JPH10325901A - 防眩性ハードコートフィルムもしくはシートおよびその製造方法 - Google Patents
防眩性ハードコートフィルムもしくはシートおよびその製造方法Info
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- JPH10325901A JPH10325901A JP9135210A JP13521097A JPH10325901A JP H10325901 A JPH10325901 A JP H10325901A JP 9135210 A JP9135210 A JP 9135210A JP 13521097 A JP13521097 A JP 13521097A JP H10325901 A JPH10325901 A JP H10325901A
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Abstract
と防汚性、耐薬品性や耐擦傷性に優れた表面硬度を有す
るハードコート性を兼ね備えた各種表示装置のための防
眩性ハードコートフィルムもしくはシートを提供するこ
とにある。 【解決手段】透明プラスチックシート基材10の少なく
とも一方の面に活性エネルギー線硬化樹脂被膜層を設け
てなるハードコートシートであって、前記基材10上に
無機もしくは有機微粒子を含有する微粒子含有硬化樹脂
層20と微粒子を含有しないクリア硬化樹脂層30とを
順に積層してなる防眩性ハードコートシート1としたも
ので、その防眩性ハードコートシートにおいて、微粒子
含有硬化樹脂層20の積層後、活性エネルギー線照射に
よってハーフキュアさせ、次いでクリア硬化樹脂層30
の積層後、活性エネルギー線照射によって同時に完全硬
化させる防眩性ハードコートシート1の製造方法とした
ものである。
Description
る防眩性ハードコートフィルムもしくはシートに関する
ものであり、さらに詳しくは、液晶表示装置、CRT表
示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示
装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置、各種の
表示装置等の画面用の防眩により優れたハードコートフ
ィルムもしくはシートに関する。
プレイにおいて、外部から光が画面表面で反射してギラ
ツキ等を発生させ、表示画像を見にくくする問題があ
る。特に近年、フラットパネルディスプレイの急速な普
及と大型化に伴い上記問題を解決すること(以降、防眩
と記述する)が益々重要な課題となっている。特に液晶
表示体の場合は、それ自身発光せず、バックライトを内
蔵しない限り、外光を利用して画像表示を行なわざるを
得ないために、より優れた防眩を施すことが重要とな
る。
一方法に、ガラス板やフィルム等の表面に多層蒸着層を
設ける多層蒸着膜法があり、又フィルムもしくはシート
の表面をサンドブラストやエンボス加工する方法、フィ
ルムもしくはシートの表面に紫外線硬化型アクリルウレ
タン系樹脂ににシリカ粒子を配合させた硬化皮膜を形成
する方法(特公昭63−40283号公報)のように表
面を微細凹凸構造化する方法(以下、微細凹凸構造形成
法とする)が知られている。
積の画像表示面に形成させることが難しいことから、デ
ィスプレイの大型化に対応することが困難であることに
加えて、多層蒸着膜を画像表示面に形成させるコストが
高いために、ディスプレイの製造コスト上昇を招くとい
う問題点があった。
置等のフラットパネルディスプレイが薄型化及び軽量化
するに伴い、この方法で微細凹凸表面化された透明プラ
スチックフィルムやシートを画像表示体表面に直接貼り
合わすことができるのでコスト面でも優位な方法であ
る。例えば液晶表示装置に使用される偏光板に於いて、
偏光膜を保護あるいは補強するために偏光膜の両面に透
明プラスチックフィルムもしくはシートを直接貼合わせ
ている。この場合に透明プラスチックフィルムもしくは
シートの外側に面するフィルムに微細凹凸表面化された
透明プラスチックフィルムもしくはシートを使用するこ
とによって、別個に防眩性を付与したフィルムやシート
を設ける必要がなく、薄型化及び軽量化を達成すること
ができるためメリットが大きい。このような使用方法の
場合、本来の表示像の視認性を低下させては利点がない
ことから、表示像の一定以上の解像度を保持する性能も
要求される。
による透明プラスチックフィルム及びシートに於いて
は、防眩性と解像性をバランス良く満足させることが困
難であった。例えば上記提案の紫外線硬化型樹脂にシリ
カ粒子を配合する方法においては、その配合量を多くし
た場合にはヘイズ値の上昇を招いて解像度が低下し、配
合量を少なくした場合には光沢度が上昇して防眩性が低
下すると共に表示像の視認性も低下する。また該フィル
ムもしくはシートは直接外部に曝されて指で触ったり、
薬品で拭かれたりすることになるため、防眩性と解像性
を満足する光学特性を有すると共に、耐擦傷性や耐薬品
性も要求される。従って、フィルム若しくはシート表面
に傷が付きにくい表面硬度を有するハードコート性と共
に、耐薬品性及び透明性にも優れる防汚性が要求されて
いる。
技術の問題点の解決と要求を満たすものであり、その課
題とするところは、防眩性と解像性をバランス良く満た
す光学特性と防汚性、耐薬品性や耐擦傷性に優れた表面
硬度を有するハードコート性を兼ね備えた各種表示装置
のための防眩性ハードコートフィルムもしくはシートを
提供することにある。
を達成するために、まず請求項1の発明では、透明プラ
スチックフィルムもしくはシート基材の少なくとも一方
の面に活性エネルギー線硬化樹脂被膜層を設けてなるハ
ードコートフィルムもしくはシートであって、前記基材
上に無機もしくは有機微粒子を含有する微粒子含有硬化
樹脂層と無機もしくは有機微粒子を含有しないクリア硬
化樹脂層とを順に積層してなることを特徴とする防眩性
ハードコートフィルムもしくはシートとしたものであ
る。
有硬化樹脂層が膜厚0.5μm以上、前記クリア硬化樹
脂層が膜厚0.1〜10μmであることを特徴とする防
眩性ハードコートフィルムもしくはシートとしたもので
ある。
は2記載の防眩性ハードコートフィルムもしくはシート
において、微粒子含有硬化樹脂層の積層後、活性エネル
ギー線照射によってハーフキュアさせ、次いでクリア硬
化樹脂層の積層後、前記微粒子含有硬化樹脂層と前記ク
リア硬化樹脂層を活性エネルギー線照射によって同時に
完全硬化させることを特徴とする防眩性ハードコートフ
ィルムもしくはシートの製造方法としたものである。
る。本発明の防眩性ハードコートフィルムもしくはシー
トは、図1に示すように、透明プラスチックフィルムも
しくはシート基材(10)の少なくとも一方の面に活性
エネルギー線硬化樹脂被膜層を設けてなるハードコート
フィルムもしくはシートであって、前記基材(10)上
に無機もしくは有機微粒子を含有する微粒子含有硬化樹
脂層(20)と無機もしくは有機微粒子を含有しないク
リア硬化樹脂層(30)とを順に積層してなることを特
徴とする防眩性ハードコートフィルムもしくはシート
(1)としたものである。また、前記微粒子含有硬化樹
脂層(20)が膜厚0.5μm以上、前記クリア硬化樹
脂層(30)が膜厚0.1〜10μmである防眩性ハー
ドコートフィルムもしくはシート(1)としたものであ
る。
とクリア硬化樹脂層(30)の2層構成とすることによ
って、防眩性と解像性を満足する光学特性を有すると共
に、耐擦傷性や耐薬品性にも優れたハードコート性を付
与することができる。特にディスプレイの表面に使用す
る場合には、指脂等による汚れの拭き取り性に優れた防
眩性ハードコートフィルムもしくはシートを得ることが
できる。すなわち図2に示すように、ハードコート表面
の山部分(Y)間の谷部分(T)が平滑で、その谷部分
(T)に微小な凹凸が存在しない理想的な表面状態とす
ることができる。それに対して、微粒子を含有する微粒
子含有硬化樹脂層(20)のみでは、図4に示すよう
に、谷部分(T)に微小な凹凸が存在し、表面光沢を大
幅に低下させることができるが、表面粗度が粗くなりギ
ラツキ感に伴う解像性の低下と谷部分(T)の凹凸への
汚れの侵入による汚れ拭き取り性の低下が顕著になる。
リカを用いた場合、大抵、粒子径にはある程度の分布を
有する為、谷部分(T)にも微小な凹凸が発生する。一
方、均一な単分散の粒子を用いる場合でも、粒子径が大
きいとギラツキ感が増し、粒子径が小さいと汚れが侵入
し易い微小な谷が多く発生する。また単分散の粒子は一
般的に高価であり、製品価格を上昇させる。従って、微
粒子を含有する微粒子含有硬化樹脂層(20)上に、さ
らに微粒子を含有しないクリア硬化樹脂層(30)の薄
膜を設けることによって表面の凹凸間の谷を埋め、この
部分を平滑化することによって防眩性と汚れ拭き取り性
を同時に満足させることができるものである。
ムもしくはシート(1)の材料等を説明する。本発明に
使用する透明プラスチックフィルムもしくはシートは、
特に限定されるものではなく、公知の透明プラスチック
フィルムもしくはシートの中から適宜選択して用いるこ
とができる。具体例としては、ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセル
ロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブ
チレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリス
チレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリ
スルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、
ナイロン、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムもしくはシー
トを挙げることができるが、本発明においては、特にト
リアセチルセルロースフィルム、及び一軸延伸ポリエス
テルが透明性に優れることに加えて、光学的に異方性が
無い点で好ましい。
型樹脂には特に制限はなく、紫外線や電子線硬化により
鉛筆硬度でH以上の塗膜を与える樹脂であれば任意に使
用することができる。このような紫外線硬化型樹脂とし
ては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタク
リル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、
ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸又は
メタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル等から合成
されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂など
を挙げることができる。さらにアクリレート系の官能基
を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も必要に
応じて好適に使用することができる。またこれらの樹脂
の反応性希釈剤としては、比較的低粘度である1、6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート等の2官能以上のモノマー及びオリゴマー
並びに単官能モノマー、例えばN-ビニルピロリドン、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート等のアクリル
酸エステル類、エチルメタクリレート、プロピルメタク
リレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、ヘキシルメタクリレート、イソオクチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ノニルフェニルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類、テトラヒドロフル
フリルメタクリレート、及びそのカプロラクトン変成物
などの誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、アクリ
ル酸等及びそれらの混合物、などを使用することができ
る。
線である場合には、光増感剤(ラジカル重合開始剤)を
添加する必要があり、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾ
インとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2、
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセト
フェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアント
ラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキ
ノン類;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサン
トン、2、4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチ
オキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベ
ンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェ
ノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどの
ベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。これらは
単独または2種以上の混合物として使用でき、さらには
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなど
の第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、
4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導
体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することがで
きる。有機過酸化物や光重合開始剤の使用量は、前記樹
脂組成物の重合性成分100重量部に対して0.5〜2
0重量部、好ましくは1〜15重量部である。
化樹脂を構成する微粒子含有硬化樹脂層に配合する無機
もしくは有機微粒子としては、活性エネルギー線硬化樹
脂中で良好な透明性を保持する微粒子であれば任意に使
用することができる。例えば、無機微粒子として一般的
には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどか
らなる微粒子が用いられ、その中で防眩性や解像性、ハ
ードコート性等の点よりシリカ粒子、特に合成シリカ粒
子が好ましい。尚、酸化錫、酸化インジウム、酸化カド
ミウム、酸化アンチモン、等の導電性の透明微粒子も帯
電防止性の付与に係わらず用いることができる。
な架橋構造を有しており、活性エネルギー線硬化樹脂や
モノマー、溶剤等による膨潤がない硬質な微粒子を用い
ることができる。例えば、粒子内部架橋タイプのスチレ
ン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、アクリル
系樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、シリコーン系樹脂、ウ
レタン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−イソプレン系樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、その他反応性ミクロゲル等
を使用することができる。透明微粒子の配合量は、活性
エネルギー線硬化型樹脂100重量部あたり0.5〜2
0重量部、好ましくは1〜15重量部である。
加剤を配合することができる。例えばレベリング、表面
スリップ性等を付与するシリコーン系、フッソ系の添加
剤は硬化膜表面の傷つき防止性に効果があることに加え
て、活性エネルギー線として紫外線を利用する場合は前
記添加剤の空気界面へのブリードによって、酸素による
樹脂の硬化阻害を低下させることができ、低照射強度条
件下に於いても有効な硬化度合を得ることができる。こ
れらの添加量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100重
量部に対し0.01〜0.5重量部が適当である。
シート基材(10)の少なくとも一方の面に積層するた
めの微粒子含有硬化樹脂層(20)やクリア硬化樹脂層
(30)の塗工方法は任意であるが、生産段階ではロー
ルコーター、リバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ナイフコーター、バーコーター等のいずれでも可能
である。
る場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク
等の光源が利用でき、フィラーを含まないクリア塗膜の
硬化には高圧水銀灯、フィラーを含む場合や厚膜の硬化
にはメタルハライドランプが一般的に使用される。ま
た、電子線を利用して硬化する場合にはコックロフトワ
ルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器
型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子
線加速器から放出される50〜1000KeV、好まし
くは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線
が利用できる。
ハードコートフィルムもしくはシートにおいて、微粒子
含有硬化樹脂層(20)の積層後、活性エネルギー線照
射によってハーフキュアさせ、次いでクリア硬化樹脂層
(30)の積層後、前記微粒子含有硬化樹脂層(20)
とクリア硬化樹脂層(30)を活性エネルギー線照射に
よって同時に完全硬化させることを特徴とする防眩性ハ
ードコートフィルムもしくはシートの製造方法としたも
のである。
性(硬さ、耐スリキズ性等)が完全に飽和に達していな
い段階の架橋塗膜を指すが、少なくとも塗膜表面のタッ
クがない程度に硬化した塗膜の状態を意味する。このよ
うに一層目の微粒子含有硬化樹脂層(20)をハーフキ
ュアすることによって、微粒子含有硬化樹脂層(20)
とクリア硬化樹脂層(30)の間の密着性をより向上さ
せ、皮膜全体の密着強度の低下を防ぐものである。
説明する。 <実施例1> 〔微粒子含有硬化樹脂層(20)の作製〕以下の処方に
示す電子線硬化型の塗料組成物を、以下に述べる手順に
よって調製した。まずトルエン/2−ブタノン=1/1
の混合溶媒にシリカを加え、ディスパーミキサーによる
高速撹拌を行なうことによってシリカ分散液を調製し
た。次いで、6官能ウレタンアクリレートオリゴマーと
トリメチロールプロパントリアクリレートの混合液に前
記シリカ分散液を撹拌しながら徐々に添加することによ
って調製した。 ・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー 40部 (U−6HA,新中村化学工業社製) ・トリメチロールプロパントリアクリレート 60部 (東亜合成化学社製) ・トルエン 50部 ・2−ブタノン 50部 ・シリカ(ファインシールX−45, トクヤマ社製) 6部 次に基材(10)として厚さ80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムの片面に、前記の電子線硬化型の塗料
組成物をワイヤーバーにて塗布し溶剤分を蒸発させて厚
さ約5μmの塗布層を形成した後、塗膜側より加速電圧
200KeVの電子線を吸収線量1Mradの条件で半
硬化(ハーフキュア)処理することにより、微粒子含有
硬化樹脂層(20)を作製した。
で、シリカを含有しない以下の処方に示す電子線硬化型
の塗料組成物を、クリア硬化樹脂層(30)の樹脂液と
して調製した。特にクリア硬化樹脂層(30)は薄膜と
するために、微粒子含有硬化樹脂層(20)の塗料処方
に比較して希釈溶剤分を多くした。 ・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー 20部 (U−6HA,新中村化学工業社製) ・トリメチロールプロパントリアクリレート 40部 (東亜合成化学社製) ・トルエン 70部 ・2−ブタノン 70部 次に、前記の電子線硬化した微粒子含有硬化樹脂層(2
0)上に、上記組成のクリア硬化樹脂層(30)を熱乾
燥後の膜厚が約0.3μmとなるように塗布した後、塗
膜側より加速電圧200KeVの電子線を吸収線量3M
radの条件で硬化処理することによって、透明プラス
チックフィルムもしくはシート基材(10)と微粒子含
有硬化樹脂層(20)およびクリア硬化樹脂層(30)
からなる防眩性ハードコートフィルムもしくはシート
(1)を得た。
示す電子線硬化型の塗料組成物を、以下に述べる手順に
よって調製した。まずトルエン/2−ブタノン=1/1
の混合溶媒にシリカを加え、ディスパーミキサーによる
高速撹拌を行なうことによってシリカ分散液を調製し
た。次いで、6官能ウレタンアクリレートオリゴマーと
トリメチロールプロパントリアクリレートの混合液に前
記シリカ分散液を撹拌しながら徐々に添加することによ
って調製した。 ・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー 40部 (U−6HA,新中村化学工業社製) ・トリメチロールプロパントリアクリレート 60部 (東亜合成化学社製) ・トルエン 50部 ・2−ブタノン 50部 ・シリカ(ファインシールX−45, トクヤマ社製) 6部 次に基材(10)として厚さ80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムの片面に、前記の電子線硬化型の塗料
組成物をワイヤーバーにて塗布し溶剤分を蒸発させて厚
さ約5μmの塗布層を形成した後、塗膜側より加速電圧
200KeVの電子線を吸収線量3Mradの条件で完
全硬化処理することにより、微粒子含有硬化樹脂層(2
0)のみの防眩性ハードコートフィルムもしくはシート
を作製した。
いて、下記の測定方法により諸物性を測定し、評価した
結果を表1に示した。 〔評価方法〕 ・ヘイズ度(透明フィルムに入射する平行光のうちで散
乱したり屈折する光の割合):直読ヘイズコンピュータ
ー(スガ試験機社製)によって測定した。 ・20度光沢度:ヘイズ−グロスリフレクトメーター
(ビック・ガードナー社製)により塗面を測定した。 ・表面粗さ:Surfcom 550AD(東京精密社
製)の表面粗さ、輪郭形状計測システムにより、Ra値
及び3次元イメージを得た。なお、3次元イメージは実
施例1については図3に、比較例1については図5に示
した。 ・汚れ拭き取り性:指脂汚れの代用として、オレイン酸
を布(ベンコットM−3、旭化成社製)に少量付着さ
せ、これによって防眩性ハードコートフィルム表面を汚
し、12時間放置後、汚れのないきれいな布によって拭
き取った場合の拭き取り易さを官能評価した。 ・被膜密着度:硬化被膜層表面にカッターによって1m
m×1mmのクロスハッチ(升目)を100個入れ、そ
の上にセロテープ(ニチバン社製)を貼り付けした後、
該セロテープを剥がしたときに硬化被膜がフィルム基材
(10)から剥がれた升目の数を計測することで評価し
た。 ・鉛筆硬度:異なる硬度の鉛筆を用いて、500g荷重
下での傷の有無を判定した。 ・耐擦傷性:#0000のスチールウールにより、ハー
ドコート膜の表面を400gの荷重をかけながら10回
摩擦し、傷の発生の有無及び傷の程度を目視により観察
し、以下の判定基準に従って評価した。 〔耐擦傷性の判定基準〕 A:傷の発生が全く認められない。 B:数本の細い傷が認められる。 C:無数の傷が認められる。
粗さのイメージ(5000倍)を、図5に比較例1の3
次元表面粗さのイメージを示す。これより、微粒子含有
硬化樹脂層(20)のみの場合と比較して、微粒子含有
硬化樹脂層(20)とクリア硬化樹脂層(30)の2層
構成にした場合は明らかに表面の凸部分(Y)間の谷部
分(T)が平滑となっており、Ra値が小さく、ヘイズ
度が減少することで透明性、すなわち解像性が向上して
いる。但し、光沢値の若干の上昇は避け難いが、特に汚
れ拭き取り性に於いて、顕著な差が見られた。汚れ拭き
取り試験後の試料のヘイズ度を測定したところ、比較例
1の微粒子含有硬化樹脂層(20)のみの場合は、表面
の凹凸間に試薬が付着した状態であるため、ヘイズ度が
大きく低下している。一方、微粒子含有硬化樹脂層(2
0)とクリア硬化樹脂層(30)の2層からなる実施例
1の場合は、汚れがほとんど除去されているため、ヘイ
ズ度の低下が非常に小さいものであった。また、被膜密
着度、鉛筆硬度、耐擦傷性に関しては、微粒子含有硬化
樹脂層(20)のみの比較例1とクリア硬化樹脂層(3
0)を付加した実施例1の場合とでは差が認められなか
った。但し、比較例1の場合、鉛筆硬度試験での汚れ
(鉛筆芯材の微粒子によるハードコートの凹凸表面の目
詰まり)の除去が困難であった。
示す如き効果がある。即ち、透明プラスチックフィルム
もしくはシート基材の少なくとも一方の面に活性エネル
ギー線硬化樹脂被膜層を設けてなるハードコートフィル
ムもしくはシートであって、前記基材上に無機もしくは
有機微粒子を含有する微粒子含有硬化樹脂層と無機もし
くは有機微粒子を含有しないクリア硬化樹脂層とを順に
積層してなる防眩性ハードコートフィルムもしくはシー
トとしたので、表面の山部分間の谷部分が平坦となり、
防眩性と解像性に優れ、且つ防汚性、耐擦傷性にも優れ
た防眩性ハードコートフィルムもしくはシートを提供で
きる。
シート基材上に微粒子含有硬化樹脂層の積層後、活性エ
ネルギー線照射によってハーフキュアさせ、次いでクリ
ア硬化樹脂層の積層後、前記微粒子含有硬化樹脂層と前
記クリア硬化樹脂層を活性エネルギー線照射によって同
時に完全硬化させることを特徴とする防眩性ハードコー
トフィルムもしくはシートの製造方法としたので、微粒
子含有硬化樹脂層とクリア硬化樹脂層間の密着度がより
向上し、皮膜全体の密着強度の低下のない防眩性ハード
コートフィルムもしくはシートを提供できる。
トフィルムもしくはシートを側断面で表した説明図であ
る。
フィルムもしくはシートの側断面の模式図である。
3次元イメージの5000倍拡大図である。
ードコートフィルムもしくはシートの側断面の模式図で
ある。
表面の3次元イメージの5000倍拡大図である。
Claims (3)
- 【請求項1】透明プラスチックフィルムもしくはシート
基材の少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化樹脂
被膜層を設けてなるハードコートフィルムもしくはシー
トであって、前記基材上に無機もしくは有機微粒子を含
有する微粒子含有硬化樹脂層と無機もしくは有機微粒子
を含有しないクリア硬化樹脂層とを順に積層してなるこ
とを特徴とする防眩性ハードコートフィルムもしくはシ
ート。 - 【請求項2】前記微粒子含有硬化樹脂層が膜厚0.5μ
m以上、前記クリア硬化樹脂層が膜厚0.1〜10μm
であることを特徴とする請求項1記載の防眩性ハードコ
ートフィルムもしくはシート。 - 【請求項3】請求項1または2記載の防眩性ハードコー
トフィルムもしくはシートにおいて、微粒子含有硬化樹
脂層の積層後、活性エネルギー線照射によってハーフキ
ュアさせ、次いでクリア硬化樹脂層の積層後、前記微粒
子含有硬化樹脂層と前記クリア硬化樹脂層を活性エネル
ギー線照射によって同時に完全硬化させることを特徴と
する防眩性ハードコートフィルムもしくはシートの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9135210A JPH10325901A (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 防眩性ハードコートフィルムもしくはシートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9135210A JPH10325901A (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 防眩性ハードコートフィルムもしくはシートおよびその製造方法 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007055409A Division JP4795275B2 (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 防眩性ハードコートフィルムもしくはシートの製造方法 |
JP2007055410A Division JP4795276B2 (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 防眩性ハードコートフィルムもしくはシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10325901A true JPH10325901A (ja) | 1998-12-08 |
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ID=15146431
Family Applications (1)
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