
れれば他の構成としても良い。
【0196】(第5の実施形態)図5は、本発明の第5
実施形態のCMOSマルチプライヤを示す図5のマルチ
プライヤは、バイアス回路5と第1〜第4のコンプリメ
ンタリ複合トランジスタ対3A,3B,3C,3Dとカ
レントミラー回路21により構成される。
【0197】バイアス回路5は、図3の第1実施形態の
マルチプライヤを構成するバイアス回路と実質的に同じ
であり、図5において図3のマルチプライヤのバイアス
回路と同一の要素には同じ符号を付してその説明を省略
する。
【0198】図5のマルチプライヤを構成する第1コン
プリメンタリ複合トランジスタ対3Aは、NチャネルM
OSトランジスタM45,M47と、PチャネルMOS
トランジスタM46,M48とを備えている。
【0199】MOSトランジスタM45のソースはMO
SトランジスタM46のソースに接続されている。MO
SトランジスタM1のゲートに接続されたMOSトラン
ジスタM45のゲートには、バイアス電圧VB1が印加さ
れる。MOSトランジスタM46のドレインとゲートは
互いに接続されている。MOSトランジスタM45とM
46は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0200】MOSトランジスタM47のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM
48のソースに接続されている。MOSトランジスタM
48のドレインは、接地されている。MOSトランジス
タM4のゲートに接続されたMOSトランジスタM48
のゲートには、バイアス電圧VB2が印加される。MOS
トランジスタM47とM48は、Pチャネル複合トラン
ジスタを形成する。
【0201】MOSトランジスタM46,M47のドレ
インは、互いに接続されている。
【0202】第2コンプリメンタリ複合トランジスタ対
3Bは、NチャネルMOSトランジスタM49,M51
と、PチャネルMOSトランジスタM50,M52とを
備えている。
【0203】MOSトランジスタM49のソースはMO
SトランジスタM50のソースに接続されている。MO
SトランジスタM1のゲートに接続されたMOSトラン
ジスタM49のゲートには、バイアス電圧VB1が印加さ
れる。MOSトランジスタM50のドレインとゲートは
互いに接続されている。MOSトランジスタM49とM
50は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0204】MOSトランジスタM51のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM
52のソースに接続されている。MOSトランジスタM
52のドレインは、接地されている。MOSトランジス
タM4のゲートに接続されたMOSトランジスタM52
のゲートには、バイアス電圧VB2が印加される。MOS
トランジスタM51M52は、Pチャネル複合トランジ
スタを形成する。
【0205】MOSトランジスタM50,M51のドレ
インは、互いに接続されていて、共通接続されたドレイ
ンは、当該マルチプライヤの第1入力端子を形成する。
この第1入力端子には、第1入力電流(Ix+Iy)が入
力される。
【0206】第3コンプリメンタリ複合トランジスタ対
3Cは、NチャネルMOSトランジスタM53,M55
と、PチャネルMOSトランジスタM54,M56とを
備えている。
【0207】MOSトランジスタM53のソースはMO
SトランジスタM54のソースに接続されている。MO
SトランジスタM1のゲートに接続されたMOSトラン
ジスタM53のゲートには、バイアス電圧VB1が印加さ
れる。MOSトランジスタM54のドレインとゲートは
互いに接続されている。MOSトランジスタM53とM
54は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0208】MOSトランジスタM55のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM
56のソースに接続されている。MOSトランジスタM
56のドレインは、接地されている。MOSトランジス
タM4のゲートに接続されたMOSトランジスタM56
のゲートには、バイアス電圧VB2が印加される。MOS
トランジスタM55,M56は、Pチャネル複合トラン
ジスタを形成する。
【0209】MOSトランジスタM54,M55のドレ
インは、互いに接続されていて、共通接続されたドレイ
ンは、当該マルチプライヤの第2入力端子を形成する。
この第2入力端子には、第2入力電流Ixが入力され
る。
【0210】第4コンプリメンタリ複合トランジスタ対
3Dは、NチャネルMOSトランジスタM57,M59
と、PチャネルMOSトランジスタM58,M60とを
備えている。
【0211】MOSトランジスタM57のソースはMO
SトランジスタM58のソースに接続されている。MO
SトランジスタM1のゲートに接続されたMOSトラン
ジスタM57のゲートには、バイアス電圧VB1が印加さ
れる。MOSトランジスタM58のドレインとゲートは
互いに接続されている。MOSトランジスタM57とM
58は、Nチャネル複合トランジスタを形成する。
【0212】MOSトランジスタM59のドレインとゲ
ートは互いに接続され、ソースはMOSトランジスタM
60のソースに接続されている。MOSトランジスタM
60のドレインは、接地されている。MOSトランジス
タM4のゲートに接続されたMOSトランジスタM60
のゲートには、バイアス電圧VB2が印加される。MOS
トランジスタM59,M60は、Pチャネル複合トラン
ジスタを形成する。
【0213】MOSトランジスタM58,M59のドレ
インは、互いに接続されていて、共通接続されたドレイ
ンは、当該マルチプライヤの第3入力端子を形成する。
この第3入力端子には、第2入力電流Iyが入力され
る。
【0214】MOSトランジスタM45,M49のドレ
インは、共通接続されてPチャネルMOSトランジスタ
M61のドレインに接続されている。MOSトランジス
タM53,M57のドレインは、共通接続されてPチャ
ネルMOSトランジスタM62のドレインに接続されて
いる。これら共通接続されたドレインが当該マルチプラ
イヤの出力端子を形成する。MOSトランジスタM61
のゲートとドレインは互いに接続されており、ゲートは
さらにMOSトランジスタM62のゲートに接続されて
いる。MOSトランジスタM61,M62のソースは、
電源電圧VDDの電源線に接続されている。MOSトラン
ジスタM61とM62はカレントミラー回路21を形成
する。
【0215】次に、図5のマルチプライヤの動作につい
て説明する。
【0216】図5のマルチプライヤにおいては、Nチャ
ネルトランジスタのトランスコンダクタンス・パラメー
タβNとPチャネルトランジスタのトランスコンダクタ
ンス・パラメータβPが異なり(βN≠βP)、かつNチ
ャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHNとPチ
ャネルトランジスタのスレッショルド電圧VTHPが異な
る(VTHN≠VTHP)ものとする。
【0217】また、ここでは素子の整合性は良いものと
し、チャネル長変調と基板効果を無視し、MOSトラン
ジスタのドレイン電流とゲート−ソース間電圧との関係
は2乗則に従うものとする。
【0218】バイアス回路5において、MOSトランジ
スタM1、M2は定電流源11で駆動され、MOSトラ
ンジスタM3、M4は定電流源12で駆動されるので、
MOSトランジスタM1〜M4のそれぞれに等しい電流
Iが流れる。
【0219】他方、コンプリメンタリ複合トランジスタ
対3Aにおいて、MOSトランジスタM45のゲートに
は、MOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイ
アス電圧VB1が印加される。さらに、MOSトランジス
タM48のゲートには、MOSトランジスタM4のゲー
トに生成されるバイアス電圧VB2が印加される。よっ
て、MOSトランジスタM45〜M46のそれぞれに等
しい電流Iが流れる。
【0220】MOSトランジスタM1〜M4、M45〜
M48のドレイン電流をそれぞれID1〜ID4、ID45
D48とし、MOSトランジスタM1,M3,M45,
M47のゲート−ソース間電圧をVGSNとし、MOSト
ランジスタM2,M4,M46,M48のゲート−ソー
ス間電圧をVGSPとすると、それらの間に数式(32
a)、(32b)の関係が成立する。
【0221】
【数32】
【0222】第2コンプリメンタリ複合トランジスタ対
3Bにおいて、MOSトランジスタM49、M50には
等しい電流が流れ、MOSトランジスタM51、M52
にも等しい電流が流れ、それらの電流差は(Ix−Iy
である。MOSトランジスタM49〜M52のドレイン
電流をそれぞれID49〜ID52とし、ゲート−ソース間電
圧をVGS49〜VGS52とすると、それらの間に数式(33
a)、(33b)の関係が成立する。
【0223】
【数33】
【0224】また、MOSトランジスタM49のゲート
にはMOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイ
アス電圧VB1が印加され、MOSトランジスタM52の
ゲートにはMOSトランジスタM4のゲートに生成され
るバイアス電圧VB2が印加されるので、MOSトランジ
スタM1〜M4、M49〜M52のゲート−ソース間電
圧の間には、数式(34)の関係が成立する。
【0225】
【数34】
【0226】第3コンプリメンタリ複合トランジスタ対
3Cおいて、MOSトランジスタM53、M54には等
しい電流が流れ、MOSトランジスタM55、M56に
も等しい電流が流れ、それらの電流差はIxである。M
OSトランジスタM53〜M56のドレイン電流をそれ
ぞれID53〜ID56とし、ゲート−ソース間電圧をVGS53
〜VGS56とすると、それらの間に数式(35a)、(3
5b)の関係が成立する。
【0227】
【数35】
【0228】また、MOSトランジスタM53のゲート
にはMOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイ
アス電圧VB1が印加され、MOSトランジスタM56の
ゲートにはMOSトランジスタM4のゲートに生成され
るバイアス電圧VB2が印加されるので、MOSトランジ
スタM1〜M4、M53〜M56のゲート−ソース間電
圧の間には、数式(36)の関係が成立する。
【0229】
【数36】
【0230】第4コンプリメンタリ複合トランジスタ対
3Dおいて、MOSトランジスタM57、M58には等
しい電流が流れ、MOSトランジスタM59、M60に
も等しい電流が流れ、それらの電流差はIyである。M
OSトランジスタM57〜M60のドレイン電流をそれ
ぞれID57〜ID60とし、ゲート−ソース間電圧をVGS57
〜VGS60とすると、それらの間に数式(37a)、(3
7b)の関係が成立する。
【0231】
【数37】
【0232】また、MOSトランジスタM57のゲート
にはMOSトランジスタM1のゲートに生成されるバイ
アス電圧VB1が印加され、MOSトランジスタM60の
ゲートにはMOSトランジスタM4のゲートに生成され
るバイアス電圧VB2が印加されるので、MOSトランジ
スタM1〜M4、M57〜M60のゲート−ソース間電
圧の間には、数式(38)の関係が成立する。
【0233】
【数38】
【0234】上記数式(32a)〜(38)よりMOS
トランジスタM45,M49,M53,M57のドレイ
ン電流ID45,ID49,ID53,ID57を求めると、それら
は次の数式(39a),(39b),(39c),(3
9d)で表される。
【0235】
【数39】
【0236】MOSトランジスタM45,M49のドレ
インは共通接続されているので、ドレイン電流ID45
D49が加算されて電流I1が生成される。この電流I1
がMOSトランジスタM61のドレインに入力され、M
OSトランジスタM61とともにカレントミラー回路2
1を構成するMOSトランジスタM62のドレインから
出力される。この結果、MOSトランジスタM62のド
レイン電流ID62はI1と等しくなる。また、MOSトラ
ンジスタM53,M57のドレインは共通接続されてい
るので、ドレイン電流ID53,ID57が加算されて電流I
2が生成される。これらの電流ID62(=I1)とI2が減
算されて、出力電流IOUTが当該マルチプライヤの出力
端子から出力される。
【0237】数式(39a)〜(39d)より出力電流
OUTを求めると、出力電流IOUTは数式(40)で表さ
れる。
【0238】
【数40】
【0239】上記数式(40)より、βN≠βP,VTHN
≠VTHPの場合に、第1〜第3入力電流(Ix+Iy)、
x、Iyに含まれる電流成分IxとIyとの積が得られ、
4象限マルチプライヤが実現されることが分かる。
【0240】上記の通り、Nチャンネル複合トランジス
タとPチャネル複合トランジスタを含むコンプリメンタ
リ複合トランジスタ対を用いることにより、Pチャネル
MOSFETとNチャネルMOSFETのトランスコン
ダクタンス・パラメータβN、βPやスレッショルド電圧
THN、VTHPの影響を受けることなく、理想的な線形性
を持つマルチプライヤを実現できる。
【0241】(第6の実施形態)図6は、本発明の第6
実施形態のCMOSマルチプライヤを示す。
【0242】図6のマルチプライヤは、図5の第3実施
形態のマルチプライヤの第1コンプリメンタリ複合トラ
ンジスタ対3Aを定電流源22に置き換えたものであ
る。
【0243】それ以外の構成は図5のマルチプライヤと
同じなので、図6において図5のマルチプライヤと同一
の要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0244】図5のマルチプライヤの第1コンプリメン
タリ複合トランジスタ対3Aを形成するMOSトランジ
スタM45〜M48のそれぞれには等しい電流Iが流れ
ている。よって、第1コンプリメンタリ複合トランジス
タ対3Aを定電流源22(電流値:I)で置換しても、
その動作は図5のマルチプライヤの動作と同じである。
【0245】なお、図5および図6のマルチプライヤの
バイアス回路5において、2つの定電流源11,12を
用いているが、どちらか1つの定電流源のみを用いる構
成とすることができる。この場合にも上述した回路動作
は変わらない。例えば、定電流源11を省略する場合に
は、MOSトランジスタM1のドレインをダイオード接
続したMOSFETを介して電源電圧線に接続すればよ
い。定電流源12を省略する場合には、MOSFET4
のドレインをダイオード接続したMOSFETを介して
接地すればよい。
【0246】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の複合トラン
ジスタによれば、PチャネルまたはNチャネルのいずれ
の導電型であっても、スレショルド電圧とトランスコン
ダクタンス・パラメータを等しくすることができる。
【0247】本発明のコンプリメンタリ複合トランジス
タ対によれば、理想的なコンプリメンタリ特性が得られ
る。
【0248】本発明の電流二乗回路によれば、理想的な
コンプリメンタリ特性を持つ電流二乗回路が得られる。
【0249】本発明のマルチプライヤによれば、理想的
な乗算特性を持つCMOSマルチプライヤが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の複合トランジスタの
回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態のコンプリメンタリ型
複合トランジスタ対の回路図である。
【図3】本発明の第3の実施形態のCMOSマルチプラ
イヤの回路図である。
【図4】本発明の第4の実施形態のCMOSマルチプラ
イヤの回路図である。
【図5】本発明の第5の実施形態のCMOSマルチプラ
イヤの回路図である。
【図6】本発明の第6の実施形態のCMOSマルチプラ
イヤの回路図である。
【図7】従来のCMOSマルチプライヤの回路図であ
る。
【符号の説明】
Ma,Mb,Mc,Md MOSトランジスタ M1,M2,M3,M4,M5 MOSトランジスタ M6,M7,M8,M9,M10 MOSトランジスタ M11,M12,M13,M14,M15,M16 M
OSトランジスタ M21,M22,M23,M24,M25 MOSトラ
ンジスタ M26,M27,M28,M29,M30 MOSトラ
ンジスタ M31,M32,M33 MOSトランジスタ M45,M46,M47,M48,M49,M50 M
OSトランジスタ M51,M52,M53,M54,M55 MOSトラ
ンジスタ M56,M57,M58,M59,M60 MOSトラ
ンジスタ M61,M62 MOSトランジスタ 1,2 複合トランジスタ 3,3A,3B,3C,3D コンプリメンタリ複合ト
ランジスタ対 5,5’ バイアス回路 6,6’,7,7’ 電流二乗回路 8 電流減算器 11,12 定電流源 13,14 電流加算器 15,15’,16,16’ カレントミラー回路 21 カレントミラー回路 22 定電流源

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の第1MOSFETと、前記
    第1導電型とは逆の極性を持つ第2導電型の第2MOS
    FETとを備えて構成され、全体として前記第1導電型
    の一つのMOSFETとして動作する複合トランジスタ
    であって、 前記第1および第2のMOSFETのソースが互いに接
    続されており、 前記第1MOSFETのゲートおよびドレインが当該複
    合トランジスタのゲートおよびドレインをそれぞれ形成
    し、且つ前記第2MOSFETのゲートとドレインが互
    いに接続されて当該複合トランジスタのソースを形成し
    ていることを特徴とする複合トランジスタ。
  2. 【請求項2】 第1導電型の第1MOSFETと、前記
    第1導電型とは逆の極性を持つ第2導電型の第2MOS
    FETと、前記第1導電型の第3MOSFETと、前記
    第2導電型の第4MOSFETとを備えて構成され、全
    体として一対のコンプリメンタリ型トランジスタ対とし
    て動作するコンプリメンタリ型複合トランジスタ対であ
    って、 前記第1および第2のMOSFETのソースは互いに接
    続されていると共に、前記第1MOSFETのゲートお
    よびドレインが当該複合トランジスタ対の第1ゲートお
    よび第1ドレインをそれぞれ形成し、 前記第3および第4のMOSFETのソースは互いに接
    続されていると共に、前記第4MOSFETのゲートお
    よびドレインが当該複合トランジスタ対の第2ゲートお
    よび第2ドレインをそれぞれ形成し、 前記第2MOSFETのゲートおよびドレインと前記第
    3MOSFETのゲートおよびドレインとが共通に接続
    されて当該複合トランジスタ対の共通ソースを形成して
    いることを特徴とするコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対。
  3. 【請求項3】 請求項2の構成を持つ第1コンプリメン
    タリ型複合トランジスタ対と、カレントミラー回路と、
    電流加算器とを備えてなる電流二乗回路であって、 前記コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲー
    トおよび第2ゲートに第1および第2の定電圧がそれぞ
    れ印加され、 前記コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通ソー
    スに入力電流が供給され、 前記コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1ドレ
    インは前記電流加算器の第1入力端子に接続され、 前記コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2ドレ
    インは前記カレントミラー回路の入力端子に接続され、 前記カレントミラー回路の出力端子は前記電流加算器の
    第2入力端子に接続され、 前記入力電流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路
    の出力電流は、前記加算器の出力端子から取り出される
    ことを特徴とする電流二乗回路。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の定電圧を供給する
    バイアス回路として、請求項2の構成を持つ第2コンプ
    リメンタリ型複合トランジスタ対と、その第2コンプリ
    メンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するため
    の少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、 前記第2コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ゲートおよび第2ゲートは、前記第1コンプリメンタリ
    型複合トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲートに
    それぞれ接続されている請求項3に記載の電流二乗回
    路。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の複合トランジスタを形
    成する導電型の異なる第1および第2のMOSFET
    と、 互いに導電型が異なり且つダイオード接続された第3お
    よび第4のMOSFETをカスコード接続してなる第1
    MOSダイオード対と、 前記第3および第4のMOSFETのいずれか一方と共
    にカレントミラー回路を形成する第5MOSFETと、 電流加算器とを備え、 前記複合トランジスタのソースまたはドレインのいずれ
    か一方は前記電流加算器の第1入力端子に接続され、且
    つ前記複合トランジスタのソースまたはドレインの他方
    は前記第1MOSダイオード対の一端にカスコード接続
    され、 前記複合トランジスタのゲートには定電圧が印加され、 前記カレントミラー回路の出力端子は前記電流加算器の
    第2入力端子に接続され、 前記複合トランジスタと前記第1MOSダイオード対の
    接続点に入力電流が供給され、 前記入力電流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路
    の出力電流は、前記加算器の出力端子から取り出される
    ことを特徴とする電流二乗回路。
  6. 【請求項6】 前記定電圧を供給するバイアス回路をさ
    らに備えており、 そのバイアス回路は、請求項1に記載の複合トランジス
    タを形成する導電型の異なる第6および第7のMOSF
    ETと、 互いに導電型が異なり且つダイオード接続された第8お
    よび第9のMOSFETをカスコード接続してなる第2
    MOSダイオード対と、 前記複合トランジスタと前記第2MOSダイオード対に
    定電流を供給するための少なくとも一つの定電流源とを
    備えており、 前記複合トランジスタのゲートは前記複合トランジスタ
    のゲートに接続されている請求項5に記載の電流二乗回
    路。
  7. 【請求項7】 請求項2の構成を持つ第1および第2の
    コンプリメンタリ型複合トランジスタ対を備えてなる電
    流二乗回路であって、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ドレインは互いに接続されて当該電流二乗
    回路の出力端子を形成し、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ドレインは互いに接続され、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ゲートには第1定電圧が共通に印加され、
    前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ゲートには第2定電圧が共通に印加され、 前記第2コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通
    ソースに入力電流が供給され、 前記入力電流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路
    の出力電流は、前記出力端子から取り出されることを特
    徴とする電流二乗回路。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2の定電圧を供給する
    バイアス回路として、請求項2の構成を持つ第3コンプ
    リメンタリ型複合トランジスタ対と、その第3コンプリ
    メンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するため
    の少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、 前記第3コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ゲートおよび第2ゲートは、前記第1コンプリメンタリ
    型複合トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲートに
    それぞれ接続されている請求項7に記載の電流二乗回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項2の構成を持つ第1コンプリメン
    タリ型複合トランジスタ対と、第1定電流源とを備えて
    なる電流二乗回路であって、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ドレインは前記第1定電流源の一方の端子に接続されて
    当該電流二乗回路の出力端子を形成し、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2
    ドレインは前記第1定電流源の他方の端子に接続され、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    および第2のゲートには第1および第2の定電圧がそれ
    ぞれ印加され、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通
    ソースに入力電流が供給され、 前記入力電流に対して二乗特性を持つ当該電流二乗回路
    の出力電流は、前記出力端子から取り出されることを特
    徴とする電流二乗回路。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の定電圧を供給す
    るバイアス回路として、請求項3の構成を持つ第2コン
    プリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第2コンプ
    リメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するた
    めの少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、 前記第2コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ゲートおよび第2ゲートは、前記第1コンプリメンタリ
    型複合トランジスタ対の第1ゲートおよび第2ゲートに
    それぞれ接続されている請求項9に記載の電流二乗回
    路。
  11. 【請求項11】 請求項2の構成を持つ第1および第2
    のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、第1およ
    び第2のカレントミラー回路と、第1および第2の電流
    加算器と、電流減算器とを備えてなるマルチプライヤで
    あって、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ゲートに第1定電圧が共通に印加され、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ゲートに第2定電圧が共通に印加され、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の共通ソースに第1および第2の入力電流がそれ
    ぞれ供給され、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ドレインは前記第1および第2の電流加算
    器の第1入力端子にそれぞれ接続され、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ドレインは前記第1および第2のカレント
    ミラー回路の入力端子にそれぞれ接続され、 前記第1および第2のカレントミラー回路の出力端子は
    前記第1および第2の電流加算器の第2入力端子にそれ
    ぞれ接続され、 前記第1入力電流に対して二乗特性を持つ第1出力電流
    は、前記第1電流加算器の出力端子から取り出され、 前記第2入力電流に対して二乗特性を持つ第2出力電流
    は、前記第2電流加算器の出力端子から取り出され、 前記電流減算器は前記第1および第2の出力電流の間で
    減算を行って当該マルチプライヤの出力電流を出力する
    ことを特徴とするマルチプライヤ。
  12. 【請求項12】 前記第1および第2の定電圧を供給す
    るバイアス回路として、請求項2の構成を持つ第3コン
    プリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第3コンプ
    リメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するた
    めの少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、 前記第3コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ゲートは、前記第1および第2のコンプリメンタリ型複
    合トランジスタ対の第1ゲートに共通に接続され、 前記第3コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2
    ゲートは、前記第1および第2のコンプリメンタリ型複
    合トランジスタ対の第2ゲートに共通に接続されている
    請求項11に記載のマルチプライヤ。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の構成を持つ第1複合
    トランジスタを形成する導電型の異なる第1および第2
    のMOSFETと、 互いに導電型が異なり且つダイオード接続された第3お
    よび第4のMOSFETをカスコード接続してなる第1
    MOSダイオード対と、 前記第3および第4のMOSFETのいずれか一方と共
    に第1カレントミラー回路を形成する第5MOSFET
    と第1電流加算器と、 請求項1に記載の構成を持つ第2複合トランジスタを形
    成する導電型の異なる第6および第7のMOSFET
    と、 互いに導電型が異なり且つダイオード接続された第8お
    よび第9のMOSFETをカスコード接続してなる第2
    MOSダイオード対と、 前記第8および第9のMOSFETのいずれか一方と共
    に第2カレントミラー回路を形成する第10MOSFE
    Tと、 第2電流加算器と、 電流減算器とを備え、 前記第1複合トランジスタのソースまたはドレインのい
    ずれか一方は前記第1電流加算器の第1入力端子に接続
    され、且つ前記第1複合トランジスタのソースまたはド
    レインの他方は前記第1MOSダイオード対の一端にカ
    スコード接続され、 前記第1複合トランジスタのゲートには定電圧が印加さ
    れ、 前記第1カレントミラー回路の出力端子は前記第1電流
    加算器の第2入力端子に接続され、 前記第2複合トランジスタと前記第1MOSダイオード
    対の接続点に第1入力電流が供給され、 前記第1入力電流に対して二乗特性を持つ第1出力電流
    は、前記第1加算器の出力端子から取り出され、 前記第2複合トランジスタのソースまたはドレインのい
    ずれか一方は前記第2電流加算器の第1入力端子に接続
    され、且つ前記第2複合トランジスタのソースまたはド
    レインの他方は前記第2MOSダイオード対の一端にカ
    スコード接続され、 前記第2複合トランジスタのゲートには前記定電圧が印
    加され、 前記第2カレントミラー回路の出力端子は前記第2電流
    加算器の第2入力端子に接続され、 前記第2複合トランジスタと前記第2MOSダイオード
    対の接続点に第2入力電流が供給され、 前記第2入力電流に対して二乗特性を持つ第2出力電流
    は、前記第2加算器の出力端子から取り出され、 前記電流減算器は、前記第1および第2の出力電流の間
    で減算を行って当該マルチプライヤの出力電流を出力す
    ることを特徴とするマルチプライヤ。
  14. 【請求項14】 前記定電圧を供給するバイアス回路を
    さらに備えており、 そのバイアス回路は、請求項1に記載の構成を持つ第3
    複合トランジスタを形成する導電型の異なる第11およ
    び第12のMOSFETと、 互いに導電型が異なり且つダイオード接続された第13
    および第14のMOSFETをカスコード接続してなる
    第3MOSダイオード対と、 前記第3複合トランジスタと前記第3MOSダイオード
    対に定電流を供給するための少なくとも一つの定電流源
    とを備えており、 前記第3複合トランジスタのゲートは前記第1および第
    2の複合トランジスタのゲートに共通に接続されている
    請求項13に記載のマルチプライヤ。
  15. 【請求項15】 請求項2の構成を持つ第1および第2
    のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対を備えてなる
    第1電流二乗回路と、 請求項3の構成を持つ第4および第4のコンプリメンタ
    リ型複合トランジスタ対を備えてなる第2電流二乗回路
    と、 電流減算器とを備えてなり、 第1および第2の入力電流を乗算するマルチプライヤで
    あって、 前記第1電流二乗回路では、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ドレインは互いに接続されて当該第1電流
    二乗回路の出力端子を形成し、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ドレインは互いに接続され、 前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ゲートには第1定電圧が共通に印加され、
    前記第1および第2のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ゲートには第2定電圧が共通に印加され、 前記第2コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通
    ソースに前記第1および第2の入力電流の和電流が供給
    され、 前記第1および第2の入力電流の和電流に対して二乗特
    性を持つ当該第1電流二乗回路の出力電流は、前記電流
    減算器の第1入力端子に印加され、 前記第2電流二乗回路では、 前記第3および第4のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ドレインは互いに接続されて当該第2電流
    二乗回路の出力端子を形成し、 前記第3および第4のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ドレインは互いに接続され、 前記第3および第4のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ゲートには前記第1定電圧が共通に印加さ
    れ、前記第3および第4のコンプリメンタリ型複合トラ
    ンジスタ対の第2ゲートには前記第2定電圧が共通に印
    加され、 前記第3および第4のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の共通ソースに前記第1および第2の入力電流が
    それぞれ供給され、 前記第1入力電流と前記第2入力電流の差に対して二乗
    特性を持つ当該第2電流二乗回路の出力電流は、前記電
    流減算器の第2入力端子に印加され、 前記第1および第2の入力電流の積に対応する当該マル
    チプライヤの出力電流は前記電流減算器の出力端子から
    取り出されることを特徴とするマルチプライヤ。
  16. 【請求項16】 前記第1および第2の定電圧を供給す
    るバイアス回路として、請求項2の構成を持つ第5コン
    プリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第5コンプ
    リメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するた
    めの少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、 前記第5コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ゲートは、前記第1、第2、第3および第4のコンプリ
    メンタリ型複合トランジスタ対の第1ゲートに共通に接
    続され、 前記第5コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2
    ゲートは、前記第1、第2、第3および第4のコンプリ
    メンタリ型複合トランジスタ対の第2ゲートに共通に接
    続されている請求項15に記載のマルチプライヤ。
  17. 【請求項17】 請求項2の構成を持つ第1、第2およ
    び第3のコンプリメンタリ型複合トランジスタ対と、第
    1定電流源と、電流減算器とを備えてなり、第1および
    第2の入力電流を乗算するマルチプライヤであって、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ドレインと前記第1定電流源の一方の端子は、前記電流
    減算器の第1入力端子に共通に接続され、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2
    ドレインと前記第1定電流源の他方の端子は互いに接続
    され、 前記第2および第3のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第1ドレインは、前記電流減算器の第2入力端
    子に共通に接続され、 前記第2および第3のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の第2ドレインは互いに接続され、 前記第1、第2および第3のコンプリメンタリ型複合ト
    ランジスタ対の第1ゲートには第1定電圧がそれぞれ印
    加され、 前記第1、第2および第3のコンプリメンタリ型複合ト
    ランジスタ対の第2ゲートには第2の定電圧がそれぞれ
    印加され、 前記第1コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の共通
    ソースに前記第1および第2の入力電流の和電流が供給
    され、 前記第2および第3のコンプリメンタリ型複合トランジ
    スタ対の共通ソースに前記第1および第2の入力電流が
    それぞれ供給され、 前記第1および第2の入力電流の積に対応する当該マル
    チプライヤの出力電流は前記電流減算器の出力端子から
    取り出されることを特徴とするマルチプライヤ。
  18. 【請求項18】 前記第1および第2の定電圧を供給す
    るバイアス回路として、請求項2の構成を持つ第4コン
    プリメンタリ型複合トランジスタ対と、その第4コンプ
    リメンタリ型複合トランジスタ対に定電流を供給するた
    めの少なくとも一つの定電流源とをさらに備えており、 前記第4コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第1
    ゲートは、前記第1、第2および第3のコンプリメンタ
    リ型複合トランジスタ対の第1ゲートにそれぞれ接続さ
    れ、 前記第4コンプリメンタリ型複合トランジスタ対の第2
    ゲートは、前記第1、第2および第3のコンプリメンタ
    リ型複合トランジスタ対の第2ゲートにそれぞれ接続さ
    れている請求項17に記載のマルチプライヤ。
JP10082190A 1997-03-28 1998-03-27 複合トランジスタおよびコンプリメンタリ型複合トランジスタ対ならびにそれらを用いた電流二乗回路およびマルチプライヤ Pending JPH10326322A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009104463A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Nec Electronics Corp 乗算回路
JP2015122678A (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 パナソニック株式会社 低雑音増幅器

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JP2009104463A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Nec Electronics Corp 乗算回路
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