JPH10325755A - 分光分析装置および分光分析方法 - Google Patents

分光分析装置および分光分析方法

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JPH10325755A
JPH10325755A JP32903397A JP32903397A JPH10325755A JP H10325755 A JPH10325755 A JP H10325755A JP 32903397 A JP32903397 A JP 32903397A JP 32903397 A JP32903397 A JP 32903397A JP H10325755 A JPH10325755 A JP H10325755A
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木 輝 幸 玉
Masahiro Daimon
門 正 博 大
Hodaka Honma
間 穂 高 本
Masao Mukai
井 聖 夫 向
Takeshi Hamaya
谷 剛 浜
Yoichi Zaizen
前 洋 一 財
Osamu Sekiguchi
口 修 関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短時間で複数波数の光吸収スペクトルを得る。
これをコンパクトな機構にて実現。連続移動体の連続測
定。幅方向連続走査測定。電磁鋼脱炭焼鈍板酸化層中の
酸化物のオンライン定量測定。 【解決手段】 焼鈍板OPに赤外光を投射する手段5〜
7,10,12,19〜21;反射赤外光を強度分割し
て複数の光路に分配する光分配手段22〜24,A1〜
A5,B1,B2;各光路の赤外光を分光する赤外フィ
ルタ48と光電変換器50を含む複数の受光器C1〜C
8;それらの電気信号を光レベルデ−タに変換する光強
度計測手段80,90;および、光レベルデ−タに基づ
いて電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物を構成する成分を定量的
に求める情報処理手段90;を備える。光学定盤1にキ
ャリッジ16を設けて対物ヘッドCt,Crをx駆動す
る。又は、光学定盤1をx駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体表面部の成分
を光学的処理により検出する分光分析装置に関し、特
に、これに限定する意図ではないが、電磁鋼脱炭焼鈍板
の酸化層中の酸化物をオンラインで赤外分光により定量
的に測定する分光分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化層は、最表面の
外部酸化層とその直下の内部酸化層からなる。外部酸化
層にはSiO2とFe系及びMn系酸化物が存在し、内
部酸化層にはSiO2が存在することがわかっている。
Fe系及びMn系酸化物は、(Fe,Mn)2SiO4
は(Fe,Mn)SiO3として存在している。電磁鋼
脱炭焼鈍板酸化層中の酸化物を定量的に測定する方法と
しては、特開平8−246053号公報に開示されてい
るように、FT−IR法を用いて赤外反射スペクトルを
測定する方法が知られている。
【0003】この特開平8−246053号公報に開示
の方法は、電磁鋼脱炭焼鈍板の赤外吸収スペクトル(検
出スペクトル)が、該焼鈍板の酸化層の各成分の赤外吸
収スペクトル(成分スペクトル)の和であるとして、検
出スペクトル=Σ〔(1つの成分の概知の赤外吸収スペ
クトル)×(該成分の量対応係数)〕と見なし、各成分
の量対応係数を未知数(求める値)として、複数の波数
(波長)の各検出スペクトル値(各波数での吸収度)を
上記の左辺に代入した複数の式を連立式とし、全連立式
を同時に満す各成分の量対応係数を算出し、算出した係
数を成分含有量に変換する。
【0004】前記従来技術では、電磁鋼脱炭焼鈍板酸化
層中の酸化物の赤外反射吸収スペクトルの測定は一般的
なFT−IR法を用いて行うので、オフラインでの測定
が前提とされている。FT−IR法では、サンプル台に
標準ミラ−を置き標準ミラ−のスペクトルを測定し、次
にサンプル台に分析対象(サンプル)を置きサンプルの
スペクトルを測定する。その後サンプルのスペクトルを
標準ミラ−のスペクトルで補正する事によりサンプルの
反射スペクトルを得る。電磁鋼脱炭焼鈍板では高感度反
射吸収スペクトルを測定する。サンプルは静止している
ので、測定に時間的制約はなく必要な精度が得られるま
で長時間の測定が可能である。また、FT−IR装置で
は、除振台の上に設置できるので、光学系の設計は比較
的簡単である。故に測定の精度を高くすることは容易で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがオンラインで
連続的に測定するためには、電磁鋼脱炭焼鈍ラインでは
鋼板が移動(例えば100m/分程度)しているので、
所要波数(複数)の赤外吸収スペクトル(吸光度)を数
秒程度以下で測定する必要がある。すなわち、オフライ
ンの場合よりも高速で測定する必要があり、所要波数の
赤外吸収スペクトルを実質上同時に測定するのが好まし
い。
【0006】また、電磁鋼脱炭焼鈍ラインでは移動鋼板
が振動し赤外光の反射する位置や角度が変化し反射光の
光路がずれるので、光路変動の影響を受けにくくする対
策が必要である。さらに、電磁鋼の製造現場は振動があ
り実験室のように環境が良くないので、分析装置、特に
光学系は、耐環境性の高いものでなければならない。通
常用いられている従来のFT−IR法では、十分な精度
を得るためには測定に3分程度以上を要する。また、干
渉計を走査することによってインターフェログラムを測
定しそのインターフェログラムをフーリエ変換して赤外
スペクトルを得ているので、測定中の光路変動や光路変
動による受光光量変化はインターフェログラムの形を変
えることになり赤外スペクトルそのものが変わってしま
うことになる。さらに、干渉計のような精密可動部を備
えたものは、耐久性が悪く、振動対策が施されていない
製造現場には適さない。つまり、従来のFT−IR法で
は干渉計を走査する必要があるために、オンラインでの
連続測定には適しておらず、実際にはオンラインでの使
用は不可能であった。
【0007】本発明は、連続的に移動する物体の分光分
析を連続的に行なうことを第1の目的とし、短時間で複
数波数の光吸収スペクトルを得ることを第2の目的と
し、幅方向の複数点の分光分析を連続的に行なうことを
第3の目的とし、比較的にコンパクトな機構にて複数波
数の光吸収スペクトルを得ることを第4の目的とし、移
動物体の移動方向と直交する幅方向の複数点の分光分析
を連続的に行なうことを第5の目的とし、オンラインで
連続的に電磁鋼脱炭焼鈍板酸化層中の酸化物を赤外反射
吸収法を用いて定量的に測定することを第6の目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)に赤外光を投射する投光手
段(5〜7,10,12,19〜21);電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)表面で
反射された赤外光を強度分割して複数の光路に分配する
複数の赤外光分割手段(A1〜A5,B1,B2)を含む光分配手
段(22〜24,A1〜A5,B1,B2);赤外光分割手段によって分
割された赤外光を分光する赤外フィルタ(48)と該フィル
タを透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手
段(50)を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに
配置された、複数の分光検出手段(C1〜C8);各分光検出
手段(C1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに変換する光
強度計測手段(80,90);および、前記光レベルデ−タに
基づいて電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物を構成する成分を定
量的に求めるデ−タ処理手段(90);を備える、電磁鋼脱
炭焼鈍板の酸化物の分光分析装置。
【0009】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の符号を、参考までに付記した。
【0010】この分光分析装置によれば、電磁鋼脱炭焼
鈍板表面からの反射赤外光を赤外光分割手段(A1〜A5,B
1,B2)が分割し、分割された各々の赤外光を赤外フィル
タ(48)が分光し、分光した各々の赤外光を各々の光電変
換手段(50)が検出し、検出した各々の赤外光信号を光強
度計測手段(80,90)が光レベルデ−タに変換し、デ−タ
処理手段(90)が、光レベルデ−タに基づいて、電磁鋼脱
炭焼鈍板酸化層中の酸化物を構成する成分を定量的に求
める。
【0011】FT−IR法のように干渉計を走査する必
要がなく直接赤外スペクトルを得ることができるので、
短時間で複数波数の光吸収スペクトルを得ることが出
来、オンラインで連続的に電磁鋼脱炭焼鈍板酸化層中の
酸化物を赤外反射吸収法を用いて定量的に測定すること
が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(2)投光手段(5〜7,10,12,19〜21)は、赤外光を放射
する光源(5)および該光源が発生した赤外光を直線偏光
にする直線偏光手段(10)を含む;上記(1)の、電磁鋼
脱炭焼鈍板の酸化物の分光分析装置。
【0013】金属面に照射された光は金属内の自由電子
の作用により180°の位相飛びをもって反射するた
め、高感度反射法では、赤外光の電場ベクトルの振動方
向つまり偏光方向が入射面に垂直な場合つまり垂直偏光
(P偏光)の場合は入射光の電場ベクトルと反射光の電場
ベクトルが金属面で強め合い金属表面に垂直な定常振動
電場をつくるので高感度で金属面上に存在する薄膜を検
出し、赤外光の電場ベクトルの振動方向つまり偏光方向
が入射面に平行な場合つまり平行偏光(S偏光)の場合は
入射光の電場ベクトルと反射光の電場ベクトルが金属面
で相殺し合い金属表面に定常波はほとんど観測されない
ので金属面上に存在する薄膜を検出しない。
【0014】したがって、投光手段(5〜7,10,12,19〜2
1)からの無偏光の赤外光をそのまま電磁鋼脱炭焼鈍板表
面入射させて測定した場合には、垂直(P偏光)成分につ
いては電磁鋼脱炭焼鈍板表面の酸化層中の酸化物を検出
し、平行(S偏向)成分については電磁鋼脱炭焼鈍板表面
の酸化層中の酸化物を検出しないことになる。
【0015】一方、投光手段(5〜7,10,12,19〜21)から
の無偏光の赤外光を直線偏光手段(10)によって入射面に
対して垂直な電場ベクトルを有する赤外光(P偏向)にし
てから電磁鋼脱炭焼鈍板表面に入射させて測定した場合
には、入射した赤外光すべてが電磁鋼脱炭焼鈍板表面の
酸化層中の酸化物を検出することになる。したがって、
P偏向は無偏向に比ベ、全赤外光強度に対する電磁鋼脱
炭焼鈍板表面の酸化層中の酸化物の信号強度が約2倍に
なるので、直線偏光手段(10)を設けることによって、よ
り高感度で測定することが可能である。
【0016】なお、上記のことから直線偏光手段(10)が
ない場合でも電磁鋼脱炭焼鈍板表面の酸化層中の酸化物
を測定できることは明らかである。
【0017】(3)投光手段(5〜7,10,12,19〜21)は、
電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)の表面(xy平面)に対して80°以
上の入射角で赤外光を電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)に投射する
投光側対物ミラ−(20)を含み;光分配手段(22〜24,A1〜
A5,B1,B2)は、投光側対物ミラ−(20)が電磁鋼脱炭焼鈍
板(OP)に投射しそれが反射した反射角80°以上の赤外
光を反射する受光側対物ミラ−(23)を含む;上記(1)
又は(2)の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分光分析装
置。
【0018】(4)投光手段(5〜7,10,12,19〜21)は、
電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)の表面(xy平面)に対して平行な赤
外光を、該表面と直交する方向(z)に反射する投光側方
向変換ミラ−(19)、および、該ミラ−(19)が反射した赤
外光を電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)に投射する投光側対物ミラ
−(20)を含み;光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)は、
投光側対物ミラ−(20)が電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)に投射し
それが反射した赤外光を電磁鋼脱炭焼鈍板(OP)の表面と
直交する方向(z)に反射する受光側対物ミラ−(23)、お
よび、このミラ−(23)が反射した赤外光を電磁鋼脱炭焼
鈍板(OP)の表面に対して平行な方向に反射する受光側方
向変換ミラ−(24)を含む;上記(1)又は(2)の、電
磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分光分析装置。
【0019】電磁鋼脱炭焼鈍板表面の酸化層中の酸化物
のような金属面上に存在する薄膜の赤外スペクトルを測
定する場合、通常の0°に近い入射角を用いた反射法に
よる測定では、感度が低く解析に耐えるスペクトルが得
られないことが多いので、大きい入射角で入射させる正
反射法つまり高感度反射法の配置で測定することによっ
て感度を著しく向上させることができる。
【0020】投光手段(5〜7,10,12,19〜21)からの無偏
光の赤外光を直線偏光手段(10)によって入射面に対して
平行な電場ベクトルを有する赤外光にし、その赤外光を
高感度反射法の配置つまり電磁鋼脱炭焼鈍板表面の法線
方向に対して大きな角度例えば70〜85°程度(後述
の実施例では80°)で入射させることにより、電磁鋼脱
炭焼鈍板表面の酸化層中の酸化物の振動スペクトルを高
感度で検出できる。
【0021】例えば入射角が80°の場合、焼鈍板表面
に対して入射光は10°の投射角度となり、焼鈍板表面
に対する受光角も10°(投射角度の角度基線からみる
と、180°−10°=170°)となるが、この投射
角度の方向に投光手段(5〜7,10,12,19〜21)を配列し、
受光角の方向に光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)およ
び分光検出手段(C1〜C8)を配列すると、これらを装備す
る基台(1)の、焼鈍板搬送ラインへの設置が難かしくな
る。この(3)項では、投光側方向変換ミラ−(19),投
光側対物ミラ−(20),受光側対物ミラ−(23)および受光
側方向変換ミラ−(24)で、U形の入射/反射光路を形成
しているので、投,受光側対物ミラ−(20,23)のみを、
投,受光角が10°になるように焼鈍板表面に極く近い
距離に配置し、他の光学要素は焼鈍板表面からかなり離
れた位置に配置することができ、光学要素を装備する基
台(1)を、焼鈍板搬送ラインに容易に設置しうる。ま
た、投光側方向変換ミラ−(19),投光側対物ミラ−(2
0),受光側対物ミラ−(23)および受光側方向変換ミラ−
(24)、もしくは基台(1)をx方向に駆動して、焼鈍板の
幅方向(移動方向yと直交するx方向)の数点又は全幅
を、サンプリングする形で又は走査する形で、連続的に
計測することが可能となる。
【0022】(5)複数の分光検出手段(C1〜C8)は、電
磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物によって実質上吸収のない3つ
以上の波数の赤外光のそれぞれを検知する3以上の第1
グル−プの分光検出手段(C1,C2,C8)、および、電磁鋼脱
炭焼鈍板の、少くとも分析対象の酸化物の種類数に対応
する数の、各酸化物によって実質上吸収のある波数の赤
外光のそれぞれを検知する第2グル−プの分光検出手段
(C3〜C7)を含み;デ−タ処理手段(90)は、第1グル−プ
の分光検出手段(C1,C2,C8)が検知した光レベルに基づい
て電磁鋼脱炭焼鈍板の、分析対象の酸化物が存在しない
とした分光スペクトルすなわちベ−スラインを算出し、
このベ−スラインと第2グル−プの分光検出手段(C3〜C
7)が検知した光レベルに基づいて第2グル−プの分光検
出手段(C3〜C7)が検知する波数に対する電磁鋼脱炭焼鈍
板の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて分析対
象の酸化物の種類それぞれの量を算出する;上記
(1),(2),(3)又は(4)の、電磁鋼脱炭焼鈍
板の酸化物の分光分析装置。
【0023】(6)複数の分光検出手段(C1〜C8)は、電
磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物によって実質上吸収のない3つ
以上の波数の赤外光のそれぞれを検知する3以上の第1
グル−プの分光検出手段(C1,C2,C8)、および、電磁鋼脱
炭焼鈍板の、少くとも分析対象の酸化物の種類数に対応
する数以上の、各酸化物によって実質上吸収のある波数
の赤外光のそれぞれを検知する第2グル−プの分光検出
手段(C3〜C7)、を含み;第1グル−プの分光検出手段(C
1,C2,C8)の赤外フィルタの半値全幅は150(1/cm)以下、
第2グル−プの分光検出手段(C3〜C7)の赤外フィルタの
半値全幅は100(1/cm)以下である;上記(1),
(2),(3),(4)又は(5)の、電磁鋼脱炭焼鈍
板の酸化物の分光分析装置。
【0024】(7)複数の分光検出手段(C1〜C8)は、電
磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物によって実質上吸収のない3つ
以上の波数の赤外光のそれぞれを検知する3以上の第1
グル−プの分光検出手段(C1,C2,C8)、および、電磁鋼脱
炭焼鈍板の、少くとも分析対象の酸化物の種類数に対応
する数以上の、各酸化物によって実質上吸収のある波数
の赤外光のそれぞれを検知する第2グル−プの分光検出
手段(C3〜C7)を含み;第2グル−プの分光検出手段(C3
〜C7)の赤外フィルタの中心付近の波数は、分析対象の
酸化物が赤外線を吸収する波数領域内の、赤外反射吸収
スペクトルの隣り合う山と谷の波数の中間付近の波数で
ある;上記(1),(2),(3),(4),(5)又
は(6)の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分光分析装
置。
【0025】(8)複数の分光検出手段(C1〜C8)は、電
磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物によって実質上吸収のない3つ
以上の波数(1900/cm,1350/cm,800/cm; i=1,2,8)の赤外
光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光検
出手段(C1,C2,C8)と、内部酸化層がSiO2で外部酸化
層が(Fe,Mn)2SiO4の酸化物によって実質上吸
収のある波数(965/cm; i=6)の赤外光を検知する分光検
出手段(C6),内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(F
e,Mn)SiO3の酸化物によって実質上吸収のある
波数(1135/cm; i=4)の赤外光を検知する分光検出手段(C
4)、および、内部酸化層がSiO2で外部酸化層もSi
2の酸化物によって実質上吸収のある波数(1225/cm; i
=3)の赤外光を検知する分光検出手段(C3)、を含む第2
グル−プの分光検出手段(C3〜C7)と、を含み;デ−タ処
理手段(90)は、第1グル−プの分光検出手段(C1,C2,C8)
が検知した光レベルに基づいて電磁鋼脱炭焼鈍板の、分
析対象の酸化物が存在しないとした分光スペクトルすな
わちベ−スラインを算出し、このベ−スラインと第2グ
ル−プの分光検出手段(C3〜C7)が検知した光レベルに基
づいて第2グル−プの分光検出手段が検知する波数(i=7
〜3)に対する電磁鋼脱炭焼鈍板の吸光度Gi(i=7〜3)を
算出し、算出した吸光度Gi(i=7〜3)と、メモリに格納
している、内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(F
e,Mn)2SiO4の酸化物の吸光度デ−タq4i’(i
=7〜3),内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,
Mn)SiO3の酸化物の吸光度デ−タq2i’(i=7〜
3)、および、内部酸化層がSiO2で外部酸化層もSi
2の酸化物の吸光度デ−タq1i’(i=7〜3)、とに基
づいて、 Gi=P1’・q1i’+P2’・q2i’+P4’・
q4i’ なる関係を満すパラメ−タP1’,P2’およびP4’
の値を算出し、算出したP1’,P2’およびP4’の
値に基づいて酸化物量又は酸素量を算出する;上記
(1),(2),(3),(4),(5),(6)又は
(7)記載の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分光分析装
置。
【0026】(9)複数の分光検出手段(C1〜C8)は、電
磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物によって実質上吸収のない3つ
以上の波数(1900/cm,1350/cm,800/cm; i=1,2,8)の赤外
光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光検
出手段(C1,C2,C8)と、内部酸化層がSiO2で外部酸化
層が(Fe,Mn)2SiO4の酸化物によって実質上吸
収のある波数(965/cm; i=6)の赤外光を検知する分光検
出手段(C6),内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(F
e,Mn)SiO3−Iの酸化物によって実質上吸収の
ある波数(1135/cm; i=4)の赤外光を検知する分光検出手
段(C4), 内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(F
e,Mn)SiO3−IIの酸化物によって実質上吸収の
ある波数(1050/cm; i=5)の赤外光を検知する分光検出手
段(C5)、および、内部酸化層がSiO2で外部酸化層も
SiO2の酸化物によって実質上吸収のある波数(1225/c
m; i=3)の赤外光を検知する分光検出手段(C3)、を含む
第2グル−プの分光検出手段(C3〜C7)と、を含み;デ−
タ処理手段(90)は、第1グル−プの分光検出手段(C1,C
2,C8)が検知した光レベルに基づいて電磁鋼脱炭焼鈍板
の、分析対象の酸化物が存在しないとした分光スペクト
ルすなわちベ−スラインを算出し、このベ−スラインと
第2グル−プの分光検出手段(C3〜C7)が検知した光レベ
ルに基づいて第2グル−プの分光検出手段が検知する波
数(i=7,6,5,4,3)に対する電磁鋼脱炭焼鈍板の吸光度G
i(i=7,6,5,4,3)を算出し、算出した吸光度Gi(i=7,6,
5,4,3)と、メモリに格納している、内部酸化層がSiO
2で外部酸化層が(Fe,Mn)2SiO4の酸化物の吸
光度デ−タq4i(i=7,6,5,4,3),内部酸化層がSiO2
で外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−Iの酸化物の
吸光度デ−タq2i(i=7,6,5,4,3),内部酸化層がSi
2で外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−IIの酸化物
の吸光度デ−タq3i(i=7,6,5,4,3)、および、内部酸
化層がSiO2で外部酸化層もSiO2の酸化物の吸光度
デ−タq1i(i=7,6,5,4,3)、とに基づいて、 Gi=P1・q1i+P2・q2i+P3・q3i+P
4・q4i なる関係を満すパラメ−タP1,P2,P3およびP4
の値を算出し、算出したP1,P2,P3およびP4の
値に基づいて酸化物量又は酸素量を算出する;上記
(1),(2),(3),(4),(5),(6)又は
(7)の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分光分析装置。
【0027】上記(4)〜(8)の作用,効果をここで
まとめて説明する。オフライン計測を前提としたFT−
IR法では連続的なスペクトルが得られるのに対して、
オンライン計測が可能なフィルター分光法では、いくつ
かの特定の半値全幅をもつ特定の中心波数における赤外
光強度を測定することによってスペクトルを得るので離
散的なスペクトルしか得ることしかできない。さらに、
実際の装置の大きさや製作可能な赤外フィルタ特性を考
慮すると、離散スペクトルの測定点の数には制限が生じ
るので、十分な精度で酸化物を定量するためには、離散
スペクトルの測定点の数及び各測定点の中心波数と半値
全幅を検討して最適化する必要がある。電磁鋼脱炭焼鈍
板酸化層中の酸化物の主要な赤外吸収スペクトルは13
50(1/cm)付近から800(1/cm)付近に分
布しており、電磁鋼脱炭焼鈍板酸化層中の酸化物等の吸
収がない波数においても、スペクトル強度は100%以
下で一定になっていない。したがって電磁鋼脱炭焼鈍板
酸化層中の酸化物を定量測定するためには、まず赤外吸
収スペクトルにおいて電磁鋼脱炭焼鈍板酸化層中の酸化
物等の吸収がないときの基準となるスペクトルつまりベ
ースラインを求める必要がある。
【0028】特開平8−246053号公報によると、
ベースラインを、通常取り扱う電磁鋼脱炭焼鈍板は錆等
の汚れがない清浄な状態で原理的に赤外吸収スペクトル
は現れない3点を通る放物線で近似している。したがっ
て、フィルタ分光法で測定された離散スペクトルにおい
てもベースラインを求める必要があり、ベースラインを
放物線で近似するためには少なくとも電磁鋼脱炭焼鈍板
酸化層中の酸化物等の吸収がない3つの波数について赤
外光強度を測定する必要がある。
【0029】電磁鋼脱炭焼鈍板の内部酸化層にSiO2
を有し外部酸化層が(Fe,Mn)2SiO4であり、焼
鈍板の酸化層がこの成分のみであるときの焼鈍板の赤外
吸収スペクトル(以下スペクトルAとする)は、図22
に示すように、波数985(1/cm)付近に吸収ピ−
クを有する。
【0030】電磁鋼脱炭焼鈍板の内部酸化層にSiO2
を有し外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−Iであ
り、焼鈍板の酸化層がこの成分のみであるときの焼鈍板
の赤外吸収スペクトル(以下スペクトルBとする)は、
図23に示すように、波数1115(1/cm)付近に
吸収ピ−クを有する。
【0031】電磁鋼脱炭焼鈍板の内部酸化層にSiO2
を有し外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−IIであ
り、焼鈍板の酸化層がこの成分のみであるときの焼鈍板
の赤外吸収スペクトル(以下スペクトルB’とする)は、
図24に示すように、波数1070(1/cm)付近に
吸収ピ−クを有する。
【0032】(Fe,Mn)SiO3−Iと(Fe,M
n)SiO3−IIの違いは、おそらく焼成温度及び雰囲
気条件等のわずかな差に起因する格子歪みや欠陥による
格子振動の周波数のずれや結晶方位分布の違いによる赤
外スペクトルの差と考えられる。同じ成分であるが2種
類のスペクトルと考えた方が各成分の量が正しく測定で
きる。
【0033】電磁鋼脱炭焼鈍板の内部酸化層にSiO2
を有し外部酸化層がSiO2であり、焼鈍板の酸化層が
この成分のみであるときの焼鈍板の赤外吸収スペクトル
(以下スペクトルCとする)は、図25に示すように、
1245(1/cm)付近に吸収ピ−クを有する。
【0034】なお、スペクトルBおよびB’が共に含ま
れる場合すなわち基本のスペクトルを4つ(A,B,
B’,C)含む場合と、B’が含まれない場合すなわち
基本スペクトルを3つ(A,B,C)含む場合で、基本
スペクトルの反射赤外光強度が異なる。上述の図22〜
図25の基本スペクトルは、基本のスペクトルを4つ
(A,B,B’,C)含む場合のものである。
【0035】電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化層は、実際には、
上述の成分の組合せであるので、その赤外吸収スペクト
ルは、上記スペクトルA,B,B’,Cの合成であり、
例えば図27に示す吸収スペクトルとなる。なお、図2
7のグラフ(実線)は、測定した赤外吸収スペクトル
を、金の赤外吸収スペクトルで補正したものである。す
なわち、測定した赤外吸収スペトルの反射強度の、金の
赤外吸収スペクトルの反射強度に対する強度比を示すも
のである。金の赤外吸収スペクトルを図26に示す。
【0036】赤外光の吸収がない(上述の酸化物が無
い)場合には、上述の強度比は図27に2点鎖線で示す
滑らかな曲線となる。これがベ−スライン(基準スペク
トル)である。波数1350(1/cm)付近から80
0(1/cm)の領域の凹凸がある実線が、上記の各種
酸化物によって赤外光が吸収された結果のものである。
図27に示すベ−スラインは、赤外吸収が実質上ない少
くとも3点の波数(i=1,2,8の位置の波数)の反
射強度比(図27上で反射率%)に基づいて求めること
ができる。
【0037】これらの波数の強度比を求めるために、上
記(4)〜(8)においては、第1グル−プの分光検出
手段(C1,C2,C8)が備えられ、これらが、電磁鋼脱炭焼鈍
板の酸化物によって実質上吸収のない3つ以上の波数(1
900/cm,1350/cm,800/cm; i=1,2,8)の赤外光のそれぞれ
を検知する。そして、デ−タ処理手段(90)が、それらの
検出信号に基づいてベ−スラインを算出する。
【0038】後述の実施例では、ベ−スラインを Ei=a0+a1・Xi+a2・Xi2 ・・・(1) Ei:波数Xiの反射強度比(測定値) i:波数表示値,i=1,2,8 Xi:波数;X1=1900/cm,X2=1350/cm,X8=80
0/cm と、放物線関数で近似し、次の(2)式の行列式を解い
て、係数a0〜a2を算出する。すなわちベ−スライン
を表わす関数を特定する。
【0039】
【数2】
【0040】図27に示す波数1350(1/cm)付
近から800(1/cm)の赤外吸収領域の凹凸がある
実線が、酸化層の各成分の赤外吸収によって現われたも
のであり、上述のスペクトルA,B,B’,Cを合成し
たものに相当する。この合成を、 Gi=P1・q1i+P2・q2i+P3・q3i+P4・q4i ・・・(3) Gi:赤外吸収領域の吸光度、 i:波数対応値、i=7,6,5,4,3, P1:測定対象酸化層中の、内部酸化層がSiO2で外
部酸化層もSiO2の酸化物の吸光寄与の重み(該酸化物
の量対応の係数), q1i:スペクトルC相当の吸光度スペクトル(内部酸
化層がSiO2で外部酸化層もSiO2の酸化物の吸光度
デ−タ:メモリにある既知量), P2:測定対象酸化層中の、内部酸化層がSiO2で外
部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−Iの酸化物の吸光
寄与の重み(該酸化物の量対応の係数), q2i:スペクトルB相当の吸光度スペクトル(内部酸
化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3
Iの酸化物の吸光度デ−タ:メモリにある既知量), P3:測定対象酸化層中の、内部酸化層がSiO2で外
部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−IIの酸化物の吸光
寄与の重み(該酸化物の量対応の係数), q3i:スペクトルB’相当の吸光度スペクトル(内部
酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3
−IIの酸化物の吸光度デ−タ:メモリにある既知量), P4:測定対象酸化層中の、内部酸化層がSiO2で外
部酸化層が(Fe,Mn)2SiO4の酸化物の吸光寄与
の重み(該酸化物の量対応の係数), q4i:スペクトルA相当の吸光度スペクトル(内部酸
化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)2SiO4
の酸化物の吸光度デ−タ:メモリにある既知量)、 と表わし、第2グル−プの分光検出手段を、内部酸化層
がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)2SiO4の酸
化物によって実質上吸収のある波数(965/cm; i=6)の赤
外光を検知する分光検出手段(C6),内部酸化層がSiO
2で外部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−Iの酸化物に
よって実質上吸収のある波数(1135/cm; i=4)の赤外光を
検知する分光検出手段(C4),内部酸化層がSiO2で外
部酸化層が(Fe,Mn)SiO3−IIの酸化物によっ
て実質上吸収のある波数(1050/cm; i=5)の赤外光を検知
する分光検出手段(C5)、および、内部酸化層がSiO2
で外部酸化層もSiO2の酸化物によって実質上吸収の
ある波数(1225/cm; i=3)の赤外光を検知する分光検出手
段(C3)、を含むものとすると、デ−タ処理手段(90)は、
第2グル−プの分光検出手段(C3〜C7)が検知した光レベ
ルと、上記算出したベ−スラインに基づいて、第2グル
−プの分光検出手段が検知する波数(i=7,6,5,4,3)に対
する電磁鋼脱炭焼鈍板の吸光度Gi(i=7,6,5,4,3)を算
出し、算出した吸光度Gi(i=7,6,5,4,3)と上記(3)式に
基づいて、上記(3)式を満すパラメ−タP1,P2,P
3およびP4の値を算出し、算出したP1,P2,P3
およびP4の値に基づいて酸化物量又は酸素量を算出す
る。
【0041】具体的には後述の実施例では、パラメ−タ
P1,P2,P3およびP4の算出に、最小二乗法を用
いる。すなわち、次の(4)式に基づいて、パラメ−タP
1,P2,P3およびP4を算出する。
【0042】
【数4】
【0043】以上により、電磁鋼脱炭焼鈍板酸化層中の
酸化物を、脱炭焼鈍ライン上でオンライン測定すること
ができる。
【0044】なお、赤外フィルタを用いて赤外スペクト
ルを分光して分光した赤外光強度を測定する場合、スペ
クトルの山又は谷付近の波数において赤外光強度を測定
すると測定した赤外光強度の誤差が大きくなるが、スペ
クトルの隣り合う山と谷の中間付近の波数において赤外
光強度を測定すると測定誤差が小さい。上記(7)は、
この、測定誤差が小さい測定を行なうものである。
【0045】(10)少くとも、投光手段(5〜7,10,12,
19〜21),光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)および分光
検出手段(C1〜C8)を、脱炭焼鈍炉を出た電磁鋼脱炭焼鈍
板が100°C以下の温度である位置に配設した;上記
(1),(2),(3),(4),(5),(6),
(7),(8)又は(9)の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化
物の分光分析装置。
【0046】脱炭焼鈍ラインの脱炭焼鈍炉を出た直後の
焼鈍板は数百°Cと高温であり、高温の場合、焼鈍板の
熱輻射が大きい。すなわち分光分析装置に対するノイズ
(熱輻射赤外線)が高い。焼鈍板が100°C以下の場所
に分光分析装置を配設することにより、このノイズが低
く、測定精度が高い。
【0047】(11)分析対象材(OP)に光を投射する投
光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材の反射光を複
数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B
2); 分析対象材によって実質上吸収のない3つ以上の
波数の光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの
分光検出手段(C1,C2,C8);分析対象材の、少くとも分析
対象成分の種類数の、各成分によって実質上吸収のある
波数の光のそれぞれを検知する第2グル−プの分光検出
手段(C3〜C7);前記投光手段(5〜7,10,12,19〜21)から
光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)までの光路に介挿さ
れ、分析対象材があるべき位置に一時的に配置される、
前記波数のすべてに対して吸収がない標準ミラ−(金ミ
ラ−);分析対象材に関して第1グル−プの分光検出手
段(C1,C2,C8)が検知した光レベルを、標準ミラ−(金ミ
ラ−)に関して検知した光レベルに基づいて補正し、補
正した光レベルに基づいて分析対象材の、分析対象成分
が存在しないとした分光スペクトルすなわちベ−スライ
ンを算出し、このベ−スラインと第2グル−プの分光検
出手段(C3〜C7)が検知した光レベルを、標準ミラ−に関
して検知した光レベルに基づいて補正し、補正した光レ
ベルに基づいて第2グル−プの分光検出手段(C3〜C7)が
検知する波数に対する分析対象材の吸光度を算出し、算
出した吸光度に基づいて分析対象成分の量を算出するデ
−タ処理手段(90);および、分光検出手段が正しく動作
しているかのチェックのために、前記投光手段から前記
光分配手段までの光路に前記標準ミラ−と共に介挿され
る、分光検出手段の波数域で透過率の変化の仕方がゆる
やかな、透過率が既知である透過フィルタ;を備える分
光分析装置。
【0048】前記透過フィルタは、定期的な保守作業
で、各分光検出手段が正しく動作しているかをチェック
するときに用いるものである。各分光検出手段の各波数
での透過率が既知のフィルタを標準ミラ−(金ミラ−)
の反射強度測定光路に介挿して各分光検出手段が検知し
た光レベルを、前記透過フィルタを介挿していないとき
の標準ミラ−(金ミラ−)の光レベルと比較することに
より、分光分析装置が正常に動作しているかのチェック
ができる。
【0049】本発明の分光分析装置では、反射測定を行
なうので、反射率が既知の物質を分析対象材の測定位置
に置けばチェックはできるが、各分光検出手段の波数域
に適当な反射率で既知のものが無い事と、物質の表面は
酸化等の作用を受けて時間と共に信頼性が無くなり、校
正が難かしくなる。したがって上述のように、標準ミラ
−と透過フィルタを用いて、各分光検出手段を校正する
ためのチェックを行なう。透過フィルタは、Si(シリ
コン)やZnSe(セレン化亜鉛)等の、赤外材料と呼
ばれる材質又は、透過率の変化の仕方がゆるやかな赤外
フィルタである。これらの物質は、電磁鋼脱炭焼鈍板の
酸化物の吸光波数域の各測定点でのフィルタの波数幅の
範囲内でほぼ一定の透過率を持っており、このフィルタ
と金ミラ−(標準ミラ−)がある場合の受光レベルを金
ミラ−のみの受光レベルで割り算して、各波数で所定の
受光レベルが得られるかどうかを調べて各分光検出手段
の校正を行なうことができる。保守でない通常の測定時
すなわち分析対象材の計測のときには、前記透過フィル
タは外しておく。
【0050】(12)分析対象材(OP)に光を投射する投
光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材に光を投射す
るための投光開口を有し、投光手段(5〜7,10,12,19〜2
1)を囲むケ−シング(Ct);前記投光開口を閉じる、第1
および第2グル−プの分光検出手段の波数域より低い波
数域をカットする投光側フィルタ(21);分析対象材(O
P)が反射した光を通すための受光開口を有し、光分配手
段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)を囲むケ−シング(Cr);前記
受光開口を閉じる、第1および第2グル−プの分光検出
手段の波数域より低い波数域をカットする受光側フィル
タ(22);該受光側フィルタを通った分析対象材の反射光
を複数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,
B2);分析対象材によって実質上吸収のない3つ以上の
波数の光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの
分光検出手段(C1,C2,C8);分析対象材の、少くとも分析
対象成分の種類数の、各成分によって実質上吸収のある
波数の光のそれぞれを検知する第2グル−プの分光検出
手段(C3〜C7);および、第1グル−プの分光検出手段(C
1,C2,C8)が検知した光レベルに基づいて分析対象材の、
分析対象成分が存在しないとした分光スペクトルすなわ
ちベ−スラインを算出し、このベ−スラインと第2グル
−プの分光検出手段(C3〜C7)が検知した光レベルに基づ
いて第2グル−プの分光検出手段(C3〜C7)が検知する波
数に対する分析対象材の吸光度を算出し、算出した吸光
度に基づいて分析対象成分の量を算出するデ−タ処理手
段(90);を備える分光分析装置。
【0051】測定光の減衰や光学要素の汚れを防ぐため
に、光路を外部環境から極力分離又は遮断するのが好ま
しく、ケ−シング(Ct),(Cr)がこれに貢献する。このよ
うにケ−シングを備える場合、測定光が透過する窓が必
要であるが、窓材は小さいながらも測定光を反射又は吸
収するが、投,受光側フィルタ(21,22)を窓材に兼用し
ているので、別途の窓材付加はなく、その分測定光の反
射又は吸収が少い。
【0052】(13)赤外光を放射する光源および該光
源が発生した赤外光を直線偏光にする直線偏光手段を含
む、分析対象材(OP)に光を投射する投光手段(5〜7,10,1
2,19〜21);入射角が15°以上30°以下の、入射光
のうち特定波数より小さい波数を通して第1出射光とし
大きい波数を反射する2色フィルタ(43)、および、該2
色フィルタ(43)が反射した光を反射して第2出射光とす
るミラ−(46)を有する光分配器(A5)、を含む、分析対象
材の反射光を複数の光路に分配する光分配手段(22〜24,
A1〜A5,B1,B2);異なる波数の光が選択的に透過するフ
ィルタ(48)と該フィルタを透過した光の強度を電気信号
に変換する光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複
数の光路のそれぞれに配置された、複数の分光検出手段
(C1〜C8);各分光検出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベ
ルデ−タに変換する光強度計測回路(80);および、分光
検出手段のそれぞれが検知した光レベルに基づいて分析
対象材(OP)の吸光成分量を算出するデ−タ処理手段(9
0);を備える偏光を利用する分光分析装置。
【0053】2色フィルタ(43)の入射角が大きいと、P
偏光とS偏光の遮断波数及び透過率が異なるので、分析
対象材および又は標準試料のP偏光とS偏光の反射強度
を測定して、分析対象材の光吸収スペクトルを補正する
実施態様においては、たとえ透過率の相違に対する補正
を行なったとしても、P偏光とS偏光の遮断波数の相違
によって生じる、P偏光とS偏光での中心波数及び波数
幅の相違に対する一般的な補正を行なうことはできない
ので、測定精度が低下してしまう。例えば2色フィルタ
(43)の入射角が45°と大きい場合には、図10の
(b)に示すように、P偏光とS偏向の遮断波数が大き
くずれ、透過率も異なるが、例えば入射角を22.5°
と小さくすると、図10の(a)に示すように遮断波数
が実質上同一となり、透過率も実質上同一となるので、
遮断周波数及び透過率の相違に対する測定精度の低下を
防ぐことができる。また、2色フィルタ(43)の入射角が
小さくなり過ぎると、その分だけミラ−(46)の入射角が
大きくなり、ミラ−(46)に大サイズのものが必要とな
る。
【0054】(14)分析対象材(OP)に平行光を投射す
る投光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材の反射光
を複数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,
B2);異なる波数の光が選択的に透過するフィルタ(48)
と該フィルタを透過した光の強度を電気信号に変換する
光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複数の光路の
それぞれに配置された、複数の分光検出手段(C1〜C8);
各分光検出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに
変換する光強度計測回路(80);および、分光検出手段の
それぞれが検知した光レベルに基づいて分析対象材(OP)
の吸光成分量を算出するデ−タ処理手段(90);を備える
正反射法を用いた分光分析装置。
【0055】これによれば、投光手段(5〜7,10,12,19〜
21),光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)および分光検出
手段(C1〜C8)をすべて平行光学系として設計し配列する
ことができ、光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)による
光配分の設計および調整ならびに分光検出手段(C1〜C8)
の検出レベルの調整および校正が容易であり、しかも、
分析対象材(OP)が平行移動した場合でも、光電変換手段
(50)に入射させるための集光位置がほとんどずれないの
で、分析対象材(OP)の平行位置ずれ又は振動による測定
誤差が低減する。
【0056】(15)分光検出手段(C1〜C8)は、前記フ
ィルタ(48)と光電変換手段(50)との間に介挿された集光
レンズ(49)を含み;光電変換手段(50)は、該集光レンズ
(49)の焦点位置よりも所定距離以上前記フィルタ(48)に
近い方向又は遠い方向にずれた位置にある;上記(1
3)又は(14)の分光分析装置。
【0057】これによれば、分析対象材(OP)の変位又は
振動により光電変換手段(50)の光軸に対して分析対象材
(OP)の反射光が平行シフト又は角度変化を生じても、反
射光が光電変換手段(50)から外れる確率が低く、分析対
象材(OP)の位置ずれ又は姿勢ずれによる測定誤差が低減
する。例えば、図12の(b)に示すように、光電変換
素子50が、集光レンズ49の焦点の位置にあるときに
分析対象材(OP)が水平姿勢から傾斜すると、入射角(=
反射角)が基準入射角からずれて、図12の(c)に2
点鎖線で示すように、光電変換素子50の受光レベルが
大幅に低下する。この低下はわずかな姿勢ずれによって
生ずる。ところが、例えば図12の(a)に示すよう
に、光電変換素子50が、集光レンズ49の焦点の位置
より大きくずれた位置にあると、分析対象材(OP)がわず
かに傾斜しても、図12の(c)に実線で示すように、
光電変換素子50の受光レベルの変化は小さく、分析対
象材(OP)に少々の姿勢ずれを生じても、信頼性が高い計
測デ−タを得ることができる。
【0058】(16)各分光検出手段(C1〜C8)のずらし
量は、分光検出手段(C1〜C8)のすべてが、分析対象材(O
P)の変位および姿勢ずれ量に対する受光レベル変化量の
比が実質上同一となるものである上記(15)の分光分
析装置。
【0059】集光レンズ(49)の焦点に対する光電変換手
段(50)のずらし量を、分光検出手段(C1〜C8)のすべて
が、分析対象材(OP)の変位および姿勢ずれ量に対する受
光レベル変化量の比が実質上同一になるように調整する
ことにより、該変位および姿勢ずれによる分光分析計測
値の誤差は大幅に低減し、分光分析が安定する。
【0060】(17)長手方向yに移動する分析対象材
(OP)に幅方向xに光を投射する投光手段(5〜7,10,12,19
〜21);分析対象材のx方向の反射光を複数の光路に分
配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2);異なる波数
の光が選択的に透過するフィルタ(48)と該フィルタを透
過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手段(50)
を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置さ
れた、複数の分光検出手段(C1〜C8);各分光検出手段(C
1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに変換する光強度計
測回路(80);および、分光検出手段のそれぞれが検知し
た光レベルに基づいて分析対象材(OP)の吸光成分量を算
出するデ−タ処理手段(90);を備える分光分析装置。
【0061】長手方向yに移動する分析対象材(OP)の、
振動により生ずる基準面(水平面)に対する角度ずれ
は、長手方向yよりも幅方向xの方が小さい。したがっ
て、分析対象材(OP)に幅方向xに光を投射し、分析対象
材のx方向の反射光を光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B
2)で複数の光路に分配することにより、分析対象材の振
動による計測誤差が小さく、計測の安定性が高い。
【0062】(18)長手方向yの、投光手段(5〜7,1
0,12,19〜21)が投射した光が分析対象材(OP)に当る位置
よりも、移動方向で上流側と下流側に配設され、分析対
象材(OP)を下押えするサポ−トロ−ル(35,36);を更に
備え、投光手段(5〜7,10,12,19〜21)は分析対象材(OP)
の上面に光を投射する;上記(17)の分光分析装置。
【0063】分析対象材(OP)をサポ−トロ−ル(35,36)
で上押えすることにより分析対象材(OP)のz方向の振動
が抑制され、しかも基準面(水平面)に対する角度ずれ
が抑制され、計測誤差が小さく、計測の安定性が高い。
【0064】(19)サポ−トロ−ル(35,36)は、投光
手段(5〜7,10,12,19〜21),光分配手段(22〜24,A1〜A5,
B1,B2)および分光検出手段(C1〜C8)を支持する基台(1)
とは分離した別の架台にて支持した;上記(18)の分
光分析装置。
【0065】サポ−トロ−ル(35,36)に分析対象材(OP)
の振動が伝播するが、サポ−トロ−ル(35,36)が、分光
検出手段(C1〜C8)の基台(1)とは分離しているので、分
析対象材(OP)の振動やサポ−トロ−ル(35,36)の振動が
基台に伝播せず、計測誤差が小さく、計測の安定性が高
い。
【0066】(20)分析対象材(OP)のz方向変位を検
出する手段(32〜34);を更に備え、デ−タ処理手段(90)
は、該z方向変位検出手段(32〜34)が検出する変位が設
定範囲内のときに分光検出手段のそれぞれが検知した光
レベルに基づいて分析対象材(OP)の吸光成分量を算出す
る;上記(17),(18)又は(19)記載の分光分
析装置。
【0067】分析対象材(OP)の変位により計測誤差が大
きくなるが、変位が設定範囲を外れたときの光レベル検
出値は捨てて、変位が設定範囲内のときの光レベル検出
値のみに基づいて成分を算出するので、算出値の信頼性
が高く、計測精度が高い。
【0068】(21)分析対象材(OP)に光を投射する投
光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材の反射光を複
数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B
2); 異なる波数の光が選択的に透過するフィルタ(48)
と該フィルタを透過した光の強度を電気信号に変換する
光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複数の光路の
それぞれに配置された、複数の分光検出手段(C1〜C8);
少くとも前記光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)および
分光検出手段(C1〜C8)を包囲する金属ケ−シング(4);
該金属ケ−シング(4)を冷却するための水冷管(52)およ
び該水冷管(52)に冷却水を供給する冷却装置(54);およ
び、各分光検出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベルデ−
タに変換する光強度計測回路(80);および、分光検出手
段のそれぞれが検知した光レベルに基づいて分析対象材
(OP)の吸光成分量を算出するデ−タ処理手段(90);を備
える分光分析装置。
【0069】物体はほとんどすべて輻射光(ノイズ)を
放射し、物体温度が高いほどノイズが多くなり、これが
分光分析の測定光に対してノイズとなる。ノイズの影響
を受け易い光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)および分
光検出手段(C1〜C8)を金属ケ−シング(4)で包囲し、こ
れを冷却するので、装置外のノイズは金属ケ−シング
(4)が遮断し、金属ケ−シング(4)およびその内部の物
は、冷却によりノイズが低いので、分光分析の測定光に
対してノイズが低くなり、計測精度が高く、計測の安定
性が高い。
【0070】(22)分析対象材(OP)に光を投射する投
光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材の反射光を複
数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B
2); 異なる波数の光が選択的に透過するフィルタ(48)
と該フィルタを透過した光の強度を電気信号に変換する
光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複数の光路の
それぞれに配置された、複数の分光検出手段(C1〜C8);
前記投光手段(5〜7,10,12,19〜21),光分配手段(22〜2
4,A1〜A5,B1,B2)および分光検出手段(C1〜C8)の光路を
囲むケ−シング(4);該ケ−シング(4)内に、前記光の吸
収が実質上ないガスを供給する手段(55〜57);各分光検
出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに変換する
光強度計測回路(80);および、分光検出手段のそれぞれ
が検知した光レベルに基づいて分析対象材(OP)の吸光成
分量を算出するデ−タ処理手段(90);を備える分光分析
装置。
【0071】分光分析の測定光路のゴミや湿気は光を吸
収し、これが測定精度低下の原因となる。測定光路をケ
−シング(4)で囲み、その内部に光の吸収が実質上ない
ガスを供給するのですなわちガスパ−ジするので、測定
光路の光学要素の汚れが防止されかつ湿気による光の減
衰が少く、計測精度が高く維持され、計測の安定性が高
く維持される。また、ガスパ−ジは、冷却効果があり、
ノイズ低減にも寄与する。
【0072】(23)分析対象材(OP)の表面(xy平面)に
光を投射する投光側対物ミラ−(20)を含む投光手段(5〜
7,10,12,19〜21);分析対象材(OP)が反射した光を反射
する受光側対物ミラ−(23)を含み、分析対象材の反射光
を複数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,
B2);投光側対物ミラ−(20),受光側対物ミラ−(23)お
よびそれらの間の光路を囲む部材(25);該部材(25)が囲
む空間に、前記の光の吸収が実質上ないガスを供給する
手段(56,57);異なる波数の光が選択的に透過するフィ
ルタ(48)と該フィルタを透過した光の強度を電気信号に
変換する光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複数
の光路のそれぞれに配置された、複数の分光検出手段(C
1〜C8);各分光検出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベル
デ−タに変換する光強度計測回路(80);および、分光検
出手段のそれぞれが検知した光レベルに基づいて分析対
象材(OP)の吸光成分量を算出するデ−タ処理手段(90);
を備える分光分析装置。
【0073】投,受光側対物ミラ−(20,23)が分析対象
材(OP)にz方向で極く近接して位置するが、部材(25)
が、投,受光側対物ミラ−(20,23)およびそれらの間の
光路を囲むので、該光路が略シ−ルドされる。投,受光
側対物ミラ−(20,23)と分析対象材(OP)の間の測定光路
のゴミや湿気は光を吸収し、これが測定精度低下の原因
となる。測定光路を部材(25)で囲み、その内部に光の吸
収が実質上ないガスを供給するのですなわちガスパ−ジ
するので、投,受光側対物ミラ−(20,23)の汚れが防止
されかつ湿気による光の減衰が少く、計測精度が高く維
持され、計測の安定性が高く維持される。また、ガスパ
−ジは、冷却効果があり、投,受光側対物ミラ−(20,2
3)周りのノイズ低減にも寄与する。
【0074】後述の実施例では部材(25)は可撓性部材で
あり、分析対象材(OP)が振動した場合それが可撓性部材
(25)に当っても疵がつくことがなく、投,受光側対物ミ
ラ−(20,23)への振動伝播を可撓性部材(25)が緩衝し、
投,受光側対物ミラ−(20,23)を保護する。
【0075】(24)水平に設置された光学定盤(1);
該光学定盤(1)に設置され分析対象材(OP)に光を投射す
る投光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材(OP)の反
射光を、複数の光路に分配する、前記光学定盤(1)に設
置された光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2);異なる波
数の光が選択的に透過するフィルタ(48)と該フィルタを
透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手段(5
0)を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置
され前記光学定盤(1)に設置された、複数の分光検出手
段(C1〜C8);各分光検出手段(C1〜C8)の電気信号を光レ
ベルデ−タに変換する光強度計測回路(80);および、分
光検出手段のそれぞれが検知した光レベルに基づいて分
析対象材(OP)の吸光成分量を算出するデ−タ処理手段(9
0);を備える分光分析装置。
【0076】光源部および分光部を1つの光学定盤(1)
に設置しているので、光学定盤(1)を基準に光学系の組
立,調整を行なうことにより、光軸設定,調整が容易に
なる。 (25)xy平面を有し該xy平面に開きz方向に貫通
した開口(2)を有する光学定盤(1);該光学定盤(1)に設
置され前記開口(2)を通して分析対象材(OP)に光を投射
する投光手段(5〜7,10,12,19〜21);前記開口(2)を通っ
た、分析対象材(OP)の反射光を、複数の光路に分配す
る、前記光学定盤(1)に設置された光分配手段(22〜24,A
1〜A5,B1,B2);異なる波数の光が選択的に透過するフィ
ルタ(48)と該フィルタを透過した光の強度を電気信号に
変換する光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複数
の光路のそれぞれに配置され前記光学定盤(1)に設置さ
れた、複数の分光検出手段(C1〜C8);各分光検出手段(C
1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに変換する光強度計
測回路(80);および、分光検出手段のそれぞれが検知し
た光レベルに基づいて分析対象材(OP)の吸光成分量を算
出するデ−タ処理手段(90);を備える分光分析装置。
【0077】光学定盤(1)の開口(2)を通して分析対象材
(OP)に光を投射し、分析対象材(OP)の反射光を開口(2)
を通して光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)で受けるの
で、分析対象材(OP)が連続的に移動する場合、ならび
に、分析対象材(OP)を走査計測する場合でも、分析対象
材(OP)の上方に光学定盤(1)を配置した連続的な計測が
可能であり、また定盤(1)の設置も容易である。
【0078】(26)投光手段(5〜7,10,12,19〜21)
は、光学定盤(1)のxy平面に対して平行な光を、光学
定盤をz方向に貫通する開口(2)を通過する方向(z)に反
射する投光側方向変換ミラ−(19)、および、該ミラ−(1
9)が反射した光を分析対象材(OP)に投射する投光側対物
ミラ−(20)を含み;光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)
は、投光側対物ミラ−(20)が分析対象材(OP)に投射しそ
れが反射した光を光学定盤をz方向に貫通する開口(2)
を通過する方向(z)に反射する受光側対物ミラ−(23)、
および、このミラ−(23)が反射した光を光学定盤(1)の
xy平面に対して平行な方向に反射する受光側方向変換
ミラ−(24)、を含む;上記(25)の分光分析装置。
【0079】すなわち、光学定盤(1)上でその上平面に
平行に投光手段(5〜7,10,12,19〜21)が光を投射し、
投光側方向変換ミラ−(19),投光側対物ミラ−(2
0),受光側対物ミラ−(23)および受光側方向変換ミラ−
(24)で、光学定盤(1)の開口(2)内をz方向に往復するU
形(z方向/x方向/z方向)の入射/反射光路を形成
し、そして光学定盤(1)の上平面に平行に反射光を折っ
て光学定盤(1)の光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)を介
して複数の分光検出手段(C1〜C8)に光を分配する。投,
受光側対物ミラ−(20,23)のみを、投,受光角が例えば
10°になるように分析対象材(OP)に、z方向で極く近
い距離に配置し、他の光学要素は分析対象材表面からz
方向でかなり離れた位置に配置することができ、光学要
素を装備する基台(1)を、分析対象材搬送ラインに容易
に設置しうる。また、投光側方向変換ミラ−(19),投光
側対物ミラ−(20),受光側対物ミラ−(23)および受光側
方向変換ミラ−(24)、もしくは基台(1)をx方向に駆動
して、分析対象材(OP)の幅方向(移動方向yと直交する
x方向)の数点又は全幅を、サンプリングする形で又は
走査する形で、連続的に計測することが可能となる。
【0080】(27)投光手段(5〜7,10,12,19〜21)
は、光を放射する光源(5),該放射光を、x方向に平行
な平行光に整える光源ミラ−(6),該平行光を通す偏光
板(10),該偏光板(10)を通った光を前記開口(2)を通過
する方向(z)に反射する投光側方向変換ミラ−(19)、お
よび、該ミラ−(19)が反射した光をxz面に平行に分析
対象材(OP)に投射する投光側対物ミラ−(20)を含み;光
分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)は、投光側対物ミラ−
(20)が分析対象材(OP)に投射しそれが反射したxz面に
平行な光を前記開口(2)を通過する方向(z)に反射する受
光側対物ミラ−(23),このミラ−(23)が反射した光をx
方向に平行に反射する受光側方向変換ミラ−(24)、およ
び、該受光側方向変換ミラ−(24)が反射した光を複数光
路に分配する光分配器(A1〜A5,B1,B2)、を含む;上記
(25)又は(26)記載の分光分析装置。
【0081】投光手段(5〜7,10,12,19〜21)からの無偏
光の赤外光を直線偏光手段(10)によって入射面に対して
垂直な電場ベクトルを有する赤外光(P偏向)にしてから
電磁鋼脱炭焼鈍板表面に入射させて測定した場合には、
入射した赤外光すべてが電磁鋼脱炭焼鈍板表面の酸化層
中の酸化物を検出することになる。したがって、P偏向
は無偏向に比ベ、全赤外光強度に対する電磁鋼脱炭焼鈍
板表面の酸化層中の酸化物の信号強度が約2倍になるの
で、直線偏光手段(10)を設けることによって、より高感
度で測定することが可能である。
【0082】(28)光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B
2)は、x方向に平行な入射光のうち特定波数より小さい
波数を通して第1出射光とし大きい波数を反射する2色
フィルタ(43)、および、該2色フィルタ(43)が反射した
光を反射してy方向に平行な第2出射光とするミラ−(4
6)を有し、受光側方向変換ミラ−(24)の反射光路上にそ
れぞれの2色フィルタ(43)を置いてシリアルに配列され
た、第1組の複数の光分配器(A1〜A3);および、第1組
の光分配器(A2,A3)の第2出射光のうち特定波数より小
さい波数を通して第1出射光とし大きい波数を反射する
2色フィルタ(43)、および、該2色フィルタ(43)が反射
した光を反射してx方向に平行な第2出射光とするミラ
−(46)を有し、第1組の光分配器(A2,A3)の第2出射光
の光路上にそれぞれの2色フィルタ(43)を置いて配置さ
れた、第2組の複数の光分配器(A4,A5,B1,B2);を備え
る、上記(11),(12),(13),(14),
(15),(16),(17),(20),(21),
(22),(23),(24),(25),(26)又
は(27)の分光分析装置。
【0083】第1組の複数の光分配器(A1〜A3)がx方向
に一列に配列され、第2組の複数の光分配器(A4,A5,B1,
B2)が第1組のものの反射方向に配列され、第1組のも
のと第2組のものとが2次元分布するので、光分配手段
(22〜24,A1〜A5,B1,B2)をコンパクトに設計しうる。
【0084】(29)各光分配器(A1〜A5,B1,B2)の第2
出射光は、同一xy平面上において入射光と直交する、
上記(28)の分光分析装置。
【0085】直交しても入射光と第2出射光の間に干渉
はなく、各光分配器(A1〜A5,B1,B2)を極くコ
ンパクトに設計しうる。しかも、第1組の複数の光分配
器(A1〜A3)がx方向に一列に配列され、第2組の複
数の光分配器(A4,A5,B1,B2)が第1組のものの反射方向
すなわちy方向に配列され、第1組のものと第2組のも
のとがxy平面上に、x方向およびy方向のみに2次元
分布するので、光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)を極
くコンパクトに設計しうる。
【0086】(30)光分配器(A5)は、ユニット基板(4
5)を有し、光分配器(A5)の2色フィルタ(43),,ミラ−
(46)およびユニット基板(45)が一体化され一ユニットで
ある;上記(28)又は(29)記載の分光分析装置。
【0087】該ユニットの一軸を入射光軸に合せ、入射
光軸の方向に該ユニットの位置調整をすることにより、
該ユニットの2色フィルタ(43)およびミラ−(46)が同時
に入射光軸に対して位置決めおよび調整されたことにな
り、光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)の組立ておよび
調整が容易である。
【0088】(31)分析対象材(OP)の移動方向yの、
投光側対物ミラ−(20)および受光側対物ミラ−(23)の直
近位置に配設されx方向に延びる保護ロ−ル(37,38);
を更に備える上記(23),(26),(28),(2
9)又は(30)の分光分析装置。
【0089】投,受光側対物ミラ−(20,23)が分析対象
材(OP)にz方向で極く近接して位置するが、保護ロ−ル
(37,38)が、投,受光側対物ミラ−(20,23)の側面にある
ので、分析対象材(OP)が振動した場合それが保護ロ−ル
(37,38)に当り、投,受光側対物ミラ−(20,23)への衝突
は避けられる。すなわち保護ロ−ル(37,38)が、投,受
光側対物ミラ−(20,23)を保護する。
【0090】(32)x方向の平行光をz方向に反射す
る投光側方向変換ミラ−(19)、および、該ミラ−(19)が
反射した光を分析対象材(OP)の表面に投射する投光側対
物ミラ−(20)を含む投光手段(5〜7,10,12,19〜21);分
析対象材(OP)が反射した光をz方向に反射する受光側対
物ミラ−(23)、および、このミラ−(23)が反射した光を
x方向に反射する受光側方向変換ミラ−(24)を含み、受
光側方向変換ミラ−(24)の反射光を複数の光路に分配す
る光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2);投光側方向変換
ミラ−(19),投光側対物ミラ−(20),受光側対物ミラ−
(23)および受光側方向変換ミラ−(24)を担持し、x方向
に移動可能なx移動キャリッジ(16);x移動キャリッジ
(16)をx方向に往,復駆動するx駆動手段(17,18);異
なる波数の光が選択的に透過するフィルタ(48)と該フィ
ルタを透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換
手段(50)を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれ
に配置された、複数の分光検出手段(C1〜C8);各分光検
出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに変換する
光強度計測回路(80);および、分光検出手段のそれぞれ
が検知した光レベルに基づいて分析対象材(OP)の吸光成
分量を算出するデ−タ処理手段(90);を備える分光分析
装置。
【0091】投光側方向変換ミラ−(19),投光側対物ミ
ラ−(20),受光側対物ミラ−(23)および受光側方向変換
ミラ−(24)で、U形の入射/反射光路を形成しているの
で、投,受光側対物ミラ−(20,23)のみを、分析対象材
に対する投,受光角が例えば10°になるように分析対
象材(OP)に、z方向で極く近い距離に配置し、他の光学
要素は分析対象材表面からz方向でかなり離れた位置に
配置することができ、光学要素を装備する基台(1)を、
分析対象材搬送ラインに容易に設置しうる。
【0092】また、投光側方向変換ミラ−(19),投光側
対物ミラ−(20),受光側対物ミラ−(23)および受光側方
向変換ミラ−(24)を、x方向に移動可能なx移動キャリ
ッジ(16)で支持し、x駆動手段(17,18)が該キャリッジ
(16)をx方向に往,復駆動するので、分析対象材(OP)の
幅方向(移動方向yと直交するx方向)の数点又は全幅
を、サンプリングする形で又は走査する形で、連続的に
計測することが可能である。キャリッジ(16)が担持する
光学要素の数が少いので、キャリッジ(16)を比較的に高
速で走査駆動することができ、また比較的に高精度にx
位置決めすることができる。
【0093】(33)装置は更に、xy平面を有し該x
y平面に開きz方向に貫通した開口(2)を有する光学定
盤(1)を備え;投光手段(5〜7,10,12,19〜21)は、光学定
盤(1)で支持された、光を放射する光源(5),該放射光
を、x方向に平行な平行光に整える光源ミラ−(6)、お
よび、該平行光を通す偏光板(10)を含み、前記投光側方
向変換ミラ−(19)は偏光板(10)を通った平行光を受けて
前記開口(2)を通して投光側対物ミラ−(20)に反射し;
光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)は、前記受光側方向
変換ミラ−(24)が反射したx方向の平行光を複数光路に
分配する、光学定盤(1)で支持された光分配器(A1〜A5,B
1,B2)、を含み、前記受光側対物ミラ−(23)は、光学定
盤(1)の下方の分析対象材(OP)が反射した平行光を受け
て前記開口(2)を通して受光側方向変換ミラ−(24)に反
射する;上記(32)記載の分光分析装置。
【0094】分析対象材(OP)の幅方向(移動方向yと直
交するx方向)の数点又は全幅を、サンプリングする形
で又は走査する形で、連続的に計測することが可能であ
る。x移動キャリッジ(16)に搭載した、投光側方向変換
ミラ−(19),投光側対物ミラ−(20),受光側対物ミラ−
(23)および受光側方向変換ミラ−(24)が、光学定盤(1)
の開口(2)をz方向に往,復するU形の入射/反射光路
を形成しているので、開口(2)部でx移動キャリッジ(1
6)をx方向に移動可に案内することができ、これにより
光学定盤(1)に対するx移動キャリッジ(16)の相対位置
決めを正確にすることができる。投,受光側対物ミラ−
(20,23)のみを、投,受光角が例えば10°になるよう
に分析対象材(OP)に、z方向で極く近い距離に配置し、
他の光学要素は光学定盤(1)にあるので、光学定盤(1)
を、分析対象材搬送ラインに容易に設置しうる。
【0095】(34)分析対象材(OP)に光を投射する投
光手段(5〜7,10,12,19〜21);分析対象材の反射光を複
数の光路に分配する光分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B
2); 異なる波数の光が選択的に透過するフィルタ(48)
と該フィルタを透過した光の強度を電気信号に変換する
光電変換手段(50)を含む、それぞれが前記複数の光路の
それぞれに配置された、複数の分光検出手段(C1〜C8);
投光手段(5〜7,10,12,19〜21),光分配手段(22〜24,A1
〜A5,B1,B2)および分光検出手段(C1〜C8)を担持し、x
方向に移動可能なx移動キャリッジ(1);x移動キャリ
ッジ(1)をx方向に往,復駆動するx駆動手段(17,18);
各分光検出手段(C1〜C8)の電気信号を光レベルデ−タに
変換する光強度計測回路(80);および、分光検出手段の
それぞれが検知した光レベルに基づいて分析対象材(OP)
の吸光成分量を算出するデ−タ処理手段(90);を備える
分光分析装置。
【0096】これによれば、x駆動手段(17,18)がキャ
リッジ(1)をx方向に往,復駆動するので、分析対象材
(OP)の幅方向(移動方向yと直交するx方向)の数点又
は全幅を、サンプリングする形で又は走査する形で、連
続的に計測することが可能である。計測光路上の光学要
素がすべてx移動キャリッジ(1)上にあって位置が固定
であるので、計測光路全長を短く設計することができ
る。
【0097】(35)x移動キャリッジ(1)は開口(2)を
有する光学定盤(1)であり;投光手段(5〜7,10,12,19〜2
1)は、x方向の平行光を前記開口(2)を通過するz方向
に反射する投光側方向変換ミラ−(19)、および、該ミラ
−(19)が反射し前記開口(2)を通過した光を分析対象材
(OP)の表面に投射する投光側対物ミラ−(20)を含み;光
分配手段(22〜24,A1〜A5,B1,B2)は、分析対象材(OP)が
反射した平行光を前記開口(2)を通過するz方向に反射
する受光側対物ミラ−(23)、および、このミラ−(23)が
反射した平行光をx方向に反射する受光側方向変換ミラ
−(24)を含む;上記(34)の分光分析装置。
【0098】投光側方向変換ミラ−(19),投光側対物ミ
ラ−(20),受光側対物ミラ−(23)および受光側方向変換
ミラ−(24)が、x移動キャリッジである光学定盤(1)に
固定され、該定盤(1)の開口(2)をz方向に往,復するU
形の入射/反射光路を形成しているので、投,受光側対
物ミラ−(20,23)のみを、投,受光角が例えば10°に
なるように分析対象材(OP)に、z方向で極く近い距離に
配置して、光学定盤(1)を、分析対象材搬送ラインに、
該ラインを横切る方向に往,復動自在に、容易に設置し
うる。
【0099】(36)高感度反射法により分析対象材表
面の極薄膜の赤外反射スペクトルを測定し測定値に基づ
いて分析対象材表面の吸光成分量を算出する分光分析方
法において、前記分析対象材表面に、入射面に平行に偏
光されたP偏光と称する赤外光と入射面に対し垂直に偏
光されたS偏光と称する赤外光を入射し、それらの反射
スペクトルの比を測定し、この比を、標準試料について
測定した前記P偏光による反射スペクトルと前記S偏光
による反射スペクトルの比で補正することを特徴とす
る、高感度反射法による固体表面の極薄膜の分光分析方
法。
【0100】(37)連続的に供給される分析対象材に
ついて反射スペクトルの前記比を連続的に測定し、あら
かじめ標準試料について測定した反射スペクトルの比で
補正する、上記(36)の分光分析方法。
【0101】(38)高感度反射法により分析対象材表
面の極薄膜の赤外反射スペクトルを測定し測定値に基づ
いて分析対象材表面の吸光成分量を算出する分光分析装
置において、赤外光を発生させる赤外光源,該赤外光源
からの赤外光を直線偏光とし、かつ直線偏光の向きをP
偏光およびS偏光に切替えるための回転機構を備えた偏
光板,試料保持装置,赤外光を分光して検出するための
分光検出部、および、検出された赤外光の強度を信号処
理するための信号処理部、を備え、該信号処理部は、分
析対象材について測定したP偏光による反射スペクトル
とS偏光による反射スペクトルの比を、標準試料につい
て測定したP偏光による反射スペクトルとS偏光による
反射スペクトルの比で補正する手段を含む、ことを特徴
とする分光分析装置。
【0102】(39)前記分析対象材は連続的に供給さ
れ、前記信号処理部は、連続的に供給される分析対象材
について連続的に測定した反射スペクトルの比を、あら
かじめ標準試料について測定した反射スペクトルの比で
補正する、上記(38)の分光分析装置。
【0103】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0104】
【実施例】
−第1実施例− 図1に、本発明の第1実施例である分光測定機OMDを
設置した電磁鋼板の脱炭焼鈍ラインを示す。電磁鋼板
は、巻戻機100でコイル状態から帯状に巻戻されて入
側搬送テ−ブル(搬送ロ−ラ列)で脱炭焼鈍炉100に
連続的に送り込まれ、脱炭焼鈍炉100にて加熱されて
脱炭および焼鈍が同時に行なわれる。これにより電磁鋼
板表面の酸化が進行する。脱炭焼鈍炉100から連続的
に送り出される電磁鋼板(これを電磁鋼板脱炭焼鈍板と
称し、略して焼鈍板と称す)OPは出側搬送テ−ブル
(搬送ロ−ラ列)で巻取機120に送り込まれ、巻取機
120にてコイル状に巻取られる。
【0105】脱炭焼鈍炉100から出た直後の焼鈍板O
Pの温度は高く、数百°Cであるが、出側搬送テ−ブル
で送られている間に低下して、巻取機120の直前では
数十°Cと低温である。出側搬送テ−ブルの、巻取機1
20近くの、焼鈍板OPの温度が定常的に100°C以
下の位置に、分光測定機OMDが設置されている。
【0106】分光測定機OMDの基体は光学定盤1であ
り、これが搬送テ−ブルの基台とは分離した支持脚で支
持され、支持脚が、床面とは分離した基礎ブロックに固
定されている。焼鈍板OPの送り方向(第1水平方向
y;図1では左から右)で、光学定盤1の上流側と下流
側に、搬送テ−ブルの焼鈍板支持面よりも少し下のレベ
ル(高さ方向z)に焼鈍板OPを押下するサポ−トロ−
ル35と36があり、これらが焼鈍板OPを下押えする
ので、光学定盤1直下において焼鈍板OPの水平x,y
方向、特にy方向の張り(張力)が強く、焼鈍板OPの
平面度(上面の水平度)が高く、また、高さ方向zおよ
び第2水平方向xの振動が小さい。
【0107】光学定盤1の下面から下方に対物ヘッド
(ケ−シングCt,Cr:図2)が突出して焼鈍板OP
と略10mmの短距離にあるが、焼鈍板OPが対物ヘッドに
当るのを妨げるために、焼鈍板OPの送り方向yで、対
物ヘッドの上流側と下流側に、対物ヘッドの下面よりも
更に5mm下のレベル(焼鈍板OPの上面より5mm上の
レベル)に外周面が位置する保護ロ−ル37と38があ
り、これらは図示しない支持ビ−ムで回転自在に支持さ
れ、該支持ビ−ムは光学定盤の支持脚に固着されてい
る。
【0108】光学定盤1には、赤外分光分析のための光
学要素が装備されており、それらは冷却用の銅板ケ−シ
ング4内にある。
【0109】図2および図3に、銅板ケ−シング4のx
z断面およびxy断面を、拡大して示す。両図を参照す
ると、光学定盤1上に赤外光源(200Wヒ−タ)5があ
り、光源5が放射する赤外光(以下単に光又は光線と称
す)は、非軸パラボラ鏡(以下単に放物面鏡と称す)6
で反射されて、x方向に平行な平行光となり、集光レン
ズ7で集光され、そしてコリメ−トレンズ12で再びx
方向で平行な平行光となる。
【0110】図4に、光源5の外観を示す。光源5は透
光窓41付のハウジング40に収納されており、ハウジ
ング40には水冷用の銅パイブ42が巻回されており、
この銅パイプ42に循環冷却装置54(図13,図1
4)が冷却水を循環供給する。再度図2および図3を参
照すると、集光レンズ7の焦点位置にはチョッパプレ−
ト8があり、このチョッパプレ−トを電気モ−タ9が回
転駆動する。集光レンズ7の焦点位置での光のチョッピ
ング周波数は70Hzである。なお、図示は省略したが、チ
ョッパプレ−ト8には集光レンズ7の焦点位置を横切る
位置(半径方向)に36°ピッチで、透光開口が開けら
れており、外周縁には、回転角検出用の広幅スロットが
同じく36°ピッチで刻まれており、図示しない光電ス
イッチが該広幅スロットの透光を検出するように配置さ
れ、チョッパプレ−ト8の回転に同期した電気パルス
(速度同期パルス)を発生する。モ−タドライバ(駆動
回路)62(図14)が、速度同期パルスがチョッピン
グ周波数指令値(70Hz)となるように、電気モ−タ9を
回転駆動する。
【0111】チョッパプレ−ト8と拡散レンズ10の間
には偏光板10があり、この偏光板10は、ベルト駆動
機構を介してステッピングモ−タ11で回転駆動され、
P偏光をレンズ12に与えるP偏光位置(回転角度)
と、それより90°回転した、S偏光をレンズ12に与
えるS偏光位置(回転角度)に、位置決めされる。図示
は省略したが、ベルト駆動機構に、P偏光位置(0度)
とS偏光位置(90度)を検知するための遮光板と光電
スイッチが結合しており、モ−タドライバ63が、位置
指定(P偏光位置/S偏光位置)に対応して、指定位置
(回転角)に偏光板10を回転駆動し位置決めする。
【0112】図5の(a)に、偏光板10がP偏向位置
にあるときの、レンズ12以降の光学系によって測定対
象材OP(焼鈍板OP,標準試料としての金ミラ−SP
又は参照試料としての焼鈍板サンプルSP;いずれとな
るかは後述)に投射されるP偏光を示し、図5の(b)
に、偏光板10がS偏向位置にあるときのS偏光を示
す。
【0113】再度図2および図3を参照すると、上述の
光源系(5〜12)を略シ−ルドするための区画板13
の透光開口を通して、レンズ12の、x方向に平行な平
行光が、投光側方向変換ミラ−19に至る。区画板13
の透光開口を開閉するシャッタ14があり、このシャッ
タ14はエア−シリンダ15で開,閉駆動される。
【0114】投光側方向変換ミラ−19は、x方向に平
行な平行光をz方向に平行に反射し、この反射光を投光
側対物ミラ−20が、水平面(xy面)と10°をなす
方向に平行光を反射する。図2に示す状態では、投光側
対物ミラ−20が窓板21を通して焼鈍板OPの上面
(実質上水平)に10°の角度で平行光を投射する。焼
鈍板OPの上面で反射した平行光は、窓板22を通して
受光側対物ミラ−23に当り、そこでz方向に平行に反
射され、そして受光側方向変換ミラ−24でx方向に平
行に反射されて、第1グル−プの第1分配器A1に至
る。窓板21および22は、BaF2(フッカバリウ
ム)で作った、800(1/cm)以下の低波数域をカ
ットするフィルタである。
【0115】ミラ−19,20,23および24は、蒸
着金メッキの表面反射鏡である。窓板21および22
は、赤外光透過フィルタであり、標準試料(金ミラ−S
P)の、光学定盤1上の光学系を用いた測定スペクトル
の反射強度分布を平準化(平滑化)する赤外光透過特性
(吸収特性)を有する。
【0116】レンズ12の、x方向に平行な光軸上に第
1分配器A1の入射光軸がある。光学定盤1の、レンズ
12から第1分配器A1を見通す線の直下に、厚み方向
を貫通する開口2があり、この開口2のx方向に平行な
内側面に、x方向に平行な1対のレ−ル3があり、これ
らのレ−ルでキャリッジ16がx方向に移動可に支持さ
れている。つまり、キャリッジ16が、開口2の長さ方
向xに移動自在に、開口2内にはめ込まれている。定盤
1上には、減速機付電気モ−タ18で回転駆動される、
x方向に平行に延びるねじ棒27が回転自在に支持され
ており、このねじ棒27に、キャリッジ16に固定され
たナット(雌ねじ:図示略)がねじ結合している。減速
機付電気モ−タ18が正転するとねじ棒27が正転し
て、キャリッジ16が図2上で左から右方向に移動し、
モ−タが逆転するときには左方向に移動する。
【0117】キャリッジ16の機械的な左移動限界位置
の少し右側にホ−ムポジションが定められ、そこへのキ
ャリッジ16の到達を検知する図示しない光電センサ
(ホ−ムポジションセンサ),キャリッジ16の機械的
な右移動限界位置の少し左側にリタ−ン位置が定めら
れ、そこへのキャリッジ16の到達を検知する図示しな
い光電センサ(リタ−ンポジションセンサ)、ならび
に、ねじ棒17の所定小角度の回転につき1個の電気パ
ルスを発生する図示しないロ−タリエンコ−ダがあり、
これらの検知信号に基づいて、キャリッジ16の位置決
めあるいはx走査駆動が行なわれる。
【0118】上述のホ−ムポジションからリタ−ンポジ
ションまでが、対物ヘッド(Ct,Cr,16)の移動
領域であり、対物ヘッドがホ−ムポジションにあるとき
の、対物ミラ−21/23間中点の位置が、測定ホ−ム
ポジションXhであり、対物ヘッドがリタ−ンポジショ
ンにあるときの、対物ミラ−21/23間中点の位置
が、測定リタ−ンポジションXrであり、Xh〜Xrの
領域をサンプリング的に、あるいは連続的に分光分析す
ることができる。
【0119】光学定盤1を支える支持脚には、ア−ム3
0が水平回動しうるように装着されており、このア−ム
30に試料台31が固着されている。この試料台31を
開口2の直下に回動させると、試料台31の中心が、測
定ホ−ムポジションXhとなる。試料台31に載置され
る試料RPは、標準試料である金ミラ−又は参照試料で
あり(これらに関しては詳細を後述)、試料台31に載
置された試料RPの上面は、測定ホ−ムポジションXh
において、焼鈍板OPの予定した上面レベル(基準レベ
ル)と同一となる。図2には、試料台31をホ−ムポジ
ションXhに置き、焼鈍板OPの幅(x方向)は測定可
領域のx長より短い形で示しているが、焼鈍板OPの分
光分析(オンライン測定)中には、試料台31はz軸廻
りに回動されて、対物ヘッド移動領域の外に置かれてい
る。また焼鈍板OPは測定可領域幅と同等又はそれより
広い幅の場合もあり得る。
【0120】キャリッジ16には、前述の、投光側方向
変換ミラ−19,投光側対物ミラ−20,受光側対物ミ
ラ−22および受光側方向変換ミラ−24が、それぞれ
ミラ−ホルダを介して固定されている。キャリッジ16
の下面より下方に位置する投光側対物ミラ−20および
受光側対物ミラ−22はケ−シングCtおよびCrで覆
われ、これらのケ−シングCtおよびCrの透光開口を
前述の窓板21および22が塞いでいる。投光側方向変
換ミラ−19の反射光はキャリッジ16を貫通する透光
穴を通ってケ−シングCt内に入り、対物ミラ−20で
反射され窓板21を通ってケ−シングCtの外に出て測
定対象材OPに当る。測定対象材OPが反射した光は、
窓板22を通ってケ−シングCr内に入り、対物ミラ−
23で反射され、そしてキャリッジ16の透光穴を通っ
て方向変換ミラ−24に至る。
【0121】光学定盤1の上側空間(主光学系)と下側
空間(測定物系)とを分離するために、キャリッジ16
に、ケ−シングCtとCrの間の開口2領域を下方で閉
じるための底板BPが固着されている。光学定盤1の底
面には、開口2と平行に、x方向に延びる1対のシャッ
タレ−ル26,27が、開口2を間に置いて装備されて
おり、これらのレ−ル26,27で、積層スライドプレ
−ト型のシャッタ28,29が、x方向に伸縮自在に装
着されており、図2を参照すると、シャッタ28の左端
はレ−ル端に固定され、伸縮先端がケ−シングCtに固
着されている。シャッタ29の右端はレ−ル端に固定さ
れ、伸縮先端がケ−シングCrに固着されている。上述
のケ−シングCt,Cr,底板BPならびにシャッタ2
8,29で開口2の全領域が主に下方で閉じられてい
る。しかし、これらと光学定盤1との間には、微細なギ
ャップがあるので、該ギャップを通して流体(気体,液
体)は通流しうる。キャリッジ16および底板BPに
は、銅板ケ−シング4に供給されるパ−ジガス(窒素ガ
ス)の底板BPの下方空間(投光空間)への吹出しを行
なう通気口がある。
【0122】ケ−シングCt,Crには、それらを周回
する、ロ型スカ−ト形状の弾力性ゴム板25が貼付けら
れており、ゴム板25の下端はケ−シングCt,Crの
下面から5mm程度下方(焼鈍板OPから3mm程度上方)に
あり、底板BPの下方空間(投光空間)に供給されたパ
−ジガスは、弾力性ゴム板25の下端と焼鈍板OPとの
ギャップを通って定盤1の下方の自由空間に出る。弾力
性ゴム板25は、底板BPの下方の投光空間に多量のパ
−ジガスを常時保持するため、ならびにケ−シングC
t,Crへの焼鈍板OPの衝突を防止もしくは緩衝する
ために備わっている。
【0123】定盤1には、焼鈍板OPのz方向変位を検
出する3台の変位計の検出ヘッド32〜34(図3)が
装着されており、ヘッドから焼鈍板OP上面までの距離
を検出する。
【0124】光学定盤1上には、図3に示すように、前
述の光分配器A1を含めて総計7個の光分配器A1〜A
5,B1,B2があり、また、これらの光分配器のそれ
ぞれの出射光のレベルを検知する受光器C1〜C8があ
る。これらの光分配器A1〜A5,B1,B2および受
光器C1〜C8は、大要表現では、同一xy平面上に、
x,yマトリクス状に配列されている。これらの配列を
より詳しく図6に示す。
【0125】図6を参照する。受光側方向変換ミラ−2
4(図2)の、x方向に平行な反射光ライン上すなわち
図6に示す入射光の進行方向前方に、第1グル−プの光
分配器A1〜A3がシリアルに配置されており、このグ
ル−プの最後(第3番目)の光分配器A3の透過光を受
光器C8が受ける。第1グル−プの第1番目の光分配器
A1は、2色フィルタで反射した光を金ミラ−で、入射
光を含むxy平面上で入射光と直交するy方向に反射
し、この反射光を受光器C1が受ける。
【0126】第1グル−プの第2番目の光分配器A2も
同様に、第1番目の光分配器A1を透過した入射光を、
上記xy平面上で入射光と直交するy方向に反射する。
このy方向に第2グル−プの光分配器A4,A5および
受光器C4がある。光分配器A4は、y方向の入射光を
2色フィルタで反射しそして金ミラ−で、上記xy平面
上でx方向に反射し、この反射光を受光器C2が受け
る。光分配器A5も、y方向の入射光を2色フィルタで
反射しそして金ミラ−で、上記xy平面上でx方向に反
射し、この反射光を受光器C3が受ける。
【0127】第1グル−プの第3番目の光分配器A3
は、第2番目の光分配器A2を透過した入射光を、上記
xy平面上で入射光と直交するy方向に反射する。この
y方向に第2グル−プの光分配器B1,B2および受光
器C7がある。光分配器B1は、y方向の入射光を2色
フィルタで反射しそして金ミラ−で、上記xy平面上で
x方向に反射し、この反射光を受光器C5が受ける。光
分配器B2も、y方向の入射光を2色フィルタで反射し
そして金ミラ−で、上記xy平面上でx方向に反射し、
この反射光を受光器C6が受ける。
【0128】光分配器A1〜A5,B1,B2は、実質
上同一構造であり、A1とA2とは配置姿勢も同一であ
る。A4とA5は、A1を時計廻りに90度回転させた
姿勢である。B1とB2は、A4とA5を裏返(y軸廻
りに180度回転)した姿勢である。ここで代表例とし
て光分配器A5の構造を説明する。
【0129】光分配器A5の2色フィルタ43は、図7
の(a)に示すように、所定波長(カットオフ波長)よ
り長い波長の光を透過し、短い波長の光を反射するもの
であり、金ミラ−46が、その反射光を、図7の(b)
に示すように、y方向の入射光を含むx,y平面上で入
射光と直交してそれを横切るx方向に反射する。光分配
器A1〜A5,B1,B2それぞれの2色フィルタのカ
ットオフ波長を次に示す。
【0130】 光分配器 光分配器のカットオフ波長(μm) A1 6.3 A2 6.3 A3 8.2 A4 7.4 A5 A6(B1) 9.5 A7(B2) 光分配器A4(図6)を拡大して図8の(a)に示す。
2色フィルタ43はホルダ44に固着されており、この
ホルダ44がユニット基台45に固着されている。金ミ
ラ−46は、角度調整機構を介してホルダ47に固定さ
れており、このホルダ47がユニット基台45に固着さ
れている。この実施例での、2色フィルタ43および金
ミラ−46の取付角度を図8の(b)に示す。
【0131】図9に、光分配器A4を分解して示す。ホ
ルダ44には透光開口がありそこに2色フィルタ43が
はめ込まれ、基台45の、x方向に対して22.5°の角度
をなす垂直面にホルダ44がねじ止めされる。金ミラ−
ホルダ47は、y方向に対して22.5°の角度をなす垂直
面にねじ止めされる。2色フィルタ43の入射角はした
がって22.5°、金ミラ−46の反射角は22.5°である
(図8の(b)を参照)。2色フィルタ43の入射角が
大きいと、P偏光が入射したときとS偏光が入射したと
きの2色フィルタのカットオフ波長のずれが大きく、同
一波長における透過率差が大きい。例えば入射角が45°
の場合には図10の(b)に示すようにカットオフ波長
ずれを生じ、大きな透過率差を生ずる。
【0132】この実施例では、後述するが、各波数の受
光器C1〜C8でのP偏光とS偏光の受光レベルを正確
に測定する必要がある。標準ミラ−(金ミラ−)のP偏
光での各受光レベルを、標準ミラ−のS偏光での受光レ
ベルで割り算して計算機に記憶させる標準試料補正モ−
ド(Au(S)/Au(P))と、分析対象材のP偏光
での各受光レベルを、分析対象材のS偏光での受光レベ
ルで割り算して計算機に記憶させるP/S比測定モ−ド
とを選択的に実施する。いずれの場合もP偏光とS偏光
を利用するので、P偏光とS偏光の間で受光レベルに波
長依存する差異があれば得られた結果に大きな誤差が生
まれる。
【0133】そこでこの実施例では、P偏光が入射した
ときとS偏光が入射したときの2色フィルタのカットオ
フ波長および受光レベルのずれがほとんど見られない2
2.5°に、2色フィルタ43の入射角を定めている。こ
の入射角での2色フィルタ43の透過率を図10の
(a)に示す。問題のずれの影響を実質上なくすために
は2色フィルタ43の入射角は30°以下にすればよ
い。一方、入射角を小さくするに従って、透光出射光が
増え反射出射光が減るので、光分配比の観点からあまり
小角度は好ましくない。加えて、入射角が小さいと2色
フィルタの入射光と反射光とのなす角度が小さくなるの
で、金ミラ−46を大きくして2色フィルタ43からy
方向の遠方に配置しなければならなくなる。すなわち、
2色フィルタ43の入射角を小さくすると、金ミラ−4
6の入射角が大きくなって、2色フィルタの反射光すべ
てを反射するための金ミラ−46の面積が大きくなる。
この大きな金ミラ−46が2色フィルタ43への入射光
を遮らないように、y方向に長距離ずらさなければなら
ない。これは光分配器A4(1ユニット)のサイズを大
きくすることになり、装置をコンパクトにできなくな
る。これらの観点から、2色フィルタ43の入射角は1
5°以上とするのが好ましい。
【0134】なお、図6に示す光分配器B1,B2は、
光分配器A5をy軸廻りに180°回転させて、その基
板45の下面を上に向けて、別途ホルダで基板45を支
持した姿勢であり、7個の光分配器のすべてが、一種類
のものとなっている。裏返しが不要なように、ユニット
基板を、A1〜A5のユニット基板45とは別形状のも
のとしてもよい。
【0135】別の態様では、上述のように数個(B1,
B2)を裏返し支持することなく、同一種類の7個の光
分配器を用い得るように、光分配器と受光器のマトリク
ス配列を変更する。この変更の一態様を図11に示す。
【0136】図11に示す光分配器A1〜A7はすべて
同一構造であり、A1〜A3は同一姿勢で、A4〜A7
はA1〜A3を図11上で時計廻りに90°回転させた
姿勢である。なお、図11上に示すA1は、図6に示す
場合と同様に、x方向で受光器C2の位置までずらし、
これに伴って受光器C1をy方向でC4の位置までずら
してもよい。こうするとA1のx方向のずらし分光分配
器の配列がコンパクトになる。図11に示す配列では、
光分配器A2,A4,A5ならびに受光器C2〜C4と
の組合せ配列と、光分配器A3,A6,A7ならびに受
光器C5〜C7との組合せ配列とは同一パタ−ンであ
る。
【0137】再度図6を参照する。受光器C1〜C8
は、実質上同一構造である。ここで代表例として受光器
C2の構造を説明すると、受光器C2は、測定に必要な
波長を透過させるバンドパスフィルタ48と集光レンズ
49および光検知器50で構成されており、バンドパス
フィルタ48と集光レンズ49は同一のホルダを介して
受光器基板に固定されており、光検知器50は検知器ホ
ルダに固定され、この検知器ホルダが前後調整(光軸方
向位置調整)機構を介して受光器基板で支持されてい
る。
【0138】光検知器50の光電変換素子51は、図1
2の(a)に示すように、集光レンズ49の焦点位置
(焦点距離Df)よりも大きくずれた位置にあり、この
ずれ量を前後調整機構で調整しうる。仮に、図12の
(b)に示すように光電変換素子51が集光レンズ49
の焦点の位置にあるときと、測定対象材OPが水平姿勢
から傾斜すると、入射角(=反射角)が基準入射角から
ずれて、図12の(c)に2点鎖線で示すように、光電
変換素子51の受光レベルが大幅に低下する。この低下
はわずかな姿勢ずれによって生ずる。
【0139】ところが図12の(a)に示すように、光
電変換素子51が、集光レンズ49の焦点の位置より大
きくずれた位置にあると、測定対象材OPがわずかに傾
斜しても、光電変換素子51の受光レベルの変化は小さ
く、測定対象材OPに少々の姿勢ずれを生じても、信頼
性が高い計測デ−タを得ることができる。すなわち、図
12の(a)に示すように焦点位置から光電変換素子5
1をずらしておくことにより、測定対象材OPの変位又
は振動により光受光器C2のの光軸に対して測定対象材
OPの反射光が平行シフト又は角度変化を生じても、反
射光が光電変換素子51から外れる確率が低く、図12
の(c)に実線で示すように、受光レベル変化が小さ
く、測定対象材OPの位置ずれ又は姿勢ずれによる測定
誤差が低減する。
【0140】更に、受光器C1〜C8の受光レベルの、
測定対象材OPの変位又は振動による受光器C1〜C8
の受光レベルの変化率が全受光器で実質上同一になるよ
うに、受光器C1〜C8それぞれの前後調整機構で各光
検知器50のずらし位置が設定されているので、測定対
象材OPに変位又は振動を生じたときの受光信号変化が
同率となり、信頼性が高い計測デ−タが得られる。受光
器C1〜C8それぞれのバンドパスフィルタ48の光透
過中心波数(波長)を次に示す。
【0141】 バンドパスフィルタの 受光器 光透過中心波数(1/cm) 波長(μm) 波数No.i C1 1900 5.26 1 C2 1350 0.37 2 C3 1225 8.16 3 C4 1135 8.81 4 C5 1050 9.52 5 C6 965 10.36 6 C7 895 11.17 7 C8 800 12.50 8 図13に、光学定盤1の上面に装着された銅ケ−シング
4の外観を示す。銅ケ−シング4の外表面には水冷管
(銅パイプ)52が接合されており、この水冷管52
に、冷却装置54が、冷却水を循環供給する。これによ
り銅ケ−シング4が冷却され、その内部の上述の各種光
学要素が間接的に冷却されるので、それぞれの赤外線輻
射(ノイズ放射)が少い。またケ−シング4の外部から
ケ−シング4内の測定光光路へのノイズの進入もない。
銅ケ−シング4の内空間は区画板13で、熱発生が大き
い光源5まわりの投光源空間と、熱発生が少い光分配器
A1〜A5,B1,B2および受光器C1〜C8まわり
の受光空間とに区分されており、各空間に別個に、窒素
ガス供給装置57が、窒素ガスを供給する。供給された
窒素ガスは各空間を通って開口2又は対物空間BPに至
り、そして定盤1の下方の自由空間に出る。この窒素ガ
ス供給は、ケ−シング4内の空気(湿気)を追い出しか
つケ−シング4内への空気(湿気)の進入を妨げる。ま
た対物空間BPに出た窒素ガスは、スカ−ト25の下端
から外部に出て、対物投,受光路(窓板21/22間)
を清浄にしかつそこへのゴミ,空気(湿気)の進入を妨
げる。
【0142】銅ケ−シング4の内空間には、上述の光学
要素に加えて各種電気回路ならびにシ−ケンサ(CPU
を主体とするマイクロコンピュ−タシステム;通称コン
トロ−ラ)が収納されている。
【0143】図14に、銅ケ−シング4内の電気要素
と、それらに接続された外部電気要素を示す。受光器C
1〜C8の各光電変換素子51が接続された光レベル検
出回路70〜77はすべて光強度計測回路80に接続さ
れている。
【0144】図15に光強度計測回路80の構成を示
す。光レベル検出回路70〜77の出力信号(アナログ
電圧)はマルチプレクサ81(アナログスイッチ回路)
81に与えられる。マルチプレクサ81には、入出力バ
ッファ85を通してスイッチ選択信号(入力選択信号)
が、シ−ケンサ60から与えられ、該信号が指定する入
力(入力端0〜8の1つ)を、バンドパスフィルタ82
に接続する。すでに説明したが、チョッパプレ−ト8が
70Hzで投光をチョッピングするので、受光器C1〜
C8の受光レベルが70Hzで高,低変化し、これによ
り、光レベル検出回路70〜77の出力信号が同じく
高,低変化する。すなわち70Hzの交流もしくは脈動
電圧である。バンドパスフィルタ82は、この70Hz
のアナログ信号を抽出してロックインアンプ(同期検波
回路)83に与える。ロックインアンプ83には、チョ
ッパ駆動回路62が発生するチョッパ回転同期信号(7
0Hz)が、入出力バッファ62を介して、更に移相器
86で設定された位相ずれをもって与えられ、ロックイ
ンアンプ83は、この同期信号に同期してバンドパスフ
ィルタ82の出力を検波し、検波した直流信号を平滑回
路84に与える。平滑回路84には、3種の時定数回路
(それぞれ時定数がt1,t2,t3)87a〜87c
の1つが、マルチプレクサ88を介して接続され、接続
された時定数回路の時定数で、検波信号を平滑化する。
これにより、電圧レベルが受光器(C1〜C8のうち8
1で選択されたもの)の受光レベルピ−クに比例する直
流電圧(受光レベル信号)が伝送回路78に与えられ
る。伝送回路78が、この直流電圧のレベル(アナログ
信号)を、図14に示す受信回路79に伝送する。
【0145】再度図14を参照する。受信回路79は、
パ−ソナルコンピュ−タ(以下パソコンと称す)90
の、A/D変換入力ポ−トに、受信したアナログ信号を
与える。パソコン90は、受光器C1〜C8の受光レベ
ルを読込むときには、受光レベル読込みをシ−ケンサ6
0に指定して、パソコン90とシ−ケンサ60の間の同
期信号に同期して、A/D変換入力ポ−トのアナログ信
号をデジタル変換して読込む。シ−ケンサ60は、受光
レベル読込みが指定されると、該同期信号の最初のもの
に同期してマルチプレクサ81に入力1指定信号を与
え、その後の同期信号の到来毎に入力2,3,・・・8
と入力指定を切換える。これにより、同期信号に同期し
て受光器C1〜C8が接続した光レベル検出回路70〜
77の出力信号が順次にバンドパスフィルタ82に与え
られ、パソコン90が光レベル検出回路70〜77の出
力信号を順次にA/D変換して読込むことになる。
【0146】シ−ケンサ60は、パソコン90の指示に
応じて、光源5のオン(ウォ−ムアップ)/オフ,チョ
ッパプレ−ト8の回転/停止,偏光板10によるP偏光
/S偏光の切換え,シャッタ14の開/閉,キャリッジ
16のx位置決めあるいはx走査,変位計32〜34の
検出値の読込みとパソコン90への転送等を行ない、ま
た、光源5のオンの間は銅ケ−シング4内の温度を検出
する温度センサ39の検出温度の読込みと温度異常チェ
ックを行なう。チョッパ駆動回路62は、チョッパプレ
−ト回転同期パルス(70Hz)を回転計(回転速度検
出回路)RSM,シ−ケンサ60および光強度計測回路
80に与える。
【0147】回転計RSMは回転同期パルスの周波数を
回転速度(rpm)に変換し、これを表わすデジタルデ
−タを、シ−ケンサ60に接続された入出力ボ−ド59
に与える。入出力ボ−ド59の表示盤面には、チョッパ
プレ−ト回転速度が表示される。入出力ボ−ド59に
は、指示キ−および調整値入力キ−がある。
【0148】循環冷却装置54には、光源冷却水系の戻
り冷却水の温度を検出する温度センサおよび銅ケ−シン
グ冷却水系の戻り冷却水の温度を検出する温度センサが
あり、装置54は温度異常を検知したときには、これを
表わす異常信号をシ−ケンサ60に与える。
【0149】窒素ガス供給装置57には、窒素ガス供給
流量を測定する流量センサがあり、装置57は、流量異
常を検知したときには、これを表わす異常信号をシ−ケ
ンサ60に与える。
【0150】光源5の電源回路61,チョッパ駆動回路
62,偏向切換回路63,シャッタ駆動回路(エァ−シ
リンダ15への空気圧切換を行なう電磁弁を駆動する回
路)64およびx走査駆動モ−タ18を駆動する回路
(モ−タドライバ)65には、負荷電圧,電流,電源電
圧を検出しそれらの異常を検出する回路があり、これら
の検出値および異常検出信号がシ−ケンサ60に与えら
れる。
【0151】図16に、パソコン90の、「分光測定」
プログラムによる動作の概要を示す。「分光測定」プロ
グラムは、「分光測定」の初期メニュ−を表示し表示画
面上のオペレ−タ指定に従って、指定された個別処理プ
ログラムの実行に進む統括プログラムと、複数の個別処
理プログラムの集合である。
【0152】「分光測定」が起動されると、パソコン9
0は、まず「分光測定」のメニュ−をCRT93に表示
する(図16のステップMDY)。なお、以下におい
て、カッコ内には、ステップという語を省略して、ステ
ップNo.記号又は番号数字のみを記す。オペレ−タが
メニュ−表示の各欄を指定するとパソコン90は、各欄
に表記した個別処理プログラムに進む。
【0153】1.パラメ−タ設定 オペレ−タが「1.パラメ−タ設定」を指定し実行を指
示すると、パソコン90は個別処理プログラム「パラメ
−タ設定」PDSに進む。「パラメ−タ設定」は、オン
ライン測定に必要な、演算用パラメ−タの設定とデ−タ
の保存の指定をオペレ−タが行なうものであり、パソコ
ン90はここでまず、すでにハ−ドディスク(不揮発メ
モリ)に書込まれているパラメ−タテ−ブルのデ−タを
読出して一時記憶RAMに書込み、かつCRT93に表
示する。パラメ−タテ−ブルのデ−タの主要なものを次
に示す。
【0154】 パラメ−タテ−ブルのデ−タ 1 デ−タ読込周期Tc(受光器C1〜C8の受光レベル読込み周期) デ−タ読込み時間Td(受光レベル読込みの繰返しの延べ時間) 2 上限値DU(変位計32〜34の検出値に基づいた、 焼鈍板OP/対物ヘッド間距離の上限値) 下限値DL(焼鈍板OP/対物ヘッド間距離の下限値) 3 平滑化時定数 87a/87b/87c(選択) 4 年月日 時分秒 5 デ−タ保存 有効/無効(選択) 6 受光レベル異常チェック用上限値 下限値 7 受光器C1のバンドパスフィルタの中心波数 1900 C2 1350 C3 1225 C4 1135 C5 1050 C6 965 C7 895 C8 800 8 各波数の既知吸光度 q1 q2 q3 q4 i=2(波数1350) q12 q22 q32 q42 i=3(波数1225) q13 q23 q33 q43 i=4(波数1135) q14 q24 q34 q44 i=5(波数1050) q15 q25 q35 q45 i=6(波数 965) q16 q26 q36 q46 i=7(波数 895) q17 q27 q37 q47 i=8(波数 800) q18 q28 q38 q48 (注:q1iは、内層SiO2+外層SiO2の吸光度, q2iは、内層SiO2+外層(Fe,Mn)SiO3−Iの吸光度, q3iは、内層SiO2+外層(Fe,Mn)SiO3−IIの吸光度, q4iは、内層SiO2+外層(Fe,Mn)2SiO4の吸光度。 ) オペレ−タはこの画面上で変更があればそれを入力す
る。オペレ−タが実行を入力すると、表示中のデ−タが
一時記憶RAMに更新書込みされ、このとき、「5 デ
−タ保存」が「有効」の指定であると、ハ−ドディスク
のパラメ−タテ−ブルも、CRT93に表示していたも
のに書替えられる。
【0155】2.標準板測定 オペレ−タが「2.標準板測定」を指定し実行を指示す
ると、パソコン90は個別処理プログラム「標準板測
定」RPMに進む。「標準板測定」は、標準板である金
ミラ−の、光反射強度を測定し、オンライン測定時の受
光レベルの補正に用いるデ−タを準備するものである。
「標準板測定」に進むとパソコン90は、標準板測定の
初期画面を表示する。すなわち、ハ−ドディスクの標準
デ−タテ−ブルのデ−タを一時記憶RAMに読出し、C
RT93に表示する。標準デ−タテ−ブルのデ−タの主
要なものを次に示す。
【0156】 標準デ−タテ−ブルのデ−タ 波数 E(Pi) E(Si) E(Pi)/E(Si) i=1(波数1900) ××× ××× ××× i=2(波数1350) ××× ××× ××× i=3(波数1225) ××× ××× ××× i=4(波数1135) ××× ××× ××× i=5(波数1050) ××× ××× ××× i=6(波数 965) ××× ××× ××× i=7(波数 895) ××× ××× ××× i=8(波数 800) ××× ××× ××× (注;E(Pi)は、金ミラ−のP偏光反射強度, E(Si)は、金ミラ−のS偏光反射強度, E(Pi)/E(Si)は、それらの比。×××が各波数のデ−タ。) 標準デ−タテ−ブルのデ−タと共に、デ−タ保存の「有
効/無効」ならびに標準デ−タ測定の「指示/キャンセ
ル」を選択するための表示が行なわれ、オペレ−タはこ
こで、金ミラ−のデ−タの測定を希望するときには、試
料台31(図2)に金ミラ−を装着してそれを測定ホ−
ムポジションに置いてから、「指示」を選択する。表示
された標準デ−タをそのままオンライン測定での補正用
のデ−タに用いて支しつかえないと考えれば、「キャン
セル」を選択する。キャンセルが選択されるとパソコン
90は、初期メニュ−表示MDY(図16)に戻る。
【0157】図17に、「標準板測定」(RPM)の内
容を示す。標準板測定の初期画面で「指示」が選択され
るとパソコン90は、標準板測定用の状態設定をシ−ケ
ンサ60に指示する(図17の1〜4)。シ−ケンサ6
0は電源回路61に光源電源投入を指示し、循環冷却装
置54に冷却水の供給を指示し、窒素ガス供給装置57
にガス供給を指示し、そしてキャリッジ16を測定ホ−
ムポジションXhに位置決めする。そして、回路61お
よび装置54,57がレディを報知して来るのを待ち、
すべてのレディ報知を受け終わったときに、パソコン9
0にレディを報知する。
【0158】パソコン90は、このレディ報知を受ける
と、ハ−ドディスクのパラメ−タテ−ブルの中のデ−タ
読込周期Tc,デ−タ読込み時間Td、および、平滑化
時定数選択デ−タ(回路87a〜87cのいずれを選択
するか)を読出して一時記憶RAMに書込む。そしてシ
−ケンサ60に平滑化時定数選択デ−タを転送して時定
数設定ならびにチョッパ駆動およびシャッタ開を指示す
る。これに応答してシ−ケンサ60は光強度計測回路8
0に、平滑化時定数選択デ−タが指定する時定数回路
(87a〜87cの1つ)を選択する信号をマルチプレ
クサ88に与え、これにより選択指定された時定数回路
が平滑回路84に接続される。シ−ケンサ60はチョッ
パ駆動指示に応答してチョッパ駆動回路63にオン(チ
ョッパ駆動)を指示し、シャッタ駆動回路64にシャッ
タ開駆動を指示して、これらがレディを報知して来るの
を待ち、すべてレディを報知して来るとパソコン90に
レディを報知する(5,6)。
【0159】パソコン90は、このレディ報知に応答し
て、「S偏向読取」(7)に進む。これにおいてはまず
光レベル読込み所要回数n=Td/Tcを算出し(7
a)、S偏光設定をシ−ケンサ60に指示する。シ−ケ
ンサ60はこれに応答して偏向切換駆動回路63にS偏
光を指示し、回路63がS偏向設定の完了(レディ)を
報知してくると、パソコン90にS偏光設定完了(レデ
ィ)を報知する(7b)。このレディを受けるとパソコ
ン90は、Tc時限のタイマをスタ−トして(7c)、
受光レベル読取指示をシ−ケンサ60に与え、シ−ケン
サ60への受光レベル読取切換同期信号の出力を開始す
る。シ−ケンサ60は受光レベル読取指示があると、ま
ずマルチプレクサ81に入力1を出力に接続する指示を
与え、そして同期信号に同期して、マルチプレクサ81
への入力選択信号を順次に入力2,3,・・・を指示す
るものに切換える。パソコン90は同期信号に同期して
A/D変換入力ポ−トのアナログ信号をデジタルデ−タ
に変換して読込み、内部メモリに書込む(7d)。この
ようにして、マルチプレクサ81の入力1〜入力8のア
ナログ信号レベル(受光器C1〜C8)の受光レベルを
読込むと、パソコン90は、読込み所要回数nを1デク
レメントして(7e)、それが0(所要回数のデ−タ読
込み完了)になったかをチェックして(7f)、nが1
以上であるとタイマTcのタイムオ−バを待って(7
g)、また受光器C1〜C8の受光レベルの読込み(7
c〜7d)を行なう。このようにして、所要回数n=T
d/Tcの、受光器C1〜C8の受光レベル読込みを行
なう。
【0160】これを完了すると、パソコン90は「P偏
光読取」(8)に進む。ここでは、シ−ケンサ60にP
偏向設定を指示して、S偏向読取のときと同様に、所要
回数n=Td/Tcの、受光器C1〜C8の受光レベル
読込みを行なう。そしてこれを完了すると、以上のよう
に読込んだデ−タの平均値(n個のデ−タの平均値)を
算出する。すなわち、S偏光の受光器Ci(i=1〜
8)の受光レベルの平均値E(Si),P偏向の受光器
Ci(i=1〜8)の受光レベルの平均値E(Pi)を
算出する。そして、両平均値の比 E(Pi)/E(S
i) を算出する(9)。算出したデ−タはCRT93
に更新表示し一時記憶RAMに更新書込みする(1
0)。そしてオペレ−タよりキャンセル指示又は終了指
示があるのを待つ。キャンセル指示があると、そこでパ
ソコン90は、初期メニュ−表示MDY(図16)に戻
る。終了指示があると、「デ−タ保存」の指定が「有
効」であると、一時記憶RAMのデ−タをハ−ドディス
クの標準デ−タテ−ブルに更新書込みして(13)、初
期メニュ−表示MDY(図16)に戻る。
【0161】3.オンライン測定 オペレ−タが「3.オンライン測定」を指定し実行を指
示すると、パソコン90は個別処理プログラム「オンラ
イン測定」OPMに進む。「オンライン測定」は、焼鈍
板OPの光反射強度を測定し測定値に基づいて酸化物成
分量を算出するものである。
【0162】図18に、「オンライン測定」OPMのメ
インル−チンを示す。これに進むとパソコン90は、オ
ンライン測定の初期画面を表示する(SMD)。
【0163】オンライン測定には、キャリッジ16(対
物ヘッド)をx方向に連続して往,復駆動しつつ分光分
析を行なう「A.スキャンモ−ド」,キャリッジ16の
x方向駆動と停止を繰返してx方向複数点のみの分光分
析を繰返す「B.位置サンプリングモ−ド」およびキャ
リッジ16を停止(位置固定)してx方向一点の分光分
析を繰返す「C.位置固定モ−ド」の3モ−ドがある。
これら3モ−ドの1つを、オンライン測定の初期画面上
で、オペレ−タが選択する。加えて、「A.スキャンモ
−ド」を選択したときには、x方向の走査始点と終点お
よび走査速度を入力する。「B.位置サンプリングモ−
ド」を選択したときには、測定点(x方向第1〜3ポイ
ントの位置)および測定点にキャリッジ(対物ヘッド)
を駆動する速度を入力する。「C.位置固定モ−ド」を
選択したときには、測定点(1点のx方向位置)を入力
する。
【0164】また、焼鈍板OPの各波数の光反射強度の
測定演算に、「d1.P/S比モ−ド」と「d2.P/
Au(P)比モ−ド」がある。これら2つの演算モ−ド
の1つを、オンライン測定の初期画面上で、オペレ−タ
が選択する。
【0165】オンライン測定の場合、焼鈍板OPがy方
向に連続して移動するので、対物ヘッドに対する焼鈍板
OPのz位置(高さ)が変動又は振動する。オンライン
測定には、変位計32〜34が検知する焼鈍板OPの変
位量が、上限値DU以下下限値DL以上の範囲内のとき
の光レベル読込みデ−タを有効とし、該範囲外のときの
光レベル読込みデ−タは破棄して酸化物量演算には用い
ないデ−タ選別「有効モ−ド」と、変位計32〜34の
検出デ−タの何如にかかわらず、光レベル読込みデ−タ
のすべてを有効と見なして全デ−タを酸化物量演算に用
いるデ−タ選別「無効モ−ド」がある。これら2モ−ド
の1つを、オンライン測定の初期画面上で、オペレ−タ
が選択する。
【0166】オペレ−タが上述の各種モ−ドの選択およ
び入力を行なって「実行」を入力すると、パソコン90
は、選択されたモ−ドの分光分析「スキャンモ−ド」S
MM,「位置サンプリングモ−ド」PSC又は「位置固
定モ−ド」PFMを実行する。
【0167】図19に、「スキャンモ−ド」SMMの内
容を示す。これにおいてパソコン90は、スキャンモ−
ドのオンライン測定の状態設定をシ−ケンサ60に指示
する(21〜24)。この内容は、すでに説明した「標
準板測定」RPMのステップ1〜6(図17)の内容と
大略同様である。
【0168】パソコン90は次に、演算式の定数を設定
する(25)。ここではまず、一時記憶用RAMにすで
に言及したパラメ−タテ−ブルおよび標準デ−タテ−ブ
ルが設定(書込み)されている(各テ−ブルのデ−タが
ある)かをチェックして、無いと、ハ−ドディスクから
読出して一時記憶用RAMに設定する。
【0169】そして、まずベ−スライン演算用の定数行
列(行列Kの逆行列)を算出して、演算パラメ−タテ−
ブル(一時記憶用RAM)に書込む。先に示した〔数
1〕の行列式形式の(1)式と、受光器C1の受光レベル
を補正して得たi=1(波数1900/cm)の光反射
強度E1,受光器C2の受光レベルを補正して得たi=
2(波数1350/cm)の光反射強度E2および受光
器C8の受光レベルを補正して得たi=8(波数800
/cm)の光反射強度E3とに基づいて、図27に示す
ベ−スラインを特定する(関数のパラメ−タa0〜a3
を算出する)が、先に示した〔数2〕の行列式形式の
(2)式に示すように、パラメ−タ行列L(a0〜a3)
は、測定値E1,E2およびE8の行列Mと、定数X1
(1900/cm),X2(1350/cm)およびX
8(800/cm)の行列Kの逆行列(Kの−1乗)と
の積として求める。ここでX1,X2およびX8は、パ
ラメ−タテ−ブルにあるデ−タ(受光器C1,C2,C
8のバンドパスフィルタの中心波数)である。行列Kの
逆行列(Kの−1乗と表記)を事前に算出しメモリして
置くと、ベ−スライン演算タイミングでの該逆行列の演
算が実質上省略となり演算速度が速くなる。このためこ
こでは、行列Kの逆行列を算出して演算パラメ−タテ−
ブルに書込む。
【0170】次に、パラメ−タP1〜P4演算用の定数
行列(行列Uの逆行列)を算出して、演算パラメ−タテ
−ブル(一時記憶用RAM)に書込む。先に示した〔数
4〕の行列式形式の(4)式と、受光器C2,C3,C
4,C5,C6,C7およびC8の受光レベルを補正し
て得た各光反射強度より算出した各吸光度Gi(i=2
〜8)および既知デ−タq1(Xi)〜q4(Xi)=
q1i〜q4i(パラメ−タテ−ブルにある)とに基づ
いて、酸化物各成分量対応のパラメ−タP1〜P4を算
出するが、先に示した〔数4〕の行列式形式の(4)式に
示すように、パラメ−タ行列V(P1〜P4)は、算出
した吸光度Giと既知デ−タq1(Xi)〜q4(X
i)との積の累算値、の行列Wと、既知数q1(Xi)
〜q4(Xi)の行列Uの逆行列(Uの−1乗と表記)
との積として求める。ここで既知数q1(Xi)〜q4
(Xi)は、パラメ−タテ−ブルにあるデ−タである。
行列Uの逆行列を事前に算出しメモリして置くと、パラ
メ−タP1〜P4演算タイミングでの該逆行列の演算が
実質上省略となり演算速度が速くなる。このためここで
は、行列Uの逆行列を算出して演算パラメ−タテ−ブル
に書込む。
【0171】次にパソコン90は、シ−ケンサ60がレ
ディを報知して来るのを待ち(26)、レディが到来す
ると、シ−ケンサ60に走査開始を指示し(27)、光
レベル読込み所要回数n=Td/Tcを算出し(2
8)、P偏光設定をシ−ケンサ60に指示する。シ−ケ
ンサ60はこれに応答してP偏光を設定する(29)。
パソコン90は、Tc時限のタイマをスタ−トして(3
0)、受光レベル読取指示をシ−ケンサ60に与え、シ
−ケンサ60に受光レベル読取切換同期信号を与えて、
受光器C1〜C8の受光レベル信号をA/D変換して読
込み、内部メモリに書込む(31)。
【0172】受光器C1〜C8の受光レベルを読込むと
パソコン90は、デ−タ選別「有効モ−ド」が選択され
ているかをチェックして(32)、選択されていると、
シ−ケンサ60から変位計デ−タを得て(33)、全変
位計32〜34の計測値(各変位計に対する焼鈍板OP
のz方向距離)が、上限値DU以下下限値DL以上の範
囲内にあるかをチェックして、この範囲を外れていると
きには、今回読込んだデ−タ(受光器C1〜C8の受光
レベルデ−タ)を破棄して(35)、再度受光器C1〜
C8の受光レベルの読込みを行なう(30,31)。範
囲内であったときには、今回読込みデ−タをそのままセ
−ブして、また受光器C1〜C8の受光レベルの読込み
を行なう36〜38,30〜34)。
【0173】次に図20を参照する。このようにして、
n=Td/Tc回の読込みデ−タを得ると、パソコン9
0は、演算モ−ドに「P/S比モ−ド」が選択されてい
るかをチェックして(39)、「P/S比モ−ド」が選
択されていると、偏光板10をS偏光に設定して、上述
のP偏光のときと同様に、受光器C1〜C8の受光レベ
ルを読込み、n=Td/Tc回の読込みデ−タを得る
(40〜50)。なお、演算モ−ドに「P/S比モ−
ド」が選択されていないときには、このS偏光のデ−タ
読込み(40〜50)は行なわない。
【0174】次に図21を参照する。次にパソコン90
は、読込んだデ−タ(各組n個)の平均値を算出する
(51)。ここで、P偏光の読込みデ−タの平均値をE
(P)iと、S偏光の読込みデ−タの平均値をE(S)
iと表現する。iは受光器C1〜C8の番号(1〜8)
に対応する。
【0175】次に、受光器C2〜C8の各受光レベルを
吸光度Gi(i=2〜8)に変換する(52)。この内
容は、「P/S比モ−ド」と「P/Au(P)モ−ド」
のいずれが選択されているかにより、異なる。
【0176】「P/S比モ−ド」が選択されている場合
には、 Ei=Di×(E(P)i/E(S)i) ・・・(5) i=1〜8, Di=E(Pi)/E(Si)すなわち標準デ−タテ−
ブルにある金ミラ−のE(Pi)/E(Si) を、受光器C1〜C8それぞれで検出した光反射強度と
して算出する。これらの処理の必要性を以下に述べる。
【0177】高感度反射測定はサンプル(分析対象材)
のP偏光受光レベル値(E(P)i)を標準ミラ−である
金ミラ−のP偏光受光レベル値(Au(P)i)で割り算
する次式により得られる。
【0178】高感度反射吸収スペクトル(i)=E(P)
i/Au(P)i オンライン測定では金ミラ−の測定が出来ないために何
らかの工夫が必要である。この値の測定にはラインを止
めてオフラインで測定する必要があるが、この値は雰囲
気(湿度,COガス濃度,CO2ガス濃度等)に大きく
影響されるので、刻々と更新する必要があるというのが
分光学上の常識である。オンラインで容易に測定出来る
量としてP偏光受光レベル値(E(P)i)の他にS偏光
受光レベル値(E(S)i)があり、この量を金ミラ−の
P偏光受光レベル値(Au(P)i)と金ミラ−のS偏光
受光レベル値(Au(S)i)を測定しておく。オンライ
ンで測定した値を用いてE(P)i/E(S)iを計算し、こ
れにAu(S)i/Au(P)iをかける。すなわち、 〔E(P)i/E(S)i〕×〔Au(S)i/Au(P)i〕=
〔E(P)i/Au(P)i〕×〔Au(S)i/E(S)i〕 と変形される。ここで第一のカッコの中身〔E(P)i/
Au(P)i〕は、高感度反射法スペクトルそのものであ
る。第二のカッコの中身〔Au(S)i/E(S)i〕は、金
とサンプルのS偏光での受光レベルで、測定の波長が1
0μm近辺であることを考えると両方とも反射率が高い
と考えられるので、ほぼ同じ値をとる。従って第二のカ
ッコ内はぼほ1に近くなり、 〔E(P)i/E(S)i〕×〔Au(S)i/Au(P)i〕≒
〔E(P)i/Au(P)i〕 と考えられ、P偏光での受光レベル値をS偏光での受光
レベル値で割り算し、この値に金ミラ−のS偏光の受光
レベル値をP偏光で割ったものをかければ、高感度反射
スペクトルが得られる。この方法によれば、Au(S)i
/Au(P)iの値は割り算された値なので、雰囲気の効
果がキャンセルされた形になっているので、刻々と更新
する必要がない。従ってオンライン計測が可能となる。
【0179】「P/Au(P)モ−ド」が選択されてい
る場合には、 Ei=E(P)i/E(Pi) ・・・(6) i=1〜8, E(Pi):標準デ−タテ−ブルにあるE(Pi)すな
わち金ミラ−のP偏光の受光レベル を、受光器C1〜C8それぞれで検出した光反射強度と
して算出する。すなわち補正する。
【0180】以下の処理は、「P/S比モ−ド」と「P
/Au(P)モ−ド」に共通であり、まず、先に示した
〔数2〕の行列式形式の(2)式と、上述のEiの中のi
=1,2および8のものに基づいて、パラメ−タ行列L
(a0〜a3)を算出する。このときKの逆行列の値
は、図19のステップ25で演算パラメ−タテ−ブルに
書込んだものを用いる。次に、各波数(i=1〜8)の
光反射強度Eiを、求めたベ−スラインの光反射強度で
割算した値F1i(規格化反射率)を求める。規格化反
射率F1iは、例えば図28に示すものとなる。
【0181】次に、規格化反射率F1iを、次の(7)式
に従って吸光度Giに変換する。吸光度Giの算出値の
例を図29に示す。
【0182】 Gi=−Log(F1i) ・・・(7) 以上がステップ52の内容である。次にパソコン90
は、先に示した〔数4〕の行列式形式の(4)式と、上述
の吸光度Giの中のi=2〜8のものに基づいて、パラ
メ−タ行列V(P1〜P4)を算出する(53)。この
ときUの逆行列の値は、図19のステップ25で演算パ
ラメ−タテ−ブルに書込んだものを用いる。
【0183】次にパソコン90は、FeO(金属酸化
物)総量を表わす値FeO=P2+P3+P4を算出
し、そしてO(酸素)総量を表わすO=P1+P2+P
3+P4を算出する(54,55)。
【0184】次にパソコン90は、対物ヘッドのx位置
(x,y方向の測定位置),各種検出値,異常判定デ−
タを含む状態デ−タの転送をシ−ケンサ60に要求し、
転送された状態デ−タを読込む。そして状態チェックな
らびに出力デ−タの編集を行なう(56,57)。出力
デ−タには、測定モ−ド,測定位置(x,y位置)に対
応付けた測定デ−タおよび算出デ−タならびに状態(異
常判定も含む)デ−タが含まれる。パソコン90は、こ
の出力デ−タを一時記憶用RAMの測定デ−タエリアに
書込むと共に、CRT93に表示しかつプリンタ94で
プリントアウトする(58)。なお、一時記憶用RAM
のパラメ−タテ−ブルにデ−タ保存「有効」を示すデ−
タがあるときには、焼鈍板OPの所定の区切り毎に、一
時記憶用RAMの測定デ−タエリアの測定デ−タをハ−
ドディスクの測定デ−タエリアに書込む。
【0185】「状態チェック」(57)の結果、測定継
続可であると、また受光器C1〜C8の受光レベルの読
込みに進む(ステップ28以下)。測定継続不可である
と、そこで安全を確保するための処置(60)ならびに
出力を行なって、オンライン測定の初期画面表示(図1
8のSMD)に戻り、異常出力(表示)を継続する。
「位置サンプリングモ−ド」PSMでのパソコン90の
デ−タ処理は、前述のスキャンモ−ドのときのものと同
様であるが、計測制御が少しスキャンモ−ドと異なる。
すなわち、位置サンプリングモ−ドではシ−ケンサ60
が、第1ポイント−第2ポイント−第3ポイント−第2
ポイント−第1ポイント−第2ポイント−・・・と対物
ヘッド(キャリッジ16)のx位置を順次に変更し、各
ポイントへの対物ヘッドの位置決めを完了すると計測レ
ディをパソコン90に報知し、これに応答してパソコン
90が上述の光レベルの読込みと演算および出力を行な
い、それを完了するとポイントシフト(次のポイントへ
の対物ヘッドの駆動)をシ−ケンサ60に指示し、シ−
ケンサ60はこのポイントシフト指示に応答してポイン
トの切換えを行なう。他の処理は上述のスキャンモ−ド
と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0186】「位置固定モ−ド」PFMでのパソコン9
0のデ−タ処理も、前述のスキャンモ−ドのときのもの
と同様であるが、計測制御が少しスキャンモ−ドと異な
る。すなわち、計測開始までにパソコン90は対物ヘッ
ドの指定x位置をシ−ケンサ60に与えてシ−ケンサ6
0がその位置に対物ヘッドを位置決めする。その後は、
上述の光レベルの読込みと演算および出力を繰返す。他
の処理は上述のスキャンモ−ドと同様であるので、ここ
での詳細な説明は省略する。
【0187】以上がオンライン測定の内容である。再度
図16を参照する。「参照資料測定」SPMは、測定ホ
−ムポジションに対物ヘッドを位置決めして、上述のス
キャンモ−ドの光レベルの読込みと演算および出力の処
理を1回行なうものである。この「参照資料測定」に
は、試料台31上には、酸化物成分デ−タが既知の参照
試料が設置されて開口2直下にあることを想定した酸化
物試料測定モ−ドと、試料台31上に標準ミラ−(金ミ
ラ−)を設置しかつ受光側フィルタ22にその外部か
ら、赤外材料の透過フィルタ(Siフィルタ又はZnS
eフィルタ)を装着した校正測定モ−ドとがある。酸化
物試料測定モ−ドを実行したときには、参照試料を計測
すると、計測デ−タを該参照試料の既知デ−タと対比す
ることにより、分光分析装置の現時点の特性と信頼性を
推定することができる。
【0188】校正測定モ−ドでは、赤外材料の透過フィ
ルタを装着したときと、それを外したときの標準ミラ−
の各分光器C1〜C8の受光レベルを計測して、赤外材
料の透過フィルタがあったときの受光レベルを標準ミラ
−のみの受光レベルで割り算して、各波数(各分光器C
1〜C8)の、割り算で得た値を各基準値と対比して、
各分光器C1〜C8およびそれに接続された検知回路7
0〜77の光/電気信号変換特性をチェックし、各分光
器C1〜C8の光/電気信号変換特性を調整し検知回路
70〜77の増幅特性を調整する。
【0189】「状態確認」ORCは、分光分析装置の光
学系および電気回路系の状態をオペレ−タが確認するた
めのものである。「状態確認」ORCに進むとパソコン
90は確認項目リストをCRT93に表示し、オペレ−
タが確認項目を選択する。パソコン90は項目が選択さ
れると、それに対応した処理を行なう。以下に数種の処
理を説明する。
【0190】受光器C1〜C8の信号処理系のノイズレ
ベルの確認:オペレ−タが指定したチャンネル(C1〜
C8)の受光レベル信号の電圧を、横軸を時間として時
系列でCRT上にグラフ表示する。S偏光/P偏光をオ
ペレ−タが指定する。
【0191】迷光レベルの確認:オペレ−タが迷光レベ
ルの確認を起動すると、パソンコン90はシ−ケンサ6
0を介してシャッタ14を閉じ、CRT上に受光器C1
〜C8の受光レベル信号のレベルを、電圧値で表示す
る。S偏光/P偏光をオペレ−タが指定する。
【0192】ロックインアンプ83のオフセット確認:
オペレ−タがこれを起動すると、パソコン90がシ−ケ
ンサ60に、マルチプレクサ81の入力0を指示し、マ
ルチプレクサ81が、入力0の電圧をバンドパスフィル
タ82に与え、このときの電圧レベルをパソコン90が
読込み、CRTに横軸を時間として時系列で表示する。
入力0は機器ア−スレベル(フィルタ82の入力ショ−
ト)であり、読込み値はフィルタ82のオフセット電圧
を示す。図16に示す「デ−タ転送」DTCは、ハ−ド
ディスク又は一時記憶用RAMの測定デ−タを、焼鈍板
の長さ区分単位(コイル単位又は所定長単位)でMOデ
ライバに転送してMOにコピ−する処理であり、測定デ
−タの在所(ハ−ドディスク/RAM)ならびに属する
グル−プ(焼鈍板の長さ区分)はオペレ−タが指定す
る。
【0193】図16に示す「デ−タ解析」DTPは、オ
ペレ−タが指定した、パソコン90のハ−ドディスク又
は一時記憶用RAMもしくはMOのデ−タを、CRT上
にグラフ表示し、オペレ−タ指示があればプリントアウ
トする。グラフ表示処理が指示されると、Execl又
はLotusでグラフ表示できるように、TEXTファ
イルに変換する。
【0194】−第2実施例− 上述の第1実施例では、光学定盤1の開口2にキャリッ
ジ16を装着して対物ヘッドのみをx方向に走査駆動す
る構成であるので、x走査駆動を高速に行ない得る。ま
た対物ヘッドを高精度に位置決めしうる。しかし、x方
向の走査幅を広く設計する場合、光学定盤1のx方向幅
が大きくなるばかりでなく、光源5から受光器C1〜C
8までの光路長が長くなり、焼鈍板OPのz方向変位お
よび振動や、水平からの角度変化又は傾き振動による、
受光器C1〜C8の基準光軸に対する反射光のずれが大
きくなる。この点を改善するため、第2実施例では、光
学定盤1をキャリッジとしてそれをx方向に走査駆動し
うる構造とした。
【0195】図30および図31に、第2実施例の銅板
ケ−シング4のxz断面およびxy断面を示す。第2実
施例では、投光側方向変換ミラ−19,投光側対物ミラ
−20,受光側対物ミラ−22および受光側方向変換ミ
ラ−24も光学定盤1に固定されている。光学定盤1は
x方向に延びる支持レ−ル3上に、x方向に移動自在に
載っており、ねじ棒17(図31)の正,逆転によりx
方向で往,復駆動される。迷光レベル検出のために光路
を遮断するシャッタ14は、光学定盤1の、ミラ−19
直下の透光開口2を開閉する。このシャッタ14は、第
1実施例と同様に、エァ−シリンダ15で駆動される。
その他の機械的な構造は第1実施例と同様である。第2
実施例の電気システム構成は、図14に示す第1実施例
のものと同様であり、パソコン90の分光分析プログラ
ムも上述の第1実施例のものと同様であるので、ここで
の詳細な説明は省略する。
【0196】この第2実施例では、形状が大きく高重量
の定盤1をx方向に走査駆動するので走査速度は低く、
位置決め精度も低いが、光源5から受光器C1〜C8ま
での光路長が、第1実施例の場合よりもかなり短いの
で、焼鈍板OPのz方向変位および振動や、水平からの
角度変化又は傾き振動による、受光器C1〜C8の基準
光軸に対する反射光のずれが小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の分光測定機OMDを装
備した電磁鋼板の脱炭焼鈍ラインの概要を示すブロック
図である。
【図2】 図1に示す分光測定機OMDの銅板ケ−シン
グ4のxz断面を示す拡大断面図である。
【図3】 図1に示す分光測定機OMDの銅板ケ−シン
グ4のxy断面を示す拡大断面図である。
【図4】 図2に示す光源5の拡大斜視図である。
【図5】 図2に示す偏光板10の偏光方向を示す拡大
斜視図であり、(a)はP偏光を、(b)はS偏光を示
す。
【図6】 図3に示す光分配器A1〜A5,B1,B2
と受光器C1〜C8のxy平面上の配列を示す拡大平面
図である。
【図7】 図6に示す2色フィルタ43の光透過方向お
よび反射方向を示す平面図であり、(a)は2色フィル
タ43のみで光反射を行なうと仮定したものを、(b)
は光分配器A1〜A5,B1,B2での、金ミラ−を用
いる反射態様を示す。
【図8】 (a)は図3に示す光分配器A4の拡大平面
図、(b)光分配器A4の2色フィルタ43の入射角度
および金ミラ−46の配設角度を示す。
【図9】 図3に示す光分配器A4の拡大分解斜視図で
ある。
【図10】 (a)は2色フィルタ43の入射角を、図
7の(b)に示すように22.5としたときの、P偏光
とS偏光の透過率を示すグラフ、(b)は、図7の
(a)に示すように入射角を45°にしたときの、P偏
光とS偏光の透過率を示すグラフである。
【図11】 光分配器A1〜A5,B1,B2と受光器
C1〜C8のxy平面上の配列の一変形例を示す拡大平
面図である。
【図12】 (a)は図3に示す光分配器A4および受
光器C2の拡大平面図であり、(b)は受光器C2の光
電変換素子51を集光レンズ49の焦点に置いたと仮定
した場合の、光分配器A4および受光器C2の拡大平面
図、(c)は、(a)の配置での焼鈍板OPの傾斜に対
する受光器C2の受光レベルの変化(実線)と、(b)
の配置態様での焼鈍板OPの傾斜に対する受光器C2の
受光レベルの変化(2点鎖線)を示すグラフである。
【図13】 図2に示す銅板ケ−シング4の外観を示す
縮小斜斜図である。
【図14】 図1に示す分光測定機OMD内の電気要素
ならびにそれらに接続された機外の電気要素を示すブロ
ック図である。
【図15】 図14に示す光強度計測回路80の構成を
示すブロック図である。
【図16】 図14に示すパソコン90の、分光分析プ
ログラムに基づいた分光測定の流れ概要を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図17】 図16に示す「標準板測定」RPMの内容
を示すフロ−チャ−トである。
【図18】 図16に示す「オンライン測定」OPMの
内容を示すフロ−チャ−トである。
【図19】 図18に示す「スキャンモ−ド」SMMの
内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図20】 図18に示す「スキャンモ−ド」SMMの
内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図21】 図18に示す「スキャンモ−ド」SMMの
内容の残部を示すフロ−チャ−トである。
【図22】 内層がSiO2で外層が(Fe,Mn)2
iO4の、赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。
【図23】 内層がSiO2で外層が(Fe,Mn)S
iO3−Iの、赤外線吸収スペクトルを示すグラフであ
る。
【図24】 内層がSiO2で外層が(Fe,Mn)S
iO3−IIの、赤外線吸収スペクトルを示すグラフであ
る。
【図25】 内層がSiO2で外層もSiO2の、赤外線
吸収スペクトルを示すグラフである。
【図26】 金のP偏光赤外線の吸収スペクトルを示す
グラフである。
【図27】 内層がSiO2で、外層に、(Fe,M
n)2SiO4,(Fe,Mn)SiO3−I,(Fe,
Mn)SiO3−IIおよびSiO2を含む酸化層の赤外線
反射率(金の反射強度に対する該酸化層の反射強度の比
率)を示すグラフである。
【図28】 図27に示すベ−スラインの各波数の反射
率に対する各波数の実際の反射率の比F1iを示すグラ
フである。
【図29】 図28に示す反射率の比F1iに基づいて
算出された各波数の吸光度Giを示すグラフである。
【図30】 第2実施例の分光測定機OMDの銅板ケ−
シング4のxz断面を示す拡大断面図である。
【図31】 図30に示す第2実施例の分光測定機OM
Dの銅板ケ−シング4のxy断面を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1:光学定盤 2:開口 3:レ−ル 4:銅板ケ−シン
グ 5:光源 6:光源ミラ− 7:集光レンズ 8:チョッパプレ
−ト 9:電気モ−タ 10:偏光板 11:ステッピングモ−タ 12:コリメ−ト
レンズ 13:区画板 14:シャッタ 15:エァ−シリンダ 16:キャリッジ 17:ねじ棒 18:減速機付電
気モ−タ 19:投光側方向変換ミラ− 20:受光側対物
ミラ− 21:窓板 22:窓板 23:受光側対物ミラ− 24:受光側方向
変換ミラ− 25:スカ−ト(弾力性ゴム) 26,27:シャ
ッタレ−ル 28,29:シャッタ 30:ア−ム 31:試料皿 32〜34:変位
計 35,36:サポ−トロ−ル 37,38:保護
ロ−ル A1〜A7,B1,B2:光分配器 C1〜C8:受光
器 Ct,Cr:ケ−シング BP:底板 OP:焼鈍板 RD:試料 40:ケ−シング 41:窓 42:水冷管 43:2色フィル
タ 44:ホルダ 45:基台 46:金ミラ− 47:ホルダ 48:バンドパスフィルタ 49:集光レンズ 50:光電変換器 51:光電変換素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向 井 聖 夫 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 浜 谷 剛 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 財 前 洋 一 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 関 口 修 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁鋼脱炭焼鈍板に赤外光を投射する投光
    手段;電磁鋼脱炭焼鈍板表面で反射された赤外光を強度
    分割して複数の光路に分配する複数の赤外光分割手段を
    含む光分配手段;赤外光分割手段によって分割された赤
    外光を分光する赤外フィルタと該フィルタを透過した光
    の強度を電気信号に変換する光電変換手段を含む、それ
    ぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置された、複数の
    分光検出手段;各分光検出手段の電気信号を光レベルデ
    −タに変換する光強度計測回路;および、 分光検出手段のそれぞれが検知した光レベルに基づいて
    電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物を構成する成分を定量的に求
    めるデ−タ処理手段;を備える、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸
    化物の分光分析装置。
  2. 【請求項2】投光手段は、赤外光を放射する光源および
    該光源が発生した赤外光を直線偏光にする直線偏光手段
    を含む;請求項1記載の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の
    分光分析装置。
  3. 【請求項3】投光手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板の表面に対
    して80°以上の入射角で赤外光を電磁鋼脱炭焼鈍板に
    投射する投光側対物ミラ−を含み;光分配手段は、投光
    側対物ミラ−が電磁鋼脱炭焼鈍板に投射しそれが反射し
    た反射角80°以上の赤外光を反射する受光側対物ミラ
    −を含む;請求項1又は請求項2記載の、電磁鋼脱炭焼
    鈍板の酸化物の分光分析装置。
  4. 【請求項4】投光手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板の表面に対
    して平行な赤外光を、該表面と直交する方向に反射する
    投光側方向変換ミラ−、および、該ミラ−が反射した赤
    外光を電磁鋼脱炭焼鈍板に投射する投光側対物ミラ−を
    含み;光分配手段は、投光側対物ミラ−が電磁鋼脱炭焼
    鈍板に投射しそれが反射した赤外光を電磁鋼脱炭焼鈍板
    の表面と直交する方向に反射する受光側対物ミラ−、お
    よび、このミラ−が反射した赤外光を電磁鋼脱炭焼鈍板
    の表面に対して平行な方向に反射する受光側方向変換ミ
    ラ−を含む;請求項1又は請求項2記載の、電磁鋼脱炭
    焼鈍板の酸化物の分光分析装置。
  5. 【請求項5】複数の分光検出手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板
    の酸化物によって実質上吸収のない3つ以上の波数の赤
    外光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光
    検出手段、および、電磁鋼脱炭焼鈍板の、少くとも分析
    対象の酸化物の種類数に対応する数の、各酸化物によっ
    て実質上吸収のある波数の赤外光のそれぞれを検知する
    第2グル−プの分光検出手段を含み;デ−タ処理手段
    は、第1グル−プの分光検出手段が検知した光レベルに
    基づいて電磁鋼脱炭焼鈍板の、分析対象の酸化物が存在
    しないとした分光スペクトルすなわちベ−スラインを算
    出し、このベ−スラインと第2グル−プの分光検出手段
    が検知した光レベルに基づいて第2グル−プの分光検出
    手段が検知する波数に対する電磁鋼脱炭焼鈍板の吸光度
    を算出し、算出した吸光度に基づいて分析対象の酸化物
    の種類それぞれの量を算出する;請求項1,請求項2,
    請求項3又は請求項4記載の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化
    物の分光分析装置。
  6. 【請求項6】複数の分光検出手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板
    の酸化物によって実質上吸収のない3つ以上の波数の赤
    外光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光
    検出手段、および、電磁鋼脱炭焼鈍板の、少くとも分析
    対象の酸化物の種類数に対応する数以上の、各酸化物に
    よって実質上吸収のある波数の赤外光のそれぞれを検知
    する第2グル−プの分光検出手段を含み;第1グル−プ
    の分光検出手段の赤外フィルタの半値全幅は150(1/cm)
    以下、第2グル−プの分光検出手段の赤外フィルタの半
    値全幅は100(1/cm)以下である;請求項1,請求項2,
    請求項3,請求項4又は請求項5記載の、電磁鋼脱炭焼
    鈍板の酸化物の分光分析装置。
  7. 【請求項7】複数の分光検出手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板
    の酸化物によって実質上吸収のない3つ以上の波数の赤
    外光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光
    検出手段、および、電磁鋼脱炭焼鈍板の、少くとも分析
    対象の酸化物の種類数に対応する数以上の、各酸化物に
    よって実質上吸収のある波数の赤外光のそれぞれを検知
    する第2グル−プの分光検出手段、を含み;第2グル−
    プの分光検出手段の赤外フィルタの中心付近の波数は、
    分析対象の酸化物が赤外線を吸収する波数領域内の、赤
    外反射吸収スペクトルの隣り合う山と谷の波数の中間付
    近の波数である;請求項1,請求項2,請求項3,請求
    項4,請求項5又は請求項6記載の、電磁鋼脱炭焼鈍板
    の酸化物の分光分析装置。
  8. 【請求項8】複数の分光検出手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板
    の酸化物によって実質上吸収のない3つ以上の波数の赤
    外光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光
    検出手段と、 内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)2
    iO4の酸化物によって実質上吸収のある波数の赤外光
    を検知する分光検出手段,内部酸化層がSiO2で外部
    酸化層が(Fe,Mn)SiO3の酸化物によって実質
    上吸収のある波数の赤外光を検知する分光検出手段、お
    よび、 内部酸化層がSiO2で外部酸化層もSiO2の酸化物に
    よって実質上吸収のある波数の赤外光を検知する分光検
    出手段、を含む第2グル−プの分光検出手段と、を含
    み;デ−タ処理手段は、第1グル−プの分光検出手段が
    検知した光レベルに基づいて電磁鋼脱炭焼鈍板の、分析
    対象の酸化物が存在しないとした分光スペクトルすなわ
    ちベ−スラインを算出し、このベ−スラインと第2グル
    −プの分光検出手段が検知した光レベルに基づいて第2
    グル−プの分光検出手段が検知する波数に対する電磁鋼
    脱炭焼鈍板の吸光度Giを算出し、算出した吸光度Gi
    と、 メモリに格納している、内部酸化層がSiO2で外部酸
    化層が(Fe,Mn)2SiO4の酸化物の吸光度デ−タq
    4i’,内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,
    Mn)SiO3の酸化物の吸光度デ−タq2i’、およ
    び、 内部酸化層がSiO2で外部酸化層もSiO2の酸化物の
    吸光度デ−タq1i’、とに基づいて、 Gi=P1’・q1i’+P2’・q2i’+P4’・
    q4i’ なる関係を満すパラメ−タP1’,P2’およびP4’
    の値を算出し、算出したP1’,P2’およびP4’の
    値に基づいて酸化物量又は酸素量を算出する;請求項
    1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項
    6又は請求項7記載の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分
    光分析装置。
  9. 【請求項9】複数の分光検出手段は、電磁鋼脱炭焼鈍板
    の酸化物によって実質上吸収のない3つ以上の波数の赤
    外光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光
    検出手段と、 内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)2
    iO4の酸化物によって実質上吸収のある波数の赤外光
    を検知する分光検出手段,内部酸化層がSiO2で外部
    酸化層が(Fe,Mn)SiO3−Iの酸化物によって
    実質上吸収のある波数の赤外光を検知する分光検出手
    段,内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,M
    n)SiO3−IIの酸化物によって実質上吸収のある波
    数の赤外光を検知する分光検出手段、および、 内部酸化層がSiO2で外部酸化層もSiO2の酸化物に
    よって実質上吸収のある波数の赤外光を検知する分光検
    出手段、を含む第2グル−プの分光検出手段と、を含
    み;デ−タ処理手段は、第1グル−プの分光検出手段が
    検知した光レベルに基づいて電磁鋼脱炭焼鈍板の、分析
    対象の酸化物が存在しないとした分光スペクトルすなわ
    ちベ−スラインを算出し、このベ−スラインと第2グル
    −プの分光検出手段が検知した光レベルに基づいて第2
    グル−プの分光検出手段が検知する波数に対する電磁鋼
    脱炭焼鈍板の吸光度Giを算出し、算出した吸光度Gi
    と、 メモリに格納している、内部酸化層がSiO2で外部酸
    化層が(Fe,Mn)2SiO4の酸化物の吸光度デ−タ
    q4i,内部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,
    Mn)SiO3−Iの酸化物の吸光度デ−タq2i,内
    部酸化層がSiO2で外部酸化層が(Fe,Mn)Si
    3−IIの酸化物の吸光度デ−タq3i、および、 内部酸化層がSiO2で外部酸化層もSiO2の酸化物の
    吸光度デ−タq1i、とに基づいて、 Gi=P1・q1i+P2・q2i+P3・q3i+P
    4・q4i なる関係を満すパラメ−タP1,P2,P3およびP4
    の値を算出し、算出したP1,P2,P3およびP4の
    値に基づいて酸化物量又は酸素量を算出する;請求項
    1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項
    6又は請求項7記載の、電磁鋼脱炭焼鈍板の酸化物の分
    光分析装置。
  10. 【請求項10】少くとも、投光手段,光分配手段および
    分光検出手段を、脱炭焼鈍炉を出た電磁鋼脱炭焼鈍板が
    100°C以下の温度である位置に配設した、請求項1,
    請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,
    請求項7,請求項8又は請求項9記載の、電磁鋼脱炭焼
    鈍板の酸化物の分光分析装置。
  11. 【請求項11】分析対象材に光を投射する投光手段;分
    析対象材の反射光を複数の光路に分配する光分配手段;
    分析対象材によって実質上吸収のない3つ以上の波数の
    光のそれぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光検
    出手段;分析対象材の、少くとも分析対象成分の種類数
    の、各成分によって実質上吸収のある波数の光のそれぞ
    れを検知する第2グル−プの分光検出手段;分析対象材
    があるべき位置に一時的に配置される、前記波数のすべ
    てに対して実質上吸収がない標準ミラ−;分析対象材に
    関して第1グル−プの分光検出手段が検知した光レベル
    を、標準ミラ−に関して検知した光レベルに基づいて補
    正し、補正した光レベルに基づいて分析対象材の、分析
    対象成分が存在しないとした分光スペクトルすなわちベ
    −スラインを算出し、このベ−スラインと第2グル−プ
    の分光検出手段が検知した光レベルを、標準ミラ−に関
    して検知した光レベルに基づいて補正し、補正した光レ
    ベルに基づいて第2グル−プの分光検出手段が検知する
    波数に対する分析対象材の吸光度を算出し、算出した吸
    光度に基づいて分析対象成分の量を算出するデ−タ処理
    手段;および、 前記分光検出手段が正しく動作しているかのチェックの
    ために、前記投光手段から前記光分配手段までの光路に
    前記標準ミラ−と共に介挿される、分光検出手段の波数
    域で透過率の変化の仕方がゆるやかな、透過率が既知で
    ある透過フィルタ;を備える分光分析装置。
  12. 【請求項12】分析対象材に光を投射する投光手段;分
    析対象材に光を投射するための投光開口を有し、投光手
    段を囲むケ−シング; 前記投光開口を閉じる、第1お
    よび第2グル−プの分光検出手段の波数域より低い波数
    域をカットする投光側フィルタ;分析対象材が反射した
    光を通すための受光開口を有し、光分配手段を囲むケ−
    シング;前記受光開口を閉じる、第1および第2グル−
    プの分光検出手段の波数域より低い波数域をカットする
    受光側フィルタ;該受光側フィルタを通った分析対象材
    の反射光を複数の光路に分配する光分配手段;分析対象
    材によって実質上吸収のない3つ以上の波数の光のそれ
    ぞれを検知する3以上の第1グル−プの分光検出手段;
    分析対象材の、少くとも分析対象成分の種類数の、各成
    分によって実質上吸収のある波数の光のそれぞれを検知
    する第2グル−プの分光検出手段;および、 第1グル−プの分光検出手段が検知した光レベルに基づ
    いて分析対象材の、分析対象成分が存在しないとした分
    光スペクトルすなわちベ−スラインを算出し、このベ−
    スラインと第2グル−プの分光検出手段が検知した光レ
    ベルに基づいて第2グル−プの分光検出手段が検知する
    波数に対する分析対象材の吸光度を算出し、算出した吸
    光度に基づいて分析対象成分の量を算出するデ−タ処理
    手段;を備える分光分析装置。
  13. 【請求項13】赤外光を放射する光源および該光源が発
    生した赤外光を直線偏光にする直線偏光手段を含む、分
    析対象材に光を投射する投光手段;入射角が15°以上
    30°以下の、入射光のうち特定波数より小さい波数を
    通して第1出射光とし大きい波数を反射する2色フィル
    タ、および、該2色フィルタが反射した光を反射して第
    2出射光とするミラ−を有する光分配器、を含む、分析
    対象材の反射光を複数の光路に分配する光分配手段;異
    なる波数の光が選択的に透過するフィルタと該フィルタ
    を透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手段
    を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置さ
    れた、複数の分光検出手段;各分光検出手段の電気信号
    を光レベルデ−タに変換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える偏光を利用する分
    光分析装置。
  14. 【請求項14】分析対象材に平行光を投射する投光手
    段;分析対象材の反射光を複数の光路に分配する光分配
    手段;異なる波数の光が選択的に透過するフィルタと該
    フィルタを透過した光の強度を電気信号に変換する光電
    変換手段を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれ
    に配置された、複数の分光検出手段;各分光検出手段の
    電気信号を光レベルデ−タに変換する光強度計測手段;
    および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える正反射法を用いた
    分光分析装置。
  15. 【請求項15】分光検出手段は、前記フィルタと光電変
    換手段との間に介挿された集光レンズを含み;光電変換
    手段は、該集光レンズの焦点位置よりも所定距離以上前
    記フィルタに近い方向又は遠い方向にずれた位置にあ
    る;請求項13又は請求項14記載の分光分析装置。
  16. 【請求項16】各分光検出手段のずらし量は、分光検出
    手段のすべてが、分析対象材の変位および姿勢ずれ量に
    対する受光レベル変化量の比が実質上同一となるもので
    ある;請求項15記載の分光分析装置。
  17. 【請求項17】長手方向yに移動する分析対象材に幅方
    向xに光を投射する投光手段;分析対象材のx方向の反
    射光を複数の光路に分配する光分配手段;異なる波数の
    光が選択的に透過するフィルタと該フィルタを透過した
    光の強度を電気信号に変換する光電変換手段を含む、そ
    れぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置された、複数
    の分光検出手段;各分光検出手段の電気信号を光レベル
    デ−タに変換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  18. 【請求項18】長手方向yの、投光手段が投射した光が
    分析対象材に当る位置よりも、移動方向で上流側と下流
    側に配設され、分析対象材を下押えするサポ−トロ−
    ル;を更に備え;投光手段は分析対象材の上面に光を投
    射する;請求項17記載の分光分析装置。
  19. 【請求項19】サポ−トロ−ルは、投光手段,光分配手
    段および分光検出手段を支持する基台とは分離した別の
    架台にて支持した;請求項18記載の分光分析装置。
  20. 【請求項20】分析対象材のz方向変位を検出する手段
    を更に備え;デ−タ処理手段は、該z方向変位検出手段
    が検出する変位が設定範囲内のときの光レベルデ−タに
    基づいて分析対象材の吸光成分量を算出する;請求項1
    7,請求項18又は請求項19記載の分光分析装置。
  21. 【請求項21】分析対象材に光を投射する投光手段;分
    析対象材の反射光を複数の光路に分配する光分配手段;
    異なる波数の光が選択的に透過するフィルタと該フィル
    タを透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手
    段を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置
    された、複数の分光検出手段;少くとも前記光分配手段
    および分光検出手段を包囲する金属ケ−シング;該金属
    ケ−シングを冷却するための水冷管および該水冷管に冷
    却水を供給する冷却装置;各分光検出手段の電気信号を
    光レベルデ−タに変換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  22. 【請求項22】分析対象材に光を投射する投光手段;分
    析対象材の反射光を複数の光路に分配する光分配手段;
    異なる波数の光が選択的に透過するフィルタと該フィル
    タを透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手
    段を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置
    された、複数の分光検出手段;前記投光手段,光分配手
    段および分光検出手段の光路を囲むケ−シング;該ケ−
    シング内に、前記光の吸収が実質上ないガスを供給する
    手段;各分光検出手段の電気信号を光レベルデ−タに変
    換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  23. 【請求項23】分析対象材の表面に光を投射する投光側
    対物ミラ−を含む投光手段;分析対象材が反射した光を
    反射する受光側対物ミラ−を含み、分析対象材の反射光
    を複数の光路に分配する光分配手段;投光側対物ミラ
    −,受光側対物ミラ−およびそれらの間の光路を囲む部
    材;該部材が囲む空間に、前記光の吸収が実質上ないガ
    スを供給する手段;異なる波数の光が選択的に透過する
    フィルタと該フィルタを透過した光の強度を電気信号に
    変換する光電変換手段を含む、それぞれが前記複数の光
    路のそれぞれに配置された、複数の分光検出手段;各分
    光検出手段の電気信号を光レベルデ−タに変換する光強
    度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  24. 【請求項24】水平に設置された光学定盤;該光学定盤
    に設置され、分析対象材に光を投射する投光手段;分析
    対象材の反射光を、複数の光路に分配する、前記光学定
    盤に設置された光分配手段;異なる波数の光が選択的に
    透過するフィルタと該フィルタを透過した光の強度を電
    気信号に変換する光電変換手段を含む、それぞれが前記
    複数の光路のそれぞれに配置され前記光学定盤に設置さ
    れた、複数の分光検出手段;各分光検出手段の電気信号
    を光レベルデ−タに変換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  25. 【請求項25】xy平面を有する光学定盤;該光学定盤
    に設置されそれをz方向に貫通する開口を通して分析対
    象材に光を投射する投光手段;前記光学定盤に設置され
    それをz方向に貫通する開口を通った、分析対象材の反
    射光を複数の光路に分配する光分配手段;異なる波数の
    光が選択的に透過するフィルタと該フィルタを透過した
    光の強度を電気信号に変換する光電変換手段を含む、そ
    れぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置され前記光学
    定盤に設置された、複数の分光検出手段;各分光検出手
    段の電気信号を光レベルデ−タに変換する光強度計測手
    段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  26. 【請求項26】投光手段は、光学定盤のxy平面に対し
    て平行な光を、光学定盤をz方向に貫通する開口を通過
    する方向に反射する投光側方向変換ミラ−、および、該
    ミラ−が反射した光を分析対象材に投射する投光側対物
    ミラ−を含み;光分配手段は、投光側対物ミラ−が分析
    対象材に投射しそれが反射した光を光学定盤をz方向に
    貫通する開口を通過する方向に反射する受光側対物ミラ
    −、および、このミラ−が反射した光を光学定盤のxy
    平面に対して平行な方向に反射する受光側方向変換ミラ
    −を含む;請求項25記載の分光分析装置。
  27. 【請求項27】投光手段は、光を放射する光源,該放射
    光を、x方向に平行な平行光に整える光源ミラ−,該平
    行光を通す偏光板,該偏光板を通った光を前記開口を通
    過する方向に反射する投光側方向変換ミラ−、および、
    該ミラ−が反射した光をxz面に平行に分析対象材に投
    射する投光側対物ミラ−を含み;光分配手段は、投光側
    対物ミラ−が分析対象材に投射しそれが反射したxz面
    に平行な光を前記開口を通過する方向に反射する受光側
    対物ミラ−,このミラ−が反射した光をx方向に平行に
    反射する受光側方向変換ミラ−、および、該受光側方向
    変換ミラ−が反射した光を複数光路に分配する光分配器
    を含む;請求項25又は請求項26記載の分光分析装
    置。
  28. 【請求項28】光分配手段は、x方向に平行な入射光の
    うち特定波数より小さい波数を通して第1出射光とし大
    きい波数を反射する2色フィルタ、および、該2色フィ
    ルタが反射した光を反射してy方向に平行な第2出射光
    とするミラ−を有し、受光側方向変換ミラ−の反射光路
    上にそれぞれの2色フィルタを置いてシリアルに配列さ
    れた、第1組の複数の光分配器;および、 第1組の光分配器の第2出射光のうち特定波数より小さ
    い波数を通して第1出射光とし大きい波数を反射する2
    色フィルタ、および、該2色フィルタが反射した光を反
    射してx方向に平行な第2出射光とするミラ−を有し、
    第1組の光分配器の第2出射光の光路上にそれぞれの2
    色フィルタを置いて配置された、第2組の複数の光分配
    器;を備える、請求項11,請求項12,請求項13,
    請求項14,請求項15,請求項16,請求項17,請
    求項20,請求項21,請求項22,請求項23,請求
    項24,請求項25,請求項26又は請求項27記載の
    分光分析装置。
  29. 【請求項29】各光分配器の第2出射光は、同一xy平
    面上において入射光と直交する、請求項28記載の分光
    分析装置。
  30. 【請求項30】光分配器は、ユニット基板を有し、光分
    配器の2色フィルタ,ミラ−およびユニット基板が一体
    化され一ユニットである;請求項28又は請求項29記
    載の分光分析装置。
  31. 【請求項31】分析対象材の移動方向yの、投光側対物
    ミラ−および受光側対物ミラ−の直近位置に配設されx
    方向に延びる保護ロ−ル;を更に備える、請求項23,
    請求項26,請求項28,請求項29又は請求項30記
    載の分光分析装置。
  32. 【請求項32】x方向の平行光をz方向に反射する投光
    側方向変換ミラ−、および、該ミラ−が反射した光を分
    析対象材の表面に投射する投光側対物ミラ−を含む投光
    手段;分析対象材が反射した光をz方向に反射する受光
    側対物ミラ−、および、このミラ−が反射した光をx方
    向に反射する受光側方向変換ミラ−を含み、受光側方向
    変換ミラ−の反射光を複数の光路に分配する光分配手
    段;投光側方向変換ミラ−,投光側対物ミラ−,受光側
    対物ミラ−および受光側方向変換ミラ−を担持し、x方
    向に移動可能なx移動キャリッジ;x移動キャリッジを
    x方向に往,復駆動するx駆動手段;異なる波数の光が
    選択的に透過するフィルタと該フィルタを透過した光の
    強度を電気信号に変換する光電変換手段を含む、それぞ
    れが前記複数の光路のそれぞれに配置された、複数の分
    光検出手段;各分光検出手段の電気信号を光レベルデ−
    タに変換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  33. 【請求項33】装置は更に、xy平面を有し該xy平面
    に開きz方向に貫通した開口を有する光学定盤を備え;
    投光手段は、光学定盤で支持された、光を放射する光
    源,該放射光を、x方向に平行な平行光に整える光源ミ
    ラ−、および、該平行光を通す偏光板を含み、前記投光
    側方向変換ミラ−は偏光板を通った平行光を受けて前記
    開口を通して投光側対物ミラ−に反射し;光分配手段
    は、前記受光側方向変換ミラ−が反射したx方向の平行
    光を複数光路に分配する、光学定盤で支持された光分配
    器、を含み、前記受光側対物ミラ−は、光学定盤の下方
    の分析対象材が反射した平行光を受けて前記開口を通し
    て受光側方向変換ミラ−に反射する;請求項32記載の
    分光分析装置。
  34. 【請求項34】分析対象材に光を投射する投光手段;分
    析対象材の反射光を複数の光路に分配する光分配手段;
    異なる波数の光が選択的に透過するフィルタと該フィル
    タを透過した光の強度を電気信号に変換する光電変換手
    段を含む、それぞれが前記複数の光路のそれぞれに配置
    された、複数の分光検出手段;投光手段,光分配手段お
    よび分光検出手段を担持し、x方向に移動可能なx移動
    キャリッジ;x移動キャリッジをx方向に往,復駆動す
    るx駆動手段;各分光検出手段の電気信号を光レベルデ
    −タに変換する光強度計測手段;および、 前記光レベルデ−タに基づいて分析対象材の吸光成分量
    を算出するデ−タ処理手段;を備える分光分析装置。
  35. 【請求項35】x移動キャリッジは開口を有する光学定
    盤であり;投光手段は、x方向の平行光を前記開口を通
    過するz方向に反射する投光側方向変換ミラ−、およ
    び、該ミラ−が反射し前記開口を通過した光を分析対象
    材の表面に投射する投光側対物ミラ−を含み;光分配手
    段は、分析対象材が反射した平行光を前記開口を通過す
    るz方向に反射する受光側対物ミラ−、および、このミ
    ラ−が反射した平行光をx方向に反射する受光側方向変
    換ミラ−を含む;請求項34記載の分光分析装置。
  36. 【請求項36】高感度反射法により分析対象材表面の極
    薄膜の赤外反射スペクトルを測定し測定値に基づいて分
    析対象材表面の吸光成分量を算出する分光分析方法にお
    いて、 前記分析対象材表面に、入射面に平行に偏光されたP偏
    光と称する赤外光と入射面に対し垂直に偏光されたS偏
    光と称する赤外光を入射し、それらの反射スペクトルの
    比を測定し、この比を、標準試料について測定した前記
    P偏光による反射スペクトルと前記S偏光による反射ス
    ペクトルの比で補正することを特徴とする、高感度反射
    法による固体表面の極薄膜の分光分析方法。
  37. 【請求項37】連続的に供給される分析対象材について
    反射スペクトルの前記比を連続的に測定し、あらかじめ
    標準試料について測定した反射スペクトルの比で補正す
    る、請求項36記載の分光分析方法。
  38. 【請求項38】高感度反射法により分析対象材表面の極
    薄膜の赤外反射スペクトルを測定し測定値に基づいて分
    析対象材表面の吸光成分量を算出する分光分析装置にお
    いて、 赤外光を発生させる赤外光源,該赤外光源からの赤外光
    を直線偏光とし、かつ直線偏光の向きをP偏光およびS
    偏光に切替えるための回転機構を備えた偏光板,試料保
    持装置,赤外光を分光して検出するための分光検出部、
    および、検出された赤外光の強度を信号処理するための
    信号処理部、を備え、該信号処理部は、分析対象材につ
    いて測定したP偏光による反射スペクトルとS偏光によ
    る反射スペクトルの比を、標準試料について測定したP
    偏光による反射スペクトルとS偏光による反射スペクト
    ルの比で補正する手段を含む、ことを特徴とする分光分
    析装置。
  39. 【請求項39】前記分析対象材は連続的に供給され、前
    記信号処理部は、連続的に供給される分析対象材につい
    て連続的に測定した反射スペクトルの比を、あらかじめ
    標準試料について測定した反射スペクトルの比で補正す
    る、請求項38記載の分光分析装置。
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