JP2000084477A - ハードコートフィルムもしくはシート - Google Patents
ハードコートフィルムもしくはシートInfo
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Abstract
ムもしくはシート基材の表面に形成したハードコート層
と基材間の密着、フィルム折曲げ時のクラック、フィル
ムのカール等を実用的に許容できる範囲内に収めること
ができ、且つ従来の限界を上回る4H以上の鉛筆硬度値を
有する耐引っ掻き性、耐擦り傷性の優れたハードコート
フィルムもしくはシートを提供することを目的とする。 【解決手段】前記基材表面に硬化樹脂をドット状に点在
せしめて設けた第1のハードコート層の上に、さらに第
2のハードコート層を該第1のハードコート層のドット
状硬化樹脂を埋め、且つ第2のハードコート層の表面が
平滑となるように硬化樹脂被膜層を設けて成る2層構成
のハードコート層を形成したことを特徴とするハードコ
ートフィルムもしくはシートである。
Description
イ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材
に保護の目的で貼着されるプラスチックフィルム・シー
トに関し、特に耐引っ掻き、擦り傷性が付与されたプラ
スチックフィルムに関する。具体的には液晶表示装置、
CRT 表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミッ
ク表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置等、
各種表示装置の画面保護に適したハードコートフィルム
もしくはシートに関する。さらに、該フィルムもしくは
シートの表面に無機材質を中心に構成される機能性薄膜
を設けることにより、本発明のハードコートフィルムも
しくはシートは、赤外吸収効果、赤外反射効果、電磁波
シールド効果、帯電防止効果、紫外線吸収効果、反射防
止効果、反射強調効果等の各種機能を有する無機質材を
中心に構成される機能性薄膜を表面に設ける目的に使用
する場合により適する。
の他商業用のディスプレイ、レンズ、ミラー、窓ガラ
ス、ゴーグル等の光学部材には、耐引っ掻き性、擦り傷
性を有する透明性プラスチックフィルムが貼着される場
合が多い。一般的にプラスチック表面を硬質化する技術
としては、オルガノシロキサン系、メラミン系等の熱硬
化性樹脂をコーティングしたり真空蒸着法やスパッタリ
ング法等で金属薄膜を形成する方法、あるいは多官能ア
クリレート系の活性エネルギー線硬化性樹脂をコーティ
ングする。近年このような方法の中で、大面積の加工が
容易で生産性に優れる活性エネルギー線硬化性樹脂を採
用する場合が多い。しかしながら、これらのいずれの方
法もハードコート層と基材間の密着、フィルム折曲げ時
のクラック、フィルムのカール等が実用的に問題ない範
囲内で実現できるものの、プラスチックフィルム、シー
ト基材上での鉛筆硬度値としては2Hから3Hが限界で、耐
引っ掻き性、耐擦り傷性の点で問題になる場合があっ
た。
を鑑みてなされたものであり、ハードコート層を支持す
るプラスチックフィルムもしくはシート基材の表面に形
成したハードコート層と基材間の密着、フィルム折曲げ
時のクラック、フィルムのカール等を実用的に許容でき
る範囲内に収めることができ、且つ従来の限界を上回る
4H以上の鉛筆硬度値を有する耐引っ掻き性、耐擦り傷性
の優れたハードコートフィルムもしくはシートを提供す
ることを目的とする。
決するための手段として、透明プラスチックフィルムも
しくはシート基材の少なくとも一方の面に硬化樹脂被膜
層を設けたハードコートフィルムであって、前記基材表
面に硬化樹脂をドット状に点在せしめて設けた第1のハ
ードコート層の上に、さらに第2のハードコート層を該
第1のハードコート層のドット状硬化樹脂を埋め、且つ
第2のハードコート層の表面が平滑となるように硬化樹
脂被膜層を設けて成る2層構成のハードコート層を形成
することによって達せられることを見出し、本発明に至
ったものである。
ラスチックフィルムもしくはシート基材の少なくとも一
方の面に硬化樹脂被膜層を設けたハードコートフィルム
であって、前記基材表面に硬化樹脂をドット状に点在せ
しめて設けた第1のハードコート層の上に、さらに第2
のハードコート層を該第1のハードコート層のドット状
硬化樹脂を埋め、且つ第2のハードコート層の表面が平
滑となるように硬化樹脂被膜層を設けて成る2層構成の
ハードコート層を形成したことを特徴とするハードコー
トフィルムもしくはシートである。
ードコートフィルムもしくはシートにおいて、上記第1
のハードコート層の膜厚が、2.0μm 以上、25μm
以下であり、且つ前記第2のハードコート層の膜厚が、
3.0μm 以上、30μm 以下であることを特徴とす
る。
載のハードコートフィルムもしくはシートにおいて、上
記第1のハードコート層と第2のハードコート層の少な
くとも何れかのハードコート層に平均粒子径0.01〜
10μm の無機或いは有機の微粒子を含有することを特
徴とする。
の何れかのハードコートフィルムもしくはシートにおい
て、ハードコート層を構成する前記硬化樹脂被膜層は、
活性エネルギー線硬化性樹脂が紫外線もしくは電子線照
射によって硬化反応が完結して形成された架橋構造を有
することを特徴とする。
の何れかのハードコートフィルムもしくはシートの表面
上に、機能性無機薄膜を設けたことを特徴とするハード
コートフィルムもしくはシートである。
て詳細に説明する。本発明は、透明プラスチックフィル
ムもしくはシート基材の少なくとも一方の面に硬化樹脂
被膜層を設けたハードコートフィルムであって、前記基
材表面に硬化樹脂をドット状に点在せしめて設けた第1
のハードコート層の上に、さらに第2のハードコート層
を該第1のハードコート層のドット状硬化樹脂を埋め、
且つ第2のハードコート層の表面が平滑となるように硬
化樹脂被膜層を設けて成る2層構成のハードコート層を
形成したことを特徴とする。
は、特に限定されるものではなく、公知公用の透明プラ
スチックフィルムもしくはシートの中から適宜選択して
用いることができる。具体例としては、ポリエステル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセ
チルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセル
ロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコー
ル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペン
テン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、
アクリル、ナイロン、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムも
しくはシートを挙げることができるが、本発明において
は、特にトリアセチルセルロースフィルム、及び一軸延
伸ポリエステルが透明性に優れることに加えて、光学的
に異方性が無い点で好ましい。
脂被膜層は、加工速度の早さ、支持体への熱のダメージ
の少なさから、特に活性エネルギー線(紫外線や電子
線)硬化型樹脂を用いることが好ましい。ラジカル重合
型の硬化樹脂としては、例えば、多価アルコールのアク
リル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のア
クリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及
びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエ
ステル等から合成されるような多官能性のウレタンアク
リレート樹脂などを挙げることができる。さらにアクリ
レート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセ
タール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエ
ン樹脂等も必要に応じて好適に使用することができる。
は、比較的低粘度である1、6- ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等
の2官能以上のモノマー及びオリゴマー並びに単官能モ
ノマー、例えばN-ビニルピロリドン、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソ
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキ
シルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2
- ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、ノニルフェニルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル類、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、及びそのカプロラクトン変成物などの誘導体、
スチレン、α- メチルスチレン、アクリル酸等及びそれ
らの混合物、などを使用することができる。
必要に応じて利用することができ、この樹脂は付加重合
型と開環重合型に大きく分類できる。付加重合型の化合
物として、電子密度の高いビニル基を有するビニルエー
テル化合物、スチレン誘導体等を、開環重合型の化合物
として、多様なヘテロ環状化合物、例えばエポキシ化合
物、ラクトン化合物、4員環の環状エーテルであるオキ
セタン化合物等を使用することができる。
線である場合には、光増感剤(光重合開始剤)を添加す
る必要があり、ラジカル発生型の光重合開始剤としてベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジ
ルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエー
テル類;アセトフェノン、2、2、- ジメトキシ- 2-
フェニルアセトフェノン、1- ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、などのアセトフェノン類;メチルア
ントラキノン、2- エチルアントラキノン、2- アミル
アントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサント
ン、2、4- ジエチルチオキサントン、2、4- ジイソ
プロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセ
トフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケター
ルなどのケタール類;ベンゾフェノン、4、4- ビスメ
チルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及び
アゾ化合物などがある。これらは単独または2種以上の
混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン;2
- ジメチルアミノエチル安息香酸、4- ジメチルアミノ
安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤な
どと組み合わせて使用することができる。またカチオン
重合開始剤として使用できる光酸発生剤は、イオン性の
化合物と非イオン性の化合物に大別できる。イオン性の
化合物としてはアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨ
ードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩及びトリア
リールホスホニウム塩等があり、対イオンとしてBF4-、
PF6-、AsF6- 、SbF6- などが用いられる。このようなオ
ニウム塩系の光酸発生剤には必要に応じてアンスラセン
や、チオキサントンのような光増感剤を併用することが
できる。非イオン性の光酸発生剤としては、光照射によ
ってカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ハロゲン化水素
等を生成するものが使用でき、具体的にはスルホン酸の
2-ニトロベンジルエステル、イミノスルホナート、1-オ
キソ-2- ジアゾナフトキノン-4- スルホナート誘導体、
N-ヒドロキシイミドスルホナート、トリ(メタンスルホ
ニルオキシ)ベンゼン誘導体等が利用でき、さらにカル
ボン酸o-ニトロベンジルエステル、1-オキソ-2- ジアゾ
ナフトキノン-5- アリールスルホナート、トリアリール
リン酸エステル誘導体等が使用できる。
合型樹脂分に対してはラジカル光重合開始剤を、カチオ
ン重合型樹脂分にはカチオン光重合開始剤をそれぞれの
重合性樹脂成分100重量部に対して0. 5〜20重量
部、好ましくは1〜15重量部である。
ラスチックフィルムもしくはシート基材の表面にドット
状に点在せしめる方法は、ダイレクトグラビアコーティ
ング、パウダーコーティング、エンボス、インクジェッ
ト、オフセット印刷、スクリーン印刷等を利用すること
ができる。また、第2のハードコート層の形成にはロー
ルコーター、リバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ナイフコーター、バーコーター等の塗工方式が利用
できるが、特に限定されるものではなく、形成方法は適
宜選択できる。
膜厚が、2.0μm 以上、25μm以下であり、且つ前
記第2のハードコート層の膜厚が、3.0μm 以上、3
0μm 以下であることを特徴とする。第1のハードコー
ト層の膜厚が、2.0μm 以下の場合は、ハードコート
層として必要な機械的特性(硬度、耐擦傷性)が著しく
低下し、25μm 以上の場合は、密着性が著しく低下
し、カール、クラックが発生し易くなる。一方、同様に
第2のハードコート層の膜厚が、3.0μm 以下の場合
は、ハードコート層として必要な機械的特性(硬度、耐
擦傷性)が著しく低下し、30μm 以上の場合は、密着
性が著しく低下し、カール、クラックが発生し易くな
る。また、第2のハードコート層を設けた後のハードコ
ート層の表面状態を平滑にするために、第1のハードコ
ート層より第2のハードコート層の膜厚を厚くする必要
がある。
と第2のハードコート層の少なくとも何れかのハードコ
ート層に平均粒子径0.01〜10μm の無機或いは有
機の微粒子を含有することを特徴とする。ハードコート
層に配合可能な無機もしくは有機の微粒子としては活性
エネルギー線硬化樹脂中で良好な透明性を保持する微粒
子であれば任意に使用することができる。
ルミナ、チタニア、ジルコニアなどからなる微粒子が挙
げられるが、透明性の点でシリカ粒子、特に合成シリカ
粒子が好ましい。尚、酸化錫、酸化インジウム、酸化カ
ドミウム、酸化アンチモン、等の導電性の透明微粒子も
帯電防止性の付与に係わらず必要に応じて用いることが
できる。
な架橋構造を有しており、活性エネルギー線硬化樹脂や
モノマー、溶剤等による膨潤が少ない硬質な微粒子を用
いることができる。例えば、粒子内部架橋タイプのスチ
レン系樹脂、スチレン- アクリル系共重合樹脂、アクリ
ル系樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、シリコーン系樹脂、
ウレタン樹脂、メラミン樹脂、スチレン- イソプレン系
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、上記の樹脂等を主成分と
するミクロゲル等を使用することができる。
加剤を配合することができる。例えばレベリング、表面
スリップ性等を付与するシリコーン系、フッソ系の添加
剤は硬化膜表面の傷つき防止性に効果があることに加え
て、活性エネルギー線として紫外線を利用する場合は前
記添加剤の空気界面へのブリードによって、酸素による
樹脂の硬化阻害を低下させることができ、低照射強度条
件下に於いても有効な硬化度合を得ることができる。こ
れらの添加量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100重
量部に対し0.01〜0.5重量部が適当である。
る場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク
等の光源が利用でき、フィラーを含まないクリア塗膜の
硬化には高圧水銀灯、フィラーを含む場合や厚膜の硬化
にはメタルハライドランプが一般的に使用される。また
電子線を利用することも可能で、具体的にはコックロフ
トワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変
圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種
電子線加速器から放出される50〜1000KeV 、好ま
しくは100〜300KeV のエネルギーを有する電子線
を利用することが好ましい。
ートは、透明プラスチック基材に、第1ハードコート層
として硬化後のドット状の膜厚が2.0μm 以上、25
μm以下となるように設けた後、活性エネルギー線照射
によって完全硬化もしくは半硬化(ハーフキュア)させ
る。但し、半硬化とは塗膜の物性(硬さ、耐スリキズ性
等)が完全に飽和に達していない段階の架橋塗膜を指す
が、少なくとも塗膜表面のタックがない程度に硬化した
塗膜の状態を意味する。次いで、前記第1ハードコート
層上に第2ハードコート層を硬化後の膜厚が3.0μm
以上、30μm以下となるように塗工した後、活性エネ
ルギー線照射を加えることによって硬化する。この場
合、第1ハードコート層がすでに完全硬化しているもの
であれば、第2ハードコート層のみの硬化となり、第1
ハードコート層が半硬化状態である場合には、第1と第
2ハードコート層の同時硬化となる。好ましくは第1ハ
ードコート層を半硬化とした方が第1、第2ハードコー
ト層間の密着性が向上する場合が多い。
記したように活性エネルギー線照射によって完全硬化も
しくは半硬化(ハーフキュア)させることができるが、
何れの場合も、活性エネルギー線硬化性樹脂に紫外線照
射もしくは電子線照射を加えることによって硬化反応が
完結して完全硬化せしめ、塗膜の物性(硬さ、耐擦り傷
性等)が完全に飽和に達する段階の架橋塗膜を形成せし
め、本発明は、ハードコート層を構成する上記硬化樹脂
被膜層を構成する、活性エネルギー線硬化性樹脂が紫外
線もしくは電子線照射によって硬化反応が完結して形成
された架橋構造を有することを特徴とする。
ィルムもしくはシートの表面に、赤外吸収効果、赤外反
射効果、電磁波シールド効果、帯電防止効果、紫外線吸
収効果、反射防止効果、反射強調効果等の各種機能を有
する無機材質を中心に構成される機能性無機薄膜(AR
等)を設けることもできる。
の一例として反射防止層を形成する場合について説明す
る。高屈折率層と低屈折率層を交互に、所定の光学膜厚
nd(屈折率nと膜厚dの積)となるように積層する。高
屈折率層は屈折率(nH )が1.8以上、好ましくは
1.95以上であれば、また低屈折率層は屈折率(nL
)1.6以下、好ましくは1.5以下であれば実用的
に満足する反射防止効果を発現する。高屈折率層として
は、屈折率(nH )が1.80以上のものであれば特に
限定されるものではないが、実用的には金属酸化物とし
て酸化チタン、酸化ジルコニユウム、酸化タンタル、酸
化亜鉛、酸化インジュウム、酸化セリユウム、酸化錫、
酸化ニオブ、酸化イットリュウム、酸化イッテリビュウ
ム、インジュウム・錫酸化物の何れか、或いはこれらを
主材料とする混合物質を用いる。一方、低屈折率層とし
ては、屈折率(nL )1.6以下のものであれば特に限
定されるものではないが、酸化珪素系、 弗化マグネシウ
ム、弗化カルシウム、弗化バリウム等が使用できる。機
能性無機薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、反応性
蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の真
空成膜プロセスによって形成することができが、特に限
定されるものではない。赤外吸収効果、赤外反射効果、
電磁波シールド効果、帯電防止効果、紫外線吸収効果、
反射強調効果等のその他の各種機能を有する公知公用の
材料及び形成方法によって機能性無機薄膜を設けること
もできる。
る。
挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。なお、部およ
び%は特に断わりのない限り重量基準である。
て第1ハードコート樹脂液として調製した。 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート 60部 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 30部 ・ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート 10部 ・Darocur 1173( チバガイギー社製) 4部
のセルに前記第1ハードコート塗工剤を埋め込み、ドク
ターで掻き取った後、厚さ150μm の両面易接着処理
ポリエステルフィルムの片面と密着させ、この密着状態
の段階で基材側より高圧水銀UVランプ( 120W /c
m) の紫外線を積算光量約250mJ/m2 の条件で照
射し、硬化処理を行なった後、グラビア版よりハードコ
ート層が転写、密着したフィルムを剥離し、その表面に
点在する第1ハードコート塗布層を形成した。塗布量は
グラビア版の深さを任意に選択することで変化させた。
第2ハードコート樹脂液として調製した。 ・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 30部 ・ペンタエリスリトールトリアクリレート 20部 ・Darocur 1173(チバガイギー社製) 25部 ・酢酸エチル 30部
ト層上に、上記組成の第2ハードコート層をワイヤーバ
ーコーティングによって形成した後、塗膜側より高圧水
銀UVランプ( 120W /cm) の紫外線を積算光量約3
00mJ/m2 の条件で照射し、硬化処理することによ
って、基材と第1及び第2ハードコートの3層から成る
ハードコートフィルムを得た。
以下の構成、方法にて上記ハードコート層上に形成し
た。まず高屈折率層としてインジウム錫酸化物(IT
O)をスパッタリング法により形成し、低屈折率層に酸
化ケイ素からなる反射防止層をプラズマアシスト蒸着法
により形成した。各層の屈折率及び形状膜厚d は、 PET フィルム (n=1.62) ハードコート層 (n=1.52 d=約5 μm ) 1層目:ITO (nH=2.05 d=約58nm) 2層目:SiO2 (nL=1.46 d=約38nm) 3層目:ITO (nH=2.05 d=約125 nm) 4層目:SiO2 (nL=1.46 d=約140 nm) とした。光学膜厚は、光学式の膜厚モニターにより監視
し、目的光量値に達した時に成膜を止め所定の光学膜厚
を得た。波長430〜680nmの範囲で反射率は1%以
下であった。ハードコート層と導電性反射防止層との密
着は良好であった。
性反射防止機能付きハードコートフィルムについて、下
記の測定方法により機械的物性を測定した。
示される試験法での傷の有無を判定した。
を400g の荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生
の有無及び傷の程度を目視により観察し、以下の判定基
準に従って評価した。A :傷の発生が全く認められな
い。B :数本の細い傷が認められる。C :無数の傷が認
められる。
ロスハッチ(升目)を100個入れ、その上にセロテー
プ(ニチバン社製)を貼り付けした後、該セロテープを
剥がしたときに硬化被膜がフィルム基材から剥がれた升
目の数を計測することで評価した。
ードコートフィルムの標片を10cm角に切断し、反り
および寸法を測定して曲率半径を算出した。
ードコートフィルムを直径3cmの金属ロールに巻付け
たときのクラック発生の有無を目視により判定した。
ードコート層を基材である厚さ150μm の両面易接着
処理ポリエステルフィルムの片面に、ワイヤーバーにて
塗布し、塗膜側より高圧水銀UVランプ( 120W /c
m) の紫外線を積算光量約250mJ/m2の条件で照
射し、硬化処理することにより、均一な連続相からなる
第1ハードコート硬化樹脂層を形成した。次いで、前記
第1ハードコート層上に実施例1と同一の材料、組成及
び加工条件にて第2ハードコート層並びに機能性無機薄
膜層としての導電性反射防止層を形成した。
薄膜付きハードコートの機械的物性評価結果をそれぞれ
表1並びに表2に示す。また、比較例1のハードコート
層のみ並びに機能性無機薄膜付きハードコートの機械的
物性評価結果をそれぞれ表3並びに表4に示す。
第1ハードコート層をフィルムもしくはシート基材の面
内に点在させて設ける層構成により、第2ハードコート
層を含む総塗布量が36g/m2 程度の高塗布量となっ
てもクラックの発生、密着性の低下等の問題が発生せ
ず、且つ5Hの鉛筆硬度値を達成することができた。さ
らに本ハードコート層上に機能性無機薄膜の具体例とし
て、導電性反射防止層を設けても上記の良好な傾向に変
化はなかった。
果から、第1ハードコート層を均一な連続相で形成した
場合には、第2ハードコート層を含む総塗布量が16g
/m 2 程度で密着性の低下が現われ始め、24g/m2
程度でクラックが発生した。密着性、クラック共に満足
する上限の鉛筆硬度は3Hであった。また実施例1に比
較して、カールが大きく劣った。さらに本ハードコート
層上に機能性無機薄膜の具体例として、導電性反射防止
層を設けても上記の傾向に大きな変化が見られなかった
が、ハードコート層のみの結果と比較して、若干密着性
の低下が促進される傾向を示した。
ト層の第1のハードコート層をプラスチックフィルムも
しくはシート基材の表面にドット状に点在させて設ける
ことにより、第1のハードコート層の形成面内全体の硬
化収縮を大幅に低減することによって、ハードコートと
基材間の密着、フィルム折曲げ時のクラック及びフィル
ムのカール等を実用的に許容できる範囲内に収めること
ができ、且つ4Hから5H以上の鉛筆硬度値を実現し、耐
引っ掻き性、耐擦り傷性の優れたハードコートフィルム
もしくはシートが得られる。さらに、上記ハードコート
フィルムもしくはシートの表面に、一例として反射防止
機能等の種々の光学機能を付与する無機薄膜を形成する
ことにより、光学分野の広い範囲の用途展開が可能とな
った。
の層構成を示す断面図
Claims (5)
- 【請求項1】透明プラスチックフィルムもしくはシート
基材の少なくとも一方の面に硬化樹脂被膜層を設けたハ
ードコートフィルムであって、 前記基材表面に硬化樹脂をドット状に点在せしめて設け
た第1のハードコート層の上に、さらに第2のハードコ
ート層を該第1のハードコート層のドット状硬化樹脂を
埋め、且つ第2のハードコート層の表面が平滑となるよ
うに硬化樹脂被膜層を設けて成る2層構成のハードコー
ト層を形成したことを特徴とするハードコートフィルム
もしくはシート。 - 【請求項2】上記第1のハードコート層の膜厚が、2.
0μm 以上、25μm 以下であり、且つ前記第2のハー
ドコート層の膜厚が、3.0μm 以上、30μm 以下で
あることを特徴とする請求項1記載のハードコートフィ
ルムもしくはシート。 - 【請求項3】上記第1のハードコート層と第2のハード
コート層の少なくとも何れかのハードコート層に平均粒
子径0.01〜10μm の無機或いは有機の微粒子を含
有することを特徴とする請求項1又は2記載のハードコ
ートフィルムもしくはシート。 - 【請求項4】ハードコート層を構成する前記硬化樹脂被
膜層は、活性エネルギー線硬化性樹脂が紫外線もしくは
電子線照射によって硬化反応が完結して形成された架橋
構造を有することを特徴とする請求項1〜3記載の何れ
かのハードコートフィルムもしくはシート。 - 【請求項5】請求項1〜4記載の何れかのハードコート
フィルムもしくはシートの表面上に、機能性無機薄膜を
設けたことを特徴とするハードコートフィルムもしくは
シート。
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