JP3296223B2 - 物体の温度測定方法及びその装置 - Google Patents

物体の温度測定方法及びその装置

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JP3296223B2 JP34877896A JP34877896A JP3296223B2 JP 3296223 B2 JP3296223 B2 JP 3296223B2 JP 34877896 A JP34877896 A JP 34877896A JP 34877896 A JP34877896 A JP 34877896A JP 3296223 B2 JP3296223 B2 JP 3296223B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば、焼き付け塗
装されたカラー鋼板のように塗料によって反射率及び放
射率が変化する塗装表面の温度を、高精度、高速及び非
接触に測定する物体の温度の測定方法及びその装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、物体の表面温度を非接触で測定
する時は放射温度計が用いられている。この放射温度計
は、被測定物体の表面から放射される放射光を検出し、
温度に換算するものであるが、その換算にあたっては、
放射率を正しく設定する必要がある。したがって、放射
温度計を用いて被測定物体の表面の温度を測定する場合
には、被測定物体の表面の放射率を正しく求めることが
極めて重要になる。
【0003】しかし、通常、被測定物体の表面の放射率
を直接測定することは困難であるため、まず反射率を測
定し、次式に示すキルヒホッフの式を用いて被測定物体
の表面の放射率を求める方法が取られている。
【0004】 反射率+放射率=1 …(1)
【0005】そこで、入射光量に対する半球上の全反射
光量を直接測定し、反射率を求める装置として、次の文
献に記載されているものが知られている。
【0006】図18は文献「JOURNAL OF RESEARCH Vol.
89,No.1,1984」(以下、従来例1という)に記載されて
いる反射率測定装置の模式図である。この装置は、半円
状に複数並べられた検出器23を、その半円の直径を軸
として180゜回転させることにより、被測定物体の表
面22に対し、レーザ光源21から斜めに入射され、被
測定物体の表面22で反射されるレーザ光を、半球上の
全成分に対して光検出器アレイ23で受光するものであ
る。しかし、測定データが多数になり、またそれらの測
定データを処理する必要があるため、測定及び演算に時
間がかかり、実用的ではない。また、測定装置と被測定
物体の表面22とのリフトオフを取ることができないと
いう問題点がある。
【0007】図19は文献「OPTICAL SCATTERING Measu
rement and Analysis by JOHN C. STOVER,P140,1990 」
(以下、従来例2という)に記載されている反射率測定
装置の模式図である。この装置は、従来例1において、
半球方向全てについて個々に測定している反射光を、積
分球31を使って集光し、測定しているため、全反射光
を瞬時に測定することができる。しかし、積分球31を
被測定物体の表面32に接触させないと十分な測定精度
が得られないため、非接触による測定には不向きであ
る。
【0008】そこで、高速且つ非接触にオンラインで反
射率を測定し、それに基づいて被測定物体の表面の温度
を求める放射温度計として、次の公報に提案されている
ものがある。
【0009】図20は特開平4−43928号公報(以
下、従来例3という)に記載された放射式温度測定装置
の模式図である。この装置は、検出器が取り付けられた
半球状のキャビティ42と被測定物体の表面43との距
離を2段階以上変化させ、データを測定しておく。放射
率が既知の物体を用いて測定した放射率と距離との関係
をあらかじめ演算しておき、その演算結果及び測定した
データから被測定物体の表面の放射率を求め、求めた放
射率を用いて被測定物体の表面の温度を測定するもので
ある。
【0010】図21は特開平5−209792号公報
(以下、従来例4という)に記載された放射式温度測定
装置の模式図である。この装置は発光源51からのスポ
ット光を被測定物体の表面52に斜めに入射し、その反
射光の1次元的な分布を、1次元CCD53で測定する
ことにより反射率を求め、この反射率を用いて被測定物
体の表面の温度を求めるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
3又は4を塗装材に適用する場合には、次のような問題
点がある。その問題点を示す前に、まず塗装材表面にお
ける反射特性と、そのメカニズムについて説明する。塗
装材表面にレーザ光を照射し、その照射方向を含む被測
定面に垂直な面で測定した1次元反射パターンを図22
(a)に示す。図に示すように、反射パターンは鏡面性
拡散反射と完全拡散反射とが合成された合成反射パター
ンとなる。図22(a)のBの部分を拡大したものが図
22(b)である。ここで鏡面性拡散反射とは、塗装さ
れた被測定物体の表面に入射された光が、図23に示さ
れるように、入射された光の一部が塗装表面で反射され
たものである。鏡面性拡散反射は、正反射方向を中心と
する指向性を有した楕円体反射パターンを示す。また完
全拡散反射とは、塗装された被測定物体の表面に入射さ
れた光が、図24に示されるように、照射された光の一
部が塗装表面で反射されず、塗装内部まで入射し、多重
反射及びレーリー散乱により外部へ放射されたものであ
る。完全拡散反射は、指向性のない球状反射パターン
(ランバーシャン)を示す。合成反射とは、このような
鏡面性拡散反射と完全拡散反射とが足し合わされた反射
である。
【0012】単位立体角当たりの完全拡散反射の光の成
分は、鏡面性拡散反射の成分に比べて非常に弱いため、
正反射方向を中心とする狭角の反射パターンによる測定
では、完全拡散反射成分を測定するどころか、その存在
すら確認することが困難である。しかし、完全拡散反射
は半球方向全てに反射成分を持つため、それらが積分さ
れ、算出された完全拡散反射成分は鏡面性拡散反射より
大きくなる場合があり、無視することはできない。した
がって、完全拡散反射を合成反射から分離して評価し、
全反射光量を精度良く求めなければ、精度の良い反射率
を求めることはできない。
【0013】以上の特性を考慮して、従来例3又は4で
の塗装材反射光量測定の問題点について説明する。従来
例3(特開平4−43928号公報)の技術は、キャビ
ティ41内における多重反射強の距離による変化と、事
前に求めてある放射率との関係が常に一定であることを
前提としている。しかし、この関係は反射特性が鏡面性
拡散反射のみ、あるいは完全拡散反射のみの場合には成
立するが、両者が合成された合成反射では両特性の組み
合わせが被測定物体により様々に変化するため関係が成
立しない。したがって、その分測定精度が低くなる。
【0014】従来例4(特開平5−209792号公
報)の技術は、点光源を用いて測定物体の表面における
正反射方向を中心とする狭角の1次元反射パターンを測
定することにより全反射光量を求めている。しかし、こ
のような狭角の1次元反射パターン測定では半球状に拡
散する完全拡散反射成分を演算することはできない。ま
た、反射パターンの測定方向が正反射方向を中心とし、
且つ狭角であるため、鏡面性反射と完全拡散反射が重な
りあった合成反射パターンから両者を分離して評価する
ことも困難である。
【0015】さらにまた、計測に際してパスラインが変
動した場合には、演算結果に誤差が含まれることにな
る、という問題点がある。
【0016】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、塗装材のように鏡面反射成
分と完全拡散反射成分が合成された反射特性を有する被
測定物体の反射率を、パスラインに変動がある状態にお
いても高精度に求めることを可能にするとともに、被測
定物体の表面温度を高精度に算出することを可能にした
物体の温度の測定方法及びその装置を得ることを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係る物体
温度測定方法は被測定物体の表面から放射される放
射光を検出し温度に換算するものであり、かつ、その温
度換算にあたって放射率を設定するものであって前記
被測定物体の表面の放射率を求めるのに反射率を測定し
てキルヒホッフの式を適用する物体の温度測定方法にお
いて、放射源により前記被測定物体の表面に光を照射す
る工程と、前記反射率を求めるために、光検出器により
反射光の強度を測定する工程と前記放射源及び前記光
検出器に対し所定の位置関係で配置された距離計によ
り、当該距離計と前記被測定物体の表面との距離を求め
る工程と前記被測定物体の表面が変動したときに生じ
る誤差を、前記距離計の出力に基づいて補正演算する工
程とを有する。
【0018】(2)本発明に係る物体の温度測定方法
前記距離計の出力に基づいて補正演算する工程にお
いては、前記距離計と前記被測定物体の表面との距離に
基づいて、放射源と前記被測定物体との最小距離、被測
定物体の走査点及び前記光検出器の見込み角をそれぞれ
求め、これを用いて前記被測定物体の表面が変動したと
きに生じる誤差を補正演算する。 (3)本発明に係る物体の温度測定方法は、前記被測定
物体の表面上の複数の点を含む範囲に光を照射して、前
記複数の点からの反射光を受光する。
【0019】(4)本発明に係る物体の温度測定装置
被測定物体の表面から放射される放射光を検出し温
度に換算するものであり、かつ、その温度換算にあたっ
て放射率を設定するものであって、前記被測定物体の表
面の放射率を求めるのに反射率を測定する物体の温度測
定装置において、前記被測定物体の表面に光を照射する
放射源と、前記反射率を求めるために、反射光の強度を
測定する光検出器と前記放射源及び前記光検出器に対
し所定の位置関係で配置され、前記被測定物体の表面と
の距離を測定する距離計とを備え前記被測定物体の表
面が変動したときに生じる誤差を、前記距離計の出力に
基づいて補正演算するものである。 (5)本発明に係る物体の温度測定装置は、前記被測定
物体の表面上の複数の点を含む範囲に光を照射して、前
記複数の点からの反射光を受光する。 (6)本発明に係る物体の温度測定装置において前記
放射源は、前記被測定物体に平行に配置された棒状放射
源であって、被測定物体における棒状放射源の長手方向
の傾きを求め、前記傾きが所定の角度を超えると警報を
発生させる
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
物体の放射率及び温度を測定するための装置の構成図で
あり、図2はその平面配置図である。図において、被測
定物体の表面1は塗装材によって塗装されている。棒状
放射源3は電源5と接続され、被測定物体の表面1と平
行に配設される。棒状放射源3の照射光の強度を直接測
定するために、棒状放射源3の放射方向と平行に光検出
器9が配設され、その照射強度の信号はリレースイッチ
14に送られる。また、棒状放射源3と被測定物体の表
面1との間には、棒状放射源3から被測定物体の表面1
上の反射光測定範囲に照射される照射光を遮断できるよ
うに遮断装置4が配設されている。遮断装置4の動作
は、コントローラ13により制御され、この制御データ
はシャッター信号として演算器8に送られる。走査型光
検出器2は、棒状放射源3を法線とし、棒状放射源3の
中心を含む平面上で、しかも棒状放射源3から被測定物
体の表面1に斜めに照射される照射光の正反射方向が走
査角の中心付近となるように配設される。走査型光検出
器2からは、演算器8に対して角度トリガ信号が出力さ
れる。
【0021】また、走査型光検出器2からの反射光信号
がリレースイッチ14に出力される。リレースイッチ1
4では、光検出器9から入力されたデータ信号と、走査
型光検出器2から入力された反射光信号を切り換えて増
幅器7に出力し、増幅器7は入力された信号を増幅して
演算器8に出力する。また、リレースイッチ14は切り
換え信号を演算器8に送出し、どちらの信号を送出した
かを演算器8が分かるようにする。なお、棒状放射源3
の光の照射光の強度測定は必ずしも光検出器9を使う必
要はなく、走査型光検出器2の走査範囲に棒状放射源3
を設置し、走査型光検出器2が棒状放射源3の照射光の
強度を直接測定するようにしてもよい。
【0022】また、レーザ距離計15,16が、図示の
ように、棒状放射源3の長手方向に対して直交する方向
に配置されており、被測定物体の表面1との距離をそれ
ぞれ求めることにより、後述するように、棒状放射源3
と被測定物体との最小距離、被測定物体の走査点及び走
査型光検出器の見込み角がそれぞれ求められる。さら
に、レーザ距離計の15に対して棒状放射源3の長手方
向に離れた位置にレーザ距離計17が配置されており、
このレーザ距離計17とレーザ距離計15とによって、
被測定物体の表面1の棒状放射源3の長手方向の傾きが
求められる。これらのレーザ距離計15,16,17の
出力は、いずれも演算器8に入力する。
【0023】この実施形態は、走査型光検出器2を用い
て、鏡面性拡散反射を含む範囲よりも広角の反射光の強
度を測定することにより、反射パターンの一部から完全
拡散反射の光量を求め、鏡面性拡散反射成分と合わせて
半球上の全反射光量を求めるものである。また、パスラ
インが変動して被測定物体の表面1が上下方向に変した
場合には誤差が生じるが、そのような誤差が生じないよ
うに後述するような補正演算を施す。
【0024】図3は図1の演算器8の構成の一例を示す
ブロック図である。図において、タイミングスイッチ9
1は、入力された反射光信号又は照射光の強度のデータ
信号を角度トリガ信号に基づいてサンプリングする。タ
イミングスイッチ91からサンプリングされて出力され
た光の強度のデータは、A/D変換器92によりアナロ
グデータからデジタルデータに変換されて、メモリ切り
換えスイッチ93に送られる。メモリ切り換えスイッチ
93は、コントローラ13から送られたシャッター信
号、及びリレースイッチ14から送られた切り換え信号
により、入力されたデータをメモリ94、メモリ95又
はメモリ96の該当するメモリに出力する。メモリ94
は、遮断装置4を開いた状態で測定された反射光+放射
光の強度の信号がデータとしてサンプリング毎に記憶さ
れる。メモリ95は、遮断装置4を閉じた状態で測定さ
れた放射光のみの強度の信号がデータとしてサンプリン
グ毎に記憶される。メモリ96は、光検出器9により測
定された棒状放射源3の放射光の強度の信号がデータと
して記憶される。このとき、メモリ97,98,99に
も、タイミングスイッチ91、A/D変換器92及びメ
モリ切換スイッチ93を介してレーザ距離計15,1
6,17からの計測値が入力して記憶される。メモリ9
4〜99に記憶されたデータは演算部100により必要
に応じて読み出されて、後述する演算処理が施される。
【0025】図4は演算部100の演算手順を示した図
である。また、図5は全反射光量を求める演算過程の図
である。ここでは被測定物体の表面1の反射率を求め、
その反射率から放射率及び被測定物体の表面1の温度を
求める方法について説明する。演算部100は、メモリ
94及びメモリ95からデータを入力し、メモリ95の
値とメモリ94の値との差をとる(S1)。これによ
り、反射光のみの光の強度が求められる。これを走査角
毎に演算することで反射強度分布が求められる。走査角
に対応した反射強度分布から1点での反射パターンを合
成するためには、被測定物体の表面1、放射温度計2及
び棒状放射源3の位置関係を考慮し、被測定物体の表面
1上のそれぞれの位置に応じて反射強度補正を行う必要
がある(S2)。
【0026】そこで、先程求めた反射強度分布から完全
拡散反射パターンを求めるための補正を行う。図6は被
測定物体の表面1、走査型光検出器2及び棒状放射源3
の位置関係を示す図であり、図7は被測定物体の表面1
と棒状放射源3との位置関係を示す図である。被測定物
体の表面1をxz平面とし、棒状放射源3の中心を通る
xz平面の垂線をy軸とする。完全拡散反射の強度補正
項目は次の4項目となる。 (1)棒状放射源3と被測定物体の表面1との距離補正
… l2 (2)棒状放射源3から対象への入射角補正… COSθ2
(XO ) (3)棒状放射源3の長さ補正…2・z0 (4)走査型光検出器2の見込み角の補正… COSθ
(XO )
【0027】まず、(1)〜(3)の要件を加味した補
正について説明する。走査型光検出器2はX軸上をスキ
ャンするものとし、棒状放射源3の長さを2・Z0 、棒
状放射源3上のある点( 0, h 1 ,z )から被測定物体の
表面1上の点( X0 , 0 ,0)までの距離を l、棒状放射
源3と被測定物体の表面1との最小距離をh 1 とし、図
のようにθ1 、θ2 を定義する。棒状放射源3の単位長
さ当たりの輝度をk とすると、( X 0 ,0 ,0 )方向への
輝度は次式で表される。
【0028】
【数1】
【0029】したがって、( X0 ,0 ,0 )における棒状
放射源3の単位長の照度ΔEは、次式のようになる。
【0030】
【数2】
【0031】したがって( X 0 ,0 ,0 )における棒状放
射源3全体からの照度EはZの関数として次式で表され
る。
【0032】
【数3】
【0033】これを計算したものが、次式となる。
【0034】
【数4】
【0035】さらに(4)の要件を含む最終的な強度補
正式は、走査型光検出器2の各画素がX0 の関数として
走査型光検出器2の見込み角θ(対象の法線方向を0
度)で対象を見込む場合には次式により補正される。な
お、ここでは、走査型光検出器2の見込み角θが変わる
とそれに対応する棒状放射源3によるX0 の地点も変わ
り、その地点の照度も変わることになるので、地点X0
の理論上の照度E(X0)によって各画素の生データを
基準化することで、各画素の補正データを生成してい
る。
【0036】
【数5】
【0037】ところで上述の演算はパスラインに変動が
ない場合の例であるが、パスラインに変動がある場合に
は、上記の(5)式及び(6)式における補正係数
(θ,X0 ,h1 )を距離計測器15,16の計測値か
ら求める必要がある。
【0038】図8は補正係数を求める際の走査型光検出
器2と距離計測器15,16との相対的な位置関係を示
した説明図である。 (a)基準線:棒状光源を通る直線AB、及びそれに垂
直に棒状光源を通る直線CD。 (b)走査型光検出器2の位置:棒状光源からの距離R
DS及び直線ABとのなす角β (c)鋼板位置:棒状放射光源からの距離h1及び直線
ABとのなす角α (d)レーザ距離計の位置:直線ABからの距離ha ,
hb 及び直線ABへ下ろした垂線の足の棒状光源からの
距離ka ,kb (e)距離補正用パラメータ:h1,X0 (θ’),θ
(θ’) θ’:走査角 (f)計算に使用する中間パラメータ: LS ’:直線ABに垂直に計った棒状光源から鋼板まで
の距離 LD ’:直線ABに垂直に計った走査型光検出器から鋼
板までの距離 h2 :鋼板に垂直に測った走査型光検出器から鋼板ま
での距離
【0039】図9は図8の位置関係に基づいて補正係数
を求める際の処理過程を示したフローチャートである。
ここでは、測定値la ,lb 及び既知の定数RDS,β,
ha ,hb ,ka ,kb に基づいて鋼板位置のパラメー
タα,h1 を求め、次にこれらのパラメータに基づいて
補正用パラメータh1,X0 ,θを求める。 ステップS2a:計測値la ,lb から次式により中間
パラメータLS ’,LD ’を求める。
【0040】
【数6】
【0041】ステップS2b:中間パラメータLS ’,
LD ’から次式に基づいて鋼板位置α,h1(,h2)
を求める。
【0042】
【数7】
【0043】ステップS2c:鋼板位置α,h1及び走
査角θ’から次式基づいて距離補正用パラメータθ,X
0 を求める。
【0044】
【数8】
【0045】以上のようにして求められた補正係数
(θ,X0 ,h1 )を上記の(5)式及び(6)式に代
入することにより、照度E及び各画素の補正データを得
る際に、パスラインの変動による影響を排除することが
できる。
【0046】図10は被測定物体の表面1上の完全拡散
反射の角度変換について示した図である。完全拡散反射
は、その反射パターンがランバーシャンであるため、走
査角に対応した被測定物体の表面1上の各反射点におい
て、被測定物体の表面1の垂直方向と測定方向とに挟ま
れる角をそれぞれ求め、それらを合成して、被測定物体
の表面1上の1点( X0 ,0 ,0 )における反射パターン
を算出する。この反射パターンには鏡面性拡散反射によ
る反射パターンも含まれている。完全拡散反射パターン
は円として合成されているので、反射パターンの内、円
に対応する部分が完全拡散反射による反射パターンであ
る。したがって、この円に対応する部分を完全拡散反射
パターンとして把握し、この完全拡散反射パターンをθ
の関数として積分し、完全拡散反射成分の反射強度を算
出する(S3)。なお、ここでは、反射パターンの円に
相当する部分(:明らかに鏡面性拡散反射部分を含んで
いない箇所)を選んで、その部分から円の直径を求め
て、その直径によって特定される円、即ちについて上述
のように積分(−π/2〜+π/2)をすることによ
り、完全拡散反射成分反射強度を算出している。
【0047】上記のようにして完全拡散反射成分強度が
導き出されると、次に鏡面性拡散反射パターンを求める
ための反射強度補正を行う。先に求めた反射強度分
布(:S1において求めた反射強度分布)から、完全拡
散反射パターンである円に対応する部分を分離する。こ
こでは、完全拡散反射パターンが完全拡散反射のための
補正がされているので、その完全拡散反射パターンを、
上記の(6)式において、完全拡散反射の逆補正を行っ
て、完全拡散反射に相当する各画素の生データを生成
し、走査型光検出器2で計測される反射強度分布(図5
のS4の斜線部分参照)に戻してから上記の分離処理を
行う(S4)。
【0048】ところで、鏡面性拡散反射の場合には、走
査型光検出器2で検出される反射光は棒状放射源3の中
心部から照射された光による寄与がほとんどのため、放
射源は点放射源として扱うことにして強度補正を行う
(S5)。点( X0 ,0 ,0 )における照度は、放射源輝
度をkとして次式で表される。
【0049】
【数9】
【0050】ここでの補正項目は (1)棒状放射源3と被測定物体の表面1との距離補正
… L2 (2)棒状放射源3から被測定物体の表面1への入射角
補正… COSθ2a(XO ) である。さらに次の補正を加える。 (3)被測定物体の表面1から走査型光検出器2への出
射角補正… COSθ(XO ) 以上(1)〜(3)の要件を加味した補正式は次式のよ
うになる。なお、次式において、各画素の光量生データ
とは、先に求めた反射強度分布(:S1において求めた
反射強度分布)から完全拡散反射パターンである円に対
応する部分を分離して求められた、鏡面拡散反射に対応
する画素データを示すものとする。
【0051】
【数10】
【0052】図11は被測定物体の表面1上の鏡面性拡
散反射の角度変換について示した図である。走査角に対
応した被測定物体上の各反射点における正反射方向と測
定方向の挟む角を求めて合成して、前記の各画素の光量
生データに基づいて被測定物体の表面1の1点(X0 ,0,
0) における鏡面性拡散反射パターンを算出する。
【0053】鏡面性拡散反射パターンが求められると、
これをθの関数として積分する(S6)。これにより鏡
面性拡散反射成分の反射強度が導かれる。先程求めた完
全拡散反射成分の反射強度と鏡面性拡散反射成分の反射
強度との和が全反射光量(全反射強度)となる(S
7)。
【0054】メモリ96に記憶される棒状放射源3の放
射強度を演算し(S8)、これと全反射光量との比から
反射率を求める。また、求めた放射率と、上述したキル
ヒホッフの式から放射率を求めることができる(S
9)。メモリ95に入力された放射光のみの光の強度及
び放射率に基づいて、被測定物体の表面1の温度が求め
られる(S10)。
【0055】ところで、被測定物体の表面1が棒状放射
源3の長手方向に傾斜した場合にはは走査画素と合成角
の対応も変化しなければ、照度や見込み角の変化もない
ので補正は不要である。しかし、傾きが大きいと、棒状
放射源の長さが有限であるため、図12に示されるよう
に、走査型光検出器2から見た正反射方向が棒状放射源
3からはずれてしまい、測定不能となる。このため、レ
ーザ距離計15,17の各出力により被測定物体の傾き
θcを求め、この傾きθcが Z0 <h1×tan(2θc) …(12) となった時に傾きはずれの警報を発生させる。
【0056】図13は図1の測定装置によりカラー鋼板
の1次元反射パターンを測定したときの結果を示す図で
ある。サンプルは図22で測定したものと同じものを用
いている。反射パターンの一部に完全拡散反射が現れて
いるのが分かる。また、棒状放射源3を使用するため、
上記の(4)式で表される棒状光源の長手方向の積分効
果があるため、図22と比較して、完全拡散反射が強調
されている。これにより完全拡散反射の測定精度が向上
し、反射率測定精度が向上する。
【0057】また、図14は図1の測定装置により、カ
ラー鋼板の温度をオフライン測定したときの結果を示す
図である。温度測定値の比較には、カラー鋼板に溶接し
た熱電対の指示値を用いた。また、温度測定値は測定し
た反射率値及び放射率値を用いて求めた値である。測定
の結果、±1℃の温度精度であり、高精度な温度測定が
可能である。
【0058】また、図15は図1の測定装置によりパス
ラインが変動させときの実験結果の一例を示す図であ
る。カラー鋼板サンプルを距離200〜400mmの範
囲で距離変動させたときの放射率測定結果の変化を、距
離300mmの時の測定値を基準に評価し、そこから2
00℃の鋼板の温度測定に適用した場合の誤差を評価し
た。補正が十分働いていずれも十分な精度が得られてい
る。
【0059】また、図16は図15と同様にして距離は
300mmに固定したまま、棒状放射源長手方向とは垂
直方向に傾きを変化させた場合の同様に評価した誤差を
示した図である。
【0060】更に、図17は棒状放射源長手方向に傾き
を変化させた時の同様に評価した誤差を示した図であ
る。傾きが6度程度までは誤差が全く乗らないが、それ
より大きくなると急激に誤差が大きくなることが分か
る。このときの棒状放射源の実効長さは約160mmで
あり、(12)式とはほぼ対応しており、この状態にお
いて警報が発生することになる。
【0061】ところで、本発明は塗装された物体だけで
なく、塗装前の物体についても適用可能である。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る物体の放射率及び温
度の測定装置の構成図である。
【図2】図1の測定装置の平面配置図である。
【図3】図1の演算器の一構成例を示すブロック図であ
る。
【図4】図3の演算部の演算手順を示した図である。
【図5】全反射光量を求める演算過程の図である。
【図6】被測定物体の表面1上の点、走査型光検出器及
び棒状放射源の位置関係を示す図である。
【図7】被測定物体の表面1上の点と棒状放射源との位
置関係を示す図である。
【図8】パスラインが変動した際に、棒状放射源と被測
定物体との最小距離、被測定物体の走査点及び走査型光
検出器の見込み角の補正値を求めるの関係を示した図で
ある。
【図9】図8における補正値を求める処理過程を示した
ブロック図である。
【図10】完全拡散反射の角度変換について示した図で
ある。
【図11】鏡面性拡散反射の角度変換について示した図
である。
【図12】棒状放射源の長手方向の被測定物体の傾きに
よる視野外れの影響を示した図である。
【図13】カラー鋼板を測定した1次元反射パターン図
である。
【図14】カラー鋼板の温度をオフライン測定した結果
を示す図である。
【図15】パスラインを変動させときに図1の測定装置
により測定したときの結果の一例を示す図である。
【図16】図15と同様にして距離は300mmに固定
したまま、棒状放射源長手方向とは垂直方向に傾きを変
化させた場合の同様に評価した誤差を示した図である。
【図17】棒状放射源長手方向に傾きを変化させた時の
同様に評価した誤差を示した図である。
【図18】従来例1に係る反射率測定装置の模式図であ
る。
【図19】従来例2に係る反射率測定装置の模式図であ
る。
【図20】従来例3に係る放射式温度測定装置の模式図
である。
【図21】従来例4に係る放射式温度測定装置の模式図
である。
【図22】塗装表面にレーザ光を照射したときの1次元
反射パターン図と拡大図である。
【図23】鏡面性拡散反射を示す図である。
【図24】完全拡散反射を示す図である。
【符号の説明】
1 被測定物体の表面 2 走査型光検出器 3 棒状放射源 4 遮光装置 5 電源 7 増幅器 8 演算器 9 光検出器 13 コントローラ
フロントページの続き (72)発明者 真鍋 俊樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−209792(JP,A) 特開 平6−74831(JP,A) 特開 昭62−30923(JP,A) 特開 昭63−6428(JP,A) 特開 平9−166494(JP,A) 特開 平9−138163(JP,A) 計測自動制御学会学術講演会予稿集, Vol.35th,No.Vol.1, p.321−322 材料とプロセス,第9巻第5号,p. 946 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 5/00 - 5/62 G01N 21/00 - 21/61 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物体の表面から放射される放射光
    を検出し温度に換算するものであり、かつ、その温度換
    算にあたって放射率を設定するものであって前記被測
    定物体の表面の放射率を求めるのに反射率を測定してキ
    ルヒホッフの式を適用する物体の温度測定方法におい
    て、放射源により 前記被測定物体の表面に光を照射する工程
    と、前記反射率を求めるために、光検出器により反射光の強
    度を測定する工程と前記放射源及び前記光検出器に対し所定の位置関係で配
    置された距離計により、当該距離計と前記被測定物体の
    表面との距離を求める工程と前記被測定物体の表面が変動したときに生じる誤差を、
    前記距離計の出力に基づいて補正演算する工程と を有す
    ることを特徴とする物体の温度測定方法
  2. 【請求項2】 前記距離計の出力に基づいて補正演算す
    る工程においては、前記距離計と前記被測定物体の表面
    との距離に基づいて、放射源と前記被測定物体との最小
    距離、被測定物体の走査点及び前記光検出器の見込み角
    をそれぞれ求め、これを用いて前記被測定物体の表面が
    変動したときに生じる誤差を補正演算することを特徴と
    する請求項1記載の物体の温度測定方法
  3. 【請求項3】 前記被測定物体の表面上の複数の点を含
    む範囲に光を照射して、前記複数の点からの反射光を受
    光することを特徴とする請求項1又は2記載の物体の温
    度測定方法。
  4. 【請求項4】 被測定物体の表面から放射される放射光
    を検出し温度に換算するものであり、かつ、その温度換
    算にあたって放射率を設定するものであって、前記被測
    定物体の表面の放射率を求めるのに反射率を測定する
    体の温度測定装置において、 前記被測定物体の表面に光を照射する放射源と、前記反射率を求めるために、反射光の強度を測定する光
    検出器と前記放射源及び前記光検出器に対し所定の位置関係で配
    置され、前記被測定物体の表面との距離を測定する距離
    計とを備え前記被測定物体の表面が変動したときに生じる誤差を、
    前記距離計の出力に基 づいて補正演算することを特徴と
    する物体の温度測定装置
  5. 【請求項5】 前記被測定物体の表面上の複数の点を含
    む範囲に光を照射して、前記複数の点からの反射光を受
    光することを特徴とする請求項4記載の物体の温度測定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記放射源は、前記被測定物体に平行に
    配置された棒状放射源であって、 被測定物体における棒状放射源の長手方向の傾きを求
    め、前記傾きが所定の角度を超えると警報を発生させる
    こと を特徴とする請求項4又は5に記載の物体の温度測
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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材料とプロセス,第9巻第5号,p.946
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